JP2021116692A - ポンプ制御装置及びポンプ制御方法 - Google Patents

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良太郎 松原
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Abstract

【課題】吸入流路における圧力損失の増加を抑制する。【解決手段】ポンプ制御装置100は、エンジン1からの動力によって駆動軸12と一体に回転するロータ13と、モータ20からの動力により回転可能に設けられたカムリング15と、第1サイドプレート16に設けられ油を吸入する吸入ポート16a,16bと、第2サイドプレート17に設けられ油を吐出する吐出ポート17a、17bと、カムリング15及び第1、第2サイドプレート16,17と一体に回転するシリンダ18と、を備えたポンプ10と、モータ20の回転を制御するコントローラ30と、を備える。コントローラ30は、モータ20の回転を停止するときには、吸入ポート16a,16bがあらかじめ設定された目標停止位置で停止するようにモータ20を制御する。【選択図】図5

Description

本発明は、ポンプ制御装置及びポンプ制御方法に関する。
特許文献1には、駆動軸の回転に伴って回転する主回転子(ロータ)と、調節用の駆動軸の回転に伴って回転する共働回転子(カムリング及びサイドプレート)と、を備えたポンプの発明が開示されている。
特許文献1に記載のポンプは、共働回転子(カムリング及びサイドプレート)を主回転子(ロータ)に対して相対回転させることで作動油の吐出流量を調整可能としている。
実公昭39−15750号公報
特許文献1に記載のポンプでは、共働回転子(カムリング及びサイドプレート)が回転すると、ポンプ室へ油を供給するための吸入口の位置が変動する。このため、共働回転子(カムリング及びサイドプレート)が停止したときに、ケーシングに設けられた吸入ポートから吸入口までの距離が変化する。このとき、吸入ポートから吸入口までの距離が長くなると、その分吸入流路における圧力損失が大きくなる。この状態で、例えば、駆動軸の回転が高回転になると、ポンプ内へ吸入される油の吸入負圧が増大してキャビテーションが発生しやすくなり、ノイズの増大や壊食が生じるおそれがある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、吸入流路における圧力損失の増加を抑制することを目的とする。
本発明のある態様のポンプ制御装置は、流体を加圧して吐出するポンプ部と、ポンプ部を駆動するモータと、モータの回転を制御する制御部と、を備える。ポンプ部は、内燃機関からの動力が伝達されるシャフトと、内燃機関からの動力によってシャフトと一体にシャフトの回転軸周りを回転する第1回転体と、第1回転体を収容し内部にポンプ室を画成するとともに、モータからの動力により回転可能に設けられた第2回転体と、シャフトの回転軸方向における第2回転体の両側に配置された一対のサイドプレートと、一対のサイドプレートの一方に設けられ油を吸入する吸入ポートと、一対のサイドプレートの他方に設けられ油を吐出する吐出ポートと、第2回転体と一対のサイドプレートとが内部に固定され、第2回転体及び一対のサイドプレートと一体に回転するシリンダと、シリンダを内部に収容するハウジングと、を備ええる。制御部は、モータの回転を停止するときには、吸入ポートがあらかじめ設定された目標停止位置で停止するようにモータを制御する。
本発明の別の態様によれば、上記ポンプ制御装置に対応するポンプ制御方法が提供される。
これらの態様によれば、吸入ポートをあらかじめ設定された目標停止位置で停止することにより、ポンプ室内へ吸入される油の吸入負圧の増加を抑制し、吸入流路における吸入圧力損失の増加を抑制できる。これにより、キャビテーションの発生を防止できる。
図1は、本実施形態のツインドライブポンプが適用されるポンプシステムの概略構成図である。 図2は、本実施形態のツインドライブポンプを軸方向の断面で示す図である。 図3は、本実施形態のツインドライブポンプの軸方向に直交する方向でのポンプ室近傍の部分断面図である。 図4は、本実施形態のツインドライブポンプの運転モードを説明する図である。 図5は、本実施形態で行われるモータ停止制御のフローチャートの一例である。 図6Aは、入口ポートと2つの吐出ポートとの位置関係を説明するための図である。 図6Bは、入口ポートと2つの吐出ポートとの位置関係を説明するための図である。 図7は、本実施形態で行われるモータ停止制御のタイムチャートの一例である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るポンプ制御装置100の概略構成図である。図2は、本実施形態に係るポンプ制御装置100のツインドライブポンプ10を軸方向の断面で示す図である。
ポンプ制御装置100は、内燃機関としてのエンジン1を備えた車両に搭載される。
図1に示すように、ポンプ制御装置100は、流体としての油を加圧して吐出するポンプ部としてのツインドライブポンプ10と、ポンプ10を駆動するモータ20と、モータ20の回転を制御する制御部としてのコントローラ30と、を備える。
図2及び図3に示すように、ツインドライブポンプ10(以下では、単に「ポンプ10」という。)は、エンジン1の出力軸1aに接続され、エンジン1からの動力が伝達されるシャフトとしての駆動軸12と、エンジン1からの動力によって駆動軸12と一体に駆動軸12の回転軸周りを第1方向(図3の矢印参照)に回転する第1回転体としてのロータ13と、ロータ13を内部に収容する第2回転体としてのカムリング15と、駆動軸12の回転軸方向におけるカムリング15の両側に配置された一対のサイドプレートとしての第1サイドプレート16及び第2サイドプレート17と、内部にカムリング15、第1サイドプレート16及び第2サイドプレート17が固定され、これらと一体に回転するシリンダ18と、シリンダ18を収容するとともにシリンダ18を回転可能に支持するハウジング11と、を備える。
図2に示すように、ハウジング11はポンプ10の筐体であり、隔壁11aと、入口ポート11bと、出口ポート11cとを有する。隔壁11aは、駆動軸12の軸方向においてハウジング11内を第1油室H1と第2油室H2とに区分する。入口ポート11bは、第1油室H1に開口し、ハウジング11の内外を連通する。出口ポート11cは、第2油室H2に開口し、ハウジング11の内外を連通する。入口ポート11bには、タンク(図示せず)に貯留された油がストレーナ50を通過して流入し、出口ポート11cからは油圧制御回路40に供給される油が排出される(図1参照)。
駆動軸12は、ロータ13の回転軸と同軸に設けられる。駆動軸12の一端はロータ13に連結され、他端はハウジング11外に突出するようにハウジング11に回転可能に設けられる。駆動軸12には、エンジン1からの動力が図示しない動力伝達機構を介して伝達される。駆動軸12は、ポンプ10の第1入力軸を構成する。
ロータ13は、円柱形状に形成され、駆動軸12により駆動されて駆動軸12の回転軸周りに回転する。ロータ13には複数のスリット溝が放射状に設けられ、各スリット溝にはベーン14が設けられる。各ベーン14はロータ13の外周面から出没可能に設けられる。
カムリング15は、内部にロータ13を収容する。カムリング15は、駆動軸12の回転軸と同軸に、ロータ13に対して回転可能に設けられる。カムリング15の内周面は、ロータ13の外周との離間距離がロータ13の回転軸周りの周方向で変化するカム面により構成される。カムリング15の内周面は、ベーン14の先端部分が摺動する。
第1サイドプレート16及び第2サイドプレート17は、ロータ13の回転軸方向におけるカムリング15の両側に、それぞれロータ13の端面に対向するように配置される。第1サイドプレート16には、2つの吸入ポート16a,16bが設けられ、第2サイドプレート17には、2つの吐出ポート17a,17bが設けられる。第1サイドプレート16及び第2サイドプレート17、カムリング15の内周面、ロータ13の外周面、隣り合うベーン14によってポンプ室Pが区画される。
図3に示すように、吸入ポート16a,16bは、ロータ13の回転軸周りの周方向においてポンプ室Pが拡大する領域IN(吸入領域)に開口するように設けられる。吐出ポート17a,17bは、ロータ13の回転軸周りの周方向においてポンプ室Pが縮小する領域OUT(吐出領域)に開口するように設けられる。ロータ13が回転することにより、吸入ポート16a,16bからポンプ室Pに油が吸入され、ポンプ室Pの容積縮小により油が加圧されて吐出ポート17a,17bから吐出される。
上述のように、本実施形態では、吸入ポート16a,16bと吐出ポート17a,17bは2つずつ設けられる。これにより、ポンプ10では、ベーン14がカム面を一周する間にポンプ室Pが油の吸入及び吐出を2回繰り返す。
図2に示すように、シリンダ18は、略有底円筒状に形成され、ロータ13の回転軸と同軸に回転可能にハウジング11に支持される。シリンダ18は、保持部18aと、接続部18bと、軸部18cと、出口ポート18dと、を有する。
保持部18aは、筒状に形成され、その内部にカムリング15、第1サイドプレート16及び第2サイドプレート17を保持する。カムリング15、第1サイドプレート16及び第2サイドプレート17は保持部18a内に固定され、シリンダ18と一体回転する。シリンダ18は、保持部18aで開口し、第1サイドプレート16は、シリンダ18の開口を塞ぐように設けられる。保持部18aは第1油室H1に収容される。
接続部18bは、保持部18aと軸部18cとを接続する。本実施形態では、接続部18bは、保持部18aから軸部18cに向かって次第に縮径するように形成される。接続部18bには、吐出ポート17a,17bから吐出された油が流入する。接続部18bは第1油室H1に収容される。
軸部18cは保持部18aよりも縮径された中空の軸状部分であり、軸部18c内には接続部18bから油が流入する。軸部18cは、モータ20の出力軸20aとワンウェイクラッチ19を介して接続される。これにより、モータ20の動力が軸部18cに伝達されると、シリンダ18とととに、カムリング15、第1サイドプレート16及び第2サイドプレート17が回転する。軸部18cは、ポンプ10の第2入力軸を構成する。
軸部18cは、ハウジング11の隔壁11aを貫通するとともにハウジング11外に突出するように設けられる。駆動軸12と軸部18cとはロータ13の回転軸方向において互いに反対側に向かって突出するように設けられる。
軸部18cには、複数の出口ポート18dが設けられる。出口ポート18dは、径方向に軸部18cの内外を連通する。軸部18cにおける出口ポート18dが設けられた部分は第2油室H2に収容される。このため、軸部18c内の油は出口ポート18dを介して第2油室H2に流出する。そして、第2油室H2に流出した油が出口ポート11cを介して油圧制御回路40に供給される。
ワンウェイクラッチ19は軸部18cとモータ20の出力軸20aとの間に設けられる。ワンウェイクラッチ19は、ロータ13の逆転方向、従ってモータ20の駆動方向において、出力軸20aの回転速度が軸部18cの回転速度よりも高い場合に締結し、出力軸20aの回転速度が軸部18cの回転速度よりも低い場合に解放される。
このため、モータ20の作動時にはワンウェイクラッチ19が締結し、モータ20からの動力が軸部18cに伝達される。結果、カムリング15と第1サイドプレート16及び第2サイドプレート17とがモータ20の動力により駆動されてロータ13の逆転方向に回転する。
モータ20は、例えばブラシレスモータによって構成される。モータ20は、車両に搭載されたバッテリを電源として駆動する。モータ20は、モータ20のロータの回転位置(回転角)を検出する位置検出器としてのレゾルバ60を備える。コントローラ30は、レゾルバ60によって検出されたモータ20の回転位置に基づいて、モータ20を制御する。
コントローラ30は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ30は、複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
次に、図4を参照しながら、ポンプ10の運転モードについて説明する。
コントローラ30は、図4に示すマップを参照しつつ車両の運転状況に応じてポンプ10の運転モードを切り換える。本実施形態のポンプ制御装置100は、図4に示すように、運転モードとして、エンジン1によってロータ13のみを回転させるMOPモードと、モータ20によってカムリング15のみを回転させるEOPモードと、エンジン1とモータ20によってロータ13及びカムリング15を相対回転させるTDPモードと、を有する。
MOPモードは、エンジン1の回転速度が高い場合に選択される。具体的には、車両に搭載されている油圧機器が必要とする流量(以下では、「要求流量」という。)を、ロータ13の回転のみ(エンジン1の動力による回転のみ)によって吐出される吐出流量で賄うことができる場合に選択される。ロータ13の回転速度、つまり、ポンプ10の吐出流量は、エンジン1の回転速度に比例する。このため、エンジン1の回転速度が高い場合には、エンジン1の動力のみに基づく吐出流量で要求流量を賄うことができるため、モータ20は停止した状態に維持される。
EOPモードは、エンジン1が停止している場合に選択される。アイドリングストップ、コーストストップ、あるいはセーリングストップなどを実行している場合には、エンジン1が停止しているため、ロータ13の回転も停止している。そこで、エンジン1が停止している時には、コントローラ30は、要求流量を賄うためにモータ20を駆動してカムリング15を回転させる。これにより、ロータ13を実質的に回転させることになるので、ポンプ10によって要求流量を賄うことができる。
TDPモードは、要求流量をエンジン1の動力のみに基づく吐出流量で賄うことができない場合、具体的には、エンジン1の回転速度が低い場合に選択される。上述のように、エンジン1のみを駆動している場合、ポンプ10の吐出流量は、エンジン1の回転速度に比例する。このため、エンジン1の回転速度が低い場合には、エンジン1の動力のみに基づく吐出流量で賄うことができないため、コントローラ30は、モータ20を駆動し、カムリング15をロータ13の回転方向(第1方向)とは逆方向(第2方向)に回転させる。これにより、ロータ13の回転速度を実質的に上昇させることができるので、エンジン1の動力のみに基づく吐出流量だけでは不足していた要求流量を賄うことができる。
ところで、例えば、運転モードがTDPモードからMOPモードに移行すると、モータ20の回転が停止するため、シリンダ18に固定された第1サイドプレート16も停止する。このとき、第1サイドプレート16の回転が停止する位置によって、ハウジング11に設けられた入口ポート11bから第1サイドプレート16に設けられた2つの吸入ポート16a,16bまでの距離La,Lbが変化する。
入口ポート11bから吸入ポート16a,16bまでの流路(以下では、「吸入流路」ともいう。)の距離La,Lbが長くなると、その分圧力損失が大きくなる。吸入流路の距離La,Lbが長い状態で、例えばエンジン1の回転が高回転になると、ポンプ10内へ吸入される油の吸入負圧が増大してキャビテーションが発生しやすくなる。このようなキャビテーションは、ノイズの増大や壊食の要因となる。
そこで、本実施形態では、入口ポート11bから2つの吸入ポート16a,16bまでの流路の距離La,Lbが長くならない位置、つまり、入口ポート11bから2つの吸入ポート16a,16bそれぞれまでの流路の距離La,Lbが等しくなる位置に第1サイドプレート16(シリンダ18)を停止させるようにモータ20を制御する。以下に、図5から図7を参照しながら、本実施形態におけるモータ20の制御(以下では、「モータ停止制御」という。)について具体的に説明する。
図5は、本実施形態のモータ停止制御に係るフローチャートを示す図である。本実施形態のモータ停止制御は、コントローラ30にあらかじめ記憶されたプログラムに基づいて実行される。
ステップS1では、モータ停止要求があるかを判断する。具体的には、コントローラ30は、運転モードがTDPモードからMOPモードに移行した場合、あるいは、EOPモードでポンプ10が駆動されている状態で、イグニッションスイッチがOFFになった場合には、モータ停止要求があると判断する。コントローラ30が、モータ停止要求があると判断した場合にはステップS2に進み、モータ停止要求がないと判断した場合にはENDに進む。
ステップS2では、減速制御を開始する。具体的には、コントローラ30は、モータ20を一定の減速度で減速させる。なお、減速度は一定でなくてもよく、減速度を変化させてもよい。
ステップS3では、モータ20の回転速度Vmが所定回転速度V1まで減速したか否かを判定する。具体的には、コントローラ30は、レゾルバ60によって検出されたロータの回転角(回転位置)の変化からモータ20の回転速度Vmを算出し、回転速度Vmがあらかじめ設定された所定回転速度V1まで減速したか否かを判定する。なお、所定回転速度V1は、モータ20の制御可能最低回転速度程度に設定されることが好ましい。
ステップS3において、回転速度Vmが所定回転速度V1まで減速したと判定されると、ステップS4に進み、回転速度Vmが所定回転速度V1まで減速していないと判定されると、回転速度Vmが所定回転速度V1まで減速されるまで、ステップS3の判定を繰り返す。
ステップS4では停止位置制御を開始する。具体的には、コントローラ30は、モータ20を所定回転速度Vm1で回転させながら、レゾルバ60によって検出された回転位置に基づいて、吸入ポート16aを目標停止位置で停止させる。なお、モータ20の回転位置と、シリンダ18及び第1サイドプレート16の回転位置とは、あらかじめ比例する関係になるように設定される。
ここで、図6A及び図6Bを参照して、吸入ポート16a,16bの目標停止位置について具体的に説明する。
図6A及び図6Bは、入口ポート11bと2つの吸入ポート16a,16bとの位置関係を示す概念図の一例である。図6Aに示す第1サイドプレート16の停止位置では、入口ポート11bから吸入ポート16aまでの距離La1と、入口ポート11bから吸入ポート16bまでの距離Lb1とが等しくなっている。これに対し、図6Bに示す第1サイドプレート16の停止位置では、入口ポート11bから吸入ポート16aまでの距離La2が、距離La1(距離Lb1)より長くなっている。
図6Bに示す位置では、入口ポート11bから吸入ポート16aに到る吸入流路での圧力損失が大きくなるため、ポンプ室P内へ吸入される油の吸入負圧が増大してキャビテーションが発生しやすくなる。このため、本実施形態の停止位置制御では、図6Aに示す位置、つまり、入口ポート11bから吸入ポート16aまでの距離Laと、入口ポート11bから吸入ポート16bまでの距離Lbとが等しくなる位置で、モータ20(第1サイドプレート16)の回転を停止する。これにより、吸入負圧の増大を抑制し、キャビテーションの発生を防止できる。
ステップS5において、吸入ポート16a,16bが目標停止位置に到達したか否かを判定する。吸入ポート16a,16bが目標停止位置に到達していれば、ステップS6に進んで、モータ20を完全に停止する。これに対して、吸入ポート16a,16bが目標停止位置に到達していなければ、ステップS5の判定を繰り返す。なお、本実施形態では、入口ポート11bから吸入ポート16aまでの距離Laと、入口ポート11bから吸入ポート16bまでの距離Lbとが等しくなる位置を目標停止位置としているが、これに代えて、例えば、入口ポート11bから吸入ポート16aまでの吸入圧力損失と、入口ポート11bから吸入ポート16bまでの吸入圧力損失と、が等しくなるような位置を目標停止位置としてもよい。この場合には、吸入流路の長さが異なっていてもよい。
また、上記実施形態では、モータ20の回転位置(回転角)に基づいて制御を行っていたが、これに代えて、例えば、シリンダ18の回転位置を検出する、あるいは、吸入ポート16a,16bの位置を直接検出して、これらの検出値に基づいて制御を行ってもよい。
次に、図7を参照しながら、本実施形態のモータ停止制御をより具体的に説明する。図7は、モータ停止制御のタイムチャートの一例である。
時刻t1において、ポンプ10の運転モードがTDPモードからMOPモードに移行すると、コントローラ30は、モータ20の減速制御を開始する。具体的には、コントローラ30は、モータ20を一定の減速度で減速させる。
時刻t2において、モータ20の回転速度Vmが所定回転速度V1まで減速されると、コントローラ30は、停止位置制御を開始する。具体的には、コントローラ30は、レゾルバ60によって検出されたモータ20の回転位置に基づいて、吸入ポート16a,16bを目標停止位置で停止させる。
時刻t3において、吸入ポート16a,16bが目標停止位置に到達すると、コントローラ30は、モータ20を完全に停止する。
このように、本実施形態では、モータ20の回転を停止するときには、吸入ポート16a,16bがあらかじめ設定された目標停止位置で停止するようにモータ20を制御しているので、ポンプ室P内へ吸入される油の吸入負圧の増加を抑制し、吸入流路における吸入圧力損失の増加を抑制できる。これにより、キャビテーションの発生を防止できる。
また、本実施形態では、モータ20の回転位置を検出する位置検出器(レゾルバ60)を用いて制御を行っているので、吸入ポート16a,16bの位置を検出するためだけの位置検出器を設ける必要がない。これにより、コストの上昇を抑制できる。
上記実施形態では、ポンプ10が2つの吸入ポート16a,16bを備えた場合を例に説明したが、吸入ポート及び吐出ポート(吸入領域IN及び吐出領域OUT)は、それぞれ1つであってもよい。この場合においては、目標停止位置は、入口ポート11bからから吸入ポート(吸入ポート16aまたは吸入ポート16b)までの吸入圧力損失が最小になる位置にすることができる。
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
ポンプ制御装置100は、流体を加圧して吐出するポンプ部(ポンプ10)と、ポンプ部(ポンプ10)を駆動するモータ20と、モータ20の回転を制御する制御部(コントローラ30)と、を備える。ポンプ部(ポンプ10)は、内燃機関(エンジン1)からの動力が伝達されるシャフト(駆動軸12)と、内燃機関(エンジン1)からの動力によってシャフト(駆動軸12)と一体にシャフト(駆動軸12)の回転軸周りを回転する第1回転体(ロータ13)と、第1回転体(ロータ13)を収容し内部にポンプ室Pを画成するとともに、モータ20からの動力により回転可能に設けられた第2回転体(カムリング15)と、シャフト(駆動軸12)の回転軸方向における第2回転体(カムリング15)の両側に配置された一対のサイドプレート(第1、第2サイドプレート16,17)と、第1サイドプレート16に設けられ油を吸入する吸入ポート16a,16bと、第2サイドプレート17に設けられ油を吐出する吐出ポート17a、17bと、第2回転体(カムリング15)と一対のサイドプレート(第1、第2サイドプレート16,17)とが内部に固定され、第2回転体(カムリング15)及び一対のサイドプレート(第1、第2サイドプレート16,17)と一体に回転するシリンダ18と、シリンダ18を内部に収容するハウジング11と、を備える。
コントローラ30は、モータ20の回転を停止するときには、吸入ポート16a,16bがあらかじめ設定された目標停止位置で停止するようにモータ20を制御する。
吸入ポート16a,16bをあらかじめ設定された目標停止位置で停止することにより、ポンプ室P内へ吸入される油の吸入負圧の増加を抑制し、吸入流路における吸入圧力損失の増加を抑制できる。これにより、キャビテーションの発生を防止できる(請求項1,7に係る発明に対応する効果)。
ポンプ制御装置100は、モータ20の回転位置を検出する位置検出器(レゾルバ60)をさらに備える。また、コントローラ30は、モータ20の回転を停止するときには、位置検出器によって検出されたモータ20の回転位置に基づいて、吸入ポート16a,16bがあらかじめ設定された目標停止位置で停止するようにモータ20を制御する。
モータ20の回転位置を検出する位置検出器(レゾルバ60)を用いて制御を行うことにより、吸入ポート16a,16bの位置を検出するためだけの位置検出器(レゾルバ60)を設ける必要がないので、コストの上昇を抑制できる(請求項2に係る発明に対応する効果)。
ポンプ制御装置100は、ポンプ部(ポンプ10)の第2回転体(カムリング15)、一対のサイドプレート(第1、第2サイドプレート16,17)、シリンダ18のいずれかの回転位置を検出する位置検出器を備える。また、コントローラ30は、モータ20の回転を停止するときには、位置検出器によって検出された第2回転体(カムリング15)、一対のサイドプレート(第1、第2サイドプレート16,17)、シリンダ18のいずれかの回転位置に基づいて、吸入ポート16a,16bがあらかじめ設定された目標停止位置で停止するようにモータ20を制御する。
位置検出器は、第2回転体(カムリング15)、一対のサイドプレート(第1、第2サイドプレート16,17)、シリンダ18のいずれかの回転位置を検出するものであってもよい。この場合には、他部材との干渉を避け最適な配置ができるとともに、位置検出器を設置する場所の選択肢を増やすことができる(請求項3に係る発明に対応する効果)。
ポンプ制御装置100では、吸入ポートは、1つであり、目標停止位置とは、ハウジング11に設けられた油を吸入する入口ポート11bから吸入ポート(吸入ポート16aまたは吸入ポート16b)までの吸入圧力損失が最小になる位置である。
吸入ポートが1つの場合には、目標停止位置を入口ポート11bから吸入ポート(吸入ポート16aまたは吸入ポート16b)までの吸入圧力損失が最小になる位置とすることにより、キャビテーションの発生を抑制しつつ、エネルギ効率を向上させることができる(請求項4に係る発明に対応する効果)。
ポンプ制御装置100では、吸入ポートは、2つであり、目標停止位置とは、ハウジング11に設けられた油を吸入する入口ポート11bから2つの吸入ポート16a,16bまでの吸入圧力損失が等しくなる位置である。
吸入ポートが2つの場合には、目標停止位置をハウジング11に設けられた油を吸入する入口ポート11bからのから吸入ポート16a,16bまでの吸入圧力損失が等しくなる位置とすることにより、吸入ポート16a,16bのどちらにおいてもキャビテーションの発生を抑制できる(請求項5に係る発明に対応する効果)。
コントローラ30は、モータ20の回転を停止するときには、モータ20を所定回転速度V1まで所定の減速度で減速させた後、所定回転速度Vm1で目標停止位置まで回転させる。
モータ20を急停止すると、吐出流量の低下に油圧制御回路40での調圧が追い付かず油圧がアンダーシュートしたり、停止位置をオーバーしてしまうおそれがある。そこで、モータ20を所定回転速度V1まで所定の減速度で減速させた後、所定回転速度Vm1で目標停止位置まで回転させることにより、油圧のアンダーシュートを抑制するとともに、より確実に目標停止位置で停止することができる(請求項6に係る発明に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記実施形態と各変形例は適宜組み合わせ可能である。
上記実施形態では、ポンプ10として、ベーンポンプを例に説明したが、ツインドライブポンプ10は、内接式ギアポンプでもよい。
100 ポンプ制御装置
1 エンジン(内燃機関)
10 ツインドライブポンプ
11 ハウジング
11b 入口ポート
11c 出口ポート
12 駆動軸(シャフト)
13 ロータ(第1回転体)
14 ベーン
15 カムリング(第2回転体)
16 第1サイドプレート
16a 吸入ポート
16b 吸入ポート
17 第2サイドプレート
18 シリンダ
18d 出口ポート
20 モータ
20a 出力軸
30 コントローラ(制御部)
60 レゾルバ(位置検出器)

Claims (7)

  1. 流体を加圧して吐出するポンプ部と、前記ポンプ部を駆動するモータと、前記モータの回転を制御する制御部と、を備えたポンプ制御装置であって、
    前記ポンプ部は、
    内燃機関からの動力が伝達されるシャフトと、
    前記内燃機関からの動力によって前記シャフトと一体に前記シャフトの回転軸周りを回転する第1回転体と、
    前記第1回転体を収容し内部にポンプ室を画成するとともに、前記モータからの動力により回転可能に設けられた第2回転体と、
    前記シャフトの回転軸方向における前記第2回転体の両側に配置された一対のサイドプレートと、
    前記一対のサイドプレートの一方に設けられ油を吸入する吸入ポートと、
    前記一対のサイドプレートの他方に設けられ油を吐出する吐出ポートと、
    前記第2回転体と前記一対のサイドプレートとが内部に固定され、前記第2回転体及び前記一対のサイドプレートと一体に回転するシリンダと、
    前記シリンダを内部に収容するハウジングと、を備え、
    前記制御部は、
    前記モータの回転を停止するときには、前記吸入ポートがあらかじめ設定された目標停止位置で停止するように前記モータを制御することを特徴とするポンプ制御装置。
  2. 請求項1に記載されたポンプ制御装置であって、
    前記モータの回転位置を検出する位置検出器をさらに備え、
    前記制御部は、前記モータの回転を停止するときには、前記位置検出器によって検出された前記モータの回転位置に基づいて、前記吸入ポートがあらかじめ設定された目標停止位置で停止するように前記モータを制御することを特徴とするポンプ制御装置。
  3. 請求項1に記載されたポンプ制御装置であって、
    前記ポンプ部の前記第2回転体、前記一対のサイドプレート、前記シリンダのいずれかの回転位置を検出する位置検出器をさらに備え、
    前記制御部は、前記モータの回転を停止するときには、前記位置検出器によって検出された前記第2回転体、前記一対のサイドプレート、前記シリンダのいずれかの回転位置に基づいて、前記吸入ポートがあらかじめ設定された目標停止位置で停止するように前記モータを制御することを特徴とするポンプ制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載されたポンプ制御装置であって、
    前記吸入ポートは、1つであり、
    前記目標停止位置とは、前記ハウジングに設けられた油を吸入する入口ポートから前記吸入ポートまでの吸入圧力損失が最小になる位置であることを特徴とするポンプ制御装置。
  5. 請求項1から3のいずれか1つに記載されたポンプ制御装置であって、
    前記吸入ポートは、2つであり、
    前記目標停止位置とは、前記ハウジングに設けられた油を吸入する入口ポートから2つの前記吸入ポートまでの吸入圧力損失が等しくなる位置であることを特徴とするポンプ制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載されたポンプ制御装置であって、
    前記制御部は、
    前記モータの回転を停止するときには、
    前記モータを所定回転速度まで所定の減速度で減速させた後、前記所定回転速度で前記目標停止位置まで回転させることを特徴とするポンプ制御装置。
  7. 内燃機関からの動力が伝達されるシャフトと、
    前記内燃機関からの動力によって前記シャフトと一体に前記シャフトの回転軸周りを回転する第1回転体と、
    前記第1回転体を収容し内部にポンプ室を画成するとともに、モータからの動力により回転可能に設けられた第2回転体と、
    前記シャフトの回転軸方向における前記第2回転体の両側に配置された一対のサイドプレートと、
    前記一対のサイドプレートの一方に設けられ油を吸入する吸入ポートと、
    前記一対のサイドプレートの他方に設けられ油を吐出する吐出ポートと、
    前記第2回転体と前記一対のサイドプレートとが内部に固定され、前記第2回転体及び前記一対のサイドプレートと一体に回転するシリンダと、
    前記シリンダを内部に収容するハウジングと、を備えたポンプを制御するポンプ制御方法であって、
    前記モータの回転を停止するときには、前記吸入ポートがあらかじめ設定された目標停止位置で停止するように前記モータを制御することを特徴とするポンプ制御方法。
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