JP2021124725A - 光検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い検出性能を維持可能な光検出装置の提供。
【解決手段】光検出装置は、レーザ光を発光する発光部と、レーザ光を測定対象物1が反射することによる反射光RLを受光する受光部と、を備える。受光部は、検出素子33と、複数のレンズ43,44,46,48を有し、検出素子33に反射光RLを集光する集光レンズ系41と、を有する。集光レンズ系41は、反射光RLに対するレンズ系全体の光学パワーを変動させるファクタとして、高温時において低温時よりもレンズ系全体の光学パワーを大きくする温度変化ファクタと、長波長において短波長よりもレンズ系全体の光学パワーを小さくする色収差ファクタCFと、を含む。温度変化量とピーク波長のシフト量との対応関係に基づき、ピーク波長のシフトが想定される波長範囲において色収差ファクタが温度変化ファクタとバランスするように、各レンズ43,44,46,48の光学パワーは、配分されている。
【選択図】図4

Description

この明細書による開示は、光の検出に関する。
特許文献1に開示された光検出装置において、発光部が発光したレーザ光を測定対象物が反射することによる反射光を、検出素子に集光する光学レンズは、1枚構成となっている。
米国特許第9470520号明細書
さて、光検出装置が温度変化を伴う環境下にて用いられると、反射光の元となるレーザ光のピーク波長が温度依存性を有する場合、反射光のピーク波長が温度に応じてシフトする。対して特許文献1の1枚構成の光学レンズでは、色収差を殆ど調整できないので、ピーク波長がシフトすると光学パワーが変動してしまう。この光学パワーの変動によって検出素子への集光状態が悪化するため、温度変化に対して高い検出性能を維持できないことが懸念される。
この明細書の開示による目的のひとつは、高い検出性能を維持可能な光検出装置を提供することにある。
ここに開示された態様のひとつは、温度変化を伴う環境下にて用いられるように構成された光検出装置であって、
温度が高くなるに従って長波長側にシフトするようなピーク波長の温度依存性を有するレーザ光(LL)を発光する発光部(11)と、
レーザ光を測定対象物(1)が反射することによる反射光(RL)を受光する受光部(31)と、を備え、
受光部は、
反射光を検出する検出素子(33)と、
光学材料によって形成された複数のレンズ(43,44,46,48,243,245)を有し、レンズ系全体の光学パワーが正であり、検出素子に反射光を集光する集光レンズ系(41,241)と、を有し、
集光レンズ系は、反射光に対するレンズ系全体の光学パワーを変動させるファクタとして、高温時において低温時よりもレンズ系全体の光学パワーを大きくする光学材料の温度変化ファクタ(TF)と、長波長において短波長よりもレンズ系全体の光学パワーを小さくする色収差ファクタ(CF)と、を含み、
温度変化量とピーク波長のシフト量との対応関係に基づき、ピーク波長のシフトが想定される波長範囲において色収差ファクタが温度変化ファクタとバランスするように、各レンズの光学パワーは、配分されている。
反射光の元となるレーザ光のピーク波長が温度依存性を有する本態様では、集光レンズ系において、環境の温度変化に伴って、光学材料に起因した温度変化ファクタによりレンズ系全体の光学パワーは大きくなる方向に変動する。この温度変化と共に、反射光のピーク波長のシフトも発生するため、集光レンズ系の色収差に起因した色収差ファクタにより反射光に対するレンズ系全体の光学パワーは小さくなる方向にも変動する。そして、集光レンズ系が有する複数のレンズの光学パワーの分配は、ピーク波長のシフトが想定される波長範囲において色収差ファクタが温度変化ファクタとバランスするように設定されている。
すなわち、光学材料に起因した焦点の前側へのずれをキャンセルするような、長波長で焦点を後側へずらす色収差が、温度変化量とピーク波長のシフト量との対応関係に基づいて設定されている。このため、温度変化に対しても、検出素子への集光状態は保たれる。反射光を効率的に検出素子に集光することができるので、検出素子が反射光を検出する感度を、ひいては検出性能を、高い状態に維持可能となるのである。
ここに開示された態様の他のひとつは、温度変化を伴う環境下にて用いられるように構成された光検出装置であって、
温度が高くなるに従って長波長側にシフトするようなピーク波長の温度依存性を有するレーザ光(LL)を発光する発光部(11)と、
レーザ光を測定対象物(1)が反射することによる反射光(RL)を受光する受光部(31)と、を備え、
受光部は、
反射光を検出する検出素子(33)と、
光学材料によって形成された複数のレンズ(43,44,46,48,243,245)を有し、レンズ系全体の光学パワーが正であり、検出素子に反射光を集光する集光レンズ系(41,241)と、を有し、
集光レンズ系は、
複数のレンズのうちの1枚以上の正レンズ(43,44,245)を含んで構成される第1レンズ群(42,244)と、
複数のレンズから第1レンズ群に属するレンズを除いたうちの、少なくとも一部のレンズであって、1枚以上の負レンズ(46,243)を含んで構成される第2レンズ群(45,242)と、を有し、
負レンズを形成する光学材料は、正レンズを形成する光学材料よりも高分散である分散特性と、正レンズを形成する光学材料よりも屈折率の温度微分の値が大きな屈折率の温度依存性とを有する。
このような態様によると、負レンズを形成する光学材料は、正レンズを形成する光学材料よりも高分散である分散特性と、正レンズを形成する光学材料よりも屈折率の温度微分の値が大きな屈折率の温度依存性とを有する。そうすることで、温度が高くなるに従い生じる焦点移動作用、詳細に、光学材料における屈折率の温度依存性に起因した前側に焦点を移動させる作用と、光学材料の分散特性に起因した後側に焦点を移動させる作用とは、両方弱められる。したがって、検出すべき反射光が大きくデフォーカスされる事態を回避することができる。
すなわち、温度変化に対しても、検出素子への集光状態を容易に保つことができる。反射光を効率的に検出素子に集光することができるので、検出素子が反射光を検出する感度を、ひいては検出性能を、高い状態に維持可能となるのである。
ここに開示された態様の他のひとつは、温度変化を伴う環境下にて用いられるように構成された光検出装置であって、
温度が高くなるに従って長波長側にシフトするようなピーク波長の温度依存性を有するレーザ光(LL)を発する発光部(11)と、
レーザ光を測定対象物(1)が反射することによる反射光(RL)を受光する受光部と、を備え、
発光部は、
レーザ光を発光するレーザ発光素子(13)と、
光学材料によって形成された複数のレンズ(316a,317a,416a,417a,516a,517a)を有し、レンズ系全体の光学パワーが正であり、レーザ光を測定対象物(1)へ向けて投光する投光レンズ系(15)と、を有し、
投光レンズ系は、レーザ光に対するレンズ系全体の光学パワーを変動させるファクタとして、高温時において低温時よりもレンズ系全体の光学パワーを大きくする光学材料の温度変化ファクタ(TF)と、長波長において短波長よりもレンズ系全体のパワーを小さくする色収差ファクタ(CF)と、を含み、
温度変化量とピーク波長のシフト量との対応関係に基づき、ピーク波長のシフトが想定される波長範囲において色収差ファクタが温度変化ファクタとバランスするように、各レンズの光学パワーは、配分されている。
このような態様によると、投光レンズ系において、環境の温度変化に伴って、光学材料に起因した温度変化ファクタTFによりレンズ系全体の光学パワーは大きくなる方向に変動する。この温度変化と共に、レーザ光が温度依存性を有する結果、レーザ光のピーク波長のシフトも発生するため、投光レンズ系の色収差に起因した色収差ファクタによりレーザ光に対するレンズ系全体の光学パワーは小さくなる方向にも変動する。そして、投光レンズ系が有する複数のレンズの光学パワーの配分は、ピーク波長のシフトが想定される波長変動想定領域において色収差ファクタが温度変化ファクタとバランスするように設定されている。
すなわち、光学材料に起因した焦点の後側へのずれをキャンセルするような、長波長を前側へずらす色収差が、温度変化量とピーク波長のシフト量との対応関係に基づいて設定されている。このため、温度変化に対しても、レーザ発光素子に焦点が合った状態は保たれる。投光されるレーザ光について、意図したスポット形状を維持できるので、測定対象物に対して効果的に投光することができる。したがって、測定対象物に反射された反射光による測定対象物の検出性能も、高い状態に維持可能となる。
なお、括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。
光検出装置の全体像を示す図である。 発光部及び受光部と、走査部との関係を示す図である。 検出面を示す正面図である。 集光レンズ系の光路図である。 温度変化ファクタと正のパワーをもつレンズとの関係を説明する図である。 温度変化ファクタと負のパワーをもつレンズとの関係を説明する図である。 色収差ファクタと正のパワーをもつレンズとの関係を説明する図である。 色収差ファクタと負のパワーをもつレンズとの関係を説明する図である。 第2実施形態の集光レンズ系及び検出素子を示す図である。 第3実施形態の光検出装置の外観を示す斜視図である。 レーザ発光素子を示す正面図である。 第3実施形態の投光レンズ系の速軸−光軸面における光路図である。 第3実施形態の投光レンズ系の遅軸−光軸面における光路図である。 投光レンズ系での温度変化と光線の経路との関係を説明する図である。 第4実施形態の投光レンズ系の速軸−光軸面における光路図である。 第4実施形態の投光レンズ系の遅軸−光軸面における光路図である。 第5実施形態の投光レンズ系の速軸−光軸面における光路図である。 第5実施形態の投光レンズ系の遅軸−光軸面における光路図である。 第6実施形態の光検出装置の外観を示す斜視図である。 第6実施形態における図2に対応する図である。 第6実施形態の検出素子ユニットを示す断面図である。 第6実施形態における集光レンズ系の光路図である。
以下、複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第1実施形態)
図1に示すように、本開示の第1実施形態による光検出装置10は、移動体としての車両に搭載されるように構成されたライダ(LIDAR,Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)となっている。光検出装置10は、温度変化を伴う環境下にて用いられる。例えば光検出装置10は、車両の側面部、又は車両のルーフに配置されている。光検出装置10は、車両の周辺のうち所定の測定領域にレーザ光LLを投射し、当該レーザ光LLが測定対象物1に反射された反射光RLにより、測定対象物1を測定可能となっている。ここで測定対象物1の測定とは、例えば測定対象物1が存在する方向の測定、光検出装置10から測定対象物1までの距離の測定等である。
光検出装置10は、図1,2に示すように、発光部11、走査部21及び受光部31を含む構成である。発光部11は、レーザ光LLを走査部21へ向けて発光する。発光部11は、発光素子ユニット12及び投光レンズ系15を含む構成である。
発光素子ユニット12は、例えばレーザ発光素子13及び発光制御部14を有する。本実施形態のレーザ発光素子13は、例えばレーザダイオード(LD,Laser Diode)である。レーザ発光素子13は、発光源を、基板上にて所定の1方向に配列させた1列のアレイ状を呈している。レーザ発光素子13は、ファブリー・ペロー共振器構造を用いたレーザプロセスによって、コヒーレント光としてのレーザ光LLを発振可能である。レーザ発光素子13は、当該レーザ発光素子13を制御する電子回路である発光制御部14からの電気信号に応じたタイミングにて、パルス状のレーザ光LLを発光する。レーザ光LLは、例えば車両の乗員(ドライバ等)及び外界の人間から視認困難な近赤外域に1つのピーク波長を有する単色のレーザ光である。常温(20°C)におけるピーク波長の値(以下、基準波長)は、例えば905nmである。
そして、レーザ光LLのピーク波長は、温度が高くなるに従って、短波長側から長波長側に漸次シフトするような温度依存性を有する。ピーク波長は、車載環境にて想定される温度変化想定範囲(例えば−40〜125°Cの範囲)に応じて、波長変動想定範囲(例えば885〜940nmの範囲)にて変動し得る。レーザ発光素子13の内部において誘導放出された光がファブリー・ペロー共振器構造によって増幅される本実施形態では、実質的に、温度の上昇に対してピーク波長が線形的に増大する。すなわち、温度変化想定範囲において、ピーク波長の温度微分(一次微分)の値は、正であって、固定された値をとるものとみなすことができる。
投光レンズ系15は、レーザ発光素子13と走査部21のミラー22との間に配置されている。投光レンズ系15は、1つのレンズからなる構成又は複数のレンズを組み合わせた構成であり、正の光学パワーをもつ。投光レンズ系15は、各レーザ発光素子13が個別に発光した各レーザ光LLを屈折する。投光レンズ系15は、各レーザ光LLを合体させ、ライン状のスポット形状をなすビームに整形する。
走査部21は、発光部11及び受光部31間にて共通又は別個に設けられた可動光学部材を含む構成である。可動光学部材は、例えばミラー22である。ミラー22は、その反射面23によって、投光レンズ系15から射出されたレーザ光LLを、光検出装置10の外部へ向けて反射する。反射面23の向きは、時間的に変更されるようになっている。この反射面23の向きの変更は、ミラー22の回転運動又は往復運動等によって実現され得る。反射面23の向きが時間的に変更されることにより、レーザ光LLは、車両の周辺の測定領域内を時間的に走査される。
走査されたレーザ光LLが測定領域内に位置する測定対象物1により反射されると、その反射光RLの一部は光検出装置10の内部に戻る。車両に適用された光検出装置10において、代表的な測定対象物1は、歩行者、サイクリスト、人間以外の動物、及び他車両等の移動物体、さらにガードレール、道路標識、道路枠の構造物等の静止物体である。
受光部31は、反射光RLを、走査部21を経由させた後に受光する。受光部31は、検出素子ユニット32及び集光レンズ系41を含む構成である。
検出素子ユニット32は、例えば検出素子33及び受光制御部36を有する。検出素子33においては、各種のフォトダイオード、各種の光伝導セル、光電子倍増管等が採用され得るが、特に本実施形態では一光子アバランシェダイオード(Single Photon Avalanche Diode、以下SPAD)が採用されている。SPADは、短いパルス状の反射光RLを高感度にて検出可能な特性をもつ。
図3に示すように検出素子33は、SPADの配列より基板上にアレイ状に配列された複数の画素35を有する。複数の画素35は、所定の1次元方向ないし2次元方向に、所定の配列間隔PTにて配列されている。ここで基板表面において、複数の画素35が配列された部分がなす平面状領域は、検出面34と定義される。
受光制御部36は、図1に示すように、発光制御部14の発光タイミングと連動した特定の受光タイミングに基づき、検出素子33を制御する電子回路である。具体的に、検出素子33における各画素35が電子シャッタを伴って制御される。受光した反射光RLに基づく電圧値が受光制御部36へ入力されることで、検出素子ユニット32は、反射光RLの受光タイミング及び強度を測定可能である。
集光レンズ系41は、検出素子33と走査部21のミラー22との間に配置されている。集光レンズ系41は、複数のレンズ43,44,46,48の組み合わせを含む構成である。集光レンズ系41を構成する複数のレンズ43,44,46,48の合成の光学パワー、すなわちレンズ系全体の光学パワーは、正である。集光レンズ系41は、ミラー22を介して入射する反射光RLを屈折して、検出素子33に集光する。図4に示すように、集光レンズ系41は、反射光RLを検出素子33の検出面34上に焦点(詳細には後側焦点)が合うように結像させる機能を有する。集光レンズ系41は、上述の温度変化想定範囲にて、アサーマル化が図られた光学系となっている。
集光レンズ系41は、前段レンズ群42、中段レンズ群45及び後段レンズ群47を含む構成である。前段レンズ群42は、各レンズ群42,45,47のうち検出素子33から最も遠い位置に配置されている。中段レンズ群45は、前段レンズ群42と検出素子33との間、詳細には前段レンズ群42と後段レンズ群47との間に配置されている。後段レンズ群47は、各レンズ群42,45,47のうち検出素子33から最も近い位置に配置されている。上述のレンズ系全体の光学パワーは、前段レンズ群42、中段レンズ群45及び後段レンズ群47の合成の光学パワーとなる。
以下では、集光レンズ系41において測定対象物1による反射光RLが入射してくる入射側を、前側と記載し、集光レンズ系41において当該反射光RLを検出素子33へ向けて射出する射出側を、後側と記載する。すなわち、集光レンズ系41において前段レンズ群42が最も前側に配置され、後段レンズ群47が最も後側に配置されていることになる。
各レンズ群42,45,47は、それぞれ1枚以上のレンズ43,44,46,48を含んで構成されている。特に本実施形態では、前段レンズ群42が2枚のレンズ43,44より構成され、中段レンズ群45が1枚のレンズ46により構成され、後段レンズ群47が1枚のレンズ48により構成されている。すなわち本実施形態の集光レンズ系41は、3群4枚のレンズ構成である。なお、各レンズ43,44,46,48の頂点を結ぶ仮想的な軸は、本実施形態における集光レンズ系41の光軸OAとして定義される。
以下、各レンズ群42,45,47の詳細を説明する。前段レンズ群42は、2枚の正レンズ(つまり正の光学パワーをもつレンズ)43,44により構成されている。したがって、前段レンズ群42は、全体として正の光学パワーを有する。本実施形態の2枚の正レンズ43,44は、同じ光学材料により形成されている。2枚の正レンズ43,44を形成する光学材料には、正常な分散特性をもつ光学材料であって、例えばクラウン系の硝材が採用され得る。以下、2枚の正レンズ43,44を形成する光学材料において、ヘリウムを励起媒体とするd線(具体的には587.56nm)に対する屈折率をna、d線を基準としたアッベ数をva、屈折率の温度微分(一次微分)の値をdna/dtとそれぞれ記載する。
なお、各レンズ43,44の屈折面43a,43b,44a,44bは、光学材料が露出する構成であってもよく、反射防止コート等の機能性コートが設けられた構成であってもよい。光学材料が露出する場合には、屈折面43a,43b,44a,44bは、研磨加工等により滑らかに形成されていてもよく、モスアイ構造等が設けられていてもよい。これらの屈折面の構成の変更は、中段レンズ群45及び後段レンズ群47の各屈折面46a,46b,48a,48bについても同様に可能である。
前段レンズ群42のうち前側に位置する正レンズ43は、前側屈折面43aを凸面状とし、後側屈折面43bを平面状(又は僅かに湾曲する凹面状)とした平凸レンズ状に形成されている。正レンズ43よりも後側に位置する正レンズ44は、前側屈折面44aを凸面状とし、後側屈折面44bを凹面状とし、正の光学パワーをもつ凸メニスカスレンズ状に形成されている。
凸面状又は凹面状の屈折面、すなわち光学パワーをもつ屈折面43a,43b,44a,44bは、球面状に形成されてもよく、回転不変性を有する回転対称非球面形状に形成されてもよく、集光レンズ系41の機能を実現可能な限りにおいてトロイダル面形状に形成されていてもよい。例えば本実施形態の各屈折面43a,43b,44a,44bは、球面状に形成されている。これら屈折面の構成の変更は、中段レンズ群45及び後段レンズ群47の各屈折面46a,46b,48a,48bについても同様に可能である。
ここで、正レンズ43の前側屈折面43aにおける曲率半径は、後側屈折面43bにおける曲率半径よりも十分に小さい。正レンズ44の前側屈折面44aにおける曲率半径は、後側屈折面44bにおける曲率半径よりも小さい。
また、正レンズ44の前側屈折面44aにおける曲率半径は、正レンズ43の前側屈折面43aにおける曲率半径よりも小さく、後側屈折面44bにおける曲率半径よりも小さい。正レンズ44の後側屈折面44bにおける曲率半径は、正レンズ43の前側屈折面43aにおける曲率半径よりも小さく、後側屈折面43bにおける曲率半径よりも小さい。なお、曲率半径の大小の比較において、屈折面が平面状の場合における曲率半径は、無限大であるものとして取り扱われる。さらに正レンズ43の光学パワーは、正レンズ44の光学パワーよりも小さい。
正レンズ44の中心厚は、正レンズ43の中心厚よりも大きい。正レンズ43の後側屈折面43bの頂点と正レンズ44の前側屈折面44aとの頂点とは、正レンズ43の中心厚よりも小さく、正レンズ44の中心厚よりも小さな間隔にて離れて配置されている。
正レンズ44の後側屈折面44bにおける有効径は、正レンズ44の前側屈折面44aにおける有効径よりも小さく、及び正レンズ43の屈折面43bにおける有効径よりも小さく、屈折面43aにおける有効径よりも小さくされている。正レンズ44では、有効径の範囲外において、後側屈折面44bを外周側から全周囲むように、光軸OAに対する垂直方向に沿った平面状の平面部44cが形成されている。そして、正レンズ44の後側屈折面44bよりも後側であって、当該屈折面44b及び平面部44cに近接した位置に、当該屈折面44bにおける有効径よりも僅かに小さな径を有する絞り49が設けられている。なお、集光レンズ系41における有効径は、検出面34の端部と絞り49における開口の端部とを結ぶ光線が対象の屈折面を通過する際の光軸OAに対する高さ(いわゆる光線高さ)を意味する。
中段レンズ群45は、1枚の負レンズ(つまり負の光学パワーをもつレンズ)46により構成されている。したがって、中段レンズ群45は、全体として負の光学パワーを有する。負レンズ46を形成する光学材料には、正常な分散特性をもつ光学材料であって、例えばフリント系の硝材が採用され得る。負レンズ46を形成する光学材料において、d線に対する屈折率をnb、d線を基準としたアッベ数をvb、屈折率の温度微分(一次微分)の値をdnb/dtとそれぞれ記載する。
負レンズ46は、前側屈折面46aを凸面状とし、後側屈折面46bを凹面状とし、負の光学パワーをもつ凹メニスカスレンズ状に形成されている。ここで、負レンズ46の前側屈折面46aにおける曲率半径は、後側屈折面46bにおける曲率半径よりも大きい。負レンズ46の後側屈折面46bにおける有効径は、負レンズ46の前側屈折面46aにおける有効径よりも小さくされている。
後段レンズ群47は、1枚の補正レンズ48により構成されている。後段レンズ群47は、全体として正の光学パワーを有する。補正レンズ48を形成する光学材料には、正常な分散特性をもつ光学材料であって、例えばクラウン系の硝材が採用され得る。補正レンズ48を形成する光学材料において、d線に対する屈折率をnc、d線を基準としたアッベ数をvc、屈折率の温度微分の値をdnc/dtとそれぞれ記載する。
補正レンズ48は、前側屈折面48aを凸面状とし、後側屈折面48bを凸面状とし、正の光学パワーをもつ両凸レンズ状に形成されている。ここで、補正レンズ48の前側屈折面48aにおける曲率半径は、後側屈折面48bにおける曲率半径よりも小さい。補正レンズ48の後側屈折面48bにおける有効径は、補正レンズ48の前側屈折面48aにおける有効径と概ね同じ大きさである。
次に、各レンズ群42,45,47の関係について説明する。負の光学パワーをもつ中段レンズ群45が正の光学パワーをもつ前段レンズ群42と検出素子33との間に配置されることで、集光レンズ系41は、望遠型のレンズ構成となっている。望遠型のレンズ構成による集光レンズ系41は、その主点を、集光レンズ系41の外部空間、詳細には各レンズ43,44,46,48が実際に配置されている位置よりも前側の空間に位置させる。したがって、主点と検出素子33との間の距離を拡大することができる。換言すると、集光レンズ系41の焦点距離に対して、集光レンズ系41の鏡筒の長さを短縮化することができるため、光検出装置10は、小型化可能となり、車両への搭載性が高まる。また、受光部31による検出の画角を狭角化することができるため、特定の狭い範囲を高精度に検出することができる。
後段レンズ群47は、前段レンズ群42と中段レンズ群45との望遠型の組み合わせにおいて生じ得る集光レンズ系41の歪曲収差を、補正する機能を有する。本実施形態における歪曲収差は、温度変化想定範囲及び波長変動想定範囲にて、検出画素ずれを回避する量に補正される。検出画素ずれを回避する量とは、検出面34上において、理想的な結像位置(集光レンズ系41が仮想的に正像条件を満たすものとした場合の結像位置)に対する実際の集光レンズ系41による結像位置のずれ量が隣接画素間の配列間隔PTよりも小さくなる量として定義される。したがって、反射光RLが想定された画素35とは異なる画素35にて検出される事象が回避されることで、誤検出を抑制することができる。
さて、集光レンズ系41は、反射光RLに対するレンズ系全体の光学パワーを変動させるファクタ(要因)として、温度変化ファクタTFと色収差ファクタCFとを含んでいる。温度変化ファクタTFは、高温時において低温時よりもレンズ系全体の光学パワーを大きくさせるファクタである。温度変化ファクタTFは、各レンズ43,44,46,48を形成する光学材料にて屈折率の温度依存性が存在することに起因する。各レンズ43,44,46,48を形成する光学材料のdna/dt,dnb/dt,dnc/dtの値はそれぞれ正である。すなわち、温度が高くなるに従って各レンズ43,44,46,48の屈折率が大きくなるので、各レンズ43,44,46,48の光学パワーの絶対値は大きくなる。レンズ系全体の光学パワーは正であるため、温度が高くなるに従って、必然的にレンズ系全体の光学パワーも大きくなり、温度変化ファクタTFはより前側に焦点を移動させる作用を生じさせる。
本実施形態において、集光レンズ系41には、屈折率の温度微分の値(すなわちdn/dt)が互いに異なる複数の光学材料が用いられている。dn/dtが比較的大きな光学材料により形成されたレンズ46の光学パワーと、dn/dtが比較的小さな光学材料により形成されたレンズ43,44,48の光学パワーとの配分によって、温度変化ファクタTFを制御することが可能である。
ここで、集光レンズ系41を模した仮想レンズ系モデルのレンズPL,NLを用いて、温度変化ファクタTFの制御について説明する。例えば図5に示すように、仮想レンズ系モデルの複数のレンズのうち、正の光学パワーをもつレンズPLを形成する光学材料のdn/dtが比較的大きければ、温度変化ファクタTFは、常温時の焦点F0に対して、高温時の焦点F1を前側へ移動させる作用を比較的強く発揮する。一方、レンズPLを形成する光学材料のdn/dtが比較的小さければ、温度変化ファクタTFは、常温時の焦点F0に対して、高温時の焦点F2を前側へ移動させる作用を比較的弱く発揮する。
また例えば図6に示すように、仮に、仮想レンズ系モデルの複数のレンズのうち、負の光学パワーをもつレンズNLを形成する光学材料のdn/dtが比較的大きければ、温度変化ファクタTFは、常温時の焦点F0に対して、高温時の焦点F1を前側へ移動させる作用を比較的弱く発揮する。一方、仮に、レンズNLを形成する光学材料のdn/dtが比較的小さければ、温度変化ファクタTFは、常温時の焦点F0に対して、高温時の焦点F2を前側へ移動させる作用を比較的強く発揮する。
色収差ファクタCFは、長波長において短波長よりもレンズ系の光学パワーを小さくするファクタである。色収差ファクタCFは、各レンズ43,44,46,48を形成する光学材料にて分散特性が存在することに起因する。色収差ファクタCFは、波長が長くなるに従ってより後側に焦点を形成する作用を生じさせる。したがって、色収差ファクタCFにおける「色収差」は、軸上色収差を意味している。低分散の光学材料により形成されたレンズ43,44,48の光学パワーと、高分散の光学材料により形成されたレンズ46の光学パワーとの配分によって、色収差ファクタCFを制御することが可能である。
ここで、集光レンズ系41を模した仮想レンズ系モデルのレンズPL,NLを用いて、色収差ファクタCFの制御について説明する。例えば図7に示すように、仮想レンズ系モデルの複数のレンズのうち、正の光学パワーをもつレンズPLを形成する光学材料のアッベ数が比較的大きければ(低分散であれば)、色収差ファクタCFは、基準波長に対する焦点F0に対して、長波長の焦点F3を後側へ移動させる作用を比較的弱く発揮する。一方、レンズNLを形成する光学材料のアッベ数が比較的小さければ(高分散であれば)、色収差ファクタCFは、基準波長に対する焦点F0に対して、長波長の焦点F4を後側へ移動させる作用を比較的強く発揮する。
また例えば図8に示すように、仮想レンズ系モデルの複数のレンズのうち、負の光学パワーをもつレンズNLを形成する光学材料のアッベ数が比較的大きければ(低分散であれば)、色収差ファクタCFは、基準波長に対する焦点F0に対して、長波長の焦点F3を後側へ移動させる作用を比較的強く発揮する。一方、レンズNLを形成する光学材料のアッベ数が比較的小さければ(高分散であれば)、色収差ファクタCFは、基準波長に対する焦点F0に対して、長波長の焦点F4を後側へ移動させる作用を比較的弱く発揮する。
仮に、温度変化と検出光の波長変化との関連性がないレンズ系であれば、温度変化ファクタTFと色収差ファクタCFとが連動することはない。しかしながら、集光レンズ系41が検出する反射光RLの元となるレーザ光LLのピーク波長に温度依存性が存在する本実施形態では、温度変化ファクタTFと色収差ファクタCFとが連動する。すなわち、温度が高くなるに従ってレーザ光LLのピーク波長が長波長側にシフトするので、温度変化量とピーク波長のシフト量との対応関係に基づき、色収差ファクタCFが温度変化ファクタTFと連動するのである。
本実施形態の集光レンズ系41では、こうした対応関係に基づき、波長変動想定範囲において、色収差ファクタCFが温度変化ファクタTFとバランスするように、各レンズ群42,45,47ないし各レンズ43,44,46,48間の光学パワーが配分されている。ここで、色収差ファクタCFが温度変化ファクタTFとバランスするとは、検出素子33における検出面34が集光レンズ系41の焦点近傍の焦点深度の範囲内に含まれる状態が維持されるように、色収差ファクタCFと温度変化ファクタTFとがキャンセルされた結果の光学パワーの変動量が抑制されていることを意味する。
上述のバランスを実現する本実施形態では、前段レンズ群42の光学材料に、中段レンズ群45の光学材料よりも低分散である分散特性と、中段レンズ群45の光学材料よりも屈折率の温度微分の値が小さな屈折率の温度依存性とを有する材料が設定される。換言すると、中段レンズ群45の光学材料に、前段レンズ群42の光学材料よりも高分散である分散特性と、前段レンズ群42の光学材料よりも屈折率の温度微分の値が大きな屈折率の温度依存性とを有する材料が設定される。
これらを数式で表せば、va>vb、dna/dt<dnb/dtが成立していることとなる。ここで厳密には、dna/dt及びdnb/dtは、固定された値ではなく、温度及び波長の関数となっているが、温度変化想定範囲及び波長変動想定範囲のうち全域において、dna/dt<dnb/dtの関係が維持されていることが好ましい。
そして、前段レンズ群42の光学材料に正のパワーが配分され、中段レンズ群45の光学材料に負のパワーが配分される。そうすることで、温度変化ファクタTFの前側に焦点を移動させる作用と、色収差ファクタCFの後側に焦点を移動させる作用とが両方弱くなる。このため、温度変化ファクタTF及び色収差ファクタCFのうち一方が一辺倒に作用し、検出面34に対して反射光RLが大きくデフォーカスされる事態を回避することができる。
そして、後段レンズ群47の光学材料には、前段レンズ群42の光学材料及び中段レンズ群45の光学材料よりも屈折率の温度微分の値が小さな屈折率の温度依存性を有する材料が設定される。これらを数式で表せば、dnc/dt<dna/dt、dnc/dt<dnb/dtが成立していることとなる。ここで厳密には、dnc/dtは、固定された値ではなく、温度及び波長の関数となっている。温度変化想定範囲及び波長変動想定範囲のうち全域において、dnc/dt<dna/dt、dnc/dt<dnb/dtの関係が維持されていることが好ましい。こうして後段レンズ群47自体の温度変化ファクタTFへの寄与が前段レンズ群42の寄与及び中段レンズ群45の寄与に対して小さくされている。
また、後段レンズ群47の光学材料には、中段レンズ群45の光学材料よりも低分散である分散特性を有する材料が設定される。数式で表せば、vc>vbが成立していることとなる。
(作用効果)
以上説明した第1実施形態の作用効果を以下に改めて説明する。
反射光RLの元となるレーザ光LLのピーク波長が温度依存性を有する第1実施形態では、集光レンズ系41において、環境の温度変化に伴って、光学材料に起因した温度変化ファクタTFによりレンズ系全体の光学パワーは大きくなる方向に変動する。この温度変化と共に、反射光RLのピーク波長のシフトも発生するため、集光レンズ系41の色収差に起因した色収差ファクタCFにより反射光RLに対するレンズ系全体の光学パワーは小さくなる方向にも変動する。そして、集光レンズ系41が有する複数のレンズ43,44,46,48の光学パワーの分配は、ピーク波長のシフトが想定される波長変動想定領域において色収差ファクタCFが温度変化ファクタTFとバランスするように設定されている。
すなわち、光学材料に起因した焦点の前側へのずれをキャンセルするような、長波長で焦点を後側へずらす色収差が、温度変化量とピーク波長のシフト量との対応関係に基づいて設定されている。このため、温度変化に対しても、検出素子33に焦点が合った集光状態は保たれる。反射光RLを効率的に検出素子33に集光することができるので、検出素子33が反射光RLを検出する感度を、ひいては検出性能を、高い状態に維持可能となるのである。
また、第1実施形態によると、屈折率の温度微分の値が相互に異なる屈折率の温度依存性を有する光学材料により形成された各レンズ43,44,46,48間にて、光学パワーが分配されている。こうした分配によって、温度変化ファクタTFが色収差ファクタCFとバランスするように調整されるので、検出素子33に焦点が合った集光状態の温度変化に対する維持効果を、高めることができる。
また、第1実施形態によると、負レンズ46を形成する光学材料は、正レンズ43,44を形成する光学材料よりも高分散である分散特性と、正レンズ43,44を形成する光学材料よりも屈折率の温度微分の値が大きな屈折率の温度依存性とを有する。そうすることで、温度が高くなるに従い生じる焦点移動作用、詳細に、光学材料における屈折率の温度依存性に起因した前側に焦点を移動させる作用と、光学材料の分散特性に起因した後側に焦点を移動させる作用とは、両方弱められる。したがって、検出素子33に対して検出すべき反射光RLが大きくデフォーカスされる事態を回避することができる。
すなわち、温度変化に対しても、検出素子33に焦点が合った集光状態を容易に保つことができる。反射光RLを効率的に検出素子33に集光することができるので、検出素子33が反射光RLを検出する感度を、ひいては検出性能を、高い状態に維持可能となるのである。
また、第1実施形態によると、負の光学パワーをもつ中段レンズ群45は、正の光学パワーをもつ前段レンズ群42と検出素子33との間に配置されている。こうしたレンズ構成では、焦点深度が比較的浅くなる傾向にあるが、色収差ファクタCFと温度変化ファクタTFとをバランスさせることで、温度変化に対して焦点自体が移動し難くなる。故に、焦点深度の浅さが補われて、検出素子33が反射光RLを検出する感度を高い状態に維持可能となる。
また、第1実施形態によると、後段レンズ群47にて補正レンズ48を形成する光学材料は、前段レンズ群42の正レンズ43,44を形成する光学材料よりも屈折率の温度微分の値が小さな屈折率の温度依存性を有する。後段レンズ群47の温度変化ファクタTFへの寄与を小さくできるので、補正レンズ48への光学パワーの配分が両ファクタTF,CFのバランスに大きく制約されることが抑制される。後段レンズ群47に求められた歪曲収差の補正を、より高度に実現可能となるので、検出素子33に反射光RLを結像させる際の結像位置の精度が高くなる。したがって、検出性能を、高い状態に維持可能となるのである。
また、第1実施形態によると、後段レンズ群47により補正される歪曲収差は、検出面34上の結像位置であって、整像条件が満たされる理想的な結像位置に対する実際の集光レンズ系41の結像位置のずれ量が、配列間隔PTよりも小さくなる範囲となっている。この配列間隔PTは、検出面34における複数の画素35の間隔であるので、反射光RLが想定された画素35とは異なる画素35にて検出されることが回避される。したがって、誤検出を抑制することができる。
なお、第1実施形態における前段レンズ群42は、「第1レンズ群」に相当する。中段レンズ群45は、「第2レンズ群」に相当する。後段レンズ群47は、「第3レンズ群」に相当する。
(第2実施形態)
図9に示すように、第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第2実施形態の集光レンズ系241は、前段レンズ群242及び後段レンズ群244を含む2群2枚のレンズ構成である。前段レンズ群242は、各レンズ群242,244のうち検出素子33から最も遠い位置に配置されている。後段レンズ群244は、前段レンズ群242と検出素子33との間に配置されている。レンズ系全体の光学パワーは、前段レンズ群242及び後段レンズ群244の合成の光学パワーとなる。
前段レンズ群242は、1枚の負レンズ243により構成されている。したがって、前段レンズ群242は、全体として負のパワーを有する。例えば負レンズ243を形成する光学材料には、第1実施形態の中段レンズ群45を形成する光学材料と同じ材料が採用され得る。
後段レンズ群244は、1枚の正レンズ245により構成されている。したがって、後段レンズ群244は、全体として正のパワーを有する。例えば正レンズ245を形成する光学材料には、第1実施形態の前段レンズ群42を形成する光学材料と同じ材料が採用され得る。こうして第2実施形態の集光レンズ系241は、逆望遠型のレンズ構成となっている。こうしたレンズ構成では、受光部31による検出の画角を広角化することができるため、広い範囲からの反射光RLを検出することができる。
以上説明した第2実施形態によると、負の光学パワーをもつ前段レンズ群242は、検出素子33とは、正の光学パワーをもつ後段レンズ群244を挟んだ反対側に配置されている。こうしたレンズ構成では、焦点深度を深くすることで、色収差ファクタCFと温度変化ファクタTFとのバランスにおける許容性を高めることできる。故に、検出素子33に焦点が合った集光状態を、容易に保つことが可能となる。
なお、第2実施形態における前段レンズ群242は、「第2レンズ群」に相当する。後段レンズ群244は、「第1レンズ群」に相当する。
(第3実施形態)
図10〜14に示すように、第3実施形態は第1実施形態の変形例である。第3実施形態について、第1実施形態とは異なる点、及び説明が不足していた点を中心に説明する。
第3実施形態では、第1実施形態にて説明した走査部21及び受光部31が含まれると共に、第1実施形態にて説明が不足していた筐体351及び発光部11が含まれた構成である。
第3実施形態の筐体351は、図10に示すように、外壁部352及びカバー板355を有し、光検出装置10の外装(外郭)を構成している。筐体351は、例えば合成樹脂ないし金属により形成され、遮光性を有した外壁部352を有する直方体の箱状に形成されている。筐体351は、1つの部品により構成されていてもよく、複数の部品を組み合わせた構成であってもよい。筐体351は、発光部11、走査部21及び受光部31を収容する収容室353を、外壁部352に囲まれた形態にて有する。収容室353は、発光部11及び受光部31に対して共通に設けられ、特に本実施形態では1つ設けられている。収容室353の共通化により、発光部11と受光部31間に隔壁を形成することが抑制されるので、光検出装置10の体格拡大を抑制可能である。
発光部11及び受光部31は、筐体351に対して実質的に固定されるように、保持されている。走査部21は、モータの駆動によって回転運動可能に、又は往復運動可能に、筐体351に対して固定されている。
また、筐体351は、投光されるレーザ光LL(投光ビームと呼んでもよい)及びその反射光RL(反射ビームと呼んでもよい)の両方を測定領域との間で往復させる光学窓354を、開口状に形成している。光学窓354もまた、発光部11及び受光部31の両方に対して共通に設けられ、特に本実施形態では1つ設けられている。
カバー板355は、例えば合成樹脂ないしガラス等からなる基材により、レーザ光LL及びその反射光RLを透過可能な板状(例えば平板状)に形成された部材である。カバー板355は、光学窓354の全面を塞ぐように配置され、収容室353の外部から内部へ侵入しようとする異物を遮断する。
カバー板355は、基材の着色、光学薄膜の成膜、ないし基材表面へのフィルムの貼付け等により、近赤外域の光、より詳細には波長変動想定範囲の光を透過すると共に、可視光を遮光する透過率の波長依存性を有することが好ましい。そうすることで、外部から収容室353の内部が覗かれることは抑制される。また、カバー板355の収容室353側の表面及び測定領域側の表面の少なくとも一方には、鏡面状の基材表面が露出していてもよく、反射防止膜が形成されていてもよく、モスアイ構造が形成されていてもよい。
図11に示すように、第3実施形態の発光部11においてレーザ発光素子13は、第1実施形態と同様であり、発光源としてのレーザダイオード13aを基板上にて所定の1方向に、互いに間隔を開けて複数配列させた1列のアレイ状を呈している。上述のファブリー・ペロー共振器構造において、各レーザダイオード13aのPN接合層は、互いに共通の方向であって、アレイの配列方向(すなわちライン状のスポット形状をなすビームの長手方向)に対する、垂直方向に積層される。
この垂直方向に沿った軸が、レーザダイオード13aにおける速軸となる。一方、アレイの配列方向に沿った軸が、レーザダイオード13aにおける遅軸となる。レーザ光LLは、遅軸方向SAよりも、速軸方向FAに大きな発散角をもつ。
こうしたレーザダイオード13aの集合体による巨視的開口部として、発光窓部13bが形成されている。特に本実施形態の発光窓部13bは、細長い略長方形状となっている。発光窓部13bの長手方向の寸法(遅軸方向SAに沿った寸法)は、短手方向の寸法(速軸方向FAに沿った寸法)に対して、例えば100倍以上大きい寸法に設定される。ここで発光窓部13bの長手方向は、一般的な取り付け形態において、車載状態における鉛直方向に沿っている。またここで、発光窓部13bに沿った面は、発光面13cと定義される。また発光窓部13bは、例えば硝材ないし合成樹脂材料により形成され、透光性を有する薄板状の透光カバー13dにより、覆われている。
そして、発光部11は、レーザ光LLとして、遅軸方向SAに延びたライン状のビームを発光する。このライン状のビームは、各レーザダイオード13aが同時発光することで実現されてもよく、各レーザダイオード13aが僅かな時間差をつけた形態にて発光することで、ライン状のビームに相当するものとして実現されてもよい。
対して走査部21のミラー22は、遅軸方向SAに沿った回転軸RAのまわりに反射面23を往復運動させることにより、ライン状のビームを、速軸方向FAに沿った走査方向に走査させることが可能である。
第3実施形態の発光部11において投光レンズ系15は、複数のレンズ316a,317aを組み合わせた構成である。投光レンズ系15を構成する複数のレンズ316a,317aの合成の光学パワー、すなわちレンズ系全体の光学パワーは、正である。
図12,13に示すように、投光レンズ系15は、レンズ系全体の焦点(詳細には前側焦点)を、発光面13cに合焦させるように配置される。この結果、レーザ光LLが遠方まで、より細い状態で届くようになる。遠方に存在する測定対象物1にてレーザ光LLが反射されることによる反射光RLが受光部31まで戻る光量が確保されるので、結果的に検知距離を大きくすることができる。投光レンズ系15は、第1実施形態にて説明された温度変化想定範囲にて、アサーマル化が図られた光学系となっている。
投光レンズ系15は、主レンズ群316及び調整レンズ群317を含む構成である。主レンズ群316は、調整レンズ群317を挟んだレーザ発光素子13とは反対側に配置されている。調整レンズ群317は、主レンズ群316とレーザ発光素子13との間に配置されている。
各レンズ群316,317は、それぞれ1枚以上のレンズ316a,317aを含んで構成されている。特に本実施形態では、主レンズ群316が1枚のレンズ316aにより構成され、調整レンズ群317が1枚のレンズ317aにより構成されている。なお、各レンズ316a,317aの頂点を結び、発光窓部13bの中心を貫通する仮想的な軸は、本実施形態における投光レンズ系15の光軸OA2として定義される。
以下、各レンズ群316,317の詳細を説明する。主レンズ群316は、1枚の正レンズ316a(つまり正の光学パワーをもつレンズ)により構成されている。したがって、主レンズ群316は、全体として正のパワーを有する。正レンズ316aを形成する光学材料には、正常な分散特性をもつ光学材料であって、例えばクラウン系の硝材ないしはポリカーボネイト樹脂等の合成樹脂材料が採用され得る。正レンズ316aを形成する光学材料において、d線に対する屈折率をnx、d線を基準としたアッベ数をvx、屈折率の温度微分の値をdnx/dtとそれぞれ記載する。例えばdnx/dt>0である。
なお、正レンズ316aの屈折面316b,316cは、光学材料が露出する構成であってもよく、反射防止コート等の機能性コートが設けられた構成であってもよい。光学材料が露出する場合には、屈折面316b,317cは、滑らかに形成されていてもよく、モスアイ構造等が設けられていてもよい。これらの屈折面の構成の変更は、調整レンズ群317の屈折面317b,317cについても同様に可能である。
正レンズ316aは、前側屈折面316bを凸面状とし、後側屈折面316cを凸面状とした両凸レンズに形成されている。光学パワーをもつ屈折面316b,316cは、球面状に形成されてもよく、回転不変性を有する回転対称非球面形状に形成されてもよい。例えば、正レンズ316aの前側屈折面316bにおける曲率半径は、後側屈折面316cにおける曲率半径よりも大きい。
調整レンズ群317は、1枚のシリンドリカルレンズ317aにより構成されている。本実施形態のシリンドリカルレンズ317aは、投光レンズ系15の光軸OA2及びレーザ発光素子13の速軸方向FAを含む断面(以下、速軸−光軸面FPという)内において、実質的に0の光学パワーとなっている。また、シリンドリカルレンズ317aは、光軸OA2及びレーザ発光素子13の遅軸方向SAを含む断面(以下、遅軸−光軸面SPという)内において、実質的に正の光学パワーをもっている。シリンドリカルレンズ317aを形成する光学材料には、正常な分散特性をもつ光学材料であって、例えばクラウン系の硝材ないしはポリカーボネイト樹脂等の合成樹脂材料が採用され得る。シリンドリカルレンズ317aを形成する光学材料において、d線に対する屈折率をny、d線を基準としたアッベ数をvy、屈折率の温度微分の値をdny/dtとそれぞれ記載する。dny/dtの符号は、dnx/dtと同じであり、例えばdny/dt>0である。
シリンドリカルレンズ317aの前側屈折面317bは、平面状に形成されている。一方、シリンドリカルレンズ317aの後側屈折面317cは、速軸方向FAに沿った母線を有する凸シリンドリカル面状に形成されている。すなわち、後側屈折面317cは、速軸方向FAの曲率をもたず(曲率半径は無限大)、遅軸方向SAの曲率をもつ(曲率半径は有限)。この結果、速軸−光軸面FP内では、シリンドリカルレンズ317aの断面は、単なる平らなガラス板であるかのように、例えば矩形状断面をなす。遅軸−光軸面SP内では、シリンドリカルレンズ317aの断面は、平凸レンズ状をなす。調整レンズ群317のシリンドリカルレンズ317aと主レンズ群316の正レンズ316aとの間隔は、シリンドリカルレンズ317aの中心厚より小さくされ、正レンズ316aの中心厚よりも小さくされる。
こうして投光レンズ系15は、速軸−光軸面FP内において、レーザ光LLをコリメートして、測定領域へ投光する。ここでいうコリメートとは、レーザ発光素子13からのレーザ光LLを完全に平行光束にする意味に限られず、レーザ光LLを、レーザ発光素子13から発光された直後よりも平行光束に近づける意味を包含する。速軸−光軸面FP内において光学パワーをもっているのは実質的に正レンズ316aのみであるから、レーザ光LLは、各レンズ群316,317のうち主レンズ群316によって、コリメートされる。
一方、投光レンズ系15は、上述のシリンドリカルレンズ317aの形状によって、遅軸−光軸面SP内において、速軸−光軸面FP内よりもより強い集光機能を発揮する。具体的に、シリンドリカルレンズ317aは、速軸方向FAの光学パワーに対して遅軸方向SAの光学パワーを正方向にずらした構成をとる。これにより、遅軸−光軸面SP内のレーザ光LLのビームウエストの位置を、速軸−光軸面FP内のレーザ光LLのビームウエストの位置に近づけることができる。
第1実施形態の受光部31における集光レンズ系41と同様に、投光レンズ系15は、色収差ファクタCF及び温度変化ファクタTFを含んでいる。そして、投光レンズ系15の特に速軸−光軸面FP内において、色収差ファクタCFが温度変化ファクタTFとバランスするように、各レンズ316a,317aの光学パワーが配分されている。
特に第3実施形態では、速軸−光軸面FP内にて光学パワーを0とするシリンドリカルレンズ317aが、正レンズ316aとレーザ発光素子13との間に挿入される。これによって、レーザ発光素子13と正レンズ316aとの間の光路長が、シリンドリカルレンズ317a内の厚みに屈折率−1を乗じた分、長くなる。これにより、シリンドリカルレンズ317aにおいて、前側焦点の焦点距離を調整する機能が備わる。この焦点距離の調整機能は、正の光学パワーをもつ正レンズ316aとの相対的な比較においては、図6,8に示された負の光学パワーをもつレンズNLと同様の作用を発揮することになる。こうして、シリンドリカルレンズ317aは、温度変化及びこれに応じた波長変動に対して、焦点距離を調整する調整レンズとして機能する。
例えば便宜的に正レンズ316aの焦点位置を,レーザ光LLが射出する方向から逆に追跡した図14の模式図に示すように、温度が常温よりも上昇すると、速軸−光軸面FP内においてシリンドリカルレンズ317aを透過する光線は、比較的内周側にずれることとなる(光線R1参照)が、発光面13cに対するデフォーカスは抑制されている。温度が常温よりも低下すると、速軸−光軸面FP内においてシリンドリカルレンズ317aを透過する光線は、比較的外周側にずれることとなる(光線R2参照)が、発光面13cに対するデフォーカスは抑制されている。
このようにして、速軸−光軸面FP内において、遅軸−光軸面SP内よりも、色収差ファクタCFと温度変化ファクタTFとが高い精度にてバランスする。換言すると、速軸−光軸面SP内における温度変化想定範囲ないし波長変動想定範囲での投光レンズ系15の焦点移動量は、遅軸−光軸面SP内における温度変化想定範囲ないし波長変動想定範囲での投光レンズ系15の焦点移動量よりも小さい。
ここでいう色収差ファクタCFと温度変化ファクタTFとのバランスは、単純に正レンズ316aとシリンドリカルレンズ317aとの光学パワーの配分だけでなく、当該配分と共になされた、シリンドリカルレンズ317aの厚みの設定によって高精度なものとなる。例えば厚みは、中心厚を基準とすることができる。こうした結果、速軸−光軸面FP内における投光レンズ系15の焦点移動量は、温度変化想定範囲において15μm以下、例えば12μm程度に抑制され得る。
また、投光レンズ系15の前後には、図12,13に示すように一対の絞り318,319が配置されていてもよい。一対の絞り318,319のうち、正レンズ316aよりもレーザ発光素子13側、例えばレーザ発光素子13とシリンドリカルレンズ317aとの間に配置される絞りは、視野絞り318である。視野絞り318は、遅軸方向SAを長手方向とする略矩形状に開口する前側開口を形成している。視野絞り318は、発光窓部13bから射出されるレーザ光LLの角度を制限する。
一対の絞り318,319のうち、正レンズ316aを挟んだ視野絞り318とは反対側、例えば正レンズ316aとミラー22との間に配置される絞りは、開口絞り319である。開口絞り319は、速軸方向FAを長手方向とする略矩形状に開口する後側開口を形成している。開口絞り319は、速軸−光軸面FP内において実質的に平行光となるレーザ光LLを透過させつつ、遅軸−光軸面SP内において発生した迷光を遮光することができる。投光レンズ系15の開口数は、開口絞り319によって制御されてもよく、各レーザダイオード13aの発散角特性に基づいていてもよい。本実施形態において、投光レンズ系15の開口数は、速軸−光軸面FP内において、遅軸−光軸面SP内よりも大きい。
こうして投光レンズ系15の焦点が、特にレーザ発光素子13からデフォーカスすることは抑制される。故に、投光レンズ系15から射出されるレーザ光LLのスポット形状は、遠方界においても細い(ライン状のビームにおいては細長い)状態であり、測定対象物1への照度低下は抑制される。故に、温度変化に伴う光検出装置10の検知距離の低下も抑制可能である。
以上説明した第3実施形態では、投光レンズ系15において、環境の温度変化に伴って、光学材料に起因した温度変化ファクタTFによりレンズ系全体の光学パワーは大きくなる方向に変動する。この温度変化と共に、レーザ光LLが温度依存性を有する結果、レーザ光LLのピーク波長のシフトも発生するため、投光レンズ系15の色収差に起因した色収差ファクタCFによりレーザ光LLに対するレンズ系全体の光学パワーは小さくなる方向にも変動する。そして、投光レンズ系15が有する複数のレンズ316a,317aの光学パワーの配分は、ピーク波長のシフトが想定される波長変動想定領域において色収差ファクタCFが温度変化ファクタTFとバランスするように設定されている。
すなわち、光学材料に起因した焦点の後側へのずれをキャンセルするような、長波長を前側へずらす色収差が、温度変化量とピーク波長のシフト量との対応関係に基づいて設定されている。このため、温度変化に対しても、レーザ発光素子13に焦点が合った状態は保たれる。投光されるレーザ光LLについて、意図したスポット形状を維持できるので、測定対象物1に対して効果的に投光することができる。したがって、測定対象物1に反射された反射光RLの検出性能も、高い状態に維持可能となる。
また、第3実施形態によると、投光レンズ系15において、速軸−光軸面FP内における波長変動想定範囲での焦点移動量が遅軸−光軸面SP内における波長変動想定範囲での焦点移動量よりも小さくされている。すなわち、速軸−光軸面FP内における投光レンズ系15の焦点深度が浅い場合であっても、色収差ファクタCFを温度変化ファクタTFとバランスさせることが容易となる。故に、レーザ発光素子13から発光されるレーザ光LLの発散角が遅軸方向SAよりも大きくなる速軸方向FAに対して、開口数を大きくしてレーザ光LLの照射効率をより高めた投光レンズ系15を実現することができる。
また、第3実施形態によると、投光レンズ系15において、正レンズ316aと、速軸−光軸面FP内における光学パワーが0以下である調整レンズとしてのシリンドリカルレンズ317aが組み合わされている。こうした構成では、シリンドリカルレンズ317aが、温度変化及びこれに応じた波長変動に対して、焦点距離を調整する機能を発揮するので、速軸−光軸面FPにて投光レンズ系15の焦点がレーザ発光素子13からデフォーカスすることを抑制できる。
また、第3実施形態によると、シリンドリカルレンズ317aにおいて、速軸−光軸面FP内における光学パワーと、遅軸−光軸面SP内における光学パワーとの差は、負である。このようにすると、投光レンズ系15は、発光時に速軸方向FAの発散角が遅軸方向SAの発散角よりも大きなレーザ光LLを、測定領域においてより小さなスポット形状となるように投光することができる。
また、第3実施形態によると、シリンドリカルレンズ317aにおいて、速軸−光軸面FP内における光学パワーが0であり、遅軸−光軸面SP内における光学パワーが正である。光学パワーが0となる速軸−光軸面FP内において、レンズ317aの厚みを利用した光路長の変動機能により、温度変化及びこれに応じた波長変動に対して、焦点距離を調整することができる。故に、速軸−光軸面FPにて投光レンズ系15の焦点がレーザ発光素子13からデフォーカスすることを抑制できる。
また、第3実施形態によると、調整レンズ群317は、主レンズ群316とレーザ発光素子13との間に配置されている。この配置では、レーザ光LLが主レンズ群316にてコリメートされる前に、調整レンズ群317を通過させることができる。すなわち、調整レンズ群317が、遠方の測定領域に投光されるレーザ光LLの主レンズ群316への入射角を、温度変化に応じて、測定領域におけるスポット形状を維持可能に変化させ得る。
(第4実施形態)
図15,16に示すように、第4実施形態は第3実施形態の変形例である。第4実施形態について、第3実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第4実施形態の投光レンズ系15においてシリンドリカルレンズ417aは、速軸−光軸面FP内において、負のパワーをもっている。シリンドリカルレンズ417aは、遅軸−光軸面SP内において、実質的に0の光学パワーとなっている。シリンドリカルレンズ417aが遅軸方向SAの光学パワーに対して速軸方向FAの光学パワーを負方向にずらした構成をとっているのは、第3実施形態と同様である。
シリンドリカルレンズ417aの前側屈折面417bは、第3実施形態と同様に、平面状に形成されている。一方、シリンドリカルレンズ417aの後側屈折面417cは、遅軸方向SAに沿った母線を有する凹シリンドリカル面状に形成されている。すなわち、後側屈折面417cは、遅軸方向SAの曲率をもたず(曲率半径は無限大)、速軸方向FAの曲率をもつ(曲率半径は有限)。この結果、速軸−光軸面FP内では、シリンドリカルレンズ417aの断面は、平凹レンズ状をなす。遅軸−光軸面SP内では、シリンドリカルレンズ417aの断面は、単なる平らなガラス板のように、例えば矩形状をなす。
第4実施形態の正レンズ416aは、投光レンズ系15がレーザ光LLをコリメートするために、シリンドリカルレンズ417aの負の光学パワーを相殺するように、第3実施形態の正レンズ316aよりも大きな正の光学パワーをもっている。
以上説明した第4実施形態によると、シリンドリカルレンズ417aにおいて、速軸−光軸面FP内における光学パワーが負であり、遅軸−光軸面SP内における光学パワーが0である。速軸−光軸面FP内では、正レンズ416aの温度変化影響を相殺するシリンドリカルレンズ417aの温度変化影響を発揮させることができる。これと共に、遅軸−光軸面SP内では、レンズ417aの厚みを利用した光路長の変動機能により、温度変化及びこれに応じた波長変動に対して、焦点距離を調整することができる。
(第5実施形態)
図17,18に示すように、第5実施形態は第3実施形態の変形例である。第5実施形態について、第4実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第5実施形態の投光レンズ系15においてシリンドリカルレンズ517aは、速軸−光軸面FP内において、負のパワーをもっている。シリンドリカルレンズ517aは、遅軸−光軸面SP内において、速軸−光軸面FP内の光学パワーよりも正方向にずれた負の光学パワーをもっている。シリンドリカルレンズ517aが遅軸方向SAの光学パワーに対して速軸方向FAの光学パワーを負方向にずらした構成をとっているのは、第3実施形態と同様である。
シリンドリカルレンズ517aの前側屈折面517bは、凹面状であって、球面状又は回転不変性を有する回転対称非球面形状に形成されている。シリンドリカルレンズ517aの後側屈折面517cは、遅軸方向SAに沿った母線を有する凹シリンドリカル面状に形成されている。すなわち、後側屈折面517cは、遅軸方向SAの曲率をもたず(曲率半径は無限大)、速軸方向FAの曲率をもつ(曲率半径は有限)。この結果、遅軸−光軸面SP内では、シリンドリカルレンズ517aの断面は、平凹レンズ状をなす。
第5実施形態の正レンズ516aは、投光レンズ系15がレーザ光LLをコリメートするために、シリンドリカルレンズ517aの負の光学パワーを相殺するように、第3実施形態の正レンズ316aよりも大きな正の光学パワーをもっている。
以上説明した第5実施形態によると、シリンドリカルレンズ317aにおいて、速軸−光軸面FP内における光学パワーが負であり、遅軸−光軸面SP内における光学パワーが負である。両面FP,SP内において、正レンズ316aの温度変化影響を相殺するシリンドリカルレンズ317aの温度変化影響を発揮させることができる。
(第6実施形態)
図19〜22に示すように、第6実施形態は第1実施形態の変形例である。第6実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第6実施形態の光検出装置10は、筐体651、発光受光体630及び走査部621を含む構成である。図19に示される筐体651は、例えば円筒形状に形成され、上底部652、下底部653及び光学窓部654を含む構成である。筐体651は、上底部652、下底部653及び光学窓部654を組み合わせることで、発光受光体630及び走査部621を収容する収容室651aを形成している。
上底部652及び下底部653は、例えばアルミ等の金属ないし合成樹脂等により、遮光性を有して形成されている。上底部652及び下底部653は、発光受光体630を回動可能に支持すると共に、走査部621を保持する。上底部652及び下底部653のうち少なくとも一方には、外部から電力を供給する機能及び検出素子ユニット662からの検出結果を外部に出力する機能のうち少なくとも一方を備える端子ETが設けられていてもよい。
また、上底部652及び下底部653のうち少なくとも一方には、収容室651a内で発生した熱を放熱するヒートシンク構造HSが設けられていてもよい。ヒートシンク構造HSは、例えば円筒形状の容器の周方向に複数の突起又は溝を配列することで、上底部652及び下底部653の表面積を増加させる構造である。
光学窓部654は、上底部652と下底部653との間に配置され、上底部652と下底部653とを接続するように、両底部652,653側に開口した円筒管状に形成されている。光学窓部654は、例えば合成樹脂ないしガラス等からなる基材により、レーザ光LL及びその反射光RLを透過可能に形成されている。また、光学窓部654は、基材の着色、光学薄膜の成膜、ないし基材表面へのフィルムの貼付け等により、近赤外域の光、より詳細には波長変動想定範囲の光を透過すると共に、可視光を遮光する透過率の波長依存性を有することが好ましい。
発光受光体630は、図20に示すように、発光部11及び受光部31を個別に区画するハウジングに、発光部11及び受光部31をそれぞれ収容し、保持する。ハウジングは、例えば金属ないし合成樹脂により、遮光性を有して形成されている。こうして、発光部11及び受光部31は、一体的なユニットとなる。発光部11及び受光部31は、車両への搭載状態において、例えば上下方向に並ぶように配置される。発光部11は、投光レンズ系15を光学窓部654に対向させた姿勢にて配置されている。受光部31は、集光レンズ系41を光学窓部654に対向させた姿勢にて配置されている。
第6実施形態の走査部621は、可動光学部材によって、固定された発光部及び受光部の光路を変更する構成ではない。走査部621は、発光受光体630そのものの向きを回転運動又は往復運動等によって変更することにより、発光部11からのレーザ光LLを走査し、反射光RLを受光部31に受光させる構成である。走査部621は、円筒形状の筐体651の母線方向に沿い、発光部11及び受光部31を貫通する回転軸RAのまわりに、発光受光体630を回転運動又は往復運動させるモータ622を主体として構成されている。
第6実施形態の検出素子ユニット662は、図21に示すように、第1実施形態と同様のSPADを用いた検出素子33及び受光制御部36に加えて、入射調整部663を有する。入射調整部663は、検出素子33の各画素635に入射する反射光RLの入射状態を調整することにより、ダイナミックレンジを拡大し、各画素635の検出性能を高める。入射調整部663は、開口アレイ664、レンズアレイ665、バンドパスフィルタ666及び拡散フィルタ667等を含む構成である。本実施形態では、集光レンズ系41から検出素子33へ向かって、開口アレイ664、レンズアレイ665、バンドパスフィルタ666、拡散フィルタ667が順に配置されている。
開口アレイ664は、例えば合成樹脂により遮光性を有する平板状に形成されている遮光部と、遮光部に開けられた複数の開口664aとを有している。複数の開口664aは、各画素635に個別に対応するように、例えば画素数と同数設けられている。複数の開口664aは、画素635の配列形態に対応して、画素635の配列間隔PTと実質的に同じ間隔にて、配列されている。開口アレイ664は、装置外部のうち、レーザ光LLの照射方向とは異なる方向からの受光部31に斜入射するような迷光を遮光することによって、検出素子33に入射するノイズを低減する。
レンズアレイ665は、開口アレイ664とバンドパスフィルタ666との間に配置されている。レンズアレイ665は、各開口664aに個別に対応するように、例えば開口664aの配置数と同数のマイクロレンズ665aを有する。複数のマイクロレンズ665aは、画素635の配列間隔PTと実質的に同じ間隔にて、配列されている。各マイクロレンズ665aは、個別に対応する開口664aを通過する反射光RLを、コリメートする。
バンドパスフィルタ666は、レンズアレイ665と拡散フィルタ667の間に配置されている。バンドパスフィルタ666は、例えば薄板状に形成され、レンズアレイ665を透過した光のうち反射光RL以外の検出不要な波長の光、すなわちノイズを遮断する。これにより、検出素子33による反射光RLの検出精度が高まる。バンドパスフィルタ666は、検出素子33へ向けて光を透過させるパスバンドを、波長変動想定範囲の全域を含むように有する。
拡散フィルタ667は、検出素子33による検出面634と対向するように、配置される。拡散フィルタ667は、バンドパスフィルタ666を透過した反射光RLを、拡散する。拡散フィルタ667は、例えば透光性の合成樹脂もしくはガラスからなる基材にマイクロビーズ等の拡散粒子を分散させることにより、平板状に形成されていてもよい。
拡散フィルタ667は、バンドパスフィルタ666のうち検出素子33側の表面に、各画素635に個別に対応するように、例えば画素数と同数の拡散素子667aを配置することにより構成されていてもよい。各拡散素子667aは、例えばレンズ状に形成され、透光性の合成樹脂もしくはガラスからなる基材にマイクロビーズ等の拡散粒子を分散させること、又は表面を粗面状に形成させることにより、反射光RLを拡散する。
各拡散素子667aは、マイクロレンズ665aによってコリメートされた反射光RLを、1画素のサイズ(1つのSPADのサイズ)に合わせて拡散するように、拡散角が設定されていてもよい。すなわち、ある画素635には、当該画素635に個別対応する開口664aを通過した反射光RLのみが入射することが好ましく、隣接する画素635等の他の画素635に個別対応する開口664aを通過する反射光RLの入射が抑制されていることが好ましい。なお、図21では、画素635、拡散素子667a、マイクロレンズ665a及び開口664aのセットが3セットのみ図示されているが、実際には、このセットが画素数の分、設けられることとなる。
こうした入射調整部663に対応して、第6実施形態の集光レンズ系41は、図22に示すように、その焦点(より詳細には後側焦点)を検出素子33の検出面634上ではなく、開口アレイ664に合わせるように配置されている。集光レンズ系41は、第1実施形態と同様にアサーマル化が図られた光学系となっている。したがって、開口アレイ664に対して反射光RLが大きくデフォーカスされる事態を回避することができる。
以上説明した第6実施形態によると、集光レンズ系41が合焦するのは、集光レンズ系41と検出素子33との間に配置された開口アレイ664である。すなわち、反射光RLは、開口アレイ664に形成された複数の開口664aであって、検出素子33の各画素635に個別に対応した開口664aに効率的に集光される。故に、開口アレイ664にて迷光が検出素子33へ入射することを抑制すると共に、開口664aを通過して画素635に入射する反射光RLの光量を、確保できる。
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に変形例1としては、発光部11は、複数設けられてもよい。例えばレーザ発光素子13と投光レンズ系15との対が複数対設けられ、当該複数対が並列に配置されていてもよい。複数対の間で、レーザ発光素子13を実装する基板が共通化されていてもよい。複数対の間で、投光レンズ系15の鏡筒が共通化されていてもよい。ただし、複数対の間で、レーザ発光素子13が発するレーザ光LLの波長変動想定範囲は、一致していることが好ましい。
変形例2としては、発光部11により発光されるレーザ光LLは、ライン状のスポット形状をなすビームに整形されなくてもよい。レーザ光LLのスポット形状は、円、楕円等の種々の形状であってよい。
変形例3としては、走査部21における可動光学部材には、平面ミラーやポリゴンミラー等の光学素子が採用されてもよい。
変形例4としては、集光レンズ系41におけるレンズ群の数、及び各レンズ群に属するレンズの枚数は、適宜変更することが可能である。投光レンズ系15についても同様である。レンズ群が追加される場合、追加のレンズ群については、温度変化ファクタTF及び色収差ファクタCFへの影響が、基本のレンズ群に対して十分小さくなっていることが好ましい。特定のレンズ群にレンズが追加される場合、追加のレンズについては、温度変化ファクタTF及び色収差ファクタCFへの影響が例えば同じ光学材料ないし同系の硝材の採用により同じレンズ群に属するレンズと同じ傾向であるか、影響自体が同じレンズ群に属するレンズに対して十分小さくなっていることが好ましい。
変形例5としては、集光レンズ系41において、複数のレンズが同じレンズ群に属する場合に、当該複数のレンズを形成する光学材料は、他のレンズ群を形成する光学材料とのパラメータの大小関係(具体的に、アッベ数の大小関係、屈折率の温度微分の値の大小関係)を満たす限り、当該複数のレンズ間で異なる光学材料となっていてもよい。投光レンズ系15についても同様である。
変形例6としては、集光レンズ系41において、2枚以上のレンズを張り合わせて一体化されたレンズが含まれていてもよい。集光レンズ系41において、反射光RLを回折する回折レンズが含まれていてもよい。投光レンズ系15についても同様である。
変形例7としては、集光レンズ系41は、バンドパスフィルタをさらに含む構成であってもよい。バンドパスフィルタは、集光レンズ系41に入射する光のうち反射光以外の一部の光、すなわちノイズを遮断する。これにより、検出素子33による反射光RLの検出精度が高まる。バンドパスフィルタは、検出素子33へ向けて光を透過させるバンドを、波長変動想定範囲の全域を含むように有する。
変形例8としては、検出素子33は、例えば硝材ないし合成樹脂材料により形成され、透光性を有する薄板状の透光カバーにより、覆われていてもよい。
第3〜5実施形態に関する変形例9としては、正レンズ316a及び調整レンズ(例えばシリンドリカルレンズ317a)に、dnx/dt<0、dny/dt<0となるように、正常な分散特性をもつ光学材料が設定されてもよい。この場合において、温度変化ファクタTFは、高温時において低温時よりもレンズ系全体の光学パワーを小さくするが、調整レンズの厚み(例えば中心厚)を正レンズ316aの厚み(例えば中心厚)に対して十分大きく設定することにより光路長は長くなる。したがって、この条件においても、調整レンズは、焦点位置を調整する機能をもつ。したがって、温度変化ファクタTFと色収差ファクタCFとを、バランスさせることができる。さらに、正レンズ316a及び調整レンズがdnx/dt<0、dny/dt<0である場合に、正レンズ316aに異常な分散特性をもつ光学材料が設定されてもよい。
第5実施形態に関する変形例10としては、シリンドリカルレンズ517aに代えて、トロイダルレンズが設けられていてもよい。トロイダルレンズは、速軸−光軸面FP内において、負のパワーをもっている。トロイダルレンズは、遅軸−光軸面SP内において、速軸−光軸面FP内の光学パワーよりも正方向にずれた負の光学パワーをもっている。例えば、トロイダルレンズの前側屈折面及び後側屈折面のうち一方は、トロイダル面状に形成され、他方は、平面状に形成される。
第6実施形態に関する変形例11としては、開口アレイ664における開口664aは、画素635と個別に対応していれば、1画素に対して複数設けられていれもよい。例えば、1画素に対して、4つの開口664aが格子状に配列されて形成されていてもよい。この場合に、マイクロレンズ665a及び拡散素子667aは、1画素に対して1つ設けられた構成であってもよく、開口664aと同数設けられた構成であってもよい。
第6実施形態に関する変形例12としては、入射調整部663において、開口アレイ664の代わりに追加のレンズアレイが採用されてもよい。この場合に、集光レンズ系41は、追加のレンズアレイに合焦されるように配置されてもよい。あるいは、集光レンズ系41は、追加のレンズアレイと、レンズアレイ665とによるレンズ系の主平面に、合焦されるように配置されてもよい。また、単に入射調整部663に開口アレイ664を設けない構成とし、集光レンズ系41がレンズアレイ665の主平面に合焦されるように配置されてもよい。
変形例13において、色収差ファクタCFが温度変化ファクタTFとバランスするとは、発光面13c、検出面634、開口アレイ664等の、レンズ系15,41による合焦の対象面がレンズ系15,41の焦点近傍の焦点深度の範囲内に含まれる状態が維持されるように、色収差ファクタCFと温度変化ファクタTFとがキャンセルされた結果の焦点移動量が抑制されていることを意味していてもよい。このような意味においては、光学材料の温度変化ファクタTFに、光学パワーが0又は負のレンズの厚みを積極的に利用して、媒質中の光路長を温度変化に対して変動させることが、含まれる。
すなわち、光学材料の温度変化ファクタTFは、高温時において低温時よりもレンズ系15,41の焦点をレンズ系15,41から離れさせるファクタであり得る。同様に、色収差ファクタCFは、長波長において短波長よりもレンズ系15,41の焦点をレンズ系に近づけるファクタであり得る。
変形例14としては、温度変化想定範囲は、想定される車載環境に応じた範囲であってよい。例えば、温度変化想定範囲は、光検出装置10が搭載される車両の販売地域の販売前年に観測された年間最低気温を下限とし、かつ、年間最高気温を上限とする範囲であってもよい。
(付言)
本開示には、以上の実施形態に基づく以下の技術思想も含まれる。
<技術的特徴1>
温度変化を伴う環境下にて用いられるように構成された光検出装置であって、
温度が高くなるに従って長波長側にシフトするようなピーク波長の温度依存性を有するレーザ光(LL)を発光する発光部(11)と、
レーザ光を測定対象物(1)が反射することによる反射光(RL)を受光する受光部(31)と、を備え、
受光部は、
反射光を検出する検出素子(33)と、
光学材料によって形成された複数のレンズ(43,44,46,48,243,245)を有し、レンズ系全体の光学パワーが正であり、検出素子に反射光を集光する集光レンズ系(41,241)と、を有し、
集光レンズ系は、焦点位置を変動させるファクタとして、高温時において低温時よりも集光レンズ系の焦点を集光レンズ系から離れさせる光学材料の温度変化ファクタ(TF)と、長波長において短波長よりも集光レンズ系の焦点を集光レンズ系に近づける色収差ファクタ(CF)と、を含み、
温度変化量とピーク波長のシフト量との対応関係に基づき、ピーク波長のシフトが想定される波長範囲において色収差ファクタが温度変化ファクタとバランスするように、各レンズの光学パワーは、配分されている。
このような技術的特徴の採用によっても、光学材料に起因した焦点の前側へのずれをキャンセルするような、長波長で焦点を後側へずらす色収差が、温度変化量とピーク波長のシフト量との対応関係に基づいて設定されている。このため、温度変化に対しても、検出素子への集光状態は保たれる。反射光を効率的に検出素子に集光することができるので、検出素子が反射光を検出する感度を、ひいては検出性能を、高い状態に維持可能となるのである。
<技術的特徴2>
温度変化を伴う環境下にて用いられるように構成された光検出装置であって、
温度が高くなるに従って長波長側にシフトするようなピーク波長の温度依存性を有するレーザ光(LL)を発する発光部(11)と、
レーザ光を測定対象物(1)が反射することによる反射光(RL)を受光する受光部と、を備え、
発光部は、
レーザ光を発光するレーザ発光素子(13)と、
光学材料によって形成された複数のレンズ(316a,317a,416a,417a,516a,517a)を有し、レンズ系全体の光学パワーが正であり、レーザ光を測定対象物(1)へ向けて投光する投光レンズ系(315)と、を有し、
投光レンズ系は、焦点位置を変動させるファクタとして、高温時において低温時よりも投光レンズ系の焦点を投光レンズ系から離れさせる光学材料の温度変化ファクタ(TF)と、長波長において短波長よりも投光レンズ系の焦点を投光レンズ系に近づける色収差ファクタ(CF)と、を含み、
温度変化量とピーク波長のシフト量との対応関係に基づき、ピーク波長のシフトが想定される波長範囲において色収差ファクタが温度変化ファクタとバランスするように、各レンズの光学パワーは、配分されている。
このような技術的特徴の採用によっても、光学材料に起因した焦点の後側へのずれをキャンセルするような、長波長を前側へずらす色収差が、温度変化量とピーク波長のシフト量との対応関係に基づいて設定されている。このため、温度変化に対しても、レーザ発光素子に焦点が合った状態は保たれる。投光されるレーザ光について、意図したスポット形状を維持できるので、測定対象物に対して効果的に投光することができる。したがって、測定対象物に反射された反射光による測定対象物の検出性能も、高い状態に維持可能となる。
<技術的特徴3>
温度変化を伴う環境下にて用いられるように構成された光検出装置であって、
温度が高くなるに従って長波長側にシフトするようなピーク波長の温度依存性を有するレーザ光(LL)を発する発光部(11)と、
レーザ光を測定対象物(1)が反射することによる反射光(RL)を受光する受光部と、を備え、
発光部は、
レーザ光を発光するレーザ発光素子(13)と、
光学材料によって形成された複数のレンズ(316a,317a,416a,417a,516a,517a)を有し、レンズ系全体の光学パワーが正であり、レーザ光を測定対象物(1)へ向けて投光する投光レンズ系(315)と、を有し、
投光レンズ系は、
複数のレンズのうちの1枚以上の正レンズ(316a,416a,516a)を含んで構成される主レンズ群(316)と、
複数のレンズから第1レンズ群に属するレンズを除いたうちの、少なくとも一部のレンズであって、速軸−光軸面内における光学パワーが0以下である調整レンズ(317a,417a,517a)を含んで構成される調整レンズ群(317)と、を有し、
調整レンズ群は、主レンズ群とレーザ発光素子との間に配置されている。
このような技術的特徴の採用によって、調整レンズの媒質中を通過する光線の光路長を、温度変化に対して変動させることができる。故に、温度変化に伴ってシフトするピーク波長に対して、正レンズでの色収差が作用することによる焦点位置のずれを、調整レンズによって相殺することが可能となる。したがって、温度変化に対しても、レーザ発光素子に焦点が合った状態を保つことは容易となる。投光されるレーザ光について、意図したスポット形状を維持できるので、測定対象物に対して効果的に投光することができる。したがって、測定対象物に反射された反射光による測定対象物の検出性能も、高い状態に維持可能となる。
1:測定対象物、10:光検出装置、11:発光部、31:受光部、33:検出素子、41,241:集光レンズ系、42:前段レンズ群(第1レンズ群)、43,44:正レンズ、45:中段レンズ群(第2レンズ群)、46:負レンズ、47:後段レンズ群(第3レンズ群)、48:補正レンズ、242:前段レンズ群(第2レンズ群)、243:負レンズ、244:後段レンズ群(第1レンズ群)、245:正レンズ、CF:色収差ファクタ、LL:レーザ光、RL:反射光、TF:温度変化ファクタ

Claims (18)

  1. 温度変化を伴う環境下にて用いられるように構成された光検出装置であって、
    温度が高くなるに従って長波長側にシフトするようなピーク波長の温度依存性を有するレーザ光(LL)を発光する発光部(11)と、
    前記レーザ光を測定対象物(1)が反射することによる反射光(RL)を受光する受光部(31)と、を備え、
    前記受光部は、
    前記反射光を検出する検出素子(33)と、
    光学材料によって形成された複数のレンズ(43,44,46,48,243,245)を有し、レンズ系全体の光学パワーが正であり、前記検出素子に前記反射光を集光する集光レンズ系(41,241)と、を有し、
    前記集光レンズ系は、前記反射光に対する前記レンズ系全体の光学パワーを変動させるファクタとして、高温時において低温時よりも前記レンズ系全体の光学パワーを大きくする前記光学材料の温度変化ファクタ(TF)と、長波長において短波長よりも前記レンズ系全体の光学パワーを小さくする色収差ファクタ(CF)と、を含み、
    温度変化量と前記ピーク波長のシフト量との対応関係に基づき、前記ピーク波長のシフトが想定される波長範囲において前記色収差ファクタが前記温度変化ファクタとバランスするように、各前記レンズの光学パワーは、配分されている光検出装置。
  2. 屈折率の温度微分の値が相互に異なる屈折率の温度依存性を有する光学材料により形成された各前記レンズ間にて、光学パワーが分配されている請求項1に記載の光検出装置。
  3. 前記集光レンズ系は、
    前記複数のレンズのうちの1枚以上の正レンズ(43,44,245)を含んで構成される第1レンズ群(42,244)と、
    前記複数のレンズから前記第1レンズ群に属するレンズを除いたうちの、少なくとも一部のレンズであって、1枚以上の負レンズ(46,243)を含んで構成される第2レンズ群(45,242)と、を有し、
    前記負レンズを形成する光学材料は、前記正レンズを形成する光学材料よりも高分散である分散特性と、前記正レンズを形成する光学材料よりも屈折率の温度微分の値が大きな屈折率の温度依存性とを有する請求項1又は2に記載の光検出装置。
  4. 温度変化を伴う環境下にて用いられるように構成された光検出装置であって、
    温度が高くなるに従って長波長側にシフトするようなピーク波長の温度依存性を有するレーザ光(LL)を発光する発光部(11)と、
    前記レーザ光を測定対象物(1)が反射することによる反射光(RL)を受光する受光部(31)と、を備え、
    前記受光部は、
    前記反射光を検出する検出素子(33)と、
    光学材料によって形成された複数のレンズ(43,44,46,48,243,245)を有し、レンズ系全体の光学パワーが正であり、前記検出素子に前記反射光を集光する集光レンズ系(41,241)と、を有し、
    前記集光レンズ系は、
    前記複数のレンズのうちの1枚以上の正レンズ(43,44,245)を含んで構成される第1レンズ群(42,244)と、
    前記複数のレンズから前記第1レンズ群に属するレンズを除いたうちの、少なくとも一部のレンズであって、1枚以上の負レンズ(46,243)を含んで構成される第2レンズ群(45,242)と、を有し、
    前記負レンズを形成する光学材料は、前記正レンズを形成する光学材料よりも高分散である分散特性と、前記正レンズを形成する光学材料よりも屈折率の温度微分の値が大きな屈折率の温度依存性とを有する光検出装置。
  5. 前記第2レンズ群は、前記第1レンズ群と前記検出素子との間に配置されている請求項3又は4に記載の光検出装置。
  6. 前記第2レンズ群は、前記検出素子とは前記第1レンズ群を挟んだ反対側に配置されている請求項3又は4に記載の光検出装置。
  7. 前記集光レンズ系は、前記複数のレンズから前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群に属するレンズを除いたうちの、少なくとも一部のレンズであって、1枚以上の補正レンズ(48)を含んで構成され、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との組み合わせにより生じ得る前記集光レンズ系の歪曲収差を補正する第3レンズ群(47)と、を有し、
    前記補正レンズを形成する光学材料は、前記正レンズを形成する光学材料よりも屈折率の温度微分の値が小さな屈折率の温度依存性を有する請求項3から6のいずれか1項に記載の光検出装置。
  8. 前記検出素子は、検出面(34)上に所定の配列間隔(PT)にて配列された複数の画素(35)を有し、
    前記第3レンズ群により補正される前記歪曲収差は、前記検出面上の結像位置であって、整像条件が満たされる理想的な結像位置に対する実際の前記集光レンズ系の結像位置のずれ量が、前記配列間隔よりも小さくなる範囲となっている請求項7に記載の光検出装置。
  9. 前記検出素子は、検出面(634)上にて配列された複数の画素(635)を有し、
    前記集光レンズ系と前記検出素子との間に配置され、各前記画素に個別に対応した複数の開口(664a)を有する開口アレイ(664)を、さらに備え、
    前記集光レンズ系は、前記開口アレイに合焦されるように配置されている請求項1から7のいずれか1項に記載の光検出装置。
  10. 温度変化を伴う環境下にて用いられるように構成された光検出装置であって、
    温度が高くなるに従って長波長側にシフトするようなピーク波長の温度依存性を有するレーザ光(LL)を発する発光部(11)と、
    前記レーザ光を測定対象物(1)が反射することによる反射光(RL)を受光する受光部と、を備え、
    前記発光部は、
    前記レーザ光を発光するレーザ発光素子(13)と、
    光学材料によって形成された複数のレンズ(316a,317a,416a,417a,516a,517a)を有し、レンズ系全体の光学パワーが正であり、前記レーザ光を測定対象物(1)へ向けて投光する投光レンズ系(315)と、を有し、
    前記投光レンズ系は、前記レーザ光に対する前記レンズ系全体の光学パワーを変動させるファクタとして、高温時において低温時よりも前記レンズ系全体の光学パワーを大きくする前記光学材料の温度変化ファクタ(TF)と、長波長において短波長よりも前記レンズ系全体のパワーを小さくする色収差ファクタ(CF)と、を含み、
    温度変化量と前記ピーク波長のシフト量との対応関係に基づき、前記ピーク波長のシフトが想定される波長範囲において前記色収差ファクタが前記温度変化ファクタとバランスするように、各前記レンズの光学パワーは、配分されている光検出装置。
  11. 前記レーザ発光素子は、互いに直交する速軸方向(FA)及び遅軸方向(SA)をもち、
    前記投光レンズ系の光軸(OA2)及び前記速軸方向を含む断面としての速軸−光軸面(FP)内における前記波長範囲での焦点移動量は、前記光軸及び前記遅軸方向を含む断面としての遅軸−光軸面(SP)内における前記波長範囲での焦点移動量よりも小さい請求項10に記載の光検出装置。
  12. 前記投光レンズ系は、
    前記複数のレンズのうちの1枚以上の正レンズ(316a,416a,516a)を含んで構成される主レンズ群(316)と、
    前記複数のレンズから前記主レンズ群に属するレンズを除いたうちの、少なくとも一部のレンズであって、前記速軸−光軸面内における光学パワーが0以下である調整レンズ(317a,417a,517a)を含んで構成される調整レンズ群(317)と、を有する請求項11に記載の光検出装置。
  13. 前記レーザ発光素子は、互いに直交する速軸方向(FA)及び遅軸方向(SA)をもち、
    前記投光レンズ系は、
    前記複数のレンズのうちの1枚以上の正レンズ(316a,416a,516a)を含んで構成される主レンズ群と、
    前記複数のレンズから前記主レンズ群に属するレンズを除いたうちの、少なくとも一部のレンズであって、前記投光レンズ系の光軸(OA2)及び前記速軸方向を含む断面としての速軸−光軸面(FP)内における光学パワーが0以下である調整レンズ(317a,417a,517a)を含んで構成される調整レンズ群(317)と、を有する請求項10に記載の光検出装置。
  14. 前記調整レンズにおいて、前記速軸−光軸面内における光学パワーと、前記光軸及び前記遅軸方向を含む断面としての遅軸−光軸面内における光学パワーとの差は、負である請求項13に記載の光検出装置。
  15. 前記調整レンズにおいて、前記速軸−光軸面内における光学パワーが0であり、前記遅軸−光軸面内における光学パワーが正である請求項12又は14に記載の光検出装置。
  16. 前記調整レンズにおいて、前記速軸−光軸面内における光学パワーが負であり、前記遅軸−光軸面内における光学パワーが0である請求項12又は14に記載の光検出装置。
  17. 前記調整レンズにおいて、前記速軸−光軸面内における光学パワーが負であり、前記遅軸−光軸面内における光学パワーが負である請求項12又は14に記載の光検出装置。
  18. 前記調整レンズ群は、前記主レンズ群と前記レーザ発光素子との間に配置されている請求項12から17のいずれか1項に記載の光検出装置。
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