JP2021123164A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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智一 安永
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Abstract

【課題】雪上でのトラクション性能の向上を図る。【解決手段】空気入りタイヤは、トレッドに形成された第1方向に延びた第1溝3Aと、少なくとも第1溝3Aによって画定された陸部と、第1方向に交差する第2方向に延び、その一方の端部が第1溝3Aに連通するように陸部に形成された複数の第2溝とを備える。陸部は、複数のブロック片12A,22Aと、1つのブロック片12A,22Aを分断するように形成された少なくとも1つの分断サイプ13A,23とを備える。ブロック片12A,22Aは、本体部14A,24と、本体部14A,24から分断サイプ13A,23によって分断された分割片15A,25とを備える。分断サイプ13A,23は、タイヤ径方向内側に向かって、第1溝3A側に傾いて延びている。分割片15A,25には、タイヤ径方向外側に突出した突起16A,26が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
特許文献1の空気入りタイヤは、陸部の表面に設けられた複数の突起を備える。この空気入りタイヤでは、氷雪路面とトレッド面との間に介在する水を突起間に形成された水路に通して排水することで、排水性能を確保しつつ、実質的な接地面を確保して、氷雪上でのトラクション性能の向上を図っている。
特開2012−40976号公報
しかし、特許文献1では、トレッドに形成された溝内における雪柱せん断力を向上して雪上性能を向上することについては考慮されていない。
本発明は、空気入りタイヤにおいて、雪上性能の向上を図ることを目的とする。
本発明の一態様は、トレッドに形成された第1方向に延びた第1溝と、少なくとも前記第1溝によって画定された陸部と前記第1方向に交差する第2方向に延び、その一方の端部が前記第1溝に連通するように前記陸部に形成された複数の第2溝と、を備え、前記陸部は、少なくとも前記第1溝及び前記第1方向に隣接する2つの前記第2溝によって画定された複数のブロック片と、前記第2溝に交差する方向に延び、1つの前記ブロック片を分断するように形成された少なくとも1つの分断サイプとを備え、少なくとも1つの前記ブロック片は、本体部と、前記本体部から分断され、少なくとも、前記第1溝、前記第2溝、及び前記分断サイプによって画定された分割片とを備え、前記分断サイプは、タイヤ径方向内側に向かって、前記第1溝側に傾いて延びており、前記分割片には、タイヤ径方向外側に突出した突起が設けられている、空気入りタイヤを提供する。
トレッドが接地した際に、突起が押し込まれると、分割片は、分断サイプに沿って押し込まれて、第1溝に突出するように変形する。例えば、本発明に係る空気入りタイヤが雪上で使用された場合には、第1溝に突出するように変形した分割片が、第1溝内に踏み固められた雪柱に対して、雪柱せん断力を増大させやすい。これにより、本発明に係る空気入りタイヤによれば、雪上性能の向上を図れる。
前記第1方向は、タイヤ周方向であってもよく、前記第1溝は、タイヤ周方向に延びた主溝であってもよい。
一般に、雪柱せん断力は、タイヤ幅方向溝において効果的に発生し、主溝のようなタイヤ周方向溝は、タイヤ幅方向溝と比較して雪柱せん断力への寄与が少ない。この構成によれば、タイヤ周方向に延びた主溝において、タイヤ幅方向に向かって主溝に突出するように変形した分割片により雪柱せん断力を発揮できるので、トラクション性能の向上を図れる。
前記第1方向は、タイヤ幅方向であってもよく、前記第1溝は、タイヤ幅方向に延びたタイヤ幅方向溝であってもよい。
本実施形態によれば、タイヤ周方向に向かってタイヤ幅方向溝に突出するように変形した分割片により、タイヤ幅方向溝において雪柱せん断力を発揮できるので、雪上での旋回性能の向上を図れる。
複数の前記ブロック片のうち、前記分断サイプが設けられた前記ブロック片に前記第1方向において隣接する前記ブロック片には、前記分断サイプ及び前記突起が設けられていないことが好ましい。
原則、ブロック片の分割片が第2方向に向かって第1溝に突出すると、トレッドの第2方向のエッジ成分は増大する。しかし、仮に、分断サイプが設けられ、突起が設けられた分割片を有する2つのブロック片を第1方向に隣接して配置した場合であっても、1つのブロック片を配置した場合と比較して、第2方向のエッジ成分はほとんど増加しない。これに対して、この構成では、分断サイプが設けられ、突起が設けられた分割片を有するブロック片に、第1方向において隣接するブロック片には、分断サイプに相当するサイプが設けられていない。これにより、複数のブロック片のそれぞれが、第2方向のエッジ成分を十分に増大するので、トラクション性能の向上を図れる。
前記突起と前記分断サイプとの間の距離は、前記突起と前記第1溝との間の距離よりも短いことが好ましい。
突起と分断サイプとの間の距離が、突起と第1溝との間の距離よりも長い場合、トレッドが接地した場合に、分割片が第1溝側に倒れ込むように変形することがある。これに対して、突起と分断サイプとの間の距離が、突起と第1溝との間の距離よりも短いため、トレッドが接地した場合に、分割片が第1溝側に倒れ込むように変形することを抑制できる。
前記第1溝と前記分断サイプとの間の距離は、前記第2方向における前記陸部の寸法の1/4以下であってもよい。
前記陸部は、タイヤ幅方向における両側がタイヤ周方向に延びたタイヤ周方向溝によって画定されていてもよい。
一般に、直進加速時において、タイヤ幅方向の両側がタイヤ周方向に延びたタイヤ周方向溝によって画定された陸部での接地圧力は、タイヤ幅方向の一方側のみがタイヤ周方向溝によって画定された陸部(例えば、トレッドのショルダー部分)での接地圧力よりも高くなる。この構成によれば、直進加速時において十分な接地圧力が作用する陸部に、分断サイプが設けられたブロック片が設けられている。これにより、ブロック片の分割片を第1溝により確実に突出させられる。その結果、第1溝において雪柱せん断力をより確実に発生させられる。
複数の前記第2溝は、前記陸部を複数のブロックに分断する太溝と、前記太溝よりも細い細溝とを含んでいてもよく、複数の前記ブロック片のうち、前記分断サイプが設けられた前記ブロック片は、少なくとも前記第1溝と、前記太溝と、前記第1方向において前記太溝に隣接する前記細溝とによって画定されていてもよい。
一般に、雪柱せん断力は、タイヤ周方向溝と、タイヤ幅方向溝との交差部において効果的に発生する。この構成によれば、分割片が、第1溝と、太溝と、第1方向においてこの太溝と隣接した細溝と、分断サイプとによって画定されている。つまり、トレッドが接地したときに、この分割片は、第1溝と太溝との交差部に突出するように変形する。これにより、雪柱せん断力の向上をより効果的に図れる。
前記陸部は、前記第1溝を挟んで2つ設けられていてもよく、一方の前記陸部に設けられた複数の前記ブロック片のうち、前記分断サイプが設けられた前記ブロック片と、他方の前記陸部に設けられた複数の前記ブロック片のうち、前記分断サイプが設けられた前記ブロック片とは、前記第1方向においてずれた位置に設けられていてもよい。
この構成によれば、トレッドが接地したとき、一方の陸部に設けられたブロック片の分割片と、他方の陸部に設けられたブロック片の分割片とは、第1方向にずれた位置において、第1溝に突出するように変形し、雪柱せん断力を発生させる。つまり、第1方向において断続的に雪柱せん断力を発揮できる。
本発明によれば、空気入りタイヤにおいて、雪上性能の向上を図れる。
本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの展開図。 図1の部分拡大図。 図2のIII−III線に沿った断面図。 第1実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドが接地した状態のトレッドの展開図。 図4のV−V線に沿った断面図。 本発明の第2実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの模式的な展開図。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド2の展開図である。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、スノータイヤである。
図において、タイヤ周方向を符号TCで示し、タイヤ幅方向を符号TWで示し、タイヤ径方向を符号TRで示す。また、トレッド2のタイヤ幅方向の中心線(赤道線)を符号CLで示す。さらに、トレッド2のタイヤ幅方向両端の接地端を、符号GE1,GE2で示す。
図1を参照すると、本実施形態のトレッド2のタイヤ幅方向の中央領域には、タイヤ周方向に延びる2本のセンター主溝3A,3Bが形成されている。また、2本のセンター主溝3A,3Bは、トレッド2のタイヤ幅方向の中心線CLを挟んで設けられている。本実施形態の2本のセンター主溝3A,3Bは、タイヤ径方向視で、一定の溝幅を有する直線状である。2本のセンター主溝3A,3Bは、直線状に限定されず、蛇行状又はジグザグ状であってもよい。本実施形態のセンター主溝3A,3Bは、本発明に係る第1溝の一例である。また、本実施形態のタイヤ周方向は、本発明に係る第1方向の一例である。また、以下の説明では、センター主溝3A,3Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単にセンター主溝3という場合がある。
本実施形態のトレッド2のタイヤ幅方向の中央領域には、タイヤ周方向に間隔を開けて複数の複数のセンター横溝4が設けられている。センター横溝4は、タイヤ幅方向に延びた直線状である。センター横溝4の一端は、センター主溝3Aに連通しており、センター横溝4の他端は、センター主溝3Bに連通している。本実施形態のセンター横溝4は、本発明に係る第2溝及び太溝の一例である。また、本実施形態のタイヤ幅方向は、本発明に係る第2方向の一例である。
トレッド2のタイヤ幅方向の中央領域には、2本のセンター主溝3A,3Bと、タイヤ周方向に隣接した2つのセンター横溝4によって、1個のセンターブロック10が画定されている。センターブロック10は、中心線CL上に配置されている。また、複数のセンターブロック10が、タイヤ周方向に間隔を開けて並んで配置されている。本実施形態では、空気入りタイヤ1の全周に渡って、タイヤ周方向に並んで設けられた複数のセンターブロック10によってセンターブロック列10Lが構成されている。本実施形態のセンターブロック列10Lは、本発明に係る陸部の一例である。
また、センター主溝3のタイヤ幅方向外側には、タイヤ周方向に延びる2本のショルダー主溝5A,5Bが形成されている。本実施形態のショルダー主溝5A,5Bは、タイヤ径方向視で、一定の溝幅を有する直線状である。ショルダー主溝5Aは、センター主溝3Aのタイヤ幅方向外側(接地端GE1側)に配置されている。同様に、ショルダー主溝5Bは、センター主溝3Bのタイヤ幅方向外側(接地端GE2側)に配置されている。また、以下の説明では、ショルダー主溝5A,5Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単にショルダー主溝5という場合がある。
センター主溝3のタイヤ幅方向外側の領域には、タイヤ周方向に間隔を開けて複数のクォーター横溝6A,6Bが設けられている。本実施形態のクォーター横溝6A,6Bは、本発明に係る第2溝及び太溝の一例である。また、以下の説明では、クォーター横溝6A,6Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単にクォーター横溝6という場合がある。
クォーター横溝6Aは、タイヤ径方向視で、概ねタイヤ幅方向に延びた直線状である。また、クォーター横溝6Aの一端は、センター主溝3Aに連通しており、クォーター横溝6Aの他端は、ショルダー主溝5Aに連通している。
同様に、クォーター横溝6Bは、タイヤ径方向視で、概ねタイヤ幅方向に延びた直線状である。また、クォーター横溝6Bの一端は、センター主溝3Bに連通しており、クォーター横溝6Bの他端は、ショルダー主溝5Bに連通している。
また、センター主溝3のタイヤ幅方向外側の領域には、タイヤ周方向に間隔を開けて複数の縦溝7A,7Bが設けられている。縦溝7A,7Bはタイヤ周方向に延びたジグザグ状である。縦溝7Aの両端は、タイヤ周方向に隣接する2つのクォーター横溝6Aのそれぞれに連通している。同様に、縦溝7Bの両端は、タイヤ周方向に隣接する2つのクォーター横溝6Bのそれぞれに連通している。また、以下の説明では、縦溝7A,7Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単に縦溝7という場合がある。
センター主溝3Aのタイヤ幅方向外側(接地端GE1側)の領域には、センター主溝3Aと、縦溝7Aと、タイヤ周方向に隣接した2つのクォーター横溝6Aとによって、1個の第1クォーターブロック20Aが画定されている。また、複数の第1クォーターブロック20Aが、タイヤ周方向に間隔を開けて並んで配置されている。本実施形態では、タイヤ周方向に並んで設けられた複数の第1クォーターブロック20Aによって第1クォーターブロック列20LAが構成されている。本実施形態の第1クォーターブロック列20LAは、本発明に係る陸部の一例である。
同様に、センター主溝3Bのタイヤ幅方向外側(接地端GE2側)の領域には、センター主溝3Bと、縦溝7Bと、タイヤ周方向に隣接した2つのクォーター横溝6Bとによって、1の第1クォーターブロック20Bが画定されている。また、複数の第1クォーターブロック20Bが、タイヤ周方向に間隔を開けて並んで配置されている。本実施形態では、タイヤ周方向に並んで設けられた複数の第1クォーターブロック20Bによって第1クォーターブロック列20LBが構成されている。本実施形態の第1クォーターブロック列20LBは、本発明に係る陸部の一例である。
以下の説明では、第1クォーターブロック20A,20Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単に第1クォーターブロック20という場合がある。
また、センター主溝3Aのタイヤ幅方向外側(接地端GE1側)の領域には、縦溝7Aと、ショルダー主溝5Aと、タイヤ周方向に隣接する2つのクォーター横溝6Aによって1つの第2クォーターブロック30Aが画定されている。また、複数の第2クォーターブロック30Aが、タイヤ周方向に間隔を開けて並んで配置されている。本実施形態では、タイヤ周方向に並んで設けられた複数の第2クォーターブロック30Aによって第2クォーターブロック列30LAが構成されている。
また、センター主溝3Bのタイヤ幅方向外側(接地端GE2側)の領域には、縦溝7Bと、ショルダー主溝5Bと、タイヤ周方向に隣接する2つのクォーター横溝6Bによって、1つの第2クォーターブロック30Bが画定されている。また、複数の第2クォーターブロック30Bが、タイヤ周方向に間隔を開けて並んで配置されている。本実施形態では、タイヤ周方向に並んで設けられた複数の第2クォーターブロック30Bによって第2クォーターブロック列30LBが構成されている。
以下の説明では、第2クォーターブロック30A,30Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単に第2クォーターブロック30という場合がある。
ショルダー主溝5のタイヤ幅方向外側の領域には、タイヤ周方向に間隔を開けて複数のショルダー横溝8A,8Bが設けられている。また、以下の説明では、ショルダー横溝8A,8Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単にショルダー横溝8という場合がある。
本実施形態のショルダー横溝8Aは、タイヤ径方向視で、概ねタイヤ幅方向に延びた直線状である。ショルダー横溝8Aは、接地端GE1を跨いで延びている。また、ショルダー横溝8Aの一端は、ショルダー主溝5Aに連通しており、ショルダー横溝8Aの他端は、接地端GE1よりもタイヤ幅方向外側に位置している。
本実施形態のショルダー横溝8Bは、タイヤ径方向視で、概ねタイヤ幅方向に延びた直線状である。ショルダー横溝8Bは、接地端GE2を跨いで延びている。また、ショルダー横溝8Bの一端は、ショルダー主溝5Bに連通しており、ショルダー横溝8Bの他端は、接地端GE2よりもタイヤ幅方向外側に位置している。
ショルダー主溝5Aよりタイヤ幅方向外側(接地端GE1側)の領域には、ショルダー主溝5Aと、タイヤ周方向に隣接した2つのショルダー横溝8Aによって、1つのショルダーブロック40Aが画定されている。また、複数のショルダーブロック40Aが、タイヤ周方向に間隔を開けて並んで配置されている。本実施形態では、タイヤ周方向に並んで設けられた複数のショルダーブロック40Aによって、ショルダーブロック列40LAが構成されている。
同様に、ショルダー主溝5Bよりタイヤ幅方向外側(接地端GE2側)の領域には、ショルダー主溝5Bと、タイヤ周方向に隣接した2つのショルダー横溝8Bによって、1つのショルダーブロック40Bが画定されている。また、複数のショルダーブロック40Bが、タイヤ周方向に間隔を開けて並んで配置されている。本実施形態では、タイヤ周方向に並んで設けられた複数のショルダーブロック40Bによって、ショルダーブロック列40LBが構成されている。
以下の説明では、ショルダーブロック40A,40Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単にショルダーブロック40という場合がある。
図2は、本実施形態に係るトレッド2の要部を拡大した展開図である。図2では、センターブロック10と、センターブロック10の接地端GE1(図1に示す)側の第1クォーターブロック20Aを示している。以下の説明において、主にセンターブロック10と、第1クォーターブロック20Aについて言及するが、第1クォーターブロック20B(図1に示す)は、第1クォーターブロック20Aと同様の構成を有している。
図2を参照すると、センターブロック10には、タイヤ周方向に間隔を開けて複数のセンターサイプ11が設けられている。センターサイプ11は、タイヤ径方向視で、概ねタイヤ幅方向に延びた波状である。センターサイプ11の一端は、センター主溝3Aに連通しており、センターサイプ11の他端は、センター主溝3Bに連通している。本実施形態のセンターサイプ11は、本発明に係る第2溝及び細溝の一例である。
センターブロック10には、2本のセンター主溝3A,3Bと、タイヤ周方向に隣接する2つのセンターサイプ11によって、1つのセンターブロック片12が画定されている。また、センターブロック10には、図示しないが、2本のセンター主溝3A,3Bと、センター横溝4(図1に示す)と、このセンター横溝4にタイヤ周方向において隣接したセンターサイプ11とによって1つのセンターブロック片12が画定されている。複数のセンターブロック片12が、タイヤ周方向に間隔を開けて並んで配置されている。
センターブロック片12Aには、センターブロック片12Aを分断するように形成された分断サイプ13Aが設けられている。分断サイプ13Aは、タイヤ径方向視で、タイヤ周方向に延びた直線状である。また、分断サイプ13Aの両端は、タイヤ周方向に隣接した2つのセンターサイプ11のそれぞれに連通している。もしくは、分断サイプ13Aの一端は、センター横溝4(図1に示す)に連通していてもよく、分断サイプ13Aの他端は、タイヤ周方向においてこのセンター横溝4に隣接したセンターサイプ11に連通していてもよい。
また、センター主溝3Aと分断サイプ13Aとの間の距離D1は、センターブロック10のタイヤ幅方向の寸法W1の1/4以下である。言い換えれば、分断サイプ13Aは、センター主溝3Aからの距離が、センターブロック10のタイヤ幅方向の寸法W1の1/4以内の範囲に設けられている。
センターブロック片12Aは、分断サイプ13Aによって、本体部14Aと、分割片15Aとに区画されている。分割片15Aは、センター主溝3Aと、タイヤ周方向に隣接した2つのセンターサイプ11と、分断サイプ13Aとによって画定されている。もしくは、分割片15Aは、センター主溝3Aと、センター横溝4(図1に示す)と、タイヤ周方向においてこのセンター横溝4と隣接したセンターサイプ11と、分断サイプ13Aとによって画定されていてもよい。
分割片15Aには、タイヤ径方向外側に突出した突起16Aが設けられている。本実施形態の突起16Aは、空気入りタイヤ1を加硫成型する際に発生したスピューである。また、突起16Aと分断サイプ13Aとの間の距離D2は、突起16Aとセンター主溝3Aとの間の距離D3よりも短い。言い換えれば、突起16Aは、センター主溝3Aよりも分断サイプ13Aに近い位置に設けられている。
同様に、センターブロック片12Bには、センターブロック片12Bを分断するように形成された分断サイプ13Bが設けられている。分断サイプ13Bは、タイヤ径方向視で、タイヤ周方向に延びた直線状である。また、分断サイプ13Bの両端は、タイヤ周方向に隣接した2つのセンターサイプ11のそれぞれに連通している。もしくは、分断サイプ13Bの一端は、センター横溝4(図1に示す)に連通していてもよく、分断サイプ13Bの他端は、タイヤ周方向においてこのセンター横溝4に隣接したセンターサイプ11に連通していてもよい。
また、センター主溝3Bと分断サイプ13Bとの間の距離D4は、センターブロック10のタイヤ幅方向の寸法W1の1/4以下である。言い換えれば、分断サイプ13Bは、センター主溝3Bからの距離が、センターブロック10のタイヤ幅方向の寸法W1の1/4以内の範囲に設けられている。
センターブロック片12Bは、分断サイプ13Bによって、本体部14Bと、分割片15Bとに区画されている。分割片15Bは、センター主溝3Bと、タイヤ周方向に隣接した2つのセンターサイプ11と、分断サイプ13Bとによって画定されている。もしくは、分割片15Bは、センター主溝3Bと、センター横溝4(図1に示す)と、タイヤ周方向においてこのセンター横溝4と隣接したセンターサイプ11と、分断サイプ13Bとによって画定されていてもよい。
分割片15Bには、タイヤ径方向外側に突出した突起16Bが設けられている。本実施形態の突起16Bは、空気入りタイヤ1を加硫成型する際に発生したスピューである。また、突起16Bと分断サイプ13Bとの間の距離D5は、突起16Bとセンター主溝3Bとの間の距離D6よりも短い。言い換えれば、突起16Bは、センター主溝3Bよりも分断サイプ13Bに近い位置に設けられている。
複数のセンターブロック片12のうち、センターブロック片12A及びセンターブロック片12B以外のセンターブロック片12Cには、分断サイプ13A又は分断サイプ13Bのようなサイプは設けられていない。つまり、センターブロック片12Cは、分割片15A,15Bのような構成要素を有していない。
本実施形態のセンターブロック片12Aには、タイヤ周方向においてセンターブロック片12Cが隣接している。つまり、タイヤ周方向においてセンターブロック片12Aに隣接するセンターブロック片12には、分断サイプ13Aのようなサイプは設けられていない。また、タイヤ周方向に並んで配置されたセンターブロック片12Aの間には、少なくとも1つ(本実施形態では3つ)のセンターブロック片12A以外のセンターブロック片12(つまり、センターブロック片12B,12C)が配置されている。
同様に、本実施形態のセンターブロック片12Bには、タイヤ周方向においてセンターブロック片12Cが隣接している。つまり、タイヤ周方向においてセンターブロック片12Bに隣接するセンターブロック片12には、分断サイプ13Bのようなサイプは設けられていない。また、タイヤ周方向に並んで配置されたセンターブロック片12Bの間には、少なくとも1つ(本実施形態では3つ)のセンターブロック片12B以外のセンターブロック片12(つまり、センターブロック片12A,12C)が配置されている。
以下の説明において、センターブロック片12A,12Bの分断サイプ13A,13Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単に分断サイプ13という場合がある。また、センターブロック片12A,12Bの分割片15A,15Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単に分割片15という場合がある。さらに、センターブロック片12A,12Bの突起16A,16Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単に突起16という場合がある。
本実施形態の第1クォーターブロック20Aには、タイヤ周方向に間隔を開けて複数のクォーターサイプ21が設けられている。クォーターサイプ21は、タイヤ幅方向に延びた波形サイプである。本実施形態のクォーターサイプ21は、本発明に係る第2溝及び細溝の一例である。
クォーターサイプ21Aの一端は、センター主溝3Aに連通しており、クォーターサイプ21Aの他端は、第1クォーターブロック20A内で終端している。また、クォーターサイプ21Bの一端は、センター主溝3Aに連通しており、クォーターサイプ21Bの他端は、縦溝7Aに連通している。
第1クォーターブロック20Aには、センター主溝3Aと、タイヤ周方向に隣接した2つのクォーターサイプ21によって、1つのクォーターブロック片22が画定されている。また、第1クォーターブロック20Aには、センター主溝3Aと、クォーター横溝6Aと、タイヤ周方向においてそのクォーター横溝6Aに隣接したクォーターサイプ21とによって、1つのクォーターブロック片22が画定されている。複数のクォーターブロック片22が、タイヤ周方向に間隔を開けて並んで配置されている。
クォーターブロック片22Aには、クォーターブロック片22Aを分断するように形成された分断サイプ23が設けられている。分断サイプ23は、タイヤ径方向視で、タイヤ周方向に延びた直線状である。また、分断サイプ23の両端は、タイヤ周方向に隣接した2つのクォーターサイプ21のそれぞれに連通している。もしくは、分断サイプ23の一端は、クォーター横溝6Aに連通しており、分断サイプ23の他端は、タイヤ周方向においてこのクォーター横溝6Aに隣接したクォーターサイプ21に連通している。
また、センター主溝3Aと分断サイプ23との間の距離D7は、第1クォーターブロック20のタイヤ幅方向の寸法W2の1/4以下である。言い換えれば、分断サイプ23は、センター主溝3Aからの距離が、第1クォーターブロック20のタイヤ幅方向の寸法W2の1/4以内の範囲に設けられている。
クォーターブロック片22Aは、分断サイプ23によって、本体部24と、分割片25とに区画されている。分割片25は、センター主溝3Aと、タイヤ周方向に隣接した2つのクォーターサイプ21と、分断サイプ23とによって画定されている。もしくは、分割片25は、センター主溝3Aと、クォーター横溝6Aと、タイヤ周方向においてこのクォーター横溝6Aと隣接したクォーターサイプ21と、分断サイプ23とによって画定されている。
分割片25には、タイヤ径方向外側に突出した突起26が設けられている。本実施形態の突起26は、空気入りタイヤ1を加硫成型する際に発生したスピューである。突起26と分断サイプ23との間の距離D8は、突起26センター主溝3Aとの間の距離D9よりも短い。言い換えれば、突起26は、センター主溝3Aよりも分断サイプ23に近い位置に設けられている。
複数のクォーターブロック片22のうち、クォーターブロック片22A以外のクォーターブロック片22Bには、分断サイプ23のようなサイプは設けられていない。つまり、クォーターブロック片22Bは、分割片25のような構成要素を有していない。
本実施形態のクォーターブロック片22Aには、タイヤ周方向においてクォーターブロック片22Bが隣接している。つまり、タイヤ周方向においてクォーターブロック片22Aに隣接するクォーターブロック片22には、分断サイプ23のようなサイプは設けられていない。また、タイヤ周方向に並んで配置されたクォーターブロック片22Aの間には、少なくとも1つ(図2では、1つ又は2つ)のクォーターブロック片22A以外のクォーターブロック片22(つまり、クォーターブロック片22B)が配置されている。
また、分断サイプ13Aが設けられたセンターブロック片12Aと、分断サイプ23が設けられたクォーターブロック片22Aとは、タイヤ周方向においてずれた位置に設けられている。本実施形態では、図2に示すように、分断サイプ13Aが設けられたセンターブロック片12Aと、分断サイプ23が設けられたクォーターブロック片22Aとは、タイヤ周方向において、互い違いに設けられている。
図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。以下の説明において、センターブロック片12A及びクォーターブロック片22Bについて主に言及するが、センターブロック片12Bはセンターブロック片12Aと同様の構成を有している。
図3を参照すると、本実施形態のセンターブロック片12Aに設けられた分断サイプ13Aは、タイヤ径方向内側に向かってセンター主溝3A側に傾いて延びている。
センターブロック片12Aの本体部14Aは、上面14aと、上面14aに連なって設けられた側面14bとを備える。側面14bは、分断サイプ13Aの一部を画定する溝壁である。つまり、側面14bは、タイヤ径方向内側に向かってセンター主溝3A側に傾いて延びている。本体部14Aには、上面14aと側面14bとが交わる稜線14cが形成されている。
同様に、本実施形態のクォーターブロック片22Aに設けられた分断サイプ23は、タイヤ径方向内側に向かってセンター主溝3A側に傾いて延びている。
クォーターブロック片22Aの本体部24は、上面24aと、上面24aに連なって設けられた側面24bとを備える。側面24bは、分断サイプ23の一部を画定する溝壁である。つまり、側面24bは、タイヤ径方向内側に向かってセンター主溝3A側に傾いて延びている。また、本体部24には、上面24aと側面24bとが交わる稜線24cが形成されている。
図4は、本実施形態の空気入りタイヤ1のトレッド2が接地した状態のトレッド2を示す展開図である。図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。以下の説明において、センターブロック片12A及びクォーターブロック片22Aについて主に言及するが、センターブロック片12Bは、センターブロック片12Aと同様に構成されている。
図4及び図5を参照すると、空気入りタイヤ1のトレッド2が接地した状態では、センターブロック片12Aの分割片15Aは、センター主溝3A内に突出するように変形している。同様に、センターブロック片12Bの分割片15Bは、センター主溝3B内に突出するように変形している。
タイヤ幅方向に向かってセンター主溝3Aに突出するように変形した分割片15Aによって、トレッド2のタイヤ幅方向のエッジ成分が増大する。同様に、タイヤ幅方向に向かってセンター主溝3Bに突出するように変形した分割片15Bによって、トレッド2のタイヤ幅方向のエッジ成分が増大する。
図5に示すように、トレッド2が接地した状態では、センターブロック片12Aの突起16Aが地面Gと当接してタイヤ径方向内側に押し込まれることで、突起16Aが設けられた分割片15Aは、タイヤ径方向内側に押し込まれる。このとき、分断サイプ13Aがタイヤ径方向内側に向かってセンター主溝3A側に傾斜するように延びているので、分割片15Aは、分断サイプ13Aに沿ってタイヤ径方向内側に押し込まれつつ、センター主溝3Aに突出するように変形する。
タイヤ幅方向に向かってセンター主溝3Aに突出するように変形したセンターブロック片12Aの分割片15Aは、センター主溝3内に踏み固められた雪柱を掴み、センター主溝3A内においても雪柱せん断力を発生させる。
さらに、図4及び図5に示すように、空気入りタイヤ1のトレッド2が接地した状態では、センターブロック片12Aの本体部14Aの稜線14cは、エッジとして機能する。本体部14Aの稜線14cによって、トレッド2のタイヤ周方向のエッジ成分が増大する。
図4及び図5を参照すると、空気入りタイヤ1のトレッド2が接地した状態では、クォーターブロック片22Aの分割片25は、センター主溝3A内に突出するように変形している。
タイヤ幅方向に向かってセンター主溝3Aに突出するように変形した分割片25によって、トレッド2のタイヤ幅方向のエッジ成分が増大する。
図5に示すように、トレッド2が接地した状態では、クォーターブロック片22の突起26が地面Gと当接してタイヤ径方向内側に押し込まれることで、突起26が設けられた分割片25は、タイヤ径方向内側に押し込まれる。このとき、分断サイプ23がタイヤ径方向内側に向かってセンター主溝3A側に傾斜するように延びているので、分割片25は、分断サイプ23に沿ってタイヤ径方向内側に押し込まれつつ、センター主溝3Aに突出するように変形する。
タイヤ幅方向に向かってセンター主溝3Aに突出するように変形したクォーターブロック片22Aの分割片25は、センター主溝3内に踏み固められた雪柱を掴み、センター主溝3A内においても雪柱せん断力を発生させる。
さらに、図4及び図5に示すように、空気入りタイヤ1のトレッド2が接地した状態では、クォーターブロック片22Aの本体部24の稜線24cは、エッジとして機能する。本体部24の稜線24cによって、トレッド2のタイヤ周方向のエッジ成分が増大する
本実施形態の空気入りタイヤ1によれば、以下の作用効果を奏する。
(1) センターブロック片12の突起16が地面Gと当接してタイヤ径方向内側に押し込まれると、突起16が設けられた分割片15は、タイヤ径方向内側に押し込まれる。このとき、分断サイプ13がタイヤ径方向内側に向かってセンター主溝3側に傾斜するように延びているので、分割片15は、分断サイプ13に沿ってタイヤ径方向内側に押し込まれつつ、センター主溝3に突出するように変形する。センター主溝3に突出した分割片15が、センター主溝3内に踏み固められた雪柱を掴むことで、センター主溝3内において雪柱せん断力が発生する。これにより、センター主溝3において、雪柱せん断力を効果的に発揮できるので、空気入りタイヤ1のトラクション性能の向上を図れる。
同様に、クォーターブロック片22の突起26が地面Gと当接してタイヤ径方向内側に押し込まれると、突起26が設けられた分割片25は、タイヤ径方向内側に押し込まれる。このとき、分断サイプ23がタイヤ径方向内側に向かってセンター主溝3側に傾斜するように延びているので、分割片25は、分断サイプ23に沿ってタイヤ径方向内側に押し込まれつつ、センター主溝3に突出するように変形する。センター主溝3に突出した分割片25が、センター主溝3内に踏み固められた雪柱を掴むことで、センター主溝3内において雪柱せん断力が発生する。これにより、センター主溝3において、雪柱せん断力を効果的に発揮できるので、空気入りタイヤ1のトラクション性能の向上を図れる。
(2) 一般に、雪柱せん断力は、センター横溝4、クォーター横溝6、又はショルダー横溝8のようなタイヤ幅方向溝において効果的に発生する。つまり、センター主溝3のようなタイヤ周方向溝は、タイヤ幅方向溝と比較して、雪柱せん断力への寄与が少ない。本実施形態では、タイヤ周方向に延びたセンター主溝3において雪柱せん断力を発揮できるので、空気入りタイヤ1のトラクション性能の向上を効果的に図れる。
(3) 仮に、分断サイプ13Aが設けられ、突起16Aが設けられた分割片15Aを有する2つのセンターブロック片12Aをタイヤ周方向に隣接して配置した場合であっても、1つのセンターブロック片12Aを配置した場合と比較して、タイヤ幅方向のエッジ成分はほとんど増加しない。これに対して、本実施形態では、分断サイプ13Aが設けられ、突起16Aが設けられた分割片15Aを有するセンターブロック片12Aに、タイヤ周方向において隣接するセンターブロック片12Cには、分断サイプ13Aに相当するサイプが設けられていない。つまり、タイヤ周方向に隣接するセンターブロック片12Aの間には、分断サイプ13Aに相当するサイプが設けられていないセンターブロック片12Cが配置されている。これにより、複数のセンターブロック片12Aのそれぞれが、タイヤ幅方向のエッジ成分を十分に増大するので、トラクション性能の向上を図れる。
同様に、仮に、分断サイプ13Bが設けられ、突起16Bが設けられた分割片15Bを有する2つのセンターブロック片12Bをタイヤ周方向に隣接して配置した場合であっても、1つのセンターブロック片12Bを配置した場合と比較して、タイヤ幅方向のエッジ成分はほとんど増加しない。これに対して、本実施形態では、分断サイプ13Bが設けられ、突起16Bが設けられた分割片15Bを有するセンターブロック片12Bに、タイヤ周方向において隣接するセンターブロック片12Cには、分断サイプ13Bに相当するサイプが設けられていない。つまり、タイヤ周方向に隣接するセンターブロック片12Bの間には、分断サイプ13Bに相当するサイプが設けられていないセンターブロック片12Cが配置されている。これにより、複数のセンターブロック片12Bのそれぞれが、タイヤ幅方向のエッジ成分を十分に増大するので、トラクション性能の向上を図れる。
同様に、仮に、分断サイプ23が設けられ、突起26が設けられた分割片25を有する2つのクォーターブロック片22Aをタイヤ周方向に隣接して配置した場合であっても、1つのクォーターブロック片22Aを配置した場合と比較して、タイヤ幅方向のエッジ成分はほとんど増加しない。これに対して、本実施形態では、分断サイプ23が設けられ、突起26が設けられた分割片25を有するクォーターブロック片22Aに、タイヤ周方向において隣接するクォーターブロック片22Bには、分断サイプ23に相当するサイプが設けられていない。つまり、タイヤ周方向に並んで配置された2つのクォーターブロック片22Aの間には、分断サイプ23に相当するサイプが設けられていないクォーターブロック片22Bが配置されている。これにより、複数のクォーターブロック片22Aのそれぞれが、タイヤ幅方向のエッジ成分を十分に増大するので、トラクション性能の向上を図れる。
(4) センターブロック片12の突起16と分断サイプ13との間の距離D2,D5が、突起16とセンター主溝3Aとの間の距離D3,D6よりも長い場合、トレッド2が接地した場合に、分割片15がセンター主溝3側に倒れ込むように変形することがある。これに対して、本実施形態では、突起16と分断サイプ13との間の距離D2,D5が、突起16とセンター主溝3との間の距離D3,D6よりも短いので、トレッド2が接地した場合に、分割片15がセンター主溝3側に倒れ込むように変形することを抑制できる。
同様に、クォーターブロック片22の突起26と分断サイプ23との間の距離D8が、突起26とセンター主溝3Aとの間の距離D9よりも長い場合、トレッド2が接地した場合に、分割片25がセンター主溝3側に倒れ込むように変形することがある。これに対して、本実施形態では、突起26と分断サイプ23との間の距離D8が、突起26とセンター主溝3との間の距離D9よりも短いので、トレッド2が接地した場合に、分割片25がセンター主溝3側に倒れ込むように変形することを抑制できる。
(5) 一般に、直進加速時において、タイヤ幅方向の両側がタイヤ周方向に延びたタイヤ周方向溝によって画定されたセンターブロック10、第1クォーターブロック20及び第2クォーターブロック30での接地圧力は、タイヤ幅方向の一方側のみがタイヤ周方向溝によって画定されたショルダーブロック40での接地圧力よりも高くなる。本実施形態では、直進加速時において十分な接地圧力が作用するセンターブロック10に、分断サイプ13Aが設けられたセンターブロック片12Aが設けられている。これにより、センターブロック片12Aの分割片15Aをセンター主溝3により確実に突出させられる。同様に、センターブロック片12Bの分割片15Bをセンター主溝3により確実に突出させられる。その結果、センター主溝3において雪柱せん断力をより確実に発生させられる。
同様に、本実施形態では、直進加速時において十分な接地圧力が作用するクォーターブロック20Aに、分断サイプ23が設けられたクォーターブロック片22Aが設けられている。これにより、クォーターブロック片22Aの分割片25をセンター主溝3に確実に突出させられる。その結果、センター主溝3において雪柱せん断力をより確実に発生させられる。
(6) 一般に、雪柱せん断力は、センター主溝3のようなタイヤ周方向溝と、センター横溝4又はクォーター横溝6のようなタイヤ幅方向溝との交差部において効果的に発生する。本実施形態では、クォーターブロック片22Aのうちの1つ(クォーターブロック片13Aのうち、図2において上側に配置されたもの)の分割片25は、センター主溝3Aと、クォーター横溝6Aと、タイヤ周方向においてこのクォーター横溝6Aと隣接したクォーターサイプ21と、分断サイプ23とによって画定されている。つまり、トレッド2が接地したときに、この分割片25は、センター主溝3とクォーター横溝6Aとの交差部に突出するように変形する。これにより、雪柱せん断力の向上をより効果的に図れる。
(7) センターブロック10に設けられたセンターブロック片12Aと、第1クォーターブロック20Aに設けられたクォーターブロック片22Aとは、タイヤ周方向においてずれた位置に設けられている。このため、トレッド2が接地したとき、センターブロック片12Aの分割片15Aと、クォーターブロック片22Aの分割片25とは、タイヤ周方向にずれた位置において、センター主溝3に突出するように変形し、雪柱せん断力を発生させる。つまり、タイヤ周方向において断続的に雪柱せん断力を発揮できる。
(第2実施形態)
図6は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド2が接地した状態の、トレッド2の模式的な展開図である。
図6を参照すると、本実施形態のセンターブロック110には、タイヤ幅方向に間隔を開けて複数のセンターサイプ111が設けられている。センターサイプ111は、タイヤ径方向視で、タイヤ周方向に延びた直線状である。センターサイプ111の一端は、センター横溝4に連通しており、センターサイプ111の他端は、センターブロック110内で終端している。また、本実施形態のセンターサイプ111は、センターブロック110のうち、空気入りタイヤ1の回転方向の前方側(空気入りタイヤ1が回転したときに先に接地する側)の端部に設けられている。
本実施形態のセンター横溝4は、本発明に係る第1溝の一例である。本実施形態のセンター主溝3とセンターサイプ111とは、本発明に係る第2溝の一例である。本実施形態のセンター主溝3は、本発明に係る太溝の一例である。本実施形態に係るセンターサイプ111は、本発明に係る細溝の一例である。また、本実施形態のタイヤ幅方向は、本発明に係る第1方向の一例である。本実施形態のタイヤ周方向は、本発明に係る第2方向の一例である。
本実施形態のセンターブロック110には、センター横溝4と、タイヤ幅方向に隣接した2つのセンターサイプ111とによって、1つのセンターブロック片112が画定されている。また、センターブロック110には、センター横溝4と、センター主溝3と、このセンター主溝3にタイヤ幅方向において隣接したセンターサイプ111とによって、1つのセンターブロック片112が画定されている。複数のセンターブロック片112が、タイヤ幅方向に間隔を開けて並んで配置されている。
センターブロック片112Aには、センターブロック片112Aを分断するように形成された分断サイプ113が設けられている。分断サイプ113は、タイヤ径方向視で、タイヤ幅方向に延びた直線状である。また、分割サイプ113の両端は、タイヤ周方向に隣接した2つのセンターサイプ111のそれぞれに連通している。もしくは、分断サイプ113の一端は、センター主溝3に連通しており、分断サイプ113の他端は、このセンター主溝3にタイヤ幅方向において隣接するセンターサイプ111に連通している。
センターブロック片112Aは、分断サイプ113によって、本体部114と、分割片115とに区画されている。分割片115は、センター横溝4と、タイヤ幅方向に隣接したセンターサイプ111と、分断サイプ113とによって画定されている。もしくは、分割片115は、センター横溝4と、センター主溝3と、このセンター主溝3にタイヤ幅方向において隣接するセンターサイプ111と、分断サイプ113とによって画定されている。
分割片115には、タイヤ径方向外側に突出した突出部116が設けられている。本実施形態の突起116は、空気入りタイヤ1を加硫成型する際に発生したスピューである。
本実施形態のセンターブロック片112Aの分断サイプ113、本体部114、分割部115、及び突起116は、第1実施形態のセンターブロック片12A(図2に示す)においてそれぞれ対応する構成要素と同様の構成を有しており、その詳細な説明を省略する。例えば、分断サイプ113は、タイヤ径方向内側に向かってセンター横溝4に傾斜するように延びている。
また、センターブロック片112Aにタイヤ幅方向において隣接するセンターブロック片112Bには、分断サイプ113のようなサイプは設けられていない。つまり、センターブロック片112Bは、分割片115のような構成要素を有していない。
図6に示すように、空気入りタイヤ1のトレッド2が接地した状態では、センターブロック片112Aの分割片115は、センター横溝4内に突出するように変形している。センターブロック片112Aの分割片115がセンター横溝4に突出することで、タイヤ周方向のエッジ成分が増大する。
タイヤ周方向に向かってセンター横溝4に突出するように変形したセンターブロック片112Aの分割片115が、空気入りタイヤ1が装着された車両の旋回時に、センター横溝4内に踏み固められた雪柱を掴み、センター横溝4内においても雪柱せん断力を発生させる。
第2実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
本実施形態によれば、センター横溝4に突出するように変形した分割片115により、センター横溝4において雪柱せん断力を発揮できるので、雪上での旋回性能の向上を図れる。
以上より、本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
実施形態では、本発明に係る陸部の一例としてセンターブロック列10Lを用いて説明したが、本発明に係る陸部は、これに限定されず、リブであってもよい。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド
3,3A,3B センター主溝(第1溝、第2溝)
4 センター横溝(第2溝、第1溝、太溝)
5,5A,5B ショルダー主溝
6,6A,6B クォーター横溝(第2溝、太溝)
7,7A,7B 縦溝
8,8A,8B ショルダー横溝
10 センターブロック
10L センターブロック列(陸部)
11 センターサイプ(第2溝、細溝)
12,12A,12B,12C センターブロック片(ブロック片)
13A,13B 分断サイプ
14A,14B 本体部
14a 上面
14b 側面
14c 稜線
15A,15B 分割片
16A,16B 突起
20,20A,20B 第1クォーターブロック
20LA,20LB 第1クォーターブロック列(陸部)
21,21A,21B クォーターサイプ(第2溝、細溝)
22,22A,22B クォーターブロック片(ブロック片)
23 分断サイプ
24 本体部
24a 上面
24b 側面
24c 稜線
25 分割片
26 突起
30,30A,30B 第2クォーターブロック
30LA,30LB 第2クォーターブロック列
40,40A,40B ショルダーブロック
40LA,40LB ショルダーブロック列
110 センターブロック
111 センターサイプ
112,112A,112B センターブロック片(ブロック片)
113 分断サイプ
114 本体部
115 分割片
116 突起

Claims (9)

  1. トレッドに形成された第1方向に延びた第1溝と、
    少なくとも前記第1溝によって画定された陸部と
    前記第1方向に交差する第2方向に延び、その一方の端部が前記第1溝に連通するように前記陸部に形成された複数の第2溝と
    を備え、
    前記陸部は、
    少なくとも前記第1溝及び前記第1方向に隣接する2つの前記第2溝によって画定された複数のブロック片と、
    前記第2溝に交差する方向に延び、1つの前記ブロック片を分断するように形成された少なくとも1つの分断サイプと
    を備え、
    少なくとも1つの前記ブロック片は、
    本体部と、
    前記本体部から分断され、前記第1溝、前記第1方向に隣接した2つの前記第2溝、及び前記分断サイプによって画定された分割片と
    を備え、
    前記分断サイプは、タイヤ径方向内側に向かって、前記第1溝側に傾いて延びており、
    前記分割片には、タイヤ径方向外側に突出した突起が設けられている、空気入りタイヤ。
  2. 前記第1方向は、タイヤ周方向であり、
    前記第1溝は、タイヤ周方向に延びた主溝である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1方向は、タイヤ幅方向であり、
    前記第1溝は、タイヤ幅方向に延びたタイヤ幅方向溝である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 複数の前記ブロック片のうち前記分断サイプが設けられた前記ブロック片に隣接する前記ブロック片には、前記分断サイプが設けられていない、請求項1から3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記突起と前記分断サイプとの間の距離は、前記突起と前記第1溝との間の距離よりも短い、請求項1から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1溝と前記分断サイプとの間の距離は、前記第2方向における前記陸部の寸法の1/4以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記陸部は、タイヤ幅方向における両側がタイヤ周方向に延びたタイヤ周方向溝によって画定されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 複数の前記第2溝は、
    前記陸部を複数のブロックに分断する太溝と、
    前記太溝よりも細い細溝と
    を含み、
    複数の前記ブロック片のうち、前記分断サイプが設けられた前記ブロック片は、少なくとも前記第1溝と、前記太溝と、前記第1方向において前記太溝に隣接する前記細溝とによって画定されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記陸部は、前記第1溝を挟んで2つ設けられており、
    一方の前記陸部に設けられた複数の前記ブロック片のうち、前記分断サイプが設けられた前記ブロック片と、他方の前記陸部に設けられた複数の前記ブロック片のうち、前記分断サイプが設けられた前記ブロック片とは、前記第1方向においてずれた位置に設けられている、請求項1から8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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