以下、認証装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態では、棚10(図1及び図2を参照)から商品が取り出された際にその棚10に近くで商品を取り出す行動をした消費者を当該商品の購買者として特定する技術を利用して、消費者が購入した商品を自動で登録するようにした店舗システム100(図3を参照)の認証装置について例示する。
はじめに、店舗システム100で使用される棚10について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、棚10を正面から見た模式図であり、図2は、棚10を上から見た模式図である。図1に示すように、棚10は、上下方向が2枚の棚板によって仕切られた3段の棚である。そして各段には、それぞれ2種類の商品が区画毎に分けられて陳列されている。一例として、上段には商品Aと商品Bと並べて陳列されており、中段には商品Cと商品Dとが並べて陳列されており、下段には商品Eと商品Fとが並べて陳列されている。
以下、商品Aが陳列されている上段左側の区画を区画201、商品Bが陳列されている上段右側の区画を区画202、商品Cが陳列されている中段左側の区画を区画203、商品Dが陳列されている中段右側の区画を区画204、商品Eが陳列されている下段左側の区画を区画205、商品Fが陳列されている下段右側の区画を区画206と表す。
各段の区画201〜206には、それぞれ商品監視センサ1が取り付けられている。商品監視センサ1は、商品の移動に伴う重量の増加または減少を監視するためのセンサである。本実施形態では、対応する区画201〜206に陳列されている商品の総重量を測定可能な重量センサが商品監視センサ1として使用されている。
図1及び図2に示すように、棚10の上部には、2つの追跡センサ21,22と、1つの行動監視センサ3と、が取り付けられている。追跡センサ21,22は、棚10の左側と右側とに分かれて取り付けられている。行動監視センサ3は、棚10の正面側においてその棚10の幅方向に沿って床面と略平行に取り付けられている。
追跡センサ21,22は、図2において、二点鎖線により仮想的に引かれた第1境界線で囲われる矩形の領域111内に居る消費者の動線を追跡するためのセンサである。以下では、領域111を追跡領域111と称する。本実施形態では、追跡領域111内を撮影可能なRGBカメラ、IRカメラ、赤外線カメラ等のカメラセンサが追跡センサ21,22として使用されている。なお、追跡センサ21,22の数は、2つに限定されるものではない。
行動監視センサ3は、図2において、破線により仮想的に引かれた第2境界線102で囲われる矩形の領域112内に居る消費者の棚10に対する行動を監視するためのセンサである。具体的には、行動監視センサ3は、領域112内に居る消費者が棚10に手を伸ばす行動と、その手を引っ込める行動とを監視する。以下では、手を伸ばす行動を手伸ばし行動と称し、手を引っ込める行動を手戻し行動と称する。領域112は、消費者が棚10から商品A〜商品Fを取り出す際に位置すると推定される領域である。以下では、領域112を購買領域112と称する。購買領域112は、追跡領域111の内側にある。本実施形態では、TOF(Time of Flight)センサ、レーザーレーダー等が行動監視センサ3として使用されている。なお、行動監視センサ3の数は、1つに限定されるものではない。
図1及び図2に示すように、棚10の両側には個人認証機器41,42が取り付けられている。個人認証機器41,42は、消費者を個人認証するための機器である。店舗を利用する消費者は、予め会員登録を行う。会員登録は、スマートフォン、タブレット端末等のユーザ端末TM(図3を参照)に専用のアプリケーションプログラムをインストールすることで可能となる。会員登録を行うことにより、その消費者固有の会員IDがユーザ端末TMに設定される。以下では、このアプリケーションプログラムを買物アプリと称する。会員IDが設定されたユーザ端末TMにおいて、買物アプリが起動すると、ユーザ端末TMのディスプレイに会員IDを表すコードが表示される。コードは、例えばバーコード体系又は二次元コード体系で表される。個人認証機器41,42は、このコードを読み取るためのリーダを備えている。なお、個人認証機器41,42の数は2つに限定されるものではない。また、個人認証機器41,42の設置場所も棚10の両側に限定されるものではない。
図2において、破線により仮想的に引かれた第3境界線103で囲われる円形の領域113,114は、消費者がユーザ端末TMのディスプレイに表示された会員IDのコードを個人認証機器41,42のリーダで読み取らせるために立ち入ると想定される領域である。以下では、この領域113,114を認証領域113,114と称する。認証領域113,114は、追跡領域111の内側にある。
第1境界線101と第2境界線102との間に第4境界線104が設定されている。図2において、第4境界線104は、一点鎖線により仮想的に引かれている。店舗システム100は、追跡領域111内に消費者が侵入すると、追跡を開始する。そしてその消費者が第4境界線104の外側から内側に侵入すると、店舗システム100は、消費者に追跡IDを設定する。そしてその消費者が第4境界線104の内側から外側へと移動し、さらに第1境界線101の外側に出ると、店舗システム100は、その消費者の追跡を終了する。
なお、第1乃至第4境界線101〜104は、線状ではなく、所定の幅を持った帯状であってもよい。追跡領域111及び購買領域112は、矩形以外の形状の領域であってもよい。認証領域113,114は、円形以外の形状の領域であってもよい。
棚10は、商品陳列場所の一例である。そして棚10の段数及び各段に陳列される商品の数は任意である。要は、商品が品種別に陳列される複数の区画を有しており、その区画に対して個々に商品監視センサ1が備えられていればよい。したがって陳列場所は、棚に限らず、陳列台、陳列ケース、陳列スペース等であってもよい。
追跡センサ21,22、行動監視センサ3及び個人認証機器41,42は、必ずしも棚10に設けられていなくてもよい。例えば追跡センサ21,22又は行動監視センサ3は、店舗の天井等に設けられていてもよい。追跡センサ21,22に関しては、追跡領域111内に居る消費者の動線を追跡できる場所に設けられていればよい。行動監視センサ3に関しては、購買領域112内に居る消費者の棚10に対する行動を監視できる場所に設けられていればよい。個人認証機器41,42は、例えば店舗の入口近辺に設けられていてもよい。
次に、店舗システム100の構成について、図3乃至図8を用いて説明する。
図3は、店舗システム100の要部を示すブロック図である。店舗システム100は、棚制御装置6と、販売管理装置7と、会員サーバ8と、決済サーバ9とを含む。店舗システム100は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNWによって、棚制御装置6と、販売管理装置7、会員サーバ8及び決済サーバ9とを相互に接続する。店舗システム100は、通信ネットワークNWのアクセスポイントAPを介して、来店した消費者が携帯するユーザ端末TMと無線通信を行うことが可能である。
会員サーバ8は、会員登録を行った消費者に係わる情報を保存するための会員データベース81を管理する。会員データベース81には、各消費者の会員IDと関連付けて、その消費者の氏名、その消費者が携帯するユーザ端末TMの端末情報、その消費者によって登録された決済に係わる情報、有効フラグ等が保存されている。端末情報は、通信ネットワークNWを介してユーザ端末TMと通信を行うために必要な通信アドレス等の情報を含む。決済に係わる情報は、クレジットカード、電子マネーカード等を用いたカード決済、あるいはバーコード、二次元コードなどを用いた電子決済に必要な情報を含む。有効フラグは、会員IDが有効か否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、有効な会員IDの有効フラグを“1”とし、無効となった会員IDの有効フラグを“0”とする。例えば会員の資格を失った消費者の会員IDに関連付けられた有効フラグは“0”となる。
決済サーバ9は、上述したカード決済、電子決済等の決済処理を行うためのサーバである。決済サーバ9は、POS(Point Of Sales)端末を接続し、このPOS端末を介して決済処理を行ってもよい。決済処理は、周知の処理をそのまま適用できる。したがって、具体的な説明は省略する。
棚制御装置6は、認証装置としての機能を含むものである。棚制御装置6は、商品データファイル61を有している。
商品データファイル61は、棚10に陳列された各商品A〜Fに係わるデータを記憶する。商品データファイル61のデータ構造の一例を図4に示す。図示するように、商品データファイル61には、各商品A〜Fの商品コードと関連付けて、商品名、単位重量及びセンサ番号が記憶されている。単位重量は、商品1点当たりの重量である。センサ番号は、当該商品が陳列されている棚10の区画201〜206にそれぞれ設けられた商品監視センサ1を識別するための番号である。各商品監視センサ1には、それぞれ固有のセンサ番号が割り当てられている。なお、商品データファイル61に記憶されるデータは、上述した項目に限るものではない。他項目のデータが商品データファイル61に記憶されていてもよい。
棚制御装置6は、追跡処理部62、個人認証処理部63、商品監視処理部64、行動監視処理部65、音声合成部66及び統合処理部67としての機能を有している。
追跡処理部62は、追跡センサ21,22から画像データを取り込む。追跡処理部62は、この画像データを解析して、追跡領域111内に居る消費者の動線を追跡する。追跡処理部62は、消費者毎に動線データを追跡ファイル68で記憶する。
追跡ファイル68のデータ構造の一例を図5に示す。図示するように、追跡ファイル68は、追跡IDのエリアと、動線データ681のエリアと、監視フラグのエリアとを有する。追跡IDは、追跡対象の消費者を識別するために追跡処理部62によって設定される一意のコードである。動線データ681は、追跡対象の消費者が居る場所を示す追跡位置情報とその時点の時刻とを時系列に記述したものである。追跡位置情報は、例えば図2において、追跡領域111の左下角の点を原点O(0,0)とするX−Y平面座標で表される。監視フラグは、追跡対象の消費者が第4境界線104の内側から外側へと移動したか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、第4境界線104の内側から外側へと移動した消費者の追跡ファイル68に記憶された監視フラグを“1”とし、それ以外の追跡ファイル68に記憶された監視フラグを“0”とする。
個人認証処理部63は、個人認証機器41,42のリーダで読み取られたデータを取り込み、消費者の個人認証に係わる処理を行う。個人認証処理部63は、統合処理部67と協働して、個人認証に係わる処理を行う。個人認証処理部63は、認証結果を個人認証機器41,42へと出力する。個人認証機器41,42は、認証結果を報知する機能を有する。例えば個人認証機器41,42は、表示デバイスを備えており、その表示デバイスに認証結果を表示する。
商品監視処理部64は、商品監視センサ1から重量データを取り込む。商品監視処理部64は、この重量データを基に、棚10に陳列されている各商品A〜Fの状態を監視する。具体的には商品監視処理部64は、商品監視センサ1からの重量データが減少すると、その商品監視センサ1が設けられた区画から商品が取り出されたと認識する。商品監視処理部64は、商品監視センサ1からの重量データが増加すると、その商品監視センサ1が設けられた区画に商品が置かれたと認識する。商品監視処理部64での認識結果は、統合処理部67に与えられる。
行動監視処理部65は、行動監視センサ3から出力信号を取り込む。行動監視処理部65は、この出力信号を基に、購買領域112内に居る購買者の棚10に対する行動を監視する。具体的には行動監視処理部65は、行動監視センサ3によって棚10に差し込まれた消費者の手が検出されると手伸ばし行動と認識し、その手が検出されなくなると手戻し行動と認識する。行動監視処理部65での認識結果は、統合処理部67に与えられる。その際、行動監視センサ3が手を検出した地点の行動位置情報も統合処理部67に与えられる。行動位置情報は、前述したX−Y平面座標の原点Oからの距離を示すX座標と、床面からの高さを示すZ座標とで表される。
音声合成部66は、スピーカ5を接続している。音声合成部66は、統合処理部67の制御により音声データを合成し、スピーカ5に出力する。これにより、スピーカ5から音声が発せられる。スピーカ5は、棚10の近傍に設置されている。スピーカ5は、例えば店員の待機場所に設置されていてもよい。あるいはスピーカ5は、店員が携帯している端末に内蔵されており、そのスピーカ5から音声合成部66で合成された音声が発せられてもよい。その場合には、音声合成部66で合成された音声データが、通信ネットワークNWを介してアクセスポイントAPへと送信され、さらに無線通信を介して店員の携帯端末へと送信されることとなる。
統合処理部67は、商品データファイル61、追跡処理部62、個人認証処理部63、商品監視処理部64、行動監視処理部65及び音声合成部66と連携して、店舗システム100に必要なデータ処理を行う。そのデータ処理の1つに、個人認証処理部63で認証に成功した消費者と、追跡処理部62で動線が追跡されている消費者とを関連付ける処理がある。この処理で使用するデータテーブルとして、統合処理部67は関連付テーブル69を有している。
関連付テーブル69のデータ構造の一例を図6に示す。図示するように、関連付テーブル69は、消費者の会員IDとその消費者に対して設定された追跡IDとを関連付けて記憶するための領域を有する。
統合処理部67で実行されるデータ処理の1つに、商品に対する消費者の行動を、追跡処理部62の追跡結果と行動監視処理部65の監視結果とを基に特定する処理がある。統合処理部67は、この処理で特定した消費者の行動を基に、販売管理装置7に対して購買通知コマンド又は返品通知コマンドを出力する。購買通知コマンド及び返品通知コマンドについては、後述の動作説明の中で明らかにする。
販売管理装置7は、購買リスト71を備えている。購買リスト71は、消費者毎に作成される。購買リスト71のデータ構造の一例を図7に示す。図示するように、購買リスト71は、消費者の会員IDと関連付けて、その消費者の購買商品データを記憶する。購買商品データは、商品コード、商品名、単価、個数及び金額の各項目を含む。金額は、単価と個数とを掛け合わせて算出される。購買商品データは、上記項目以外の項目を含んでいてもよい。
販売管理装置7は、購買通知コマンドを受信すると、購買リスト71に購買商品データを登録する。販売管理装置7は、返品通知コマンドを受信すると、該当する購買商品データを修正する。
図8は、棚制御装置6のハードウェア構成を示すブロック図である。棚制御装置6は、プロセッサ601、メインメモリ602、補助記憶デバイス603、時計604、通信インターフェース605、I/Oインターフェース606及びシステム伝送路607を備えている。プロセッサ601、メインメモリ602、補助記憶デバイス603、時計604、通信インターフェース605及びI/Oインターフェース606は、それぞれシステム伝送路607と接続している。システム伝送路607は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。棚制御装置6では、プロセッサ601、メインメモリ602及び補助記憶デバイス603がシステム伝送路607で接続されて、棚制御装置6を制御するためのコンピュータが構成されている。
プロセッサ601は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ601は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、棚制御装置6としての種々の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ601は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
メインメモリ602は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ602は、不揮発性のメモリ領域及び揮発性のメモリ領域を含む。メインメモリ602は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ602は、プロセッサ601が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。またメインメモリ602は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ601によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
補助記憶デバイス603は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス603としては、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の周知の記憶デバイスを単独で、あるいは複数組み合わせて用いられる。補助記憶デバイス603は、プロセッサ601が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ601での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス603は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
メインメモリ602又は補助記憶デバイス603は、前述した追跡ファイル68、関連付テーブル69、商品データファイル61の記憶領域として利用される。
時計604は、棚制御装置6の時刻情報源として機能する。プロセッサ601は、時計604によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
通信インターフェース605は、通信ネットワークNWを介して接続された他の機器とデータ通信を行うための回路である。他の機器には、販売管理装置7、会員サーバ8、決済サーバ9などが含まれる。
I/Oインターフェース606は、前述した商品監視センサ1、追跡センサ21,22、行動監視センサ3、個人認証機器41,42及びスピーカ5との間でデータ信号を授受するための回路である。
かかる構成の棚制御装置6は、例えば棚10の上面又は背面に設けられている。そして棚制御装置6は、通信ネットワークNWと有線通信又は無線通信により接続されている。
プロセッサ601を主体とするコンピュータは、メインメモリ602又は補助記憶デバイス603にインストールされた制御プログラムに従ってデータ処理を行うことにより、追跡処理部62、個人認証処理部63、商品監視処理部64、行動監視処理部65、音声合成部66及び統合処理部67としての機能を実現する。そこで次に、図9乃至図21に示す流れ図を用いて、追跡処理部62、個人認証処理部63、商品監視処理部64、行動監視処理部65、音声合成部66及び統合処理部67の主要な動作について説明する。これらの動作説明により、各部の機能は明らかになろう。なお、以下の説明は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順等は特に限定されるものではない。
因みに、制御プログラムをメインメモリ602又は補助記憶デバイス603にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ602又は補助記憶デバイス603にインストールすることができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
はじめに、追跡処理部62の動作について、図9を用いて説明する。
追跡処理部62は、ACT101として人物が第1境界線101を横切って追跡領域111に侵入するのを待ち受けている。因みに、追跡領域111に侵入する人物としては、消費者だけでなく店員等の店舗関係者も考えられる。しかしここでは説明の便宜上、人物を消費者に限定する。そこで以下では、人物を消費者と称する。
追跡処理部62は、追跡センサ21,22から取り込んだ画像データにより、消費者が追跡領域111に侵入したことを検出すると、ACT101においてYESと判定し、ACT102へと進む。追跡処理部62は、ACT102としてその消費者の追跡を開始する。以下、追跡される消費者を消費者SAと表す。
追跡処理部62は、ACT103として消費者SAが第4境界線104を横切って、この第4境界線104よりも内側の追跡領域111に入ったか否かを確認する。消費者SAが第4境界線104よりも内側の追跡領域111に入っていない場合、追跡処理部62は、ACT103においてNOと判定し、ACT104へと進む。追跡処理部62は、ACT104として消費者SAが第1境界線101を横切って、追跡領域111から退出したか否かを確認する。消費者SAが追跡領域111から退出していない場合、追跡処理部62は、ACT104においてNOと判定し、ACT103へと戻る。ここに追跡処理部62は、ACT103及びACT104において、消費者SAが第4境界線104よりも内側の追跡領域111に入るか、追跡領域111から退出するのを待ち受ける。
ACT103及びACT104の待ち受け状態において、消費者SAが第4境界線104よりも内側の追跡領域111に入ることなく追跡領域111から退出した場合には、追跡処理部62は、ACT104においてYESと判定し、ACT105へと進む。追跡処理部62は、ACT105として消費者SAの追跡を終了する。しかして、追跡処理部62は、図9の流れ図に示す手順の動作を終了する。
ACT103及びACT104の待ち受け状態において、消費者SAが第4境界線104よりも内側の追跡領域111に入ると、追跡処理部62は、ACT103においてYESと判定し、ACT106へと進む。追跡処理部62は、ACT106としてその消費者SAに対して固有の追跡IDを割り当てる。そして追跡処理部62は、ACT107としてその追跡IDが記述された追跡ファイル68を作成する。このとき追跡処理部62は、監視フラグを“0”とする。以下では、消費者SAの追跡IDが記述された追跡ファイル68を追跡ファイル680と表す。
追跡処理部62は、ACT108として時計604で計時されている時刻を取得する。追跡処理部62は、ACT109として消費者SAの現時点の追跡位置情報を取得する。追跡処理部62は、ACT110としてその時刻と追跡位置情報とを関連付けた動線データを追跡ファイル680に記憶する。
追跡処理部62は、ACT111として追跡ファイル680の監視フラグを調べる。この時点では、監視フラグは“0”である。したがって追跡処理部62は、ACT111においてNOと判定し、ACT112へと進む。追跡処理部62は、ACT112として消費者SAが第4境界線104を横切って、第4境界線104よりも外側の追跡領域111に退出したか否かを確認する。消費者SAが第4境界線104よりも外側の追跡領域111に退出していない場合、追跡処理部62は、ACT112においてNOと判定し、ACT108へと戻る。そして追跡処理部62は、ACT108以降の処理を前記と同様に実行する。すなわち追跡処理部62は、時計604で計時されている時刻とその時点における消費者SAの追跡位置情報とからなる動線データを追跡ファイル680に記憶する。
追跡処理部62は、消費者SAが第4境界線104よりも外側の追跡領域111に退出するまで、動線データを追跡ファイル680に記憶する処理を繰り返し実行する。そして消費者SAが第4境界線104よりも外側の追跡領域111に退出すると、追跡処理部62は、ACT112においてYESと判定し、ACT113へと進む。追跡処理部62は、ACT113として追跡ファイル680の監視フラグを“1”に変更する。そして追跡処理部62は、ACT108へと戻り、ACT108以降の処理を再度実行する。このとき、監視フラグは“1”である。したがって追跡処理部62は、ACT111においてYESと判定し、ACT114へと進む。
追跡処理部62は、ACT114として消費者SAが追跡領域111の外へと退出したか否かを確認する。消費者SAが追跡領域111の外へと退出していない場合、追跡処理部62は、ACT114においてNOと判定し、ACT115へと進む。追跡処理部62は、ACT115として消費者SAが再び第4境界線104を横切って、第4境界線104よりも内側の追跡領域111に戻ったか否かを確認する。消費者SAが第4境界線104よりも内側の追跡領域111に戻っていない場合、追跡処理部62は、ACT115においてNOと判定し、ACT114へと戻る。ここに追跡処理部62は、ACT114及びACT115において消費者SAが追跡領域111の外へと退出するか第4境界線104よりも内側の追跡領域111に戻るのを待ち受ける。
ACT114及びACT115の待ち受け状態において、消費者SAが第4境界線104よりも内側の追跡領域111に戻った場合には、追跡処理部62は、ACT115においてYESと判定し、ACT116へと進む。追跡処理部62は、ACT116として追跡ファイル680の監視フラグを“0”に変更する。そして追跡処理部62は、ACT108の処理へと戻る。したがって追跡処理部62は、消費者SAが再び第4境界線104よりも外側の追跡領域111に退出するまで、ACT108乃至ACT112の処理を繰り返し実行する。
ACT114及びACT115の待ち受け状態において、消費者SAが追跡領域111の外へと退出した場合には、追跡処理部62は、ACT114においてYESと判定し、ACT117へと進む。追跡処理部62は、ACT117として消費者SAの追跡を終了する。追跡処理部62は、ACT118として統合処理部67に対して退出通知コマンドを出力する。退出通知コマンドには、追跡ファイル680の会員IDが含まれる。しかして、追跡処理部62は、図9の流れ図に示す手順の動作を終了する。
このように追跡処理部62は、消費者SAが追跡領域111の第4境界線104よりも内側に入ると、その消費者SAに対して固有の追跡IDを割り当てる。そして追跡処理部62は、その追跡IDが記述された追跡ファイル680を作成する。
追跡処理部62は、消費者SAの追跡を開始する。そして追跡処理部62は、消費者SAが追跡領域111の外に退出するまで追跡を継続する。消費者SAが追跡領域111の外に退出すると、追跡処理部62は、消費者の追跡を終了する。その間、追跡処理部62は、その消費者SAの動線データを追跡ファイル680で記憶する。消費者SAが追跡領域111の外に退出すると、追跡処理部62は、退出通知コマンドを統合処理部67へと出力する。
ここに、追跡処理部62は、追跡領域111内を行動する人物を追跡する追跡手段として機能する。詳しくは、追跡処理部62は、人物に対して固有の追跡IDを割り当てて追跡する。
退出通知コマンドを入力した統合処理部67の動作については、後で図18を用いて説明する。
次に、個人認証処理部63の動作について、図10を用いて説明する。
個人認証処理部63は、ACT201として個人認証機器41,42のリーダで個人認証のためのデータが読み取られるのを待ち受けている。
消費者SAは、商品を購入する前に、会員としての個人認証を受ける必要がある。このため消費者SAは、ユーザ端末TMにインストールされている買物アプリを起動する。買物アプリが起動すると、ユーザ端末TMのディスプレイに会員IDのコードが表示される。そこで消費者SAは、そのコードをいずれかの個人認証機器41,42のリーダで読み取らせる。そうすると、そのコードで示されるデータが個人認証機器41,42から個人認証処理部63へと出力される。このデータには、個人認証機器41,42を識別するための機器IDが付加されている。
個人認証処理部63は、個人認証機器41,42からデータが入力されると、そのデータが会員IDのコードを表すデータであるか否かを判定する。会員IDのコードを表すデータの場合、個人認証処理部63は、ACT201においてYESと判定し、ACT202へと進む。個人認証処理部63は、ACT202としてそのデータに付加された機器IDを取得する。個人認証処理部63は、ACT203としてそのデータから会員IDを取得する。個人認証処理部63は、ACT204として認証通知コマンドを統合処理部67へと出力する。認証通知コマンドには、ACT202の処理で取得した機器IDと、ACT203の処理で取得した会員IDとが含まれる。
ここで、認証通知コマンドを入力した統合処理部67の動作について、図13を用いて説明する。
統合処理部67は、ACT501として認証通知コマンドから機器IDを取得する。そして統合処理部67は、ACT502としてその機器IDから特定される認証領域113,114を選択する。例えば機器IDが個人認証機器41のものである場合、統合処理部67は、認証領域113を選択する。例えば機器IDが個人認証機器42のものである場合には、統合処理部67は、認証領域114を選択する。ここで、一例として認証領域113が選択されたと仮定して、統合処理部67の動作説明を続ける。
統合処理部67は、ACT503として認証領域113内に居る消費者の人数を取得する。具体的には統合処理部67は、追跡処理部62と協働して、認証通知コマンドが出力された時刻に対応した追跡位置情報が、認証領域113に対する認証位置情報と一致する動線データを記憶した追跡ファイル68を検索する。該当する追跡ファイル68の数が認証領域113に居る消費者の人数となる。認証位置情報は、認証領域113内におけるX−Y平面座標の集合体である。認証領域113に対する認証位置情報及び認証領域113に対する認証位置情報は、予め補助記憶デバイス603に設定されている。
統合処理部67は、ACT504として認証領域113に居る消費者の人数が1名であるか否かを確認する。消費者の人数が1名の場合、すなわち消費者SAしか認証領域113に居ない場合、統合処理部67は、ACT504においてYESと判定し、ACT505へと進む。統合処理部67は、ACT505として認証通知コマンドから会員IDを取得する。そして統合処理部67は、会員サーバ8に対して認証要求コマンドを送信する。認証要求コマンドには、ACT505の処理で取得した会員ID、つまりは消費者SAの会員IDが含まれる。
会員サーバ8は、会員IDの有効性を判定する。具体的には会員サーバ8は、認証要求コマンドに含まれる会員IDで会員データベース81を検索する。その結果、当該会員IDに対応した有効フラグが“1”である場合、会員サーバ8は会員IDが有効であると判定する。当該会員IDに対応した有効フラグが“0”である場合には、会員サーバ8は、会員IDが無効であると判定する。会員サーバ8は、会員IDの有効性判定結果を統合処理部67に返す。
統合処理部67は、ACT507として会員IDの有効性を確認する。会員サーバ8において有効な会員IDであると判定された場合、統合処理部67は、ACT507においてYESと判定し、ACT508へと進む。統合処理部67は、ACT508として認証領域113に居る消費者SAの追跡ファイル680から追跡IDを取得する。すなわち統合処理部67は、認証通知コマンドが出力された時刻に対応した追跡位置情報が、認証領域113に対する認証位置情報と一致する動線データを記憶した追跡ファイル68から追跡IDを取得する。そして統合処理部67は、ACT509として、ACT508の処理で取得した追跡IDとACT505の処理で取得した会員IDとを対応付けて、関連付テーブル69に記憶する。
統合処理部67は、ACT510として販売管理装置7に対して購買リスト71の作成を指示する。この指示により、販売管理装置7においては、ACT505の処理で取得した会員IDで識別される購買リスト71が作成される。以下では、消費者SAの会員IDで識別される購買リスト71を購買リスト711と表す。
統合処理部67は、ACT511として個人認証処理部63に対して許諾応答コマンドを出力する。
一方、ACT507において有効会員でないと判定された場合、統合処理部67はNOと判定し、ACT512へと進む。統合処理部67は、ACT512として個人認証処理部63に対して認証エラーのエラー応答コマンドを出力する。
また、ACT504において認証領域113に消費者が一人も居ない場合、あるいは消費者が2名以上居る場合には、統合処理部67はNOと判定し、ACT513へと進む。統合処理部67は、ACT513として別の認証領域114に消費者が居るか否かを確認する。具体的には、具体的には統合処理部67は、追跡処理部62と協働して、認証通知コマンドが出力された時刻に対応した追跡位置情報が、認証領域114に対する認証位置情報と一致する動線データを記憶した追跡ファイル68を検索する。該当する追跡ファイル68が存在する場合、統合処理部67は、認証領域114に消費者が居ると判断する。
別の認証領域114に消費者が居る場合、統合処理部67はACT513においてNOと判定し、ACT514へと進む。統合処理部67は、ACT514として個人認証処理部63に対して第1重複エラーのエラー応答コマンドを出力する。別の認証領域114に消費者が居ない場合には、統合処理部67はACT513においてYESと判定し、ACT515へと進む。統合処理部67は、ACT515として個人認証処理部63に対して第2重複エラーのエラー応答コマンドを出力する。
統合処理部67は、個人認証処理部63に対して許諾応答コマンド、あるいは認証エラー、第1重複エラー又は第2重複エラーのエラー応答コマンドを出力すると、図13の流れ図に示す手順の動作を終了する。
図10の説明に戻る。
ACT204において認証通知コマンドを出力した個人認証処理部63は、ACT205として統合処理部67から許諾応答コマンドを入力したか否かを確認する。許諾応答コマンドを入力していない場合、個人認証処理部63は、ACT205においてNOと判定し、ACT206へと進む。個人認証処理部63は、ACT206として、エラー応答コマンドを入力したか否かを確認する。エラー応答コマンドを入力していない場合、個人認証処理部63は、ACT205においてNOと判定し、ACT205へと戻る。ここに個人認証処理部63は、ACT205及びACT206において許諾応答コマンドを入力するかエラー応答コマンドを入力するのを待ち受ける。
ACT205及びACT206の待ち受け状態において、許諾応答コマンドを入力した場合には、個人認証処理部63は、ACT205においてYESと判定し、ACT207へと進む。個人認証処理部63は、ACT207として、認証領域113の個人認証機器41から認証に成功したことが報知されるように個人認証機器41を制御する。この制御により、例えば個人認証機器41の表示デバイスに「認証に成功しました。買物を始めてください。」というメッセージが表示される。
ACT205及びACT206の待ち受け状態において、エラー応答コマンドを入力した場合には、個人認証処理部63は、ACT206においてYESと判定し、ACT208へと進む。個人認証処理部63は、ACT208として、エラー応答コマンドが認証エラーの応答コマンドであるか否かを確認する。認証エラーの応答コマンドである場合、個人認証処理部63は、ACT208においてYESと判定し、ACT209へと進む。個人認証処理部63は、ACT209として認証領域113の個人認証機器41から会員IDの不備により認証に失敗したことが報知されるように個人認証機器41を制御する。この制御により、例えば個人認証機器41の表示デバイスに「会員IDを使用できません。店員にお申し出ください。」というメッセージが表示される。
エラー応答コマンドが認証エラーの応答コマンドでない場合には、個人認証処理部63は、ACT208においてNOと判定し、ACT210へと進む。個人認証処理部63は、ACT210として、エラー応答コマンドが第1重複エラーの応答コマンドであるか否かを確認する。第1重複エラーの応答コマンドである場合、個人認証処理部63は、ACT210においてYESと判定し、ACT211へと進む。個人認証処理部63は、ACT211として認証領域113の個人認証機器41から再認証が指示されるように個人認証機器41を制御する。この制御により、例えば個人認証機器41の表示デバイスに「他の消費者が離れてから再度認証操作を行ってください」というメッセージが表示される。
エラー応答コマンドが第1重複エラーの応答コマンドでない場合、すなわちエラー応答コマンドが第2重複エラーの応答コマンドである場合には、個人認証処理部63は、ACT210においてNOと判定し、ACT212へと進む。個人認証処理部63は、ACT212として、別の個人認証機器で認証することを推奨することが提示されるように個人認証機器41を制御する。この制御により、例えば個人認証機器41の表示デバイスに「認証に失敗しました。他の認証機器で認証することをお勧めします」というメッセージが表示される。
以上で、個人認証処理部63は、図10の流れ図に示す手順の動作を終了する。
このように、消費者SAが例えば認証領域113に入って会員IDを個人認証機器41のリーダで読み取らせると、個人認証処理部63は、統合処理部67に対して認証通知コマンドを出力する。この認証通知コマンドに応じて、統合処理部67は、認証領域113に居る消費者の人数を取得する。人数が1名の場合、統合処理部67は、会員サーバ8と協働して会員IDの有効性を判定する。そして会員IDの有効性が承認されると、統合処理部67は、個人認証処理部63に許諾応答コマンドを出力する。許諾応答コマンドを入力した個人認証処理部63は、個人認証機器41を介して認証の成功を報知する。
一方、会員IDの有効性が承認されなかった場合には、統合処理部67は、個人認証処理部63に認証エラーのエラー応答コマンドを出力する。このエラー応答コマンドに応じて、個人認証処理部63は、個人認証機器41を介して認証の失敗を報知する。
また、統合処理部67は、認証領域113に居る消費者の人数が1名でない場合、会員IDの有効性を判定しない。この場合、統合処理部67は、別の認証領域114に消費者が居るか確認する。別の認証領域114に消費者が居る場合、統合処理部67は、個人認証処理部63に対して第1重複エラーのエラー応答コマンドを出力する。このエラー応答コマンドに応じて、個人認証処理部63は、個人認証機器41を介して消費者に再認証を指示する。別の認証領域114に消費者が居ない場合には、個人認証処理部63に対して第2重複エラーのエラー応答コマンドを出力する。このエラー応答コマンドに応じて、個人認証処理部63は、個人認証機器41を介して別の個人認証機器42で認証することを推奨するメッセージを提示する。
ここに、統合処理部67は、個人認証機器41,42、個人認証処理部63及び会員サーバ8と協働して、人物を認証する認証手段として機能する。具体的には統合処理部67は、追跡領域111内の所定の認証領域113,114内に居る人物を認証する。
統合処理部67は、追跡処理部62と協働して、取得手段として機能する。すなわち、統合処理部67は、追跡処理部62での追跡結果を基に、認証の対象となる人物、つまりは所定の認証領域113,114内に居る人物の人数を取得する。
統合処理部67は、制御手段として機能する。すなわち、統合処理部67は、認証の対象となる人物の人数が一人の場合には、認証を許容する。そして統合処理部67は、認証が許容された人物のユーザID、つまりは会員IDと当該人物に対して割り当てられた追跡IDとを、関連付テーブル69でもって関連付ける。すなわち統合処理部67は、関連付け手段としても機能する。
一方、認証の対象となる人物の人数が複数名の場合には、統合処理部67は、認証を許容しない。この場合、統合処理部67は、再認証を指示する。あるいは統合処理部67は、人物が居ない別の認証領域での認証を提示する。
例えば認証領域113に消費者SAしかいない場合、個人認証機器41のリーダで会員IDを読み取らせることができる消費者は、消費者SAに限られる。したがって、リーダで読み取った会員IDと消費者SAに対して割り当てられた追跡IDとを関連付けることができる。これに対し、認証領域113に消費者SA以外の別の消費者SBが居た場合には、個人認証機器41のリーダで会員IDを読み取らせることができる消費者は、消費者SAに限らない。消費者SBもリーダで会員IDを読み取らせることが可能である。したがって、統合処理部67は、認証領域113に居る消費者の人数が1名でない場合、会員IDの有効性を判定しない。その結果、会員IDと追跡IDとが誤って関連付けされることはない。
会員IDによる個人認証に成功した消費者SAは、棚10に陳列されている商品A〜商品Fを購入することができる。例えば棚10の区画201に陳列されている商品Aを購入する場合、消費者SAは、その区画201から商品Aを取り出す。以下、このような消費者SAの行動を、購買行動と称する。また、一旦取り出した商品Aの購入を取り止める場合には、消費者SAは、その商品Aを元の区画201に戻す。以下、このような消費者SAの行動を、返品行動と称する。棚制御装置6は、購買行動又は返品行動に対して、商品監視処理部64、行動監視処理部65及び統合処理部67が連携して動作することで、当該消費者SAの購買商品データを購買リスト711に登録することができる。
そこで先ず、商品監視処理部64の動作について、図11を用いて説明する。
なお、購買行動において、消費者SAが複数品目の商品を同時に取り出す行為は禁止行為とする。また、返品行動において、消費者SAが商品を戻した手を引っ込めることなくその商品または別の商品を取り出す行為も禁止行為とする。因みに、消費者SAが1品目の商品を複数個同時に取り出したり戻したりする行為は許容される。
商品監視処理部64は、ACT301として商品監視センサ1により重量変化が検出されるのを待ち受けている。例えば消費者SAが商品Aに対して購買行動を行うと、区画201の商品監視センサ1は、減少方向の重量変化を検出する。例えば消費者SAが商品Aに対して返品行動を行うと、区画201の商品監視センサ1は、増加方向の重量変化を検出する。
商品監視センサ1が重量変化を検出すると、商品監視処理部64は、ACT301においてYESと判定し、ACT302へと進む。商品監視処理部64は、ACT302として重量変化を検出した商品監視センサ1のセンサ番号を取得する。この場合、商品監視処理部64は、区画201に設けられている商品監視センサ1のセンサ番号、例えば“001”を取得する。
商品監視処理部64は、ACT303として商品監視センサ1により減少方向の重量変化が検出されたのか、増加方向の重量変化が検出されたのかを判定する。減少方向の重量変化が検出された場合、商品監視処理部64は、ACT304においてYESと判定し、ACT305へと進む。商品監視処理部64は、ACT305として統合処理部67に対して減少通知コマンドを出力する。
増加方向の重量変化が検出された場合には、商品監視処理部64は、ACT304においてNOと判定し、ACT306へと進む。商品監視処理部64は、ACT306として統合処理部67に対して増加通知コマンドを出力する。
減少通知コマンド又は増加通知コマンドには、ACT302の処理で取得したセンサ番号と、ACT303の処理で算出した重量変化量とが含まれる。以上で、商品監視処理部64は、図11の流れ図に示す手順の動作を終了する。
続いて、行動監視処理部65の動作について、図12を用いて説明する。
行動監視処理部65は、ACT401として行動監視センサ3により消費者SAの手が検出されるのを待ち受けている。購買領域112内の消費者SAが棚10に手を伸ばすと、行動監視センサ3によりその手が検出される。手が検出されると、行動監視処理部65は、ACT401においてYESと判定し、ACT402へと進む。行動監視処理部65は、ACT402として消費者SAの手を検出した地点の行動位置情報を取得する。そして行動監視処理部65は、ACT403として統合処理部67に対して手伸ばし通知コマンドを出力する。手伸ばし通知コマンドには、ACT402の処理で取得した行動位置情報が含まれる。
行動監視処理部65は、ACT404として消費者SAの手が非検出となるのを待ち受ける。そして行動監視センサ3が消費者SAの手を検出しなくなると、行動監視処理部65は、ACT404においてYESと判定し、ACT405へと進む。行動監視処理部65は、ACT405として統合処理部67に対して手戻し通知コマンドを出力する。手戻し通知コマンドにも、ACT402の処理で取得した行動位置情報が含まれる。
このように、消費者SAが区画201から商品Aを取り出すために棚10に手を伸ばすと、先ず、行動監視センサ3により消費者SAの手が検出される。この手の検出により、行動監視処理部65から統合処理部67に対して手伸ばし通知コマンドが出力される。手伸ばし通知コマンドには、消費者SAの手を検出した位置を示す行動位置情報が含まれている。
次いで、消費者SAが区画201から商品Aを1品だけ持ち上げると、区画201の商品監視センサ1により減少方向の重量変化が検出される。この重量変化により、商品監視処理部64から統合処理部67に対して減少通知コマンドが出力される。減少通知コマンドには、重量変化を検出した商品監視センサ1のセンサ番号とその重量変化量とが含まれている。重量変化量は、商品Aの単位重量と一致する。因みに、消費者SAが区画201から商品Aを2品まとめて持ち上げた場合には、重量変化量は、商品Aの単位重量の2倍と一致する。
その後、消費者SAが商品Aを持った手を棚10から引っ込めると、行動監視センサ3により検出されていた消費者SAの手が検出されなくなる。この手の非検出により、行動監視処理部65から統合処理部67に対して手戻し通知コマンドが出力される。手戻し通知コマンドにも、消費者SAの手を検出した位置を示す行動位置情報が含まれている。
一方、消費者SAが商品Aの購入を取り止めるために、商品Aを持って手を棚10に伸ばした場合にも、先ず、行動監視処理部65から統合処理部67に対して手伸ばし通知コマンドが出力される。
次いで、消費者SAが商品Aを区画201に戻すと、区画201の商品監視センサ1により増加方向の重量変化が検出される。この重量変化により、商品監視処理部64から統合処理部67に対して増加通知コマンドが出力される。増加通知コマンドには、重量変化を検出した商品監視センサ1のセンサ番号とその重量変化量とが含まれている。重量変化量は、商品Aの単位重量と一致する。因みに、消費者SAが商品Aを2品まとめて区画201に戻した場合には、重量変化量は、商品Aの単位重量の2倍と一致する。
その後、消費者SAが手を棚10から引っ込めると、行動監視処理部65から統合処理部67に対して手戻し通知コマンドが出力される。
このように、消費者SAの購買行動に対しては、先ず、行動監視処理部65から統合処理部67に対して手伸ばし通知コマンドが出力される。次いで、商品監視処理部64から統合処理部67に対して減少通知コマンドが出力される。その後、行動監視処理部65から統合処理部67に対して手戻し通知コマンドが出力される。
なお、消費者SAが商品を取り上げることなく手を引っ込めた場合には、減少通知コマンドは出力されない。すなわち、手伸ばし通知コマンドが出力され、続いて、手戻し通知コマンドが出力される。
一方、消費者SAの返品行動に対しては、先ず、行動監視処理部65から統合処理部67に対して手伸ばし通知コマンドが出力される。次いで、商品監視処理部64から統合処理部67に対して増加通知コマンドが出力される。その後、行動監視処理部65から統合処理部67に対して手戻し通知コマンドが出力される。
なお、消費者SAが棚10に商品を戻すことなく手を引っ込めた場合には、増加通知コマンドは出力されない。すなわち、手伸ばし通知コマンドが出力され、続いて、手戻し通知コマンドが出力される。
また、購買行動において、消費者SAが商品を持ち上げた手を引っ込めることなくその商品を棚10に戻した場合には、行動監視処理部65及び商品監視処理部64から統合処理部67に対して以下の順番で各種のコマンドが出力される。先ず、行動監視処理部65から統合処理部67に対して手伸ばし通知コマンドが出力される。次いで、商品監視処理部64から統合処理部67に対して減少通知コマンドが出力される。次いで、商品監視処理部64から統合処理部67に対して増加通知コマンドが出力される。その後、行動監視処理部65から統合処理部67に対して手戻し通知コマンドが出力される。因みに、消費者SAが商品を同じ区画に戻した場合には、減少通知コマンド及び増加通知コマンドに含まれるセンサ番号は一致する。しかし、消費者SAが商品を別の区画に戻した場合には、減少通知コマンド及び増加通知コマンドに含まれるセンサ番号は相違する。
このように、消費者の購買行動又は返品行動に対しては、必ず、行動監視処理部65から統合処理部67に対して手伸ばし通知コマンドが出力される。そこで、手伸ばし通知コマンドを入力した統合処理部67の動作について、図14を用いて説明する。
統合処理部67は、ACT521として手伸ばし通知コマンドから行動位置情報を取得する。そして統合処理部67は、ACT522としてその行動位置情報を記憶する。行動位置情報の記憶先は、例えばメインメモリ602である。行動位置情報の記憶先は、補助記憶デバイス603であってもよい。
統合処理部67は、ACT523として減少通知コマンドが入力されたか否かを確認する。減少通知コマンドが入力されていない場合、統合処理部67は、ACT523においてNOと判定し、ACT524へと進む。統合処理部67は、ACT524として増加通知コマンドが入力されたか否かを確認する。増加通知コマンドが入力されていない場合、統合処理部67は、ACT524においてNOと判定し、ACT525へと進む。統合処理部67は、ACT525として手戻し通知コマンドが入力されたか否かを確認する。手戻し通知コマンドが入力されていない場合、統合処理部67は、ACT523へと戻る。ここに、統合処理部67は、ACT523乃至ACT525として減少通知コマンドが入力されるか、増加通知コマンドが入力されるか、手戻し通知コマンドが入力されるのを待ち受ける。
ACT523乃至ACT525の待ち受け状態において、手戻し通知コマンドが入力された場合には、統合処理部67は、ACT525においてYESと判定し、ACT526へと進む。統合処理部67は、ACT526として行動位置情報をクリアする。しかして、統合処理部67は、図14の流れ図に示す手順の動作を終了する。
このように統合処理部67は、手伸ばし通知コマンドを入力したが、減少通知コマンド又は増加通知コマンドが入力されることなく、手戻し通知コマンドを入力した場合には、格別な処理を実行しない。すなわち、購買行動をした消費者SAが商品を取り上げることなく手を引っ込めた場合、あるいは返品行動をした消費者SAが商品を戻すことなく手を引っ込めた場合には、統合処理部67は、格別な処理を実行しない。
ACT523乃至ACT525の待ち受け状態において、減少通知コマンドが入力された場合には、統合処理部67は、ACT523においてYESと判定し、ACT527へと進む。統合処理部67は、ACT527として増加通知コマンドが入力されたか否かを確認する。増加通知コマンドが入力されていない場合、統合処理部67は、ACT527においてNOと判定し、ACT528へと進む。統合処理部67は、ACT528として手戻し通知コマンドが入力されたか否かを確認する。手戻し通知コマンドが入力されていない場合、統合処理部67は、ACT528においてNOと判定し、ACT527へと戻る。ここに統合処理部67は、ACT527及びACT528として、増加通知コマンドが入力されるか、手戻し通知コマンドが入力されるのを待ち受ける。
ACT527及びACT528の待ち受け状態において、増加通知コマンドが入力されると、統合処理部67は、ACT527においてYESと判定し、ACT523へと戻る。すなわち統合処理部67は、ACT523乃至ACT525の待ち受け状態に戻る。
ACT527及びACT528の待ち受け状態において、手戻し通知コマンドが入力された場合には、統合処理部67は、ACT528においてYESと判定し、ACT529へと進む。統合処理部67は、ACT529として購買処理を実行する。購買処理の詳細については、後述する。購買処理を終えると、統合処理部67は、図14の流れ図に示す手順の動作を終了する。
このように統合処理部67は、手伸ばし通知コマンドを入力した後に、減少通知コマンドを入力し、続いて手戻し通知コマンドを入力すると、購買処理を実行する。すなわち消費者SAが購買行動を行った場合には、統合処理部67は、購買処理を実行する。
なお統合処理部67は、手伸ばし通知コマンドを入力した後に、減少通知コマンドを入力し、さらに増加通知コマンドを入力した後に手戻し通知コマンドを入力した場合には、格別な処理は実行しない。すなわち消費者SAが一旦持った商品を直ぐに戻して手を引っ込めた場合には、統合処理部67は、格別な処理は実行しない。
ACT523乃至ACT525の待ち受け状態において、増加通知コマンドが入力された場合には、統合処理部67は、ACT524においてYESと判定し、ACT530へと進む。統合処理部67は、ACT530として手戻し通知コマンドを待ち受ける。そして、手戻し通知コマンドが入力されると、統合処理部67は、ACT530においてYESと判定し、ACT531へと進む。統合処理部67は、ACT531として返品処理を実行する。返品処理の詳細については、後述する。返品処理を終えると、統合処理部67は、図14の流れ図に示す手順の動作を終了する。
このように統合処理部67は、手伸ばし通知コマンドを入力した後に、増加通知コマンドを入力し、続いて手戻し通知コマンドを入力すると、返品処理を実行する。すなわち消費者SAが返品行動を行った場合には、統合処理部67は、返品処理を実行する。
図15は、購買処理の要部手順を示す流れ図である。統合処理部67は、購買処理を開始すると、ACT541として購買領域112に居る消費者の人数Mを計数する。具体的には統合処理部67は、追跡処理部62に記憶されている追跡ファイル68の中で現在の時刻に対応する動線データの追跡位置情報が購買領域112に対する購買位置情報と一致する追跡ファイル68の数を計数する。該当する追跡ファイル68の数が、購買領域112に居る消費者の人数Mとなる。購買位置情報は、購買領域112内におけるX−Y平面座標の集合体である。購買領域112に対する購買位置情報は、予め補助記憶デバイス603に設定されている。
統合処理部67は、ACT542として購買領域112に居る消費者の人数Mが0名であるか否かを確認する。人数Mが0名の場合、追跡処理部62で追跡できていない消費者が棚10から商品を取り出した可能性がある。この場合、統合処理部67は、ACT542においてYESと判定し、ACT543へと進む。統合処理部67は、ACT543として音声合成部66に対して追跡エラーの音声データを出力する。これにより、音声合成部66では、追跡エラーを示す音声が合成される。そしてスピーカ5から、例えば「エラーが発生しており、買物をすることができません。」というような音声が出力される。しかして、統合処理部67は、購買処理を終了する。
購買領域112に居る消費者の人数Mが0名でない場合には、統合処理部67は、ACT542においてNOと判定し、ACT544へと進む。統合処理部67は、ACT544として購買領域112に居る消費者の人数Mが1名であるか否かを確認する。現在の時刻に対応する動線データの追跡位置情報が購買位置情報と一致する追跡ファイル68が1つだけの場合、人数Mは1名となる。以下では、当該追跡ファイル68を対象追跡ファイル68と称する。例えば消費者SAが購買領域112に一人だけいる場合、追跡ファイル680が対象追跡ファイル680となる。
購買領域112に居る消費者の人数Mが1名の場合、統合処理部67は、ACT544においてYESと判定し、ACT545へと進む。統合処理部67は、ACT545として対象追跡ファイル680から現在の時刻に対応する動線データの追跡位置情報を取得する。
統合処理部67は、ACT546としてその追跡位置情報と、図14のACT522の処理で記憶した行動位置情報とに基づいて、対象追跡ファイル680に記述されている追跡IDで追跡されている消費者SAによる購買行動が可能であるか否かを確認する。具体的には統合処理部67は、追跡位置情報で特定される場所に居る消費者SAが手を伸ばして行動位置情報で特定される場所から商品を取り出す行為が可能であるか否かを確認する。商品を取り出す行為が不可能である場合、統合処理部67は、購買行動が不可能と判定する。統合処理部67は、ACT546においてNOと判定し、ACT543へと進む。統合処理部67は、ACT543として音声合成部66に対して追跡エラーの音声データを出力する。しかして、統合処理部67は、購買処理を終了する。
購買行動が可能な場合には、統合処理部67は、ACT546においてYESと判定し、ACT547へと進む。統合処理部67は、ACT547として対象追跡ファイル680から追跡IDを取得する。
次いで、統合処理部67は、ACT548として関連付テーブル69を検索して、当該追跡IDが会員IDと関連付けられているか否かを確認する。追跡IDが会員IDと関連付けられていない場合、会員IDが承認されていない消費者が購買行動を行ったと推定される。この場合、統合処理部67は、ACT548においてNOと判定し、ACT549へと進む。統合処理部67は、ACT549として音声合成部66に対して認証エラーの音声データを出力する。これにより、音声合成部66では、認証エラーを示す音声が合成される。そしてスピーカ5から、例えば「会員IDが認証されていません。」というような音声が出力される。しかして、統合処理部67は、購買処理を終了する。
追跡IDに会員IDが関連付けられている場合には、統合処理部67は、ACT548においてYESと判定し、ACT550へと進む。統合処理部67は、ACT550としてその追跡IDと関連付けられた会員IDを取得する。また統合処理部67は、ACT551として減少通知コマンドからセンサ番号を取得する。減少通知コマンドは、図14のACT523において商品監視センサ1から受信したものである。
統合処理部67は、ACT552として商品データファイル61から当該センサ番号とともに記憶されている商品コード、商品名及び単位重量の商品データを読込む。さらに統合処理部67は、ACT553として購買個数を算出する。具体的には統合処理部67は、減少通知コマンドから重量変化量を取得する。そして統合処理部67は、その重量変化量を単位重量で除算する。その結果、小数点1位の値が「1」の場合には切り捨て、「9」の場合は切り上げて、購買個数を算出する。
なお、小数点1位の値が「2」乃至「8」の場合には、購買個数を算出不能とする。この点に関しては、小数点1位の値が「1」または「2」の場合には切り捨て、「8」又は「9」の場合は切り上げて、購買個数を算出してもよい。あるいは、重量変化量を単位重量で割り切ることができなかった場合には、購買個数を算出不能としてもよい。通常、各商品は棚10の区画に正しく陳列されている。したがって、重量変化量は単位重量で割り切れるので、購買個数が算出不能となることはない。
統合処理部67は、ACT554として販売管理装置7に対して購買通知コマンドを出力する。購買通知コマンドには、ACT550の処理において取得した会員IDと、ACT552の処理において読み込んだ商品データの商品コード、商品名及び単価と、ACT553の処理において算出した購買個数とが含まれる。しかして、統合処理部67は、購買処理を終了する。
一方、対象追跡ファイル68が2以上存在する場合、つまりは購買領域112に居る消費者の人数Mが2名以上の場合には、統合処理部67は、ACT544においてNOと判定し、ACT555へと進む。統合処理部67は、ACT555として全ての対象追跡ファイル68から現在の時刻に対応する動線データの追跡位置情報を取得する。
統合処理部67は、ACT556として対象追跡ファイル68から取得した追跡位置情報と、図14のACT522の処理で記憶した行動位置情報とに基づいて、購買行動が可能な消費者の人数Nを計数する。具体的には統合処理部67は、対象追跡ファイル68毎に、追跡位置情報で特定される場所に居る消費者が手を伸ばして行動位置情報で特定される場所から商品を取り出す行為が可能であるか否かを確認する。そして統合処理部67は、商品を取り出す行為が可能であると判定された対象追跡ファイル68の数を購買行動が可能な消費者の人数Nとして計数する。
統合処理部67は、ACT557として購買行動が可能な消費者の人数Nが0名であるか否かを確認する。人数Nが0名の場合、統合処理部67は、ACT557においてYESと判定し、ACT543へと進む。そして統合処理部67は、ACT543の処理を前述したのと同様に実行する。しかして、統合処理部67は、購買処理を終了する。
購買行動が可能な消費者の人数Nが0名でない場合には、統合処理部67は、ACT557においてNOと判定し、ACT558へと進む。統合処理部67は、ACT558として購買行動が可能な消費者の人数Nが1名であるかを確認する。人数Nが1名である場合、その1名の消費者が購買行動を行ったと特定できる。統合処理部67は、ACT558においてYESと判定し、ACT547へと進む。そして統合処理部67は、ACT547乃至ACT554の処理を前述したのと同様に実行する。しかして、統合処理部67は、購買処理を終了する。
購買行動が可能な消費者の人数Nが2名以上の場合には、購買者を特定することができない。統合処理部67は、ACT558においてNOと判定し、ACT559へと進む。統合処理部67は、ACT559として音声合成部66に対して購買エラーの音声データを出力する。これにより、音声合成部66では、購買エラーを示す音声が合成される。そしてスピーカ5から、例えば「購買者を特定できないため、エラーとなりました。」等の音声が出力される。しかして、統合処理部67は、購買処理を終了する。
このように統合処理部67は、消費者の購買行動に対して購買処理を実行することにより、購買領域112に居る1名の消費者を、棚10から取り出された商品の購買者として特定する。そして統合処理部67は、その購買者として特定された消費者の会員IDと購買商品のデータとを含む購買通知コマンドを販売管理装置7へと送信する。
そこで次に、購買通知コマンドを受信した販売管理装置7の動作について、図19を用いて説明する。
販売管理装置7は、ACT701として購買通知コマンドから会員IDを取得する。また販売管理装置7は、ACT702として購買通知コマンドに含まれる商品のデータ、つまりは商品コード、商品名、単価及び購買個数を基に購買商品データを作成する。そして販売管理装置7は、ACT703としてその購買商品データを、ACT701の処理で取得した会員IDが設定された購買リスト71に追加する。以上で、販売管理装置7は、図19の流れ図に示す手順の動作を終了する。
このように販売管理装置7は、統合処理部67から購買通知コマンドを受信する毎に、その購買通知コマンドに含まれる会員IDが設定された購買リスト71に購買商品データを追加する。
図16及び図17は、返品処理の要部手順を示す流れ図である。統合処理部67は、返品処理を開始すると、ACT561として購買領域112に居る消費者の人数Mを計数する。統合処理部67は、購買処理のACT541の処理と同様にして、購買領域112に居る消費者の人数Mを計数する。
統合処理部67は、ACT562として購買領域112に居る消費者の人数Mが0名であるか否かを確認する。人数Mが0名の場合、統合処理部67は、ACT562においてYESと判定し、ACT563へと進む。統合処理部67は、ACT563として音声合成部66に対して追跡エラーの音声データを出力する。これにより、音声合成部66では、追跡エラーを示す音声が合成される。そしてスピーカ5から、例えば「エラーが発生しており、買物をすることができません。」というような音声が出力される。しかして、統合処理部67は、返品処理を終了する。
購買領域112に居る消費者の人数Mが0名でない場合には、統合処理部67は、ACT562においてNOと判定し、ACT564へと進む。統合処理部67は、ACT564として購買領域112に居る消費者の人数Mが1名であるか否かを確認する。
購買領域112に居る消費者の人数Mが1名の場合、統合処理部67は、ACT564においてYESと判定し、ACT565へと進む。統合処理部67は、ACT565として対象追跡ファイル68から現在の時刻に対応する動線データの追跡位置情報を取得する。統合処理部67は、ACT566としてその追跡位置情報と、図14のACT522の処理で記憶した行動位置情報とに基づいて、対象追跡ファイル68に記述されている追跡IDで追跡されている消費者による返品行動が可能であるか否かを確認する。具体的には統合処理部67は、追跡位置情報で特定される場所に居る消費者が手を伸ばして行動位置情報で特定される場所から商品を戻す行為が可能であるか否かを確認する。商品を戻す行為が不可能である場合、統合処理部67は、返品行動が不可能と判定する。その場合、統合処理部67は、ACT566においてNOと判定し、ACT563へと進む。統合処理部67は、ACT563として音声合成部66に対して追跡エラーの音声データを出力する。しかして、統合処理部67は、返品処理を終了する。
返品行動が可能な場合には、統合処理部67は、ACT566においてYESと判定し、ACT567へと進む。統合処理部67は、ACT567として対象追跡ファイル68から追跡IDを取得する。そして統合処理部67は、ACT568として関連付テーブル69を検索して、当該追跡IDが会員IDと関連付けられているか否かを確認する。追跡IDが会員IDと関連付けられていない場合、統合処理部67は、ACT569として音声合成部66に対して認証エラーの音声データを出力する。これにより、音声合成部66では、認証エラーを示す音声が合成される。そしてスピーカ5から、例えば「会員IDが認証されていません。」というような音声が出力される。しかして、統合処理部67は、返品処理を終了する。
追跡IDに会員IDが関連付けられている場合には、統合処理部67はACT568においてYESと判定し、図17のACT581へと進む。統合処理部67は、ACT581として追跡IDと関連付けられた会員IDを取得する。また統合処理部67は、ACT582として増加通知コマンドからセンサ番号を取得する。増加通知コマンドは、図14のACT524において商品監視センサ1から受信したものである。
統合処理部67は、ACT583として商品データファイル61から当該センサ番号とともに記憶されている商品コード、商品名及び単位重量の商品データを読込む。さらに統合処理部67は、ACT584として返品個数Pを算出する。具体的には統合処理部67は、増加通知コマンドから重量変化量を取得する。そして統合処理部67は、その重量変化量を単位重量で除算する。その結果、小数点1位の値が「1」の場合には切り捨て、「9」の場合は切り上げて、返品個数Pを算出する。
なお、小数点1位の値が「2」乃至「8」の場合には、返品個数Pを算出不能とする。この点に関しては、小数点1位の値が「1」または「2」の場合には切り捨て、「8」又は「9」の場合は切り上げて、返品個数Pを算出してもよい。あるいは、重量変化量を単位重量で割り切ることができなかった場合には、返品個数Pを算出不能としてもよい。
統合処理部67は、ACT585として返品個数Pを算出できたか否かを判定する。返品個数Pを算出できないということは、消費者が商品を単位重量の異なる別商品の区画に戻したと考えられる。例えば図4に示すように、単位重量が500グラムの商品Aを商品Cが陳列されている区画203に戻した場合、商品Cの単位重量は600グラムであるため、商は0.83となる。同様に、商品Aを商品Eが陳列されている区画205に戻した場合には、商品Eの単位重量は800グラムであるため、商は0.625となる。したがって、いずれの場合も返品個数Pを算出できない。
返品個数Pを算出できない場合、統合処理部67は、ACT585においてNOと判定し、ACT586へと進む。統合処理部67は、ACT586として音声合成部66に対して戻し間違いエラーの音声データを出力する。これにより、音声合成部66では、戻し間違いエラーを示す音声が合成される。そしてスピーカ5から、例えば「商品を戻す場所が違います」等の音声が出力される。しかして、統合処理部67は、返品処理を終了する。
返品個数Pを算出できた場合には、統合処理部67は、ACT585においてYESと判定し、ACT587へと進む。統合処理部67は、ACT587として販売管理装置7に対して購買個数要求コマンドを出力する。購買個数要求コマンドには、ACT581の処理で取得した会員IDと、ACT583の処理で取得した商品データの商品コードとが含まれる。
購買個数要求コマンドを受信した販売管理装置7は、会員IDが設定された購買リスト71から、商品コードと関連付けて記憶されている購買個数Qを検出して、統合処理部67へと応答する。このとき、購買リスト71に当該商品コードのデータが記憶されていない場合には、販売管理装置7は、購買個数Qとして“0”を応答する。
購買個数要求コマンドを出力した統合処理部67は、ACT588として購買個数Qが応答されるのを待ち受ける。購買個数Qが応答されると、統合処理部67は、ACT589としてその購買個数Qから返品個数Pを減算して差分値Rを算出する。統合処理部67は、ACT590として差分値Rが負であるか否かを確認する。
例えば、消費者SAが商品Aを棚10から取り出したが、商品Bは取り出していない場合を想定する。この場合、消費者SAの購買リスト711には、商品Aのデータ(購買個数=1)は記憶されているが、商品Bのデータは記憶されていない。ここで、消費者SAが誤って商品Aを商品Bの区画202に戻したとする。そうすると、商品Aと商品Bの単位重量は等しいので、返品個数Pは“1”と算出される。しかし、購買リスト711には商品Bのデータが記憶されていないので、購買個数Qは“0”である。したがって、差分値Rは“−1”となる。因みに、消費者SAが商品Aを区画201に戻した場合には、購買個数Qは“1”であるので、差分値Rは“0”となる。
差分値Rが負の場合、統合処理部67は、ACT590においてYESと判定し、ACT586へと進む。統合処理部67は、音声合成部66に対して戻し間違いエラーの音声データを出力する。しかして、統合処理部67は、返品処理を終了する。
差分値Rが“0”もしくは“1”以上の場合には、統合処理部67は、ACT590においてNOと判定し、ACT591へと進む。統合処理部67は、ACT591として販売管理装置7に対して返品通知コマンドを出力する。返品通知コマンドには、ACT581の処理において取得した会員IDと、ACT583の処理において読み込んだ商品データの商品コード、商品名及び単価と、ACT584の処理において算出した返品個数Pとが含まれる。しかして、統合処理部67は、返品処理を終了する。
図16の説明に戻る。
購買領域112に居る消費者の人数Mが2名以上の場合、統合処理部67はACT564においてNOと判定し、ACT571へと進む。統合処理部67は、ACT571として全ての対象追跡ファイル68から現在の時刻に対応する動線データの追跡位置情報を取得する。統合処理部67は、ACT572として対象追跡ファイル68から取得した追跡位置情報と、図14のACT522において記憶した行動位置情報と基づいて、返品行動が可能な消費者の人数Nを計数する。
統合処理部67は、ACT573として返品行動が可能な消費者の人数Nが0名であるか否かを確認する。人数Nが0名の場合、統合処理部67は、ACT573においてYESと判定し、ACT563へと進む。統合処理部67は、ACT563として音声合成部66に対して追跡エラーの音声データを出力する。しかして、統合処理部67は、返品処理を終了する。
返品行動が可能な消費者の人数Nが0名でない場合には、統合処理部67は、ACT573においてNOと判定し、ACT574へと進む。統合処理部67は、ACT574として返品行動が可能な消費者の人数Nが1名であるかを確認する。人数Nが1名である場合、その1名の消費者を返品者として特定できる。統合処理部67は、ACT574においてYESと判定し、ACT567へと進む。そして統合処理部67は、ACT567乃至ACT569及びACT581乃至ACT591の処理を前述したのと同様に実行する。
返品行動が可能な消費者の人数Nが2名以上の場合には、返品者を特定することができない。統合処理部67は、ACT574においてNOと判定し、ACT575へと進む。統合処理部67は、ACT575として音声合成部66に対して返品者エラーの音声データを出力する。これにより、音声合成部66では、返品者エラーを示す音声が合成される。そしてスピーカ5から、例えば「返品者を特定できませんでした」というような音声が出力される。しかして、統合処理部67は、返品処理を終了する。
このように統合処理部67は、消費者の返品行動に対して返品処理を実行することにより、購買領域112内に居る1名の消費者を、棚10に商品を戻した返品者として特定する。そして統合処理部67は、その返品者として特定された消費者が棚に戻した商品、つまりは返品商品を購入しているか否かを確認する。消費者が返品商品を購入している場合、すなわち購買個数Qから返品個数Pを減じた差分値Rが0以上の場合には、統合処理部67は、その返品者として特定された消費者の会員IDと返品商品のデータとを含む返品通知コマンドを販売管理装置7へと送信する。
一方、消費者が返品商品を購入していない場合、すなわち購買個数Qから返品個数Pを減じた差分値Rが負となる場合には、統合処理部67は、戻し間違いエラーを報知する。
次に、返品通知コマンドを受信した販売管理装置7の動作について、図20を用いて説明する。販売管理装置7は、ACT711として返品通知コマンドから会員IDを取得する。販売管理装置7は、ACT712として返品通知コマンドに含まれる商品のデータ、つまりは商品コード、商品名、単価及び返品個数Pを基に返品商品データを作成する。返品商品データは、購買商品データの購買個数を返品個数Pに置き換えたものである。
販売管理装置7は、ACT713として、ACT701の処理で取得した会員IDが設定された購買リスト71から、返品商品データと商品コードが一致する購買商品データを選択する。そして販売管理装置7は、ACT714として、その選択した購買商品データの購買個数から返品商品データの返品個数Pを減算する。以上で、販売管理装置7は、図20の流れ図に示す手順の動作を終了する。
このように販売管理装置7は、統合処理部67から返品通知コマンドを受信すると、その返品通知コマンドに含まれている会員IDが設定された購買リスト71の返品商品に係る購買商品データの購買個数を返品個数Pだけ減じる。
また統合処理部67は、商品の返品行動が認識され、その返品行動を行った消費者が特定されると、その消費者の購買リスト71から当該商品のデータを減じさせるための返品通知コマンドを販売管理装置7へと出力する。ただし、購買リスト71から当該商品のデータが減じられることで当該購買リスト71のデータが異常値となる場合、統合処理部67は、返品通知コマンドを出力しない。統合処理部67は、異常時処理を実行する。
具体的には、購買個数Qと返品個数Pとの差分値Rが負、つまりは返品個数Pを減算後の購買個数が負になると、購買リスト71のデータが異常値となる。統合処理部67は、ACT590においてYESと判定すると、ACT586の処理を実行する。すなわち統合処理部67は、返品個所の間違いを報知する処理を異常時処理として実行する。
次に、図18の流れ図を用いて、退出通知コマンドを入力した統合処理部67の動作について説明する。
統合処理部67は、ACT601として退出通知コマンドから追跡IDを取得する。統合処理部67は、ACT602として関連付テーブル69を検索して当該追跡IDに対して会員IDが関連付けられているか否かを確認する。会員IDが関連付けられていない場合、追跡IDによって管理される消費者は、個人認証をすることなく退店した消費者である。したがって、統合処理部67は、ACT602においてNOと判定し、この処理を終了する。
追跡IDに対して会員IDが関連付けられている場合には、統合処理部67は、ACT602においてYESと判定し、ACT603へと進む。統合処理部67は、ACT603として追跡IDに関連付けられた会員IDを取得する。そして統合処理部67は、ACT604として決済許可通知コマンドを販売管理装置7に対して出力する。決済許可通知コマンドには、ACT603の処理で取得した会員IDが含まれている。以上で、統合処理部67は、図18の流れ図に示す手順の動作を終了する。
このように統合処理部67は、退出通知コマンドを入力すると、決済指示があったものと判断する。そして統合処理部67は、販売管理装置7に対して決済許可通知を出力する。
図21は、決済許可通知コマンドを受信した販売管理装置7の動作を示す流れ図である。販売管理装置7は、ACT721として決済許可通知コマンドから会員IDを取得する。販売管理装置7は、ACT722としてその会員IDが設定された購買リスト71を選択する。また販売管理装置7は、ACT723として会員サーバ8に対し、その会員IDで識別される消費者によって登録された決済に係わる情報を要求する。
この要求に応じて、会員サーバ8は、会員データベース81を検索して、当該消費者によって登録された決済に係わる情報を取得し、販売管理装置7へと応答する。
販売管理装置7は、ACT724として決済に係わる情報の応答を待ち受ける。会員サーバ8から決済に係わる情報の応答があると、販売管理装置7は、ACT724においてYESと判定し、ACT725へと進む。販売管理装置7は、ACT725としてその決済に係わる情報とともに、購買リスト71に登録されている購買商品データを決済サーバ9へと出力して、決済を要求する。この要求を受けて、決済サーバ9では、決済処理が実行される。例えば、決済に係わる情報がクレジットカードのカード決済に係わる情報であれば、クレジットカードの決済処理が実行される。例えば、決済に係わる情報がバーコード、二次元コードなどを用いた電子決済に必要な情報であれば、電子決済による決済処理が実行される。以上で、販売管理装置7は、決済許可通知コマンドに対する処理を終了する。
以上で、店舗システム100の動作説明を終了する。
以上説明したように、追跡処理部62、個人認証処理部63及び統合処理部67としての機能を有する棚制御装置6は、認証手段、追跡手段、取得手段及び制御手段を備えた認証装置を構成する。かかる認証装置であれば、認証の対象となる消費者の人数が一人の場合には個人認証機器41,42を利用した個人認証が許容される。しかしながら、認証の対象となる消費者の人数が複数名の場合には個人認証が許容されない。したがって、個人認証機器41,42の近くに複数名の消費者が居たために、実際に認証に成功した消費者と、認証に成功したとして特定された消費者とが異なるような不具合が起こり得るのを未然に防ぐことができる。
認証装置は、認証の対象となる消費者の人数が複数名のために個人認証が許容されない場合には、一人になってから再度認証を行うように通知する。したがって、個人認証機器41,42の近くに複数名の消費者が居るために認証がエラーとなった消費者は、認証領域113又は認証領域114から他の消費者が出るのを待って再度認証を行えばよい。その結果、認証領域113又は認証領域114内に他の消費者が居るにも拘わらず何度も認証を行ってエラーとなることはないので、エラーの発生回数を低減できる効果を奏する。
認証装置は、会員IDが不正等の理由から認証エラーとなった消費者に対しては、再認証を指示しない。したがって、会員IDが不正の消費者が何度も認証操作を行ってエラー発生回数が増加することを防ぐことができる。
認証装置は、いずれか1つの認証領域内に居る人物が複数名であるために認証を許容しない場合には、人物が居ない別の認証領域での認証を提示する。したがって、認証の対象となる消費者の人数が複数名のためにエラーとなった消費者は、別の認証領域に移動して認証することで、高い確率をもって認証に成功することができる。
認証装置は、認証が成功すると、その認証が成功した消費者の会員IDと、その消費者に対して割り当てられた追跡IDとを関連付ける。逆を言えば、認証が成功しない限り、その消費者の会員IDが追跡IDと関連付けられない。棚制御装置6は、会員IDが関連付けられていない追跡IDで追跡されている消費者の購買行動及び返品行動を許容しない。したがって、購買リスト71のデータは、非常に信頼性の高いものとなる。
本実施形態の変形例について説明する。
本実施形態では、棚10の両側に個人認証機器41,42が取り付ける場合を例示した。この点に関しては、棚10の一方に個人認証機器41又は個人認証機器42が取り付けられていてもよい。また、複数の棚10のそれぞれに個人認証機器41又は個人認証機器42が取り付けられていてもよい。
あるいは、図22に示すように、棚10とは関係のない場所に個人認証機器40が備えられていてもよい。図22は、店舗300の入口302の近くに個人認証機器40を設置した例である。この例では、消費者320を追跡するための追跡領域211の一部に、個人認証機器40のための認証領域312を設定している。そして認証装置は、認証領域312内に居る消費者が一人の場合には、個人認証機器40による認証を許容するが、複数名の消費者が認証領域312内に居る場合には、認証を許容しないように制御する。
本実施形態では、再認証指示あるいは別の認証場所の提示を、個人認証機器41又は個人認証機器42の表示デバイスで行った。この点に関しては、個人認証機器41又は個人認証機器42のスピーカから音声で行ってもよい。また、個人認証機器41又は個人認証機器42とは別に設けた機器によって再認証指示あるいは別の認証場所の提示を行ってもよい。
本実施形態では、認証装置は、別の認証場所が空いていない場合には第1重複エラーのエラー応答コマンドを応答し、空いている場合には第2重複エラーのエラー応答コマンドを応答した。この点に関しては、別の認証場所が空いているか否かに関わらず、第1重複エラーのエラー応答コマンドを応答してもよい。
追跡処理部62は、追跡センサ21,22から取り込んだ画像データを解析して、追跡領域111内に居る消費者の動線を追跡した。追跡処理部62は、消費者が携帯する発信器から発信されるビーコンを受信した受信器からの情報により、消費者の動線を追跡してもよい。
個人認証処理部63は、生体認証により消費者を認証してもよい。この場合、個人認証機器41,42は、顔、虹彩、指紋等の生体情報を読み取る機器となる。
商品監視処理部64は、カメラによって撮影される画像から商品の移動を監視してもよい。この場合、カメラによって撮影された商品の画像と予め設定された商品の画像との類似度により、誤った場所に商品を返品したことを検出することができる。
商品監視センサ1は、陳列されている商品の数量の増加または減少を検出するものであってもよい。この場合、商品監視処理部64は、商品監視センサ1からの数量データが減少すると、その商品監視センサ1が設けられた区画から商品が取り出されたと認識する。商品監視処理部64は、商品監視センサ1からの数量データが増加すると、その商品監視センサ1が設けられた区画に商品が置かれたと認識する。
音声合成部66の代わりに画像処理部を採用し、画像表示によって通知を行うようにしてもよい。あるいは音声と画像との併用によって、通知を行ってもよい。
本実施形態では、統合処理部67が、退出通知コマンドに応じて図19の流れ図に示す手順の処理を実行する場合を例示した。この点に関しては、統合処理部67が、通信ネットワークに接続されたPOS端末から会員IDを含む決済通知コマンドを受信すると、図19のACT632以降の処理を実行するようにしてもよい。
棚制御装置6は、図3に示す構成に限定されない。例えば、追跡処理部62、個人認証処理部63、商品監視処理部64、行動監視処理部65を備えた第1のコンピュータ装置と、統合処理部67と音声合成部66とを備えた第2のコンピュータ装置とを通信ネットワークで接続して、棚制御装置6を構成してもよい。あるいは、第1のコンピュータ装置をさらに細分化してもよいし、第2のコンピュータ装置から音声合成部66を除外してもよい。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。