JP2021123055A - セラミックボールの製造方法 - Google Patents

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到輝 野口
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Abstract

【課題】研磨時にセラミックボールに発生する割れや欠けを抑制し、かつ、セラミックボールに金属片等のコンタミの付着を抑制する。【解決手段】セラミックボールの製造方法は、セラミックを主成分とする原料粉末をプレス加工して球状の予備成形体を得るプレス工程と、予備成形体を研磨する研磨工程と、研磨工程で研磨された予備成形体を焼成する焼成工程と、を備え、研磨工程は、回転可能な研磨板を底とする有底筒状の研磨装置の研磨板上に予備成形体を投入し、研磨板を回転させて、研磨板上で予備成形体を転がして研磨するものであって、研磨板の研磨面はセラミック製である。【選択図】図4

Description

本発明は、セラミックボールの製造方法に関する。
セラミックからなるセラミックボールを研磨する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたセラミックボールの製造方法では、金型プレスによる加工後にセラミックボールの円周上に形成される帯状部が、焼成後のバレル研磨によって加工される。バレル研磨後に、セラミックボールは略球形状に加工される。
特開2003−137640号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術によってセラミックボールの帯状部を研磨すると、焼成後のセラミックボールがバレル研磨によって加工される。そのため、バレル研磨時における複数のセラミックボール間の衝撃およびセラミックボールとバレル研磨機との衝撃が大きくなってしまう。その結果、セラミックボールに割れや欠けが発生してしまうおそれがある。また、一方で、焼成前にセラミックボールに形成されている帯状部をバレル研磨すると、衝撃が大きすぎて成形体が変形するおそれがある。さらには、研磨材の金属片がセラミックボールにコンタミとして付着するおそれがある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、研磨時にセラミックボールに発生する割れや欠けを抑制し、かつ、セラミックボールに金属片等のコンタミの付着を抑制する技術を提供する。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
(1)本発明の一形態によれば、セラミックボールの製造方法であって、セラミックを主成分とする原料粉末をプレス加工して球状の予備成形体を得るプレス工程と、前記予備成形体を研磨する研磨工程と、前記研磨工程で研磨された前記予備成形体を焼成する焼成工程と、を備え、前記研磨工程は、回転可能な研磨板を底とする有底筒状の研磨装置の前記研磨板上に前記予備成形体を投入し、前記研磨板を回転させて、前記研磨板上で前記予備成形体を転がして研磨するものであって、前記研磨板の研磨面はセラミック製である。
この構成によれば、セラミックを主成分とする原料粉末から、セラミックボールが製造される。プレス工程によって、金型の継ぎ目に対応する予備成形体の円周上に、帯状部が形成される。予備成形体がセラミックを主成分とする研磨板上で転がされて研磨されることにより、研磨板が金属製でないため、予備成形体の表面への金属片等のコンタミの付着が抑制される。研磨工程後に、予備成形体が焼成されてセラミックボールが製造される。すなわち、本構成で製造されたセラミックボールは、帯状部が研磨された後に焼成されているため、従来のセラミックボールよりも表面に発生する割れや欠けを低減できる。よって、本構成によれば、研磨時にセラミックボールに発生する割れや欠けを抑制し、かつ、製造されたセラミックボールの表面への金属片等のコンタミ等の付着を抑制できる。
(2)上記態様の製造方法において、前記研磨板には、前記研磨板の厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されており、前記貫通孔の形態は、前記研磨工程中の前記予備成形体が通過しない形態であってもよい。
この構成によれば、研磨板に予備成形体が通過しない貫通孔が形成されているため、研磨工程によって研磨された予備成形体から発生する削り粉のみが、貫通孔を介して研磨板の下方に排出される。これにより、研磨板の研磨溝に削り粉が目詰まりしにくいため、研磨時の効率が向上する。
(3)上記態様の製造方法において、前記貫通孔の形態は、前記研磨板の径方向に沿って延びていてもよい。
この構成によれば、貫通孔が径方向に沿って延びているため、研磨工程によって研磨された予備成形体から発生する削り粉をより効率的に排出できる。
(4)上記態様の製造方法において、前記貫通孔の形態は、前記研磨板の円周方向に沿って延びていてもよい。
この構成によれば、貫通孔が円周方向に沿って延びているため、研磨工程によって研磨された予備成形体から発生する削り粉をより効率的に排出できる。
(5)上記態様の製造方法において、前記貫通孔は複数形成されており、前記複数の貫通孔は、それぞれ同一の形状を有すると共に、前記研磨板の前記研磨面において等間隔に配置されていてもよい。
この構成によれば、貫通孔は、同一形状を有する複数の孔として、研磨面に等間隔で配置されている。そのため、研磨工程によって研磨された予備成形体から発生する削り粉をより効率的に排出できる。
(6)上記態様の製造方法において、前記貫通孔の軸線は、前記研磨板の回転軸に対して傾斜しており、前記研磨板の前記研磨面側における前記貫通孔の開口が、前記研磨板の他方の面側における前記貫通孔の開口よりも回転軸側に位置してもよい。
この構成によれば、貫通孔などの研磨溝は、研磨面から他方の面へと近づくにつれて、中心軸から遠ざかる方向に延びている。そのため、研磨工程において研磨板が中心軸回りに回転すると、研磨時に発生する削り粉は、遠心力と重力とによって、貫通孔を介してより効率的に排出される。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、研磨装置、セラミックを主成分とする研磨板、およびこれらを備える部品、セラミックボールの製造方法、セラミックボールの研磨方法等の形態で実現することができる。
本発明のセラミックボールの製造方法において研磨工程が行われる前の予備成形体の概略図である。 プレス工程において成形されているときの予備成形体の概略断面図である。 研磨工程で予備成形体を研磨する研磨装置の概略断面図である。 研磨板の概略上面図である。 研磨溝が有する貫通孔を説明するための概略断面図である。 研磨溝が有する貫通孔を説明するための概略断面図である。 本発明の第1実施形態におけるセラミックボールの製造方法のフローチャートである。 材質の異なる研磨板によって研磨された予備成形体の評価結果の説明図である。 実施例のセラミックボールの表面の撮影画像である。 比較例のセラミックボールの表面の撮影画像である。 第2実施形態における研磨板の概略上面図である。 第2実施形態の貫通孔を説明するための概略断面図である。 第3実施形態における研磨板の概略上面図である。 第3実施形態の貫通孔を説明するための概略断面図である。
<第1実施形態>
図1は、本発明のセラミックボール10の製造方法において研磨工程が行われる前の予備成形体11の概略図である。図2は、プレス工程において成形されているときの予備成形体11の概略断面図である。図1に示されるように、第1実施形態の予備成形体11は、プレス工程によって球状に成形される。成形された予備成形体11は、外表面の一部に、円周方向に渡って径方向外側に突出する帯状部12が形成されている。研磨工程によって予備成形体11が研磨されると、帯状部12を含む予備成形体11の外表面が研磨されて除去され、セラミックボール10の元となる焼成前の予備成形体11が形成される。
図2には、プレス工程において、セラミック(例えば、アルミナ(Al23)、窒化珪素(Si34))を主成分とする原料粉末が、プレス加工において球状の予備成形体11に成形されているときの断面図が示されている。図2に示されるように、プレス加工を行う成形機50は、筒状の成形ダイ53と、筒状の成形ダイ53によって形成されたダイ孔54内を成形ダイ53の中心軸に沿って上下に動く上側プレスパンチ51および下側プレスパンチ52と、を備えている。両パンチ51,52が原料粉末をダイ孔54の中心軸に平行な方向(Z軸方向)に沿って上下から加圧すると、帯状部12を有する予備成形体11が製造される。
なお、図2には、それぞれが直交するX軸,Y軸,Z軸から構成される直交座標系CSが示されている。直交座標系CSは、中心軸OLに平行なZ軸と、Z軸に直交するXY平面を構成するX軸およびY軸から構成されている。なお、この直交座標系は、図3以降で示される直交座標系と対応している。
図3は、研磨工程で予備成形体11を研磨する研磨装置100の概略断面図である。研磨装置100は、複数の予備成形体11の外表面を研磨するための装置であり、回転可能な研磨板20を底とする有底筒状の装置である。図3に示されるように、本実施形態の研磨装置100は、内部に円筒状の空間を形成するハウジング30と、回転することにより予備成形体11を研磨する研磨板20と、研磨板20を中心軸OL回りに回転させる回転軸部40とを備えている。
図3に示されるように、ハウジング30内の空間には、研磨される複数の予備成形体11が投入される。ハウジング30の鉛直下方(Z軸負方向側)かつ径方向外側には、外部に接続している排出口31が形成されている。研磨板20は、円盤状の形状を有している。研磨板20は、セラミックを主成分とする材料(例えば、アルミナ(Al23)、窒化珪素(Si34))によって形成されている。研磨板20の中心には、回転軸部40に支持されるための円孔21が形成されている。図3に示されるように、研磨板20における外周部の端部と、ハウジング30の内周面との間には、外周孔32が形成されている。外周孔32の幅は、予備成形体11の直径よりも十分小さい。そのため、予備成形体11の研磨によって発生する削り粉は、外周孔32および後述する研磨板20の貫通孔を介して、排出口31からハウジング30の外部へと排出される。
回転軸部40は、ハウジング30外のモータ(不図示)の回転軸に接続されている連結軸部42と、下端が連結軸部42に固定されて連結軸部42と共に中心軸OL回りに回転する軸部43と、軸部43の上端に固定されて軸部43と共に中心軸OL回りに回転する研磨板支持部41と、を有している。連結軸部42は、ハウジング30に対して中心軸OL回りに回転可能に支持されている。研磨板支持部41は、研磨板20の中心に形成された円孔21に挿入された軸部43のZ軸正方向側の端部に固定される。そのため、研磨板20は、軸部43と研磨板支持部41とに挟まれることにより固定されている。これにより、モータの回転軸が回転すると、研磨板20が回転軸部40と一体で中心軸OL回りに回転する。これにより、研磨板20上に投入された予備成形体11は、研磨板20上を転がり研磨される。
図4は、研磨板20の概略上面図である。図4には、Z軸正方向側から見た場合の研磨板20が示されている。図4に示されるように、研磨板20の研磨面22には、X軸に平行な幅L1の複数の研磨溝23と、Y軸に平行な(研磨溝23に直交する)幅L2の複数の研磨溝24と、X軸に対して45°の角度を成して径方向に沿って延びる幅L3の4つの研磨溝25とが形成されている。
図4に示されるように、複数の研磨溝23のうち、中心軸OLから径方向外側に沿って延びる2つの研磨溝23は、途中から研磨板20を厚さ方向(Z軸方向)に貫通する貫通孔26を含んでいる。同じように、複数の研磨溝24のうち、中心軸OLから径方向外側に沿って延びる2つの研磨溝24は、途中から研磨板20を厚さ方向に貫通する貫通孔27を含んでいる。また、4つの各研磨溝25は、途中から研磨板20を厚さ方向に貫通する貫通孔28を含んでいる。すなわち、研磨板20には、研磨板20の厚さ方向に貫通する貫通孔26〜28が形成されている。
図5および図6は、研磨溝24が有する貫通孔27を説明するための概略断面図である。図5には、図4におけるA−A断面の拡大図が示されている。図6には、図4におけるB−B断面の拡大図が示されている。図5に示されるように、各研磨溝24の深さは、D2である。一方で、貫通孔27は、厚さt1の研磨板20を厚さ方向に貫通している。図6に示されるように、中心軸OLから半径R1の位置で、深さD2の研磨溝24は、貫通孔27に変化している。なお、各研磨溝23の深さはD1であり、図示されていない各研磨溝25の深さは、D3である。本実施形態では、各研磨溝23〜25の各幅L1〜L3は、同じ2mmである。また、本実施形態では、各研磨溝23〜25の各深さD1〜D3は、同じ2mmである。なお、貫通孔26〜28の各幅L1〜L3は、研磨中の予備成形体11が通過できない大きさである。
図7は、本発明の第1実施形態におけるセラミックボール10の製造方法のフローチャートである。図7に示されるように、セラミックボール10の製造方法では、初めに、セラミックボール10の原料粉末の調製工程が行われる(ステップS1)。本実施形態の原料粉末は、アルミナ粉末に、焼結助剤としての希土類元素,3,4,5,13,および14族の元素から選ばれる少なくとも一種を含む酸化物が加えられた粉末を元に調製される。調製された原料粉末に含まれる酸化物の割合は、酸化物換算で1〜15wt%、好ましくは2〜8wt%である。調製された原料粉末に水系溶媒を加えて粉砕機により湿式混合された泥しょうが乾燥させられて、成形用素地粉末としての原料粉末が調製される。
次に、調製された原料粉末を、成形機50(図2)を用いてプレス加工して球状の予備成形体11(図1)を得るプレス工程が行われる(図7のステップS2)。本実施形態では、プレス加工された予備成形体11に対して、乾式CIP(Cold Isostatic Pressing)が行われる。乾式CIPが行われた予備成形体11の内部の密度分布が略一定となり、予備成形体11は、緻密な成形体となる。
プレス工程で得られた複数の予備成形体11を、研磨装置100(図3)によって研磨する研磨工程が行われる(図7のステップS3)。研磨工程では、研磨板20上に予備成形体11が投入され、研磨板20が中心軸OL回りに回転する。これにより、研磨板20上で予備成形体11が転がり研磨される。研磨工程によって予備成形体11の帯状部12を含む外表面が研磨されて除去され、セラミックボール10の元となる、焼成前の予備成形体11が製造される。
研磨工程後の予備成形体11に対して脱脂工程が行われる(ステップS4)。本実施形態の脱脂工程では、予備成形体11は、窒素を含む0.1〜1MPa(メガパスカル)の非酸化性雰囲気下、1900℃で焼成される。脱脂工程では、予備成形体11の密度が、78%以上、好ましくは90%以上になるように調整される。
その後、脱脂後の予備成形体11を焼成する焼成工程が行われ(ステップS4)、焼成後のセラミックボール10が製造されて、セラミックボール10の製造方法が終了する。本実施形態の焼成工程では、予備成形体11は、窒素を含む1〜100MPaの非酸化性雰囲気下、1650〜1950℃で焼成される。
図8は、材質の異なる研磨板によって研磨された予備成形体11の評価結果の説明図である。図8には、アルミナで形成された研磨板20によって研磨された実施例のセラミックボール10と、金属(SUS)で形成された研磨板20zによって研磨された比較例のセラミックボール10zと、における加工条件および評価結果の表が示されている。
図8に示されるように、実施例および比較例のセラミックボール10,10zの直径は、3/8インチである。図8の全加工量とは、研磨装置100で一度に研磨される複数のセラミックボール10,10zにおける加工量の合計である。研磨板20,20zの目の粗さは、研磨板20,20zの研磨面22に形成された隣り合う研磨溝23〜25によって形成される凸部の幅である。回転数は、セラミックボール10,10zの研磨時に回転する研磨板20,20zの回転数である。図8に示されるように、実施例と比較例とにおける加工条件では、研磨板20,20zの材質以外は同じである。図8の評価結果において、研磨後の実施例と比較例とのいずれのセラミックボール10,10zには、割れもカケも発生していなかった。
図9は、実施例のセラミックボール10の表面の撮影画像である。図10は、比較例のセラミックボール10zの表面の撮影画像である。図9に示されるように、実施例のセラミックボール10の表面には、異物が付着していない。一方で、図10に示される比較例のセラミックボール10zの表面には、複数の金属片CNが付着している。
以上説明したように、本実施形態のセラミックボール10の製造方法の研磨工程では、回転可能なセラミック製の研磨板20上に予備成形体11を投入され、研磨板20が回転することにより、研磨板20上で予備成形体11が転がり研磨される。そのため、本実施形態の製造方法では、予備成形体11がセラミックを主成分とする研磨板20上で研磨され、研磨板20が金属製でないため、図9の撮影画像に示されるように、予備成形体11の表面への金属片等のコンタミの付着が抑制される。そして、研磨工程後に、予備成形体11が焼成されてセラミックボール10が製造される。すなわち、本実施形態のセラミックボール10は、帯状部12が研磨されて除去された研磨工程後に焼成されているため、焼成工程後に研磨する従来のセラミックボールよりも表面に発生する割れや欠けを低減できる。よって、本実施形態のセラミックボール10の製造方法では、研磨時にセラミックボール10に発生する割れや欠けを抑制し、かつ、製造されたセラミックボール10の表面への金属片等のコンタミ等の付着を抑制できる。
また、本実施形態の研磨板20には、研磨板20の厚さ方向に貫通する貫通孔26〜28が形成されている。貫通孔26〜28の各幅L1〜L3は、研磨中の予備成形体11が通過できない大きさである。そのため、研磨工程によって研磨された予備成形体11の削り粉が貫通孔26〜28を介して研磨板20の下方に排出され、研磨中の予備成形体11は、研磨板20の下方に排出されずに済む。これにより、貫通孔26〜28に削り粉が目詰まりしにくいため、予備成形体11の研磨時の効率が向上する。
また、本実施形態の貫通孔26〜28は、研磨板20の径方向に沿って延びている。そのため、研磨工程によって研磨された予備成形体11から発生する削り粉をより効率的に排出できる。
<第2実施形態>
図11は、第2実施形態における研磨板20aの概略上面図である。第2実施形態では、研磨工程で使用される研磨装置100の研磨板20aの溝形状のみが異なる。そのため、第2実施形態では、研磨板20aの形状について説明し、第1実施形態と同じ構成および製造方法の各工程についての説明を省略する。
図11には、Z軸正方向側から見た場合の研磨板20aが示されている。図11に示されるように、研磨板20aの研磨面22aには、第1実施形態の研磨板20と同じように、X軸に平行な複数の研磨溝23aと、Y軸に平行な複数の研磨溝24aとが形成されている。第2実施形態の研磨溝23a,24aは、研磨板20aを厚さ方向に貫通する貫通孔26,27を有していない。なお、第2実施形態の研磨板20aには、第1実施形態の研磨板20に形成されたX軸に対して45°の角度を成す複数の研磨溝25は形成されていない。
第2実施形態の研磨板20aには、第1実施形態の貫通孔26〜28の代わりに、中心軸OLからの距離が半径R2〜R5である仮想円OC2〜OC5上に、幅がL4の貫通孔26a〜29aが形成されている。換言すると、貫通孔26a〜29aは、研磨板20aの円周方向に沿って延びている。各貫通孔26a〜29aは、厚さt1の研磨板20aを厚さ方向に貫通している。図11に示されるように、各貫通孔26a〜29aは、仮想円OC2〜OC5上において4つに分割されている。なお、貫通孔26a〜29aの各幅L4は、研磨中の予備成形体11が通過できない大きさである。
図12は、第2実施形態の貫通孔27a,29aを説明するための概略断面図である。図12には、図11におけるC−C断面の拡大図が示されている。図12に示されるように、各貫通孔27a,29aは、軸線OL27a,OL29aに沿って、研磨板20aの研磨面22aから裏面22Bまでを、一定の幅L4(XY平面上の距離)を維持して貫通している。軸線OL27a,OL29aは、中心軸OL(Z軸に平行な軸)に対して傾斜しており、XY平面とそれぞれ所定の角度α3,α5(<90°)をなしている。そのため、貫通孔27a,29aの研磨面22a側の開口27aO,29aOは、裏面22B側における開口27aP,29aPよりも、中心軸OL側に位置している。換言すると、貫通孔27a,29aは、研磨板20aの厚さ方向に沿って研磨面22aから裏面22Bへと近づくにつれ、径方向外側へと向かう孔である。
図12に図示されていない貫通孔26a,28aは、図12に示されている貫通孔27a,29aと同じような断面形状を有している。具体的には、貫通孔26a,28aは、XY平面とそれぞれ所定の角度(90°未満の角度)をなす軸線に沿って、研磨板20aの研磨面22aから裏面22Bまでを幅L4で貫通している。貫通孔26a,28aの研磨面22a側の開口は、裏面22B側における開口よりも中心軸OL側に位置している。
以上説明したように、第2実施形態の研磨板20aに形成された貫通孔26a〜29aは、研磨板20aの円周方向に沿って延びている。そのため、研磨工程によって研磨された予備成形体11から発生するする削り粉をより効率的に排出できる。
また、第2実施形態の貫通孔26a〜29aの軸線は、研磨板20aの回転軸である中心軸OLに対して傾斜している。また、貫通孔26a〜29aの研磨面22a側の開口は、裏面22B側における開口よりも、中心軸OL側に位置している。すなわち、貫通孔26a〜29aは、研磨面22aから裏面22Bへと近づくにつれて、中心軸OLから遠ざかる方向に延びている。そのため、研磨工程において研磨板20aが中心軸OL回りに回転すると、研磨時に発生する削り粉は、遠心力と重力とによって、貫通孔26a〜29aを介して効率的に排出される。
<第3実施形態>
図13は、第3実施形態における研磨板20bの概略上面図である。第3実施形態では、第1実施形態の研磨工程で使用される研磨装置100の研磨板20bの溝形状のみが異なる。そのため、第3実施形態では、研磨板20bの形状について説明し、第1実施形態と同じ構成および製造方法の各工程についての説明を省略する。
図13には、Z軸正方向側から見た場合の研磨板20bが示されている。図13に示されるように、研磨板20aの研磨面22bには、研磨板20bを貫通していない研磨溝が形成されておらず、矩形状の複数の貫通孔26bが形成されている。貫通孔26bのそれぞれは、XY平面における一辺がL26bの正方形の断面を有している。複数の貫通孔26bは、X軸方向に沿って幅L5、および、Y軸方向に沿って幅L6の間隔を空けて配置されている。すなわち、複数の貫通孔26bは、同一の形状を有し、研磨板20bの研磨面22bに、等間隔に配置されている。なお、第3実施形態では、幅L5と幅L6とは、同じ寸法である。
図14は、第3実施形態の貫通孔26bを説明するための概略断面図である。図14には、図13におけるD−D断面の拡大図が示されている。図14に示されるように、貫通孔26bのそれぞれは、厚さt1の研磨板20bを厚さ方向(Z軸方向)に沿って貫通している。
以上説明したように、第3実施形態の研磨板20bに形成された複数の貫通孔26bは、同一の形状を有し、研磨板20bの研磨面22bに、等間隔に配置されている。そのため、研磨工程によって研磨された予備成形体11から発生する削り粉をより効率的に排出できる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態では、セラミックボール10の製造方法の一例について説明したが、製造方法の各工程、各工程で使用される加工装置、およびセラミックボール10の原料粉末などについては種々変形可能である。例えば、セラミックボール10の原料粉末として、アルミナ質材料以外に、ジルコニア質材料や窒化珪素質材料が使用されてもよい。なお、セラミックを主成分とする原料粉末とは、実質的にセラミック成分のみからなる粉末をいう。
上記第1実施形態では、プレス工程を行う成形機50と、研磨工程を行う研磨装置100とが、プレス工程および研磨工程を行う装置の一例として挙げられたが、これらの装置については種々変形可能であり、周知の装置を利用できる。セラミックボール10の製造方法は、プレス工程と、研磨工程と、焼成工程とを備えていればよく、例えば、原料粉末の調整工程および脱脂工程を備えていなくてもよい。一方で、セラミックボール10の製造方法は、他の工程をさらに備えていてもよい。
研磨工程で用いられた研磨板20,20a,20bについても種々変形可能である。上記実施形態の研磨板20,20a,20bのそれぞれには、研磨板20,20a,20bを厚さ方向に貫通する貫通孔26〜28,26a〜29a,26bが形成されていたが、他の実施形態では、貫通孔が形成されていなくてもよい。研磨板20の研磨面22は、予備成形体11を研磨可能で、かつ、セラミックを主成分とする材料によって形成されていればよい。特に、予備成形体11と実質的にあるいは全く同じ材料によって形成されていることが好ましい。研磨板20における研磨面22以外の部分は、セラミック以外、例えば金属製であってもよい。なお、主成分としてセラミックを含む材料とは、実質的にセラミック成分のみからなる材料をいう。
上記第1実施形態および第2実施形態の研磨板20,20aでは、表面である研磨面22,22aに研磨溝23〜25,23a,24bが形成されたが、裏面22Bもセラミック製としたうえで、裏面22Bに同じ又は異なる研磨溝が形成されてもよい。この場合の研磨板は、両面に形成された研磨溝によって予備成形体11を研磨できる。
上記実施形態の図4,11,13に示された貫通孔26〜28,26a〜29a,26bは、一例であり、他の実施形態では異なる形状であってもよい。第1実施形態の貫通孔26〜28は、径方向に沿って延び、かつ、研磨板20の厚さ方向に貫通していればよい。他の実施形態では、例えば、貫通孔26,27は、研磨溝23,24と重複した位置に形成されていなくてもよい。貫通孔26,27は、第1実施形態では2つの直線状の貫通孔であったが、3つよりも多くてもよいし、1つでもよい。また、貫通孔28は、3つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。貫通孔26,27と研磨溝23,24とを分ける位置の半径R1の数値については、種々変形可能であり、複数の位置で分けられて、貫通孔と研磨溝とが交互に配置されていてもよい。また、貫通孔26,27の幅は、研磨溝23,24の幅L1,L2と異なっていてもよい。研磨溝23〜25および貫通孔26〜28は、中心軸OLに対して線対称や点対称に形成されていなくてもよい。他の実施形態の研磨板20では、第3実施形態のように貫通孔26〜28のみが形成され、研磨溝23〜25が形成されていなくてもよい。
第2実施形態の研磨板20aに形成された貫通孔26a〜29a(図11)の形状についても種々変形可能である。第2実施形態の研磨板20aには、異なる半径R2〜R5を仮想円OC2〜OC5とする4種の貫通孔26a〜29aが形成されていたが、3種類以下または5種類以上の貫通孔が形成されてもよい。各貫通孔26a〜29aは、円周方向に沿って4つの貫通溝に分割されていたが、2分割、3分割または5分割以上であってもよいし、各貫通孔26a〜29aによって分割数が異なっていてもよい。各貫通孔26a〜29aの幅は、L4と同じであったが、異なっていてもよいし、一部が同じであってもよい。貫通孔26a〜29aは、中心軸OLに対して線対称や点対称に形成されていなくてもよい。また、貫通孔26a〜29aは、図12の断面図に示されるように、軸線(例えば、軸線OC3,OC5)に沿って、研磨板20aの厚さ方向に沿って研磨面22aから裏面22Bへと近づくにつれ、径方向外側へと向かう貫通孔であったが、異なる形状であってもよい。例えば、第1実施形態および第3実施形態の貫通孔26〜28,26bのように、厚さ方向に沿って貫通する貫通孔であってもよい。また、貫通孔26a〜29aは、直線の軸線ではなく、放物線などの曲線を中心とする軸線に沿って延びる貫通孔であってもよい。一方で、貫通孔26a〜29aは、研磨板20aの厚さ方向に沿って研磨面22aから裏面22Bへと近づくにつれ、反対の径方向内側へと向かう貫通孔であってもよい。同様に、第1実施形態および第3実施形態の貫通孔26〜28,26bが、研磨板20,20bの厚さ方向に沿って研磨面22,22bから裏面22Bへと近づくにつれ、径方向外側へと向かう貫通孔であってもよい。
第3実施形態の研磨板20bに形成された貫通孔26b(図13)の形状についても種々変形可能である。各貫通孔26bは、一辺がL26bである正方形断面が厚さ方向に貫通している孔が研磨板20bに対して等間隔に形成されていたが、正方形断面でなくてもよく、また、等間隔に形成されていなくてもよい。例えば、各貫通孔26bは、円の断面を有する貫通孔であってもよい。各貫通孔26b間の距離は、異なっていてもよいし、例えば、中心軸OLに対して線対称や点対称に形成されていなくてもよい。また、研磨板20bは、貫通孔26b以外に、研磨板20bに形成された1つ以上の研磨溝を有していてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
10,10z…セラミックボール
11…予備成形体
12…帯状部
20,20a,20b,20z…研磨板
21…円孔
22,22a,22b…研磨面
22B…裏面(研磨板における他方の面)
23,23a…研磨溝
24,24a…研磨溝
25…研磨溝
26,26a,26b…貫通孔
27,27a,…貫通孔
27aO,29aO…研磨面側の開口
27aP,29aP…裏面側の開口
28…貫通孔
30…ハウジング
31…排出口
32…外周孔
40…回転軸部
41…研磨板支持部
42…連結軸部
43…軸部
50…成形機
51…上側プレスパンチ
52…下側プレスパンチ
53…成形ダイ
54…ダイ孔
100…研磨装置
CN…金属片
CS…直交座標系
L1〜L4,L26b…溝幅
OL…中心軸
OL27a,OL29a…貫通孔の軸線

Claims (6)

  1. セラミックボールの製造方法であって、
    セラミックを主成分とする原料粉末をプレス加工して球状の予備成形体を得るプレス工程と、
    前記予備成形体を研磨する研磨工程と、
    前記研磨工程で研磨された前記予備成形体を焼成する焼成工程と、
    を備え、
    前記研磨工程は、回転可能な研磨板を底とする有底筒状の研磨装置の前記研磨板上に前記予備成形体を投入し、前記研磨板を回転させて、前記研磨板上で前記予備成形体を転がして研磨するものであって、
    前記研磨板の研磨面はセラミック製であることを特徴とする、セラミックボールの製造方法。
  2. 請求項1に記載のセラミックボールの製造方法であって、
    前記研磨板には、前記研磨板の厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されており、前記貫通孔の形態は、前記研磨工程中の前記予備成形体が通過しない形態であることを特徴とする、セラミックボールの製造方法。
  3. 請求項2に記載のセラミックボールの製造方法であって、
    前記貫通孔の形態は、前記研磨板の径方向に沿って延びていることを特徴とする、セラミックボールの製造方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載のセラミックボールの製造方法であって、
    前記貫通孔の形態は、前記研磨板の円周方向に沿って延びていることを特徴とする、セラミックボールの製造方法。
  5. 請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載のセラミックボールの製造方法であって、
    前記貫通孔は複数形成されており、前記複数の貫通孔は、それぞれ同一の形状を有すると共に、前記研磨板の前記研磨面において等間隔に配置されていることを特徴とする、セラミックボールの製造方法。
  6. 請求項2から請求項5までのいずれか一項に記載のセラミックボールの製造方法であって、
    前記貫通孔の軸線は、前記研磨板の回転軸に対して傾斜しており、
    前記研磨板の前記研磨面側における前記貫通孔の開口が、前記研磨板の他方の面側における前記貫通孔の開口よりも回転軸側に位置することを特徴とする、セラミックボールの製造方法。
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