JP2021120285A - 吐出容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ある程度までのスクイズ量又は傾倒角度によって加減できる吐出量の変化量を大きくした吐出容器を提供する。【解決手段】口部2aを有する容器本体2と、口部2aに装着された吐出キャップ11とを備え、吐出キャップ11が、容器本体2内の内容液を吐出する吐出筒18と、吐出筒18に連なるフラップ弁32とを備え、フラップ弁32が、吐出筒18に連なるヒンジ部32aと、内容液の圧力でヒンジ部32aを起点に吐出筒18内で上方へ揺動することで吐出筒18内の流路断面積を増加させるフラップ弁本体32bとを備え、フラップ弁本体32bの上面32fがヒンジ部32aと面一であり、フラップ弁本体32bの下面32gがヒンジ部32aよりも下方に突出していることを特徴とする吐出容器1。【選択図】図1

Description

本発明は、吐出容器に関する。
醤油等の食品調味料、飲料、シャンプー、リンス、ボディーソープ、化粧料又は薬剤等の内容液を吐出可能な吐出容器が知られている。このような吐出容器は、例えば特許文献1に記載されるように、口部を有する容器本体と、口部に装着された吐出キャップとを備え、吐出キャップが、容器本体内の内容液を吐出する吐出筒と、吐出筒に連なるフラップ弁とを備えることがある。このような吐出容器によれば、容器本体をスクイズ(押圧)する際に、ある程度の強さまではスクイズの強さに応じた量だけ吐出筒内でフラップ弁を揺動させて流路断面積を増加させ、吐出筒から吐出される内容液の吐出量を加減することができる。またフラップ弁の揺動量が限界に達すると、それ以上強くスクイズした場合でも吐出量は制限されるので、例えば内容液が水のように低粘度のものである場合に、内容液が勢いよく吐出されて周囲を汚すといった不都合が生じるのを抑制することができる。
特開2019−99197号公報
しかし、特許文献1に記載されるような吐出容器は、フラップ弁の揺動によって加減できる流路断面積の変化量が小さく、スクイズ量により、あるいは内容液を自重のみで吐出させる場合には吐出容器の傾倒角度により加減できる吐出量の変化量が小さい。しかし内容液の種類や吐出容器の用途などによっては、スクイズ量又は傾倒角度によって吐出量をより大きく変化させたい場合がある。
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、ある程度までのスクイズ量又は傾倒角度によって加減できる吐出量の変化量を大きくした吐出容器を提供することにある。
本発明の吐出容器は、口部を有する容器本体と、前記口部に装着された吐出キャップとを備え、前記吐出キャップが、前記容器本体内の内容液を吐出する吐出筒と、前記吐出筒に連なるフラップ弁とを備え、前記フラップ弁が、前記吐出筒に連なるヒンジ部と、前記内容液の圧力で前記ヒンジ部を起点に前記吐出筒内で上方へ揺動することで前記吐出筒内の流路断面積を増加させるフラップ弁本体とを備え、前記フラップ弁本体の上面が前記ヒンジ部と面一であり、前記フラップ弁本体の下面が前記ヒンジ部よりも下方に突出していることを特徴とする。
本発明の吐出容器は、上記構成において、前記フラップ弁本体の外周面における上面視で前記ヒンジ部の反対側に位置する部分が、下方に向けて縮径するテーパ面状であるのが好ましい。
本発明の吐出容器は、上記構成において、前記ヒンジ部が前記吐出筒の下端面に連なっているのが好ましい。
本発明の吐出容器は、上記構成において、前記フラップ弁本体が、前記ヒンジ部に連なるとともに前記ヒンジ部と同等の厚みである薄肉部と、前記薄肉部に連なるとともに前記ヒンジ部よりも厚い厚肉部とからなるのが好ましい。
本発明の吐出容器は、上記構成において、前記吐出キャップが、前記吐出筒内を前記吐出筒に沿って昇降可能な移動弁体と、前記吐出筒内に設けられ上昇する前記移動弁体に当接することで前記移動弁体の上昇を規制する上ストッパと、前記吐出筒内に設けられ下降する前記移動弁体に当接することで前記移動弁体の下降を規制する下ストッパとを備えるのが好ましい。
本発明によれば、ある程度までのスクイズ量又は傾倒角度によって加減できる吐出量の変化量を大きくした吐出容器を提供することができる。
本発明の一実施の形態である吐出容器を示す断面図である。 図1の部分拡大図である。 図2に示す吐出筒を下方から視た図である。
以下、図面を参照しつつ本発明をより具体的に例示説明する。なお本明細書において上下方向とは、吐出容器の正立状態での上下方向を意味している。すなわち、上方とは図1における上方であり、下方とはその反対方向である。
図1に示す本発明の一実施の形態である吐出容器1は、容器本体2と、ヒンジキャップ3とを備えている。ヒンジキャップ3は、容器本体2の口部2aに装着され、当該口部2aを閉塞するとともに、このヒンジキャップ3を通して容器本体2に収容されている内容液を外部に吐出することができる。
容器本体2は、筒状の口部2aと、口部2aの下端に連なるとともに口部2aより拡径した胴部と、胴部の下端を閉塞する底部とを有するボトル形状をなしている。本実施の形態では、容器本体2として二重容器の一種である積層剥離容器(デラミ容器)を用いている。積層剥離容器とされた容器本体2は、外層体4と内層体5とを有し、外層体4の内側に内層体5を収容した構成となっている。外層体4は容器本体2の外殻を構成しており、容器本体2に対応した形状を有している。外層体4の胴部は可撓性を有しており、スクイズされることで凹むことができるとともに、凹んだ状態から元の形状に復元することができる。内層体5は、外層体4よりも薄肉の袋状に形成されており、外層体4の内面に剥離可能に積層されている。内層体5の開口部は口部2aの開口端に連ねられており、内層体5の内部は内容液の収容空間となっている。内層体5は、その収容空間からの内容液の吐出に伴って外層体4の内面から剥離し、減容変形することができる。
外層体4の底部には、外層体4と内層体5との間に外気を導入可能な外気導入口が設けられている。この外気導入口は、例えばブロー成形によって形成される容器本体2の底部のピンチオフ部に形成されるスリットにより構成することができる。外気導入口は、外層体4の胴部をスクイズして内層体5を減容変形させた後、外層体4が元の形状に復元する際に外層体4と内層体5との間の空間に外気を導入することができる。なお、外気導入口は、スクイズされた外層体4が元の形状に復元する際に外層体4と内層体5との間に外気を導入することができるものであれば、例えば外層体4の口部や胴部などの他の部位に設けることもでき、また、その形態もスリットに限らず種々の形状ないし形態とすることができる。
デラミ容器とも呼ばれるこのような容器本体2は、例えば、相溶性の低い外層用の合成樹脂と内層用の合成樹脂とを共押出して積層パリソンを形成し、この積層パリソンを、金型を用いてブロー成形することにより形成することができる。また容器本体2は、予め形成した外層用のプリフォームと内層用のプリフォームとを組み立てた状態で金型を用いてブロー成形することでも形成することができる。容器本体2として用いる二重容器は、上記のような積層剥離容器に限らず、外層体の内部に外層体とは別に形成した内層体を組み込んだ構成のものを採用することもできる。また、容器本体2は、二重容器に限らない。
内容液は、例えば醤油等の、水のような低粘度を有する液体であってよい。しかし、内容液の粘度は特に限定されない。また、内容液は、液体中に固形物が混在するものであってもよい。内容液の種類は特に限定されず、例えば、食品調味料、飲料、シャンプー、リンス、ボディーソープ、化粧料又は薬剤等であってよい。
ヒンジキャップ3は、移動弁体6と、ヒンジキャップ本体7とを備えている。移動弁体6は、例えば鋼製又は合成樹脂製の、球形をなすボール弁からなっている。しかし、移動弁体6は球形のものに限らない。ヒンジキャップ本体7は、例えば合成樹脂製の、単一の射出成形品として構成されており、吐出キャップ本体8と、ヒンジ9と、吐出キャップ本体8にヒンジ9を介して連結されたオーバーキャップ10とを備えている。本実施の形態では、吐出キャップ本体8と移動弁体6とで吐出キャップ11が構成されている。なお、オーバーキャップ10は、吐出キャップ本体8と別体に構成してもよい。
吐出キャップ本体8は、略円板状に形成される頂壁12と、この頂壁12の外周に一体に連ねて設けられる円筒状の装着筒13とを備えた有頂円筒状をなしており、装着筒13が口部2aの外周を囲い、且つ、頂壁12が口部2aの開口端に当接するように、口部2aに装着される。なお、頂壁12の下面には、図示するように、装着筒13よりも小径に形成されて口部2aの内周面に液密に当接するシール筒14を一体に設けてもよい。
装着筒13の内周面には、その下端側に嵌合凸部15が設けられ、この嵌合凸部15が口部2aの外周面に設けられた被嵌合凸部16に嵌合することにより、吐出キャップ本体8が口部2aに抜け止めされた状態で装着されている。つまり、このヒンジキャップ3は、吐出キャップ本体8が口部2aに打栓により装着されている。なお、吐出キャップ本体8は、装着筒13の内周面に設けた雌ねじを口部2aの外周面に設けた雄ねじにねじ結合させることにより口部2aに装着される構成としてもよい。
上面視で頂壁12の中央よりもややヒンジ9の反対側にずれた位置には、筒状をなすとともに上端によって吐出口17を形成する吐出筒18が頂壁12と一体に設けられている。吐出筒18は、頂壁12に一体に連結するとともに上方に向けて徐々に拡径しながら外向きに湾曲する外筒部18aと、外筒部18aの下端から下方に向けて延びる3段円筒状の内筒部18bとを有している。なお、外筒部18aの代わりに、又は外筒部18aに加えて、内筒部18bを頂壁12に一体に連結した構成としてもよい。
オーバーキャップ10は、吐出キャップ本体8と略同径の有頂円筒状に形成され、ヒンジ9を介して回動することにより、吐出キャップ11の吐出筒18及び頂壁12を開閉することができる。オーバーキャップ10は、その開口縁の内周に設けられた嵌合凸部19が頂壁12の外周縁に設けられた被嵌合凸部20に嵌合することにより、吐出キャップ11の吐出筒18及び頂壁12を覆った状態つまり閉じた状態に保持可能となっている。オーバーキャップ10が閉じられると、吐出筒18がオーバーキャップ10により覆われるとともに、オーバーキャップ10の内面に一体に設けられた円筒状の栓体21が吐出筒18の内筒部18bの内周面に嵌合して吐出筒18の内側の流路が閉塞される。一方、オーバーキャップ10の外周面のヒンジ9とは反対側の部分には径方向外側に向けて突出する鍔状の摘み片22が一体に設けられており、この摘み片22を引き上げることでヒンジ9を中心としてオーバーキャップ10を吐出筒18から離れる方向に回動させて吐出筒18を開くことができる。このように、オーバーキャップ10により吐出筒18を開閉することができる。
吐出筒18の内筒部18bは、外筒部18aの下端から下方に延びる円筒状の上壁23と、上壁23の下端から下方に向けて縮径する上傾斜壁24と、上傾斜壁24の下端から下方に延びる円筒状の中壁25と、中壁25の下端から下方に向けて縮径する下傾斜壁26と、下傾斜壁26の下端から下方に延びる円筒状の下壁27とを有している。なお、上壁23、中壁25及び下壁27の形状は、円筒状に限らず、移動弁体6の形状等に合わせて適宜変更が可能である。
上傾斜壁24の径方向内側には、リップ部28が設けられている。中壁25の上部における径方向内側には、上ストッパ29が設けられている。また、中壁25の径方向内側には、上ストッパ29から下傾斜壁26まで延在する絞り部30が設けられている。下傾斜壁26の径方向内側には、下ストッパ31が設けられている。下壁27の径方向内側には、フラップ弁32が設けられている。このように、フラップ弁32は下ストッパ31の下方に配置され、上ストッパ29は下ストッパ31の上方に配置され、リップ部28は上ストッパ29より上方に配置されている。移動弁体6は吐出筒18内を吐出筒18に沿って昇降可能であり、上ストッパ29は上昇する移動弁体6に当接することで移動弁体6の上昇を規制し、下ストッパ31は下降する移動弁体6に当接することで移動弁体6の下降を規制する。
図2、図3に示すように、下壁27にはフラップ弁32が連なっている。フラップ弁32は、下壁27に連なるヒンジ部32aと、内容液の圧力でヒンジ部32aを起点に下壁27内で上方へ揺動することで下壁27内の流路断面積を増加させるフラップ弁本体32bとを備えている。フラップ弁本体32bの上面32fは、ヒンジ部32aと面一であり、フラップ弁本体32bの下面32gがヒンジ部32aよりも下方に突出している。
フラップ弁本体32bの上面32fは下壁27の下端面33と面一になっているが、これに限らない。ヒンジ部32aは下壁27の下端面33に連なっている。なお、ヒンジ部32aはこれに限らず例えば、下壁27の内周面27aに連なっていてもよい。フラップ弁本体32bは、ヒンジ部32aに連なるとともにヒンジ部32aと同等の厚みである薄肉部32cと、薄肉部32cに連なるとともにヒンジ部32aよりも厚い厚肉部32dとからなっている。なお、フラップ弁本体32bは薄肉部32cと厚肉部32dとからなる構成に限らず例えば、薄肉部32c又は厚肉部32dからなる構成であってもよい。
フラップ弁本体32bの外周面32eにおける上面視でヒンジ部32aの反対側に位置する部分は、下方に向けて縮径するテーパ面状であるが、これに限らない。ここで、「上面視でヒンジ部32aの反対側に位置する部分」とは、上面視でフラップ弁本体32bの全周に亘る角度範囲のうち、ヒンジ部32aの反対側に位置する半周部分を意味している。
フラップ弁本体32bは、上面視で円形をなす円板状をなしており、その外周における1箇所に配置されたヒンジ部32aを起点に上下方向に揺動可能である。ヒンジ部32aは、上面視でヒンジキャップ3のヒンジ9の側に設けることが望ましい。ここで、ヒンジ部32aを「上面視でヒンジ9の側に設ける」とは、上面視でフラップ弁本体32bの全周に亘る角度範囲のうち、ヒンジ9の側に位置する半周部分に、ヒンジ部32aの周方向中央部が位置するように、ヒンジ部32aを設けることを意味している。なお、フラップ弁32は円板状に限らず、例えば角形板状等であってもよい。また、ヒンジ部32aは、フラップ弁本体32bの外周における2箇所以上に配置されてもよい。
下ストッパ31は、下傾斜壁26の内周面の下端によって形成されている。移動弁体6が下ストッパ31に着座することにより、吐出筒18の内側を通じた空気の流通が阻止又は抑制される。図示は省略するが、下ストッパ31は、当該下ストッパ31に着座した移動弁体6との間に、内容液を保持することで空気の流通を阻止する保持隙間を形成するように構成されてもよい。すなわち、下ストッパ31の一部に、内容液で封止可能な大きさの切欠き部を設けてもよい。内容液の種類等によっては、内容液が固まって移動弁体6が下ストッパ31に固着するおそれがあるが、このような切欠き部を設けておくことで、移動弁体6の固着の発生を防止又は抑制することができる。なお、下ストッパ31は、下傾斜壁26によらずに形成してもよい。例えば、下傾斜壁26の代わりに円環フランジ状のフランジ壁を設け、当該フランジ壁の上面によって下ストッパ31を形成してもよい。
フラップ弁本体32bは、内容液の固化により移動弁体6が下ストッパ31に固着してしまった場合に、胴部へのスクイズによって上方に揺動することで移動弁体6に衝突可能に構成されている。フラップ弁本体32bをこのように構成することで、移動弁体6が下ストッパ31に固着してしまった場合にフラップ弁本体32bを衝突させて、その固着状態を解くことができる。しかし、フラップ弁本体32bは、このように移動弁体6に衝突可能な構成に限らない。
図1に示すように、絞り部30は、本実施の形態では、上ストッパ29から下ストッパ31に向かって吐出筒18の軸方向に沿って延在するとともに上面視でヒンジ9の反対側に主流路34を形成するC字形状をなしている。ここで、「上面視でヒンジ9の反対側に主流路34を形成する」とは、上面視で吐出筒18の全周に亘る角度範囲のうち、ヒンジ9の反対側に位置する半周部分に、主流路34の周方向中央部が位置するように、主流路34を形成することを意味している。また、絞り部30が「C字形状をなしている」とは、絞り部30が、上面視で半周を越える角度範囲に亘って設けられていること、すなわち、主流路34が上面視で半周未満の角度範囲に亘って設けられていることを意味している。より具体的には、主流路34の周方向中央部は、上面視で吐出筒18の全周に亘る角度範囲のうち、ヒンジ9の反対側に位置する半周部分の中央部に位置している。しかし、主流路34の周方向位置は適宜変更が可能である。また、絞り部30は、上面視で約240°に亘って設けられている。しかし、絞り部30を設ける角度範囲は適宜変更が可能である。主流路34及び絞り部30は、上面視円弧形状をなしている。しかし、主流路34及び絞り部30の形状は、このような円弧形状に限らない。絞り部30は吐出筒18の周方向に連なるように設けられているがこれに限らず、吐出筒18の周方向に断続するように設けてもよい。絞り部30は、球形の移動弁体6の外径より大きく下端から上端まで一定となる内径を有している。絞り部30の内径は適宜変更が可能であるが、移動弁体6の昇降をスムーズに案内できるように設定するのが好ましい。また、絞り部30を設けない構成としてもよい。
上ストッパ29は、上面視で移動弁体6の外周の一部のみに当接することにより、移動弁体6の上昇を規制することができる。本実施の形態では、上ストッパ29は、周方向に等間隔に並んで配置された3つの爪35によって構成されている。各爪35は、絞り部30の上端から吐出筒18の径方向内側に向かって斜め上方に突出している。しかし、上ストッパ29を構成する爪35の数、配置及び形状は、適宜変更が可能である。しかし、上面視で主流路34と重なる位置には爪35を設けないことが好ましい。上ストッパ29は、爪35で構成されたものに限らない。
リップ部28は、本実施の形態では、上傾斜壁24の内周面から斜め上方に突出するとともに上面視でヒンジ9の反対側に切欠き部36を形成するC字形状をなしている。ここで、「上面視でヒンジ9の反対側に切欠き部36を形成する」とは、上面視で吐出筒18の全周に亘る角度範囲のうち、ヒンジ9の反対側に位置する半周部分に、切欠き部36の周方向中央部が位置するように、切欠き部36を形成することを意味している。また、リップ部28が「C字形状をなしている」とは、リップ部28が、上面視で半周を越える角度範囲に亘って設けられていること、すなわち、切欠き部36が上面視で半周未満の角度範囲に亘って設けられていることを意味している。より具体的には、切欠き部36の周方向中央部は、上面視で吐出筒18の全周に亘る角度範囲のうち、ヒンジ9の反対側に位置する半周部分の中央部に位置している。しかし、切欠き部36の周方向位置は適宜変更が可能である。また、リップ部28は、上面視で約240°に亘って設けられている。しかし、リップ部28を設ける角度範囲は適宜変更が可能である。切欠き部36及びリップ部28は、上面視円弧形状をなしている。しかし、切欠き部36及びリップ部28の形状は、このような円弧形状に限らない。リップ部28は、絞り部30の内径より大きい内径を有している。リップ部28の内径は、絞り部30の内径と同一でもよいし、絞り部30の内径より小さくてもよい。リップ部28は、上傾斜壁24の内周面に設ける代わりに、上壁23又は中壁25の内周面に設けてもよい。また、上傾斜壁24を設けずに、上壁23と中壁25とを同径に構成してもよい。また、リップ部28を設けない構成としてもよい。
本実施の形態に係る吐出容器1による内容液の吐出の要領は、例えば以下のとおりである。まず、使用者は、オーバーキャップ10を開き、吐出容器1をオーバーキャップ10が上にくるように傾倒させ、容器本体2の胴部をスクイズする。すると、容器本体2の内部圧力の上昇、内容液の自重、及び移動弁体6の自重により、移動弁体6が下ストッパ31から離れて移動し、上ストッパ29に当接して止まる。また、このとき、容器本体2の内部圧力の上昇、及び内容液の自重により、フラップ弁32が揺動して下壁27の内側の流路断面積が増加し、容器本体2の収容空間内から内容液が下壁27の内側に流入する。このとき、胴部のスクイズに伴ってフラップ弁32が揺動して流路断面積が増加するようになっているので、スクイズの初期に内容液が一気に吐出されることがなく、内容液の吐出量の調整が容易である。また、本実施の形態ではフラップ弁32のヒンジ部32aが下壁27の下端面33に連なっていることにより、フラップ弁本体32bの大きさが確保されているので、スクイズ初期の内容液の吐出量が抑制されている。また、本実施の形態ではフラップ弁本体32bが薄肉部32cと厚肉部32dとからなっていることにより、ヒンジ部32aの変形し易さを確保しつつ、フラップ弁本体32bの大きさが確保されている。
また、本実施の形態ではフラップ弁本体32bの上面32fがヒンジ部32aと面一であり、フラップ弁本体32bの下面32gがヒンジ部32aよりも下方に突出している構成としているため、フラップ弁本体32bの稼働範囲が大きく確保されている。したがって、フラップ弁32の揺動によって加減できる流路断面積の変化量が大きく、スクイズ量により加減できる吐出量の変化量が大きい。また、本実施の形態ではフラップ弁本体32bの外周面32eにおける上面視でヒンジ部32aの反対側に位置する部分が、下方に向けて縮径するテーパ面状であるので、この点からも、スクイズ量により加減できる吐出量の変化量が大きくなっている。
フラップ弁32の揺動により下壁27の内側に流入した内容液は、主に、主流路34及び切欠き部36を直線状に流れて、吐出口17から吐出される。したがって、内容液が広角状に吐出されることが抑制され、内容液を整流状態で吐出することができる。また、下壁27の内側に流入した内容液は、絞り部30と移動弁体6との僅かな隙間にも流れるが、当該隙間を通過した流れは、リップ部28により曲げられ、主流路34及び切欠き部36を通過した主な流れに合流する。したがって、この点からも、内容液が広角状に吐出されることが抑制される。スクイズ量が大きく、フラップ弁32の揺動量が限界に達した場合には、それ以上強くスクイズした場合でも吐出量は制限されるので、例えば内容液が水のように低粘度のものである場合に、内容液が勢いよく吐出されて周囲を汚すといった不都合が生じるのを抑制することができる。
内容液を吐出した後は、吐出容器1を正立姿勢に戻すことにより、内容液の吐出が止まり、移動弁体6が上ストッパ29から下ストッパ31に向けて下降し、吐出筒18内の残液が引き戻される。この残液の引き戻し(サックバック)により、吐出口17からの液垂れが抑制される。また、移動弁体6が下ストッパ31に着座することにより、容器本体2内の内容液への外気の接触を抑制できるため、内容液の品質を良好に保持することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態では吐出キャップ11が、サックバック機能を発揮するために移動弁体6、上ストッパ29及び下ストッパ31を備えているが、これに限らない。
1 吐出容器
2 容器本体
2a 口部
3 ヒンジキャップ
4 外層体
5 内層体
6 移動弁体
7 ヒンジキャップ本体
8 吐出キャップ本体
9 ヒンジ
10 オーバーキャップ
11 吐出キャップ
12 頂壁
13 装着筒
14 シール筒
15 係合突起
16 被係合突起
17 吐出口
18 吐出筒
18a 外筒部
18b 内筒部
19 嵌合凸部
20 被嵌合凸部
21 栓体
22 摘み片
23 上壁
24 上傾斜壁
25 中壁
26 下傾斜壁
27 下壁
28 リップ部
29 上ストッパ
30 絞り部
31 下ストッパ
32 フラップ弁
32a ヒンジ部
32b フラップ弁本体
32c 薄肉部
32d 厚肉部
32e 外周面
32f 上面
32g 下面
33 下端面
34 主流路
35 爪
36 切欠き部

Claims (5)

  1. 口部を有する容器本体と、前記口部に装着された吐出キャップとを備え、
    前記吐出キャップが、前記容器本体内の内容液を吐出する吐出筒と、前記吐出筒に連なるフラップ弁とを備え、
    前記フラップ弁が、前記吐出筒に連なるヒンジ部と、前記内容液の圧力で前記ヒンジ部を起点に前記吐出筒内で上方へ揺動することで前記吐出筒内の流路断面積を増加させるフラップ弁本体とを備え、
    前記フラップ弁本体の上面が前記ヒンジ部と面一であり、前記フラップ弁本体の下面が前記ヒンジ部よりも下方に突出していることを特徴とする吐出容器。
  2. 前記フラップ弁本体の外周面における上面視で前記ヒンジ部の反対側に位置する部分が、下方に向けて縮径するテーパ面状である、請求項1に記載の吐出容器。
  3. 前記ヒンジ部が前記吐出筒の下端面に連なっている、請求項1又は2に記載の吐出容器。
  4. 前記フラップ弁本体が、前記ヒンジ部に連なるとともに前記ヒンジ部と同等の厚みである薄肉部と、前記薄肉部に連なるとともに前記ヒンジ部よりも厚い厚肉部とからなる、請求項1〜3の何れか1項に記載の吐出容器。
  5. 前記吐出キャップが、前記吐出筒内を前記吐出筒に沿って昇降可能な移動弁体と、前記吐出筒内に設けられ上昇する前記移動弁体に当接することで前記移動弁体の上昇を規制する上ストッパと、前記吐出筒内に設けられ下降する前記移動弁体に当接することで前記移動弁体の下降を規制する下ストッパとを備える、請求項1〜4の何れか1項に記載の吐出容器。
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