JP2021123592A - 増粘組成物 - Google Patents

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智也 田中
Tomoya Tanaka
智也 田中
修平 成田
Shuhei Narita
修平 成田
義雄 辻野
Yoshio Tsujino
義雄 辻野
和浩 高野
Kazuhiro Takano
和浩 高野
陽介 鈴木
Yosuke Suzuki
陽介 鈴木
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Abstract

【課題】所望の粘稠性(増粘性)を安定して有する増粘組成物、特に外用組成物に適した増粘組成物を提供する。
【解決手段】(A)[A1]で示されるアクリル酸エステル、
Figure 2021123592

(R:H、C1〜6アルキル。m:2〜4。)および[A2]で示されるアクリル酸、
Figure 2021123592

(R:H、C1〜6アルキル)を構成成分とし、[A1]と[A2]との割合が、[A1]/[A2]=2:98〜6:94であるアクリル酸エステル/アクリル酸共重合体、(B)寒天、水溶性セルロース、グルコマンナン、およびサクシノグリカンから選択される一種の水溶性化合物、(C)電解質、および(E)水を含有する、増粘組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、増粘組成物に関する。特に外用組成物に適した増粘組成物に関する。
皮膚や毛髪等への有効成分保持のため、また、使用感や高級感向上のため、ポリマーや界面活性剤等の増粘剤を化粧料等の外用組成物に配合させ、当該外用組成物を増粘あるいはゲル化させる場合がある。例えば、有機系の増粘剤としては、多糖類、カゼイン、キサンタンガム等の天然高分子、ヒドロキシエチルセルロース等の半天然高分子、アクリル系ポリマー、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド等の合成高分子が使用されている。また、無機系の増粘剤としては、モンモリロナイト等の粘土鉱物やシリカ等が使用されている。
しかしながら、これらの増粘剤の多くは、耐塩性が低く、電解質を添加するとポリマーが凝集し、特に電解質の添加量が2質量%を超えると粘度が急激に低下するため、電解質の共存下では粘度が保てず安定性が悪いという問題がある。最近では、比較的高濃度の電解質存在下で使用可能な(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体が知られているが(例えば、特許文献1)、マグネシウムやカルシウム等の多価電解質の存在下では、十分な粘度を保つことが難しいため、その使用が限られているという問題がある。
こうした問題を解消するために、共重合体の成分として、特定構造の含フッ素アクリル酸エステルと、重合性不飽和基と特定の酸性基を有する化合物とを特定の割合で用いることにより、水に溶解したときに所望の粘度を有する粘稠水溶液(増粘組成物)を形成することができる共重合体が提案されている(特許文献2)。
当該共重合体は、耐塩性があり、電解質、特に多価電解質の存在下においても、所望の粘度を有する粘稠水溶液(増粘組成物)を形成することができるという効果を有する。また、電解質の濃度が高い場合であっても、所望の粘度を保持できるという効果を奏する。さらに、当該共重合体は、塗布性が良好であり、液だれしにくく、ぷるぷるとした触感(弾力のある触感)を有するという効果を奏することから、使用感および塗布性に優れ、独特の触感を有する化粧料の材料として有用である。また、当該共重合体は、透明性に優れるという効果を有することから、化粧水や美容液等の無着色を特長とする外用組成物に好適に使用することができることを利点とする(以上、特許文献2参照)。
WO2009/084469号公報 WO2017/170961号公報
本発明者らは、特許文献2に記載されている共重合体を用いて、所望の粘度を有する粘稠性(増粘性)の化粧料を始めとする外用組成物を作製すべく、検討を重ねていたところ、当該共重合体に、可溶化成分、乳化成分、殺菌成分または保湿成分等として従来より汎用されるアルコールやノニオン性界面活性剤を、電解質とともに配合すると、粘度が低下し、前述する共重合体の長所が十分に享受できなくなることを見出した。
本発明は、かかる問題を解決することを課題とする。
具体的には、本発明は、電解質、特に多価電解質の存在下において、従来より外用組成物の添加成分として使用されるアルコールやノニオン性界面活性剤を配合した場合でも、所望の粘度を有し粘稠状態を維持し得る増粘組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、当該増粘組成物に、さらにアルコールおよび/またはノニオン性界面活性剤を配合することで所望の効果や特性(例えば、保湿効果、殺菌性、清涼性等)を付与した、化粧料等の外用組成物に適した組成物であって、所望の粘度を有し粘稠状態を維持した増粘組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねていたところ、前述する特許文献2に記載されている特定の共重合体に、電解質とともに、寒天、水溶性セルロース、グルコマンナン、およびサクシノグリカンからなる群より選択される少なくとも一種の水溶性化合物を併用することで、得られる水溶液の粘度が相乗的に増大することを見出した。そして、共重合体、電解質、および水溶性化合物の量を適宜調整することで、外用組成物として使用しやすい粘度に調整できること、また、これにアルコールおよび/またはノニオン性界面活性剤を配合しても所望の粘度が維持され、所望の効果・特性を有する粘稠性(増粘性)を有する外用組成物(例えば、化粧料)が得られることを確認した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成したものであり、下記の実施形態を包含するものである。
(I)増粘組成物
(I−1)(A)(A1)一般式[A1]で示されるアクリル酸エステル:
Figure 2021123592
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、mは2〜4の整数を表す。)、および
(A2)一般式[A2]で示されるアクリル酸:
Figure 2021123592
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
を構成成分とし、前記アクリル酸エステル(A1)と前記アクリル酸(A2)との割合(モル比)が、(A1)/(A2)=2:98〜6:94であるアクリル酸エステル/アクリル酸共重合体、
(B)寒天、水溶性セルロース、グルコマンナン、およびサクシノグリカンからなる群より選択される少なくとも一種の水溶性化合物、
(C)電解質、および
(E)水
を含有する、増粘組成物。
(I−2)前記(A)アクリル酸エステル(A1)/アクリル酸(A2)共重合体が、さらに(A3)エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を構成成分として含むものである、(I−1)に記載する増粘組成物。
(I−3)前記(C)電解質が多価電解質である、(I−1)または(I−2)に記載する増粘組成物。
(I−4)前記(A)成分の含有量が3質量%未満である、(I−1)〜(I−3)のいずれか一に記載する増粘組成物。
(I−5)前記(C)電解質の含有量が0.1〜10質量%である、(I−1)〜(I−4)のいずれか一に記載する増粘組成物。
(I−6)前記(B)水溶性化合物の含有量が0.05〜20質量%である、(I−1)〜(I−5)のいずれか一に記載する増粘組成物。
(I−7)さらに(D)アルコールおよびノニオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1つを含有する、(I−1)〜(I−6)のいずれか一に記載する増粘組成物。
(I−8)品温20℃の粘度(B型回転粘度計、ローターNo.4、回転数3rpm)が3,000mPa・s以上であることを特徴とする、(I−1)〜(I−7)のいずれか一に記載する増粘組成物。
(I−9)前記増粘組成物が、液状、ゲル状、またはクリーム状のいずれかの形状を有するものである、(I−1)〜(I−8)のいずれか一に記載する増粘組成物。
(I−10)前記増粘組成物が外用組成物、好ましくは化粧料である、(I−1)〜(I−9)のいずれか一に記載する増粘組成物。
(II)(B)水溶性化合物の使用方法
(II−1)下記の(A)、(C)および(E)を含む組成物、または(A)、(C)、(D)および(E)を含む組成物に、(B)寒天、水溶性セルロース、グルコマンナン、およびサクシノグリカンからなる群より選択される少なくとも一種の水溶性化合物を配合することで、前記組成物の増粘性を改良または維持することを特徴とする、前記(B)水溶性化合物の使用方法:
(A)(A1)一般式[A1]で示されるアクリル酸エステル:
Figure 2021123592
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、mは2〜4の整数を表す。)、および
(A2)一般式[A2]で示されるアクリル酸:
Figure 2021123592
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
を構成成分とし、前記アクリル酸エステル(A1)と前記アクリル酸(A2)との割合(モル比)が、(A1)/(A2)=2:98〜6:94であるアクリル酸エステル/アクリル酸共重合体、
(C)電解質、
(D)アルコールおよびノニオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1つ、および
(E)水。
(II−2)前記(A)アクリル酸エステル(A1)/アクリル酸(A2)共重合体が、さらに(A3)エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を構成成分として含むものである、(II−1)に記載する使用方法。
(II−3)前記(C)電解質が多価電解質である、(II−1)または(II−2)に記載する使用方法。
(II−4)組成物中の(C)電解質の含有量が0.1〜10質量%である、(II−1)〜(II−3)のいずれか一に記載する使用方法。
(II−5)組成物に配合する(B)水溶性化合物の割合が0.05〜20質量%である、(II−1)〜(II−4)のいずれか一に記載する使用方法。
前記(A)、(B)、(C)および(E)成分を含有する増粘組成物は、良好な耐塩性を有しており、金属塩などの(C)電解質、特にマグネシウム等の多価電解質を含有する場合でも、所望の粘度を有する粘稠水溶液として提供することができる。
例えば、水溶性ビタミンC誘導体など、化粧料に配合する有効成分の多くは金属塩の形態を有している。本発明の増粘組成物は、こうした有効成分を含有する場合でも、粘性を安定に保持することができ、当該有効成分に基づく効果や特性を有する外用組成物、特に化粧料を製造し、提供することができる。
また、前記(A)、(B)、(C)および(E)成分を含有する増粘組成物は、これに(D)アルコールおよびノニオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1つを配合した場合でも、粘度が極度に低下することなく、所望の粘度を有する粘稠水溶液として提供することができる。つまり、(A)、(B)、(C)、(D)および(E)成分を含有する増粘組成物は、所望の粘度を有する粘稠性(増粘性)を保持しながら、(D)成分に基づく作用や特性を有する外用組成物として製造し提供することができる。
(I)増粘組成物
本発明の増粘組成物は、少なくとも(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体、(B)寒天、水溶性セルロース、グルコマンナン、およびサクシノグリカンからなる群より選択される少なくとも一種の水溶性化合物、(C)電解質、および(E)水を含有するものである。以下、これらの成分について説明する。
(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体
本発明で(A)成分として用いるアクリル酸エステル/アクリル酸共重合体(以下、単に「(A)共重合体」とも称する)は、一般式[A1]で示されるアクリル酸エステル、および一般式[A2]で示されるアクリル酸を構成成分とし、上記アクリル酸エステル(A1)と上記アクリル酸(A2)との割合(モル比)が、(A1)/(A2)=2:98〜6:94であることを特徴とするものである。
一般式[A1]で示されるアクリル酸エステル:
Figure 2021123592
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、mは2〜4の整数を表す。)
一般式[A2]で示されるアクリル酸:
Figure 2021123592
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
本発明において、「アクリル酸エステル(A1)/アクリル酸(A2)共重合体」とは、少なくとも、アクリル酸エステル(A1)由来の構成単位とアクリル酸(A2)由来の構成単位を有する共重合体を意味する。
一般式[A1]におけるRおよび一般式[A2]におけるRで示される炭素数1〜6のアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、なかでも、炭素数1のアルキル基がより好ましい。また、該アルキル基としては、直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよい。このようなアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、2−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。なかでも、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基等の炭素数1〜3の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基が好ましく、そのなかでも、炭素数1のアルキル基であるメチル基がより好ましい。
一般式[A1]におけるRおよび一般式[A2]におけるRとしては、水素原子がより好ましい。
一般式[A1]におけるmは、2〜4の整数を意味する。好ましくは2〜3の整数であり、より好ましくは2である。
このような一般式[A1]で示されるアクリル酸エステルの具体例としては、特に制限されないものの、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、4−パーフルオロヘキシルブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、上記において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。これらのアクリル酸エステルのなかでも、好ましくは2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレートであり、より好ましくは2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレートである。なお、一般式[A1]で示されるアクリル酸エステルは、市販のものを用いてもよいし、自体公知の方法によって適宜合成したものを用いてもよい。
一般式[A2]で示されるアクリル酸の具体例としては、アクリル酸、およびメタクリル酸を挙げることができる。好ましくはアクリル酸である。当該一般式[A2]で示されるアクリル酸も、市販のものを用いてもよいし、自体公知の方法によって適宜合成したものを用いてもよい。
アクリル酸エステル(A1)/アクリル酸(A2)共重合体におけるアクリル酸エステル(A1)とアクリル酸(A2)との割合(モル比)は、2:98〜6:94の範囲から選択することができる。好ましくは2:98〜5:95である。なお、アクリル酸エステル(A1)とアクリル酸(A2)との割合(モル比)が2:98を超えて、アクリル酸エステル(A1)の割合が小さくなる場合には、粘稠水溶液を調製した際に、電解質の存在下で十分な粘度が得られずに使用しづらくなる傾向が高まる。また、アクリル酸エステル(A1)とアクリル酸(A2)との割合(モル比)が6:94を超えて、アクリル酸(A2)の割合が大きくなる場合には、電解質濃度による粘度変化が大きくなり使用しづらくなる傾向がある。具体的には、粘稠水溶液を調製した際に、低濃度の電解質存在下の粘度が著しく高くなるばかりでなく、電解質の濃度が高くなるにつれて、急激に粘度が低くなってしまう傾向がある。
これに対して、(A)共重合体におけるアクリル酸エステル(A1)とアクリル酸(A2)との割合(モル比)が、(A1):(A2)=2:98〜6:94の範囲内である場合には、後述する(B)(C)および(E)成分とともに粘稠水溶液を調製した際に、所望の高い粘度が保たれ、また、その粘度は(D)アルコールやノニオン性界面活性剤を配合した場合でも大きく損なわれず、所望な範囲で維持され易い。このことから、アクリル酸エステル(A1)とアクリル酸(A2)とが上述した割合(モル比)の範囲内にある(A)共重合体は、電解質または/およびアルコールやノニオン性界面活性剤とともに、粘性の高い化粧料、例えば、粘稠性の溶液状、クリーム状またはゲル状の化粧料の配合成分として好適に用いることができる。
本発明の(A)共重合体は、さらに(A3)エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を構成成分として含んでいてもよい。すなわち、化合物(A3)をさらに含む(A)共重合体とは、少なくとも、アクリル酸エステル(A1)由来の構成単位とアクリル酸(A2)由来の構成単位と化合物(A3)由来の構成単位を有する共重合体である。
(A3)エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物とは、アクリル酸エステル(A1)およびアクリル酸(A2)と反応し得る、エチレン性不飽和基を分子内に2個以上有する化合物であって、いわゆる架橋剤の役割を担う化合物である。
このような化合物(A3)の具体例としては、例えば、一般式[A3−1]、[A3−2]、[A3−3]、[A3−4]、[A3−5]、[A3−6]、[A3−7]、[A3−8]、[A3−9]、[A3−10]、および[A3−11]で示されるものが挙げられる。
一般式[A3−1]:
Figure 2021123592
(式中、kは1〜6の整数を表す。)
一般式[A3−2]:
Figure 2021123592
(式中、Tは炭素数1〜20のアルキレン基、一般式[A3−2a]で示される基または一般式[A3−2b]で示される基を表し、RおよびR3'はそれぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表す。)
一般式[A3−2a]:
Figure 2021123592
(式中、m個のT1'はそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、mは1〜6の整数を表す。)
一般式[A3−2b]:
Figure 2021123592
(式中、m'個のT1''、およびT1'''はそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、m'は1〜12の整数を表す。)
一般式[A3−3]:
Figure 2021123592
(式中、T、T2'、T2''、T、T3'、T3''およびTはそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキレン基を表す。)
一般式[A3−4]:
Figure 2021123592
(式中、n個のT、n'個のT5'、p個のTおよびp'個のT6'はそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、nおよびn'はそれぞれ独立して0または1を表し、pは1〜6の整数を表し、p'は0〜6の整数を表す。)
一般式[A3−5]:
Figure 2021123592
(式中、R〜R11はそれぞれ独立して、水素原子、ビニル基またはビニルカルボニル基を表す。ただし、R〜R11のうちの少なくとも2つのRは、ビニル基またはビニルカルボニル基を表す。)
一般式[A3−6]:
Figure 2021123592
(式中、T、TおよびT8'はそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
一般式[A3−7]:
Figure 2021123592
(式中、q個のTはそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R12は、炭素数6〜10の2〜4価の芳香族炭化水素基を表し、qは2〜4の整数を表す。)
一般式[A3−8]:
Figure 2021123592
(式中、T10は、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、T11およびT11'はそれぞれ独立して、炭素数6〜10のアリーレン基を表す。)
一般式[A3−9]:
Figure 2021123592
(式中、T12は、炭素数6〜10のアリーレン基を表す。)
一般式[A3−10]:
Figure 2021123592
(式中、rは0〜6の整数を表す。)
一般式[A3−11]:
Figure 2021123592
(式中、T13は、炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
一般式[A3−1]におけるkとしては、1〜4の整数がより好ましく、なかでも、1がさらに好ましい。
一般式[A3−2]におけるRおよびR3'は、それぞれ独立して水素原子またはメチル基であるが、好ましくはいずれも水素原子である。
一般式[A3−2]におけるTで示される炭素数1〜20のアルキレン基としては、特に制限されないが、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基である。該アルキレン基としては、直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよく、なかでも、直鎖状が好ましい。このようなアルキレン基の具体例としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、イソプロピレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルジメチレン基、ペンタメチレン基、シクロペンチレン基、ヘキサメチレン基、シクロヘキシレン基、ヘプタメチレン基、シクロヘプチレン基、オクタメチレン基、シクロオクチレン基、ノナメチレン基、シクロノニレン基、デカメチレン基、シクロデシレン基、ウンデカメチレン基、シクロウンデシレン基、ドデカメチレン基、シクロドデシレン基、トリデカメチレン基、シクロトリデシレン基、テトラデカメチレン基、シクロテトラデシレン基、ペンタデカメチレン基、シクロペンタデシレン基、ヘキサデカメチレン基、シクロヘキサデシレン基、ヘプタデカメチレン基、シクロヘプタデシレン基、オクタデカメチレン基、シクロオクタデシレン基、ノナデカメチレン基、シクロノナデシレン基、イコシレン基、シクロイコシレン基等が挙げられる。なかでも、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、イコシレン基等の炭素数1〜20の直鎖状のアルキレン基が好ましく、そのなかでも、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の炭素数1〜10の直鎖状のアルキレン基がより好ましい。
一般式[A3−2a]におけるT1'ならびに一般式[A3−2b]におけるT1''およびT1'''で示される炭素数1〜6のアルキレン基としては、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基である。該アルキレン基としては、直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよく、なかでも、直鎖状が好ましい。このようなアルキレン基の具体例としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、イソプロピレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルジメチレン基、ペンタメチレン基、シクロペンチレン基、ヘキサメチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。なかでも、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基等の炭素数1〜3の直鎖状のアルキレン基が好ましい。
一般式[A3−2a]におけるmとしては、2〜6の整数がより好ましく、なかでも、4〜6の整数がさらに好ましい。一般式[A3−2b]におけるm'としては、1〜7の整数がより好ましく、なかでも、1〜5の整数がさらに好ましく、そのなかでも、1〜3の整数が特に好ましい。
一般式[A3−3]におけるT、T2'、T2''、T、T3'、T3''およびTで示される炭素数1〜3のアルキレン基としては、好ましくは炭素数1のアルキレン基である。当該アルキレン基としては、直鎖状または分枝状のいずれであってもよい。このようなアルキレン基の具体例としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。なかでも、炭素数1のアルキレン基であるメチレン基が好ましい。
一般式[A3−4]におけるT、T5'、TおよびT6'で示される炭素数1〜6のアルキレン基としては、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、なかでも、炭素数1のアルキレン基がより好ましい。また、該アルキレン基としては、直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよく、なかでも、直鎖状が好ましい。このようなアルキレン基の具体例としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、イソプロピレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルジメチレン基、ペンタメチレン基、シクロペンチレン基、ヘキサメチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。なかでも、TおよびT5'にあっては、炭素数1のアルキレン基であるメチレン基が好ましく、TおよびT6'にあっては、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基等の炭素数1〜3の直鎖状のアルキレン基が好ましい。
一般式[A3−4]におけるnおよびn'としては、1がより好ましい。
一般式[A3−4]におけるpとしては、1〜2の整数がより好ましい。
一般式[A3−4]におけるp'としては、0〜2の整数がより好ましい。
一般式[A3−5]におけるR〜R11は、それぞれ独立して水素原子、ビニル基またはビニルカルボニル基であって、かつ、少なくとも2つがビニル基またはビニルカルボニル基であるが、好ましくは5〜8つがビニル基またはビニルカルボニル基であり、より好ましくは5〜7つがビニル基またはビニルカルボニル基である。
一般式[A3−6]におけるT、TおよびT8'で示される炭素数1〜6のアルキレン基としては、直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよい。このようなアルキレン基の具体例としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、イソプロピレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルジメチレン基、ペンタメチレン基、シクロペンチレン基、ヘキサメチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。なかでも、Tにあっては、シクロペンチレン基およびシクロヘキシレン基が好ましく、そのなかでも、シクロヘキシレン基がより好ましく、TおよびT8'にあっては、メチレン基およびジメチレン基(エチレン基)が好ましく、そのなかでも、メチレン基がより好ましい。
一般式[A3−7]におけるR12で示される炭素数6〜10の2〜4価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基(アリーレン基)、例えば、ベンゼン、ナフタレンに由来する3価の芳香族炭化水素基、例えば、ベンゼン、ナフタレンに由来する4価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。なかでも、炭素数6の3〜4価の芳香族炭化水素基が好ましい。
一般式[A3−7]におけるTで示される炭素数1〜6のアルキレン基としては、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。また、該アルキレン基としては、直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよく、なかでも、直鎖状が好ましい。このようなアルキレン基の具体例としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、イソプロピレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルジメチレン基、ペンタメチレン基、シクロペンチレン基、ヘキサメチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。なかでも、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基等の炭素数1〜3の直鎖状のアルキレン基が好ましい。
一般式[A3−7]におけるqとしては、3〜4の整数がより好ましい。
一般式[A3−8]におけるT10で示される炭素数1〜6のアルキレン基としては、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。また、該アルキレン基としては、直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよく、なかでも、直鎖状が好ましい。このようなアルキレン基の具体例としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、イソプロピレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルジメチレン基、ペンタメチレン基、シクロペンチレン基、ヘキサメチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。なかでも、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基等の炭素数1〜3の直鎖状のアルキレン基が好ましい。
一般式[A3−8]におけるT11およびT11'で示される炭素数6〜10のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基等の炭素数6のアリーレン基、例えば、ナフチレン基等の炭素数10のアリーレン基等が挙げられる。なかでも、炭素数6のアリーレン基であるフェニレン基が好ましい。
一般式[A3−9]におけるT12で示される炭素数6〜10のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基等の炭素数6のアリーレン基、例えば、ナフチレン基等の炭素数10のアリーレン基等が挙げられる。なかでも、炭素数6のアリーレン基であるフェニレン基が好ましい。
一般式[A3−10]におけるrとしては、0〜2の整数がより好ましく、なかでも、0がさらに好ましい。
一般式[A3−11]におけるT13で示される炭素数1〜6のアルキレン基としては、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、なかでも、炭素数1のアルキレン基がより好ましい。また、該アルキレン基としては、直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよく、なかでも、直鎖状が好ましい。このようなアルキレン基の具体例としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、イソプロピレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルジメチレン基、ペンタメチレン基、シクロペンチレン基、ヘキサメチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。なかでも、メチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基等の炭素数1〜3の直鎖状のアルキレン基が好ましく、そのなかでも、メチレン基がより好ましい。
(A3)エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物としては、一般式[A3−2]で示される化合物、一般式[A3−3]で示される化合物、一般式[A3−4]で示される化合物、および一般式[A3−11]で示される化合物が好ましい。
一般式[A3−2]で示される化合物の具体例としては、特に制限されないものの、例えば、1,10−デカンジオールジアクリレート等が挙げられる。
一般式[A3−3]で示される化合物の具体例としては、特に制限されないものの、例えば、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。
一般式[A3−4]で示される化合物の具体例としては、特に制限されないものの、例えば、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ジブチレングリコールジアリルエーテル等のジアルキレングリコールジアリルエーテル、例えば、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、ポリプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリブチレングリコールジアリルエーテル等のポリアルキレングリコールジアリルエーテル等が挙げられる。
一般式[A3−11]で示される化合物の具体例としては、特に制限されないものの、例えば、N,N'−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
これらの化合物のなかでも、1,10−デカンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、およびN,N'−メチレンビスアクリルアミドが好ましく、そのなかでも、ジエチレングリコールジアリルエーテルがより好ましい。
これらの化合物(A3)は、市販のものを用いてもよいし、自体公知の方法によって適宜合成したものを用いてもよい。
化合物(A3)を用いる場合、(A)共重合体における化合物(A3)の割合は、特に制限されないものの、アクリル酸エステル(A1)およびアクリル酸(A2)の合計100モルに対して、通常0.00005〜1モルの範囲から選択調製することができる。好ましくは0.0005〜0.7モルであり、より好ましくは0.0005〜0.6モルであり、さらに好ましくは0.0005〜0.5モルであり、さらにより好ましくは0.07〜0.2モルであり、特に好ましくは0.07〜0.14モルである。化合物(A3)の使用量がアクリル酸エステル(A1)およびアクリル酸(A2)の合計100モルに対して1モルを越えると、電解質の存在下で十分な粘度が得られにくくなる傾向がある。
化合物(A3)を前記の割合で含む(A)共重合体は、後述する(B)(C)および(E)成分とともに粘稠水溶液を調製した際に、所望の高い粘度が保たれ、また、その粘度は(D)アルコールやノニオン性界面活性剤を配合した場合でも大きく損なわれず、所望な範囲で維持され易い。このことから、アクリル酸エステル(A1)とアクリル酸(A2)とが上述した割合(モル比)の範囲内にあり、また、化合物(A3)を含む(A)共重合体は、電解質または/およびアルコールやノニオン性界面活性剤とともに、粘性の高い化粧料、例えば、粘稠性の溶液状、クリーム状またはゲル状の化粧料の配合成分として好適に用いることができる。
なお、(A)共重合体において、アクリル酸エステル(A1)とアクリル酸(A2)との割合(モル比)が、(A1):(A2)=4:96〜6:94、特に(A1):(A2)=4.5:95.5〜5.5:94.5である場合には、化合物(A3)を含まない共重合体が望ましい場合もある。
上述する(A)共重合体の製造は、特に制限されないが、例えば、国際公開公報WO2017/170961A1に記載されている方法に従って製造することができる。本明細書には、当該国際公開公報の段落[0085]−[0095]の記載が援用により組み込まれる。
本発明の増粘組成物における(A)共重合体の含有割合としては、後述する(B)、(C)および(E)成分のもと、好ましくは(B)〜(E)成分のもとで、所望の粘稠性(増粘性)を発揮し、それが維持できる割合であればよく、その限りにおいて特に制限されない。例えば、通常0.01〜5質量%の範囲から適宜選択することができるが、3質量%を超えると、急激に増粘して取り扱い難くなるため、取り扱い性の観点から、好ましくは3質量%未満である。好ましくは0.05質量%以上3質量%未満、より好ましくは0.2〜2質量%、特に好ましくは0.5〜1.5質量%である。
(B)水溶性化合物
本発明で(B)成分として用いる水溶性化合物(以下、単に「(B)成分」とも称する)は、寒天、水溶性セルロース、グルコマンナン、およびサクシノグリカンからなる群より選択される少なくとも一種である。これらは一種単独で(B)成分として使用してもよいし、また、二種以上を任意に組み合わせて(B)成分として使用してもよい。
[寒天]
寒天は、テングサ(天草)、オゴノリなどの紅藻類を原料として、その粘液質を凍結・乾燥して調製される増粘多糖類である。本発明で使用される寒天は、化粧料などの外用組成物に使用できるものであればよく、いずれも原料として使用することが可能である。これらには食用に使用できる寒天も含まれる。また、粉末寒天、フレーク寒天、固形寒天、角寒天、および糸寒天等のいずれの形態を有するものであってもよい。水への溶解性が良好であることから、好ましくはフレーク寒天および粉末寒天であり、より好ましくは粉末寒天である。また、水への溶解性が改善された即溶性寒天を用いることもできる。通常の寒天は100℃以上の水で溶解するのに対して、即溶性寒天は80℃の水に溶解するように改良された寒天である(特許第3845334号)。
寒天のゼリー強度も、特に制限されず、目的とする増粘組成物の粘稠性(増粘性)に応じて適宜選択することができる。また、使用する寒天のゼリー強度に応じて、増粘組成物への配合量を調整することにより、所望の粘稠性(増粘性)を有する増粘組成物を調製することができる。例えば、通常、工業的製法で作られる粉末寒天やフレーク寒天のゼリー強度(日寒水式、寒天濃度1.5%)は400g/cm以上、天然寒天といわれる角寒天や糸寒天のゼリー強度は250〜400g/cmであるといわれている。また、これらに加えて、寒天成分の分子を切断し、ゼリー強度を10〜250g/cmに調整した低強度寒天も知られている(特許第3023244号、特許第3414954号)。なお、ゼリー強度(日寒水式、寒天濃度1.5%)とは、寒天の1.5%溶液を調製し、20℃で15時間放置して凝固せしめたゲルについて、その表面1cm当たり20秒間耐え得る最大重量(g)をいう。
本発明において(B)成分として使用される寒天は、医薬品、食品または化粧品原料として使用される寒天であればよく、その形状も特に制限されない。溶解性から好ましくは粉末状、顆粒状またはフレーク状の寒天を挙げることができる。このような寒天は、例えば、伊那食品工業株式会社などから、商業的に入手することができる。例えば、伊那食品工業株式会社製の伊那寒天CS、伊那寒天CSG、ウルトラ寒天AXシリーズ,BXシリーズまたはUXシリーズ、およびウルトラ寒天イーナなどを好適に例示することができる。好ましくはゼリー強度が1.5%寒天濃度で10〜300g/cm、より好ましくは100〜300g/cmの寒天である。
(B)成分として寒天を使用する場合、本発明の増粘組成物における当該寒天の含有割合としては、(A)、(C)および(E)成分のもと、好ましくは(A)および(C)〜(E)成分のもとで、所望の粘稠性(増粘性)を発揮し、それが維持できる割合であればよく、その限りにおいて特に制限されない。例えば、通常0.05〜20質量%の範囲から適宜選択することができる。好ましくは0.1〜5質量%である。より具体的には、ゼリー強度が100〜300g/cmの寒天を使用する場合、本発明の増粘組成物における当該寒天の含有割合として、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜2質量%を例示することができる。なお、ゼリー強度が前記より小さい寒天を使用する場合は、前記の配合割合を基準としてそれよりも多く配合するように調整し、一方、ゼリー強度が前記より大きい寒天を使用する場合は、前記の配合割合を基準としてそれよりも少なく調整することなどにより、使用する寒天のゼリー強度に応じて配合割合を適宜設定することができる。
[水溶性セルロース]
水溶性セルロースは、水溶性を有するセルロース化合物(セルロース誘導体)である。具体的には、セルロースを苛性ソーダで処理後、塩化アルキル、酸化アルキレン等のエーテル化剤と反応させて得られる非イオン性の水溶性セルロースエーテルを挙げることができる。当該水溶性セルロースエーテルは、セルロースの繰り返し単位における水酸基の水素原子の一部をアルキル基やヒドロキシアルキル基等で置換させることで水素結合を消失させ、それにより水溶性としたものである。セルロースの水素原子の置換基として使用されるアルキル基およびヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基を好適に挙げることができる。
水溶性という観点から、水溶性セルロースにおけるグルコース環単位あたりに存在するアルコキシル基で置換された水酸基の平均個数は、特に制限されないものの、好ましくは0.5〜2.6の範囲を挙げることができる。また、水溶性セルロースにおけるグルコース環単位あたりに付加したヒドロキシアルコキシル基の平均モル数は、特に制限されないものの、好ましくは0.05〜3の範囲を挙げることができる。
水溶性セルロースとして、特に制限されないものの、具体的には、アルキルセルロース(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース等);ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等);ヒドロキシアルキルアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース[ヒプロメロース]等);カルボキシアルキルセルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース等);およびカルボキシアルキルヒドロキシセルロース(例えば、カルボキシメチルヒドロキシセルロース、カルボキシエチルヒドロキシセルロース等);並びにこれらのアルカリ金属塩を挙げることができる。
本発明で使用される水溶性セルロースは、化粧料などの外用組成物に使用できるものであり、また、(A)、(C)および(E)成分のもと、好ましくは(A)および(C)〜(E)成分のもとで、所望の粘稠性(増粘性)を発揮し、それが維持できるものであればよく、この限りにおいて、いずれの水溶性セルロースも(B)成分として使用することが可能である。前述する水溶性セルロースを一種単独で(B)成分として使用することもできるし、また、二種以上を任意に組み合わせて(B)成分として使用することもできる。なかでも好ましくは、アルコールとの親和性が高く、分散性もよいことから、ヒドロキシアルキルセルロース、およびヒドロキシアルキルアルキルセルロースである。より好ましくはヒドロキシアルキルセルロースである。
ヒドロキシアルキルセルロースとしては、好ましくはヒドロキシエチルセルロースを挙げることができる。また、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースとしては、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースを挙げることができる。これらのヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、より好適には2質量%水溶液(温度20℃)の粘度が2000〜10000mPa・s(B型回転粘度計、ローターNo.4、回転数3rpm、1分)であるものを例示することができる。
こうしたヒドロキシエチルセルロースは、例えば、「NATROSOL(登録商標)」(ウイルバー・エリス(株))、「SANHEC」(三晶(株))、「HECダイセル」のSEタイプ(SE400、SE550、SE600、SE850、SE900)およびEEタイプ(EE820)(以上、ダイセルファインケム(株))等として市販されている。また、ヒドロキシプロピルメチルセルロースも、例えば、「メトローズ(登録商標)」のSHタイプ(60SH、65SH、90SH)(信越化学工業(株))や「マーポローズ」の60MP−4000(松本油脂製薬(株))等として市販されており、いずれも商業的に入手することができる。
(B)成分として水溶性セルロースを使用する場合、本発明の増粘組成物における当該水溶性セルロースの含有割合としては、(A)、(C)および(E)成分のもと、好ましくは(A)および(C)〜(E)成分のもとで、所望の粘稠性(増粘性)を発揮し、それが維持できる割合であればよく、その限りにおいて特に制限されない。例えば、通常0.05〜20質量%の範囲から適宜選択することができる。好ましくは0.1〜10質量%である。より具体的には、2質量%水溶液(温度20℃)の粘度が上記範囲にあるヒドロキシアルキルセルロースまたはヒドロキシアルキルアルキルセルロースを使用する場合、本発明の増粘組成物における当該水溶性セルロースの含有割合として、好ましくは0.3〜5質量%、より好ましくは0.3〜3質量%を例示することができる。
[グルコマンナン]
グルコマンナンは、こんにゃくの主成分であり、主にグルコースとそのジアステレオマーであるマンノースとが一定の割合で結合した多糖類である。このためコンニャクマンナンとも称される。
本発明で使用されるグルコマンナンは、好ましくは化粧料などの外用組成物に使用できるものであり、また、(A)、(C)および(E)成分のもと、好ましくは(A)および(C)〜(E)成分のもとで、所望の粘稠性(増粘性)を発揮し、それが維持できるものであればよく、特に制限されるものではない。
こうしたグルコマンナンは、例えば、「プロポール(登録商標)A」、「レオレックス(登録商標)RS」、「レオレックス(登録商標)One」、「レオレックス(登録商標)LM」(以上、清水化学(株))等として市販されており、商業的に入手することができる。
(B)成分としてグルコマンナンを使用する場合、本発明の増粘組成物における当該グルコマンナンの含有割合としては、(A)、(C)および(E)成分のもと、好ましくは(A)および(C)〜(E)成分のもとで、所望の粘稠性(増粘性)を発揮し、それが維持できる割合であればよく、その限りにおいて特に制限されない。例えば、通常0.05〜20質量%の範囲から適宜選択することができる。好ましくは0.1〜3質量%である。
[サクシノグリカン]
サクシノグリカンは、微生物アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)がブドウ糖などを栄養源として菌体外に分泌した多糖類である。主鎖に4糖、側鎖に4糖の繰り返しユニットを構成し、側鎖にピルビン酸とコハク酸を持つためマイナスの電荷を帯びていることを特徴とする。構成成分の比率はグルコース:ガラクトース:コハク酸:ピルビン酸が約7:1:1:1で、分子量は100万程度と考えられている。
本発明で使用されるサクシノグリカンは、好ましくは化粧料などの外用組成物に使用できるものであり、また、(A)、(C)および(E)成分のもと、好ましくは(A)および(C)〜(E)成分のもとで、所望の粘稠性(増粘性)を発揮し、それが維持できるものであればよく、特に制限されるものではない。
こうしたサクシノグリカンは、例えば、「レオザン」(ソルベイ日華(株))として市販されており、商業的に入手することができる。
(B)成分としてサクシノグリカンを使用する場合、本発明の増粘組成物における当該サクシノグリカンの含有割合としては、(A)、(C)および(E)成分のもと、好ましくは(A)および(C)〜(E)成分のもとで、所望の粘稠性(増粘性)を発揮し、それが維持できる割合であればよく、その限りにおいて特に制限されない。例えば、通常0.05〜20質量%の範囲から適宜選択することができる。好ましくは0.1〜3質量%であり、より好ましくは0.3〜3質量%である。
(C)電解質
本発明において電解質とは、水中でイオン解離する化合物を意味する。その限りにおいて電解質の種類は特に限定されないが、例えば、乳酸、グルコン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クエン酸、フタル酸、酢酸、安息香酸、サリチル酸、没食子酸、ジエチルバルビツル酸、ヒアルロン酸等のカルボン酸類;例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸類;例えば、エタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、m-キシレンスルホン酸等の有機スルホン酸類;例えば、タウリン等のアミノスルホン酸類;例えば、塩酸等の無機酸類等の酸剤;例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、コカミドメチルモノエタノールアミン等のアルカノールアミン類;例えば、アンモニア、炭酸アンモニウム、リン酸二水素一アンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアンモニアおよびアンモニウム類;例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、硫酸マグネシウム等の無機塩基類等のアルカリ剤、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸カルシウム、塩化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、エデト酸二ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、硫酸モノエタノールアミン、1号珪酸ソーダ、2号珪酸ソーダ、3号珪酸ソーダ、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウレス−4カルボン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム(無水)、エチレンジアミンジコハク酸三ナトリウム、チオグリコール酸、臭素酸ナトリウム等の上記酸剤とアルカリ剤との中和生成塩、例えば、アスコルビン酸;例えば、リン酸L−アスコルビルナトリウム、リン酸L−アスコルビルマグネシウム等のアスコルビン酸誘導体、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム等の有効成分等が挙げられる。
これらの電解質のなかでも、化粧料への安定配合および肌塗布時の保水性、保湿性等の観点から、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、クエン酸、安息香酸、サリチル酸、ヒアルロン酸等のカルボン酸類;グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、コカミドメチルモノエタノールアミン等のアルカノールアミン類;水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の無機塩基類;塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸カルシウム等の酸剤とアルカリ剤との中和生成塩;アスコルビン酸;リン酸L−アスコルビルナトリウム、リン酸L−アスコルビルマグネシウム等のアスコルビン酸誘導体;グリチルリチン酸ジカリウムが好ましい。これらは一種単独で(C)成分として使用してもよいし、また、二種以上を任意に組み合わせて(C)成分として使用してもよい。
所望の粘稠性(増粘性)を有する増粘組成物を調製するうえで、特に好ましくは、二価以上の多価電解質である。一価電解質を用いる場合も、多価電解質を組み合わせて用いることが好ましい。かかる多価電解質としては、特に制限されないものの、例えば、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸L−アスコルビルマグネシウム、チオグリコール酸カルシウム等を例示することができる。
本発明の増粘組成物における当該(C)成分の含有割合としては、(A)、(B)および(E)成分のもと、好ましくは(A)、(B)、(D)および(E)成分のもとで、所望の粘稠性(増粘性)を発揮し、それが維持できる割合であればよく、その限りにおいて特に制限されない。例えば、通常0.1〜10質量%の範囲から適宜選択することができる。好ましくは0.3〜6質量%、より好ましくは0.4〜5質量%である。また、(C)成分として多価電解質を用いる場合、多価電解質の含有量をして0.05〜6質量%、好ましくは0.1〜5質量%を例示することができる。
また、電解質の配合量は、増粘組成物に含まれる(A)共重合体100質量部に対して、通常1〜3000質量部の範囲で設定調整することができる。好ましくは5〜2000質量部であり、より好ましくは10〜1000質量部である。
(E)水
本発明の増粘組成物において、水は、前述する(A)、(B)および(C)成分を溶解または分散させるための溶媒または分散媒となる成分である。水としては、化粧料などの外用組成物に適用し得る水であれば特に制限されない。例えば、蒸留水、精製水、イオン交換水(脱イオン水)、純水、超純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、および湧水などが挙げられる。好ましくは、電解質を含まない水、例えば、イオン交換水、純水、および超純水である。
本発明の増粘組成物における当該(E)成分の含有割合としては、(A)、(B)および(C)成分、好ましくは(A)、(B)、(C)および(D)成分を溶解または分散して、所望の粘稠性(増粘性)を発揮し、それが維持できる割合であればよく、その限りにおいて特に制限されない。例えば、通常1〜99質量%の範囲から適宜選択することができる。好ましくは50〜95質量%である。
本発明の増粘組成物は、前述する(A)〜(C)成分を(E)水に溶解または分散させることで調製することができる。特に制限されないものの、一例を挙げると、(E)水に(A)共重合体を少しずつ段階的に添加して溶解した後に、これに(C)電解質を添加して撹拌して溶解させる。(C)電解質を添加することで水溶液は粘稠性を帯び、増粘性を有する水溶液となる。これに(B)水溶性化合物を添加配合して撹拌溶解させる。(B)水溶性化合物は、必要に応じて、あらかじめ水に溶解して水溶液の状態にしておき、水溶液として添加配合することもできる。斯くして本発明の(A)〜(C)、および(E)成分を含有する増粘組成物を得ることができる。各成分の配合割合は、増粘組成物の粘度が、3000mPa・s以上、好ましくは8000mPa・s以上(B型回転粘度計、ローターNo.4,回転数3rpm、1分間、および品温20℃で測定。以下、同じ。)になるように、前述する割合を参考にして適宜設定することができる。当該粘度は、上限値も含めて、増粘組成物の用途やその形状に応じて、適宜選択調整することができる。粘度の上限値は、制限されないものの、例えば300000mPa・s、好ましくは250000mPa・s、より好ましくは200000mPa・sを挙げることができる。
例えば、増粘組成物を粘稠性のローション状または乳液状の外用組成物として用いる場合、好ましくは3000〜6000mPa・sの範囲、より好ましくは4000〜6000mPa・sの範囲に調整することができる。また、クリーム状の外用組成物として用いる場合、好ましくは10000〜50000mPa・sの範囲、より好ましくは30000〜50000mPa・sの範囲に調整することができる。さらにゲル状の外用組成物として用いる場合、好ましくは10000〜40000mPa・sの範囲、より好ましくは20000〜40000mPa・sの範囲に調整することができる。
なお、前述する(C)電解質として、酸剤またはアルカリ剤を用いることで、増粘組成物を所望のpHに調整することができる。特に制限されないが、増粘組成物を化粧料として用いる場合は、pH5〜9の範囲、なかでもpH6〜8となるように調整することが好ましい。この場合、特に制限されないものの、酸剤またはアルカリ剤を用いて、(A)共重合体を含む水溶液のpHを調整した後に、必要に応じて追加の(C)電解質(例えば、多価電解質)を添加配合することが好ましい。
斯くして調製される本発明の増粘組成物は、所望の用途および形状に応じて所望の粘稠性を有するように調整することができる。このため、取り扱い性、使用感、および/または塗布感が良好な外用組成物、特に化粧料として有用である。また、本発明の増粘組成物は安定性に優れており、保存時に経時的に生じ得る分離、離水および沈澱等の問題が生じにくいという特長を有する。
本発明の増粘組成物は、前述する(A)〜(C)および(E)成分を含むものであればよいが、これに(D)アルコールおよびノニオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも一種を配合し、(A)〜(E)成分を含む増粘組成物として調製することもできる。前述する(A)〜(C)および(E)成分を含有する本発明の増粘組成物は、これに(D)成分を配合しても、その粘稠性(増粘性)が大きく損なわれず、所望な程度に維持されていることを特長とする。また、本発明の増粘組成物は、(D)成分を配合しても、経時的安定性が損なわれず、良好であることも特長である。
(D)アルコールまたはノニオン性界面活性剤
[アルコール]
前述する本発明の増粘組成物に配合することができるアルコールとしては、通常、外用組成物、特に化粧料の原料として配合されるアルコールであって、前述する(A)〜(C)および(E)成分を含む組成物に溶解または分散して、所望の粘稠性(増粘性)を有するものであればよく、その限りにおいて、特に制限されない。
特に制限されないものの、かかるアルコールとしては、炭素数が5以下の低級アルコール、多価アルコール、および炭素数12〜24の一価の脂肪族アルコールを例示することができる。これらは1種単独で使用してもよいが、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
ここで炭素数が5以下の低級アルコールとしては、特に制限されないものの、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、ペンタノール、フェノキシエタノール等を挙げることができる。これらのアルコールは、特に制限されないものの、外用組成物においては、通常、可溶化剤、清涼剤、清浄剤、殺菌剤、収斂剤、および/または防腐剤等として用いられる。
また、多価アルコールとしては、特に制限されないものの、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオールなどのグリコール類;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどのグリセリン類;キシリトール、トレハロース、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、アラビトール、リビトール、ガラクチトール、グルシトール、エリトリトールなどの糖アルコールなどを例示することができる。
特に制限されないものの、多価アルコールの重量平均分子量は6000以下であることが好ましい。重量平均分子量はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出することができる。
グリコール類として、好ましくは1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール;グリセリン類として、好ましくはグリセリン、ジグリセリン;糖アルコールとして、好ましくはソルビトール、キシリトール、トレハロースを例示することができる。これらのアルコールは、特に制限されないものの、外用組成物においては、通常、保湿剤、艶感付与剤、および/または可溶化剤等として用いられる。
また、炭素数12〜24の一価の脂肪族アルコールとしては、特に制限されないものの、具体的には、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコールおよびバチルアルコールなどが挙げられる。これらのうち、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等は、固形の油分であり、例えば、製品を固化させたり、粘性を高めたりする目的で使用されるアルコールである。また、イソステアリルアルコールは液状の油分であり、肌を柔軟にするエモリエント剤や、乳液やクリーム等の乳化剤として使用されるアルコールである。なお、これらの油性のアルコールを配合する場合は、後述するノニオン性界面活性剤を併用することが好ましい。
本発明の増粘組成物に対する当該(D)アルコールの配合割合としては、(A)、(B)、(C)および(E)成分に溶解または分散して、前述する所望の粘度の範囲において粘稠性(増粘性)が維持できる割合であればよく、その限りにおいて特に制限されない。例えば、(A)〜(E)成分を含有する最終増粘組成物を100質量%とした場合、これに含まれる割合として0.01〜30質量%の範囲から適宜選択することができる。好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%、特に好ましくは1〜8質量%である。
[ノニオン性界面活性剤]
前述する本発明の増粘組成物に配合することができるノニオン性界面活性剤としては、通常、外用組成物、特に化粧料の原料として配合されるノニオン性界面活性剤であって、前述する(A)〜(C)および(E)成分を含む組成物に溶解または分散して、所望の粘稠性(増粘性)を有するものであればよく、その限りにおいて、特に制限されない。好ましくは外用組成物、特に化粧料一般に用いられるノニオン性界面活性剤である。
これらのノニオン性界面活性剤には、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)アルキルアリルエーテル、およびポリオキシエチレン(POE)ポリオキシプロピレングリコール等のエーテル型;多価アルコ−ルの脂肪酸エステルにエチレンオキシ(EO)を付加したエステルエーテル型;エステル型(例:RCOO−(CHCHO)H);アルカノールアミド型(例:RCON(CHCHOH));ポリグリセリン型;およびアミノ酸系のノニオン性界面活性剤が含まれる。これらは1種単独で使用してもよいが、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。具体的には、特に制限されないものの、POEアルキルエーテルとしてはPOEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、およびPOEオレイルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル等;アルキルグリセリルエーテルとしてはイソステアリルグリセリルエーテル等;エステル型としては、グリセリン脂肪酸エステル(例えば、モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、モノカプリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等)、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(モノラウリン酸PEG、モノステアリン酸PEG、ジステアリン酸PEG、ジステアリン酸エチレングリコール)等;エステルエーテル型としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル(モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(モノラウリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、トリステアリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、トリイソステアリン酸POEソルビタン等);アルカノールアミド型としては、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド;ポリグリセリン型としてはラウリン酸ポリグリセリル、ミリスチン酸ポリグリセリル、オレイン酸ポリグリセリル、ステアリン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸ポリグリセリル、パルミチン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリオレイン酸ポリグリセリル、トリステアリン酸ポリグリセリル、デカオレイン酸ポリグリセリル、ペンタヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル:アミノ酸系としてラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデス、ラウロイルグルタミン酸ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテルジステアレス、ピログルタミン酸イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を、制限なく例示することができる。なお、これらのノニオン性界面活性剤は、特に制限されないものの、例えば、花王株式会社、日光ケミカルズ株式会社、日油株式会社、日本エマルジョン株式会社等から、商業的に入手することができる。
特に制限されないものの、ノニオン性界面活性剤の重量平均分子量は2000以下であることが好ましい。当該重量平均分子量はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出することができる。
本発明の増粘組成物に対する当該(D)界面活性剤の配合割合としては、(A)、(B)、(C)および(E)成分に溶解または分散して、前述する所望の粘度の範囲において粘稠性(増粘性)が維持できる割合であればよく、その限りにおいて特に制限されない。例えば、(A)〜(E)成分(またはさらに前述するアルコール)を含有する最終増粘組成物を100質量%とした場合、これに含まれる割合として0.01〜20質量%の範囲から適宜選択することができる。好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。
前述するアルコールおよびノニオン性界面活性剤は、各々別々にまたは組み合わせて使用することもできる。これらの(D)成分は、前述する(A)〜(C)および(E)を含有する増粘組成物に添加配合してもよいし、(A)〜(C)および(E)を含有する増粘組成物を調整する途中で添加配合してもよい。斯くして調製される(A)〜(E)を含有する増粘組成物は、必要に応じてpH5〜9の範囲、好ましくはpH5〜8に調整することができる。また、当該増粘組成物は、前述するように、3000mPa・s以上、好ましくは8000mPa・s以上の粘度(B型回転粘度計、ローターNo.4,回転数3rpm、1分間、および品温20℃で測定。以下、同じ。)を有するように調整することができる。当該粘度は、上限値も含めて、増粘組成物の用途やその形状に応じて、適宜選択調整することができ、例えば、増粘組成物を粘稠性のローション状または乳液状の外用組成物として用いる場合、好ましくは3000〜6000mPa・sの範囲、より好ましくは4000〜6000mPa・sの範囲に;また、クリーム状の外用組成物として用いる場合、好ましくは10000〜50000mPa・sの範囲、より好ましくは30000〜50000mPa・sの範囲に;さらにゲル状の外用組成物として用いる場合、好ましくは10000〜40000mPa・sの範囲、より好ましくは20000〜40000mPa・sの範囲に調整することができる。
(II)増粘組成物の用途
前述する本発明の増粘組成物は、好ましくは外用組成物として用いることができる。より好ましくは皮膚または毛髪に使用される化粧料である。
ここで化粧料としては、例えば、化粧水、乳液、美容液、クリーム、クリームパック、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、クレンジングジェル、洗顔フォーム、ボディーシャンプー、ボディーローション、スタイリングジェル、育毛剤、発毛剤、抗フケ剤、アイライナー、マスカラ、ファンデーション、日焼け止め、保湿剤、美白剤、抗加齢剤、抗しわ剤等が挙げられる。
当該化粧料には、前述した成分のほかに化粧料分野で通常用いられる成分や添加剤が含まれていてもよい。これらの添加剤としては、例えば、保湿剤、柔軟剤、染毛剤、整髪剤、紫外線防止剤、美白剤、抗老化(アンチエイジング)剤、酸化防止剤、防腐剤、抗菌剤、pH調整剤、緩衝剤、界面活性剤、制酸剤、増泡剤、泡質改善剤、油剤、乳化剤、分散剤、粘度調整剤、帯電防止剤、色材、香料等の医薬部外品原料規格2006およびその追補に収録されている種々の成分が挙げられる。
本発明の増粘組成物は、化粧料用途以外にも、種々の用途に供することができる。例えば、外用の医薬品や医薬部外品(抗菌剤、抗真菌剤、う蝕予防剤、抗歯石剤、抗プラーク剤、ハップ剤、軟膏等)にも適用することができる。この場合、前述した成分のほかに、医薬品や医薬部外品の分野で通常用いられる成分や添加剤が含まれていてもよい。これらの成分や添加剤は、この分野で公知のものであればいずれのものも使用することができる。
(III)水溶性化合物の使用方法
本発明は、(B)寒天、水溶性セルロース、グルコマンナン、およびサクシノグリカンからなる群より選択される少なくとも一種の水溶性化合物の使用方法を提供する。当該(B)水溶性化合物は、前述する(A)、(C)および(E)成分を含む組成物に配合して使用されることで、前記組成物の安定性を維持しながら、その粘稠性(増粘性)を増大させることができる。また(A)、(C)および(E)成分に加えて(B)水溶性化合物を含有する増粘組成物は、これに(D)成分を配合しても、その粘稠性(増粘性)は大きく損なわれずに、所望の粘度を維持することができる。つまり、(B)水溶性化合物は、(A)、(C)および(E)成分を含む組成物、および(A)、(C)、(D)および(E)成分を含む組成物の粘稠性(増粘性)を改善し、維持する成分として有効に使用することができる。
本発明の方法で使用される(A)、(B)、(C)、(D)および(E)成分の種類やその割合は、前述した通りであり、その記載はここに援用することができる。
以上、本明細書において、「含む」および「含有する」の用語には、「からなる」および「から実質的になる」という意味が含まれる。
以下、本発明の構成および効果について、その理解を助けるために、実験例を用いて本発明を説明する。但し、本発明はこれらの実験例によって何ら制限を受けるものではない。以下の実験は、特に言及しない限り、室温(25±5℃)、および大気圧条件下で実施した。なお、以下の例中における%は、特記しない限り質量基準(Wt/Wt)%である。
参考製造例1 (A)アクリル酸エステル(A1)/アクリル酸(A2)共重合体(1)の合成
アクリル酸35g(0.49mol;富士フイルム和光純薬株式会社製)、2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレート10.69g(0.0256mol;ユニマテック株式会社製)、ジエチレングリコールジアリルエーテル0.1333g(0.72mmol;富士フイルム和光純薬株式会社製)およびジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート0.0734g(0.18mmol;製品名:パーカドックス16;化薬アクゾ株式会社製)をシクロヘキサン411mLおよび酢酸エチル45.7mLの混合溶媒中に投入し、溶液を均一に混合した。混合した溶液を窒素ガス雰囲気下で30分間バブリングし、溶液中に含まれる酸素を脱気した。その後、溶液を攪拌しながら、30分かけて55℃まで加熱し、同温度を維持しながら溶液をさらに1時間攪拌した。次いで、溶液を1時間30分かけて75℃まで加熱し、同温度を維持しながら溶液をさらに2時間攪拌した。攪拌後、溶液を室温まで冷却し、冷却することによって析出した共重合体(ポリマー)を濾取した後、濾取した共重合体を90〜110℃で8時間減圧乾燥することにより、アクリル酸エステル(A1)/アクリル酸(A2)の共重合体(1)42.43gを得た(収率:93%)。
参考製造例1における各成分の名称と各成分の割合(重量比、重量部、モル比およびモル量)を表1に示す。
参考製造例2〜20 (A)アクリル酸エステル(A1)/アクリル酸(A2)共重合体(2)〜(20)の合成
参考製造例2〜20では、表1に記載の成分を、各成分の割合(重量比、重量部、モル比およびモル量)が表1となるように使用した以外は、参考製造例1と同様の方法に準じて、アクリル酸エステル(A1)/アクリル酸(A2)共重合体(2)〜(20)を得た。参考製造例2〜20における各成分の名称と各成分の割合(重量比、重量部、モル比およびモル量)を表1に示す。
Figure 2021123592
参考実験例1〜3
(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体として、前記参考製造例1で得られた共重合体(1)、前記参考製造例3で得られた共重合体(3)または前記参考製造例13で得られた共重合体(13)を用いて、表3〜表5に記載する処方に従って参考試料1−1〜1−15を調製し、それらの粘度を測定した。
具体的には、脱イオン水に、共重合体(1)、共重合体(3)または共重合体(13)1gを、1/8量、1/8量、1/4量、および1/2量の順に段階的に濃度を上げながら加えて撹拌しながら溶解し、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHが7±1になるように調整した。この水溶液に硫酸マグネシウムを所定量添加し、撹拌しながら完全に溶解させることで、増粘した水溶液(増粘組成物)(参考試料1−1、1−6、1−11)を調製した。次いで、参考試料1−2〜1−4、1−7〜1−9、および1−12〜1−14には、それぞれ所定量のアルコール(グリセリン、1,3−ブチレングリコール、またはエタノール)を、また、参考試料1−5、1−10、および1−15には、所定量のノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)を添加し、撹拌溶解した後、脱イオン水にて全量を調整した(最終pH7±1)。
斯くして調製した参考試料1−1〜1−15について、粘度を測定し、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体と(C)電解質を含有する水溶液の粘度に対する、(D)成分の影響を評価した。
なお、粘度は、参考試料1−1〜1−15を品温20℃に調整し、B型回転粘度計(ローターNo.4)を用いて、回転数3rpmにて1分間撹拌して測定した(以下の実験例および処方例においても同じ)。増粘組成物としての粘度適性の評価基準を表2に、その結果を表3〜表5に示す。なお、表2には、組成物の粘度に対応した性状、および増粘組成物(特にゲル剤)としての使用適性(取り扱い性)についても記載する。
Figure 2021123592
Figure 2021123592
Figure 2021123592
Figure 2021123592
上記の実験により、参考製造例で製造した(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体は、それを水に添加配合して溶液状態にしても増粘しないものの、pHを中性に調整することで、また、さらに塩(電解質)を配合することで増粘し、増粘組成物として使用しやすい粘度に調整できることが確認された。しかし、溶解時(増粘時)に激しくゲル化するため、3質量%以上の溶解液(増粘液)を調整することは難しいことが確認された。このため、増粘組成物の調製に、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体は、3質量%未満、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、特に好ましくは1質量%程度の割合で使用することが好ましいと考えられる。
また、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体に(C)電解質を配合することで増粘させた組成物(増粘組成物)に、(D)アルコールまたはノニオン性界面活性剤を配合すると、増粘した粘度が低下し、増粘組成物としての使用適性が低減または消失することが判明した。
実験例1〜3 (B)寒天配合の評価(その1)
(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体として、前記参考製造例1で得られた共重合体(1)、前記参考製造例3で得られた共重合体(3)または前記参考製造例13で得られた共重合体(13)を用い、また、(B)水溶性化合物として寒天を用いて、表6〜表8に記載する処方に従って増粘組成物(被験試料1−1〜1−4、1−6〜1−9、1−11〜1−14)を調製し、粘度を測定した。
具体的には、参考実験例1〜3と同様に、脱イオン水に、共重合体(1)、共重合体(3)または共重合体(13)0.5gを段階的に加え、撹拌しながら溶解した。これに1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHが7±1になるように調整した後、さらに硫酸マグネシウムを所定量添加し、撹拌しながら完全に溶解させることで、増粘した水溶液を調製した。次いで、被験試料1−1〜1−4、1−6〜1−9、1−11〜1−14に、予め脱イオン水により撹拌溶解して水溶液状にした寒天を0.5%濃度になるように添加し、さらに被験試料1−2〜1−4、1−7〜1−9、1−12〜1−14には、それぞれ所定量のアルコール(グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エタノール)を添加し、撹拌溶解した後、脱イオン水にて全量を調整した(最終pH7±1)。
斯くして調製した被験試料1−1〜1−4、1−6〜1−9、1−11〜1−14について、調製後24時間経過した後に、参考実験例1〜3と同様の方法で粘度を測定し、アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体および電解質を含有する水溶液の粘度に対する、寒天とアルコールの影響を評価した。
また、アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体と電解質のみ含有し、寒天とアルコールはいずれも含有しない水溶液(被験試料1−5、1−10、1−15、pH7±1)、並びに寒天と電解質のみ含有し、アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体とアルコールはいずれも含有しない水溶液(被験試料1−16[pH12]、被験試料1−17[pH7.1])を調製して、同様に粘度を測定し、アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体および寒天のそれぞれに対する、電解質の影響を評価した。
結果を表6〜表8に併せて示す。評価基準は、前述する参考実験例1〜3と同じである(以下、同じ。)。
また、調製した増粘組成物(被験試料1−1〜1−17)を25℃の暗所に7日間静置保存し、分離の有無から保存安定性を評価した。なお、分離の有無は目視により判断した。
[保存安定性]
○:分離は認められない
×:分離が認められる(一部凝集し一部液状化して固液分離)
Figure 2021123592
Figure 2021123592
Figure 2021123592
表6〜表8に示すように、寒天は耐塩性が低く、寒天を溶解した水溶液に電解質である水酸化ナトリウムや硫酸マグネシウムを配合すると経時的に分離し、組成物としての粘度を測定することはできなかった(被験試料1−16および1−17)。これに対して、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体に寒天を配合し、さらにこれに(C)電解質を配合すると(被験試料1−1、1−6、1−11)、寒天の耐塩性が改善し、経時的な分離は生じないとともに、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体に(C)電解質だけを配合した場合(被験試料1−5、1−10、1−15)の粘度と比べて、相加を超えて相乗的に粘度が増大し、増粘組成物(この実験例の場合はゲル剤)として使用しやすい粘度に調整できることが確認された。(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体は、参考実験例1〜3において記載するように、中性領域で電解質を配合することで増粘する性質を有する化合物である。一方、(B)寒天は耐塩性が低く、電解質を配合すると増粘性が低下する性質を有する化合物である(寒天0.5%濃度の水溶液の粘度は、約3,000mPa・s)。このことから、(C)電解質の存在下で、前記(A)と(B)を併用することで、前記のように粘度が相加値を超えて増加することは予想外のことである。
また、被験試料1−1、1−6または1−11に、さらに各種の(D)アルコールを添加配合しても、増粘組成物(ゲル剤)として使用しやすい粘度に調整できることが確認された。いずれの被験試料も保存安定性は良好であった。
実験例4 (B)寒天配合の評価(その2)
実験例1〜3と同様に、(B)水溶性化合物として寒天を用いて、表9〜表11に記載する処方に従って増粘組成物(被験試料2−1〜2−12、最終pH7±1)を調製した。実験例1〜3と同様に調製後24時間経過した後に当該増粘組成物の粘度を測定し、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体および(C)電解質を含有する水溶液の粘度に対する、(B)寒天と(D)アルコ−ルの影響を評価した。また、実験例1〜3と同様に、保存安定性も併せて評価した。
結果を、保存安定性の結果も含めて、表9〜表11に併せて示す。
Figure 2021123592
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表9〜表11に示すように、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体と(B)寒天の配合割合を変えた場合でも、前述する実験例1〜3と同様に、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体と(B)寒天とを(C)電解質の存在下で併用することで、高い増粘効果が得られることが確認された(被験試料2−1、2−3、2−5、2−7、2−9および2−11)。その増粘効果は、(A)に対する(B)の割合を多くすることでより増加する傾向が認められた。
また、被験試料2−1、2−3、2−5、2−7、2−9または2−11に、さらに(D)アルコールを添加配合した場合でも(被験試料2−2、2−4、2−6、2−8、2−10または2−12)、参考実験例1〜3で確認されたような大きな粘度の低下はなく、増粘組成物(本実験例ではゲル剤)として使用しやすい粘度に調整できることが確認された。いずれの被験試料も保存安定性は良好であった。
実験例5 (B)寒天配合の評価(その3)
実験例1〜3と同様に、(B)水溶性化合物として寒天を用いて、表12〜表14に記載する処方に従って増粘組成物(被験試料3−1〜3−12、最終pH7±1)を調製し、実験例1〜3と同様に調製後24時間経過した後に粘度を測定した。被験試料3−2〜3−4、3−6〜3−8および3−10〜3−12には、それぞれ(D)ノニオン性界面活性剤として所定量のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(ニッコールHCO−60、日光ケミカルズ社製)を添加し、撹拌溶解した後、脱イオン水にて全量を調整した。
斯くして調製した被験試料3−1〜3−12について、粘度を測定し、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体、(B)寒天、および(C)電解質を含有する水溶液の粘度に対する、(D)ノニオン性界面活性剤の影響を評価した。また、実験例1〜3と同様に、保存安定性も併せて評価した。
結果を、保存安定性の結果も含めて、表12〜表14に併せて示す。
Figure 2021123592
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前述する実験例1〜3にて確認したように、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体と(B)寒天とを(C)電解質の存在下で併用した場合の増粘効果が高いため、これに(D)ノニオン性界面活性剤を配合した場合でも、増粘組成物(本実験例ではゲル剤)として使用しやすい粘度に調整できることが確認された。いずれの被験試料も保存安定性は良好であった。
実験例6 (B)セルロース配合の評価
(B)水溶性化合物として、寒天に代えてヒドロキシエチルセルロースを用いる以外は、実験例1〜3と同様にして、表15〜表17に記載する処方に従って増粘組成物(被験試料4−1〜4−13)(最終pH7±1)を調製し、実験例1〜3と同様に調製後24時間経過した後に粘度を測定した。
調製した被験試料4−1〜4−12について、粘度を測定し、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体および(C)電解質を含有する水溶液の粘度に対する、(B)ヒドロキシエチルセルロースおよび(D)アルコールの影響を評価した。
また、(B)ヒドロキシエチルセルロースと(C)電解質のみ含有し、(A)および(D)を含有しない水溶液(被験試料4−13)についても同様に粘度を測定し、(B)ヒドロキシエチルセルロースに対する電解質の影響を評価した。
結果を、保存安定性の結果も含めて、表15〜表17に併せて示す。
Figure 2021123592
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(B)ヒドロキシエチルセルロースは耐塩性が低く、電解質を配合すると増粘性が低下する性質を有する化合物である(ヒドロキシエチルセルロース0.5%濃度の水溶液の粘度は、約3,000mPa・s)。これに対して、表15〜表17に示すように、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体に(C)電解質とともに(B)ヒドロキシエチルセルロースを配合すると(被験試料4−1、4−5、4−9)、ヒドロキシエチルセルロースの耐塩性が改善されて、ヒドロキシエチルセルロースに電解質だけを配合した場合(被験試料4−13)や(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体に電解質だけを配合した場合(表6の被験試料1−5、表7の被験試料1−10および表8の被験試料1−15参照)と比べて、粘度が相加を超えて増大し、増粘組成物(本実験例ではゲル剤)として使用しやすい粘度に調製できることが確認された。このように(C)電解質の存在下で、前記(A)と(B)を併用することで、粘度が相加値を超えて増加することは予想外のことである。
また、被験試料4−1、4−5または4−9に、さらに各種の(D)アルコールを添加配合しても、大きな粘度の低下はなく、増粘組成物(ゲル剤)として使用しやすい粘度に調整できることが確認された(被験試料4−2〜4−4、4−6〜4−8、4−10〜4−12)。いずれの被験試料も保存安定性は良好であった。
実験例7 (B)グルコマンナン配合の評価
(B)水溶性化合物として寒天に代えてグルコマンナンを用いる以外は、実験例1〜3と同様にして、表18〜表20に記載する処方に従って増粘組成物(被験試料5−1〜5−13)(最終pH7±1)を調製して、粘度を測定した。
調製した被験試料5−1〜5−12について、実験例1〜3と同様に調製後24時間経過した後に粘度を測定し、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体および(C)電解質を含有する水溶液の粘度に対する、(B)グルコマンナンおよび(D)アルコールの影響を評価した。また、(B)マンナンと(C)電解質のみ含有し、(A)および(D)を含有しない水溶液(被験試料5−13)についても同様に粘度を測定し、(B)グルコマンナンに対する電解質の影響を評価した。
結果を、保存安定性の結果も含めて、表18〜表20に併せて示す。
Figure 2021123592
Figure 2021123592
Figure 2021123592
グルコマンナンは、前述するセルロース類と同様に、耐塩性が低く、電解質を配合すると増粘性が低下する性質を有する化合物である(グルコマンナン0.5%濃度の水溶液の粘度は、約6,000mPa・s)。これに対して、表18〜表20に示すように、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体に(C)電解質とともに(B)グルコマンナンを配合すると(被験試料5−1、5−5、5−9)、グルコマンナンの耐塩性が改善されて、グルコマンナンに電解質だけを配合した場合(被験試料5−13)や(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体に(C)電解質だけを配合した場合(表6の被験試料1−5、表7の被験試料1−10および表8の被験試料1−15参照)と比較して、粘度が相加を超えて増大し、増粘組成物(本実験例ではゲル剤)として使用しやすい粘度に調製できることが確認された。このように、(C)電解質の存在下で、前記(A)と(B)を併用することで、粘度が相加値を超えて増加することは予想外のことである。
また、被験試料5−1、5−5または5−9に、さらに各種の(D)アルコールを添加配合しても、大きな粘度の低下はなく、増粘組成物(ゲル剤)として使用しやすい粘度に調整できることが確認された(被験試料5−2〜5−4、5−6〜5−8、5−10〜5−12)。いずれの被験試料も保存安定性は良好であった。
実験例8 (B)サクシノグリカン配合の評価
(B)水溶性化合物として寒天に代えてサクシノグリカンを用いる以外は、実験例1〜3と同様にして、表21〜表23に記載する処方に従って増粘組成物(被験試料6−1〜6−13)(最終pH7±1)を調製し、粘度を測定した。
調製した被験試料6−1〜6−12について、実験例1〜3と同様に調製後24時間経過した後に粘度を測定し、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体および(C)電解質を含有する水溶液の粘度に対する、(B)サクシノグリカンおよび(D)アルコールの影響を評価した。また、(B)サクシノグリカンと(C)電解質のみ含有し、(A)および(D)を含有しない水溶液(被験試料6−13)についても同様に粘度を測定し、(B)サクシノグリカンに対する電解質の影響を評価した。
結果を、保存安定性の結果も含めて、表21〜表23に併せて示す。
Figure 2021123592
Figure 2021123592
Figure 2021123592
サクシノグリカンは、前述するセルロース類やグルコマンナンと同様に、耐塩性が低く、電解質を配合すると増粘性が低下する性質を有する化合物である(サクシノグリカン0.5%濃度の水溶液の粘度は、約6,000mPa・s)。これに対して、表21〜表23に示すように、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体に(C)電解質とともに(B)サクシノグリカンを配合すると(被験試料6−1、6−5、6−9)、サクシノグリカンの耐塩性が改善されて、サクシノグリカンに電解質だけを配合した場合(被験試料6−13)や(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体に(C)電解質だけを配合した場合(表6の被験試料1−5、表7の被験試料1−10および表8の被験試料1−15参照)と比較して、相加を超えて粘度が増大し、増粘組成物(本実験例ではゲル剤)として使用しやすい粘度に調製できることが確認された。このように、(C)電解質の存在下で、前記(A)と(B)を併用することで、粘度が相加値を超えて増加することは予想外のことである。
また、被験試料6−1、6−5または6−9に、さらに各種の(D)アルコールを添加配合しても、大きな粘度の低下はなく、増粘組成物(ゲル剤)として使用しやすい粘度に調整できることが確認された(被験試料6−2〜6−4、6−6〜6−8、6−10〜6−12)。いずれの被験試料も保存安定性は良好であった。
比較実験例1 カルボキシビニルポリマー配合の評価
(B)水溶性化合物に代えてカルボキシビニルポリマーを用いる以外は、実験例1〜3と同様にして、表24〜26に記載する処方に従って増粘組成物(比較試料1−1〜1−16)を調製し、粘度を測定した。
調製した比較試料1−1〜1−15について、実験例1と同様に調製後24時間経過した後に粘度を測定し、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体および(C)電解質を含有する水溶液の粘度に対する、カルボキシビニルポリマー、および(D)アルコールまたはノニオン性界面活性剤の影響を評価した。また、カルボキシビニルポリマーと(C)電解質のみ含有し、(A)および(D)を含有しない水溶液(比較試料1−16)についても同様に粘度を測定し、カルボキシビニルポリマーに対する電解質の影響を評価した。
結果を、保存安定性の結果も含めて、表24〜26に併せて示す。
Figure 2021123592
Figure 2021123592
Figure 2021123592
カルボキシビニルポリマーは、耐塩性が低く電解質の影響を受けて経時的に凝集し分離することが知られている化合物である(比較試料1−16)。
表24〜表26に示すように、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体にカルボキシビニルポリマーを配合し、さらにこれに(C)電解質を配合すると(比較試料1−1、1−6、1−11)、粘度は、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体に(C)電解質だけを配合した場合(表6の被験試料1−5、表7の被験試料1−10および表8の被験試料1−15参照)と比べて、相加を超えて相乗的に増大することが確認された。しかし、保存安定性は不良であり、カルボキシビニルポリマーは、実験例1〜8で示した各種の(B)水溶性化合物とは異なり、(A)および(C)を配合しても(比較試料1−1、1−6、1−11)、また、(A)、(C)および(D)成分を配合しても(比較試料1−2〜1−5、1−7〜1−10、1−12〜1−15)凝集してしまい、保存安定性は極めて不良であった。
比較実験例2 ペクチン配合の評価
(B)水溶性化合物に代えてペクチンを用いる以外は、実験例1〜3と同様にして、表27〜29に記載する処方に従って組成物(比較試料2−1〜2−16)を調製し、粘度を測定した。
調製した比較試料2−1〜2−15について、実験例1と同様に調製後24時間経過した後に粘度を測定し、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体および(C)電解質を含有する水溶液の粘度に対する、ペクチン、および(D)アルコールまたはノニオン性界面活性剤の影響を評価した。また、ペクチンと(C)電解質のみ含有し、(A)および(D)を含有しない水溶液(比較試料2−16)についても同様に粘度を測定し、ペクチンに対する電解質の影響を評価した。
結果を、保存安定性の結果も含めて、表27〜29に併せて示す。
Figure 2021123592
Figure 2021123592
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表27〜表29に示すように、比較試料2−1〜2−16は総じて粘度がなく、保存した際は濁った状態となった。
比較実験例3 グアーガム配合の評価
(B)水溶性化合物に代えてグアーガムを用いる以外は、実験例1〜3と同様にして、表30〜32に記載する処方に従って組成物(比較試料3−1〜3−16)を調製し、粘度を測定した。
調製した比較試料3−1〜3−15について、実験例1と同様に調製後24時間経過した後に粘度を測定し、(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体および(C)電解質を含有する水溶液の粘度に対する、グアーガム、および(D)アルコールまたはノニオン性界面活性剤の影響を評価した。また、グアーガムと(C)電解質のみ含有し、(A)および(D)を含有しない水溶液(比較試料3−16)についても同様に粘度を測定し、グアーガムに対する電解質の影響を評価した。
結果を、保存安定性の結果も含めて、表30〜32に併せて示す。
Figure 2021123592
Figure 2021123592
Figure 2021123592
表30〜表32に示すように、比較試料3−1〜3−16は総じて保存安定性が悪く、保存中にゲルが分離したり、モヤ状の沈殿物が生じる等の現象がみられた。
比較実験例4 架橋型ポリアクリル酸配合の評価
(A)アクリル酸エステル/アクリル酸共重合体に代えて市販の架橋型ポリアクリル酸(ハイビスワコー104:富士フイルム和光純薬(株)製)を用いる以外は、実験例1〜3と同様にして、表33に記載する処方に従って組成物(比較試料4−1〜4−6)を調製し、粘度を測定した。
調製した比較試料4−1〜4−6について、実験例1と同様に調製後24時間経過した後に粘度を測定し、架橋型ポリアクリル酸および(C)電解質を含有する水溶液の粘度に対する、寒天、および(D)アルコールの影響を評価した。また、寒天と(C)電解質のみ含有し、架橋型ポリアクリル酸および(D)を含有しない水溶液(比較試料4−6)についても同様に粘度を測定し、寒天に対する電解質の影響を評価した。
結果を、保存安定性の結果も含めて、表33に併せて示す。
Figure 2021123592
表33に示すように、架橋型ポリアクリル酸に(B)水溶性化合物として寒天を配合することで増粘するものの(比較試料4−1)、これに(D)アルコールを配合すると、保存安定性が低下し、保存中に分離が見られる等の現象が生じた。
処方例1〜9
下記表34〜表42に記載する処方により、美白ゲル(処方例1)、抗炎症ゲル(処方例2)、美白エッセンス(処方例3、7および8)、美白ローション(処方例4)、除毛ゲル(処方例5)、消毒ゲル(処方例6)、歯磨きゲル(処方例9)を調製することができる。なお、各表の下に記載する粘度(品温20℃に調整し、B型回転粘度計(ローターNo.4)を用いて、回転数3rpmにて1分間撹拌して測定)は、(A)共重合体として、参考製造例1で得られたアクリル酸エステル/アクリル酸共重合体(共重合体(1))、参考製造例3で得られたアクリル酸エステル/アクリル酸共重合体(共重合体(3))および参考製造例13で得られたアクリル酸エステル/アクリル酸共重合体(共重合体(13))を用いた場合のものである。他の共重合体(1)〜(20)を用いた場合でも、粘度3000〜40000mPa・sの範囲となるように調製することができる。
Figure 2021123592
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Claims (11)

  1. (A)(A1)一般式[A1]で示されるアクリル酸エステル:
    Figure 2021123592
    (式中、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、mは2〜4の整数を表す。)、および
    (A2)一般式[A2]で示されるアクリル酸:
    Figure 2021123592
    (式中、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
    を構成成分とし、前記アクリル酸エステル(A1)と前記アクリル酸(A2)との割合(モル比)が、(A1)/(A2)=2:98〜6:94であるアクリル酸エステル/アクリル酸共重合体、
    (B)寒天、水溶性セルロース、グルコマンナン、およびサクシノグリカンからなる群より選択される少なくとも一種の水溶性化合物、
    (C)電解質、および
    (E)水
    を含有する、増粘組成物。
  2. 前記(A)アクリル酸エステル(A1)/アクリル酸(A2)共重合体が、さらに(A3)エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を構成成分として含むものである、請求項1に記載する増粘組成物。
  3. 前記(C)電解質が多価電解質である、請求項1または2に記載する増粘組成物。
  4. (A)成分の含有量が3質量%未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載する増粘組成物。
  5. 前記(C)電解質の含有量が0.1〜10質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載する増粘組成物。
  6. 前記(B)水溶性化合物の含有量が0.05〜20質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載する増粘組成物。
  7. さらに(D)アルコールおよびノニオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1つを含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載する増粘組成物。
  8. 品温20℃の粘度(B型回転粘度計、ローターNo.4、回転数3rpm)が3,000mPa・sより大きいことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載する増粘組成物。
  9. 前記増粘組成物が、液状、ゲル状、またはクリーム状のいずれかの形状を有するものである請求項1〜8のいずれか一項に記載する増粘組成物。
  10. 前記増粘組成物が外用組成物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載する増粘組成物。
  11. 下記の(A)、(C)および(E)を含む組成物、または(A)、(C)、(D)および(E)を含む組成物に、(B)寒天、水溶性セルロース、マンナン、およびサクシノグリカンからなる群より選択される少なくとも一種の水溶性化合物を配合することで、前記組成物の増粘性を改良または維持することを特徴とする、前記(B)水溶性化合物の使用方法:
    (A)(A1)一般式[A1]で示されるアクリル酸エステル:
    Figure 2021123592
    (式中、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、mは2〜4の整数を表す。)、および
    (A2)一般式[A2]で示されるアクリル酸:
    Figure 2021123592
    (式中、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
    を構成成分とし、前記アクリル酸エステル(A1)と前記アクリル酸(A2)との割合(モル比)が、(A1)/(A2)=2:98〜6:94であるアクリル酸エステル/アクリル酸共重合体、
    (C)電解質、
    (D)アルコールおよびノニオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1つ、および
    (E)水。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023033127A1 (ja) * 2021-09-03 2023-03-09 富士フイルム和光純薬株式会社 乳化組成物、該組成物を含有する皮膚外用剤および化粧料

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