JP2021125233A - 非接触式通信媒体、磁気テープカートリッジ、及び非接触式通信媒体の製造方法 - Google Patents

非接触式通信媒体、磁気テープカートリッジ、及び非接触式通信媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特性の異なる外部コンデンサを用いることにより、共振回路のQ値を変更させることができる非接触式通信媒体、磁気テープカートリッジ、及び非接触式通信媒体の製造方法を提供する。【解決手段】非接触通信媒体は、外部から与えられた外部磁界が作用することで電力を誘起するコイルが形成された基板に搭載され、内蔵コンデンサを有する処理回路と、処理回路に対して外付けされる外部コンデンサとを備える。外部コンデンサは、内蔵コンデンサ及びコイルと共に、外部磁界が作用することで予め定められた共振周波数で共振する共振回路を構成する。外部コンデンサは、内蔵コンデンサに対して並列に接続されており、共振回路は、外部コンデンサの特性に応じて定められたQ値を有する。【選択図】図21

Description

本開示の技術は、非接触式通信媒体、磁気テープカートリッジ、及び非接触式通信媒体の製造方法に関する。
特許文献1には、メモリ部と、電力生成部と、電力監視部と、容量制御部とを具備する非接触通信媒体が開示されている。特許文献1に記載の非接触通信媒体において、メモリ部は、所定の管理情報を記憶する。電力生成部は、アンテナコイルと容量値が可変な共振容量部とを有する共振回路と、共振回路の共振出力を整流する整流回路とを有し、メモリ部へ供給される電力を生成する。電力監視部は、共振回路に対して整流回路とは並列に接続され抵抗値が可変に構成された電流調整素子と、基準電圧を発生させる基準電圧発生源と、整流回路の出力電圧が基準電圧と等しくなるように電流調整素子を制御する演算増幅器とを有する。容量制御部は、演算増幅器の出力に基づいて共振容量部を制御するように構成される。
特許文献2には、記録媒体カートリッジ用の非接触通信媒体であって、回路部品と、支持基板と、アンテナコイルとを具備する非接触通信媒体が開示されている。特許文献2に記載の非接触通信媒体において、回路部品は、記録媒体カートリッジに関する管理情報を格納することが可能なメモリ部を内蔵する。支持基板は、回路部品を支持する。アンテナコイルは、回路部品に電気的に接続され支持基板に形成されたコイル部を有し、コイル部のインダクタンス値が0.3μH以上2.0μH以下である。
特許文献3には、電圧発生部と、メモリ部と、クロック信号発生部と、制御部とを具備する非接触通信媒体が開示されている。特許文献3に記載の非接触通信媒体において、電圧発生部は、送受信用のアンテナコイルを有し、外部機器からの信号磁界を受信して電力を生成する。メモリ部は、電圧発生部に設定される1以上の回路パラメータと、所定の管理情報とを記憶する。クロック信号発生部は、2以上の異なる周波数のクロック信号を選択的に生成することが可能に構成される。制御部は、クロック信号発生部からメモリ部へ供給されるクロック信号の周波数を選択するように構成される。
特許文献4には、絶縁性フィルム上に複数配列されたRFIDタグのインレーの各々に対して、検知用コイルを近接させて共振周波数又はQ値あるいは両者を測定する測定装置が開示されている。特許文献4に記載の測定装置において、絶縁性フィルムの法線方向から見て、測定対象となるインレーの周囲を覆うように非磁性金属板が配設され、非磁性金属板により、測定対象のインレーと隣接するインレーとの相互誘導が抑制されることを特徴とする。
特許文献5には、参照電位と接続される信号部を含む集積回路を有する半導体本体と、基板上に配置され半導体本体上に接続された接触表面を介して集積回路に結合されるアンテナの構造とを有し、アンテナは、集積回路の入力キャパシタとともに直列共振回路を形成し、動作エネルギを容量結合的に高周波電磁搬送フィールドから引き出すパッシブトランスポンダのアンテナ共振回路の同調方法が開示されている。特許文献5に記載のパッシブトランスポンダのアンテナ共振回路の同調方法は、接触表面と参照電位間の電流経路を形成する部分の寄生キャパシティブ要素及びレジスティブ要素を減少させ、アンテナ共振回路のクオリティを高めることを特徴とする。
特許文献6には、導体によりループアンテナを基板の片面に形成するとともに通信回路を基板の同片面に搭載してなる非接触通信媒体が開示されている。特許文献6に記載の非接触通信媒体は、ループアンテナの一端を通信回路の一方のアンテナ接続部に接続し、第1パッド部と、第2パッド部と、第1パッド部及び第2パッド部を導通する導通部とを搭載してなるアーム部を、アーム部を折り畳んだ場合に、ループアンテナの他端と第1パッド部とが接触し且つ通信回路の他方のアンテナ接続部と第2パッド部とが接触するように、折り畳み可能に設けたことを特徴とする。
国際公開第2019/198438号 国際公開第2019/198527号 国際公開第2019/176325号 特開2003−331220号公報 特開2003−051759号公報 特開2004−265374号公報
本開示の技術に係る一つの実施形態は、1チップ化された演算装置に含まれる容量性負荷及びコイルのみによって共振させる場合に比べ、共振周波数のばらつきを抑制することができる非接触式通信媒体、磁気テープカートリッジ、及び非接触式通信媒体の製造方法を提供する。
本開示の技術に係る別の実施形態は、特性の異なる外部コンデンサを用いることにより、共振回路のQ値を変更させることができる非接触式通信媒体、磁気テープカートリッジ、及び非接触式通信媒体の製造方法を提供する。
本開示の技術に係る第1の態様は、容量性負荷と、メモリと、メモリに対して読み書きを行うプロセッサとが1チップ化された演算装置と、コイルと、演算装置に対して外付けされたコンデンサであって、外部から与えられた外部磁界が作用することで予め定められた共振周波数で共振する共振回路を容量性負荷及びコイルと共に構成するコンデンサと、備え、演算装置が、共振回路によって生成された電力を用いて動作する非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第2の態様は、容量性負荷及びコンデンサが、コイルに対して並列に接続されている第1の態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第3の態様は、コンデンサの容量が、容量性負荷の容量の実測値に基づいて定められている第1の態様又は第2の態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第4の態様は、基板を更に備え、基板の特定面に演算装置とコンデンサとが接着され、かつ、電気的に接続されている第1の態様から第3の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第5の態様は、演算装置及びコンデンサが、特定面で封止材によって封止されている第4の態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第6の態様は、演算装置及びコンデンサが、ワイヤ接続方式で電気的に接続されている第1の態様から第5の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第7の態様は、演算装置が、フリップチップ接続方式でコイルと電気的に接続されている第1の態様から第6の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第8の態様は、演算装置が、磁気テープカートリッジ以外の用途にも使用可能な汎用タイプであり、磁気テープカートリッジ用プログラムがインストールされることによって磁気テープカートリッジ用演算装置として機能する第1の態様から第7の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第9の態様は、第1の態様から第8の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体と、磁気テープと、を備えた磁気テープカートリッジであって、非接触式通信媒体は、第2メモリを有し、第2メモリは、磁気テープに関する情報を記憶している磁気テープカートリッジである。
本開示の技術に係る第10の態様は、外部から与えられた外部磁界が作用することで電力を誘起するコイルが形成された基板に搭載され、内蔵コンデンサを有する処理回路と、処理回路に対して外付けされる外部コンデンサであって、外部磁界が作用することで予め定められた共振周波数で共振する共振回路を内蔵コンデンサ及びコイルと共に構成する外部コンデンサと、を備え、外部コンデンサは、内蔵コンデンサに対して並列に接続されており、共振回路は、外部コンデンサの特性に応じて定められたQ値を有する非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第11の態様は、Q値が、特定の周波数帯での外部コンデンサの抵抗成分に応じて定められている第10の態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第12の態様は、Q値が、非接触式通信媒体による基準通信距離よりも長い通信距離を実現する値に設定されている第10の態様又は第11の態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第13の態様は、Q値が、非接触式通信媒体による基準通信安定性よりも良好な通信安定性を実現する値に設定されている第10の態様から第12の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第14の態様は、外部コンデンサが処理回路に接続されていない状態で、かつ、処理回路がコイルに接続されている状態で測定された仮Q値に基づいてQ値が定められている第10の態様から第13の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第15の態様は、基準Q値と、外部コンデンサが処理回路に接続されていない状態で、かつ、処理回路がコイルに接続されている状態で測定された仮Q値との相違度に基づいて、外部コンデンサの特性が定められている第10の態様から第14の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第16の態様は、処理回路が、共振回路によって生成された電力を用いて動作する第10の態様から第14の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第17の態様は、内蔵コンデンサ及び外部コンデンサが、コイルに対して並列に接続されている第10の態様から第16の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第18の態様は、外部コンデンサの容量が、内蔵コンデンサの容量の実測値に基づいて定められている第10の態様から第17の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第19の態様は、基板の特定面に処理回路と外部コンデンサとが接着され、かつ、電気的に接続されている第10の態様から第18の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第20の態様は、処理回路及び外部コンデンサが、特定面で封止材によって封止されている第19の態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第21の態様は、処理回路及び外部コンデンサが、ワイヤ接続方式で電気的に接続されている第10の態様から第20の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第22の態様は、処理回路が、フリップチップ接続方式でコイルと電気的に接続されている第10の態様から第21の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第23の態様は、処理回路が、磁気テープカートリッジ以外の用途にも使用可能な汎用タイプであり、磁気テープカートリッジ用プログラムがインストールされることによって磁気テープカートリッジ用演算装置として機能する第10の態様から第22の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体である。
本開示の技術に係る第24の態様は、第10の態様から第23の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体と、磁気テープと、を備えた磁気テープカートリッジであって、非接触式通信媒体が、メモリを有し、メモリが、磁気テープに関する情報を記憶している磁気テープカートリッジである。
本開示の技術に係る第25の態様は、外部から与えられた外部磁界が作用することで電力を誘起するコイルが形成された基板に搭載され、内蔵コンデンサを有する処理回路と、処理回路に対して外付けされる外部コンデンサであって、外部磁界が作用することで予め定められた共振周波数で共振する共振回路を内蔵コンデンサ及びコイルと共に構成する外部コンデンサと、を備えた非接触式通信媒体の製造方法であって、外部コンデンサが内蔵コンデンサに対して並列に接続された場合の共振回路のQ値を決定するQ値決定工程と、外部コンデンサが内蔵コンデンサに対して並列に接続された場合に共振回路のQ値がQ値決定工程によって決定されたQ値となる条件で外部コンデンサを形成する外部コンデンサ形成工程と、外部コンデンサ形成工程で形成された外部コンデンサを内蔵コンデンサに対して並列に接続する接続工程と、を含む非接触式通信媒体の製造方法である。
本開示の技術に係る第26の態様は、条件が、外部コンデンサが内蔵コンデンサに対して並列に接続された場合に、特定の周波数帯において、共振回路のQ値がQ値決定工程によって決定されたQ値となる抵抗成分を有する、という条件である第25の態様に記載の非接触式通信媒体の製造方法である。
本開示の技術に係る第27の態様は、Q値決定工程によって決定されるQ値が、非接触式通信媒体による基準通信距離よりも長い通信距離を実現する値である第25の態様又は第26の態様に係る非接触式通信媒体の製造方法である。
本開示の技術に係る第28の態様は、Q値決定工程によって決定されるQ値が、非接触式通信媒体による基準通信安定性よりも良好な通信安定性を実現する値である第25の態様から第27の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体の製造方法である。
本開示の技術に係る第29の態様は、Q値決定工程が、外部コンデンサが処理回路に接続されていない状態で、かつ、処理回路がコイルに接続されている状態で測定された仮Q値に基づいて共振回路のQ値を決定する第25の態様から第28の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体の製造方法である。
本開示の技術に係る第30の態様は、Q値決定工程が、基準Q値と、外部コンデンサが処理回路に接続されていない状態で、かつ、処理回路がコイルに接続されている状態で測定された仮Q値との相違度に基づいて、外部コンデンサの特性を決定する第25の態様から第29の態様の何れか1つの態様に係る非接触式通信媒体の製造方法である。
第1及び第2実施形態に係る磁気テープカートリッジの外観の一例を示す概略斜視図である。 第1及び第2実施形態に係る磁気テープカートリッジの下ケースの内側の右後端部の構造の一例を示す概略斜視図である。 第1及び第2実施形態に係る磁気テープカートリッジの下ケースの内面に設けられた支持部材の一例を示す側面視断面図である。 第1及び第2実施形態に係る磁気テープドライブのハードウェア構成の一例を示す概略構成図である。 第1及び第2実施形態に係る磁気テープカートリッジの下側から非接触式読み書き装置によって磁界が放出されている態様の一例を示す概略斜視図である。 第1及び第2実施形態に係る磁気テープカートリッジ内のカートリッジメモリに対して非接触式読み書き装置から磁界が付与されている態様の一例を示す概念図である。 第1及び第2実施形態に係る磁気テープカートリッジ内のカートリッジメモリの基板の裏面の構造の一例を示す概略底面図である。 第1及び第2実施形態に係る磁気テープカートリッジ内のカートリッジメモリの基板の表面の構造の一例を示す概略平面図である。 第1実施形態に係る磁気テープカートリッジ内のカートリッジメモリの回路構成の一例を示す概略回路図である。 第1実施形態に係る磁気テープカートリッジ内のカートリッジメモリに搭載されているICチップのコンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る磁気テープカートリッジ内のカートリッジメモリのCPUによって実行される動作モード設定処理の処理内容の一例を示す概念図である。 第1実施形態に係る動作モード設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図12Aに示すフローチャートの続きである。 図12Bに示すフローチャートの続きである。 第1実施形態に係る動作モード設定処理の流れの第1変形例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る動作モード設定処理の流れの第2変形例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る動作モード設定処理の流れの第3変形例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る動作モード設定処理の流れの第4変形例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る共振回路に誘起される共振信号の周波数特性の一例を示すグラフである。 高いQ値を有する共振回路に誘起される共振信号と、低いQ値を有する共振回路に誘起される共振信号との周波数特性の一例を示すグラフである。 コイル、内蔵コンデンサ、及び外部コンデンサの抵抗成分及び合成容量を考慮して簡略化した第2実施形態に係る共振回路の一例を示す回路図である。 第2実施形態に係る磁気テープカートリッジ内のカートリッジメモリの回路構成の一例を示す概略回路図である。 第2実施形態に係るカートリッジメモリにおいて、基準Q値に応じて異なる外部コンデンサを選択する態様の一例を示す説明図である。 第2実施形態に係るカートリッジメモリにおいて、仮Q値に応じてQ値を決定する態様の一例を示す説明図である。 第2実施形態に係るカートリッジメモリにおいて、基準Q値と仮Q値とに基づいて形成した外部コンデンサを共振回路に接続する態様の一例を示す説明図である。 第2実施形態に係る共振回路製造工程の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る磁気テープカートリッジ内のカートリッジメモリの回路構成の第1変形例を示す概略回路図である。 第2実施形態の第1変形例に係るカートリッジメモリの基板の表面の構造の一例を示す概略平面図である。 第2実施形態の第1変形例に係るカートリッジメモリの基板の表面の構造の別の一例を示す概略平面図である。 図27に示す概略平面図の線A−Aにおける概略断面図である。 磁気テープカートリッジ内のカートリッジメモリの概略平面図であって、コイルとICチップとを接続形態の変形例を示す概略平面図である。 磁気テープカートリッジ内のカートリッジメモリの傾斜角度の変形例を示す概念図である。 複数の磁気テープカートリッジのパッケージに対して磁界が付与されている態様の一例を示す概念図である。 動作モード設定処理プログラムが記憶されている記憶媒体からコンピュータに動作モード設定処理プログラムがインストールされる態様の一例を示すブロック図である。
先ず、以下の説明で使用される文言について説明する。
CPUとは、“Central Processing Unit”の略称を指す。RAMとは、“Random Access Memory”の略称を指す。NVMとは、“Non-Volatile Memory”の略称を指す。ROMとは、“Read Only Memory”の略称を指す。EEPROMとは、“Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory”の略称を指す。SSDとは、“Solid State Drive”の略称を指す。USBとは、“Universal Serial Bus”の略称を指す。ASICとは、“Application Specific Integrated Circuit”の略称を指す。PLDとは、“Programmable Logic Device”の略称を指す。FPGAとは、“Field-Programmable Gate Array”の略称を指す。SoCとは、“System-on-a-chip”の略称を指す。ICとは、“Integrated circuit”の略称を指す。RFIDとは、“radio frequency identifier”の略称を指す。LTOとは、“Linear Tape-Open”の略称を指す。
以下の説明では、説明の便宜上、図1において、磁気テープカートリッジ10の磁気テープドライブ30(図4参照)への装填方向を矢印Aで示し、矢印A方向を磁気テープカートリッジ10の前方向とし、磁気テープカートリッジ10の前方向の側を磁気テープカートリッジ10の前側とする。以下の構造上の説明において、「前」とは、磁気テープカートリッジ10の前側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図1において、矢印A方向と直交する矢印B方向を右方向とし、磁気テープカートリッジ10の右方向の側を磁気テープカートリッジ10の右側とする。以下の構造上の説明において、「右」とは、磁気テープカートリッジ10の右側を指す
また、以下の説明では、説明の便宜上、図1において、矢印A方向及び矢印B方向と直交する方向を矢印Cで示し、矢印C方向を磁気テープカートリッジ10の上方向とし、磁気テープカートリッジ10の上方向の側を磁気テープカートリッジ10の上側とする。以下の説明において、以下の構造上の説明において、「上」とは、磁気テープカートリッジ10の上側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図1において、磁気テープカートリッジ10の前方向と逆の方向を磁気テープカートリッジ10の後方向とし、磁気テープカートリッジ10の後方向の側を、磁気テープカートリッジ10の後側とする。以下の構造上の説明において、「後」とは、磁気テープカートリッジ10の後側を指す。
また、以下の説明では、説明の便宜上、図1において、磁気テープカートリッジ10の上方向と逆の方向を磁気テープカートリッジ10の下方向とし、磁気テープカートリッジ10の下方向の側を磁気テープカートリッジ10の下側とする。以下の構造上の説明において、「下」とは、磁気テープカートリッジ10の下側を指す。
また、以下の説明では、磁気テープカートリッジ10の仕様としてLTOを例に挙げて説明する。また、以下の説明では、本開示の技術に係るLTOに対して、下記の表1に示す仕様が適用されていることを前提として説明するが、これはあくまでも一例に過ぎず、IBM3592の磁気テープカートリッジの仕様に準じていてもよい。
Figure 2021125233
表1において、「REQA〜SELCET系」とは、後述のポーリングコマンドを意味する。「REQA〜SELCET系」には、少なくとも“Request A”というコマンド、“Request SN”というコマンド、及び“Select”というコマンドが含まれている。“Request A”は、カートリッジメモリに対して、如何なるタイプのカートリッジメモリであるかを問い合わせるコマンドである。本実施形態において“Request A”は、1種類であるが、これに限らず、複数種類であってもよい。“Request SN”は、カートリッジメモリに対して、シリアルナンバーを問い合わせるコマンドである。“Select”は、カートリッジメモリに対して読み書きの準備を予告するコマンドである。READ系は、後述の読出コマンドに相当するコマンドである。WRITE系は、後述の書込コマンドに相当するコマンドである。
[第1実施形態]
一例として図1に示すように、磁気テープカートリッジ10は、平面視略矩形であり、かつ、箱状のケース12を備えている。ケース12は、ポリカーボネート等の樹脂製であり、上ケース14及び下ケース16を備えている。上ケース14及び下ケース16は、上ケース14の下周縁面と下ケース16の上周縁面とを接触させた状態で、溶着(例えば、超音波溶着)及びビス止めによって接合されている。接合方法は、溶着及びビス止めに限らず、他の接合方法であってもよい。
ケース12の内部には、カートリッジリール18が回転可能に収容されている。カートリッジリール18は、リールハブ18A、上フランジ18B1、及び下フランジ18B2を備えている。リールハブ18Aは、円筒状に形成されている。リールハブ18Aは、カートリッジリール18の軸心部であり、軸心方向がケース12の上下方向に沿っており、ケース12の中央部に配置されている。上フランジ18B1及び下フランジ18B2の各々は円環状に形成されている。リールハブ18Aの上端部には上フランジ18B1の平面視中央部が固定されており、リールハブ18Aの下端部には下フランジ18B2の平面視中央部が固定されている。リールハブ18Aの外周面には、磁気テープMTが巻き回されており、磁気テープMTの幅方向の端部は上フランジ18B1及び下フランジ18B2によって保持されている。なお、リールハブ18A及び下フランジ18B2は一体として成型されていてもよい。
ケース12の右壁12Aの前側には、開口12Bが形成されている。磁気テープMTは、開口12Bから引き出される。
一例として図2に示すように、下ケース16の右後端部には、カートリッジメモリ19が収容されている。カートリッジメモリ19は、本開示の技術に係る「非接触式通信媒体」の一例である。本実施形態では、いわゆるパッシブ型のRFIDタグがカートリッジメモリ19として採用されている。
カートリッジメモリ19には、管理情報100(図10参照)が記憶されている。管理情報100は、磁気テープカートリッジ10を管理する情報であり、本開示の技術に係る「磁気テープに関する情報」の一例である。管理情報100としては、例えば、磁気テープカートリッジ10を特定可能な識別情報、磁気テープMTの記録容量、磁気テープMTに記録されている情報(以下、「記録情報」とも称する)の概要、記録情報の項目、及び記録情報の記録形式等を示す情報が挙げられる。
カートリッジメモリ19は、非接触式で外部装置(図示省略)と通信を行う。外部装置としては、例えば、磁気テープカートリッジ10の生産工程で使用される読み書き装置、及び、磁気テープドライブ(例えば、図4に示す磁気テープドライブ30)内で使用される読み書き装置(例えば、図4〜図6に示す非接触式読み書き装置50)が挙げられる。
外部装置は、カートリッジメモリ19に対して、非接触式で各種情報の読み書きを行う。詳しくは後述するが、カートリッジメモリ19は、外部装置から与えられた磁界に対して電磁的に作用することで電力を生成する。そして、カートリッジメモリ19は、生成した電力を用いて作動し、磁界を介して外部装置と通信を行うことで外部装置との間で各種情報の授受を行う。なお、通信方式は、例えば、ISO14443又はISO18092等の公知の規格に準じる方式であってもよいし、ECMA319のLTO仕様に準じる方式等であってもよい。
一例として図2に示すように、下ケース16の右後端部の底板16Aの内面には、支持部材20が設けられている。支持部材20は、カートリッジメモリ19を傾斜させた状態で下方から支持する一対の傾斜台である。一対の傾斜台は、第1傾斜台20A及び第2傾斜台20Bである。第1傾斜台20A及び第2傾斜台20Bは、ケース12の左右方向に間隔を隔てて配置されており、下ケース16の後壁16Bの内面及び底板16Aの内面に一体化されている。第1傾斜台20Aは、傾斜面20A1を有しており、傾斜面20A1は、後壁16Bの内面から底板16Aの内面に向けて下り傾斜している。また、傾斜面20B1も、後壁16Bの内面から底板16Aの内面に向けて下り傾斜している。
支持部材20の前方側には、一対の位置規制リブ22が左右方向に間隔を隔てて配置されている。一対の位置規制リブ22は、底板16Aの内面に立設されており、支持部材20に配置された状態のカートリッジメモリ19の下端部の位置を規制する。
一例として図3に示すように、底板16Aの外面には基準面16A1が形成されている。基準面16A1は、平面である。ここで、平面とは、底板16Aを下側にして下ケース16を水平面に置いた場合において、水平面に対して平行な面を指す。支持部材20の傾斜角度θ、すなわち、傾斜面20A1及び傾斜面20B1の傾斜角は、基準面16A1に対して45度である。なお、45度は、あくまでも一例に過ぎず、“0度<傾斜角度θ<45度”であってもよいし、45度以上であってもよい。
カートリッジメモリ19は、基板26を備えている。基板26は、本開示の技術に係る「基板」の一例である。基板26は、基板26の裏面26Aを下側に向けて支持部材20上に置かれ、支持部材20は、基板26の裏面26Aを下方から支持する。基板26の裏面26Aの一部は、支持部材20の傾斜面、すなわち、傾斜面20A1及び20B1に接触しており、基板26の表面26Bは、本開示の技術に係る「特定面」の一例であり、天板14Aの内面14A1側に露出している。なお、ここでは、本開示の技術に係る「特定面」の一例として表面26Bが挙げられているが、本開示の技術はこれに限定されず、本開示の技術に係る「特定面」の一例として裏面26Aが採用されてもよい。
上ケース14は、複数のリブ24を備えている。複数のリブ24は、ケース12の左右方向に間隔を隔てて配置されている。複数のリブ24は、上ケース14の天板14Aの内面14A1から下側に突設されており、各リブ24の先端面24Aは、傾斜面20A1及び20B1に対応した傾斜面を有する。すなわち、各リブ24の先端面24Aは、基準面16A1に対して45度に傾斜している。
カートリッジメモリ19が支持部材20に配置された状態で、上述したように上ケース14が下ケース16に接合されると、各リブ24の先端面24Aは、基板26に対して表面26B側から接触し、基板26は、各リブ24の先端面24Aと支持部材20の傾斜面とで挟み込まれる。これにより、カートリッジメモリ19の上下方向の位置がリブ24によって規制される。
一例として図4に示すように、磁気テープドライブ30は、搬送装置34、読取ヘッド36、及び制御装置38を備えている。磁気テープドライブ30には、磁気テープカートリッジ10が装填される。磁気テープドライブ30は、磁気テープカートリッジ10から磁気テープMTが引き出され、引き出された磁気テープMTから読取ヘッド36を用いて記録情報をリニアサーペンタイン方式で読み取る装置である。なお、本実施形態において、記録情報の読み取りとは、換言すると、記録情報の再生を指す。
制御装置38は、磁気テープドライブ30の全体を制御する。本実施形態において、制御装置38は、ASICによって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、制御装置38は、FPGAによって実現されるようにしてもよい。また、制御装置38は、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータによって実現されるようにしてもよい。また、AISC、FPGA、及びコンピュータのうちの2つ以上を組み合わせて実現されるようにしてもよい。すなわち、制御装置38は、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現されるようにしてもよい。
搬送装置34は、磁気テープMTを順方向及び逆方向に選択的に搬送する装置であり、送出モータ40、巻取リール42、巻取モータ44、複数のガイドローラGR、及び制御装置38を備えている。
送出モータ40は、制御装置38の制御下で、磁気テープカートリッジ10内のカートリッジリール18を回転駆動させる。制御装置38は、送出モータ40を制御することで、カートリッジリール18の回転方向、回転速度、及び回転トルク等を制御する。
巻取モータ44は、制御装置38の制御下で、巻取リール42を回転駆動させる。制御装置38は、巻取モータ44を制御することで、巻取リール42の回転方向、回転速度、及び回転トルク等を制御する。
磁気テープMTが巻取リール42によって巻き取られる場合には、制御装置38によって、磁気テープMTを順方向に走行させるように送出モータ40及び巻取モータ44を回転させる。送出モータ40及び巻取モータ44の回転速度及び回転トルク等は、巻取リール42によって巻き取られる磁気テープMTの速度に応じて調整される。
磁気テープMTがカートリッジリール18に巻き戻される場合には、制御装置38によって、磁気テープMTを逆方向に走行させるように送出モータ40及び巻取モータ44を回転させる。送出モータ40及び巻取モータ44の回転速度及び回転トルク等は、巻取リール42によって巻き取られる磁気テープMTの速度に応じて調整される。
このようにして送出モータ40及び巻取モータ44の各々の回転速度及び回転トルク等が調整されることで、磁気テープMTに既定範囲内の張力が付与される。ここで、既定範囲内とは、例えば、磁気テープMTから読取ヘッド36によってデータが読取可能な張力の範囲として、コンピュータ・シミュレーション及び/又は実機による試験等により得られた張力の範囲を指す。
本実施形態では、送出モータ40及び巻取モータ44の回転速度及び回転トルク等が制御されることにより磁気テープMTの張力が制御されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、磁気テープMTの張力は、ダンサローラを用いて制御されてもよいし、バキュームチャンバに磁気テープMTを引き込むことによって制御されるようにしてもよい。
複数のガイドローラGRの各々は、磁気テープMTを案内するローラである。磁気テープMTの走行経路は、複数のガイドローラGRが磁気テープカートリッジ10と巻取リール42との間において読取ヘッド36を跨ぐ位置に分けて配置されることによって定められている。
読取ヘッド36は、読取素子46及びホルダ48を備えている。読取素子46は、走行中の磁気テープMTに接触するようにホルダ48によって保持されており、搬送装置34によって搬送される磁気テープMTから記録情報を読み取る。
磁気テープドライブ30は、非接触式読み書き装置50を備えている。非接触式読み書き装置50は、本開示の技術に係る「外部」の一例である。非接触式読み書き装置50は、磁気テープカートリッジ10が装填された状態の磁気テープカートリッジ10の下側にてカートリッジメモリ19の裏面26Aに正対するように配置されている。なお、磁気テープカートリッジ10が磁気テープドライブ30に装填された状態とは、例えば、磁気テープカートリッジ10が読取ヘッド36による磁気テープMTに対する記録情報の読み取りを開始する位置として事前に定められた位置に到達した状態を指す。
一例として図5に示すように、非接触式読み書き装置50は、磁気テープカートリッジ10の下側からカートリッジメモリ19に向けて磁界MFを放出する。磁界MFは、カートリッジメモリ19を貫通する。なお、磁界MFは、本開示の技術に係る「外部磁界」の一例である。
一例として図6に示すように、非接触式読み書き装置50は、制御装置38に接続されている。制御装置38は、カートリッジメモリ19を制御する制御信号を非接触式読み書き装置50に出力する。非接触式読み書き装置50は、制御装置38から入力された制御信号に従って、磁界MFをカートリッジメモリ19に向けて放出する。磁界MFは、カートリッジメモリ19の裏面26A側から表面26B側に貫通する。
非接触式読み書き装置50は、制御装置38の制御下で、コマンド信号をカートリッジメモリ19に空間伝送する。詳しく後述するが、コマンド信号は、カートリッジメモリ19に対する指令を示す信号である。コマンド信号が非接触式読み書き装置50からカートリッジメモリ19に空間伝送される場合、磁界MFには、制御装置38からの指示に従って非接触式読み書き装置50によってコマンド信号が含まれる。換言すると、磁界MFには、コマンド信号が重畳される。すなわち、非接触式読み書き装置50は、制御装置38の制御下で、磁界MFを介してコマンド信号をカートリッジメモリ19に送信する。
カートリッジメモリ19の表面26Bには、ICチップ52及び外部コンデンサ54が搭載されている。ICチップ52及び外部コンデンサ54は、表面26Bに接着されている。また、カートリッジメモリ19の表面26Bにおいて、ICチップ52及び外部コンデンサ54は封止材56によって封止されている。ここでは、封止材56として、紫外線に反応して硬化する紫外線硬化樹脂が採用されている。なお、紫外線硬化樹脂は、あくまでも一例に過ぎず、紫外線以外の波長域の光に反応して効果する光硬化樹脂を封止材56として使用してもよいし、熱硬化性樹脂を封止材56として使用してもよいし、接着剤を封止材56として使用してもよい。なお、ICチップ52は、本開示の技術に係る「処理回路」の一例である。コンデンサは、本開示の技術に係る「外部コンデンサ」の一例である。また、封止材56は、本開示の技術に係る「封止材」の一例である。
一例として図7に示すように、カートリッジメモリ19の裏面26Aには、コイル60がループ状に形成されている。ここでは、コイル60の素材として、銅箔が採用されている。銅箔は、あくまでも一例に過ぎず、例えば、アルミニウム箔等の他種類の導電性素材であってもよい。コイル60は、非接触式読み書き装置50から与えられた磁界MF(図5及び図6参照)が作用することで誘導電流を誘起する。なお、コイル60は、本開示の技術に係る「コイル」の一例である。
カートリッジメモリ19の裏面26Aには、第1導通部62A及び第2導通部62Bが設けられている。第1導通部62A及び第2導通部62Bは、はんだを有しており、表面26BのICチップ52(図6及び図8参照)及び外部コンデンサ54(図6及び図8参照)に対してコイル60の両端部を電気的に接続している。
一例として図8に示すように、カートリッジメモリ19の表面26Bにおいて、ICチップ52及び外部コンデンサ54は、ワイヤ接続方式で互いに電気的に接続されている。具体的には、ICチップ52の正極端子及び負極端子のうちの一方の端子が配線64Aを介して第1導通部62Aに接続されており、他方の端子が配線64Bを介して第2導通部62Bに接続されている。また、外部コンデンサ54は、一対の電極を有する。図8に示す例では、一対の電極は、電極54A及び54Bである。電極54Aは、配線64Cを介して第1導通部62Aに接続されており、電極54Bは、配線64Dを介して第2導通部62Bに接続されている。これにより、コイル60に対して、ICチップ52及び外部コンデンサ54は並列に接続される。
一例として図9に示すように、ICチップ52は、内蔵コンデンサ80、電源回路82、コンピュータ84、クロック信号生成器86、信号処理回路88、及び磁界強度測定回路90を備えている。ICチップ52は、磁気テープカートリッジ10以外の用途にも使用可能な汎用タイプのICチップであり、磁気テープカートリッジ用プログラムがインストールされることによって磁気テープカートリッジ用演算装置として機能する。なお、磁気テープカートリッジ用プログラムの一例としては、後述の動作モード設定処理プログラム102が挙げられる。また、内蔵コンデンサ80は、本開示の技術に係る「内蔵コンデンサ」の一例である。
また、カートリッジメモリ19は、電力生成器70を備えている。電力生成器70は、非接触式読み書き装置50から与えられた磁界MFがコイル60に対して作用することで電力を生成する。具体的には、電力生成器70は、共振回路92を用いて交流電力を生成し、生成した交流電力を直流電力に変換して出力する。なお、共振回路92は、本開示の技術に係る「共振回路」の一例である。
電力生成器70は、共振回路92及び電源回路82を有する。共振回路92は、外部コンデンサ54、コイル60、及び内蔵コンデンサ80を備えている。内蔵コンデンサ80は、本開示の技術に係る「容量性負荷」の一例である。内蔵コンデンサ80は、ICチップ52に内蔵されているコンデンサであり、電源回路82もICチップ52に内蔵されている回路である。内蔵コンデンサ80は、コイル60に対して並列に接続されている。また、内蔵コンデンサ80は、外部コンデンサ54に対して並列に接続されている。
外部コンデンサ54は、ICチップ52に対して外付けされたコンデンサである。ICチップ52は、本来、磁気テープカートリッジ10とは異なる用途でも用いることが可能な汎用のICチップである。そのため、内蔵コンデンサ80の容量は、磁気テープカートリッジ10で用いられるカートリッジメモリ19で要求される共振周波数を実現するには不足している場合がある。そこで、カートリッジメモリ19では、磁界MFが作用することで共振回路92を予め定められた共振周波数で共振させる上で必要な容量値を有するコンデンサとして、ICチップ52に対して外部コンデンサ54が後付けされている。なお、予め定められた共振周波数に相当する周波数は、例えば、13.56MHzであり、カートリッジメモリ19及び/又は非接触式読み書き装置50の仕様等によって適宜決定されればよい。また、外部コンデンサ54の容量は、内蔵コンデンサ80の容量の実測値に基づいて定められている。なお、13.56MHzは、本開示の技術に係る「予め定められた共振周波数」及び「特定の周波数帯」の一例である。
共振回路92は、磁界MFがコイル60を貫通することでコイル60によって誘起された誘導電流を用いて、予め定められた共振周波数の共振現象を発生させることで交流電力を生成し、生成した交流電力を電源回路82に出力する。
電源回路82は、整流回路及び平滑回路等を有する。整流回路は、複数のダイオードを有する全波整流回路である。全波整流回路は、あくまでも一例に過ぎず、半波整流回路であってもよい。平滑回路は、コンデンサ及び抵抗を含んで構成されている。電源回路82は、共振回路92から入力された交流電力を直流電力に変換し、変換して得た直流電力(以下、単に「電力」とも称する)をICチップ52内の各種の駆動素子に供給する。各種の駆動素子としては、コンピュータ84、クロック信号生成器86、信号処理回路88、及び磁界強度測定回路90が挙げられる。このように、ICチップ52内の各種の駆動素子に対して電力が電力生成器70によって供給されることで、ICチップ52は、電力生成器70によって生成された電力を用いて動作する。
コンピュータ84は、カートリッジメモリ19の全体を制御する。コンピュータ84は、管理情報100(図10参照)を保持している。
クロック信号生成器86は、クロック信号を生成して各種の駆動素子に出力する。各種の駆動素子は、クロック信号生成器86から入力されたクロック信号に従って動作する。詳しくは後述するが、クロック信号生成器86は、コンピュータ84の指示に従って、クロック信号の周波数(以下、「クロック周波数」とも称する)を変更する。クロック信号生成器86では、基準となるクロック周波数(以下、「基準クロック周波数」と称する)として磁界MFの周波数と同一の周波数が用いられており、基準クロック周波数に基づいて異なるクロック周波数のクロック信号が生成される。本実施形態において、クロック信号生成器86は、第1周波数〜第3周波数のクロック信号を選択的に生成する。第1周波数は、基準クロック周波数の2倍の周波数であり、第2周波数は、基準クロック周波数と同じ周波数であり、第3周波数は、基準クロック周波数の1/2倍の周波数である(図11参照)。
信号処理回路88は、共振回路92に接続されている。信号処理回路88は、復号回路(図示省略)及び符号化回路(図示省略)を有する。信号処理回路88の復号回路は、コイル60によって受信された磁界MFからコマンド信号を抽出して復号し、コンピュータ84に出力する。コンピュータ84は、コマンド信号に対する応答信号を信号処理回路88に出力する。すなわち、コンピュータ84は、信号処理回路88から入力されたコマンド信号に応じた処理を実行し、処理結果を応答信号として信号処理回路88に出力する。信号処理回路88では、コンピュータ84から応答信号が入力されると、信号処理回路88の符号化回路は、応答信号を符号化することで変調して共振回路92に出力する。共振回路92は、信号処理回路88の符号化回路から入力された応答信号を、磁界MFを介して非接触式読み書き装置50に送信する。すなわち、カートリッジメモリ19から非接触式読み書き装置50に応答信号が送信される場合、磁界MFには、応答信号が含まれる。換言すると、磁界MFには応答信号が重畳される。
磁界強度測定回路90は、電源回路82によって生成された電力に基づいて磁界MFの強度を測定する。電源回路82によって生成された電力は、共振回路92に与えられる磁界MFの強度が大きいほど制限範囲内で大きくなる。磁界強度測定回路90は、電源回路82によって生成された電力と共振回路92に与えられる磁界MFの強度との相関に基づいて、電源回路82によって生成された電力に応じた出力レベルの信号を出力する。つまり、磁界強度測定回路90は、電源回路82によって生成された電力を測定し、測定結果に基づいて磁界MFの強度を示す磁界強度信号を生成してコンピュータ84に出力する。これにより、コンピュータ84は、磁界強度測定回路90から入力された磁界強度信号に応じた処理を実行することが可能となる。
一例として図10に示すように、コンピュータ84は、CPU94、NVM96、及びRAM98を備えている。CPU94、NVM96、及びRAM98は、バス99に接続されている。また、バス99には、クロック信号生成器86、信号処理回路88、及び磁界強度測定回路90も接続されている。
NVM96は、本開示の技術に係る「メモリ」の一例である。ここでは、NVM96として、EEPROMが採用されている。EEPROMは、これはあくまでも一例に過ぎず、例えば、EEPROMに代えて強誘電体メモリであってもよく、ICチップ52に搭載可能な不揮発性メモリであれば如何なるメモリであってもよい。
NVM96には、管理情報100が記憶されている。CPU94は、信号処理回路88から入力されたコマンド信号に応じて、ポーリング処理、読出処理、及び書込処理を選択的に行う。ポーリング処理は、非接触式読み書き装置50との間で通信を確立する処理であり、例えば、読出処理及び書込処理の前段階の準備処理として行われる。読出処理は、NVM96から管理情報100等を読み出す処理である。書込処理は、NVM96に管理情報100等を書き込む処理である。ポーリング処理、読出処理、及び書込処理(以下、区別して説明する必要がない場合、「各種処理」と称する)は何れも、クロック信号生成器86によって生成されたクロック信号に従ってCPU94によって行われる。すなわち、CPU94は、各種処理をクロック周波数に応じた処理速度で行う。
従って、クロック周波数が高いほど処理速度は高まる。処理速度が高まるということは、CPU94にかかる負荷が大きくなり、消費電力も大きくなる。また、管理情報100等の情報量が多くなるほど、CPU94による読出処理及び書込処理の実行時間が長くなり、電源回路82からCPU94等に供給される電力が不足してしまう虞がある。
CPU94にかかる負荷が大きくなる一因としては、非接触式読み書き装置50からカートリッジメモリ19に対するコマンド信号の送信が完了してから、カートリッジメモリ19によるコマンド信号に対する応答信号の送信が開始するまでに要する時間(以下、「レスポンスタイム」とも称する)が短くなることが挙げられる。レスポンスタイムが短いいほど、カートリッジメモリ19の高速動作が必要となり、クロック周波数を高くして処理することになると消費電力が大きくなる。なお、一般的に、レスポンスタイムと、非接触式読み書き装置50とカートリッジメモリ19との間の最大通信距離とはトレードオフの関係にあることが知られている。
カートリッジメモリ19では、消費電力の増大を抑制するために、CPU94によって動作モード設定処理が実行される。動作モード設定処理は、レスポンスタイムを、標準的なレスポンスタイムとして予め定められた時間よりも長くする処理である。以下、動作モード設定処理について説明する。
NVM96には、動作モード設定処理プログラム102が記憶されている。CPU94は、NVM96から動作モード設定処理プログラム102を読み出し、RAM98上で動作モード設定処理プログラム102を実行する。動作モード設定処理は、CPU94によって動作モード設定処理プログラム102が実行されることで実現される。
一例として図11に示すように、CPU94は、動作モード設定処理を実行することで、カートリッジメモリ19の動作モード(以下、単に「動作モード」とも称する)をコマンド信号に応じた動作モードに設定し、動作モードに応じたクロック周波数を設定する。CPU94は、コマンド信号に応じて動作モードを変更することで、コマンド(例えば、1つのコマンド)に対する処理の開始から終了するまでに要する処理時間(以下、単に「処理時間」とも称する)を既定時間よりも長くする。このように、CPU94は、処理時間を既定時間よりも長くすることで、上述したレスポンスタイムを、標準的なレスポンスタイムとして予め定められた時間よりも長くする。そして、CPU94は、動作モードに応じたクロック周波数を設定することで、クロック周波数を変更する。具体的には、CPU94は、処理時間を長くするほどクロック周波数を低くする。
動作モードは、信号処理回路88からCPU94に入力されるコマンド信号により示されるコマンドに応じて設定される。コマンド信号により示されるコマンドは、ポーリングコマンド、読出コマンド、又は書込コマンドである。コマンド信号により示されるコマンドがポーリングコマンドの場合、CPU94は、ポーリング処理を実行し、コマンド信号により示されるコマンドが読出コマンドの場合、CPU94は、読出処理を実行し、コマンド信号により示されるコマンドが書込コマンドの場合、CPU94は、書込処理を実行する。なお、ここでは、説明の便宜上、ポーリング信号として1種類の信号を例示しているが、ポーリング信号は、複数種類の信号であってもよい。
CPU94は、動作モードとして、長時間処理モード、中時間処理モード、及び短時間処理モードの何れかを設定することで、処理時間の長さを調節する。処理時間は、長時間、中時間、及び短時間の何れかである。長時間とは、中時間よりも長い時間を指し、短時間とは、中時間よりも短い時間を指す。長時間処理モードでは、CPU94によるコマンドに対する処理に要する時間が長時間となり、中時間処理モードでは、CPU94によるコマンドに対する処理に要する時間が中時間となり、短時間処理モードでは、CPU94によるコマンドに対する処理に要する時間が短時間となる。
図11に示す例では、コマンド信号により示されるコマンドがポーリングコマンドの場合に、CPU94は、動作モードとして、短時間処理モードを設定し、コマンド信号により示されるコマンドが書込コマンドの場合に、CPU94は、中時間処理モードを設定し、コマンド信号により示されるコマンドが読出コマンドの場合に、CPU94は、長時間処理モードを設定する。
CPU94は、動作モードとして短時間処理モードを設定した場合に、クロック周波数として第1周波数を設定する。すなわち、CPU94は、動作モードとして短時間処理モードを設定した場合に、クロック信号生成器86に対して第1周波数のクロック信号が生成させるようにクロック信号生成器86を制御する。
CPU94は、動作モードとして中時間処理モードを設定した場合に、クロック周波数として第2周波数を設定する。すなわち、CPU94は、動作モードとして中時間処理モードを設定した場合に、クロック信号生成器86に対して第2周波数のクロック信号が生成させるようにクロック信号生成器86を制御する。
CPU94は、動作モードとして長時間処理モードを設定した場合に、クロック周波数として第3周波数を設定する。すなわち、CPU94は、動作モードとして長時間処理モードを設定した場合に、クロック信号生成器86に対して第3周波数のクロック信号が生成させるようにクロック信号生成器86を制御する。
このようにして動作モードが短時間処理モードから中時間処理モードに移行されたり、中時間処理モードから長時間処理モードに移行されたりすることで、結果的に、これに伴ってレスポンスタイムも長くなる。
次に、カートリッジメモリ19の作用について、図12A〜図12Cを参照して説明する。
図12A〜図12Cには、CPU94によって実行される動作モード設定処理の流れの一例が示されている。以下の動作モード設定処理の説明では、説明の便宜上、電源回路82から各種の駆動素子に電力が供給されていることを前提としている。また、以下の動作モード設定処理の説明では、説明の便宜上、コマンド信号により示されるコマンドがポーリングコマンド、読出コマンド、又は書込コマンドの何れかであることを前提としている。更に、以下の動作モード設定処理の説明では、説明の便宜上、動作モードとして長時間処理モード、中時間処理モード、又は、短時間処理モードが設定されていることを前提としている。
図12Aに示す動作モード設定処理では、先ず、ステップST12で、CPU94は、信号処理回路88によってコマンド信号が受信された否かを判定する。ステップST12において、信号処理回路88によってコマンド信号が受信された場合は、判定が肯定されて、動作モード設定処理はステップST14へ移行する。ステップST12において、信号処理回路88によってコマンド信号が受信されていない場合は、判定が否定されて、動作モード設定処理はステップST26へ移行する。
ステップST14で、CPU94は、ステップST12で信号処理回路88によって受信されたコマンド信号により示されるコマンドがポーリングコマンドであるか否かを判定する。ステップST14において、信号処理回路88によって受信されたコマンド信号により示されるコマンドがポーリングコマンドでない場合は、判定が否定されて、動作モード設定処理は、図12Bに示すステップST28へ移行する。ステップST14において、信号処理回路88によって受信されたコマンド信号により示されるコマンドがポーリングコマンドである場合は、判定が肯定されて、動作モード設定処理はステップST16へ移行する。
ステップST16で、CPU94は、現時点で設定されている動作モードが長時間処理モード又は中時間処理モードであるか否かを判定する。ステップST16において、現時点で設定されている動作モードが長時間処理モード又は中時間処理モードでない場合(現時点で設定されている動作モードが短時間処理モードの場合)は、判定が否定されて、動作モード設定処理はステップST22へ移行する。ステップST16において、現時点で設定されている動作モードが長時間処理モード又は中時間処理モードである場合は、判定が肯定されて、動作モード設定処理はステップST18へ移行する。
ステップST18で、CPU94は、動作モードを短時間処理モードへ移行し、その後、動作モード設定処理はステップST20へ移行する。
ステップST20で、CPU94は、クロック周波数を第1周波数に設定し、その後、動作モード設定処理はステップST22へ移行する。
一方、図12Bに示すステップST28で、CPU94は、ステップST12で信号処理回路88によって受信されたコマンド信号により示されるコマンドが書込コマンドであるか否かを判定する。ステップST28において、信号処理回路88によって受信されたコマンド信号により示されるコマンドが書込コマンドでない場合(信号処理回路88によって受信されたコマンド信号により示されるコマンドが読出コマンドである場合)は、判定が否定されて、動作モード設定処理は、図12Cに示すステップST36へ移行する。ステップST28において、信号処理回路88によって受信されたコマンド信号により示されるコマンドが書込コマンドである場合は、判定が肯定されて、動作モード設定処理はステップST30へ移行する。
ステップST30で、CPU94は、現時点で設定されている動作モードが長時間処理モード又は短時間処理モードであるか否かを判定する。ステップST30において、現時点で設定されている動作モードが長時間処理モード又は短時間処理モードでない場合(現時点で設定されている動作モードが中時間処理モードの場合)は、判定が否定されて、動作モード設定処理は、図12Aに示すステップST22へ移行する。ステップST30において、現時点で設定されている動作モードが長時間処理モード又は短時間処理モードである場合は、判定が肯定されて、動作モード設定処理はステップST32へ移行する。
ステップST32で、CPU94は、動作モードを中時間処理モードへ移行し、その後、動作モード設定処理はステップST34へ移行する。
ステップST34で、CPU94は、クロック周波数を第2周波数に設定し、その後、動作モード設定処理は、図12Aに示すステップST22へ移行する。
一方、図12Cに示すステップST36で、CPU94は、現時点で設定されている動作モードが中時間処理モード又は短時間処理モードであるか否かを判定する。ステップST36において、現時点で設定されている動作モードが中時間処理モード又は短時間処理モードでない場合(現時点で設定されている動作モードが長時間処理モードの場合)は、判定が否定されて、動作モード設定処理は、図12Aに示すステップST22へ移行する。ステップST36において、現時点で設定されている動作モードが中時間処理モード又は短時間処理モードである場合は、判定が肯定されて、動作モード設定処理はステップST38へ移行する。
ステップST38で、CPU94は、動作モードを長時間処理モードへ移行し、その後、動作モード設定処理はステップST40へ移行する。
ステップST40で、CPU94は、クロック周波数を第3周波数に設定し、その後、動作モード設定処理は、図12Aに示すステップST22へ移行する。
図12Aに示すステップST22で、CPU94は、ステップST12で信号処理回路88によって受信されたコマンド信号に応じた処理を実行し、その後、動作モード設定処理はステップST24へ移行する。
ステップST24で、CPU94は、信号処理回路88及び共振回路92に対して、ステップST22の処理が実行されることで得られた処理結果を示す応答信号を、磁界MFを介して非接触式読み書き装置50へ送信させ、その後、動作モード設定処理はステップST26へ移行する。
ステップST26で、CPU94は、動作モード設定処理を終了する条件(以下、「動作モード設定処理終了条件」と称する)を満足したか否かを判定する。動作モード設定処理終了条件としては、例えば、磁界MFが消失した、との条件が挙げられる。磁界MFが消失したか否かは、磁界強度測定回路90からCPU94に入力される磁界強度信号に基づいてCPU94によって判定される。ステップST26において、動作モード設定処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、動作モード設定処理はステップST12へ移行する。ステップST26において、動作モード設定処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、動作モード設定処理が終了する。
以上説明したように、カートリッジメモリ19では、外部コンデンサ54がICチップ52に対して外付けされている。また、外部コンデンサ54は、磁界MFが作用することで予め定められた共振周波数で共振する共振回路を内蔵コンデンサ80及びコイル60と共に共振回路92を構成している。そして、ICチップ52は、共振回路92によって生成された交流電力に応じて生成された直流電力を用いて動作する。従って、本構成によれば、コイル60と、1チップ化されたICチップ52に含まれる内蔵コンデンサ80のみによって共振させる場合に比べ、共振周波数のばらつきを抑制することができる。また、ICチップ52に対して外部コンデンサ54を後付けすることでカートリッジメモリ19内での蓄電量を増やすことができ、電力が安定的に供給され、非接触式書き込み装置50とカートリッジメモリ19との間での通信が行われている間に電力不足になり難くなる。電力不足になり難くなると、非接触式書き込み装置50とカートリッジメモリ19との間の通信距離を延ばすことも可能となる。
また、ICチップ52は、共振回路92によって生成された電力を用いて動作する。従って、本構成によれば、ICチップ52を動作させるために、カートリッジメモリ19に電池等を備える必要がない。
また、カートリッジメモリ19では、内蔵コンデンサ80及び外部コンデンサ54は、コイル60に対して並列に接続されている。従って、本構成によれば、内蔵コンデンサ80、外部コンデンサ54、及びコイル60によって共振現象を生じさせて電力を生成することができる。
また、カートリッジメモリ19では、外部コンデンサ54の容量が、内蔵コンデンサ80の容量の実測値に基づいて定められている。従って、本構成によれば、内蔵コンデンサ80の容量の実測値を考慮せずに外部コンデンサ54の容量を定める場合に比べ、予め定められた共振周波数を得るために必要な外部コンデンサ54の容量を精度良く定めることができる。
また、カートリッジメモリ19では、基板26の表面26BにICチップ52と外部コンデンサ54とが接着され、かつ、電気的に接続されている。従って、本構成によれば、ICチップ52と外部コンデンサ54との位置関係及び電気的な接続を維持することができる。
また、カートリッジメモリ19では、ICチップ52及び外部コンデンサ54が基板26の表面26Bで封止材56によって封止されている。従って、本構成によれば、ICチップ52及び外部コンデンサ54を粉塵及び/又は外部の刺激(例えば、光、水分、及び衝撃等)から保護することができる。
また、カートリッジメモリ19では、ICチップ52及び外部コンデンサ54が、ワイヤ接続方式で電気的に接続されている。従って、本構成によれば、ICチップ52と外部コンデンサ54との電気的な接続を維持することができる。
また、カートリッジメモリ19では、ICチップ52が磁気テープカートリッジ10以外の用途にも使用可能な汎用タイプのICチップであり、磁気テープカートリッジ用プログラムとして動作モード設定処理プログラム102がインストールされることによって磁気テープカートリッジ用演算装置として機能する。従って、本構成によれば、磁気テープカートリッジ以外の用途にも使用可能な汎用タイプの演算装置を用いずに磁気テープカートリッジ10用の演算装置を製造する場合に比べ、カートリッジメモリ19の製造コストを抑えることができる。
また、磁気テープカートリッジ10は、カートリッジメモリ19と、磁気テープMTとを備える。カートリッジメモリ19はNVM96を有し、NVM96は、磁気テープMTに関する管理情報100を記憶している。従って、本構成によれば、磁気テープMTに関する管理情報100が、例えば、磁気テープドライブ30又は非接触式読み書き装置50に接続されていない別のコンピュータに記憶されている場合に比べ、管理情報100を磁気テープカートリッジ10に対応付けて簡便に管理することができる。
なお、上記第1実施形態では、動作モード設定処理において、磁界MFの強度に関わらずステップST12の処理が実行される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図13に示すように、動作モード設定処理において、ステップST12の前段階でステップST10の処理が実行されるようにしてもよい。
図13に示す動作モード設定処理は、図12A〜図12Cに示す動作モード設定処理に比べ、動作モード設定処理が実行される前提として既に第1周波数のクロック信号がクロック信号生成器86によって各種の駆動素子に供給されている点が異なる。また、図13に示す動作モード設定処理は、図12A〜図12Cに示す動作モード設定処理に比べ、ステップST10の処理を有する点が異なる。
図13に示すステップST10で、CPU94は、磁界強度信号に基づいて磁界MFの強度が閾値未満であるか否かを判定する。ここで、閾値は、例えば、第1周波数のクロック信号で読出処理を行ったとしても電力不足が生じない磁界の強度の下限値として、実機による試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって予め導き出された値である。
ステップST10において、磁界MFの強度が閾値以上である場合は、判定が否定されて、動作モード設定処理はステップST26へ移行する。ステップST10において、磁界MFの強度が閾値未満である場合は、判定が肯定されて、動作モード設定処理はステップST12へ移行する。つまり、磁界MFの強度が閾値以上である場合は、第1周波数のクロック信号が維持され、磁界MFの強度が閾値未満である場合は、コマンド信号により示されるコマンドの種類に応じて動作モードが変更され、かつ、動作モードに応じてクロック周波数が変更される。従って、本構成によれば、電力不足が生じる虞が無い場合であるにも関わらず処理時間が長くなることを回避することができる。
また、図13に示す例では、ステップST12の前段階で磁界MFの強度が閾値未満であるか否かの判定が行われているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図14に示すように、ステップST14とステップST16との間に、ステップST15を挿入してもよい。
図14に示すステップST15では、上述したステップST10の処理と同様の判定が行われる。そして、ステップST15において、磁界MFの強度が閾値以上である場合は、判定が否定されて、動作モード設定処理はステップST26へ移行する。ステップST15において、磁界MFの強度が閾値未満の場合は、判定が肯定されて、動作モード設定処理はステップST16へ移行する。
また、上記第1実施形態で説明した動作モード設定処理はあくまでも一例に過ぎず、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図12Bに示す動作モード設定処理に代えて、図15に示す動作モード設定処理がCPU94によって実行されるようにしてもよい。図15に示す動作モード設定処理は、図12Bに示す動作モード設定処理に比べ、ステップST29の処理を有する点が異なる。
図15に示すステップST29で、CPU94は、磁界強度信号に基づいて磁界MFの強度が閾値未満であるか否かを判定する。ステップST29において、磁界MFの強度が閾値以上の場合は、判定が否定されて、動作モード設定処理は、図12Aに示すステップST22へ移行する。ステップST29において、磁界MFの強度が閾値未満の場合は、判定が肯定されて、動作モード設定処理はステップST30へ移行する。
また、上記第1実施形態で説明した動作モード設定処理はあくまでも一例に過ぎず、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図12Cに示す動作モード設定処理に代えて、図16に示す動作モード設定処理がCPU94によって実行されるようにしてもよい。図16に示す動作モード設定処理は、図12Cに示す動作モード設定処理に比べ、ステップST35の処理を有する点が異なる。
図16に示すステップS35で、CPU94は、磁界強度信号に基づいて磁界MFの強度が閾値未満であるか否かを判定する。ステップST35において、磁界MFの強度が閾値以上の場合は、判定が否定されて、動作モード設定処理は、図12Aに示すステップST22へ移行する。ステップST35において、磁界MFの強度が閾値未満の場合は、判定が肯定されて、動作モード設定処理はステップST36へ移行する。
なお、図12B及び図15に示す例では、コマンド信号により示されるコマンドが書込コマンドの場合に、中時間処理モードが設定され、かつ、クロック周波数として第2周波数が設定されているが、本開示の技術はこれに限定されず、コマンド信号により示されるコマンドが書込コマンドの場合に、長時間処理モードが設定され、かつ、クロック周波数として第3周波数が設定されるようにしてもよい。また、図12C及び図16に示す例では、コマンド信号により示されるコマンドが読出コマンドの場合に、長時間処理モードが設定され、かつ、クロック周波数として第3周波数が設定されているが、本開示の技術はこれに限定されず、コマンド信号により示されるコマンドが読出コマンドの場合に、中時間処理モードが設定され、かつ、クロック周波数として第2周波数が設定されるようにしもよい。このように、コマンド信号により示されるコマンドが書込コマンドの場合及び読出処理の場合には、処理時間が短時間よりも長い中時間又は長時間であればよく、クロック周波数が第1周波数よりも低ければよい。
また、図13〜図16に示す例では、磁界MFの強度に応じてレスポンスタイムが変更される形態例を挙げて説明したが、磁界MFの強度に関わらずレスポンスタイムが固定されていてもよい。
また、上記第1実施形態では、第2周波数を第1周波数の1/2の周波数とし、第3周波数を第1周波数の1/4の周波数としたが、本開示の技術はこれに限定されず、第2周波数は第1周波数よりも低い周波数であり、第3周波数は第2周波数よりも低い周波数であればよい。第2周波数を第1周波数よりも低くするレベル、及び/又は第3周波数を第2周波数よりも低くするレベルは、外部コンデンサ54及び内蔵コンデンサ80に残存している電圧、すなわち、カートリッジメモリ19内に残存している電力に応じて変更するようにしてもよい。この場合、例えば、コンピュータ84は、カートリッジメモリ19内に残存している電力が閾値よりも低ければ第2周波数を第1周波数の1/3以下の周波数とし、かつ、第3周波数を第2周波数と同じ周波数又は第3周波数を第2周波数よりも低くするようにクロック信号生成器86を制御する。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、ICチップ52に対して外付けされた外部コンデンサ54が、共振回路92を予め定められた共振周波数で共振させるために必要な容量値を有する形態例を挙げて説明した。本第2実施形態では、外部コンデンサ54が、必要な容量値に加えて、共振回路92が予め定められたQ値を得るために必要な抵抗成分を有する形態例について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素は、第1実施形態と同一の符号で表し、その説明を省略する。
一例として図17に示すように、共振回路92によって誘起される信号は、共振周波数ωで最大強度Sを有する。共振回路92において、共振周波数ωは、磁界MFの周波数に相当する周波数(例えば、13.56MHz)である。Q値(Quality Factor)は、共振周波数ωにおける信号の鋭さを示す値であり、ω/Δωで定義される。ここで、Δωは、共振周波数ωにおける信号強度がSである場合、S/√2の信号強度を有する周波数ωとωとの差である。すなわち、ω>ωの場合、Q値(Q)は、
Q=ω/Δω=ω/(ω−ω) (1)
と表すことができる。
図18には、異なるQ値を有する共振信号Q1及びQ2の一例が示されている。一例として図18に示すように、二点鎖線で示す共振信号Q2は、実線で示す共振信号Q1よりも低いQ値を有する。換言すると、共振信号Q1は、共振信号Q2よりも高いQ値を有する。共振周波数ωにおいて、共振信号Q1の強度S1−1は、共振信号Q2の強度S2−1よりも高い。つまり、共振周波数ωにおいて、Q値が高いほど、グラフは急峻になり信号強度が高くなる。これは、カートリッジメモリ19で受信される磁界MFの強度が低下しても、高いQ値を有する共振回路92は、強い共振信号を誘起できることを示している。従って、非接触式読み書き装置50とカートリッジメモリ19との間の通信距離は、Q値が高いほど向上する。
一方、共振周波数ωに誤差αを含んだ周波数ω+α又はω−αでは、共振信号Q2の強度S2−2は、共振信号Q1の強度S1−2よりも大きくなる。これは、共振周波数ωが不安定である場合には、高いQ値を有する共振回路92よりも、低いQ値を有する共振回路92の方が、強い共振信号を誘起できることを示している。従って、非接触式読み書き装置50とカートリッジメモリ19との間の通信安定性は、Q値が低い方が向上する。
本第2実施形態では、カートリッジメモリ19による基準通信距離よりも長い通信距離を実現するための高Q値と、基準通信安定性よりも良好な通信安定性を実現するための低Q値とが予め設定可能である。ここで、基準通信距離は、例えば、実機による試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって、カートリッジメモリ19の実用に支障がない通信距離として導き出された値である。また、基準通信安定性は、例えば、実機による試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって、カートリッジメモリ19の実用に支障がない通信安定性として導き出された値である。高Q値とは、例えば、実機による試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって、目標とする通信距離を実現するためのQ値として導き出された値であり、カートリッジメモリ19の用途によって異なる値である。低Q値とは、高Q値よりも低い値であり、かつ、例えば、実機による試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって、目標とする通信安定性を実現するためのQ値として導き出された値であり、カートリッジメモリ19の用途によって異なる値である。なお、基準通信距離は、本開示の技術に係る「基準通信距離」の一例であり、基準通信安定性は、本開示の技術に係る「基準通信安定性」の一例である。
次に、Q値を導出する式について具体的に考える。Q値は、共振回路92を構成するコイル60、内蔵コンデンサ80、及び外部コンデンサ54の特性に基づいて決まる値であり、共振回路92毎に固有の値である。共振回路92では、コイル60、内蔵コンデンサ80、及び外部コンデンサ54が電源回路82に並列に接続されている。また、コイル60、内蔵コンデンサ80、及び外部コンデンサ54は、それぞれ抵抗成分を有するので、共振回路92は、例えば、図19に示す並列回路とみなすことができる。図19において、Vは、電源回路82の電圧を示す。Lは、コイル60のインダクタンスを示す。コンデンサは、並列に接続された内蔵コンデンサ80と外部コンデンサ54との合成であり、内蔵コンデンサ80と外部コンデンサ54との合成容量CAを有する。抵抗は、コイル60、内蔵コンデンサ80、及び外部コンデンサ54の抵抗成分を合成した抵抗値Rを有する。
図19において、抵抗に流れる電流をI、インダクタに流れる電流をI、コンデンサに流れる電流をIとする。共振状態において、インダクタに流れる電流Iとコンデンサに流れる電流Iとは等しくなる。Q値は、インダクタに流れる電流Iと抵抗に流れる電流Iとの比率で求められ、
Q=I/I=R/ωL=R(C/L)1/2 (2)
と表すことができる。
式(2)から明らかなように、Q値は、抵抗の抵抗値Rと、コンデンサの容量Cと、インダクタのインダクタンスLとによって決まる。つまり、共振回路92のQ値は、コイル60のインダクタンス、内蔵コンデンサ80の容量、外部コンデンサ54の容量、及び共振回路92の抵抗成分のうちの少なくとも1つに応じて変更可能である。
一例として図20に示すように、本第2実施形態では、例えば、特性の異なる2種類の外部コンデンサ54−1及び54−2を選択的に用いることによって、予め定められた2つのQ値のうち何れかを有する共振回路92を実現する。外部コンデンサ54−1及び54−2の異なる特性とは、例えば、絶縁抵抗である。外部コンデンサ54−1が、外部コンデンサ54−2よりも高い絶縁抵抗値を有する場合、外部コンデンサ54−1を用いることによって、外部コンデンサ54−2を用いる場合に比べて、共振回路92に含まれる絶縁抵抗が大きくなり、従って、式(2)から明らかなように、Q値が大きくなる。一方、外部コンデンサ54−2を用いた場合には、外部コンデンサ54−1を用いる場合に比べて、共振回路92のQ値が小さくなる。なお、絶縁抵抗は、本開示の技術に係る「抵抗成分」の一例である。
一例として図21に示すように、共振周波数(例えば、13.56MHz)において、外部コンデンサ54−1は絶縁抵抗値R1を有し、外部コンデンサ54−2は絶縁抵抗値R2を有する。外部コンデンサ54−1の絶縁抵抗値R1は、外部コンデンサ54−2の絶縁抵抗値R2よりも高い。
カートリッジメモリ19の製造工程では、基準Q値57として、高Q値55−1及び低Q値55−2のうちの何れか一方が選択される。高Q値55−1は、通信距離の向上に寄与するQ値である。低Q値55−2は、高Q値55−1よりも低い値であり、通信安定性の向上に寄与するQ値である。高Q値55−1及び低Q値55−2は、それぞれ、予め定められた誤差を含む値である。基準Q値57は、カートリッジメモリ19の用途及び使用環境等に応じて、カートリッジメモリ19の製造元によって選択される。なお、基準Q値57は、本開示の技術に係る「基準Q値」の一例である。
基準Q値57として高Q値55−1が選択された場合、絶縁抵抗値R1を有する外部コンデンサ54−1がICチップ52に対して外付けされる。ICチップ52に含まれる抵抗成分は既知であり、外部コンデンサ54−1の絶縁抵抗値R1は、外部コンデンサ54−1が内蔵コンデンサ80に対して並列に接続された場合に、共振回路92のQ値が高Q値55−1になる範囲の値に定められている。これにより、高Q値55−1を有する共振回路92が実現される。
基準Q値57として低Q値55−2が選択された場合、絶縁抵抗値R2を有する外部コンデンサ54−2がICチップ52に対して外付けされる。外部コンデンサ54−2の絶縁抵抗値R2は、外部コンデンサ54−2が内蔵コンデンサ80に対して並列に接続された場合に、共振回路92のQ値が低Q値55−2になる範囲の値に定められている。これにより、低Q値55−2を有する共振回路92が実現される。
以上説明したように、本第2実施形態において、カートリッジメモリ19は、磁界MFが作用することで電力を誘起するコイル60が形成された基板26に搭載され、内蔵コンデンサ80を有するICチップ52と、ICチップ52に対して外付けされる外部コンデンサ54とを備える。コイル60、内蔵コンデンサ80、及び外部コンデンサ54等は、磁界MFが作用することで予め定められた共振周波数で共振する共振回路92を構成する。外部コンデンサ54は、内蔵コンデンサ80に対して並列に接続されており、共振回路92は、外部コンデンサ54の特性に応じて定められたQ値を有する。従って、本構成によれば、特性の異なる外部コンデンサ54を用いることにより、共振回路92のQ値を変更させることができる。
また、Q値は、共振周波数での外部コンデンサ54の絶縁抵抗値に応じて定められている。従って、本構成によれば、絶縁抵抗値の異なる外部コンデンサ54−1及び54−2を選択的に外部コンデンサ54として用いることにより、共振回路92のQ値を変更させることができる。
また、Q値は、カートリッジメモリ19による基準通信距離よりも長い通信距離を実現する値に設定されている。従って、本構成によれば、低い絶縁抵抗値R2を有する外部コンデンサ54−2を外付けすることによって形成された共振回路92に比べ、通信距離を向上させることができる。
また、Q値は、カートリッジメモリ19による基準通信安定性よりも良好な通信安定性を実現する値に設定されている。従って、本構成によれば、高い絶縁抵抗値R1を有する外部コンデンサ54−1を外付けすることによって形成された共振回路92に比べ、通信安定性を向上させることができる。
なお、上記第2実施形態では、カートリッジメモリ19の製造元によって、共振回路92のQ値が、高Q値55−1及び低Q値55−2のうちの一方から選択されて基準Q値57として設定されたが、本開示の技術はこれに限定されない。一例として図22に示すように、カートリッジメモリ19の製造工程において、コイル60と内蔵コンデンサ80とを含む共振回路53のQ値が仮Q値59として測定され、測定された仮Q値59に基づいて、共振回路92のQ値が定められてもよい。なお、仮Q値59は、本開示の技術に係る「仮Q値」の一例である。
仮Q値59は、外部コンデンサ54がICチップ52に接続されていない状態で、かつ、ICチップ52がコイル60に接続されている状態で、Qメータ、インピーダンス・アナライザ、又はオシロスコープ等によって測定される。従って、本構成によれば、仮Q値59に基づいて、共振回路92のQ値として実現可能な値を定めることができる。
また、上記第2実施形態では、設定された基準Q値57に応じて、2種類の外部コンデンサ54−1及び54−2のうち1つが選択的に使用されるが、本開示の技術はこれに限定されない。一例として図23に示すように、設定された基準Q値57と測定された仮Q値59との相違度に基づいて、外部コンデンサ54の特性、例えば、絶縁抵抗値が定められてもよい。外部コンデンサ54は、外部コンデンサ54が内蔵コンデンサ80に対して並列に接続された場合に、共振回路92のQ値が基準Q値57となる絶縁抵抗値を有するように形成される。従って、本構成によれば、外部コンデンサ54が、複数種類のコンデンサから選択される場合に比べ、基準Q値57の設定の自由度を向上させることができる。
共振回路92は、一例として図24に示す製造工程で製造される。
図24に示す共振回路製造工程では、先ず、ステップST101で、外部コンデンサ54が内蔵コンデンサ80に対して並列に接続された場合の共振回路92のQ値である基準Q値57が決定される。基準Q値57は、例えば、実機による試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって、カートリッジメモリ19に要求される要求性能等に応じて、カートリッジメモリ19の製造元によって決定される。この後、共振回路製造工程は、ステップST102に移行する。
ステップST102では、コイル60と内蔵コンデンサ80とを含む共振回路53のQ値が仮Q値59として測定される。この後、共振回路製造工程は、ステップST103に移行する。
ステップST103では、決定された基準Q値57と測定された仮Q値59との相違度に基づいて、外部コンデンサ54が内蔵コンデンサ80に対して並列に接続された場合に、共振回路92のQ値が基準Q値57になるように外部コンデンサ54が形成される。この後、共振回路製造工程は、ステップST104に移行する。
ステップST104では、形成された外部コンデンサ54が、内蔵コンデンサ80に対して並列に接続される。従って、共振回路製造工程によれば、製造元によって決定された基準Q値57を有する共振回路92を製造することができる。
また、上記第2実施形態では、本開示の技術に係る「特性」の一例である絶縁抵抗値の異なる外部コンデンサ54を用いることによって、共振回路92のQ値を変更する態様例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。一例として図25に示すように、ICチップ52及び外部コンデンサ54と並列に抵抗61を接続することによって、共振回路92のQ値を変更してもよい。抵抗61を外付けした場合、式(2)から明らかなように、抵抗61の抵抗値が高くなるほど、共振回路92のQ値が高くなる。
この場合、一例として図26に示すように、抵抗61は、カートリッジメモリ19の表面26Bにおいて、ICチップ52及び外部コンデンサ54と並列に、ワイヤ接続方式で外付けされていてもよい。抵抗61は、カートリッジメモリ19の表面26Bに接着され、かつ、電気的に接続されている。具体的には、抵抗61の一端が配線64Eを介して第1導通部62Aに接続されており、他端が配線64Fを介して第2導通部62Bに接続されている。
また、ICチップ52及び外部コンデンサ54と並列に抵抗61を接続する態様例はこれに限定されず、一例として図27に示すように、カートリッジメモリ19の基板26に埋設された抵抗61が、ICチップ52及び外部コンデンサ54と並列にワイヤ接続されてもよい。この場合、一例として図28に示すように、抵抗61は基板26に予め埋設されており、共振回路92のQ値を向上させたい場合には、抵抗61の一端が配線64Eを介して第1導通部62Aに接続され、他端が配線64Fを介して第2導通部62Bに接続されてもよい。本構成によれば、抵抗61は基板26に埋設されているので、抵抗61を粉塵及び/又は外部の刺激(例えば、光、水分、及び衝撃等)から保護することができる。また、カートリッジメモリ19の表面26Bにおいて、ICチップ52及び外部コンデンサ54を覆うグローブトップ63が、抵抗61を覆う必要がないので、従来の部材を利用しながら抵抗61の外付けを実現することができる。
なお、上記各実施形態では、ICチップ52とコイル60とがワイヤ接続方式で接続されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図29に示すように、ICチップ52とコイル60とがフリップチップ接続方式で接続されていてもよい。この場合、例えば、ICチップ52の正極端子及び負極端子のうちの一方の端子が第1導通部62Aに直接接続され、他方の端子が第2導通部62Bに直接接続される。従って、本構成によれば、ICチップ52とコイル60とがワイヤ接続方式で接続される場合に比べ、ICチップ52とコイル60との電気的な接続を省スペースに実現することができる。
また、上記各実施形態では、傾斜角度θとして45度を例示したが、本開示の技術はこれに限定されず、一例として図30に示すように、カートリッジメモリ19の基準面16A1に対する傾斜角度として、傾斜角度θよりも小さな傾斜角度θ1が採用されてもよい。傾斜角度θ1の一例としては30度が挙げられる。傾斜角度θ1は、傾斜角度θよりも小さな角度であるので、傾斜角度θの場合に比べ、コイル60(図7参照)に対して多くの磁力線を貫通させることができる。この結果、磁気テープカートリッジ10が磁気テープドライブ30に装填された状態で、コイル60は、傾斜角度θの場合に比べ、大きな誘導電流を得ることができる。
一例として図31に示すように、磁気テープカートリッジ10の生産工程、磁気テープカートリッジ10の管理工程、及び/又は、磁気テープカートリッジ10が流通する流通工程(例えば、市場での流通工程)では、上下方向に重ねられた複数の磁気テープカートリッジ10がプラスチックフィルムで束ねられたパッケージ200内の各磁気テープカートリッジ10のカートリッジメモリ19に対して非接触式読み書き装置150によって管理情報100等の読み書きが行われる。カートリッジメモリ19に対する非接触式読み書き装置150による管理情報100等の読み書きは、磁気テープカートリッジ10の後側において複数の磁気テープカートリッジ10が重ねられた方向に沿って非接触式読み書き装置150を移動させながら行われる。この場合、例えば、非接触式読み書き装置150は、磁界MF1のオンとオフとを繰り返しながら磁気テープカートリッジ10の各々に対して磁界MF1を順次に放出する。
ところで、磁気テープカートリッジ10が磁気テープドライブ30に装填されている環境下(第1環境下)では、磁気テープカートリッジ10の下方向又は上方向から非接触式読み書き装置50によって磁界MF(第1磁界)が、基準面16A1に対して正対する側から、基板26のうちのコイル60が形成されている裏面26A(コイル形成面)に向けて磁界MFが付与される(図30参照)。これにより、カートリッジメモリ19の傾斜角度が傾斜角度θの場合に比べ、多くの磁力線がコイル60を貫通することになり、大きな誘導電流が得られる。
これに対し、生産工程、管理工程、及び/又は流通工程の環境下(第2環境下)では、一例として図31に示すように、複数の磁気テープカートリッジ10がパッケージ200として取り扱われる。この場合、基準面16A1の法線方向に対して交差し、かつ、裏面26Aに対峙する側から裏面26Aに向けて磁界MF1(第2磁界)が付与される。これにより、カートリッジメモリ19の傾斜角度が傾斜角度θの場合に比べ、パッケージ200内で意図しない磁気テープカートリッジ10に対して管理情報100等の読み書きが行われる(クロストークが生じる)ことを抑制することができる。
なお、図31に示す例では、非接触式読み書き装置150がパッケージ200内の各カートリッジメモリ19と磁界MF1を介して通信を行う場合に非接触式読み書き装置150がパッケージ200に対して上下方向に沿って移動している態様が例示されているが、この態様はあくまでも一例に過ぎず、非接触式読み書き装置150の位置を固定して、パッケージ200を上下方向に沿って移動させてもよい。また、非接触式読み書き装置150とパッケージ200とは上下方向において反対の方向に移動させてもよい。このように、非接触式読み書き装置150がパッケージ200内の各カートリッジメモリ19と磁界MF1を介して通信を行う場合、非接触式読み書き装置150がパッケージ200に対して上下方向に沿って相対的に移動していればよい。
非接触式読み書き装置150は、カートリッジメモリ19に対して管理情報100等の読み書きを行う場合、磁気テープカートリッジ10の後方からカートリッジメモリ19に向けて磁界MF1を放出する。カートリッジメモリ19の電力生成器70は、磁界MF1がカートリッジメモリ19のコイル60に作用することで電力を生成する。そして、非接触式読み書き装置150は、磁界MF1を介してコマンド信号をカートリッジメモリ19に送信する。カートリッジメモリ19は、電力生成器70によって生成された電力を用いて、コマンド信号に応じた処理を実行し、かつ、処理結果を応答信号として非接触式読み書き装置150に送信する。すなわち、非接触式読み書き装置150とカートリッジメモリ19との間で磁界MF1を介して各種情報の授受が行われる。
パッケージ200に含まれる1つの磁気テープカートリッジ10(以下、符号を付さずに「単一カートリッジ」とも称する)のカートリッジメモリ19(以下、符号を付さずに「読み書き対象カートリッジメモリ」とも称する)に対しては、単一カートリッジの後方から読み書き対象カートリッジメモリに向けて非接触式読み書き装置150から磁界MF1が付与される。しかし、傾斜角度θの場合、磁界MF1の指向性次第で、パッケージ200内で単一カートリッジと隣接する磁気テープカートリッジ10(以下、「隣接カートリッジ」とも称する)のカートリッジメモリ19に対しても磁界MF1が付与され、隣接カートリッジのカートリッジメモリ19に対して、管理情報100等の読み書きが行われてしまう虞がある。隣接カートリッジのカートリッジメモリ19に対して管理情報100等の読み書きが行われるというのは、換言すると、クロストークが生じる、ということである。
ここで、傾斜角度θ1とした場合、傾斜角度θよりもカートリッジメモリ19のコイル60を貫通する磁力線の本数を少なくすることができ、傾斜角度θに比べ、隣接カートリッジのカートリッジメモリ19に対して、磁界MF1が付与され難くなる。この結果、傾斜角度θ1とした場合、傾斜角度θに比べ、磁気テープカートリッジ10に対して管理情報100等が誤って読み書きされること、すなわち、クロストークが生じることを抑制することができる。この結果、例えば、磁気テープカートリッジ10の生産工程では、設備コストを増大させることなく、磁気テープカートリッジ10の生産性を向上させることができる。また、磁気テープカートリッジ10の管理工程では、設備コストを増大させることなく、磁気テープカートリッジ10の管理の効率化を図ることができる。
また、図10に示す例では、NVM96に動作モード設定処理プログラム102が記憶されている形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図32に示すように、動作モード設定処理プログラム102が記憶媒体300に記憶されていてもよい。記憶媒体300は、非一時的記憶媒体である。記憶媒体300の一例としては、SSD又はUSBメモリなどの任意の可搬型の記憶媒体が挙げられる。
記憶媒体300に記憶されている動作モード設定処理プログラム102は、コンピュータ84にインストールされる。CPU94は、動作モード設定処理プログラム102に従って動作モード設定処理を実行する。図32に示す例では、CPU94は、単数のCPUであるが、複数のCPUであってもよい。
また、通信網(図示省略)を介してコンピュータ84に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部に動作モード設定処理プログラム102を記憶させておき、カートリッジメモリ19からの要求に応じて動作モード設定処理プログラム102がダウンロードされ、コンピュータ84にインストールされるようにしてもよい。
図32に示す例では、コンピュータ84が例示されているが、本開示の技術はこれに限定されず、コンピュータ84に代えて、ASIC、FPGA、及び/又はPLDを含むデバイスを適用してもよい。また、コンピュータ84に代えて、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせを用いてもよい。
動作モード設定処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、動作モード設定処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA、PLD、又はASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することで動作モード設定処理を実行する。
動作モード設定処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、動作モード設定処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、動作モード設定処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoCなどに代表されるように、動作モード設定処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、動作モード設定処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。また、上記の動作モード設定処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
コイルが形成された基板と、外部から与えられた外部磁界が上記コイルに対して作用することで電力を生成する電力生成器と、上記電力生成器によって生成された上記電力を用いて、上記外部磁界に含まれるコマンドに対する処理を行うプロセッサと、を備えた非接触式通信媒体が収容され、かつ、基準平面が形成されている磁気テープカートリッジ内の上記非接触式通信媒体に対して上記外部から上記外部磁界が付与され、付与された上記外部磁界を介して上記非接触式通信媒体と通信を行うことで上記磁気テープカートリッジを管理する非接触式管理方法であって、
上記基板を上記基準平面に対して45度未満の角度で傾斜させて配置すること、
上記磁気テープカートリッジが磁気テープドライブに装填された第1環境下で、上記基準平面に対して正対する側から、上記基板のうちの上記コイルが形成されているコイル形成面に向けて上記外部磁界として第1磁界を付与すること、及び、
上記磁気テープカートリッジが上記磁気テープドライブ外に存在する第2環境下で、上記基準平面の法線方向に対して交差し、かつ、上記コイル形成面に対峙する側から上記コイル形成面に向けて上記外部磁界として第2磁界を付与することを含む
非接触式管理方法。
(付記2)
上記第2環境は、上記磁気テープカートリッジの生産工程、上記磁気テープカートリッジの管理工程、及び/又は、上記磁気テープカートリッジが流通する流通工程である付記1に記載の非接触式管理方法。
(付記3)
上記生産工程、上記管理工程、及び上記流通工程の各々は、複数の上記磁気テープカートリッジが上記法線方向に重ねられたパッケージ内の上記非接触式通信媒体に対して上記第2磁界を付与する工程を含む付記1又は付記2に記載の非接触式管理方法。
(付記4)
上記外部装置が、上記法線方向に沿って移動しながら、上記複数の磁気テープカートリッジの各々の上記非接触通信媒体の上記コイル形成面に対して上記外部磁界を付与することを含む付記3に記載の非接触式管理方法。
10 磁気テープカートリッジ
12 ケース
12A 右壁
12B 開口
14 上ケース
14A 天板
14A1 内面
16 下ケース
16A 底板
16A1 基準面
16B 後壁
18 カートリッジリール
18A リールハブ
18B1 上フランジ
18B2 下フランジ
19 カートリッジメモリ
20 支持部材
20A 第1傾斜台
20A1,20B1 傾斜面
20B 第2傾斜台
22 位置規制リブ
24 リブ
24A 先端面
26 基板
26A 裏面
26B 表面
30 磁気テープドライブ
34 搬送装置
36 読取ヘッド
38 制御装置
40 送出モータ
42 巻取リール
44 巻取モータ
46 読取素子
48 ホルダ
50,150 非接触式読み書き装置
52 ICチップ
53 共振回路
54,54−1,54−2 外部コンデンサ
54A,54B 電極
55−1 高Q値
55−2 低Q値
56 封止材
57 基準Q値
59 仮Q値
60 コイル
61 抵抗
62A 第1導通部
62B 第2導通部
63 グローブトップ
64A,64B,64C,64D,64E,64F 配線
70 電力生成器
80 内蔵コンデンサ
82 電源回路
84 コンピュータ
86 クロック信号生成器
88 信号処理回路
90 磁界強度測定回路
92 共振回路
94 CPU
96 NVM
98 RAM
99 バス
100 管理情報
102 動作モード設定処理プログラム
200 パッケージ
300 記憶媒体
A,B,C 矢印
CA 合成容量
GR ガイドローラ
,I,I 電流
L インダクタンス
MF,MF1 磁界
MT 磁気テープ
Q1,Q2 共振信号
R 抵抗値
R1,R2 絶縁抵抗値
S 信号強度
S1−1,S1−2,S2−1,S2−2 強度
α 誤差
θ,θ1 傾斜角度
ω 共振周波数
ω ,ω 周波数

Claims (21)

  1. 外部から与えられた外部磁界が作用することで電力を誘起するコイルが形成された基板に搭載され、内蔵コンデンサを有する処理回路と、
    前記処理回路に対して外付けされる外部コンデンサであって、前記外部磁界が作用することで予め定められた共振周波数で共振する共振回路を前記内蔵コンデンサ及び前記コイルと共に構成する外部コンデンサと、を備え、
    前記外部コンデンサは、前記内蔵コンデンサに対して並列に接続されており、
    前記共振回路は、前記外部コンデンサの特性に応じて定められたQ値を有する
    非接触式通信媒体。
  2. 前記Q値は、特定の周波数帯での前記外部コンデンサの抵抗成分に応じて定められている請求項1に記載の非接触式通信媒体。
  3. 前記Q値は、前記非接触式通信媒体による基準通信距離よりも長い通信距離を実現する値に設定されている請求項1又は請求項2に記載の非接触式通信媒体。
  4. 前記Q値は、前記非接触式通信媒体による基準通信安定性よりも良好な通信安定性を実現する値に設定されている請求項1から請求項3の何れか一項に記載の非接触式通信媒体。
  5. 前記外部コンデンサが前記処理回路に接続されていない状態で、かつ、前記処理回路が前記コイルに接続されている状態で測定された仮Q値に基づいて前記Q値が定められている請求項1から請求項4の何れか一項に記載の非接触式通信媒体。
  6. 基準Q値と、前記外部コンデンサが前記処理回路に接続されていない状態で、かつ、前記処理回路が前記コイルに接続されている状態で測定された仮Q値との相違度に基づいて、前記外部コンデンサの特性が定められている請求項1から請求項5の何れか一項に記載の非接触式通信媒体。
  7. 前記処理回路は、前記共振回路によって生成された電力を用いて動作する請求項1から請求項5の何れか一項に記載の非接触式通信媒体。
  8. 前記内蔵コンデンサ及び前記外部コンデンサは、前記コイルに対して並列に接続されている請求項1から請求項7の何れか一項に記載の非接触式通信媒体。
  9. 前記外部コンデンサの容量は、前記内蔵コンデンサの容量の実測値に基づいて定められている請求項1から請求項8の何れか一項に記載の非接触式通信媒体。
  10. 前記基板の特定面に前記処理回路と前記外部コンデンサとが接着され、かつ、電気的に接続されている請求項1から請求項9の何れか一項に記載の非接触式通信媒体。
  11. 前記処理回路及び前記外部コンデンサは、前記特定面で封止材によって封止されている請求項10に記載の非接触式通信媒体。
  12. 前記処理回路及び前記外部コンデンサは、ワイヤ接続方式で電気的に接続されている請求項1から請求項11の何れか一項に記載の非接触式通信媒体。
  13. 前記処理回路は、フリップチップ接続方式で前記コイルと電気的に接続されている請求項1から請求項12の何れか一項に記載の非接触式通信媒体。
  14. 前記処理回路は、磁気テープカートリッジ以外の用途にも使用可能な汎用タイプであり、磁気テープカートリッジ用プログラムがインストールされることによって磁気テープカートリッジ用演算装置として機能する請求項1から請求項13の何れか一項に記載の非接触式通信媒体。
  15. 請求項1から請求項14の何れか一項に記載の非接触式通信媒体と、
    磁気テープと、を備えた磁気テープカートリッジであって、
    前記非接触式通信媒体は、メモリを有し、
    前記メモリは、前記磁気テープに関する情報を記憶している
    磁気テープカートリッジ。
  16. 外部から与えられた外部磁界が作用することで電力を誘起するコイルが形成された基板に搭載され、内蔵コンデンサを有する処理回路と、前記処理回路に対して外付けされる外部コンデンサであって、前記外部磁界が作用することで予め定められた共振周波数で共振する共振回路を前記内蔵コンデンサ及び前記コイルと共に構成する外部コンデンサと、を備えた非接触式通信媒体の製造方法であって、
    前記外部コンデンサが前記内蔵コンデンサに対して並列に接続された場合の前記共振回路のQ値を決定するQ値決定工程と、
    前記外部コンデンサが前記内蔵コンデンサに対して並列に接続された場合に前記共振回路のQ値が前記Q値決定工程によって決定されたQ値となる条件で前記外部コンデンサを形成する外部コンデンサ形成工程と、
    前記外部コンデンサ形成工程で形成された前記外部コンデンサを前記内蔵コンデンサに対して並列に接続する接続工程と、を含む
    非接触式通信媒体の製造方法。
  17. 前記条件は、前記外部コンデンサは、前記外部コンデンサが前記内蔵コンデンサに対して並列に接続された場合に、特定の周波数帯において、前記共振回路のQ値が前記Q値決定工程によって決定されたQ値となる抵抗成分を有する、という条件である請求項16に記載の非接触式通信媒体の製造方法。
  18. 前記Q値決定工程によって決定されるQ値は、前記非接触式通信媒体による基準通信距離よりも長い通信距離を実現する値である請求項16又は請求項17に記載の非接触式通信媒体の製造方法。
  19. 前記Q値決定工程によって決定されるQ値は、前記非接触式通信媒体による基準通信安定性よりも良好な通信安定性を実現する値である請求項16から請求項18の何れか一項に記載の非接触式通信媒体の製造方法。
  20. 前記Q値決定工程は、前記外部コンデンサが前記処理回路に接続されていない状態で、かつ、前記処理回路が前記コイルに接続されている状態で測定された仮Q値に基づいて前記共振回路のQ値を決定する請求項16から請求項19の何れか一項に記載の非接触式通信媒体の製造方法。
  21. 前記Q値決定工程は、基準Q値と、前記外部コンデンサが前記処理回路に接続されていない状態で、かつ、前記処理回路が前記コイルに接続されている状態で測定された仮Q値との相違度に基づいて、前記外部コンデンサの特性を決定する請求項16から請求項20の何れか一項に記載の非接触式通信媒体の製造方法。
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