JP2019087558A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固体電解コンデンサの固体電解質層における膜強度を向上する。【解決手段】固体電解コンデンサは、陽極体と、前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備える。前記固体電解質層は、導電性高分子と、バインダとを含み、前記バインダは、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化および軽量化に伴って、小型かつ大容量の高周波用コンデンサが求められている。このようなコンデンサとして、等価直列抵抗(ESR)が小さく、周波数特性に優れている固体電解コンデンサの開発が進められている。固体電解コンデンサは、陽極体と、陽極体の表面に形成された誘電体層と、誘電体層の表面に形成された導電性高分子を含む固体電解質層と、固体電解質層の表面に形成された陰極層とを含むコンデンサ素子を備える。
固体電解質層は、例えば、導電性高分子とドーパントなどを含む水性分散液を誘電体層上に付着させることにより形成される(特許文献1など)。
特開2013−172142号公報
導電性高分子を含む分散液を用いた固体電解質層では、導電性高分子は粒子状で存在しており、高い膜強度が得られ難い。
本発明の一局面は、陽極体と、
前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、
前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、
を含むコンデンサ素子を備え、
前記固体電解質層は、導電性高分子と、バインダとを含み、
前記バインダは、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを含む、固体電解コンデンサに関する。
本発明の他の局面は、陽極体と、前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備える固体電解コンデンサを製造する方法であって、
前記陽極体を準備する工程と、
前記陽極体を化成処理して、前記陽極体の表面に前記誘電体層を形成する工程と、
前記誘電体層の少なくとも一部を覆うように、導電性高分子とバインダとを含む前記固体電解質層を形成する工程と、を含み、
前記バインダは、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを含み、
前記固体電解質層を形成する工程は、前記導電性高分子と、前記バインダと、有機分散媒とを含む分散液を誘電体層上に付着させて、前記固体電解質層を形成し、前記陽極体と前記誘電体層と前記固体電解質層とを含むコンデンサ素子を得る工程、を含む、固体電解コンデンサの製造方法に関する。
固体電解コンデンサの固体電解質層において、膜強度を向上することができる。
本開示の一実施形態に係る固体電解コンデンサの断面模式図である。
本発明の一実施形態に係る固体電解コンデンサは、陽極体と、陽極体の表面に形成された誘電体層と、誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備える。固体電解質層は、導電性高分子と、バインダとを含み、バインダは、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを含む。
一般に、固体電解質層は、例えば、導電性高分子などを含む水性分散液を、誘電体層に付着させることにより形成される。導電性高分子は、水性分散液中に粒子状で分散しており、形成される固体電解質層中でも粒子状で存在する。粒子間の接着性は低いため、固体電解質層の膜強度も低い。バインダを添加することも考えられるが、水性分散液中に分散させるため、例えば、ポリビニルアルコールやカルボキシメチルセルロース塩などの水溶性バインダを用いることになる。しかし、このような水溶性バインダは結着性が低く、膜強度を十分に向上させることは難しい。膜強度が低いと、導電性高分子粒子間の接触状態が低下するため、固体電解質層における抵抗が大きくなり、ESRが高くなり易い。
本実施形態では、固体電解質層に、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを含むバインダを用いることで、ポリマー自体の結着効果に加え、鎖状ポリマーが導電性高分子粒子に絡み付くことで、膜強度を高めることができる。また、膜強度が高まることで、導電性粒子間の接触状態を向上することができるため、ESRの上昇を抑制できる。
なお、本明細書において、鎖状ポリマーとは、モノマー単位が鎖状に連結したポリマーを意味する。鎖状ポリマーは、モノマー単位間の結合により形成される分岐構造を含まないか、このような分岐構造を含む場合でも、その含有量は少ないことが好ましい。鎖状ポリマーにおけるモノマー単位間の結合により形成される分岐構造の含有量は、5モル%以下であることが好ましい。なお、この分岐構造の含有量は、鎖状ポリマーの分子において、主鎖を構成するモノマー単位全体に対する、主鎖における分岐の起点となるモノマー単位のモル比率を意味する。モノマー単位間の結合により形成される分岐構造には、モノマー単位自体が有する分岐構造は含まれない。
鎖状ポリマーは、ポリフッ化ビニリデンおよびフッ化ビニリデン共重合体からなる群より選択される少なくとも一種(以下、フッ化ビニリデン系ポリマーとも呼ぶ)を含むことが好ましい。フッ化ビニリデン系ポリマーは、有機分散媒を用いた分散液中に分散し易く、鎖状の構造が導電性高分子粒子に絡まり易い。よって、膜強度をさらに高め易くなる。
好ましい実施形態では、固体電解質層は、さらに導電性の無機粒子を含む。無機粒子は、カーボンブラックを含むことが好ましい。導電性の無機粒子(カーボンブラックなど)を固体電解質層が含むことで、導電性高分子粒子間の電気的な接触面積を確保し易くなる。バインダは、通常、抵抗成分となるが、導電性の無機粒子を添加することで、バインダを用いる場合でも、固体電解質層における抵抗の上昇を低減できる。よって、ESRの上昇をより抑制し易くなる。
無機粒子は、固体電解質層において、誘電体層とは反対側に偏在していることが好ましい。カーボンブラックなどの導電性の無機粒子は、誘電体層内に入り込み易く、突入電流が大きくなり易い。本実施形態によれば、バインダを用いることによるESRの上昇を抑制しながらも、固体電解質層の誘電体層とは反対側に無機粒子を偏在させることで、突入電流が大きくなることを抑制できる。
このような固体電解コンデンサは、陽極体を準備する工程と、陽極体を化成処理して、陽極体の表面に誘電体層を形成する工程と、誘電体層の少なくとも一部を覆うように、導電性高分子と、バインダとを含む固体電解質層を形成する工程と、を含む製造方法により得ることができる。バインダは、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを含む。固体電解質層を形成する工程は、導電性高分子と、バインダと、有機分散媒とを含む分散液を誘電体層上に付着させて、固体電解質層を形成し、陽極体と誘電体層と固体電解質層とを含むコンデンサ素子を得る工程、を含む。このような製造方法では、有機分散媒により、バインダをより均一に分散させた状態で固体電解質層を形成するため、鎖状ポリマーが導電性高分子粒子に絡み付き易くなり、膜強度を効果的に高めることができる。
固体電解質層を形成する工程は、コンデンサ素子を得る工程に先立って、さらに、誘電体層に、導電性高分子の前駆体を含む重合液を付着させ、前駆体を重合して、導電性高分子を含む被膜を形成する工程を含むことが好ましい。この場合、誘電体層の凹凸の奥まで固体電解質層を形成し易くなり、適度な膜厚を確保し易くなるため、膜強度をさらに高め易くなる。
分散液および固体電解質層は、それぞれ、さらに導電性の無機粒子を含むことが好ましい。これにより、上述のように、バインダを用いる場合でも、固体電解質層における抵抗の上昇を低減できる。
以下、固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法の構成についてより詳細に説明する。
[固体電解コンデンサ]
図1は、本実施形態に係る固体電解コンデンサの断面模式図である。
固体電解コンデンサ20は、コンデンサ素子10と、コンデンサ素子10を封止する外装体11と、外装体11の外部にそれぞれ露出する陽極端子7および陰極端子9と、を備える。コンデンサ素子10は、多孔質焼結体である陽極体1と、陽極リード2と、陽極体1の表面に形成された誘電体層3と、誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層5と、を有する。コンデンサ素子10は、さらに、固体電解質層5の表面を覆う陰極層6を有している。
陽極リード2の一端を含む埋設部2aは、陽極体1の一面から陽極体1の内部に埋設されている。陽極リード2の他端を含む延出部2bは、外装体11で封止されている陽極端子7の接続部7aと、溶接等により電気的に接続されている。一方、陰極層6は、外装体11で封止されている陰極端子9の接続部9aと、導電性接着材8(例えば熱硬化性樹脂と金属粒子との混合物)を介して、電気的に接続されている。陽極端子7の露出部7bおよび陰極端子9の露出部9bは、それぞれ外装体11の異なる側面から引き出され、一方の主要平坦面(図1では下面)まで露出状態で延在している。この平坦面における各端子の露出箇所は、固体電解コンデンサ20を搭載すべき基板(図示せず)との半田接続などに用いられる。
(陽極体1)
陽極体1を構成する材料としては、弁作用金属が好ましい。弁作用金属としては、例えば、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)などが挙げられる。陽極体1は、弁作用金属を一種含んでもよく、二種以上含んでもよい。弁作用金属の酸化物は、誘電率が高いため、陽極体1の構成材料として適している。なお、上記材料は、2種以上の金属からなる合金であってもよい。例えば、弁作用金属と、ケイ素、バナジウム、ホウ素などとを含む合金を用いることができる。弁作用金属の合金は、弁作用金属を主成分とすることが好ましく、例えば、弁作用金属を50原子%以上含むことが好ましい。また、弁作用金属と窒素などの典型元素とを含む化合物を上記の材料として用いてもよい。
陽極体1と接続する陽極リード2は、例えば、導電性を有するワイヤから構成されている。陽極リード2を構成する導電性材料としては、上記弁作用金属の他、銅、アルミニウム、アルミニウム合金などが挙げられる。陽極体1および陽極リード2を構成する材料は、同種であってもよいし、異種であってもよい。
(誘電体層3)
誘電体層3は、陽極体1の表面を、化成処理等により陽極酸化することにより形成される。陽極酸化は、公知の方法により行えばよい。なお、誘電体層3はこれに限定されず、誘電体として機能する絶縁性の層であればよい。
(固体電解質層5)
固体電解質層5は、誘電体層3の少なくとも一部を覆うように形成される。固体電解質層5は、誘電体層3上に直接形成されていてもよく、中間層などの他の層を介して誘電体層上に形成されていてもよい。固体電解質層5は、導電性高分子と、バインダとを含む。固体電解質層5は、さらにドーパントを含んでもよい。また、固体電解質層5は、さらに、導電性の無機粒子を含んでもよい。
導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリチオフェンビニレン、ポリフルオレン、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルフェノール、ポリピリジン、これらの高分子の誘導体などが挙げられる。これらのうちでは、導電性に優れる点で、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロールなどが好ましい。
なお、本明細書では、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどは、それぞれ、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどを基本骨格とする高分子を意味する。したがって、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどには、それぞれの誘導体も含まれ得る。例えば、ポリチオフェンには、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)などが含まれる。
ドーパントとしては、例えば、特に限定されないが、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸などの高分子スルホン酸;脂肪族スルホン酸(アルカンスルホン酸など)、芳香族スルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸などのアレーンスルホン酸)などの低分子スルホン酸;またはこれらの塩などが挙げられる。塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、鉄塩、銅塩、クロム塩、亜鉛塩などの金属塩;アンモニウム塩、ピペリジウム塩、ピロリジウム塩、ピロリニウム塩などが挙げられる。ドーパントは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。固体電解質層5において、ドーパントは、導電性高分子と結合していてもよい。
バインダは、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを少なくとも含む。このようなポリマーとしては、例えば、フッ素含有モノマーの単独重合体、フッ素含有モノマー単位を含む共重合体が挙げられる。ポリマーにモノマー単位として含まれるフッ素含有モノマーとしては、例えば、フッ化エチレン(例えば、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなど)、フッ化プロピレン(例えば、ヘキサフルオロプロピレンなど)などが挙げられる。ポリマーは、これらのフッ素含有モノマーの単位を一種含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。膜強度をさらに高め易い観点からは、これらのうち、フッ化ビニリデンをモノマー単位として含むポリマー(つまり、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン共重合体などのフッ化ビニリデン系ポリマー)が好ましい。フッ化ビニリデン共重合体は、フッ化ビニリデン単位と共重合性モノマー単位とを含む共重合体である。共重合性モノマー単位は、フッ素元素を含むものであってもよく、フッ素元素を含まないものであってもよい。共重合体は、フッ素元素を含む共重合性モノマー単位とフッ素元素を含まない共重合性モノマー単位との双方を含んでもよい。フッ化ビニリデン共重合体としては、例えば、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などが挙げられるが、これらに限定されない。
フッ素元素を含む鎖状ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、種類に応じて、例えば、100,000〜10,000,000の範囲から選択でき、200,000〜700,000であることが好ましい。Mwがこのような範囲である場合、固体電解質層5の膜強度をさらに高めることができる。なお、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されるポリスチレン基準の重量平均分子量とすることができる。
バインダは、必要に応じて、フッ素元素を含有する鎖状ポリマー以外の結着効果を有するポリマーをさらに含むことができる。このようなポリマーとしては、ゴム状ポリマー(例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴムなど)、オレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、および/またはポリイミド樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。
膜強度をさらに高める観点からは、固体電解質層5に含まれるバインダ全体に占めるフッ素元素を含有する鎖状ポリマーの含有量は多い方が好ましい。バインダ全体に占めるフッ素元素を含有する鎖状ポリマーの含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。バインダ全体に占めるフッ素元素を含有する鎖状ポリマーの含有量は、100質量%以下である。バインダが、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーのみを含む場合も好ましい。
バインダの量は、導電性高分子100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下であることが好ましく、1質量部以上3質量部以下であることがさらに好ましい。バインダの量がこのような範囲である場合、高い膜強度と低ESRとのバランスを取り易い。
固体電解質層5におけるフッ素元素の含有量は、例えば、0.5質量%以上3.0質量%以下であり、0.5質量%以上1.8質量%以下であることが好ましい。フッ素元素の含有量がこのような範囲である場合、固体電解質層5の高い膜強度と低ESRとのバランスを取り易い。固体電解質層5中のフッ素元素の含有量は、例えば、ICP発光分光分析により求めることができる。
バインダ(特に、フッ素元素を含有する鎖状ポリマー)は、固体電解質層5全体に含まれていてもよいが、固体電解質層5において、誘電体層3とは反対側に偏在していてもよい。例えば、固体電解質層5が、誘電体層3側の第1導電性高分子層と、第1導電性高分子層を覆う第2導電性高分子層とを含む場合、バインダ(特に、フッ素元素を含有する鎖状ポリマー)の含有量は、第1導電性高分子層に比べて第2導電性高分子層において高い方が好ましい。固体電解質層5において、誘電体層3とは反対側にバインダを偏在させると、固体電解質層5を形成する際に、誘電体層3付近の固体電解質層5の硬化収縮が抑制され、誘電体層3へのダメージが低減される。その結果、誘電体層3に欠陥部が形成されることが抑制されるため、漏れ電流を低減することができる。また、高い膜強度を確保できるとともに、固体電解質層5の膜質を向上できる。バインダの偏在状態は、例えば、ICP発光分光分析によりフッ素元素の分布状態に基づいて確認することができる。
固体電解質層5に含まれる導電性の無機粒子としては、導電性を有していればよく、例えば、金属粒子、合金粒子、金属化合物粒子、炭素粒子などが挙げられる。固体電解質層5は、これらの無機粒子を一種含んでいてもよく、二種以上組み合わせて含んでいてもよい。これらの粒子のうち、比較的安価で、適度な導電性が得られる観点から、炭素粒子が好ましい。炭素粒子としては、導電性炭素材料(例えば、カーボンブラック、黒鉛、および/または非晶質炭素など)の粒子が使用できる。導電性炭素材料のうち、低コストで、適度な導電性が得られ易く、分散性が高いなどの観点から、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、アセチレンブラック(商品名:ケッチェンブラックも含む)、ファーネスブラック、チャンネルブラック、バルカン(商品名)などが挙げられる。カーボンブラックのうち、導電性カーボンブラックと呼ばれる、カーボンブラックの中でも導電性が高いものが好ましい。このような導電性カーボンブラックには、例えば、アセチレンブラック(商品名:ケッチェンブラックも含む)、バルカン(商品名)などが含まれる。
無機粒子の平均粒子径は、例えば、30nm以上50μm以下である。カーボンブラックの平均粒子径(平均一次粒子径)は、例えば、30nm以上100nm以下であり、30nm以上50nm以下が好ましく、35nm以上45nm以下であってもよい。
無機粒子の平均粒子径は、例えば、固体電解質層5の断面の電子顕微鏡写真から求めることができる。例えば、電子顕微鏡写真において、任意に選択した複数(例えば、20個)の無機粒子の粒子径を計測し、平均化することにより、平均粒子径を求めることができる。なお、選択した無機粒子について、同じ断面積を有する円(相当円)の直径を無機粒子の粒子径とする。なお、カーボンブラックの平均一次粒子径は、カーボンブラックの一次粒子について、上記と同様にして求めることができる。
固体電解質層5中の導電性の無機粒子の含有量は、例えば、0.5質量%以上5質量%以下であり、0.5質量%以上3質量%以下が好ましく、1質量%以上2質量%以下がさらに好ましい。無機粒子の含有量がこのような範囲である場合、ESRの上昇を抑制しながらも、突入電流が大きくなることを抑制できる。
導電性の無機粒子は、固体電解質層5全体に含まれていてもよいが、固体電解質層5において、誘電体層3とは反対側に偏在していることが好ましい。例えば、固体電解質層5が、誘電体層3側の第1導電性高分子層と、第1導電性高分子層を覆う第2導電性高分子層とを含む場合、導電性の無機粒子の含有量は、第1導電性高分子層に比べて第2導電性高分子層において高い方が好ましい。固体電解質層5において、誘電体層3とは反対側に、無機粒子が偏在する場合、固体電解質層5の誘電体層3側の領域では、導電性が過度に高くなることが抑制されるため、突入電流が大きくなることを抑制できる。
(陰極層6)
陰極層6は、例えば、カーボン層と、カーボン層の表面に形成された金属(例えば、銀)ペースト層と、を有している(いずれも図示せず)。このような陰極層6は、カーボンペーストおよび銀ペーストを順次、塗布することにより形成される。なお、陰極層6の構成は、これに限られず、集電機能を有する構成であればよい。
このようにして、陽極体1および陽極リード2により、コンデンサ素子10の陽極部材が構成され、固体電解質層5および陰極層6により、コンデンサ素子10の陰極部材が構成され、誘電体層3により、コンデンサ素子10の誘電体部材が構成される。
なお、陽極体としては、上記の多孔質焼結体に限らず、表面が粗面化された金属箔を用いてもよい。陽極体として粗面化された金属箔が用いられる場合には、陰極層(陰極体)として、上記の陰極層6を用いてもよく、金属箔を用いてもよい。陽極体および陰極体の金属箔を構成する金属の種類は、それぞれ、特に限定されないが、上記の弁作用金属、または上記の弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。陰極体の金属箔は、粗面化されていてもよい。これらの金属箔を用いるコンデンサ素子は、セパレータを備えていてもよい。セパレータは、通常、固体電解質層と陰極体との間に介在させる。コンデンサ素子は、陽極体および陰極体は、固体電解質層と陰極体との間にセパレータを介在させた状態で、巻回された状態であってもよく、積層された状態であってもよい。コンデンサ素子では、陽極体および陰極体は、それぞれ、リード(リードタブ)と接続される。
(外装体11)
固体電解コンデンサ20において、コンデンサ素子10は、外装体11により封止されている。これにより、コンデンサ素子10と外部とは電気的に絶縁される。外装体11は、例えば、絶縁性の樹脂により形成される。絶縁性の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミドイミド、不飽和ポリエステル等が挙げられる。
[固体電解コンデンサの製造方法]
上記の固体電解コンデンサは、例えば、陽極体1を準備する工程と、陽極体1を化成処理して、陽極体1の表面に誘電体層3を形成する工程と、誘電体層3の少なくとも一部を覆うように、固体電解質層5を形成する工程と、を含む製造方法により得ることができる。固体電解質層5を形成する工程は、導電性高分子と、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを含むバインダと、有機分散媒とを含む分散液を誘電体層3上に付着させて、導電性高分子とバインダとを含む固体電解質層5を形成し、陽極体1と誘電体層3と固体電解質層5とを含むコンデンサ素子10を得る工程を含む。
(陽極体1を準備する工程)
陽極体1としては、多孔質焼結体を用いることができる。多孔質焼結体は、弁作用金属を含む粉末(例えば、弁作用金属の粉末、弁作用金属を含む合金もしくは化合物の粉末)を焼結することにより得ることができる。例えば、弁作用金属の粉末とともに、陽極体1と接続させる陽極リード2の埋設部を粉末中に埋め込むようにして型に入れ、加圧により成形し、焼結することにより陽極リード2の一部が植設された陽極体1を形成することができる。成形の際の圧力は特に限定されない。焼結は、減圧下で行なうことが好ましい。弁作用金属の粉末には、必要に応じて、ポリアクリルカーボネートなどのバインダを混合してもよい。
陽極体として、表面が粗面化された金属箔を用いる場合、金属箔表面の粗面化は、公知の方法により行うことができる。粗面化により、金属箔の表面に、複数の凹凸が形成される。粗面化は、例えば、金属箔をエッチング処理することにより行うことが好ましい。エッチング処理は、例えば、直流電解法または交流電解法などにより行ってもよい。
(誘電体層3を形成する工程)
本工程では、陽極体を化成処理することにより、陽極体上に、誘電体層3を形成する。化成処理により、陽極体が陽極酸化されることで陽極体の表面に誘電体層3が形成される。誘電体層3は、多孔質焼結体では、多孔質焼結体の表面、および表面や内部の孔の内壁面に沿って形成され、粗面化された金属箔では、金属箔の表面の孔や窪み(ピット)の内壁面に沿って形成される。
化成処理は、公知の方法により行えばよい。具体的には、電解水溶液(例えば、リン酸水溶液)が満たされた化成槽に、陽極体を浸漬し、電圧を印加して陽極酸化を行うことにより、陽極体の表面に弁作用金属の酸化被膜からなる誘電体層3を形成することができる。電解水溶液としては、リン酸水溶液に限らず、硝酸、酢酸、硫酸などの水溶液を用いることができる。
(固体電解質層5を形成する工程)
本工程では、誘電体層3の少なくとも一部を覆うように、導電性高分子と、バインダとを含む固体電解質層5を形成する。この工程は、導電性高分子と、バインダと、有機分散媒とを含む分散液を誘電体層3上に付着させて、固体電解質層5を形成し、陽極体1と誘電体層3と固体電解質層5とを含むコンデンサ素子10を得る工程(第2工程)を、少なくとも含む。誘電体層3と固体電解質層5との間に中間層などの他の層を形成する場合には、本工程に先立って、誘電体層3上に中間層などの他の層を形成し、本工程において、他の層を介した状態で、誘電体層3上に固体電解質層5を形成すればよい。固体電解質層5を形成する工程は、コンデンサ素子10を得る工程(第2工程)に先立って、さらに、誘電体層3に、導電性高分子を含む被膜(第1導電性高分子層)を形成する工程(第1工程)を含んでもよい。
(第1工程)
第1工程において、導電性高分子を含む被膜(第1導電性高分子層)は、誘電体層3に、導電性高分子と分散媒とを含む分散液(第1分散液)を付着、乾燥させることにより形成してもよく、導電性高分子の前駆体を含む重合液を付着させ、前駆体を重合することにより、形成してもよい。第1工程で用いられる第1分散液や重合液には、必要に応じて、上記のバインダを添加してもよい。第1分散液や重合液には、導電性の無機粒子を添加することもできる。しかし、突入電流が大きくなることを抑制する観点からは、第1工程で用いられる第1分散液や重合液は、導電性の無機粒子を含まないことが好ましい。第1工程で用いる第1分散液や重合液に、バインダや導電性の無機粒子を添加せずに、第2工程で用いる分散液(第2分散液)にバインダ(必要に応じて導電性の無機粒子)を添加することで、固体電解質層5の誘電体層3とは反対側にバインダや無機粒子を容易に偏在させることができる。
導電性高分子としては、固体電解質層5について例示した導電性高分子が挙げられる。バインダおよび導電性の無機粒子としては、それぞれ、固体電解質層5について例示したものから選択すればよい。
第1分散液は、導電性高分子などの構成成分を分散媒に分散させることにより調製できる。第1分散液は、一種の導電性高分子を含んでもよく、二種以上の導電性高分子を含んでもよい。分散媒としては、有機分散媒を用いることが好ましい。有機分散媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどスルホキシド類、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類などが挙げられる。分散媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合液は、導電性高分子の前駆体などの構成成分を、液状媒体に溶解または分散させることにより調製できる。液状媒体としては、有機媒体を用いることが好ましい。有機媒体は、例えば、第1分散液について例示した有機分散媒から選択できる。導電性高分子の前駆体には、導電性高分子のモノマー、オリゴマー、プレポリマーなどが含まれる。前駆体は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電性高分子の前駆体の重合は、電解重合や化学重合で行うことができる。
第1導電性高分子層は、導電性高分子の前駆体を含む重合液を用いて形成することが好ましい。前駆体は、導電性高分子に比べて分子量が小さいため、重合液を、陽極体1や誘電体層3の凹凸に浸透させ易い。よって、誘電体層3のできるだけ多くの領域を覆うように、より均一に第1導電性高分子層を形成することができる。続く第2工程で形成される被膜(第2導電性高分子層)は、導電性高分子とバインダとを少なくとも含んでおり、第1導電性高分子層に対する親和性が高いため、誘電体層3のできるだけ多くの領域を覆うように、より均一に固体電解質層5を形成することができる。よって、第1工程で重合液を用いる場合には、固体電解質層5の膜強度をさらに高めることができる。
第1分散液や重合液には、導電性高分子の導電性を向上させるために、ドーパントを添加してもよい。ドーパントとしては、固体電解質層5について例示したものから選択すればよい。第1分散液や重合液は、固体電解質層を形成する際に使用される公知の添加剤を含むことができる。
重合膜である第1導電性高分子層の形成には、導電性高分子の前駆体を重合させるために酸化剤が使用される。酸化剤は、重合液に添加してもよい。また、酸化剤は、誘電体層が形成された陽極体に重合液を接触させる前または後に、陽極体に塗布してもよい。このような酸化剤としては、硫酸塩、スルホン酸またはその塩が例示できる。酸化剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
硫酸塩としては、例えば、硫酸第二鉄、過硫酸ナトリウムなどの硫酸や過硫酸などの硫酸類と金属との塩が挙げられる。塩を構成する金属としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;鉄、銅、クロム、亜鉛などが挙げられる。スルホン酸またはその塩は、酸化剤としての機能に加え、ドーパントとしての機能も有する。スルホン酸またはその塩としては、ドーパントについて例示した低分子スルホン酸またはその塩などが使用される。
第1工程は、1回行なってもよく、複数回繰り返してもよい。複数回繰り返す場合には、各回において、第1分散液の組成および粘度、ならびに重合液の組成および粘度などのうち、一部の要素を、同じにし、残りの要素を変化させてもよく、全ての要素を同じにしたり、変化させたりしてもよい。
(第2工程)
本工程では、導電性高分子とバインダと有機分散媒とを含む分散液を誘電体層上に付着させて固体電解質層5を形成する。第1工程を実施する場合には、第1工程で形成された第1導電性高分子層を介して、誘電体層上に導電性高分子とバインダとを少なくとも含む被膜(第2導電性高分子層)を形成することで、第1導電性高分子層と第2導電性高分子層とを備える固体電解質層5が形成される。第1工程を実施せずに、第2工程のみを実施する場合には、誘電体層上に導電性高分子とバインダとを少なくとも含む固体電解質層5が形成される。
第2工程では、例えば、誘電体層3を形成する工程または第1工程で得られる陽極体1を、導電性高分子とバインダと有機分散媒とを含む分散液(第2分散液)に浸漬させ、取り出して、乾燥させる。これにより、固体電解質層5が形成され、陽極体1と誘電体層3と固体電解質層5とを含むコンデンサ素子10を得ることができる。
第2分散液は、例えば、導電性高分子およびバインダなどの固体電解質層5の構成成分を、有機分散媒に分散させることにより調製される。なお、第2分散液において、バインダなどの一部の成分は、有機分散媒に溶解していてもよい。第2分散液は、一種の導電性高分子を含んでもよく、二種以上の導電性高分子を含んでもよい。また、導電性高分子には、ドーパントが含まれていてもよい。さらに、第2分散液には、導電性の無機粒子を添加してもよい。第2分散液は、固体電解質層を形成する際に使用される公知の添加剤を含んでもよい。
第2分散液に含まれる導電性高分子は、導電性高分子の前駆体を重合させて形成した固形物を粉砕したものである。このような粉砕物の平均粒子径は、例えば、1μm以上50μm以下(好ましくは3μm以上10μm以下)であり、比較的大きい。導電性高分子としてこのような粉砕物を第2分散液に用いると、固体電解質層における導電性高分子の粒子同士の接触面積が少なくなると考えられる。このような導電性高分子の粒子を含む第2分散液に、導電性の無機粒子を添加すると、導電性高分子の粒子間の隙間に無機粒子が入り込んで、導電性高分子の粒子間の接触面を見かけ上増やすことができる。よって、導電性高分子間の接触抵抗を低下させることができる。このように、導電性の炭素粒子を用いることによる効果は、導電性高分子の粉砕物を含む第2分散液に添加したときに顕著に発揮される。なお、第2分散液の固形分濃度は、20質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
導電性高分子、バインダ、ドーパント、および導電性の無機粒子としては、それぞれ、固体電解質層5について例示したものから選択すればよい。有機分散媒としては、第1工程について例示したものから選択できる。
第2分散液中に含まれる液状媒体のうち、有機分散媒などの有機媒体の比率は、例えば、90質量%以上であり、95質量%以上であることが好ましい。つまり、第2分散液は、有機系の分散液である。有機媒体の比率が多いことで、フッ素元素を含む鎖状ポリマーをより均一に分散または溶解することができ、膜強度をさらに高めることができる。
第2工程は、少なくとも1回行なえばよく、複数回繰り返してもよい。複数回繰り返す場合には、各回において、第2分散液の組成および粘度などのうち、一部の要素を同じにし、残りの要素を変化させてもよく、全ての要素を同じにしたり、変化させたりしてもよい。
(陰極層6の形成工程)
固体電解質層5の表面には、通常、陰極層6が形成される。陰極層6は、カーボン層と金属ペースト層とで構成され、カーボンペーストおよび銀ペーストを順次、塗布することにより、形成することができる。カーボン層は、黒鉛などの導電性炭素材料を含む組成物により構成される。金属ペースト層は、例えば、銀粒子と樹脂とを含む組成物により構成される。ただし、陰極層6の構成は、これに限られず、集電機能を有する構成であればよい。
陰極層6には、陰極端子9が接続される。陰極端子9は、陰極層6に導電性接着材を塗布し、この導電性接着材を介して陰極層6に接合される。
コンデンサ素子にセパレータを用いる場合には、固体電解質層が形成された陽極体と陰極体とをセパレータを介して重ね合わせることで、コンデンサ素子を組み立てればよい。
(コンデンサ素子10を封止する工程)
このようにして形成されるコンデンサ素子10は、外装体11を用いて封止される。具体的には、コンデンサ素子10および外装体11の材料樹脂(例えば、未硬化の熱硬化性樹脂およびフィラー)を金型に収容し、トランスファー成型法、圧縮成型法等により、コンデンサ素子10を外装体で封止する。このとき、コンデンサ素子10から引き出された陽極リード2および陰極端子9の一部を、それぞれ金型から露出させる。成型の条件は特に限定されず、使用される熱硬化性樹脂の硬化温度等を考慮して、適宜、時間および温度条件を設定すればよい。
本発明に係る固体電解コンデンサは、固体電解質層の膜強度を向上できるため、高い品質を備えており、様々な用途に利用できる。
1:陽極体、2:陽極リード、2a:埋設部、2b:延出部、3:誘電体層、5:固体電解質層、6:陰極層、7:陽極端子、7a:接続部、7b:露出部、8:導電性接着材、9:陰極端子、9a:接続部、9b:露出部、10:コンデンサ素子、11:外装体、20:固体電解コンデンサ

Claims (8)

  1. 陽極体と、
    前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、
    前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、
    を含むコンデンサ素子を備え、
    前記固体電解質層は、導電性高分子と、バインダとを含み、
    前記バインダは、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを含む、固体電解コンデンサ。
  2. 前記鎖状ポリマーは、ポリフッ化ビニリデンおよびフッ化ビニリデン共重合体からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記固体電解質層は、さらに導電性の無機粒子を含む、請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記無機粒子は、カーボンブラックを含む、請求項3に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記無機粒子は、前記固体電解質層において、前記誘電体層とは反対側に偏在している、請求項3または4に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 陽極体と、前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備える固体電解コンデンサを製造する方法であって、
    前記陽極体を準備する工程と、
    前記陽極体を化成処理して、前記陽極体の表面に前記誘電体層を形成する工程と、
    前記誘電体層の少なくとも一部を覆うように、導電性高分子とバインダとを含む前記固体電解質層を形成する工程と、を含み、
    前記バインダは、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを含み、
    前記固体電解質層を形成する工程は、前記導電性高分子と、前記バインダと、有機分散媒とを含む分散液を誘電体層上に付着させて、前記固体電解質層を形成し、前記陽極体と前記誘電体層と前記固体電解質層とを含むコンデンサ素子を得る工程、を含む、固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記固体電解質層を形成する工程は、前記コンデンサ素子を得る工程に先立って、さらに、前記誘電体層に、前記導電性高分子の前駆体を含む重合液を付着させ、前記前駆体を重合して、前記導電性高分子を含む被膜を形成する工程を含む、請求項6に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 前記分散液は、さらに導電性の無機粒子を含み、
    前記固体電解質層は、さらに前記無機粒子を含む、請求項6または7に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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