JP2021120284A - 包装用トレー構造 - Google Patents

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淳司 松島
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Abstract

【課題】包装貨物の緩衝性能確保に関して、個装箱の底面と側面に接する角及び稜に対する落下において、その衝撃によって底部トレー部品の四隅の支柱が個装箱内側方向に於けるダメージに対して、その後の試験に於いて緩衝性能維持できる衝撃吸収部品であるトレー材を提供する事である。【解決手段】トレーで製品を支えて個装箱に収納し、前記個装箱の底面部に配置されたトレーで四隅を支える包装構造において、前記トレーに四隅で支える支柱を設け、前記支柱が個装箱の底面と側面に接する稜の部分の内側の空間から所定量の縦寸法及び横寸法の各々を離間させて保持し、前記支柱は、前記個装箱の前記稜の部分から前記縦寸法と略同等に離れた縦位置及び前記横寸法と略同等に離れた横位置を結んだ傾斜面を有し、前記個装箱の前記稜の部分と前記支柱の前記傾斜面との間に空間を形成する事を特徴とする構成とした。【選択図】 図3

Description

本発明は、緩衝性を有する包装材に関し、特に、個装箱に内蔵して被梱包物を支え、落下衝撃時に於いて被梱包物への衝撃を吸収する為のトレー材の構造に関するものである。
従来、製品を支える緩衝材の種類として、熱可塑性樹脂のシート材を真空成型技術によって熱成形してトレー形状を成型した梱包用緩衝部材があり、トレー形状は中空部を利用して緩衝空間を確保して製品を保護していた。
例えば、特許文献1では被梱包物を一対の緩衝部材から全体を覆い凹凸形状を含む緩衝形状を構成する事で高い衝撃吸収性能の達成が開示されている。
特許文献2では、トレー材であるプラスチックシートの使用量を低減した梱包用緩衝部材の提供を開示されている。
特許4401821号明細書 特許5053753号明細書
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、被梱包物全体をトレーで覆う為、被梱包物のサイズ毎に異なる寸法のトレーが必要となり共通化が行えず、またサイズも大きくなりがちでコストが高くなり易い。
また、特許文献2に開示された従来技術では、緩衝材が上下に離間して構成されている為、緩衝部材での製品保持が少なくなり、個装箱の底面と側面に接する角及び稜に対する落下が起こった場所、緩衝部の変形により、緩衝材からの製品の脱落等が発生し落下後の緩衝性能が維持し難くなる。
図5から図7は従来の緩衝材が上下に離間した際のトレー材を使用した包装形態を示す解説図である。
図5は従来の梱包状態である梱包構成を示した構成斜視図であり、個装箱内部は透視して図示する。
個装箱201の内部底面側に位置し製品204を底面方向及び側面方向からの緩衝空間を保ち、底面からの衝撃吸収及び側面からの衝撃吸収を行う底部トレー202、個装箱201の内部上面側に位置し製品204を上面方向及び側面方向からの緩衝空間を保ち、上面からの衝撃吸収及び側面からの衝撃吸収を行う上部トレー203を配置し、前記上部トレー203で製品204と個装箱201との間の上部空間に同梱品205を収める。同梱品205は製品を収納するケース類や取扱説明書及び保証書などが収められているが必要に応じて同梱物は変化することができる。
図6は従来の梱包状態を示す梱包構成の構成側面図であり個装箱内部は透視して図示する。
個装箱201の側面を構成する個装箱側面211a、上面で開閉可能に動作する個装箱上面211b、底面を構成する個装箱底面211c、個装箱側面211aと個装箱底面211cに囲まれた位置に配置された底部トレー202で製品204を底面方向から支え4か所から底面方向に突き出して構成された支柱202a、上部トレー203は製品204上部を支え個装箱側面211aと個装箱上面211bに囲まれた位置に配置される。
図7は従来の梱包状態を示す梱包構成の断面図であり、図5で示すB−B断面位置の図示である。
底部トレー202から個装箱底面211cに向かって突出し底面に対して製品204から緩衝空間を保つための支柱202aが構成され、支柱202aは個装箱底面211cに対して支柱面213の範囲で支えると共に底面方向からの緩衝性能を確保している。
本発明の課題である底面の角部及び稜線部に対する落下衝撃を受けた場合、個装箱底面稜部214が個装箱の内側に向かって支柱202aの支柱側面215に接触し変形させ、支柱面213にダメージが加わる事で、支柱202aの底面方向に対する緩衝性能が減少する。
「JIS Z 0200:2013 包装貨物−性能試験方法一般通則」による落下順序では、底面に接する角から始まり、3か所の稜部落下試験後に6面落下衝撃試験を行うことになっている為、支柱202a及び支柱面213の変形は緩衝性能に影響を及ぼし製品204に対して十分な緩衝性能維持が出来ない事になる。
そこで、本発明の目的は、個装箱の底部に配置して被梱包物を支え、被梱包物への衝撃を吸収するトレー材において、特に個装箱の底面と側面に接する角及び稜に対する落下衝撃を受けても、トレー材の四隅の支柱が個装箱内側方向に対してダメージを軽減し、その後の緩衝性能を維持する事を可能にしたトレー材を提供する事である。
上記目的を達成するために本発明の包装構造は、トレーで製品を支えて個装箱に収納し、前記個装箱の底面部に配置されたトレーで四隅を支える包装構造において、前記トレーに四隅で支える支柱を設け、前記支柱が個装箱の底面と側面に接する稜の部分の内側の空間から所定量の縦寸法及び横寸法の各々を離間させて保持し、前記支柱は、前記個装箱の前記稜の部分から前記縦寸法と略同等に離れた縦位置及び前記横寸法と略同等に離れた横位置を結んだ傾斜面を有し、前記個装箱の前記稜の部分と前記支柱の前記傾斜面との間に空間を形成する事を特徴とする。
本発明によれば、包装貨物の緩衝性能に関し、「JIS Z 0200:2013 包装貨物−性能試験方法一般通則」による落下順序に対して、落下時に於ける衝撃吸収部品であるトレー材の構造で、特に個装箱の底面と側面に接する角及び稜に対する落下において、その衝撃によって底部トレー部品の四隅の支柱が個装箱内側方向に対してダメージを軽減し、その後の緩衝性能を維持する事を可能にした衝撃吸収部品であるトレー材を提供する事ができる。
本発明の実施例を示す梱包構成の構成斜視図である。 本発明の実施例を示す梱包構成の構成側面図である。 本発明の実施例を示す梱包構成の断面図である。 本発明の実施例を示す梱包構成の梱包手順斜視図である。 従来例を示す梱包構成の構成斜視図である。 従来例を示す梱包構成の構成側面図である。 従来例を示す梱包構成の断面図である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態を図1から図4を用いて説明する。
図1は本発明の梱包状態である梱包構成を示した構成斜視図である。尚、個装箱内部は透視して図示する。
個装箱101の内部底面側に位置し製品104を底面方向及び側面方向からの緩衝空間を保ち、底面からの衝撃吸収及び側面からの衝撃吸収を行う底部トレー102、個装箱101の内部上面側に位置し製品104を上面方向及び側面方向からの緩衝空間を保ち、上面からの衝撃吸収及び側面からの衝撃吸収を行う上部トレー103を配置し、前記上部トレー103で製品104と個装箱101との間の上部空間に同梱品105を収める。同梱品105は製品を収納するケース類や取扱説明書及び保証書などが収められている事を例示しているが、必要に応じて同梱物に対応することができる。
個装箱101の材質は本発明では段ボール素材を想定しているが樹脂及び金属や木材なども使用可能であり、底部トレー102や上部トレー103は樹脂材を想定しており、PP(ポリプロピレン)やPET(ポリエチレン テレフタレート)等、本発明では板状の熱可塑性樹脂材を熱成形して加工品を例示しているが、その他の素材としてパルプモールド等でも使用可能である。
本発明で説明に使用している製品104はカメラで使用する交換式レンズ製品を想定しており、レンズの重さや大きさによって個装箱101、底部トレー102、上部トレー103の材質や大きさ等に違いが発生する。
個装箱101の底面4か所の角の一つである個装箱底面角部106a、106b、106c、106d(106dは不図示)、同じく底面と側面が直交する4か所の稜線である個装箱底面稜部107、側面と側面が直交する個装箱側面稜部108等は包装貨物の下面方向への角、稜部の落下時に於ける個装箱の変形が最も大きくなる箇所である。
「JIS Z 0200:2013 包装貨物−性能試験方法一般通則」によると、落下順序1に「下面に接する角」、落下順序2に「下面とつま面とに接する稜」、落下順序3に「下面と側面とに接する稜」、落下順序4に「側面とつま面とに接する稜」、その後に個装箱の6面に対して落下試験を行う順序となっている。
これは包装貨物の落下発生の頻度から考えられた物であり、最初に試験を行う箇所の角及び稜部落下で衝撃吸収材、即ち底部トレー102の変形が大きくなるとその後に実施する6面落下試験で製品性能に影響を及ぼす可能性があり、本発明では底面に対しての角落下及び稜部落下に対して有効な発明を提案するものである。
図2は本発明の実施例を示す梱包構成の構成側面図であり個装箱内部は透視して図示する。
個装箱101の側面を構成する個装箱側面111a、上面で開閉可能に動作する個装箱上面111b、底面を構成する個装箱底面111c、個装箱側面111aと個装箱底面111cに囲まれた位置に配置された底部トレー102で製品104を底面方向から支え4か所から底面方向に突き出して構成された支柱102a、上部トレー103は製品104上部を支え個装箱側面111aと個装箱上面111bに囲まれた位置に配置される。
図3は本発明の実施例を示す梱包構成の断面図であり、図1で示すA−A断面位置の図示である。
底部トレー102で側面方向の緩衝構造体で製品104の底面から底部トレー102の上側の範囲である側面緩衝構造部112、および底面方向の緩衝構造体で製品104の投影方向に構成した底面緩衝構造部113の範囲で支柱構造体114によって底面方向の緩衝構造及び保持を行う。
側面緩衝構造部112で製品104の底面位置と略一致する側面端部115aと、底面緩衝構造部113で製品104の投影方向と略一致する底面端部115bと、その側面端部115aと底面端部115bを結んだ線に傾斜面115cが構成される。
6面方向の落下衝撃に於いては底部トレー102の緩衝吸収構造として、側面衝撃については側面緩衝構造部112で構成し、底面衝撃については底面緩衝構造部113で構成することで衝撃吸収性能を確保し、底面に対する角及び稜部への落下衝撃試験に於いては、例えば個装箱底面稜部107に落下衝撃を加えた場合には傾斜面115cと個装箱底面稜部107との角部空間116によって底部トレー102の損傷を受けない様にすることが出来る。
これによって「JIS Z 0200:2013 包装貨物−性能試験方法一般通則」による落下順序で試験初期に行われる底面に接する角の落下及び稜部の落下に対して側面緩衝構造部112と底面緩衝構造部113の損傷を防ぎ、その後に行われる6面落下試験に対して良好な緩衝性能を保って製品保護が可能になるなり、本発明によって底部トレー部品の四隅の支柱の緩衝性能の維持を可能にする。
尚、傾斜面115cは側面緩衝構造部112と底面緩衝構造部113の緩衝性能が確保出来る範囲であれば角部空間116は変更出来、例えば図1の個装箱底面稜部107の稜の長さの所定量以上を角部空間119として確保し傾斜面を構成する事が可能であり、同様に個装箱底面角部106a、106b、106c、106d(106dは不図示)で例えば対角である106bと106cを結んだ対角長の所定量以上を角部空間として確保し傾斜面として構成する事で支柱構造体114の損傷を防ぐことも出来る。
上部トレー103で側面方向の緩衝構造体で製品104の上面位置から構成される側面緩衝構造部117、および上面方向の緩衝構造体で製品104を保持する上面緩衝構造部118が側面緩衝構造部117から延長して略上面を支える様に緩衝性能及び保持を行う。
また、上部トレー103内部には同梱品105が収められているが、緩衝性能自体は上部トレー103で確保し、製品104を保護する
以上、本発明での包装構成は底部トレー102と上部トレー103で製品104を支える構造であって、「JIS Z 0200:2013 包装貨物−性能試験方法一般通則」の落下試験於ける落下順序に対して、底面に接する角の落下及び稜部落下で底部トレー102の緩衝性能を司る緩衝構造部に損傷を受けずに、その後に行われる6面落下試験に於いて緩衝構造部を活かすことで落下衝撃による製品保護が可能になる。
図4は本発明の梱包状態である梱包構成を示した梱包手順斜視図である。
個装箱101の個装箱上面111bと個装箱上面フラップ111dは梱包物を挿入可能に開放し、底部トレー102、製品104、上部トレー103、同梱品105を順に個装箱101内に梱包を行い、個装箱上面フラップ111d、個装箱上面111bの順に閉じて梱包を完了する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、包装貨物の緩衝性能確保に関し、「JIS Z 0200:2013 包装貨物−性能試験方法一般通則」による落下順序に示す様に、最初に行われる底面に接する角部と、同じく底面に延在する稜部に対しての落下衝撃時に於けるダメージに対して、内部緩衝吸収部品にその影響を受けない空間を確保することで、その後に規定の落下試験を行っても緩衝性能を維持する事で梱包物を保護出来る緩衝吸収部品を提供することが可能となる。
101 個装箱
102 底部トレー
103 上部トレー
104 製品
105 同梱物

Claims (3)

  1. トレーで製品を支えて個装箱に収納し、前記個装箱の底面部に配置されたトレーで四隅を支える包装構造において、前記トレーに四隅で支える支柱を設け、前記支柱が個装箱の底面と側面に接する稜の部分の内側の空間から所定量の縦寸法及び横寸法の各々を離間させて保持し、前記支柱は、前記個装箱の前記稜の部分から前記縦寸法と略同等に離れた縦位置及び前記横寸法と略同等に離れた横位置を結んだ傾斜面を有し、前記個装箱の前記稜の部分と前記支柱の前記傾斜面との間に空間を形成する事を特徴とする包装構造。
  2. トレーで製品を支えて個装箱に収納し、前記個装箱の底面部に配置されたトレーで四隅を支える包装構造において、前記トレーに四隅で支える支柱を設け、前記支柱が個装箱の底面と側面に接する稜の部分の内側の空間は、製品の側面で略投影方向範囲及び製品の底面で略投影方向範囲は前記底部トレーの支柱構造体を共に確保し、その前記略側面投影範囲及び前記略底面投影範囲間を除いた範囲を傾斜面でつないだ底部トレーの四隅支柱構造体を有する事を特徴とする包装構造。
  3. トレーで製品を支えて個装箱に収納し、前記個装箱の底面部に配置されたトレーで四隅を支える包装構造において、前記トレーに四隅で支える支柱を設け、前記支柱が個装箱の底面と側面に接する稜の部分の内側の空間は、稜の長さの10%以上の空間を有し、及び、底面に接する四隅の角の部分の空間は底面の対角長に対して10%以上の空間を有し、底部トレー部品を支える四隅の支柱は製品を乗せた際の投影方向に重なる部分を有する事を特徴とする包装構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102665105B1 (ko) * 2023-10-19 2024-05-13 나승협 룰렛게임의 육면체 포장구조.

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