JP2021124132A - 電動弁およびステータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数のコアを適切な位置に簡便に配設させたステータの構造を提供する。【解決手段】 本発明の電動弁1は、内部に弁部20が設けられたボディ5と、ロータ60周りに配設される複数のコア70を含むステータユニット64を有するモータユニット3と、を組み付けて構成される。モータユニット3は、ステータユニット64と一体に形成されたケース400を含む。ケース400は、コア70における外周面を被覆するモールド樹脂からなる。【選択図】図1
Description
本発明は、電動弁およびステータの製造方法に関する。
電動弁のモータの一種として、積層コアを有するステータを使用する電動モータが知られている(例えば特許文献1)。このような電動モータにおいては、積層コアとして単一の環状コアを用いることが一般的である。一方、近年においてはステータの磁気特性を向上させる等の目的で、コアを分割し、複数のコアをロータ周りに配設してステータを構成した電動モータが知られている(例えば特許文献2、3)。
ところで、単一の環状コアを用いたステータであれば、ロータと同軸に配置することは容易であった。しかしながら、複数のコアを有するステータの場合には、ロータの周りに各コアを配置しなければならず、ステータをロータと同軸にするために各コアに対して支持部材を設ける等の手間が生じていた。したがって、工数がかかりコスト増となる虞があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、電動弁において、複数のコアを適切な位置に簡易に配置させることにある。
本発明のある態様は、電動弁である。この電動弁は、内部に弁部が設けられたボディと、ロータ周りに配設される複数のコアを含むステータを有するモータユニットと、を組み付けて構成される。モータユニットは、ステータと一体に形成されたケースを含む。ケースは、コアにおける外周面を被覆するモールド樹脂からなる。
この態様によれば、複数のコアを被覆する態様で樹脂製のケースを一体に成形すると同時に各コアが固定配置されたステータが得られる。したがって、ステータとロータとを同軸にすることが容易となる。
本発明の別の態様は、ステータの製造方法である。この製造方法は、コアを成形するコア成形工程と、コアにコイルを組み付ける組立工程と、金型に複数のコアをセットし、モールド樹脂を射出成型するモールド工程と、を備える。金型が、金型ハウジングとセンターピンとによりチャンバを形成するものである。金型ハウジングには、コアをチャンバ内において位置決めする位置決めピンが設けられる。コアは、センターピンと径方向に先端面が対向する複数の極歯と、センターピンの軸線方向と平行に貫通する貫通孔と、を有する。モールド工程は、貫通孔に位置決めピンを挿通しつつ金型ハウジングに各コアをセットする工程と、極歯の先端面に対向するようにセンターピンをセットし、金型ハウジングとコアとの位置関係を調整する工程と、を含む。貫通孔に位置決めピンが挿通されたとき、貫通孔と位置決めピンとの間にはクリアランスが設けられており、センターピンを導入したとき、位置決めピン及びセンターピンによってチャンバにおけるコアの位置が調整される。
この態様によれば、複数のコアを金型にセットするときには貫通孔と位置決めピンとの間にクリアランスが設けられており、次いでセンターピンをセットするときにチャンバにおける各コアの位置が調整される。したがって、金型へのコアのセットを簡易に行えるうえ、センターピンによってチャンバにおける複数のコアの位置を調整できる。この方法によれば、複数のコアを被覆する態様で樹脂製のケースを一体に成形すると同時に、各コアが固定配置されたステータが得られる。したがって、ステータとロータとを同軸にすることが容易となる。
本発明によれば、複数のコアを適切な位置に配置しやすくなる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。また、以下の実施形態およびその変形例について、ほぼ同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
[実施形態]
図1は、実施形態に係る電動弁を表す断面図である。
電動弁1は、図示しない自動車用空調装置の冷凍サイクルに適用される。この冷凍サイクルには、循環する冷媒を圧縮する圧縮機、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器、凝縮された冷媒を絞り膨張させて霧状に送出する膨張弁、霧状の冷媒を蒸発させてその蒸発潜熱により車室内の空気を冷却する蒸発器等が設けられている。電動弁1は、その冷凍サイクルの膨張弁として機能する。
図1は、実施形態に係る電動弁を表す断面図である。
電動弁1は、図示しない自動車用空調装置の冷凍サイクルに適用される。この冷凍サイクルには、循環する冷媒を圧縮する圧縮機、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器、凝縮された冷媒を絞り膨張させて霧状に送出する膨張弁、霧状の冷媒を蒸発させてその蒸発潜熱により車室内の空気を冷却する蒸発器等が設けられている。電動弁1は、その冷凍サイクルの膨張弁として機能する。
電動弁1は、弁本体2とモータユニット3とを組み付けて構成される。弁本体2は、弁部を収容したボディ5を有する。ボディ5は、「バルブボディ」として機能する。ボディ5は、第1ボディ6と第2ボディ8とを同軸状に組み付けて構成される。第1ボディ6は、外径が下方に向けて段階的に縮径する段付円筒状をなす。第1ボディ6の下部には、円穴状の凹状嵌合部16が設けられている。第2ボディ8は有底円筒状をなし、その上部が凹状嵌合部16に圧入されている。
第1ボディ6の下半部及び第2ボディ8が図示しない配管ボディの内方に挿入されることで、電動弁1は配管ボディに組み付けられる。なお、配管ボディには、凝縮器側から延びる配管や、蒸発器につながる配管などが接続されるが、その詳細については説明を省略する。第1ボディ6における中央部外周面には、環状溝からなるシール収容部10が形成され、シールリング12(Oリング)が嵌着されている。また、第2ボディ8の下部外周面には環状溝からなるシール収容部14が形成され、シールリング18が嵌着されている。
第2ボディ8の底部を軸線方向に貫通するように弁孔22が設けられ、その弁孔22の上端開口部に弁座24が形成されている。第2ボディ8の側部に入口ポート26が設けられ、下部に出口ポート28が設けられている。第1ボディ6および第2ボディ8の内方に弁室30が形成されている。入口ポート26と出口ポート28とは、弁室30を介して連通している。
ボディ5の内方には、モータユニット3のロータ60から延びる作動ロッド32が挿通されている。作動ロッド32は、弁室30を貫通する。作動ロッド32は、非磁性金属からなる棒材を切削加工して得られ、その下部にニードル状の弁体34が一体に設けられている。弁体34が弁室30側から弁座24に着脱することにより弁部20を開閉する。
第1ボディ6の上部中央には、ガイド部材36が立設されている。ガイド部材36は、非磁性金属からなる管材を段付円筒状に切削加工して得られ、その軸線方向中央部の外周面に雄ねじ部38が形成されている。ガイド部材36の下端部が大径となっており、その大径部40が第1ボディ6の上部中央に圧入され、同軸状に固定されている。ガイド部材36は、その内周面により作動ロッド32を軸線方向に摺動可能に支持する一方、その外周面によりロータ60の回転軸62を回転摺動可能に支持する。
作動ロッド32における弁体34のやや上方にばね受け42が設けられ、ガイド部材36の底部にもばね受け44が設けられている。ばね受け42、44間に、弁体34を閉弁方向に付勢するスプリング46(「付勢部材」として機能する)が介装されている。本実施形態においては、作動ロッド32の下部に弁体34が一体に設けられているから、スプリング46は作動ロッド32をも閉弁方向へ付勢する。
一方、モータユニット3は、ロータ60とステータユニット64とを含む三相ステッピングモータとして構成されている。モータユニット3は、有底円筒状のキャン66を有し、そのキャン66の内方にロータ60を配置し、外方にステータユニット64を配置して構成されている。キャン66は、弁体34およびその駆動機構が配置される空間を覆うとともにロータ60を内包する有底円筒状の部材であり、冷媒の圧力が作用する内方の圧力空間(内部空間)と作用しない外方の非圧力空間(外部空間)とを画定する。
ステータユニット64は、積層コア70、ボビン72、ケース400、回路基板420及び蓋体440を含む。積層コア70は、板状のコア部材74がロータ60の軸線方向に積層されて構成される。以下、積層コア70を単に「コア」ということがある。積層コア70には極歯92が設けられており、その先端面94がロータ60と径方向に対向している。ボビン72には、巻線が巻回されてコイル76が形成されている。コイル76とボビン72をまとめて「コイルユニット75」という。コイルユニット75は、積層コア70に組付けられている。積層コア70にコイルユニット75が組付けられたものを「コアユニット77」という。積層コア70について詳細は後述する。
コアユニット77は、後述するモールド成形によってケース400と一体に設けられてステータ78を構成する。すなわち、ケース400は、樹脂材の射出成形により得られる。コアユニット77は、その射出成形(「インサート成形」又は「モールド成形」ともいう。)によるモールド樹脂によって被覆されている。ケース400は、そのモールド樹脂からなる。
ケース400の上端開口部には、蓋体440がインロー嵌合されている。ケース400と蓋体440との当接箇所において、両者はレーザ溶着されている。ケース400と蓋体440とに囲まれた空間Sには、回路基板420が配設される。本実施形態では、回路基板420の下面に制御部や通信部として機能する各種回路が実装されている。具体的には、モータを駆動するための駆動回路、駆動回路に制御信号を出力する制御回路(マイクロコンピュータ)、制御回路が外部装置と通信するための通信回路、各回路およびモータ(コイル)に電力を供給するための電源回路等が実装されている。
それぞれのボビン72からは、コイル76につながる一対の端子73が延出し、回路基板420に接続されている。回路基板420からは、電源端子、グランド端子および通信端子(これらを総称して「接続端子422」ともいう。)が延出し、それぞれケース400の側壁を貫通して外部に引き出されている。ケース400の側部にコネクタ部402が一体に設けられ、そのコネクタ部402の内方に接続端子422が配置されている。
第1ボディ6とケース400との間には、環状のシール部材80が介装されている。この構成により、第1ボディ6とケース400との間のクリアランスを介した外気(水分等)の侵入が防止される。
ロータ60は、円筒状のロータコア82と、ロータコア82の外周に沿って設けられたマグネット84を備える。ロータコア82は回転軸62に組み付けられている。マグネット84は、その円周方向に複数極に磁化されている。
回転軸62は、有底円筒状の円筒軸であり、その開口端を下にしてガイド部材36に外挿されている。回転軸62の内周面には雌ねじ部86が形成され、ガイド部材36の雄ねじ部38と噛合している。これらのねじ部によるねじ送り機構によって、ロータ60の回転運動が作動ロッド32の軸線方向への並進運動に変換され、作動ロッド32は軸線方向に移動(昇降)する。
作動ロッド32の上部は縮径され、その縮径部が回転軸62の底部を貫通している。縮径部の先端には、環状のストッパ88が固定されている。一方、縮径部の基端と回転軸62の底部との間には、作動ロッド32を下方(閉弁方向)に付勢するバックスプリング90が介装されている。このような構成により、弁部20の開弁時にはストッパ88が回転軸62の底部に係止される態様で作動ロッド32がロータ60と一体変位する。一方、弁部20の閉弁時には、弁体34が弁座24から受ける反力により、バックスプリング90が押し縮められる。この時のバックスプリング90の弾性反力により弁体34を弁座24に押し付けることができ、弁体34の着座性能(弁閉性能)を高められる。
モータユニット3の駆動により作動ロッド32が弁部20の開弁方向(図1の上方向)へ動き始めると、弁体34は弁座24から離脱する。これによりスプリング46は圧縮方向へ弾性変形する。弁体34が弁座24から離脱すると、流体が入口ポート26、弁室30、弁部20、出口ポート28を順次通過する。
ステータ78は、中空構造を有し、キャン66を同軸に挿通しつつボディ5に組付けられて固定されている。組付けは、図示しない組付部材によって実現されている。
[ステータ78の構造]
次に、ステータ78の構成およびその製造方法の詳細について説明する。
図2は、ステータユニット64を表す図である。図2(A)は縦断面図であり、(B)は図2(A)のA−A矢視断面図である。図3は、ステータユニット64から蓋体440及び回路基板420を取り除いた状態の平面図である。図4(A)は図3のC−O−C断面図であり、(B)は図2(A)のB−B矢視断面図である。
次に、ステータ78の構成およびその製造方法の詳細について説明する。
図2は、ステータユニット64を表す図である。図2(A)は縦断面図であり、(B)は図2(A)のA−A矢視断面図である。図3は、ステータユニット64から蓋体440及び回路基板420を取り除いた状態の平面図である。図4(A)は図3のC−O−C断面図であり、(B)は図2(A)のB−B矢視断面図である。
図2(A)に示すように、ステータ78はケース400と一体に設けられている。ケース400は中空状となっている。ケース400の内周部404は、積層コア70の先端面94と同じ曲率を有する。
図2(B)に示すように、ステータユニット64には同一形状の積層コア70が3つ含まれる。積層コア70にはそれぞれコイルユニット75が1つずつ組付けられている。本実施形態におけるモータユニット3(図1参照)は三相三極のモータである。そのため、積層コア70はそれぞれ、周方向に120度の間隔で配置されている。積層コア70にはそれぞれ、3つの極歯92が設けられている。隣り合う極歯92の間には、溝部96が設けられている。2つの溝部96に嵌合される態様で、積層コア70にはコイルユニット75が組付けられている。
積層コア70にはまた、2つの貫通孔98が設けられている。貫通孔98は、3つの極歯92のうち最も離隔した2つの極歯92にそれぞれ1つずつ設けられている。図2(B)に示す断面においては、溝部96および貫通孔98にケース400を構成するモールド樹脂Mが入り込んでいる。また、積層コア70の外周面のうち先端面94を除く部分にモールド樹脂Mが被覆される。貫通孔98について詳細は後述する。
図1に関連して説明したとおり、極歯92の先端面94はロータ60と径方向に対向している。図2(B)に示すように、積層コア70に設けられている極歯92は、共通の仮想円(仮想円柱)に沿う態様で先端面94が湾曲している。つまり、3つの積層コア70の9つの極歯92は、共通の仮想円柱に沿う態様で先端面94が曲面となっている。この仮想円柱は、内周部404と共通の軸心を有する。
図3に示すように、ステータ78において、貫通孔98は上方に向けて開口している。図4(A)に示すように、貫通孔98において、下半部にはモールド樹脂Mが入り込んでおり、上半部はその表面(内周面)がむき出しとなっている。すなわち、図4(B)に示す断面においては、貫通孔98にモールド樹脂Mが入り込んでいない。また、積層コア70における貫通孔98が開口する端面(図4(A)における上端面)には、貫通孔98の開口端近傍においてモールド樹脂が被覆されない領域R(以下、「むき出し領域」ということがある。)が設けられている。
図5は、積層コア70の構造を示す図である。図5(A)は積層コア70の斜視図であり、図5(B)は、コア部材74の平面図である。図5(C)は、コアユニット77の配置態様を示す概念図である。
図5(A)に示すように、積層コア70は複数のコア部材74を厚み方向に積層して構成されている。コア部材74は、導電金属からなる板材を打ち抜き加工することで得られる。図5(B)に示すように、コア部材74には、2つの孔部100が設けられている。孔部100は、コア部材74において積層コア70の極歯92(図5(A)参照)に対応する位置に設けられている。孔部100とコア部材74の周縁との最短距離Lは、コア部材74の厚さ(板材の厚さ)以上になるように設定されている。
図5(A)に示すように、積層コア70は複数のコア部材74を厚み方向に積層して構成されている。コア部材74は、導電金属からなる板材を打ち抜き加工することで得られる。図5(B)に示すように、コア部材74には、2つの孔部100が設けられている。孔部100は、コア部材74において積層コア70の極歯92(図5(A)参照)に対応する位置に設けられている。孔部100とコア部材74の周縁との最短距離Lは、コア部材74の厚さ(板材の厚さ)以上になるように設定されている。
コア部材74を構成する板材は、表面に非導電膜が形成されている。この板材を打ち抜き加工することで、コア部材74の周縁および孔部100の内周面は導電金属がむき出しになる。
図5(A)、(B)に示すように、同一形状のコア部材74を積層させることで、孔部100によって貫通孔98が形成されている。言い換えれば、積層コア70において、コア部材74の積層方向と平行に貫通する態様で貫通孔98が設けられている。すなわち、貫通孔98の軸線は、ロータ60(図1参照)の軸線方向と平行となっている。上述のとおり、孔部100の内周面は導電金属がむき出しになっているから、貫通孔98の内周面においても、導電金属が露出している。
コア部材74を積層させて積層コア70を形成した後、極歯92にコイルユニット75(図5(C)参照)を組み付けてコアユニット77を形成する。そして、図5(C)に示すように、コアユニット77は各先端面94によって形成される共通の仮想円の中心に対して周方向に120度間隔で3つ配置される。製造過程において、コア部材74を積層させて積層コア70を形成する工程を「コア成形工程」という。また、積層コア70にコイルユニット75(コイル76)を組み付けてコアユニット77を形成する工程を「組立工程」という。
モールド成形が施されることにより、コアユニット77はケース400(図1等参照)内に保持されている。以下、コアユニット77(積層コア70)に対するケース400の被覆方法(モールド工程)の詳細について説明する。
図6、7はケース400をモールド工程によって製造するための金型600を表す断面図である。図6、7はともに、図4(A)に示す断面に対応する金型600の断面を示している。図6は金型ハウジング602内にコアユニット77をセットした状態を表し、図7は金型ハウジング602にコアユニット77をセットする前の状態を表す。なお、ケース400の製造においては、コアユニット77を図4(A)の状態から上下さかさまにして金型600にセットし、モールド樹脂を導入する。このため、図6、7においてはコアユニット77が上下さかさまに表されている。
図1に関連して説明したとおり、ケース400は、コアユニット77に対してモールド樹脂を射出成形(モールド成形)することによって製造される。製造過程において、モールド成形によるこの工程を「モールド工程」という。モールド成形時には、金型600が使用される。金型600は、第1金型610、第2金型620、第3金型630、第4金型640およびセンターピン650から構成される。第1金型610、第2金型620、第3金型630、第4金型640によってモールド成形時のチャンバが形成される。第1金型610及びセンターピン650を用いてチャンバ内にコアユニット77を位置決めし、チャンバにモールド樹脂Mを導入すると、ステータ78が得られる。以下、第1金型610、第2金型620、第3金型630、第4金型640をまとめて「金型ハウジング602」という。
第1金型610は、ケース400の上半部の成形に用いられる。第1金型610は、その内方に凹部612を有する。また、凹部612の周りに位置決めピン614を有する。本実施形態においては、位置決めピン614は2つをセットとして3セット設けられている(図6において1つのみ表示)。3セットの位置決めピン614は、凹部612の周りに120度の間隔で(等間隔に)設けられている。位置決めピン614には大径部617及び小径部618が設けられており、両者の間に段部616を有する。段部616はコアユニット77(積層コア70)を支持する。小径部618の長さは貫通孔98の長さ(積層コア70の厚さ)よりも短く、また、小径部618の径は、貫通孔98の内径より小さく設定されている。小径部618の先端面(位置決めピン614の先端面)は、傾斜を有する。
センターピン650は、正六角柱状の角柱部652と円柱状の円柱部654からなる。角柱部652は、凹部612と嵌合する。円柱部654の外周面は、先端面94と対向する。なお、円柱部654の外周面と先端面94との間には、センターピン650を積層コア70間に挿入出するためのクリアランスが設けられているが、その隙間はモールド樹脂Mが流入しない程度に抑えられている。
第2金型620は、コネクタ部402の成形に用いられる。第3金型630はコアユニット77の下部に当接する。第3金型630によってケース400の下部内周面が形成される。第4金型640は、ケース400の外周の成形に用いられる。第4金型640は、その内方に凹部642を有している。凹部642は第3金型630と嵌合する。
金型ハウジング602に対するコアユニット77とセンターピン650の組み付け方について説明する。
図7に示すように、まず、先端面94が凹部612の軸線に対向するようにコアユニット77を金型ハウジング602へセットする。具体的には、貫通孔98に小径部618を挿入する。1つの積層コア70に設けられた2つの貫通孔98に対して、1セットであって2つの位置決めピン614がそれぞれ挿入される。積層コア70の端面(図7においては下端面)が段部616に当接すると、貫通孔98への位置決めピン614の挿入が完了する。挿入が完了したとき、小径部618と位置決めピン614との間にはクリアランスが設けられており、その隙間はモールド樹脂Mが流入しない程度に抑えられている。3つの積層コア70に設けられている計6つの貫通孔98に3セットであって6つの位置決めピン614がそれぞれ1つずつ挿入されることで、コアユニット77の金型ハウジング602へのセットが完了する。これにより、コアユニット77(積層コア70)のチャンバ内における位置が仮合わせされる。
図7に示すように、まず、先端面94が凹部612の軸線に対向するようにコアユニット77を金型ハウジング602へセットする。具体的には、貫通孔98に小径部618を挿入する。1つの積層コア70に設けられた2つの貫通孔98に対して、1セットであって2つの位置決めピン614がそれぞれ挿入される。積層コア70の端面(図7においては下端面)が段部616に当接すると、貫通孔98への位置決めピン614の挿入が完了する。挿入が完了したとき、小径部618と位置決めピン614との間にはクリアランスが設けられており、その隙間はモールド樹脂Mが流入しない程度に抑えられている。3つの積層コア70に設けられている計6つの貫通孔98に3セットであって6つの位置決めピン614がそれぞれ1つずつ挿入されることで、コアユニット77の金型ハウジング602へのセットが完了する。これにより、コアユニット77(積層コア70)のチャンバ内における位置が仮合わせされる。
次に、先端面94に対向するようにセンターピン650を3つのコアユニット77間に挿入し、凹部612に角柱部652を嵌合させる。角柱部652の凹部612への嵌合が完了すると、小径部618と位置決めピン614との間に存在していたガタが解消され、3つのコアユニット77が金型ハウジング602に対して位置決めされる。すなわち、3つのコアユニット77間にセンターピン650がセットされることで、コアユニット77が調心され、コアユニット77のチャンバ内における位置が本合わせされる。次いで、第1金型610に第2金型620を載置する。第4金型640の凹部642には、第3金型630を嵌合させる。第3金型630を嵌合させた第4金型640を第1金型610、センターピン650、コアユニット77、第2金型620の上方に載置する。その後、第1金型610と第4金型640とを図示しない位置決め構造によって固定することで、コアユニット77(積層コア70)を金型ハウジング602、センターピン650に対して位置決めする。
金型ハウジング602およびセンターピン650に対してコアユニット77が位置決めされた後、金型ハウジング602によって構成されたチャンバにモールド樹脂Mが導入されることによって、ステータ78(図4(A)参照)が得られる。
なお、段部616によるコアユニット77(積層コア70)の支持箇所には、モールド樹脂が流入しない。したがって、図4(A)に関連して説明したとおり、積層コア70における貫通孔98が開口する端面には、モールド樹脂によって被覆されない領域Rが設けられている。
本実施形態においては、複数のコアユニット77(積層コア70)に対してモールド成形を施してケース400を一体に成形し、ステータ78(図4(A)参照)を得る。したがって、積層コア70が複数用いられるステータ78であっても、ロータ60(図1参照)と軸を同一とすることが容易に行える。
本実施形態においては、積層コア70に貫通孔98が設けられている。このような構成とすることにより、貫通孔98に位置決めピン614を挿入できる。したがって、ケース400のモールド成形の際に、コアユニット77(積層コア70)がずれることを防止又は抑制できる。
また、本実施形態においては、位置決めピン614とセンターピン650とによってチャンバにおけるコアユニット77の位置決めを行っている。上述のとおり、貫通孔98の内径は小径部618の外径より大きくなるように設定されているため、貫通孔98に位置決めピン614を簡易に挿入できる。次いでセンターピン650をコアユニット77間に挿入すると、センターピン650と先端面94とが対向するようにコアユニット77が僅かに回転し、チャンバにおけるコアユニット77の向きや位置が調整される。このような構成とすることで、コアユニット77の金型ハウジング602に対する位置決めを簡便に行える。
本実施形態においては、同一形状のコア部材74を積層させて積層コア70を構成している。また、コア部材74は、板材を打ち抜いて得られる。コア部材74を同一の形状とすることで、板材に対して隙間なく打ち抜き加工を施すことができ、コア部材74を得るのにかかるコストを抑えることができる。
本実施形態においては、孔部100とコア部材74の周縁との最短距離Lをコア部材74の厚さ(板材の厚さ)以上になるように設定されている。コア部材74における孔部100の位置をこのように設定することで、コア部材74の磁気特性を良好にすることができる。
従来、複数のコアに対してモールド樹脂を被覆する態様でケースを一体に成形しステータを得る手法には、チャンバにモールド樹脂が導入される際に、モールド樹脂の導入圧力によってチャンバ内のコアの位置がずれてしまう懸念があった。
本実施形態においては、複数のコアユニット77(積層コア70)をチャンバ内において所定の位置に固定させることで、モールド樹脂Mがチャンバに導入されたとしてもコアユニット77の位置がずれないようにしている。具体的には、位置決めピン614及びセンターピン650によって、コアユニット77がセンターピン650の軸線に対して垂直な方向のずれを抑制し、段部616及び第3金型630によって軸線方向のずれを抑制している。
なお、ステータ78には、これらの金型ハウジング602及びセンターピン650の当接痕として、コアユニット77においてモールド樹脂Mが被覆されないむき出し領域が存在する。本実施形態においては、先端面94、貫通孔98の内周面および貫通孔98が開口する端面(図4(A)における領域R)に、モールド樹脂Mが被覆されないむき出し領域が存在する。言い換えれば、コアユニット77は、積層コア70の外周のうち先端面94だけでなく先端面94から外れた部分にも、金型600の当接痕としてモールド樹脂Mが被覆されないむき出し領域を有する。
[回路基板420における電磁干渉を低減させる構造]
図8は、電動弁1の断面図である。図8は、図4に示す断面に対応する電動弁1の断面を示している。
電動弁1は、貫通孔98にスプリング102(コイルばね)を挿通することで、回路基板420のグランドラインと積層コア70とを導通させている。すなわち、スプリング102は導電部材として機能する。スプリング102の一端側がグランドラインに当接し、スプリング102の側面(外周面)が貫通孔98の内周面に当接している。スプリング102は、導電性を有するステンレス鋼(ばね鋼)からなる。スプリング102の適度な弾性力により、それらの当接状態を安定に維持でき、グランドラインと積層コア70との導通状態を確保できる。
図8は、電動弁1の断面図である。図8は、図4に示す断面に対応する電動弁1の断面を示している。
電動弁1は、貫通孔98にスプリング102(コイルばね)を挿通することで、回路基板420のグランドラインと積層コア70とを導通させている。すなわち、スプリング102は導電部材として機能する。スプリング102の一端側がグランドラインに当接し、スプリング102の側面(外周面)が貫通孔98の内周面に当接している。スプリング102は、導電性を有するステンレス鋼(ばね鋼)からなる。スプリング102の適度な弾性力により、それらの当接状態を安定に維持でき、グランドラインと積層コア70との導通状態を確保できる。
図9は、スプリング102およびその周辺構造を表す部分拡大断面図である。(A)は図8のD部拡大を示し、(B)は図8のE部拡大を示す。
図9(A)に示すように、貫通孔98にはモールド樹脂Mが入り込んでいる。その端面104は、ロータ60側に向けて低くなるよう傾斜角θにて傾斜している。この傾斜は、位置決めピン614(図6、7参照)の先端面により形成される。スプリング102の下端面は、端面104に支持されている。スプリング102は、無負荷状態において上面及び下面が軸線に対して垂直になるように構成されている。スプリング102の自然長は、回路基板420(図8参照)と端面104との間隔よりも大きい。
図9(A)に示すように、貫通孔98にはモールド樹脂Mが入り込んでいる。その端面104は、ロータ60側に向けて低くなるよう傾斜角θにて傾斜している。この傾斜は、位置決めピン614(図6、7参照)の先端面により形成される。スプリング102の下端面は、端面104に支持されている。スプリング102は、無負荷状態において上面及び下面が軸線に対して垂直になるように構成されている。スプリング102の自然長は、回路基板420(図8参照)と端面104との間隔よりも大きい。
図9(B)に示すように、スプリング102が貫通孔98に挿通されると、スプリング102は軸線方向に押し縮められる。端面104がロータ60の軸線に向けて下方に傾斜しているため、スプリング102の下半部がロータ60側に湾曲するように撓む(二点鎖線矢印参照)。その結果、スプリング102の側面を貫通孔98の内周面に確実に当接させることができる。
図5(A)、(B)に関連して説明したとおり、貫通孔98の内周面は、板材を構成する金属がむき出しの状態となっており、導電性を有する。図9(B)に示すように、スプリング102の側面を貫通孔98の内周面に当接することで、スプリング102を介してグランドラインと積層コア70との導通を確保できる。
本実施形態においては、モールド工程においてコアユニット77(積層コア70)をチャンバに位置決めする際に用いられていた貫通孔98が、回路基板420における電磁干渉を解消させるための導電路を兼ねる。したがって、積層コア70の磁気特性を維持しつつ回路基板420の電磁干渉を低減できる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
上記実施形態では、ステータのコアとして積層コアを例示した。変形例においては、圧粉コアその他のコアを採用してもよい。この場合においても、複数のコアを被覆する態様でケースを一体成形することで、ロータに対するコアの位置決めやコア間の位置決めを簡素に実現できる。
上記実施形態では、積層コアに対して貫通孔を設け、その貫通孔に対して位置決めピンを挿入してチャンバにおける積層コアの位置を仮合わせした。変形例においては、位置決めピンを積層コアの外周に当接させる等して、積層コアに貫通孔を設けないとしてもよい。いずれの場合においても、金型ハウジングおよびセンターピンのうち一部を積層コアに当接させて、チャンバ内における積層コアの位置を固定できればよい。貫通孔を設けない場合においても、積層コアの外周のうち極歯の先端面から外れた部分に、金型部品の当接痕としてモールド樹脂が被覆されないむき出し領域を有することとなる。
上記実施形態では、1つの積層コアに対して貫通孔を2つ設ける態様を例示した。変形例においては、貫通孔を1つとしてもよいし、3つ以上としてもよい。また、貫通孔を任意の極歯に設けるとしてもよいし、極歯以外の箇所に設けるとしてもよい。貫通孔を設けたとしても、ステータの磁気特性を確保できればよい。いずれの場合においても、貫通孔に位置決めピンが挿入されることで、チャンバにおける積層コアの位置が仮合わせされる。次いで、センターピンを積層コア間に挿入することで極歯の先端面をセンターピンと対向させ、チャンバにおける積層コアの位置が調心される。したがって、モールド成形時において、積層コアが金型ハウジングによって構成されるチャンバ内にてずれることなく、適切な位置に保持される。なお、センターピンによる積層コアの調心機能を「自動調心機能」とも称する。センターピンによる自動調心機能を簡素に実現するという観点から、貫通孔を2つ以上設け、仮合わせの段階において、積層コアのチャンバ内での位置がおおよそ定められているのが好ましい。
上記実施形態では、位置決めピンに設けられている段部によって積層コアを支持した。変形例においては、段部をセンターピンの外周部に設けてもよい。いずれの場合においても積層コアにおける貫通孔が開口する端面にモールド樹脂が被覆されない領域が設けられることとなる。
上記実施形態では、導電性弾性体としてコイルばねを例示した。変形例においては、板ばねその他のスプリングを採用してもよい。スプリングは、ケースにおいて貫通孔の内周面に向けて撓むように指示される。その場合も、導電スプリングを介した回路基板と積層コアとの導通を確保できる。
上記実施形態では、コイルばねの一端部を回路基板に当接させ、他端部を貫通孔に入り込んでいるケースの一部に支持させる例を示した。上記実施形態においては、この支持面としてロータに向かう方向で下方へ傾斜する例を示した。変形例においては、この支持面が傾斜面でなくてもよいし、ロータから遠ざかる方向で下方へ傾斜する面としてもよい。いずれの場合においても、コイルばねを支持することができ、コイルばねの側面を貫通孔の内周面と当接させられればよい。また、コイルばねを複数の貫通孔のうち1つの貫通孔に対して挿入してもよいし、複数の貫通孔に挿入してもよい。
また、上記実施形態では、位置決めピンの小径部の長さを貫通孔の長さより短いとした。変形例においては、小径部の長さを貫通孔の長さと同じとしてもよいし、長いとしてもよい。いずれの場合においても、位置決めピン及びセンターピンによって積層コアをチャンバ内にて位置決めできればよい。
上記実施形態では、ケース400をボディ5(バルブボディ)に固定する構成を例示した。変形例においては、ケースを配管ボディに固定してもよい。すなわち、バルブボディと配管ボディとを合わせて「電動弁のボディ」としてもよい。
上記実施形態では、モータユニットを三相モータとしたが、二相、四相、五相などのその他のモータとしてもよい。ステータにおける電磁コイルやコアの数も3つに限らず、モータの相数にあわせて適宜設定してよい。
上記実施形態では、上記電動弁を膨張弁として構成したが、膨張機能を有しない開閉弁や流量制御弁として構成してもよい。
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
1 電動弁、2 弁本体、3 モータユニット、5 ボディ、6 第1ボディ、8 第2ボディ、10 シール収容部、12 シールリング、14 シール収容部、16 凹状嵌合部、18 シールリング、20 弁部、22 弁孔、24 弁座、26 入口ポート、28 出口ポート、30 弁室、32 作動ロッド、34 弁体、36 ガイド部材、38 雄ねじ部、40 大径部、42 ばね受け、44 ばね受け、46 スプリング、60 ロータ、62 回転軸、64 ステータユニット、66 キャン、70 積層コア、72 ボビン、73 端子、74 コア部材、75 コイルユニット、76 コイル、77 コアユニット、78 ステータ、80 シール部材、82 ロータコア、84 マグネット、86 雌ねじ部、88 ストッパ、90 バックスプリング、92 極歯、94 先端面、96 溝部、98 貫通孔、100 孔部、102 スプリング、104 端面、400 ケース、402 コネクタ部、404 内周部、420 回路基板、422 接続端子、440 蓋体、600 金型、602 金型ハウジング、610 第1金型、612 凹部、614 位置決めピン、616 段部、617 大径部、618 小径部、620 第2金型、630 第3金型、640 第4金型、642 凹部、650 センターピン、652 角柱部、654 円柱部、M モールド樹脂、R 領域、S 空間。
Claims (9)
- 内部に弁部が設けられたボディと、ロータ周りに配設される複数のコアを含むステータを有するモータユニットと、を組み付けて構成された電動弁であって、
前記モータユニットは、前記ステータと一体に形成されたケースを含み、
前記ケースは、前記コアにおける外周面を被覆するモールド樹脂からなることを特徴とする電動弁。 - 前記コアは、孔部を有する複数のコア部材を積層させて形成された積層コアであり、
前記コアには、前記コア部材を積層させることで前記孔部によって形成され、前記ロータの軸線方向と平行に貫通する貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動弁。 - 1つの前記コアに対して、前記貫通孔が複数設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電動弁。
- 前記コアにおける前記貫通孔が開口する端面には、前記モールド樹脂が被覆されない領域が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の電動弁。
- 前記貫通孔には導電部材が挿通され、前記ケース内に配設された回路基板のグランドラインと前記コアとを導通させていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の電動弁。
- 前記導電部材はコイルばねによって構成され、
前記貫通孔の一部には前記ケースを構成するモールド樹脂が入り込んでおり、その端面は、前記コイルばねの端面を支持し、
前記コイルばねの外周面と前記貫通孔の内周面とが当接していることを特徴とする請求項5に記載の電動弁。 - 前記コアを形成する前記複数のコア部材は、同一の形状を有することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の電動弁。
- 前記コアは、前記ロータと径方向に先端面が対向する複数の極歯を有し、
前記コアの外周のうち前記先端面から外れた部分に、金型部品の当接痕として前記モールド樹脂が被覆されないむき出し領域を有することを特徴とする請求項1に記載の電動弁。 - モータユニットのステータの製造方法であって、
コアを成形するコア成形工程と、
前記コアにコイルを組み付ける組立工程と、
金型に複数の前記コアをセットし、モールド樹脂を射出成型するモールド工程と、
を備え、
前記金型が、金型ハウジングとセンターピンとによりチャンバを形成するものであり、
前記金型ハウジングには、前記コアを前記チャンバ内において位置決めする位置決めピンが設けられ、
前記コアは、前記センターピンと径方向に先端面が対向する複数の極歯と、前記センターピンの軸線方向と平行に貫通する貫通孔と、を有し、
前記モールド工程は、
前記貫通孔に前記位置決めピンを挿通しつつ前記金型ハウジングに前記各コアをセットする工程と、
前記極歯の先端面に対向するように前記センターピンをセットし、前記金型ハウジングと前記コアとの位置関係を調整する工程と、
を含み、
前記貫通孔に前記位置決めピンが挿通されたとき、前記貫通孔と前記位置決めピンとの間にはクリアランスが設けられており、
前記センターピンを導入したとき、前記位置決めピン及び前記センターピンによって前記チャンバにおける前記コアの位置が調整されることを特徴とするステータの製造方法。
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