JP2021123921A - 鋼矢板の継手構造及び鋼矢板構造体 - Google Patents

鋼矢板の継手構造及び鋼矢板構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼矢板同士を接合する際に必要な作業面積を低減することができ、省スペース化と作業時間の短縮を図ることができ、さらに接合後の継手の品質の低下を抑制でき、さらに多様な接合方法で継手同士を一体構造とすることで、打設後に土中内での継手離脱を防止できる鋼矢板の継手構造及び鋼矢板構造体を提供する。【解決手段】端部に第1継手2、第2継手3を有する一対のフランジ11、11と、一対のフランジ11、11を連結するウェブと、を有し、一方の第1鋼矢板1Aの第1開口部2Aに、他方の第2鋼矢板1Bの第2爪部33を材軸直交方向から回転させながら嵌合可能に設けられ、第1継手2、第2継手3同士が嵌合した状態の継手嵌合部10が接合手段によって一体的に接合され、第1継手2、第2継手3同士は、嵌合方向と逆方向に少なくとも一方の鋼矢板1が回転した場合でも離脱不能に設けられた構成の鋼矢板の継手構造である。【選択図】図3

Description

本発明は、鋼矢板の継手構造及び鋼矢板構造体に関する。
従来、土木分野や建築分野において使用される鋼矢板として、ハット形鋼矢板やZ形鋼矢板が一般的に知られている。このような鋼矢板では、例えば特許文献1に示されるように、既に打設された鋼矢板に対して、次に打設する鋼矢板を横方向から回転させながら差し入れることで嵌合するものがある。
また、特許文献2には、鋼管に鋼矢板2本分の継手を接合し、材軸方向に半割にすることで製造できる断面半円形の鋼矢板であって、横方向から回転させて差し入れることで嵌合することが可能となっている。
特開2013−2102号公報 特開2019−39154号公報
しかしながら、従来の鋼矢板では、以下のような問題があった。
すなわち、上述した特許文献1、2に示すような鋼矢板では、現場打設時における継手嵌合を対象としており、嵌合した複数の鋼矢板を打設するため、打設後の地盤内で継手同士を接合して複数の鋼矢板を一体構造とすることはできない。そのため、元々回転により嵌合していることもあり、地中内の水平土圧の影響により鋼矢板が回転してしまい、継手嵌合部が離脱するおそれがあった。
また、特許文献1、2では、仮に鋼矢板を床面がフラットな作業場等に直置きして回転嵌合させる場合には、回転側の継手下端が設計上床面より下に位置するケースがあり、嵌合が不可能になることから、その点で改善の余地があった。
さらに、従来の場合には、仮に鋼矢板を作業場等に直置きし継手嵌合部を溶接接合する場合、継手嵌合部が断面下側(谷部)に位置し、断面本体部が干渉するため下向きの溶接作業が困難であるという問題があった。
また、例えば、従来のZ形鋼矢板を組み立てる場合には、一方のZ形鋼矢板を材軸方向にスライドさせ、他方のZ形鋼矢板の継手に嵌合して二枚一組に組み立てるため、作業スペースがZ形鋼矢板二枚分、すなわち全長×全幅分だけの面積が必要となる。そのため、鋼矢板の全長が長くなるほど、鋼矢板二枚分の作業領域の全長が延びることとなり、工場等で必要な作業面積が大きくなり、スペース効率が悪いという問題があった。
また、Z形鋼矢板を二枚一組に組み立てる際には、継手端部同士の位置を調節した上で、矢板全長を材軸方向にスライドさせながら嵌合させていくため、嵌合が完了するまでに時間を要する。さらに、スライド時に継手同士が接触するおそれがあり、継手の摩耗や曲がり、反り等の変形が生じることから、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、鋼矢板同士を接合する際に必要な作業面積を低減することができ、省スペース化と作業時間の短縮を図ることができ、さらに接合後の継手の品質の低下を抑制できる鋼矢板の継手構造及び鋼矢板構造体を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、多様な接合方法で継手同士を一体構造とすることで、打設後に土中内での継手離脱を防止できる鋼矢板の継手構造及び鋼矢板構造体を提供することである。
前記目的を達成するため、本発明に係る鋼矢板の継手構造は、端部に継手を有する一対のフランジと、前記一対のフランジを連結するウェブと、を有する鋼矢板の継手構造であって、一方の前記鋼矢板の継手開口部に、他方の前記鋼矢板の継手先端部が材軸直交方向から回転させながら嵌合可能に設けられ、前記継手同士が嵌合した状態の継手嵌合部が接合手段によって一体的に接合され、前記継手同士は、嵌合方向と逆方向に少なくとも一方の前記鋼矢板が回転した場合でも離脱不能に設けられていることを特徴としている。
また、本発明に係る鋼矢板構造体は、上述した鋼矢板の継手構造を備えた鋼矢板を複数用いて、前記継手同士を嵌合し、該嵌合した前記継手嵌合部が前記接合手段によって接合されたことを特徴としている。
本発明では、水平な床面に一方の鋼矢板を直置きした状態で他方の鋼矢板をそれぞれの継手部分において回転嵌合することができる。つまり、一方の鋼矢板を材軸方向を横にした状態で直置きし、その一方の鋼矢板の継手開口部に対して他方の鋼矢板の継手先端部を全長にわたって材軸直交方向の横方向(側方)から差し込むとともに、他方の鋼矢板を材軸方向を中心として回転させながら嵌合することで、一方の鋼矢板に他方の鋼矢板を連結することができる。そして、本発明では、多様な接合方法により継手同士を一体構造とすることができ、これにより打設後に土中内で継手が離脱することを防止できる。
そのため、これら鋼矢板同士を継手で嵌合させる作業に要する作業スペースは、1枚の鋼矢板の材軸方向の長さに2枚分の材軸直交方向の全幅を掛け合わせた作業面積となり、従来のように鋼矢板同士を材軸方向にスライドさせて連結する方法に比べて作業面積の省スペース化を図ることができる。
このように本発明では、例えば工場等での鋼矢板同士の組み立て作業を行うことができ、その組立後に継手嵌合部分を接合し、接合して一体構造となった鋼矢板を地盤に打設する施工となる。そのため、鋼矢板同士が接合されていない場合のように、地中内で鋼矢板が回転して離脱するといった不具合を防止できる。
さらに、本発明では、鋼矢板の継手全長を回転により一度で嵌合できるため、継手端部の位置の調節が不要となり、かつ前述のように鋼矢板の全長分をスライドする必要がないことから、作業時間を短縮でき、継手の損傷を抑えることができる。
また、本発明では、継手嵌合部分が断面上側(山部)に位置することになるので、下向きで溶接作業を容易に行うことができる。
また、本発明に係る鋼矢板は、前記接合手段は、前記継手嵌合部をかしめることで、前記継手が塑性変形されることにより形成されたかしめ部であることを特徴としてもよい。
この場合には、連結した鋼矢板同士の継手嵌合部をかしめてかしめ部を形成することにより一体構造に接合することができる。このようにかしめによる接合とすることで、鋼矢板同士の回転を規制できるうえ、材軸方向への移動も規制することができ、互いに嵌合させた複数の鋼矢板を地盤に打設する際に、鋼矢板同士の間で材軸方向にずれることを防止することができる。
また、本発明に係る鋼矢板は、前記接合手段は、前記継手嵌合部に形成される隙間に溶接された溶接部であることを特徴としてもよい。
この場合には、連結した鋼矢板同士の継手嵌合部を溶接により一体構造に接合することができる。このように溶接による接合とすることで、鋼矢板同士の回転を規制できるうえ、材軸方向への移動も規制することができ、互いに嵌合させた複数の鋼矢板を地盤に打設する際に、鋼矢板同士の間で材軸方向にずれることを防止することができる。
また、本発明に係る鋼矢板は、前記接合手段は、前記継手嵌合部に形成される隙間に接着された接着部であることを特徴としてもよい。
この場合には、連結した鋼矢板同士の継手嵌合部を接着剤等で接着することにより一体構造に接合することができる。このように接着による接合とすることで、鋼矢板同士の回転を規制できるうえ、材軸方向への移動も規制することができ、互いに嵌合させた複数の鋼矢板を地盤に打設する際に鋼矢板同士の間で材軸方向にずれることを防止することができる。
また、本発明に係る鋼矢板は、前記接合手段は、前記継手嵌合部の上部に配置された板材と、前記鋼矢板と前記板材とを固着する固着手段と、を有することを特徴としてもよい。
この場合には、連結した鋼矢板同士の継手嵌合部において板材と鋼矢板とを溶接、接着、及びボルト締結等の固着手段により一体構造に接合することができる。このように板材と固着手段による接合とすることで、鋼矢板同士の回転を規制できるうえ、材軸方向への移動も規制することができ、互いに嵌合させた複数の鋼矢板を地盤に打設する際に、鋼矢板同士の間で材軸方向にずれることを防止することができる。
また、本発明に係る鋼矢板は、前記接合手段は、前記継手嵌合部に形成される隙間に介在された棒鋼と、前記鋼矢板と前記棒鋼とを固着する固着手段と、を有することを特徴としてもよい。
この場合には、継手嵌合部に形成される隙間に挿入された棒鋼を溶接や接着等の固着手段により、連結した鋼矢板同士を一体構造に接合することができる。このように棒鋼を固着手段により接合することで、鋼矢板同士の回転を規制できるうえ、材軸方向への移動も規制することができ、互いに嵌合させた複数の鋼矢板を地盤に打設する際に、鋼矢板同士の間で材軸方向にずれることを防止することができる。
また、本発明に係る鋼矢板は、前記接合手段は、前記継手同士の回転嵌合によって塑性変形する降伏強度を有する塑性変形部材であり、前記塑性変形部材は、前記継手同士の間の隙間に挿入され、回転嵌合によって塑性変形して前記隙間に埋められた状態で設けられていることを特徴としてもよい。
この場合には、継手内部に挿入された塑性変形する降伏強度を有する塑性変形部材を回転嵌合によって塑性変形させることにより、連結した鋼矢板同士を一体構造に接合することができる。このように塑性変形部材の塑性変形を利用した接合とすることで、鋼矢板同士の回転を規制できる。
また、本発明に係る鋼矢板は、前記接合手段は、前記継手の一部として構成され、回転嵌合中の前記継手同士の接触によって塑性変形する弱化部であり、前記弱化部は、回転嵌合によって折れ曲がるように塑性変形し、前記継手同士の間の隙間を埋めた状態で設けられていることを特徴としてもよい。
この場合には、継手の一部の弱化部を回転嵌合中の継手同士の接触によって塑性変形させることにより、連結した鋼矢板同士を一体構造に接合することができる。このように継手に設けた弱化部の塑性変形を利用した接合とすることで、鋼矢板同士の回転を規制できる。
本発明の鋼矢板の継手構造及び鋼矢板構造体によれば、鋼矢板同士を接合する際に必要な作業面積を低減することができ、省スペース化と作業時間の短縮を図ることができ、さらに接合後の継手の品質の低下を抑制できる。
また、本発明の鋼矢板の継手構造及び鋼矢板構造体によれば、多様な接合方法で継手同士を一体構造とすることで、打設後に土中内での継手離脱を防止できる。
本発明の第1実施形態による継手を嵌合させてハット形状にした2枚で一組となるZ形鋼矢板を材軸方向からみた図である。 嵌合前の継手嵌合部を材軸方向からみた図である。 継手嵌合部において第1継手に第2継手を嵌合する際の回転前の状態を材軸方向からみた図である。 図3に続く図であって、継手嵌合部において第1継手に第2継手を嵌合する際の回転途中の状態を材軸方向からみた図である。 図4に続く図であって、継手嵌合部において第1継手と第2継手との嵌合が完了した状態を材軸方向からみた図である。 第1実施形態による継手嵌合部の接合方法を示す斜視図であって、かしめ接合の図である。 図6に示すかしめ接合によってかしめられた継手嵌合部を示す材軸方向からみた図である。 2枚の鋼矢板を連結する組み立て状態を示す斜視図であって、(a)はクレーンを使用して嵌合を開始する状態の図、(b)は嵌合完了の図である。 第2実施形態による継手嵌合部の接合方法を示す斜視図であって、溶接及び接着による接合の図である。 図9に示す継手嵌合部における溶着部又は接着部の接合状態を材軸方向からみた図である。 第3実施形態による継手嵌合部の接合方法を示す斜視図であって、鋼板を用いて接合した図である。 図11に示すボルト締結による接合状態を材軸方向からみた図である。 図11に示す溶接による接合状態を材軸方向からみた図である。 第5実施形態による継手嵌合部の接合方法を示す斜視図であって、棒鋼を溶接することで接合した図である。 図14に示す棒鋼溶接による接合状態を材軸方向からみた図である。 第4実施形態による継手嵌合部の接合方法を示す斜視図であって、部材を用いて接合した図である。 図16に示す部材による接合工程を材軸方向からみた図であって、(a)は回転前の図、(b)は嵌合完了で接合した状態の図である。 (a)〜(d)は、第6実施形態による継手嵌合部の接合方法を材軸方向からみた図である。 第7実施形態による鋼矢板構造体の構成を材軸方向からみた図である。
以下、本発明の実施形態による鋼矢板の継手構造及び鋼矢板構造体について、図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態による鋼矢板1は、Z形状からなるZ形鋼矢板であって、地盤中に打設されて施工される。とくに、複数(本実施形態では2枚)の鋼矢板1を工場や現場の床上で連結して組み立て、その連結した状態で地盤に打設する施工に好適な構造である。
鋼矢板1は、互いに平行な一対のフランジ11、11と、これら一対のフランジ11、11同士を連結するウェブ12と、を有している。フランジ11は、ウェブ12側と反対の端部に継手2、3を備えている。鋼矢板1は、2枚の鋼矢板1A、1B同士をそれぞれの継手2、3で連結することでハット形状に組み合わせられる。
ここで、ハット形状に組み合わせられる一方(図面で左側)を第1鋼矢板1Aとし、他方(図面で右側)を第2鋼矢板1Bとする。また、第1鋼矢板1Aにおける第2鋼矢板1Bと嵌合される継手を第1継手2とし、第2鋼矢板1Bにおける第1鋼矢板1Aの第1継手2に嵌合される継手を第2継手3とする。
なお、鋼矢板1(1A、1B)を材軸方向Xからみて平行な一対のフランジ11が延在する方向を幅方向Yとし、幅方向Yに直交する方向を面外直交方向Zとして以下説明する。
第1鋼矢板1A及び第2鋼矢板1Bは、同形状をなしている。鋼矢板1A、1Bの両端のうち一方の端部11aには第1継手2が設けられ、他方の端部11bには第2継手3が設けられている。第1継手2と第2継手3は嵌合可能に形成されている。すなわち、第1鋼矢板1Aの第1継手2と、第2鋼矢板1Bの第2継手3とが嵌合可能であり、双方の継手2、3同士を嵌合した状態で連結されたZ形状の第1鋼矢板1Aと第2鋼矢板1Bとが材軸方向Xから見て連結された継手2、3を通る面外直交方向Zを軸にして対称となるハット形状に組み合わせられる。
なお、ハット形状に組み合わされたときの第1鋼矢板1Aと第2鋼矢板1Bの嵌合部を継手嵌合部10といい、継手嵌合部10で嵌合される第1継手2と第2継手3について、以下に説明するものとする。
図2乃至図5に示すように、第1鋼矢板1Aの第1継手2は、第1アーム部21と、第1鉤状部22と、を有している。ここで、図5における符号44は継手嵌合部10で嵌合される第1継手2と第2継手3とを固定する当て板、符号49は当て板44と鋼矢板との間に介挿される高さ調整板をそれぞれ示している。
第1アーム部21は、フランジ11の先端から幅方向Yの外側に向かうに従い漸次、面外直交方向Zの内側となる斜め直線状に形成されている。
第1鉤状部22は、第1アーム部21の先端から幅方向Yの外側に向けて延びるとともに面外直交方向Zで外側に向けて屈曲した形状で、面外直交方向Zで外向きに開口する凹部22aが形成されている。第1鉤状部22の突出先端には、第1アーム部21側に向けて湾曲する第1爪部23が形成されている。
第1爪部23には、幅方向Yで第1アーム部21側に向かうに従って漸次、面外直交方向Zの外側に延びる爪部内側面23aが形成されている。第1爪部23における幅方向Yで第1アーム部21側に位置する内端部23bと第1アーム部21の外面21aとの間には第1開口部2Aが形成されている。ここで、第1開口部2Aのうち、第1爪部23の内端部23bと第1アーム部21の外面21aとの間の距離で最も狭くなる最短距離を第1開口幅B1(図3参照)とする。
第2鋼矢板1Bの第2継手3は、第2アーム部31と、第2鉤状部32と、を有している。
第2アーム部31は、フランジ11の先端から面外直交方向Zの内側に突出する直線状に形成されている。
第2鉤状部32は、フランジ11の先端から幅方向Yの外側に向けて延びるとともに面外直交方向Zで内側に向けて屈曲した形状で、面外直交方向Zで内向きに開口する凹部32aが形成されている。第2鉤状部32の突出先端には、第2アーム部31側に向けて湾曲する第2爪部33が形成されている。
第2爪部33には、幅方向Yで第2アーム部31側に向かうに従って漸次、面外直交方向Zの内側に延びる爪部内側面33aが形成されている。第2爪部33における幅方向Yで第2アーム部31側に位置する内端部33bと第2アーム部31の外面31aとの間には第2開口部3Aが形成されている。ここで、第2開口部3Aのうち、第2爪部33の内端部33bと第2アーム部31の外面31aとの間の距離で最も狭くなる最短距離を第2開口幅B2(図4参照)とする。
このように第1継手2と第2継手3とは、形状が異なっており、第1継手2にフランジ11から第1鉤状部22までの間に緩やかな傾斜角度を有する第1アーム部21を設けることで、第1継手2の第1開口幅B1が広がり、他方の第2鋼矢板1Bの第2継手3を材軸直交方向(横方向)から回転させながら嵌合させることが可能となっている。
ここで、図3及び図4において、床面Fのレベルを、符号GLで示し、GLに平行な線(GL平行線)を符号G1とする。
図3に示すように、第1鋼矢板1Aのフランジ11を床面Fに平行となる姿勢としたときに、第2鋼矢板1Bにおける嵌合直前のフランジ11とGL平行線G1との角度を継手差込み角度θ0という。
第2爪部33の最大厚みb1は、継手差込み角度θ0で第1鉤状部22内の凹部22aに挿入する姿勢において、第1鋼矢板1Aの第1アーム部21の外面21aに沿う第1爪根元内側平行線T1と、第1爪根元内側平行線T1の平行線で第2爪部33の内端部33bと交差する第1仮想線t1と、の法線距離である。
上述した第1開口幅B1は、第1爪根元内側平行線T1と、第1爪根元内側平行線T1の平行線で第1爪部23の内端部23bと交差する第2仮想線t2と、の法線距離である。
また、継手差込みの際の前提条件として、材軸方向Xから見て第1爪部23の爪部内側面23aに沿う直線を第2爪先端内側平行線T2とし、第2爪先端内側平行線T2とGL平行線G1とがなす角度(第1爪先角度)を符号θ1とし、第1爪根元内側平行線T1とGL平行線G1とがなす角度(第1爪根元角度)を符号θ2としたときに、θ2>θ1となることが設定条件となる。
図4に示すように、第1爪部23の最大厚みb2は、継手差込み角度θ0で第1鉤状部22内の凹部22aに挿入する姿勢において、第1鋼矢板1Aの第2爪先端内側平行線T2と、その第2爪先端内側平行線T2の平行線で第1爪部23の爪外周面23dと交差する第3仮想線t3と、の法線距離である。
上述した第2開口幅B2は、第2鋼矢板1Bの第2アーム部31の外面31aに沿う第3爪根元内側平行線T3と、第3爪根元内側平行線T3の平行線で第2爪部33の内端部33bと交差する第3仮想線t3と、の法線距離である。
また、継手差込みと継手回転の際の前提条件として、材軸方向Xから見て第2爪部33の爪部内側面33aに沿う直線を第4爪先端内側平行線T4とし、第4爪先端内側平行線T4とGL平行線G1とがなす角度(第2爪先角度)を符号θ4とし、第3爪根元内側平行線T3とGL平行線G1とがなす角度(第2爪根元角度)を符号θ3としたときに、θ3>θ4となることが設定条件となる。
さらに、第2鋼矢板1Bの第2爪部33の先端と、第1鋼矢板1Aの爪根元(第1アーム部21の外面21a)との引っ掛かりを無くすための設定条件として、第1爪根元角度θ2と第2爪根元角度θ3の関係をθ2>θ3とする。
本実施形態では、第1継手2と第2継手3との回転嵌合可能な継手形状の条件としては、上述した前提条件の関係を満足したうえで、差し入れ可能な寸法関係を示す(1)式と、回転嵌合可能な寸法関係を示す(2)式を満足するように設定されている。本実施形態による継手構造では、上述した関係式を満たすことで、継手の差し込みと図5に示すように回転嵌合が可能となっている。
Figure 2021123921
上述した第1継手2と第2継手3によって接続された一対の鋼矢板1A、1Bは、ハット形状の状態で嵌合された継手2、3同士が接合手段(第1実施形態では、かしめ接合)によって接合されている。
具体的には、図6に示すように、第1鋼矢板1Aの第1継手2に第2鋼矢板1Bの第2継手3を嵌合させた後、双方の継手2、3が重なった継手嵌合部10における材軸方向Xの両端の一部を金型40aを有するかしめ治具40を用いてかしめて圧着させて、第1鋼矢板1Aと第2鋼矢板1Bが接合されている。継手嵌合部10において、かしめ接合する際には、面外直交方向Zでかしめ治具40と反対側には当て板41を配置し、継手2、3を下方から支持しておく。
図7は、かしめ接合後の継手嵌合部10を示している。ここでは、第2継手3の第2鉤状部32側から面外直交方向Zの内側(矢印E2)に向けてかしめることで、第2継手3の第2鉤状部32の水平部が凹状(かしめ部32c(接合手段))に塑性変形し、これにより第1継手2の第1爪部23を押圧し、双方の継手2、3同士が密着した状態で固定され、鋼矢板1A、1B同士が一体構造となる。
なお、かしめ接合の範囲は、図6に示すように材軸方向Xの両端のみであってもよいし、材軸方向Xの全長にわたってかしめるようにしてもよい。
次に、上述した鋼矢板の継手構造及び鋼矢板構造体の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態による鋼矢板の継手構造では、図3乃至図5に示すように、第1鋼矢板1Aの第1継手2の第1アーム部21の外面21aと第1鉤状部22の第1爪部23との間の第1開口部2Aに、連結する第2鋼矢板1Bの第2継手3の第2鉤状部32の第2爪部33を材軸方向Xに直交する方向(材軸直交方向)の横方向から差し入れて材軸方向Xを回転中心として回転(図5に示す矢印E方向)させる。そして、回転する第2鋼矢板1Bのフランジ11が第1鋼矢板1Aのフランジ11と略平行となる姿勢で回転を停止し、鉤状部22、32同士を嵌合させることができる。これにより、第1鋼矢板1Aと第2鋼矢板1Bとを連結することができる。
このように本実施形態では、図8に示すように、水平な床面Fに一方の第1鋼矢板1Aを直置きした状態で他方の第2鋼矢板1Bをそれぞれの継手部分において回転嵌合することができる。つまり、第1鋼矢板1Aを材軸方向Xを横にした状態で直置きし、その第1鋼矢板1Aの第1継手2の第1鉤状部22に対してクレーン52で吊り下げた第2鋼矢板1Bの第2継手3の先端部(第2鉤状部32)を全長にわたって材軸直交方向の横方向(側方)から差し込むとともに、材軸方向Xを中心として回転させながら嵌合することで、第1鋼矢板1Aに第2鋼矢板1Bを連結することができる。
そのため、これら鋼矢板1A、1B同士を継手2、3で嵌合させる作業に要する作業スペースは、図8(a)に示すように、1枚の鋼矢板1の材軸方向Xの長さ分の作業面積(図 8(a)に示す作業領域R)となり、従来のように鋼矢板同士を材軸方向Xにスライドさせて連結する方法に比べて作業面積の省スペース化を図ることができる。
ここで、従来の鋼矢板同士を材軸方向Xへのスライドにより継手嵌合により組み立てる方法の場合(比較例)と、本実施形態による回転による継手嵌合による組み立て方法の場合(実施例)のそれぞれでZ形鋼矢板の組立作業に必要となる作業面積を求め、本実施形態における省スペース化の効果を確認した。
例えば、使用したZ形鋼矢板の寸法として、1枚当たりの全幅Bが580mm、全長Lが5000mmを採用する。このときの作業面積Aは、(3)式より求められ、比較例で11.6mとなり、実施例で5.8mとなる。
このように、実施例は、比較例に比べて作業面積Aが半分以下となり、省スペース化の効果を有することがわかった。
Figure 2021123921
上述したように本実施形態では、例えば工場等での鋼矢板同士の組み立て作業を行うことができ、その組立後に継手嵌合部10を接合し、接合して一体構造となった鋼矢板1A、1Bを地盤に打設する施工となる。そのため、鋼矢板1A、1B同士が接合されていない場合のように、地中内で鋼矢板1A、1Bが回転して離脱するといった不具合を防止できる。
さらに、本実施形態では、第2鋼矢板1Bの第2継手3の全長を回転により一度で第1鋼矢板1Aの第1継手2に嵌合できるため、継手端部の位置の調節が不要となり、かつ前述のように鋼矢板1A、1Bの全長分をスライドする必要がないことから、作業時間を短縮でき、継手の損傷を抑えることができる。
また、本実施形態では、図8(b)に示すように、継手嵌合部10が断面上側(山部)に位置することになるので、下向きで溶接作業を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、図6及び図7に示すように、連結した鋼矢板1A、1B同士の継手部分をかしめにより一体構造に接合することができる。このようにかしめによる接合とすることで、鋼矢板1A、1B同士の回転を規制できるうえ、材軸方向Xへの移動も規制することができ、互いに嵌合させた複数(本実施形形態では2枚)の鋼矢板1A、1Bを地盤に打設する際に鋼矢板1A、1B同士の間で材軸方向Xにずれることを防止することができる。
上述した本実施形態による鋼矢板の継手構造及び鋼矢板構造体では、鋼矢板1A、1B同士を接合する際に必要な作業面積を低減することができ、省スペース化と作業時間の短縮を図ることができ、さらに接合後の継手の品質の低下を抑制できる。
また、本実施形態では、多様な接合方法で継手同士を一体構造とすることで、打設後に土中内での継手離脱を防止できる。
次に、本発明の鋼矢板の継手構造及び鋼矢板構造体の他の実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
(第2実施形態)
図9に示す第2実施形態は、上述した第1実施形態のかしめ接合に代えて、継手嵌合部10の材軸方向Xの両端を溶接又は接着により固定する接合方法によるものである。図9では、継手嵌合部10の材軸方向Xの両端のうち一方(紙面の手前側)が接着接合により固定し、他方(紙面の奥側)が溶接による接合方法としているが、両側共に接着接合であってもよいし、溶接であってもよい。
図10に示すように、接着箇所(接着部42(接合手段))又は溶接箇所(溶接部43(接合手段))は、第1継手2と第2継手3の嵌合後における第1アーム部21の外面21a(第1鋼矢板1Aのフランジ11)と第2継手3の第2鉤状部32の外面32bとの間の隙間Sを埋めるように固着される。
すなわち、第2実施形態による鋼矢板1A、1Bの継手嵌合部10の接合は、継手嵌合後に嵌合部分の隙間Sを溶接したり、あるいは接着剤などで接着することにより鋼矢板1A、1B同士を一体構造とすることができる。
第2実施形態では、連結した鋼矢板1A、1B同士の継手嵌合部10を溶接又は接着により一体構造に接合することができる。このように溶接又は接着による接合とすることで、鋼矢板1A、1B同士の回転を規制できるうえ、材軸方向Xへの移動も規制することができ、互いに嵌合させた複数の鋼矢板1A、1Bを地盤に打設する際に、鋼矢板1A、1B同士の間で材軸方向Xにずれることを防止することができる。
(第3実施形態)
図11に示す第3実施形態による鋼矢板の継手嵌合部の接合は、継手嵌合後において、鋼板からなる当て板44(板材、接合手段)を第1継手2のフランジ11と第2継手3のフランジ11とを架け渡すようにして継手嵌合部10の上部に配置し、鋼矢板1A、1Bと鋼板51とを溶接、接着、又はボルト締め等の固着手段により固着することにより鋼矢板1A、1B同士を一体構造とするものである。
図12は、ボルト45を締結することにより当て板44を第1鋼矢板1Aと第2鋼矢板1Bのフランジ11に固定した接合構造である。
なお、継手嵌合部におけるボルト45の固定箇所が当て板44の両側もしくは片側だけであっても、継手が離脱方向に回転した場合に当て板44がストッパーとなり回転による離脱を防止できる。
図13は、溶接により当て板44を第1鋼矢板1Aと第2鋼矢板1Bのフランジ11に固定した接合構造である。符号46は、溶接部を示している。
なお、継手嵌合部における当て板44の溶接部および接着部は、当て板44の両端もしくは片端だけであっても、継手が離脱方向に回転した場合に当て板44がストッパーとなり回転による離脱を防止できる。
第3実施形態では、連結した鋼矢板1A、1B同士の継手部分を当て板44を介してボルト締結や溶接により一体構造に接合することができる。このように当て板44を使用してボルト締結や溶接による接合とすることで、鋼矢板1A、1B同士の回転を規制できるうえ、材軸方向Xへの移動も規制することができ、互いに嵌合させた複数の鋼矢板1A、1Bを地盤に打設する際に鋼矢板1A、1B同士の間で材軸方向Xにずれることを防止することができる。
(第4実施形態)
図14に示す第4実施形態による鋼矢板1A、1Bの継手嵌合部10の接合は、継手嵌合後に嵌合部分の隙間S(図15参照)に棒鋼47(接合手段)を挟み込み、継手嵌合部10の第1継手2と第2継手3とを棒鋼47を介して溶接や接着により接合する構造となっている。これにより、鋼矢板1A、1B同士を一体構造とできる。符号48は、溶接部(接合手段)を示している。
なお、継手嵌合部における溶接部48は、棒鋼47の両端もしくは片端だけであっても、継手が離脱方向に回転した場合に棒鋼47が干渉することで回転による離脱を防止できる。
第4実施形態では、図15に示すように、継手2、3の継手嵌合部10の隙間S(第1アーム部21と第2鉤状部32との間の隙間S)に挿入された棒鋼47を溶接や接着することにより、連結した鋼矢板1A、1B同士を一体構造に接合することができる。このように棒鋼47を溶接または溶着する接合とすることで、鋼矢板1A、1B同士の回転を規制できるうえ、材軸方向Xへの移動も規制することができ、互いに嵌合させた複数の鋼矢板1A、1Bを地盤に打設する際に鋼矢板1A、1B同士の間で材軸方向Xにずれることを防止することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態による鋼矢板の継手嵌合部10の接合について、図16及び図17(a)、(b)に基づいて説明する。
図16に示すように、継手嵌合前に継手2、3の回転嵌合で塑性変形する降伏強度の部材(塑性変形部材50)を第1継手2と第2継手3の間に挿入しておく。塑性変形部材50は、薄板形状で、鋼矢板1A、1Bよりもヤング率が小さい部材である。塑性変形部材50の配置箇所としては、図17(a)に示すように、第2継手3の第2アーム部31の外面31aに沿うように設け、図17(b)に示すように嵌合時の回転とともに第2アーム部31と第1継手2の第1鉤状部22との間(隙間S1)に介在するように設けられている。
そして、回転嵌合によって塑性変形部材50が塑性変形して継手2、3の内部空間(隙間S1)を埋めることにより鋼矢板1A、1B同士を一体構造とできる構成となっている。
第5実施形態では、継手2、3内部に挿入された塑性変形部材50を回転嵌合によって塑性変形させることにより、連結した鋼矢板1A、1B同士を一体構造に接合することができる。このように塑性変形部材50の塑性変形を利用した接合とすることで、鋼矢板1A、1B同士の回転を規制できる。
(第6実施形態)
図18(a)〜(d)に示す第6実施形態による鋼矢板の継手嵌合部の接合では、第2継手3の一部に回転嵌合中の継手2、3同士の接触により塑性変形するような弱化部34(第2爪部33に相当する部分、接合手段)を設けておき、回転嵌合によって弱化部34とした部分が折れ曲がるように塑性変形し(図18(d)参照)、第1継手2の第1鉤状部22の凹部22aの内部空間を埋めることにより鋼矢板1A、1B同士を一体構造とできる接合構造としたものである。
第6実施形態では、継手2、3の一部の弱化部34を回転嵌合中の継手2、3同士の接触により塑性変形させることにより、連結した鋼矢板1A、1B同士を一体構造に接合することができる。このように継手2、3に設けた弱化部34の塑性変形を利用した接合とすることで、鋼矢板1A、1B同士の回転を規制できる。
以上、本発明による鋼矢板の継手構造及び鋼矢板構造体の実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した実施形態による鋼矢板構造体の適用範囲としては、上述した鋼矢板同士の接合を実施することが可能な場所であれば、工場等に限らず、現場でも適用することも可能である。
本実施形態では、鋼矢板1としてZ形鋼矢板を対象としているが、他の形状の鋼矢板であってもよい。例えば、ハット形鋼矢板やU形鋼矢板にも適用可能である。ハット形鋼矢板は、第1フランジと、第1フランジの両端から延伸する一対のウェブと、からなり、ウェブの第1フランジの反対側に第1フランジと平行に伸びる先端に継手を有する一対の第2フランジを有するハット形状の鋼矢板である。
なお、上述した実施形態では、2枚の鋼矢板1A、1Bをそれぞれの継手2、3同士を嵌合させて一体構造に接合したものを対象とし、2枚1組の状態で打設しているが、このような組み立て状態であることに限定されることはない。
例えば、図19に示す第7実施形態による鋼矢板構造体は、工場又は現場の床面において、4枚の鋼矢板1A、1B、1C、1Dを3箇所の継手嵌合部10A、10B、10Cの各継手2、3で嵌合して連結し、さらに上述したような接合手段によって接合した後、打設するようにしてもよい。この場合には、例えば打設用のバイブロハンマーのチャックの把持部としては、図19に示す符号P1、P2の2点把持とされる。把持点P1、P2は、幅方向Yの中心を挟んで左右対称となるウェブ12の中央位置とされる。
また、嵌合した継手2、3同士を接合する接合手段としては、上述した実施形態に限定されることはなく、他の接合構造であってもかまわない。要は、継手2、3同士が嵌合方向に回転不能な状態で接合されていればよく、必ずしも材軸方向Xへの移動を規制するように接合することに制限されることはない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 鋼矢板
1A 第1鋼矢板
1B 第2鋼矢板
2 第1継手
2A 第1開口部(継手開口部)
3 第2継手
3A 第2開口部
11 フランジ
12 ウェブ
21 第1アーム部
22 第1鉤状部
23 第1爪部
31 第2アーム部
32 第2鉤状部
32c かしめ部(接合手段)
33 第2爪部(継手先端部)
34 弱化部(接合手段)
40 かしめ治具
42 接着部(接合手段)
43 溶接部(接合手段)
44 当て板(板材、接合手段)
47 棒鋼(接合手段)
48 溶接部(接合手段)
X 材軸方向
Y 幅方向
Z 面外直交方向

Claims (9)

  1. 端部に継手を有する一対のフランジと、前記一対のフランジを連結するウェブと、を有する鋼矢板の継手構造であって、
    一方の前記鋼矢板の継手開口部に、他方の前記鋼矢板の継手先端部が材軸直交方向から回転させながら嵌合可能に設けられ、
    前記継手同士が嵌合した状態の継手嵌合部が接合手段によって一体的に接合され、
    前記継手同士は、嵌合方向と逆方向に少なくとも一方の前記鋼矢板が回転した場合でも離脱不能に設けられていることを特徴とする鋼矢板の継手構造。
  2. 前記接合手段は、前記継手嵌合部をかしめることで、前記継手が塑性変形されることにより形成されたかしめ部であることを特徴とする請求項1に記載の鋼矢板の継手構造。
  3. 前記接合手段は、前記継手嵌合部に形成される隙間に溶接された溶接部であることを特徴とする請求項1に記載の鋼矢板の継手構造。
  4. 前記接合手段は、前記継手嵌合部に形成される隙間に接着された接着部であることを特徴とする請求項1に記載の鋼矢板の継手構造。
  5. 前記接合手段は、前記継手嵌合部の上部に配置された板材と、前記鋼矢板と前記板材とを固着する固着手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の鋼矢板の継手構造。
  6. 前記接合手段は、前記継手嵌合部に形成される隙間に介在された棒鋼と、前記鋼矢板と前記棒鋼とを固着する固着手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の鋼矢板の継手構造。
  7. 前記接合手段は、前記継手同士の回転嵌合によって塑性変形する降伏強度を有する塑性変形部材であり、
    前記塑性変形部材は、前記継手同士の間の隙間に挿入され、回転嵌合によって塑性変形して前記隙間に埋められた状態で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鋼矢板の継手構造。
  8. 前記接合手段は、前記継手の一部として構成され、回転嵌合中の前記継手同士の接触によって塑性変形する弱化部であり、
    前記弱化部は、回転嵌合によって折れ曲がるように塑性変形し、前記継手同士の間の隙間を埋めた状態で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鋼矢板の継手構造。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の鋼矢板の継手構造を備えた鋼矢板を複数用いて、前記継手同士を嵌合し、該嵌合した前記継手嵌合部が前記接合手段によって接合されたことを特徴とする鋼矢板構造体。
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