JP2021119593A - コンデンサ素子および電解コンデンサ、ならびにコンデンサ素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解コンデンサのESRを低減する。【解決手段】陽極体と、前記陽極体の少なくとも一部を覆う誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う陰極層と、を備え、前記陰極層は、前記誘電体層側に配置される第1層と、前記第1層の前記誘電体層とは反対側に配置されるとともに、金属材料を含む第2層と、を備え、前記第1層は、固体電解質層を含み、前記第1層の前記第2層側の表面から前記金属材料までの距離は、0.1μm以下である、コンデンサ素子。【選択図】図1
Description
本発明は、コンデンサ素子および電解コンデンサ、ならびにコンデンサ素子の製造方法に関し、詳細には、陰極層の改良に関する。
電解コンデンサは、コンデンサ素子と、コンデンサ素子を覆う外装体とを備える。コンデンサ素子は、陽極体と、陽極体上に形成される誘電体層と、誘電体層上に形成される陰極層と、を備える。陰極層は通常、固体電解質層と、固体電解質層上に形成されるカーボン層と、カーボン層上に形成される銀ペースト層と、を有する。銀ペースト層は、電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)に大きな影響を与える。そのため、特許文献1、2および3には、様々に改良された銀ペースト層が開示されている。
特許文献1、2および3に記載された銀ペースト層を用いても、ESRを小さくすることは困難である。
本発明の第一の局面は、陽極体と、前記陽極体の少なくとも一部を覆う誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う陰極層と、を備え、前記陰極層は、前記誘電体層側に配置される第1層と、前記第1層の前記誘電体層とは反対側に配置されるとともに、金属材料を含む第2層と、を備え、前記第1層は、固体電解質層を含み、前記第1層の前記第2層側の表面から前記金属材料までの距離は、0.1μm以下である、コンデンサ素子に関する。
本発明の第二の局面は、上記コンデンサ素子を備える、電解コンデンサに関する。
本発明の第三の局面は、陽極体の少なくとも一部を覆う誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う第1層を形成する第1層形成工程と、前記第1層の少なくとも一部に金属材料を含む金属ペーストを付着させて第2層を形成する第2層形成工程と、を備え、前記第1層は、固体電解質層を含み、前記第1層の前記第2層側の表面から前記金属材料までの距離は、0.1μm以下である、コンデンサ素子の製造方法に関する。
本発明によれば、電解コンデンサのESRを低減することができる。
ESRが十分に低減されない原因の一つとして、陰極層を形成する層のうち、金属ペースト層のような金属材料を含む層とこれに隣接する層との間の接触抵抗が依然として大きいことが考えられる。
この接触抵抗は、金属材料と、金属材料を含む層に隣接する層との間の距離を0.1μm以下にすることにより、顕著に低減されることが分かった。これら層間の接触抵抗が十分に小さくなることにより、電解コンデンサのESRは低減する。
すなわち、本実施形態に係るコンデンサ素子は、陽極体と、陽極体の少なくとも一部を覆う誘電体層と、誘電体層の少なくとも一部を覆う陰極層と、を備える。陰極層は、誘電体層側に配置される第1層と、第1層の誘電体層とは反対側に配置されるとともに、金属材料を含む第2層と、を備える。第1層の第2層側の表面から金属材料までの距離(以下、第1距離と称す場合がある。)は、0.1μm以下である。第1層の第2層側の表面は、第1層と第2層との界面と同義である。
第1距離は、0.08μm以下であってよく、0.05μm以下であってよい。
第1距離は、コンデンサ素子の断面から算出できる。
まず、電解コンデンサを解体してコンデンサ素子を取り出して切断し、イオンミリング加工を行って当該コンデンサ素子の断面を得る。電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)等を用いて当該断面を15,000倍に拡大し、第1層と第2層との界面が観察できる拡大画像を得る。
まず、電解コンデンサを解体してコンデンサ素子を取り出して切断し、イオンミリング加工を行って当該コンデンサ素子の断面を得る。電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)等を用いて当該断面を15,000倍に拡大し、第1層と第2層との界面が観察できる拡大画像を得る。
得られた拡大画像を、画像解析ソフト(例えば、Media Cybernetics社製、Image−Pro)を用いて、第1層と金属材料とが区別できるように2値化する。第2層にバインダ樹脂が含有されている場合、拡大画像を、第1層と金属材料とバインダ樹脂とが区別できるように3値化してもよい。第2層に空隙が形成されている場合、拡大画像を、第1層と金属材料と空隙とが区別できるように3値化してもよい。そして、第1層と第2層との界面から金属材料までの距離を、第1層の厚み方向に測定する。上記距離は、上記界面上の等間隔に配置される100点以上(150点以下であってよい。)を起点として測定する。測定された100点以上における上記距離の平均値が、第1距離である。
第1層の厚み方向は、上記拡大画像をx軸およびy軸を備える平面座標とみなすことにより定義できる。上記距離の測定に用いられた界面上の100点を上記平面座標にプロットし、その近似直線を引く。得られた近似直線と垂直に交わる直線が伸びる方向が、第1層の厚み方向である。
A.コンデンサ素子
本実施形態に係るコンデンサ素子は、陽極体と誘電体層と陰極層とを備える。陰極層は、第1層と第2層とを備える。第2層は、金属材料を含む。
本実施形態に係るコンデンサ素子は、陽極体と誘電体層と陰極層とを備える。陰極層は、第1層と第2層とを備える。第2層は、金属材料を含む。
[陽極体]
陽極体は、導電性材料として弁作用金属を含む箔(金属箔)または弁作用金属を含む多孔質焼結体を含む。多孔質焼結体からは、陽極ワイヤーを植立させる。陽極ワイヤーは、陽極リード端子との接続に用いられる。弁作用金属としては、チタン、タンタル、アルミニウムおよびニオブ等が挙げられる。陽極体は、一種、または二種以上の上記弁作用金属を含んでいてもよい。陽極体は、弁作用金属を、弁作用金属を含む合金または弁作用金属を含む化合物等の形態で含んでいてもよい。金属箔である陽極体の厚みは特に限定されず、例えば、15μm以上300μm以下である。多孔質焼結体である陽極体の厚みは特に限定されず、例えば、15μm以上5mm以下である。
陽極体は、導電性材料として弁作用金属を含む箔(金属箔)または弁作用金属を含む多孔質焼結体を含む。多孔質焼結体からは、陽極ワイヤーを植立させる。陽極ワイヤーは、陽極リード端子との接続に用いられる。弁作用金属としては、チタン、タンタル、アルミニウムおよびニオブ等が挙げられる。陽極体は、一種、または二種以上の上記弁作用金属を含んでいてもよい。陽極体は、弁作用金属を、弁作用金属を含む合金または弁作用金属を含む化合物等の形態で含んでいてもよい。金属箔である陽極体の厚みは特に限定されず、例えば、15μm以上300μm以下である。多孔質焼結体である陽極体の厚みは特に限定されず、例えば、15μm以上5mm以下である。
[誘電体層]
誘電体層は、例えば、陽極体の表面を、化成処理等により陽極酸化することで形成される。そのため、誘電体層は、弁作用金属の酸化物を含み得る。例えば、弁作用金属としてアルミニウムを用いた場合、誘電体層はAl2O3を含み、弁作用金属としてタンタルを用いた場合、誘電体層はTa2O5を含む。なお、誘電体層はこれに限らず、誘電体として機能するものであればよい。
誘電体層は、例えば、陽極体の表面を、化成処理等により陽極酸化することで形成される。そのため、誘電体層は、弁作用金属の酸化物を含み得る。例えば、弁作用金属としてアルミニウムを用いた場合、誘電体層はAl2O3を含み、弁作用金属としてタンタルを用いた場合、誘電体層はTa2O5を含む。なお、誘電体層はこれに限らず、誘電体として機能するものであればよい。
[陰極層]
陰極層は、第1層および第2層を備える。
陰極層は、第1層および第2層を備える。
(第1層)
第1層は、誘電体層側に配置されている。
第1層は、誘電体層側に配置されている。
第1層は、1または2以上の固体電解質層を含む。第1層は、固体電解質層以外の層をさらに含んでもよい。この場合、固体電解質層は誘電体層側に配置され、他の層は固体電解質層の誘電体層とは反対側に配置される。他の層は、例えば、カーボン層である。カーボン層は、第2層に隣接していることが望ましい。固体電解質層と第2層との間にカーボン層が配置されることにより、陰極層における電気抵抗が低減する。カーボン層と金属材料との距離を小さくすることにより、電子の受け渡しがさらにスムーズになって、接触抵抗は大きく低減する。
(固体電解質層)
固体電解質層は、誘電体層の少なくとも一部を覆うように形成されている。固体電解質層は、誘電体層の表面全体を覆うように形成されていてもよい。
固体電解質層は、誘電体層の少なくとも一部を覆うように形成されている。固体電解質層は、誘電体層の表面全体を覆うように形成されていてもよい。
固体電解質層の厚みは特に限定されない。固体電解質層の中央部の厚みは、例えば、0.1μm以上100μm以下であってよく、1μm以上50μm以下であってよい。固体電解質層の中央部は、固体電解質層をその法線方向から見た時の中心を含み、かつ、固体電解質層全体の50%の面積を有する領域である。固体電解質層の中央部の厚みは、上記中央部を第1層の厚み方向に切断して得られる断面における任意の5点の平均値であり、上記の拡大画像から算出されてもよい。
固体電解質層は、例えば、マンガン化合物や導電性高分子により形成される。導電性高分子として、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、それらの誘導体などを用いることができる。導電性高分子を含む固体電解質層は、例えば、原料モノマーを誘電体層上で化学重合および/または電解重合することにより、形成することができる。あるいは、導電性高分子が溶解した溶液、または、導電性高分子が分散した分散液を誘電体層に塗布することにより、形成することができる。
(カーボン層)
カーボン層は炭素材料を含み、導電性を有する。
カーボン層は炭素材料を含み、導電性を有する。
炭素材料としては特に限定されない。炭素材料としては、例えば、グラファイト、カーボンブラック、グラフェン片、カーボンナノチューブが挙げられる。
炭素材料の形状は特に限定されない。炭素材料は、球状および/または鱗片状の炭素粒子を含んでいてよい。球状の炭素粒子の平均アスペクト比は、例えば、1.5未満である。鱗片状の炭素粒子の平均アスペクト比は、例えば、1.5以上であり、2以上である。
カーボン層の厚みは特に限定されない。カーボン層の中央部の厚みは、炭素材料のサイズを考慮して決定することができる。カーボン層の厚みは、例えば、0.01μm以上20μm以下であってよく、0.1μm以上5μm以下であってよい。カーボン層の中央部は、カーボン層をその法線方向から見た時の中心を含み、かつ、カーボン層全体の50%の面積を有する領域である。カーボン層の中央部の厚みは、上記中央部を第1層の厚み方向に切断して得られる断面における任意の5点の平均値であり、上記の拡大画像から算出されてもよい。
炭素粒子の平均粒子径は、例えば、0.05μm以上であり、0.1μm以上である。炭素粒子の平均粒子径は、例えば、10μm以下であり、5μm以下である。炭素粒子の平均粒子径は、体積基準の粒度分布(累積分布)における50%粒子径D50(つまり、メジアン径)であるか、あるいは、上記距離の測定に用いられた拡大画像から求めることができる。観察視野内から任意の複数個(例えば、10個)の炭素粒子を選択して粒子径を算出し、平均化することにより求めることができる。炭素粒子の断面の面積と同じ面積を有する円の直径を、その炭素粒子の粒子径とすればよい。
カーボン層は、必要に応じて、後述するバインダ樹脂、および/または添加剤などを含んでもよい。添加剤としては、例えば、分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤、塩基、および/または酸などが挙げられる。
(第2層)
第2層は、第1層に隣接しており、金属材料を含む。
金属材料は特に限定されない。導電性の観点から、金属材料は銀を含んでよい。
第2層は、第1層に隣接しており、金属材料を含む。
金属材料は特に限定されない。導電性の観点から、金属材料は銀を含んでよい。
金属材料の形状は特に限定されない。金属材料は、球状および/または鱗片状の金属粒子を含んでいてよい。球状の金属粒子(以下、球状粒子と称す。)の平均アスペクト比は、例えば、1.5未満である。鱗片状の金属材料の平均アスペクト比は、例えば、1.5以上であり、2以上である。第2層において金属材料が緻密に配置される点で、金属材料は、球状粒子を含むことが好ましい。
金属材料は、金属粒子の集合体を含んでいてもよい。これにより、電子は第2層内をより移動し易くなって、ESRはさらに低減し得る。集合体は、複数の金属粒子の凝集体、融着体あるいは焼結体である。球状粒子は特に集合体を形成し易い。
金属粒子の平均粒子径は、1nm以上であってよく、5nm以上であってよい。第2層において金属材料が緻密に配置される点で、金属粒子の粒子径は、1μm以下であってよく、500nm以下であってよく、200nm以下であってよい。金属粒子の粒子径は、例えば、1nm以上1μm以下である。金属粒子の粒子径がこの範囲であると、第1距離が小さくなり易く、また、集合体が形成され易い。金属粒子は、1nm以上1μm以下の粒子径を有する金属粒子(以下、ナノ粒子と称す場合がある。)以外の金属粒子を含んでいてもよい。
金属粒子の粒子径は、上記距離の測定に用いられた拡大画像から求めることができる。観察視野内から任意の複数個(例えば、10個)の金属粒子を選択して粒子径を算出し、平均化することにより求めることができる。金属粒子の断面の面積と同じ面積を有する円の直径を、その金属粒子の粒子径とすればよい。第2層において、金属粒子が集合体として存在している場合、その集合体の面積を金属粒子の数で除した値を、金属粒子1つの面積とみなして、これら金属粒子の粒子径を算出すればよい。
金属粒子の粒子径は、動的光散乱方式の粒度分布測定装置を用いて測定されてもよい。この場合、金属粒子の粒子径は、動的光散乱方式で測定されたキュムラント径あるいは、メジアン径(D50)である。体積基準の粒度分布(頻度分布)において複数のピークが観測される場合、複数種の金属粒子が用いられていると考えられる。この場合、各ピークにおける粒子径を、各金属粒子の粒子径とみなせばよい。少なくとも1つのピークの粒子径が1nm以上1μm以下である場合、ナノ粒子が含まれている。
第2層に含まれる金属材料の体積割合Wmは、0%を超える限り特に限定されない。接触抵抗が小さくなり易い点で、体積割合Wmは、60%以上であってよく、70%以上であってよく、80%以上であってよい。
第2層は、さらにバインダ樹脂を含んでもよい。バインダ樹脂は特に制限されず、コンデンサ素子の作製に用いられる公知のバインダ樹脂が挙げられる。バインダ樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂(ポリエステル樹脂など)、後述する熱硬化性樹脂が挙げられる。
第2層に含まれるバインダ樹脂の体積割合Wrは、特に限定されない。接触抵抗がさらに小さくなり易い点で、体積割合Wrは、30%以下であってよく、20%以下であってよく、10%以下であってよい。第2層に含まれるバインダ樹脂の体積割合Wrは、0%であってもよい。体積割合Wrは、0.1%以上であってよい。
第2層における各成分の体積割合は、例えば、エネルギー分散型X線分光法(SEM−EDX)により確認できる。
第2層における各成分の体積割合は、第2層の厚み方向の断面から求めてもよい。例えば、上記距離の測定に用いられた拡大画像を、金属材料とバインダ樹脂とが区別できるように二値化するか、あるいは、金属材料とバインダ樹脂と空隙とが区別できるように三値化する。そして、金属材料およびバインダ樹脂の観察視野内での面積割合を、それぞれ算出する。算出された面積割合は、第2層における金属材料およびバインダ樹脂の体積割合とみなすことができる。
第2層の厚みは特に限定されない。第2層の厚みは、例えば、0.1μm以上50μm以下であってよく、1μm以上20μm以下であってよい。第2層の厚みは、第2層の厚み方向の断面における任意の5点の平均値であり、上記の拡大画像から算出されてもよい。第2層の厚み方向は、第1層の厚み方向と同じである。
図1は、本実施形態に係る陰極層の一部を示す断面図である。
陰極層13は、第1層131と第2層132とを備える。第1層131は、固体電解質層1311とカーボン層1312とを備える。カーボン層1312は、固体電解質層1311と第2層132との間に配置されている。第2層132は、複数の金属粒子1321aの集合体1321を含む。第2層132は、空隙またはバインダ樹脂を有する(いずれも図示せず)。
陰極層13は、第1層131と第2層132とを備える。第1層131は、固体電解質層1311とカーボン層1312とを備える。カーボン層1312は、固体電解質層1311と第2層132との間に配置されている。第2層132は、複数の金属粒子1321aの集合体1321を含む。第2層132は、空隙またはバインダ樹脂を有する(いずれも図示せず)。
図2は、本実施形態に係るコンデンサ素子を模式的に示す断面図である。
コンデンサ素子10は、陽極体11と、陽極体11の少なくとも一部を覆う誘電体層12と、誘電体層12の少なくとも一部を覆う陰極層13と、を備える。陰極層13は、第1層131と第2層132とを備える。第1層131は、固体電解質層1311とカーボン層1312とを備える。このようなコンデンサ素子10は、例えば、シート状あるいは平板状である。
コンデンサ素子10は、陽極体11と、陽極体11の少なくとも一部を覆う誘電体層12と、誘電体層12の少なくとも一部を覆う陰極層13と、を備える。陰極層13は、第1層131と第2層132とを備える。第1層131は、固体電解質層1311とカーボン層1312とを備える。このようなコンデンサ素子10は、例えば、シート状あるいは平板状である。
B.電解コンデンサ
本実施形態に係る電解コンデンサは、上記のコンデンサ素子を備える。電解コンデンサは、少なくとも1つの上記コンデンサ素子を有していればよく、複数の上記コンデンサ素子を有していてもよい。電解コンデンサに含まれるコンデンサ素子の数は、用途に応じて決定すればよい。また、電解コンデンサは、上記以外の公知のコンデンサ素子を有していてもよい。
本実施形態に係る電解コンデンサは、上記のコンデンサ素子を備える。電解コンデンサは、少なくとも1つの上記コンデンサ素子を有していればよく、複数の上記コンデンサ素子を有していてもよい。電解コンデンサに含まれるコンデンサ素子の数は、用途に応じて決定すればよい。また、電解コンデンサは、上記以外の公知のコンデンサ素子を有していてもよい。
電解コンデンサは、例えば、上記コンデンサ素子と、コンデンサ素子を封止する外装体と、陽極リード端子および陰極リード端子と、を備える各リード端子の少なくとも一部は、外装体から露出している。
[リード端子]
陽極リード端子および陰極リード端子の材質は、電気化学的および化学的に安定であり、導電性を有するものであれば特に限定されず、金属であっても非金属であってもよい。これらの形状も特に限定されない。
陽極リード端子および陰極リード端子の材質は、電気化学的および化学的に安定であり、導電性を有するものであれば特に限定されず、金属であっても非金属であってもよい。これらの形状も特に限定されない。
陽極リード端子は陽極体に接続され、陰極リード端子は陰極層に接続される。陽極体と陽極リード端子との電気的な接続は、例えば、これらを溶接することにより行われる。陰極層と陰極リード端子との電気的な接続は、例えば、陰極層と陰極リード端子とを、導電性の接着層を介して接着させることにより行われる。
[外装体]
外装体は、コンデンサ素子およびリード端子の一部を覆う。これにより、陽極リード端子と陰極リード端子とが電気的に絶縁されるとともに、コンデンサ素子が保護される。
外装体は、コンデンサ素子およびリード端子の一部を覆う。これにより、陽極リード端子と陰極リード端子とが電気的に絶縁されるとともに、コンデンサ素子が保護される。
外装体は、絶縁性の材料(外装体材料)から構成されている。外装体材料は、例えば、熱硬化性樹脂の硬化物、エンジニアリングプラスチックを含む。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステルが挙げられる。エンジニアリングプラスチックには、汎用エンジニアリングプラスチックおよびスーパーエンジニアリングプラスチックが含まれる。エンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミドが挙げられる。外装体材料は、フィラー、硬化剤、重合開始剤、および/または触媒などを含んでもよい。
外装体は、射出成形、インサート成形、圧縮成形などの成形技術を用いて形成することができる。外装体は、例えば、所定の金型を用いて、上記樹脂を含む組成物をコンデンサ素子およびリード端子の一端部を覆うように所定の箇所に充填して形成することができる。複数のコンデンサ素子の積層体を用いる場合には、積層体とリード端子の一部を覆うように外装体を形成すればよい。
図3は、本実施形態に係る電解コンデンサの構造を模式的に示す断面図である。
電解コンデンサ100は、コンデンサ素子10と、コンデンサ素子10を封止する外装体20と、外装体20の外部にそれぞれ少なくともその一部が露出する陽極リード端子30および陰極リード端子40と、を備えている。
電解コンデンサ100は、コンデンサ素子10と、コンデンサ素子10を封止する外装体20と、外装体20の外部にそれぞれ少なくともその一部が露出する陽極リード端子30および陰極リード端子40と、を備えている。
陽極体11と陽極リード端子30とは、例えば溶接により電気的に接続されている。陰極層13と陰極リード端子40とは、例えば導電性接着剤(熱硬化性樹脂と炭素粒子や金属粒子との混合物等)により形成される接着層50を介して電気的に接続されている。
C.コンデンサ素子の製造方法
上記のコンデンサ素子は、陽極体の少なくとも一部を覆う誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、誘電体層の少なくとも一部を覆う第1層を形成する第1層形成工程と、第1層の少なくとも一部に金属材料を含む金属ペーストを付着させて第2層を形成する第2層形成工程と、を備える方法により製造される。
図4は、本実施形態に係るコンデンサ素子の製造方法を示すフローチャートである。
上記のコンデンサ素子は、陽極体の少なくとも一部を覆う誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、誘電体層の少なくとも一部を覆う第1層を形成する第1層形成工程と、第1層の少なくとも一部に金属材料を含む金属ペーストを付着させて第2層を形成する第2層形成工程と、を備える方法により製造される。
図4は、本実施形態に係るコンデンサ素子の製造方法を示すフローチャートである。
(1)陽極体に誘電体層を形成する工程(S1)
陽極体は、例えば、弁作用金属を含む箔状または板状の基材の表面を粗面化することにより準備することができる。粗面化は、基材表面に凹凸を形成できればよく、例えば、基材表面をエッチング(例えば、電解エッチング)することにより行ってもよい。また、弁作用金属の粉末を所望の形状(例えば、ブロック状)に成形して成形体を得た後、この成形体を焼結することで、多孔質構造の陽極体を形成してもよい。
陽極体は、例えば、弁作用金属を含む箔状または板状の基材の表面を粗面化することにより準備することができる。粗面化は、基材表面に凹凸を形成できればよく、例えば、基材表面をエッチング(例えば、電解エッチング)することにより行ってもよい。また、弁作用金属の粉末を所望の形状(例えば、ブロック状)に成形して成形体を得た後、この成形体を焼結することで、多孔質構造の陽極体を形成してもよい。
陽極体を、例えば陽極酸化することにより、誘電体層が形成される。陽極酸化は、公知の方法、例えば、化成処理などにより行うことができる。化成処理は、例えば、陽極体を化成液中に浸漬することにより、陽極体の表面に化成液を含浸させ、陽極体をアノードとして、化成液中に浸漬したカソードとの間に電圧を印加することにより行うことができる。
(2)第1層を形成する工程(S2)
誘電体層が形成された陽極体に、固体電解質層を含む第1層を形成する。
誘電体層が形成された陽極体に、固体電解質層を含む第1層を形成する。
(2−1)固体電解質層の形成(S21)
固体電解質層は、誘電体層が形成された陽極体に、例えば、導電性高分子を含む処理液を付着させた後、乾燥することにより形成される。処理液は、さらにドーパントなどの他の成分を含んでもよい。導電性高分子には、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)が用いられる。ドーパントには、例えば、ポリスチレンスルホン酸(PSS)が用いられる。処理液は、例えば、導電性高分子の分散液または溶液である。分散媒(溶媒)としては、例えば、水、有機溶媒、またはこれらの混合物が挙げられる。固体電解質層は、導電性高分子の原料モノマーを、誘電体層上で化学重合および/または電解重合させることにより形成してもよい。
固体電解質層は、誘電体層が形成された陽極体に、例えば、導電性高分子を含む処理液を付着させた後、乾燥することにより形成される。処理液は、さらにドーパントなどの他の成分を含んでもよい。導電性高分子には、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)が用いられる。ドーパントには、例えば、ポリスチレンスルホン酸(PSS)が用いられる。処理液は、例えば、導電性高分子の分散液または溶液である。分散媒(溶媒)としては、例えば、水、有機溶媒、またはこれらの混合物が挙げられる。固体電解質層は、導電性高分子の原料モノマーを、誘電体層上で化学重合および/または電解重合させることにより形成してもよい。
(2−2)カーボン層の形成(S22)
固体電解質層の少なくとも一部に、カーボン層が形成されてもよい。
カーボン層は、カーボンペーストを用いて形成される。
カーボンペーストは、炭素材料および分散媒を含む。分散媒としては、水、有機媒体、またはこれらの混合物が使用される。カーボンペーストは、必要に応じて、上記のバインダ樹脂および/または添加剤などを含むことができる。
固体電解質層の少なくとも一部に、カーボン層が形成されてもよい。
カーボン層は、カーボンペーストを用いて形成される。
カーボンペーストは、炭素材料および分散媒を含む。分散媒としては、水、有機媒体、またはこれらの混合物が使用される。カーボンペーストは、必要に応じて、上記のバインダ樹脂および/または添加剤などを含むことができる。
カーボンペーストに含まれる炭素材料の質量割合は、例えば、60%以上であり、70%以上であってよい。上記炭素材料の質量割合は、例えば、99質量%以下である。上記質量割合は、分散媒を除くカーボンペーストの質量に対する炭素材料の質量の割合である。
カーボンペーストを固体電解質層に付着させる方法は特に限定されない。例えば、固体電解質層を備える陽極体を、カーボンペースト中に浸漬させてもよいし、カーボンペーストを、公知のコーターなどを用いて、固体電解質層の表面に塗布してもよい。塗布の後、さらに加熱されてもよい。加熱する際の温度は、例えば、150℃以上300℃以下である。
(3)第2層を形成する工程(S3)
第1層(例えば、カーボン層)の少なくとも一部に金属ペーストを付着させる。これにより、第2層が形成される。あるいは、後述するように、金属ペーストを乾燥および/または加熱することにより、第2層が形成される。
第1層(例えば、カーボン層)の少なくとも一部に金属ペーストを付着させる。これにより、第2層が形成される。あるいは、後述するように、金属ペーストを乾燥および/または加熱することにより、第2層が形成される。
(3−1)金属ペーストの付着(S31)
金属ペーストを第1層に付着させる方法は特に限定されない。例えば、金属ペーストを、公知のコーターなどを用いて第1層の表面に塗布してもよいし、インクジェット法により第1層の表面に付着させてもよい。あるいは、第1層を備える陽極体を、金属ペースト中に浸漬させてもよい。
金属ペーストを第1層に付着させる方法は特に限定されない。例えば、金属ペーストを、公知のコーターなどを用いて第1層の表面に塗布してもよいし、インクジェット法により第1層の表面に付着させてもよい。あるいは、第1層を備える陽極体を、金属ペースト中に浸漬させてもよい。
金属ペーストは金属材料を含み、必要に応じて、バインダ樹脂、分散媒および添加剤等を含んでもよい。分散媒としては、水、有機媒体、およびこれらの混合物などが挙げられる。
金属ペーストに含まれる金属材料の質量割合は、30%以上であることが好ましい。これにより、第1距離はより小さくなり易い。金属ペーストに含まれる金属材料の質量割合は、80%以上であってよく、95%以上であってよい。上記質量割合は、分散媒を除く金属ペーストの質量に対する金属材料の質量の割合である。
金属ペーストに含まれるバインダ樹脂の質量割合は、10%以下であることが好ましい。これにより、第1距離はより小さくなり易い。金属ペーストに含まれるバインダ樹脂の質量割合は、5%以下であってよい。また、金属ペーストに含まれるバインダ樹脂の質量割合は、0.01%以上であってよく、1%以上であってよい。上記質量割合は、同様に、分散媒を除く金属ペーストの質量に対するバインダ樹脂の質量の割合である。
(3−2)第1加熱(S32)
金属ペーストが付着した陽極体を、乾燥および/または加熱してもよい。これにより、分散媒が除去される。バインダ樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合、第1加熱によりバインダ樹脂が硬化して、金属ペーストの硬化物が得られる。第1加熱により、金属材料、特に金属粒子同士が凝集、融着あるいは焼結する場合がある。
金属ペーストが付着した陽極体を、乾燥および/または加熱してもよい。これにより、分散媒が除去される。バインダ樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合、第1加熱によりバインダ樹脂が硬化して、金属ペーストの硬化物が得られる。第1加熱により、金属材料、特に金属粒子同士が凝集、融着あるいは焼結する場合がある。
第1加熱の条件は特に限定されず、分散媒の沸点、熱硬化性樹脂の硬化温度等を考慮して、適宜設定すればよい。加熱温度は、例えば、80℃以上250℃以下である。加熱時間は、例えば、10秒以上60分以下である。
(3−3)第2加熱(S33)
バインダ樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合、第1加熱の後、金属ペーストの硬化物を、熱硬化性樹脂の硬化温度より高い温度でさらに加熱してもよい。第2加熱により、硬化した熱硬化性樹脂はわずかに軟化して、金属材料は硬化物中で第1層側に移動することができる。よって、金属材料と第1層の表面との間の距離はより小さくなり易い。サイズの大きい金属材料や鱗片状の金属粒子を用いる場合、第2加熱は特に有効である。第2加熱により、金属粒子の凝集、融着あるいは焼結がさらに進行する場合がある。
バインダ樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合、第1加熱の後、金属ペーストの硬化物を、熱硬化性樹脂の硬化温度より高い温度でさらに加熱してもよい。第2加熱により、硬化した熱硬化性樹脂はわずかに軟化して、金属材料は硬化物中で第1層側に移動することができる。よって、金属材料と第1層の表面との間の距離はより小さくなり易い。サイズの大きい金属材料や鱗片状の金属粒子を用いる場合、第2加熱は特に有効である。第2加熱により、金属粒子の凝集、融着あるいは焼結がさらに進行する場合がある。
第2加熱の条件は特に限定されず、熱硬化性樹脂の硬化温度より高ければよい。加熱温度は、例えば、150℃以上300℃以下である。加熱時間は、例えば、10秒以上、60分以下である。
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
下記の要領で、図3に示す電解コンデンサを20個作製し、その特性を評価した。
下記の要領で、図3に示す電解コンデンサを20個作製し、その特性を評価した。
(i)コンデンサ素子の作製
(i−i)誘電体層の形成
基材としてアルミニウム箔(厚み100μm)を準備し、アルミニウム箔の表面にエッチング処理を施し、陽極体を得た。陽極体を化成液に浸して70Vの直流電圧を20分間印加することにより、陽極体の表面に酸化アルミニウム(Al2O3)を含む誘電体層を形成した。
(i−i)誘電体層の形成
基材としてアルミニウム箔(厚み100μm)を準備し、アルミニウム箔の表面にエッチング処理を施し、陽極体を得た。陽極体を化成液に浸して70Vの直流電圧を20分間印加することにより、陽極体の表面に酸化アルミニウム(Al2O3)を含む誘電体層を形成した。
(i−ii)第1層の形成
ポリピロールを導電性高分子として含む重合液中に、誘電体層が形成された陽極体および対電極を浸漬し、重合液温度25度、重合電圧3Vで電解重合を行い、固体電解質層を形成した。
ポリピロールを導電性高分子として含む重合液中に、誘電体層が形成された陽極体および対電極を浸漬し、重合液温度25度、重合電圧3Vで電解重合を行い、固体電解質層を形成した。
固体電解質層に、鱗片状の黒鉛を水に分散した分散液(カーボンペースト)を塗布した後、200℃で加熱した。このようにして、固体電解質層(中央部厚み30μm)とカーボン層(中央部厚み2μm)とを備える第1層を形成した。
(i−iii)第2層の形成
陽極体の両主面におけるカーボン層の表面に、銀粒子(キュムラント径100nm、含有量95質量%)とバインダ樹脂(エポキシ樹脂、含有量5質量%)と溶媒(ブチルカルビトール)とを含む金属ペーストを塗布した。その後、210℃で10分間加熱して第2層(厚み10μm)を形成し、コンデンサ素子を得た。
陽極体の両主面におけるカーボン層の表面に、銀粒子(キュムラント径100nm、含有量95質量%)とバインダ樹脂(エポキシ樹脂、含有量5質量%)と溶媒(ブチルカルビトール)とを含む金属ペーストを塗布した。その後、210℃で10分間加熱して第2層(厚み10μm)を形成し、コンデンサ素子を得た。
別途、断面観察用に作製したコンデンサ素子を切断し、イオンミリング加工を行って当該コンデンサ素子の断面を得た。電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)等を用いて当該断面を15,000倍に拡大し、第1層と第2層との界面が観察できる拡大画像を得た。得られた拡大画像を、画像解析ソフト(Media Cybernetics社製、Image−Pro)を用いて、カーボン層と金属材料とバインダ樹脂とが区別できるように3値化した。次いで、カーボン層と第2層との界面から金属材料までの距離を、第1層の厚み方向に約130点測定して平均化し、第1距離を算出した。第1距離は0.038nmであった。
上記拡大画像から、第2層における各成分の面積割合を算出し、体積割合とみなした。第2層に含まれる金属材料の体積割合Wmは80%以上であり、バインダ樹脂の体積割合Wrは10%以下であった。第2層において銀粒子同士は焼結し、複数の集合体が形成されていた。
(ii)電解コンデンサの作製
得られたコンデンサ素子、陽極リード端子および陰極リード端子を、フィラーとしてシリカ粒子を含むエポキシ樹脂により被覆して、電解コンデンサX1を作製した。
得られたコンデンサ素子、陽極リード端子および陰極リード端子を、フィラーとしてシリカ粒子を含むエポキシ樹脂により被覆して、電解コンデンサX1を作製した。
《比較例1》
金属材料として鱗片状の銀(メジアン径(D50)30μm、)と銀粒子(メジアン径(D50)1μm)とを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ素子を作製し、電解コンデンサY1を20個作製した。
金属材料として鱗片状の銀(メジアン径(D50)30μm、)と銀粒子(メジアン径(D50)1μm)とを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ素子を作製し、電解コンデンサY1を20個作製した。
[評価]
上記で作製した電解コンデンサX1およびY1について、ESR値を測定した。
20℃の環境下で、4端子測定用のLCRメータを用いて、電解コンデンサの周波数100kHzにおけるESR値(mΩ)を測定し、その平均値を求めた。電解コンデンサY1の平均のESR値を100%として、電解コンデンサX1の平均のESR値を求めた。電解コンデンサX1のESR値は、電解コンデンサY1よりも非常に小さい。
上記で作製した電解コンデンサX1およびY1について、ESR値を測定した。
20℃の環境下で、4端子測定用のLCRメータを用いて、電解コンデンサの周波数100kHzにおけるESR値(mΩ)を測定し、その平均値を求めた。電解コンデンサY1の平均のESR値を100%として、電解コンデンサX1の平均のESR値を求めた。電解コンデンサX1のESR値は、電解コンデンサY1よりも非常に小さい。
本発明の上記局面に係る電解コンデンサは、ESRが低減されている。よって、低いESRが求められる様々な用途に利用できる。
100:電解コンデンサ
10:コンデンサ素子
11:陽極体
12:誘電体層
13:陰極層
131:第1層
1311:固体電解質層
1312:カーボン層
132:第2層
1321:集合体
1321a:金属粒子
20:外装体
30:陽極リード端子
40:陰極リード端子
50:接着層
10:コンデンサ素子
11:陽極体
12:誘電体層
13:陰極層
131:第1層
1311:固体電解質層
1312:カーボン層
132:第2層
1321:集合体
1321a:金属粒子
20:外装体
30:陽極リード端子
40:陰極リード端子
50:接着層
Claims (13)
- 陽極体と、
前記陽極体の少なくとも一部を覆う誘電体層と、
前記誘電体層の少なくとも一部を覆う陰極層と、を備え、
前記陰極層は、前記誘電体層側に配置される第1層と、前記第1層の前記誘電体層とは反対側に配置されるとともに、金属材料を含む第2層と、を備え、
前記第1層は、固体電解質層を含み、
前記第1層の前記第2層側の表面から前記金属材料までの距離は、0.1μm以下である、コンデンサ素子。 - 前記第1層は、さらに、前記固体電解質層と前記第2層との間に配置されるカーボン層を含む、請求項1に記載のコンデンサ素子。
- 前記第2層に含まれる前記金属材料の体積割合は、60%以上である、請求項1または2に記載のコンデンサ素子。
- 前記第2層は、さらにバインダ樹脂を含み、
前記第2層に含まれる前記バインダ樹脂の体積割合は、30%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンデンサ素子。 - 前記金属材料は、粒子径1nm以上1μm以下の金属粒子が集合した集合体を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンデンサ素子。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンデンサ素子を備える、電解コンデンサ。
- 陽極体の少なくとも一部を覆う誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、
前記誘電体層の少なくとも一部を覆う第1層を形成する第1層形成工程と、
前記第1層の少なくとも一部に金属材料を含む金属ペーストを付着させて第2層を形成する第2層形成工程と、を備え、
前記第1層は、固体電解質層を含み、
前記第1層の前記第2層側の表面から前記金属材料までの距離は、0.1μm以下である、コンデンサ素子の製造方法。 - 前記金属ペーストに含まれる前記金属材料の質量割合は、30%以上である、請求項7に記載のコンデンサ素子の製造方法。
- 前記金属材料は、粒子径が1nm以上1μm以下の金属粒子を含む、請求項7または8に記載のコンデンサ素子の製造方法。
- 前記金属ペーストは、さらにバインダ樹脂を含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
- 前記金属ペーストに含まれる前記バインダ樹脂の質量割合は、10%以下である、請求項10に記載のコンデンサ素子の製造方法。
- 前記バインダ樹脂は、熱硬化性樹脂を含み、
前記第2層形成工程は、
前記第1層の少なくとも一部に前記金属ペーストを付着させる工程と、
前記金属ペースト中の前記熱硬化性樹脂を硬化させる第1加熱工程と、
前記金属ペーストの硬化物を、前記熱硬化性樹脂の硬化温度より高い温度で加熱する第2加熱工程と、を備える、請求項10または11に記載のコンデンサ素子の製造方法。 - 前記第1層形成工程は、
前記誘電体層の少なくとも一部を覆う前記固体電解質層を形成する工程と、
前記固体電解質層の少なくとも一部を覆うカーボン層を形成する工程と、を備える、請求項7〜12のいずれか一項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
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