JP2019087558A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents
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前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、
前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、
を含むコンデンサ素子を備え、
前記固体電解質層は、導電性高分子と、バインダとを含み、
前記バインダは、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを含む、固体電解コンデンサに関する。
前記陽極体を準備する工程と、
前記陽極体を化成処理して、前記陽極体の表面に前記誘電体層を形成する工程と、
前記誘電体層の少なくとも一部を覆うように、導電性高分子とバインダとを含む前記固体電解質層を形成する工程と、を含み、
前記バインダは、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを含み、
前記固体電解質層を形成する工程は、前記導電性高分子と、前記バインダと、有機分散媒とを含む分散液を誘電体層上に付着させて、前記固体電解質層を形成し、前記陽極体と前記誘電体層と前記固体電解質層とを含むコンデンサ素子を得る工程、を含む、固体電解コンデンサの製造方法に関する。
以下、固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法の構成についてより詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る固体電解コンデンサの断面模式図である。
固体電解コンデンサ20は、コンデンサ素子10と、コンデンサ素子10を封止する外装体11と、外装体11の外部にそれぞれ露出する陽極端子7および陰極端子9と、を備える。コンデンサ素子10は、多孔質焼結体である陽極体1と、陽極リード2と、陽極体1の表面に形成された誘電体層3と、誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層5と、を有する。コンデンサ素子10は、さらに、固体電解質層5の表面を覆う陰極層6を有している。
陽極体1を構成する材料としては、弁作用金属が好ましい。弁作用金属としては、例えば、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)などが挙げられる。陽極体1は、弁作用金属を一種含んでもよく、二種以上含んでもよい。弁作用金属の酸化物は、誘電率が高いため、陽極体1の構成材料として適している。なお、上記材料は、2種以上の金属からなる合金であってもよい。例えば、弁作用金属と、ケイ素、バナジウム、ホウ素などとを含む合金を用いることができる。弁作用金属の合金は、弁作用金属を主成分とすることが好ましく、例えば、弁作用金属を50原子%以上含むことが好ましい。また、弁作用金属と窒素などの典型元素とを含む化合物を上記の材料として用いてもよい。
誘電体層3は、陽極体1の表面を、化成処理等により陽極酸化することにより形成される。陽極酸化は、公知の方法により行えばよい。なお、誘電体層3はこれに限定されず、誘電体として機能する絶縁性の層であればよい。
固体電解質層5は、誘電体層3の少なくとも一部を覆うように形成される。固体電解質層5は、誘電体層3上に直接形成されていてもよく、中間層などの他の層を介して誘電体層上に形成されていてもよい。固体電解質層5は、導電性高分子と、バインダとを含む。固体電解質層5は、さらにドーパントを含んでもよい。また、固体電解質層5は、さらに、導電性の無機粒子を含んでもよい。
無機粒子の平均粒子径は、例えば、固体電解質層5の断面の電子顕微鏡写真から求めることができる。例えば、電子顕微鏡写真において、任意に選択した複数(例えば、20個)の無機粒子の粒子径を計測し、平均化することにより、平均粒子径を求めることができる。なお、選択した無機粒子について、同じ断面積を有する円(相当円)の直径を無機粒子の粒子径とする。なお、カーボンブラックの平均一次粒子径は、カーボンブラックの一次粒子について、上記と同様にして求めることができる。
陰極層6は、例えば、カーボン層と、カーボン層の表面に形成された金属(例えば、銀)ペースト層と、を有している(いずれも図示せず)。このような陰極層6は、カーボンペーストおよび銀ペーストを順次、塗布することにより形成される。なお、陰極層6の構成は、これに限られず、集電機能を有する構成であればよい。
固体電解コンデンサ20において、コンデンサ素子10は、外装体11により封止されている。これにより、コンデンサ素子10と外部とは電気的に絶縁される。外装体11は、例えば、絶縁性の樹脂により形成される。絶縁性の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミドイミド、不飽和ポリエステル等が挙げられる。
上記の固体電解コンデンサは、例えば、陽極体1を準備する工程と、陽極体1を化成処理して、陽極体1の表面に誘電体層3を形成する工程と、誘電体層3の少なくとも一部を覆うように、固体電解質層5を形成する工程と、を含む製造方法により得ることができる。固体電解質層5を形成する工程は、導電性高分子と、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを含むバインダと、有機分散媒とを含む分散液を誘電体層3上に付着させて、導電性高分子とバインダとを含む固体電解質層5を形成し、陽極体1と誘電体層3と固体電解質層5とを含むコンデンサ素子10を得る工程を含む。
陽極体1としては、多孔質焼結体を用いることができる。多孔質焼結体は、弁作用金属を含む粉末(例えば、弁作用金属の粉末、弁作用金属を含む合金もしくは化合物の粉末)を焼結することにより得ることができる。例えば、弁作用金属の粉末とともに、陽極体1と接続させる陽極リード2の埋設部を粉末中に埋め込むようにして型に入れ、加圧により成形し、焼結することにより陽極リード2の一部が植設された陽極体1を形成することができる。成形の際の圧力は特に限定されない。焼結は、減圧下で行なうことが好ましい。弁作用金属の粉末には、必要に応じて、ポリアクリルカーボネートなどのバインダを混合してもよい。
本工程では、陽極体を化成処理することにより、陽極体上に、誘電体層3を形成する。化成処理により、陽極体が陽極酸化されることで陽極体の表面に誘電体層3が形成される。誘電体層3は、多孔質焼結体では、多孔質焼結体の表面、および表面や内部の孔の内壁面に沿って形成され、粗面化された金属箔では、金属箔の表面の孔や窪み(ピット)の内壁面に沿って形成される。
本工程では、誘電体層3の少なくとも一部を覆うように、導電性高分子と、バインダとを含む固体電解質層5を形成する。この工程は、導電性高分子と、バインダと、有機分散媒とを含む分散液を誘電体層3上に付着させて、固体電解質層5を形成し、陽極体1と誘電体層3と固体電解質層5とを含むコンデンサ素子10を得る工程(第2工程)を、少なくとも含む。誘電体層3と固体電解質層5との間に中間層などの他の層を形成する場合には、本工程に先立って、誘電体層3上に中間層などの他の層を形成し、本工程において、他の層を介した状態で、誘電体層3上に固体電解質層5を形成すればよい。固体電解質層5を形成する工程は、コンデンサ素子10を得る工程(第2工程)に先立って、さらに、誘電体層3に、導電性高分子を含む被膜(第1導電性高分子層)を形成する工程(第1工程)を含んでもよい。
第1工程において、導電性高分子を含む被膜(第1導電性高分子層)は、誘電体層3に、導電性高分子と分散媒とを含む分散液(第1分散液)を付着、乾燥させることにより形成してもよく、導電性高分子の前駆体を含む重合液を付着させ、前駆体を重合することにより、形成してもよい。第1工程で用いられる第1分散液や重合液には、必要に応じて、上記のバインダを添加してもよい。第1分散液や重合液には、導電性の無機粒子を添加することもできる。しかし、突入電流が大きくなることを抑制する観点からは、第1工程で用いられる第1分散液や重合液は、導電性の無機粒子を含まないことが好ましい。第1工程で用いる第1分散液や重合液に、バインダや導電性の無機粒子を添加せずに、第2工程で用いる分散液(第2分散液)にバインダ(必要に応じて導電性の無機粒子)を添加することで、固体電解質層5の誘電体層3とは反対側にバインダや無機粒子を容易に偏在させることができる。
導電性高分子の前駆体の重合は、電解重合や化学重合で行うことができる。
本工程では、導電性高分子とバインダと有機分散媒とを含む分散液を誘電体層上に付着させて固体電解質層5を形成する。第1工程を実施する場合には、第1工程で形成された第1導電性高分子層を介して、誘電体層上に導電性高分子とバインダとを少なくとも含む被膜(第2導電性高分子層)を形成することで、第1導電性高分子層と第2導電性高分子層とを備える固体電解質層5が形成される。第1工程を実施せずに、第2工程のみを実施する場合には、誘電体層上に導電性高分子とバインダとを少なくとも含む固体電解質層5が形成される。
固体電解質層5の表面には、通常、陰極層6が形成される。陰極層6は、カーボン層と金属ペースト層とで構成され、カーボンペーストおよび銀ペーストを順次、塗布することにより、形成することができる。カーボン層は、黒鉛などの導電性炭素材料を含む組成物により構成される。金属ペースト層は、例えば、銀粒子と樹脂とを含む組成物により構成される。ただし、陰極層6の構成は、これに限られず、集電機能を有する構成であればよい。
陰極層6には、陰極端子9が接続される。陰極端子9は、陰極層6に導電性接着材を塗布し、この導電性接着材を介して陰極層6に接合される。
このようにして形成されるコンデンサ素子10は、外装体11を用いて封止される。具体的には、コンデンサ素子10および外装体11の材料樹脂(例えば、未硬化の熱硬化性樹脂およびフィラー)を金型に収容し、トランスファー成型法、圧縮成型法等により、コンデンサ素子10を外装体で封止する。このとき、コンデンサ素子10から引き出された陽極リード2および陰極端子9の一部を、それぞれ金型から露出させる。成型の条件は特に限定されず、使用される熱硬化性樹脂の硬化温度等を考慮して、適宜、時間および温度条件を設定すればよい。
Claims (8)
- 陽極体と、
前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、
前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、
を含むコンデンサ素子を備え、
前記固体電解質層は、導電性高分子と、バインダとを含み、
前記バインダは、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを含む、固体電解コンデンサ。 - 前記鎖状ポリマーは、ポリフッ化ビニリデンおよびフッ化ビニリデン共重合体からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記固体電解質層は、さらに導電性の無機粒子を含む、請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記無機粒子は、カーボンブラックを含む、請求項3に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記無機粒子は、前記固体電解質層において、前記誘電体層とは反対側に偏在している、請求項3または4に記載の固体電解コンデンサ。
- 陽極体と、前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備える固体電解コンデンサを製造する方法であって、
前記陽極体を準備する工程と、
前記陽極体を化成処理して、前記陽極体の表面に前記誘電体層を形成する工程と、
前記誘電体層の少なくとも一部を覆うように、導電性高分子とバインダとを含む前記固体電解質層を形成する工程と、を含み、
前記バインダは、フッ素元素を含有する鎖状ポリマーを含み、
前記固体電解質層を形成する工程は、前記導電性高分子と、前記バインダと、有機分散媒とを含む分散液を誘電体層上に付着させて、前記固体電解質層を形成し、前記陽極体と前記誘電体層と前記固体電解質層とを含むコンデンサ素子を得る工程、を含む、固体電解コンデンサの製造方法。 - 前記固体電解質層を形成する工程は、前記コンデンサ素子を得る工程に先立って、さらに、前記誘電体層に、前記導電性高分子の前駆体を含む重合液を付着させ、前記前駆体を重合して、前記導電性高分子を含む被膜を形成する工程を含む、請求項6に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記分散液は、さらに導電性の無機粒子を含み、
前記固体電解質層は、さらに前記無機粒子を含む、請求項6または7に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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JPH0794368A (ja) * | 1993-07-27 | 1995-04-07 | Nec Corp | 固体電解コンデンサおよびその製造方法 |
WO2000049632A1 (fr) * | 1999-02-18 | 2000-08-24 | Showa Denko K.K. | Condensateur electrolytique solide et son procede de production |
JP2014112653A (ja) * | 2012-11-08 | 2014-06-19 | Rohm Co Ltd | 固体電解コンデンサおよびその製造方法 |
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