JP2021120169A - 成形物切断装置及び成形機 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形物の切断時の不具合を解消できる成形物切断装置及び成形機を提供する。【解決手段】成形機1は、ケーシング10内に形成された処理室5内に平行に配列された2個の螺旋体3と、ケーシング10の先端面に固定されて複数の成形ノズル13,13が取り付けられた端面板6と、端面板6の前面側に設置されて成形物を切断する成形物切断装置2を備える。成形物切断装置2は、成形ノズル13の先端部に篏合する篏合孔を有する篏合板15と、篏合板15の表面に沿って回転駆動される2つの回転刃16と、2つの回転刃16に連結された回転軸17と、2つの回転軸17に夫々設けられて回転力を伝達する歯車18と、一方の回転軸17に駆動力を入力する減速機19及び電動モータを備える。成形ノズル13から吐出された成形物を、篏合板15の表面に沿って回転する回転刃16により所定長さに切断する。【選択図】図2

Description

本発明は、成形機で製造される成形物を切断するための成形物切断装置及び成形機に関する。
以前より、廃棄物の再資源化の一環として、廃棄物から古紙や廃プラスチック等の可燃物を抽出し、抽出した可燃物を混錬及び成形して固形燃料を製造している。このような固形燃料を製造する成形機として、可燃物が投入されるケーシング内に、回転駆動される2軸の螺旋体を平行に配置し、これらの螺旋体の先端面が対向する側に、成形ノズルが装着された端面板を配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。
図6は、従来の成形機の主要部を示す断面図である。この成形機101は、被処理物の投入口112を有するケーシング110と、このケーシング110内に形成された処理室111と、この処理室111内に収容されて回転駆動され、被処理物の混錬及び圧縮を行う螺旋体102を備える。ケーシング110の端面には、螺旋体102の先端面に対向するように端面板115が固定されている。この端面板115には、螺旋体102の先端面の周縁部に対向して複数の成形ノズル116が装着されており、この成形ノズル116の貫通穴に、上記螺旋体102で混錬及び圧縮された被処理物が導かれる。被処理物が成形ノズル116の貫通穴を通るに伴って成形されてなる成形物は、端面板115の外側に設置された切断装置118により、所定長さに切断される。
上記切断装置118は、成形ノズル116の先端の近傍を軸直角方向に通過するように形成された回転刃120と、この回転刃120の駆動力を生成するモータ121と、モータ121の駆動力を回転刃120に伝達するチェーン伝達機構122を備える。この切断装置118は、成形ノズル116の先端の近傍を通る回転刃120により、上記成形ノズル116から吐出された成形物に軸直角方向の切断力を与えて、上記成形物を切断するようにしている。
特許第5797237号
しかしながら、上記従来の成形機の切断装置118は、成形物の切断における不具合が多い。具体的には、成形ノズル116から吐出された成形物に回転刃120が食い込んだ状態で回転刃120の回転が進み、成形物が曲がってしまう問題がある。また、成形物中の断面が毛羽立つ問題がある。また、成形物の長さを短くするために回転刃120の回転速度を上げると、回転刃120が成形物に食い込んで停止してしまう問題がある。
そこで、本発明の課題は、成形物の切断時の不具合を解消できる成形物切断装置及び成形機を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の成形物切断装置は、溶融物と非溶融物を含む被処理物を混合、加熱及び成形して成形物を製造する成形機に用いられる成形物切断装置であって、
上記成形物を吐出する成形ノズルの先端部に篏合する篏合孔を有し、この篏合孔に上記成形ノズルの先端部が篏合した状態で上記成形機に取り付けられるノズル篏合板と、
上記ノズル篏合板の表面に沿って上記篏合孔を横切るように刃部が駆動され、上記成形物を切断する切断刃と、
上記切断刃を駆動する駆動装置と
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、成形物切断装置は、溶融物と非溶融物を含む被処理物を混合、加熱及び成形して成形物を製造する成形機に用いられる。このような成形機として、例えば、可燃性の廃棄物を成形して固形燃料を製造するものが挙げられる。本発明の成形物切断装置は、成形機にノズル篏合板が取り付けられる。このノズル篏合板は、成形物を吐出する成形ノズルの先端部に篏合する篏合孔を有し、この篏合孔に上記成形ノズルの先端部が篏合する。このノズル篏合板の表面に近接して配置された切断刃は、上記ノズル篏合板の表面に沿って篏合孔を横切るように刃部が駆動され、これにより、上記成形ノズルから吐出されて篏合孔を通った成形物が切断される。成形物を吐出する成形ノズルの先端部に篏合孔が篏合した篏合板の存在により、上記切断刃によって成形物が速やかに切断される。その結果、切断中に成形物が曲がる問題や、成形物中の断面が毛羽立つ問題を軽減又は解決することができる。また、成形物の長さを短くするために切断刃の成形物に対する速度を上げたとき、切断刃が成形物に食い込んで停止する問題を解決できる。
一実施形態の成形物切断装置は、上記成形ノズルの先端と上記ノズル篏合板の表面との間の距離が調節可能に形成されている。
上記実施形態によれば、成形物を吐出する成形ノズルの先端部とノズル篏合板の表面との間の距離を調節することにより、成形ノズルの先端部を適切にノズル篏合板の篏合孔に篏合させることができる。
一実施形態の成形物切断装置は、上記ノズル篏合板の表面と上記切断刃の刃部との間の距離が調節可能に形成されている。
上記実施形態によれば、ノズル篏合板の表面と切断刃の刃部との間の距離を調節することにより、切断刃による成形物の切れ味を適切に調節することができる。
一実施形態の成形物切断装置は、上記ノズル篏合板の篏合孔は、実質的に円を描くように複数個配列され、
上記切断刃は、上記複数の篏合孔が配列された円の中心と同心の回転軸で回転駆動される。
上記実施形態によれば、ノズル篏合板において、成形ノズルの先端部が篏合する篏合孔が、実質的に円を描くように複数個配列される。切断刃は回転軸に連結され、この回転軸は、上記複数の篏合孔が配列された円の中心と同心に配置されている。この回転軸で切断刃が回転駆動されることにより、複数個の成形ノズルから吐出されて篏合孔を通った成形物を、効率的に切断することができる。
一実施形態の成形物切断装置は、上記ノズル篏合板の篏合孔は、2つの円が連なる横8字状に配列され、
上記2つの円の中心と同心の2つの回転軸に連結された2つの上記切断刃を備える。
上記実施形態によれば、ノズル篏合板において、成形ノズルの先端部が篏合する篏合孔が、2つの円が連なる横8字状に配列される。切断刃は回転軸に連結され、この回転軸は、上記複数の篏合孔が配列された2つの円の中心と同心に配置されている。この2つの回転軸で2つの切断刃が回転駆動されることにより、複数個の成形ノズルから吐出されて篏合孔を通った成形物を、効率的に切断することができる。
一実施形態の成形物切断装置は、上記駆動装置は、動力源と、この動力源からの出力を伝達する歯車機構と、この歯車機構によって互いに反対方向に回転する2つの上記回転軸とを有する。
上記実施形態によれば、駆動装置において、動力源からの出力が歯車機構で伝達され、2つの回転軸が互いに反対方向に回転される。これらの回転軸に連結された2つの切断刃により、成形物が切断される。2つの切断刃を互いに反対方向に駆動することにより、切断刃の互いの接触を容易に防止できる。また、歯車機構を用いることにより、動力源からの出力をチェーン及びスプロケットで伝達するチェーン機構を用いるよりも、簡易な構成で2つの切断刃を互いに反対方向に駆動できる。
本発明の成形機は、被処理物の投入口と、この投入口から投入された被処理物の混錬及び圧縮が行われる処理室を有するケーシングと、
上記ケーシングの処理室内に配置され、この処理室内の被処理物の混錬及び圧縮を行う螺旋軸と、
上記処理室に連通して配置され、貫通穴に上記被処理物を通過させるに伴って成形を行う成形ノズルと、
上記成形物切断装置と
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、成形機は、被処理物の投入口と、この投入口から投入された被処理物の混錬及び圧縮が行われる処理室を有するケーシングを備える。このケーシングの処理室内に配置された螺旋軸により、この処理室内の被処理物の混錬及び圧縮が行われる。上記処理室で螺旋軸により混錬及び圧縮が行われた被処理物は、この処理室に連通して配置された成形ノズルに導かれ、この成形ノズルの貫通穴を被処理物が通過するに伴い、被処理物が成形される。この成形ノズルで被処理物が成形されてなる成形物が、上記成形物切断装置によって切断される。この成形機は、本発明の成形物切断装置を備えるので、被処理物を成形してなる成形物を効果的に切断でき、良好な品質の成形物が得られる。
一実施形態の成形機は、互いに平行に配列された2つの上記螺旋軸を備える。
上記実施形態によれば、ケーシングの処理室内に配置された螺旋軸が、互いに平行に配列された2つの螺旋軸であるので、効率的に成形物が製造される。この成形機は、本発明の成形物切断装置を備えるので、2つの螺旋軸により効率的に製造された成形物を、少ない不具合で効率的に切断することができる。
本発明の実施形態の成形機及び成形物切断装置を示す平面図である。 成形機の先端部分及び成形物切断装置を示す断面図である。 成形機の先端部分及び成形物切断装置を示す平面図である。 成形物切断装置のノズル篏合板及び切断刃を示す正面図である。 切断刃を示す正面図である。 切断刃を示す側面図である。 従来の成形機及び成形物切断装置を示す断面図である。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の成形機及び成形物切断装置を示す図であり、図2は、実施形態の成形機の先端部分及び成形物切断装置を示す断面図であり、図3は、実施形態の成形機の先端部分及び成形物切断装置を示す平面図である。実施形態の成形機は、被処理物として、溶融物としての例えばプラスチックと、非溶融物としての例えば古紙や木屑等とを含む廃棄物を、混合、加熱及び成形して固形燃料を製造するものである。
本実施形態の成形機1は、被処理物を混練及び圧縮する2個の螺旋体3,4と、これらの螺旋体3,4に各々連結されて回転力を伝達する回転駆動軸8,9と、一方の回転駆動軸8にカップリングCを介して連結された減速機D、伝動装置T及び主電動モータMを備える。
上記螺旋体3,4は、ケーシング10内に形成された処理室5に収容されている。上記ケーシング10は、回転駆動軸8,9側の上部に、上記処理室5に連通する被処理物の投入口11が形成されている。また、このケーシング10は、螺旋体3,4の延在方向の先端面に、このケーシング10内の処理室5の壁面を形成する端面板6が固定されている。端面板6には、混錬、圧縮及び加熱された被処理物を成形する成形ノズル13が配置されている。
本実施形態において、螺旋体3,4及び回転駆動軸8,9の延在する方向について、端面板6に向かう側を前側といい、減速機Dに向かう側を後側という。
上記螺旋体3,4は、上記回転駆動軸8,9の先端側の嵌合部に取り付けられる回転軸部と、この回転軸の周面に形成された螺旋羽根とを有する。螺旋体3,4の回転軸部は、先端側に底が形成された六角形断面の有底孔が形成されており、この有底孔に、回転駆動軸8,9の六角形断面の篏合部が篏合している。
上記螺旋体3,4は、螺旋羽根が互いに逆回りに形成されている。これらの螺旋体3,4は、軸方向視において互いの螺旋羽根が重なり合うように水平方向に平行に並んで配置されている。一対の回転駆動軸8,9は、図1の矢印R1,R2で示すように、互いに反対向きに回転駆動される。これにより、螺旋体3,4は、互いに重なり合う幅方向の中央部分において、螺旋羽根が上から下に向かうように回転駆動される。これにより、螺旋体3,4は、投入口11から投入された被処理物を挟み込み、混練及び圧縮しながら端面板6側に移送するように形成されている。
上記螺旋体3,4は、回転軸部の直径が、投入口11側部分よりも先端側部分の方が大きく形成されている。また、上記螺旋体3,4は、螺旋羽根の軸方向の間隔であるピッチが、投入口11側部分よりも先端側部分の方が小さく形成されている。さらに、上記螺旋体3,4は、螺旋羽根の厚みが、投入口11側部分よりも先端側部分の方が大きく形成されている。これにより、螺旋体3,4の螺旋羽根の外周に接する円筒と、回転軸部の外側面との間に形成される室の容積を、投入口11側部分よりも先端側部分の方が小さくなるようにしている。これにより、螺旋体3,4が回転し、被処理物が処理室5内を投入口11側から先端側に向かって導かれるに伴い、被処理物に作用する圧力が増大するように形成されている。螺旋体3,4の螺旋羽根の先端には、軸直角方向に延在する平坦部が形成されている。
これらの螺旋体3,4は、被処理物を、カサ比重が概ね0.45から0.5の間となる程度に圧縮できる。また、投入時にカサ比重が0.025の被処理物を、成形ノズル13からの排出時には、真比重が概ね0.6から1.2の間となる程度に圧縮できる。螺旋体3,4の先端には短軸の円筒形状のボスが固定され、処理室5の先端部であって、端面板6に対向する位置に配置されている。このボスと圧縮室5との間に形成された圧縮空間に、螺旋体3,4で圧縮された被処理物が導かれる。この圧縮空間では、螺旋体3,4により被処理物が押し込まれて被処理物の圧力が上昇する。これと共に、圧縮空間の前側の壁面を形成する端面板6のヒータの熱と、螺旋体3,4の外側面と被処理物との間に生じる摩擦熱により、圧縮空間内の被処理物の溶融物が十分に溶解する。こうして溶融物が融解して高圧になった被処理物を、端面板6に設けられた成形ノズル13に導き、成形ノズル13により成形する。被処理物は、螺旋体3,4の螺旋羽根の先端の平坦部により、成形ノズル13の貫通穴の入口に向かって効果的に押し込まれる。
端面板6は、ケーシング10の先端面に設けられたフランジ10aに固定されている。この端面板6の側面と、ケーシング10のフランジ10aの縁部との間を連結するリンクヒンジ装置12によって、端面板6がケーシング10の先端面を開閉可能に形成されている。端面板6には、処理室5で処理された被処理物を成形する複数の成形ノズル13,13,13,・・・が取り付けられている。また、端面板6には、被処理物を加熱するヒータと、成形ノズル13から排出される被処理物の温度を検出する温度センサが設けられている。上記ヒータは、抵抗加熱式のヒータである。
端面板6には、螺旋体3,4の先端の平面部が対向して通過する横8の字状の領域に、複数のノズル孔が形成されている。このノズル孔の縁部には段部が形成されている。この段部に、図2の断面図に示すように、成形ノズル13の基端部に設けられたフランジを係止させて、ノズルに成形ノズル13を取り付けている。端面板6のノズル孔に装着された成形ノズル13は、端面板6の他方の面から先端側部分が突出している。
端面板6の前面には、本発明の実施形態の成形物切断装置2が配置されている。この成形物切断装置2は、成形ノズル13から吐出された成形物を切断し、所定の長さに形成するものである。
この成形物切断装置2は、図3に示すように、切断機ヒンジ27を介してケーシング10のフランジ10aに取り付けられている。この成形物切断装置2は、成形ノズル13の先端に取り付けられるノズル篏合板15と、ノズル篏合板15の表面に近接して回転駆動される切断刃としての回転刃16,16と、回転刃16の駆動装置を備える。
図4は、成形物切断装置2のノズル篏合板15と、切断刃としての回転刃16,16を示す正面図である。ノズル篏合板15は、成形ノズル13の先端部に篏合する複数の篏合孔15a,15a,15a,・・・を有する。複数の篏合孔15a,15a,15a,・・・は、端面板6における複数の成形ノズル13,13,13,・・・の配置形状と同様に、横8字状に配列されている。この篏合孔15a,15a,15a,・・・の配列形状の横8字を構成する2つの円を中心に、2つの回転刃16,16が回転するように構成されている。ノズル篏合板15は、縁部に複数の取付孔15bを有し、これらの取付孔15bに装着されたボルトによって、端面板6に取り付けられている。ノズル篏合板15の端面板6の表面からの距離は、ボルトの長さや螺着長さで調節可能になっており、これにより、成形ノズル13の先端とノズル篏合板15の表面との間の距離が調節可能になっている。成形ノズル13の先端とノズル篏合板15の表面との間の距離は、ノズル篏合板15の厚み以下に調節するのが好ましい。特に、成形ノズル13の先端とノズル篏合板15の表面との間の距離が実質的に零であって、成形ノズル13の先端とノズル篏合板15の表面が同一面上にあるのが好ましい。
図5Aは切断刃としての回転刃16を示す正面図であり、図5Bは切断刃としての回転刃16を示す側面図である。この回転刃16は、回転軸17に連結される軸部35と、この軸部35の周面から延在する2つの切断刃本体36,36を有する。軸部35は円筒形状を有し、回転軸17の先端部が挿入されて固定される軸孔35aを有する。切断刃本体36,36は、軸部35の中心軸に対して傾斜して延在する板状体で形成され、成形ノズル13に近い側の縁部が鋭角断面を有する刃部36aに形成されている。なお、本実施形態では、回転刃16は、軸部35の周面に、一直線上に延びる2つの切断刃本体36,36を有するが、1個又は3個以上の切断刃本体36を有してもよい。また、図5A及び図5Bに示した回転刃16は、図3における右側の回転軸17に連結され、図4の矢印R11のように反時計回りに回転駆動される。一方、図3における左側の回転軸17に連結され、図4の矢印R12のように時計回りに回転駆動される回転刃16は、図5A及び図5Bに示した形状と左右対称の形状を有する。
成形物切断装置2は、支持板26及びケーシング25を備え、この支持板26及びケーシング25に、駆動装置や回転刃16,16等の構成部品が取り付けられている。支持板26は、正面視において矩形状を有し、端面板6と平行に配置される。支持板26の端面板6に臨む側に、回転刃16が配置される。回転刃16に連結された回転軸17は、支持板26及びケーシング25内に取り付けられた軸受けによって回転可能に支持されている。ケーシング25は、支持板26の端面板6から遠い側に設けられており、回転刃16に駆動力を伝達するための歯車18と軸受を収容している。また、ケーシング25の表面には、駆動力を生成する動力源としての電動モータ20と減速機19が取り付けられている。電動モータ20は、三相誘導電動機で形成されている。
ケーシング25内に収容された歯車18は、図3に示すように、回転刃16と同心に回転軸17に固定された外歯車であり、2つの回転刃16に対応する2つの上記歯車18が互いに噛み合っている。一方の回転軸17は、減速機19を介して電動モータ20に接続されており、この回転軸17に入力された駆動力が、歯車18を介して他方の回転軸18に伝達されて、2つの回転刃16を回転駆動するように構成されている。このように、回転軸17、歯車18、減速機19及び電動モータ20で、回転刃16の駆動装置が構成されている。2つの回転刃16,16は、図4に示すように、互いに90°の位相差を有して回転駆動されるように構成されている。これにより、2つの回転刃16,16の外径が、互いに衝突することなく交差した軌跡G1,G2を描くように回転可能になっている。また、2つの回転刃16,16は、矢印R11,12で示すように、互いに反対方向に回転駆動されるように構成されている。これらの回転刃16,16の回転速度は、成形物の材料や、成形物を切断する長さに応じて設定される。
支持板26及びケーシング25は、正面視において幅方向の一方の縦縁部に、切断機ヒンジ27から延びる棒状の第1支持アーム28が連結されている。第1支持アーム28の表面には雄螺子が形成されており、支持板26及びケーシング25の縦縁部に形成された貫通孔に第1支持アーム28が挿通される。この第1支持アーム28に螺合したナット29,29で支持板26及びケーシング25の表面を挟んで押圧することにより、第1支持アーム28の軸方向において、この第1支持アーム28に対する支持板26及びケーシング25の固定位置が調節可能になっている。
一方、支持板26の正面視において幅方向の他方の縦縁部には、端面板6に固定された第2支持アーム31が連結されている。第2支持アーム31の表面には雄螺子が形成されており、一端が端面板6に螺合してナット33で固定されている。この第2支持アーム31の他端側が、支持板26の縦縁部に形成された貫通孔に挿通され、上記第2支持アーム31に螺合した2つのナット32,32で支持板26を挟んで固定している。これにより、第2支持アーム31の軸方向において、支持板26の固定位置が調節可能になっている。
このように、第1支持アーム28及び第2支持アーム31に沿った支持板26の固定位置を調節することにより、ノズル篏合板15の表面と、回転刃16の刃部36aとの間の距離が調節可能になっている。ノズル篏合板15の表面と、回転刃16の刃部36aとの間の距離は、成形物の材料や特性に応じて種々の値に設定できるが、例えばプラスチックと紙類を材料として固形燃料を製造する場合、0.01mm〜50mmに設定することができる。特に好ましくは0.01mm〜5mmであり、良好な切断効率が得られる。被処理物に金属等の切断が困難なものが混入する可能性がある場合は、刃部36aを保護するため、20mm〜50mmに設定することができる。
上記成形物切断装置2の切断機ヒンジ27は、上記端面板6のリンクヒンジ装置12が固定された側と反対側の縁に固定されていて、端面板6が回動する方向と反対方向に成形物切断装置2が回動可能になっている。この成形物切断装置2は、端面板6が処理室5を閉じた状態で、この端面板6の外側面から突出した成形ノズル13の先端に回転刃16,16が近接するように配置される。端面板6を開く場合は、成形物切断装置2を切断機ヒンジ27回りに回動させて、図3に示す位置と90°の角度をなす位置に配置した後、この成形物切断装置2の回動方向と反対方向に端面板6を回動させる。これにより、端面板6の保守作業や、処理室5内の螺旋体3,4の保守作業や、ケーシング10内の壁面部材の保守作業を容易に行うことができる。
成形機1のケーシング10の後側の壁面には軸貫通穴が形成され、この軸貫通穴に、一対の回転駆動軸8,9が挿通されている。図1に示すように、回転駆動軸8,9の後側部分は、ケーシング10の投入口11の後側に位置するギヤボックス7内に収容され、軸受により回転自在に支持されている。ギヤボックス7内には、上記一対の回転駆動軸8,9に各々設けられて互いに噛み合う平歯車80,90が収容されている。一方の回転駆動軸8は、ギヤボックス7に隣接して設けられたカップリングCに接続されている。上記カップリングCは減速機Dに接続されており、主電動モータMから伝動装置Tを介して伝達された回転力が、この減速機Dで減速され、カップリングCを介して上記一方の回転駆動軸8に伝達される。この一方の回転駆動軸8の平歯車80と他方の回転駆動軸9の平歯車90を介して他方の回転駆動軸9に回転力が伝達されて、上記一対の回転駆動軸8,9が互いに反対方向に等速で回転するようになっている。
上記構成の成形機1及び成形物切断装置2は、次のように動作する。まず、成形機1が起動されると、主電動モータMの回転力が、伝動装置T、減速機D及びカップリングCを介して回転駆動軸8に伝達され、この回転駆動軸8に伝達された回転力が平歯車80,90によって他方の回転駆動軸9に伝達されて、一対の回転駆動軸8,9が互いに逆向きに回転駆動される。これにより、回転駆動軸8,9に連結された一対の螺旋体3,4が、ケーシング10内で互いに逆向きに回転する。一対の螺旋体3,4は、平面視において幅方向の内側に向かうと共に、正面視において互いのラップする部分が上から下に向かうように回転駆動される。螺旋体3,4は30rpm(回転毎分)以上85rpm以下の比較的低速度で回転するのが好ましい。
また、成形物切断装置2が起動され、電動モータ20の回転力が減速機19を介して一方の回転軸17に伝達され、2つの歯車18,18を介して2つの回転軸17,17が互いに反対方向に回転駆動されて、2つの回転刃16,16が互いに反対方向に回転駆動される。これらの回転刃16,16は、図4の矢印R11,12で示すように、正面視において互いに幅方向の外側から内側、かつ、上方から下方に向かって先端部が移動するように回転する。これらの回転刃16,16の回転方向は、ケーシング10内の螺旋体3,4の回転方向と同じである。
螺旋体3,4の回転駆動が開始されると、ケーシング10の投入口11に、被処理物である廃棄物が投入される。廃棄物は、プラスチック等の溶融物と、紙屑や木屑等の非溶融物との混合物が好ましい。特に、成形物として固形燃料を製造する場合は、廃棄物の構成物の割合が、乾燥状態の溶融物と非溶融物の合計が100wt%であって、溶融物が20wt%(質量パーセント)以上80wt%以下の間であり、かつ、非溶融物が20wt%以上80wt%以下であるのが好ましい。
ケーシング10内では、投入された被処理物を、一対の螺旋体3,4によって挟み込んで混練するとともに、処理室5の先端に向かって移送する。螺旋体3,4で混錬及び圧縮され、処理室5の先端の圧縮空間に送られた被処理物は、端面板6のヒータによる熱と、螺旋体3,4と被処理物との間の摩擦熱により加熱される。こうして被処理物が高い圧力下で加熱されることにより、被処理物が圧縮された状態で溶融物が十分に溶解する。処理室5の先端部の圧縮空間で圧縮された被処理物は、溶融した溶融物と非溶融物が混合した状態で、成形ノズル13の貫通穴内に導かれ、この成形ノズル13内を通る間に成形される。
被処理物が成形ノズル13で成形されて吐出されてなる棒状の成形物は、成形物切断装置2の回転刃16によって所定長さに切断され、下方に配置された容器内に落下し、又は、下方に配置されたコンベヤで排出されて回収される。所定長さに切断された棒状の被処理物は、温度が降下するに伴って溶融物が固化して、固形再生燃料となる。
ここで、本実施形態の成形物切断装置2は、成形ノズル13の先端部が篏合するノズル篏合板15を備え、このノズル篏合板15の表面に近接して回転刃16が回転駆動されている。したがって、成形ノズル13から吐出される成形物に、回転刃16の切断力を安定して与えることができ、成形物が殆ど曲がることなく切断することができる。また、成形物を回転刃16で安定して切断できるので、成形物の切断面の毛羽立ちを従来よりも抑制できる。また、回転刃16の回転速度を上げても、回転刃16の切断力を成形物に安定して与えることができるので、回転刃16が停止することなく成形物を切断することができる。こうして、本実施形態の成形機1は、成形物切断装置2により、成形物の切断時の不具合を効果的に解消できる。
このように、上記成形物切断装置2が成形物を安定して切断できるのは、ノズル篏合板15により成形ノズル13が固定されるので、回転刃16からの力が成形物に適切に作用するからと考えられる。また、ノズル篏合板15と回転刃16とでせん断力を発揮することにより、成形物を安定して切断できると考えられる。
上記実施形態において、成形物切断装置2は、動力源としての電動モータ20により回転刃16,16を駆動したが、油圧モータ等の他の動力源で回転刃16,16を駆動してもよい。
また、上記実施形態において、成形機1は、2つの螺旋体3,4によって被処理物を混錬、圧縮及び成形する2軸型であったが、1つの螺旋体によって被処理物を混錬、圧縮及び成形する1軸型でもよい。この場合、成形物切断装置は、1つの螺旋体に対応して1つの切断刃としての回転刃を設けてもよい。
また、上記実施形態において、成形機1は、被処理物として、溶融物と非溶融物を含む廃棄物を減容及び成形して固形燃料を製造したが、被処理物は溶融物と非溶融物に限定されず、また、廃棄物に限定されない。また、成形物の用途は固形燃料に限定されない。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、多くの変形が、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
1 成形機
2 成形物切断装置
3,4 螺旋体
5 圧縮室
6 端面板
7 ギヤボックス
8,9 回転駆動軸
10 ケーシング
10a ケーシングのフランジ
11 投入口
13 成形ノズル
15 ノズル篏合板
15a ノズル篏合板の篏合孔
16 回転刃
17 回転軸
18 歯車
19 減速機
20 電動モータ
25 成形物切断装置のケーシング
26 成形物切断装置の支持板
27 切断機ヒンジ
28 第1支持アーム
29,32 ナット
31 第2支持アーム
C カップリング
M 主電動モータ
D 減速機
T 伝達装置

Claims (8)

  1. 溶融物と非溶融物を含む被処理物を混合、加熱及び成形して成形物を製造する成形機に用いられる成形物切断装置であって、
    上記成形物を吐出する成形ノズルの先端部に篏合する篏合孔を有し、この篏合孔に上記成形ノズルの先端部が篏合した状態で上記成形機に取り付けられるノズル篏合板と、
    上記ノズル篏合板の表面に沿って上記篏合孔を横切るように刃部が駆動され、上記成形物を切断する切断刃と、
    上記切断刃を駆動する駆動装置と
    を備えることを特徴とする成形物切断装置。
  2. 請求項1に記載の成形物切断装置において、
    上記成形ノズルの先端と上記ノズル篏合板の表面との間の距離が調節可能に形成されていることを特徴とする成形物切断装置。
  3. 請求項1に記載の成形物切断装置において、
    上記ノズル篏合板の表面と上記切断刃の刃部との間の距離が調節可能に形成されていることを特徴とする成形物切断装置。
  4. 請求項1に記載の成形物切断装置において、
    上記ノズル篏合板の篏合孔は、実質的に円を描くように複数個配列され、
    上記切断刃は、上記複数の篏合孔が配列された円の中心と同心の回転軸で回転駆動されることを特徴とする成形物切断装置。
  5. 請求項1に記載の成形物切断装置において、
    上記ノズル篏合板の篏合孔は、2つの円が連なる横8字状に配列され、
    上記2つの円の中心と同心の2つの回転軸に連結された2つの上記切断刃を備えることを特徴とする成形物切断装置。
  6. 請求項5に記載の成形物切断装置において、
    上記駆動装置は、動力源と、この動力源からの出力を伝達する歯車機構と、この歯車機構によって互いに反対方向に回転する2つの上記回転軸とを有する
    ことを特徴とする成形物切断装置。
  7. 被処理物の投入口と、この投入口から投入された被処理物の混錬及び圧縮が行われる処理室を有するケーシングと、
    上記ケーシングの処理室内に配置され、この処理室内の被処理物の混錬及び圧縮を行う螺旋軸と、
    上記処理室に連通して配置され、貫通穴に上記被処理物を通過させるに伴って成形を行う成形ノズルと、
    請求項1に記載の成形物切断装置と
    を備えることを特徴とする成形機。
  8. 請求項7に記載の成形機において、
    互いに平行に配列された2つの上記螺旋軸を備えることを特徴とする成形機。
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