JP2021116381A - タイヤ用ゴム組成物、トレッドおよびタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物、トレッドおよびタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】破壊特性およびスノー性能が向上したタイヤ用ゴム組成物、該タイヤ用ゴム組成物からなるトレッドおよび該トレッドを含んでなるタイヤを提供すること。【解決手段】タイヤ用ゴム組成物であって、前記タイヤ用ゴム組成物がゴム成分、充填剤および軟化剤を含み、前記ゴム成分がスチレンブタジエンゴムおよびイソプレン系ゴムを含み、前記充填剤がシリカを含み、前記軟化剤が珪素、窒素および酸素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む官能基によって変性された変性液状ブタジエン系重合体を含み、前記ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量が50質量%以下である、タイヤ用ゴム組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、該タイヤ用ゴム組成物からなるトレッドおよび該トレッドを含んでなるタイヤに関する。
スパイクタイヤに代わる冬用のタイヤとして、従来、スタッドレスタイヤが開発されてきた(特許文献1)。スタッドレスタイヤは、スパイクタイヤとは違い、地面に食い込むような突起がない。このため、複数のゴム成分を配合することで、単一のポリマー成分では達成できないゴム組成物の物性を引き出すよう工夫がなされている。
特許第6544495号公報
しかし、複数のゴム成分を配合する場合、各ゴム成分の相構造や、各ゴム成分へのポリマーの分散具合を調節することは容易ではなく、これまで種々の検討がなされてきたが、いずれも改良の余地がある。
本発明は、破壊特性およびスノー性能が向上したタイヤ用ゴム組成物、該タイヤ用ゴム組成物からなるトレッドおよび該トレッドを含んでなるタイヤを提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、スチレンブタジエンゴムとイソプレン系ゴムを含むゴム成分、シリカを含む充填剤を使用する場合において、所定の変性液状ブタジエン系重合体を含む軟化剤を用い、かつ、イソプレン系ゴムの含有量を所定量以下とすれば、上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を重ねて、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1]タイヤ用ゴム組成物であって、
前記タイヤ用ゴム組成物が、ゴム成分、充填剤および軟化剤を含み、
前記ゴム成分が、スチレンブタジエンゴムおよびイソプレン系ゴムを含み、
前記充填剤が、シリカを含み、
前記軟化剤が、珪素、窒素および酸素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む官能基によって変性された変性液状ブタジエン系重合体を含み、
前記ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量が、50質量%以下、好ましくは50質量%未満、より好ましくは10質量%以上50質量未満、さらに好ましくは15質量%以上40質量%以下、さらに好ましくは20質量%以上30質量%以下である、タイヤ用ゴム組成物
[2]前記充填剤中のシリカの含有量が、80質量%以上、好ましくは83質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは89質量%以上である、上記[1]記載のタイヤ用ゴム組成物
[3]前記シリカの含有量と前記イソプレン系ゴムの含有量が、以下の式(1)を満たす、好ましくは右辺の値が6.0で式(1)を満たす、より好ましくは右辺の値が4.0で式(1)を満たす、上記[1]または[2]記載のタイヤ用ゴム組成物
(シリカの含有量)/(イソプレン系ゴムの含有量)≦8 (1)
[4]前記変性液状ブタジエン系重合体の含有量と前記イソプレン系ゴムの含有量が、以下の式(2)を満たす、好ましくは右辺の値が2.5で式(2)を満たす、より好ましくは右辺の値が2.0で式(2)を満たす、さらに好ましくは右辺の値が1.5で式(2)を満たす、さらに好ましくは右辺の値が1.0で式(2)を満たす、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物
(変性液状ブタジエン系重合体の含有量)/(イソプレン系ゴムの含有量)≦3 (2)
[5]前記シリカの含有量、前記変性液状ブタジエン系重合体の含有量および前記イソプレン系ゴムの含有量が、以下の式(3)を満たす、好ましくは右辺の値が0.35で式(3)を満たす、より好ましくは右辺の値が0.30で式(3)を満たす、さらに好ましくは右辺の値が0.25で式(3)を満たす、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物
(シリカの含有量)/{(変性液状ブタジエン系重合体の含有量)×(イソプレン系ゴムの含有量)}≦0.4 (3)
[6]前記ゴム成分が、ブタジエンゴムをさらに含む、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物
[7]前記ブタジエンゴムの含有量と前記イソプレン系ゴムの含有量が、以下の式(4)を満たす、好ましくは右辺の値が0.80で式(4)を満たす、より好ましくは右辺の値が1.00で式(4)を満たす、さらに好ましくは右辺の値が1.20で式(4)を満たす、さらに好ましくは右辺の値が1.40で式(4)を満たす、さらに好ましくは右辺の値が1.50で式(4)を満たす、上記[6]記載のタイヤ用ゴム組成物
(ブタジエンゴムの含有量)/(イソプレン系ゴムの含有量)≧0.5 (4)
[8]前記軟化剤が、芳香環含有樹脂をさらに含む、上記[1]〜[7]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物
[9]前記芳香環含有樹脂の含有量と前記イソプレン系ゴムの含有量が、以下の式(5)を満たす、好ましくは右辺の値が0.20で式(5)を満たす、より好ましくは右辺の値が0.30で式(5)を満たす、上記[8]記載のタイヤ用ゴム組成物
(芳香環含有樹脂の含有量)/(イソプレン系ゴムの含有量)≧0.1 (5)
[10]上記[1]〜[9]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物からなるトレッド
[11]上記[10]記載のトレッドを含んでなるタイヤ
に関する。
本発明によれば、破壊特性とスノー性能を向上せしめたタイヤ用ゴム組成物、トレッドおよびタイヤを提供することができる。
スタッドレスタイヤの断面図の一例である。 スタッドレスタイヤのトレッドパターンの平面図の一例である。
本開示は、タイヤ用ゴム組成物であって、前記タイヤ用ゴム組成物がゴム成分、充填剤および軟化剤を含み、前記ゴム成分がスチレンブタジエンゴムおよびイソプレン系ゴムを含み、前記充填剤がシリカを含み、前記軟化剤が珪素、窒素および酸素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む官能基によって変性された変性液状ブタジエン系重合体を含み、前記ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量が50質量%以下であるタイヤ用ゴム組成物である。
理論に拘束されることは意図しないが、本開示において、スノー性能に加えて破壊特性も向上させ得るメカニズムとしては、以下が考えられる。すなわち、スチレンブタジエンゴムとイソプレン系ゴムを含み、かつ、イソプレン系ゴムが50質量%以下のゴム成分を使用する場合、充填剤であるシリカや軟化剤である変性液状ポリブタジエン系重合体がスチレンブタジエンゴムを含む相(SBR相)により選択的に入ることで、このSBR相が海島相の海相を形成し、イソプレン系ゴム相(IR相)が島相を形成する。また、このIR相は充填剤等が少ないため、柔らかい状態を維持し得る。このような柔らかなIR相である島相の存在により、ゴム組成物の路面への追従性が向上するためスノー性能が向上すると考えられる。加えて、通常、破壊特性の高いIR相が島相となることにより、破壊の起点にもなりにくく、破壊特性も向上すると考えられる。
前記充填剤中のシリカの含有量は、80質量%以上であることが好ましく、83質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましく、89質量%以上がさらに好ましい。シリカの含有量が多い方が、海相(SBR相)と島相(IR相)の硬度差を生じさせやすいからである。なお、該含有量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよく、本開示の効果がより好適に得られるという理由から、97質量%以下が好ましく、94質量%以下がより好ましい。
前記シリカと前記イソプレン系ゴムの含有量は、上記式(1)で表される、イソプレン系ゴムの含有量に対するシリカの含有量の比率が8.0以下であることが好ましく、6.0以下がより好ましく、4.0以下がさらに好ましい。この比率が低い方が、島相(IR相)の相対的な柔らかさを実現しやすいからである。なお、該比率の下限は特に限定されないが、本開示の効果がより好適に得られるという理由から、0.8以上が好ましく、1.0以上がより好ましい。
前記変性液状ブタジエン系重合体と前記イソプレン系ゴムの含有量は、上記式(2)で表されるイソプレン系ゴムの含有量に対する変性液状ブタジエン系重合体の含有量の比率が3.0以下であることが好ましく、2.5以下が好ましく、2.0以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.0以下がさらに好ましい。この比率が低い方が、島相(IR相)の相対的な柔らかさを実現しやすいからである。なお、該比率の下限は特に限定されないが、本開示の効果がより好適に得られるという理由から、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。
前記シリカ、前記変性液状ブタジエン系重合体および前記イソプレン系ゴムの含有量は、上記式(3)で表される変性液状ブタジエン系重合体の含有量とイソプレン系ゴムの含有量との積に対するシリカの含有量の比率が0.40以下であることが好ましく、0.35以下がより好ましく、0.30以下がさらに好ましく、0.25以下がさらに好ましい。この比率が低い方が、島相(IR相)の相対的な柔らかさを実現しやすいからである。なお、該比率の下限は特に限定されないが、本開示の効果がより好適に得られるという理由から、0.05以上が好ましく、0.10以上がより好ましい。
前記ゴム成分は、ブタジエンゴムをさらに含むことが好ましい。ブタジエンゴムを含む方が、海相(SBR相)と島相(IR相)の硬度差を生じさせやすいからである。なお、この場合の海相(SBR相)は、SBRのみならず、BRをも含むものである。
前記ブタジエンゴムと前記イソプレン系ゴムの含有量は、上記式(4)で表されるイソプレン系ゴムの含有量に対するブタジエンゴムの含有量の比率が0.50以上であることが好ましく、0.80以上であることがより好ましく、1.00以上がさらに好ましく、1.20以上がさらに好ましく、1.40以上がさらに好ましく、1.50以上がさらに好ましい。この比が高い方が、海相(SBR相)と島相(IR相)の硬度差を生じさせやすいからである。なお、該比率の上限は特に限定されないが、本開示の効果がより好適に得られるという理由から、9.00以下が好ましく、6.00以下がより好ましく、4.00以下がさらに好ましく、3.00以下がさらに好ましい。
前記軟化剤は、芳香環含有樹脂をさらに含むことが好ましい。芳香環含有樹脂が海相(SBR相)に入り込むことで、低温時における海相(SBR相)と島相(IR相)の硬度差を生じさせやすいからである。
前記芳香環含有樹脂と前記イソプレン系ゴムの含有量は、上記式(5)で表されるイソプレン系ゴムの含有量に対する芳香環含有樹脂の含有量の比率が0.10以上であることが好ましく、0.20以上がより好ましく、0.30以上がさらに好ましい。芳香環含有樹脂の含有量が多い方が、島相(NR島相)の相対的な柔らかさを実現しやすいからである。なお、該比率の上限は特に限定されないが、本開示の効果がより好適に得られるという理由から、5.00以下が好ましく、2.00以下がより好ましく、0.80以下がさらに好ましい。
本開示の他の態様は、前記タイヤ用ゴム組成物からなるトレッドである。
本開示の他の態様は、前記トレッドを含んでなるタイヤである。
以下、本開示について、詳細に説明する。
<ゴム成分>
ゴム成分は、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびイソプレン系ゴムを含むものである。
(SBR)
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合SBR(E−SBR)、溶液重合SBR(S−SBR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。これらは1種または2種以上を用いることができる。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)、ZSエラストマー(株)等により製造・販売されているSBRを使用することができる。
また、SBRとしては、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよい。変性SBRとしては、通常この分野で使用される官能基が導入された変性SBRが挙げられる。上記官能基としては、例えば、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、アミノ基、アミド基、アルコキシシリル基、カルボキシル基、水酸基等の官能基が挙げられる。また、変性SBRとしては、水素添加されたもの、エポキシ化されたもの、スズ変性されたもの等を挙げることができる。
SBRとしては油展SBRを用いることもできるし、非油展SBRを用いることもできる。油展SBRを用いる場合、SBRの油展量、すなわち、SBRに含まれる油展オイルの含有量は、SBRのゴム固形分100質量部に対して、10〜50質量部であることが好ましい。
SBRのスチレン含量は、本開示の効果がより好適に得られるという理由から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。また、該スチレン含量は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、45質量%以下がさらに好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、SBRのスチレン含有量は、1H−NMR測定により算出される。
SBRのビニル結合量は、本開示の効果がより好適に得られるという理由から、10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましく、20モル%以上がさらに好ましい。また、該ビニル結合量は、80モル%以下が好ましく、75モル%以下がより好ましく、70モル%以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、ビニル結合量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定される。
SBRのガラス転移温度(Tg)は、本開示の効果がより好適に得られるという理由から、好ましくは−90℃以上、より好ましくは−50℃以上である。また、該Tgは、好ましくは0℃以下、より好ましくは−10℃以下である。なお、本明細書において、ガラス転移温度は、JIS K 7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製の示差走査熱量計(Q200)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定される値である。
SBRの重量平均分子量(Mw)は、本開示の効果がより好適に得られるという理由から、20万以上が好ましく、25万以上がより好ましく、30万以上がさらに好ましくい。また、該Mwは、200万以下が好ましく、180万以下がより好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製のGPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、本開示の効果の観点から、10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%超であり、さらに好ましくは20質量%以上であり、さらに好ましくは20質量%超であり、さらに好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%超である。一方、SBRの含有量は、本開示の効果の観点から、90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。なお、SBRとして油展SBRを用いる場合は、当該油展SBR中に含まれるゴム固形分としてのSBR自体の含有量をゴム成分中のSBRの含有量とする。
(イソプレン系ゴム)
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム等を、変性NRとしてはエポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等を、変性IRとしてはエポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等を挙げることができる。これらは、1種または2種以上を用いることができる。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、50質量%以下である。イソプレン系ゴムが50質量%超となると、IR相への充填剤等の移行を抑えたとしても、IR相を島相とすることが困難となり、本開示の効果を得ることが難しくなるからである。イソプレン系ゴムRの含有量は、50質量%未満が好ましく、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。一方、イソプレン系ゴムの含有量の下限は、本開示の効果が発揮される限り特に限定はないが、通常は、10質量%以上が好ましく、より好ましくは15質量%以上であり、さらに好ましくは20質量%以上である。
(BR)
ゴム成分は、ブタジエンゴム(BR)をさらに含むものであってもよい。BRとしては特に限定されるものではなく、例えば、シス1,4結合含有率(シス含量)が90%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。変性BRとしては、上記SBRで説明したのと同様の官能基等で変性されたBRが挙げられる。BRは1種または2種以上を用いることができる。
ハイシスBRとしては、例えば、日本ゼオン(株)製のもの、宇部興産(株)製のもの、JSR(株)製のもの等が挙げられる。ハイシスBRを含有することで低温特性および耐摩耗性能を向上させることができる。シス含量は、好ましくは、95%以上、より好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上である。シス含量は98%以上でも好ましい。なお、本明細書において、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析により算出される値である。
希土類系BRとしては、希土類元素系触媒を用いて合成され、ビニル結合量(1,2結合ブタジエン単位量)が好ましくは1.8モル%以下、より好ましくは1.0モル%以下、さらに好ましくは0.8%モル以下であり、シス含量(シス−1,4結合含有率)が好ましくは95モル%以上、より好ましくは96%モル以上、さらに好ましくは97%以上である。希土類系BRとしては、例えば、ランクセス(株)製のものなどを用いることができる。
SPB含有BRは、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶が、単にBR中に結晶を分散させたものではなく、BRと化学結合したうえで分散しているものが挙げられる。このようなSPB含有BRとしては、宇部興産(株)製のものなどを用いることができる。
変性BRとしては、リチウム開始剤により1,3−ブタジエンの重合を行ったのち、スズ化合物を添加することにより得られ、さらに変性BR分子の末端がスズ−炭素結合で結合されているもの(スズ変性BR)や、ブタジエンゴムの活性末端に縮合アルコキシシラン化合物を有するブタジエンゴム(シリカ用変性BR)等が挙げられる。このような変性BRとしては、例えば、ZSエラストマー(株)製のものなどを用いることができる。
ゴム成分がBRを含む場合のBRの含有量は、本開示の効果の観点から、50質量%未満であることが好ましく、45質量%未満であることがより好ましく、40質量%未満であることがさらに好ましい。一方、BRの含有量は0質量%超であれば差し支えないが、本開示の効果の観点から、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。
ゴム成分がSBRに加えてBRを含む場合、前記海相はSBRの他BRをも含んでなる相となる。この場合、ゴム成分中のSBRとBRの合計含有量は、本開示の効果の観点から、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは50質量%超であり、さらに好ましくは55質量%以上あり、さらに好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは65質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上である。一方、該含有量は、本開示の効果の観点から、90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは85質量%以下であり、さらに好ましくは80質量%以下である。
(他のゴム成分)
ゴム成分は、本開示の効果に影響を与えない範囲で、前記のSBR、BRおよびイソプレン系ゴム以外の他のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、ゴム工業で一般的に用いられる架橋可能なゴム成分を用いることができ、例えば、、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等が挙げられる。これら他のゴム成分は1種または2種以上を用いることができる。
<充填剤>
充填剤はシリカを含むものである。シリカは1種または2種以上を使用することができる。また、充填剤は、シリカ以外の充填剤を含んでいてもよい。そのような充填剤としては、ゴム工業で一般的に使用される充填剤をいずれも使用することができ、例えば、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、クレー、炭酸カルシウム、マイカ等を挙げることができる。シリカ以外の充填剤は1種または2種以上を用いることができる。シリカ以外の充填剤としては、カーボンブラックが好ましい。したがって、カーボンブラックとシリカは充填剤の好ましい組合せの一つである。
(シリカ)
シリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)等、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。なかでもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。シリカとしては、例えば、エボニックデグサ社、ソルベイ社、東ソー・シリカ(株)、(株)トクヤマ等によって製造販売されるものなどを用いることができる。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、低燃費性能および耐摩耗性能の観点から、140m2/g以上が好ましく、160m2/g以上がより好ましく、170m2/g以上がさらに好ましい。また、低燃費性能および加工性の観点からは、350m2/g以下が好ましく、300m2/g以下がより好ましく、250m2/g以下がさらに好ましい。なお、本明細書におけるシリカのN2SAは、ASTM D3037−93に準じてBET法で測定される値である。
シリカのゴム成分100質量部に対する含有量は、ウェットグリップ性能の観点から、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上がさらに好ましく、30質量部以上がさらに好ましく、40質量部以上がさらに好ましく、50質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、200質量部以下が好ましく、170質量部以下がより好ましく、150質量部以下がさらに好ましく、130質量部以下がさらに好ましく、110質量部以下がさらに好ましい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては、ゴム工業において一般的なものを適宜利用することができる、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等を挙げることができ、あるいは、N110、N115、N120、N125、N134、N135、N219、N220、N231、N234、N293、N299、N326、N330、N339、N343、N347、N351、N356、N358、N375、N539、N550、N582、N630、N642、N650、N660、N683、N754、N762、N765、N772、N774、N787、N907、N908、N990、N991等を挙げることができる。これらカーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱ケミカル(株)、ライオン(株)、日鉄カーボン(株)、コロンビアカーボン社等によって製造販売されるものなどを用いることができる。これらのカーボンブラックは、1種または2種以上を用いることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、50m2/g以上が好ましく、80m2/g以上がより好ましく、100m2/g以上がさらに好ましい。下限以上にすることで、良好な耐摩耗性、グリップ性能が得られる傾向がある。また、上記N2SAは、200m2/g以下が好ましく、160m2/g以下がより好ましく、150m2/g以下がさらに好ましい。上限以下にすることで、カーボンブラックの良好な分散が得られる傾向がある。なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、十分な補強性の観点から、50ml/100g以上が好ましく、100ml/100g以上がより好ましい。また、カーボンブラックのDBPは、ウェットグリップ性能の観点から、200ml/100g以下が好ましく、150ml/100g以下がより好ましい。なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K 6217−4:2001に準拠して測定される。
カーボンブラックの含有量は、良好な紫外線クラック性能、良好な耐摩耗性の観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上である。また、該含有量は、加工性や発熱性の観点から、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。
(充填剤の含有量)
充填剤の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、充分な補強性の観点から、好ましくは50質量部以上、より好ましくは70質量部以上である。一方、該含有量は、ウェットグリップ性能の観点から、好ましくは250質量部以下、より好ましくは180質量部以下、さらに好ましくは150質量部以下、さらに好ましくは120質量部以下である。
<シランカップリング剤>
ゴム組成物は、シランカップリング剤を使用することが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、ゴム工業において、従来から使用される任意のシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤の具体例としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド基を有するシランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト基を有するシランカップリング剤;3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリメトキシシラン等のチオエステル基を有するシランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル基を有するシランカップリング剤;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系のシランカップリング剤;3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系のシランカップリング剤;3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系のシランカップリング剤等が挙げられる。なかでも、スルフィド基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤、およびチオエステル基を有するシランカップリング剤が好ましく、スルフィド基を有するシランカップリング剤がより好ましい。これらのシランカップリング剤は、1種または2種以上を用いることができる。このようなシランカップリング剤としては、例えば、モメンティブ社、エボニックデグサ社によって製造販売されているものなどを使用することができる。
シランカップリング剤の含有量は、充分な耐チッピング性能の観点から、シリカ100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上である。また、シランカップリング剤の含有量は、含有量に見合った配合効果の観点から、シリカ100質量部に対し、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは12質量部以下である。
<軟化剤>
軟化剤は、珪素、窒素および酸素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む官能基によって変性された変性液状ブタジエン系重合体(本開示において、単に、「変性液状BR系重合体」ともいう)を含む。軟化剤は、さらに、オイル、芳香環含有樹脂等を含んでいてもよい。
(変性液状BR系重合体)
変性液状BR系重合体としては、特に限定されず、例えば、末端および/または主鎖が珪素、窒素および酸素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む官能基によって変性された変性液状ブタジエン重合体(変性液状BR)、変性液状スチレンブタジエン共重合体(変性液状SBR)等が挙げられ、いずれも好適に用いることができる。なかでも、スチレンブタジエンゴムを含む相(SBR相)により選択的に入ることにより、本開示の効果がより好適に得られるという理由から、変性液状BRおよび変性液状SBRが好ましく、変性液状BRがより好ましい。また、変性液状BR系重合体は、水素添加されていないもの、水素添加されているもののいずれであってもよい。なお、本開示において、液状とは、常温(25℃)で液体状態にあるという意味である。
上記官能基としては、特に限定されず、例えば、シリル基、R1(R2O)2シリル基、(R122Oシリル基、(R2O)3シリル基、アミノ基、アミド基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、カルボキシル基、エポキシ基、(メタ)アクリル基等が挙げられる。ここで、シリル基の置換基を構成するR1とR2は、それぞれ、独立に、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表す。炭素数1〜10のアルキル基としては、直鎖状、環状、分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。なかでも、本開示の効果の観点から、直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。
官能基としては、本開示の効果の観点から、R1(R2O)2シリル基、(R122Oシリル基、(R2O)3シリル基等の珪素および酸素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む官能基が好ましく、なかでも、トリアルコキシシリル基がより好ましい。さらに、トリアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられる。
変性液状BR系重合体は、市販品を用いても、合成により得られたものを用いてもよい。市販品としては、例えば、日本曹達(株)製のもの、CRAY VALLEY社製のもの、Noveon社製のものなどを用いることができる。合成方法としては特に限定されず、公知の方法で行うことができる。例えば、未変性の液状ブタジエン系重合体と珪素、窒素および酸素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む化合物とを、金属触媒の存在下で反応させ、官能基を導入するなどの方法が挙げられる。
変性液状BR系重合体の具体例としては、例えば、液状BR系重合体(好ましくは液状BR)の主鎖にトリエトキシシリル基を有する構造のもの、液状BR系重合体(好ましくは液状BR)の両末端に水酸基を有する構造のものなどが挙げられる。
変性液状BR系重合体の数平均分子量(Mn)は、50000未満が好ましく、25000以下がより好ましく、10000以下がさらに好ましく、7000以下がさらに好ましい。また、該数平均分子量(Mn)の下限は特に限定されないが、例えば、1000以上である。変性液状BR系重合体の数平均分子量を上記範囲内とすることにより、本開示の効果をより良好に発揮できる。なお、本明細書において、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、標準ポリスチレンより換算した値である。
変性液状BR系重合体は、1種または2種以上を用いることができる。
変性液状BR系重合体のゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上がさらに好ましい。また、該含有量は、80質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。変性液状BR系重合体の含有量を上記範囲内とすることにより、本開示の効果をより良好に発揮できる。
(オイル)
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いることができる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。なかでも、良好なスノー性能が得られるという点から、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイルが好ましい。
オイルの含有量は、スノー性能の観点から、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。該含有量は、操縦安定性の観点から、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましく、50質量部以下がさらに好ましく、40質量部以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、オイルの含有量には、油展ゴムに含まれるオイル量も含まれる。
(芳香環含有樹脂)
芳香環含有樹脂としては、この分野で使用される樹脂であって、芳香環を含有する樹脂であれば特に限定されない。そのような樹脂としては、例えば、C9系石油樹脂、C5C9系石油樹脂、フェノール系樹脂、クマロン系樹脂等が挙げられる。これらは1種または2種以上を用いることができる。
《C9系石油樹脂》
C9系石油樹脂としては、炭素数8〜10個相当の石油留分(C9留分)であるビニルトルエン、アルキルスチレン、インデンなどのモノマーをカチオン重合することにより得られる樹脂が挙げられる。C9系石油樹脂の具体例としては、スチレン系樹脂が挙げられる。スチレン系樹脂としては特に限定されないが、α−メチルスチレン系樹脂(AMS)が好適に用いられる。α−メチルスチレン系樹脂としては、α−メチルスチレンのホモポリマー(ポリ−α−メチルスチレン)、α−メチルスチレンと芳香族化合物やフェノール系化合物を含む他の化合物とのコポリマーが挙げられる。このコポリマーを構成し得る他の化合物としては、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。α−メチルスチレン系樹脂としては、アリゾナケミカル社製のものなどが好適に用いられる。これらは1種または2種以上を用いることができる。
《C5C9系石油樹脂》
C5C9系石油樹脂とは、C5留分とC9留分を共重合することにより得られる樹脂であり、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂ともいう。また、前記の石油樹脂を水素添加したものを使用してもよい。C5C9系石油樹脂としては、例えば、LUHUA社製のもの、Qilong社製のもの、東ソー(株)製のもの等の市販品を好適に用いることができる。これらは1種または2種以上を用いることができる。
《フェノール系樹脂》
フェノール系樹脂は、その構造にフェノール骨格を含む樹脂であり、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールアセチレン樹脂、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。これらは1種または2種以上を用いることができる。
《クマロン系樹脂》
クマロン系樹脂は、クマロンを主成分する樹脂であり、例えば、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂、クマロンとインデンとスチレンを主成分とする共重合樹脂等が挙げられる。これらは1種または2種以上を用いることができる。
《芳香環含有樹脂のMw》
芳香環含有樹脂の重量平均分子量(Mw)は、揮発しにくく、グリップ性能が良好である点から、300以上が好ましく、400以上がより好ましく、500以上がさらに好ましい。また、該Mwは、15000以下が好ましく、10000以下がより好ましく、8000以下がさらに好ましい。
《芳香環含有樹脂の軟化点》
芳香環含有樹脂の軟化点は、グリップ性能の観点から、160℃以下が好ましく、145℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。また、軟化点は、グリップ性能の観点から、20℃以上が好ましく、35℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。なお、本開示において、軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
《芳香環含有樹脂の含有量》
樹脂成分のゴム成分100質量部に対する含有量は、接着性能およびグリップ性能の観点から、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、5質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能およびグリップ性能の観点からは、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましく、20質量部以下が特に好ましい。
(その他の軟化剤)
ゴム組成物は、本開示の効果を損なわない範囲で、その他の軟化剤を含むことができる。そのような軟化剤としては、上記変性液状BR系重合体以外の液状ポリマーや、上記芳香環含有樹脂以外の樹脂成分が挙げられる。
《液状ポリマー》
上記変性液状BR系重合体以外の液状ポリマーとしては特に限定されないが、例えば、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)等の液状ジエン系重合体が挙げられる。これらは1種または2種以上を用いることができる。
《樹脂成分》
上記芳香環含有樹脂以外の樹脂成分としては、例えば、脂肪族系石油樹脂(例えば、C5系石油樹脂)、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂等が挙げられ、これらは1種または2種以上を用いることができる。
<その他の配合剤>
本開示に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で一般に使用される配合剤、例えば、ワックス、加工助剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等を適宜含有することができる。
(ワックス)
ワックスとしては、特に限定されず、ゴム工業において通常使用されるものをいずれも好適に用いることができ、例えば、石油系ワックス、鉱物系ワックス、合成ワックスなどが挙げられる。なかでも、石油系ワックスが好ましい。石油系ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。ワックスは、例えば、大内新興化学工業(株)製のもの、日本精鑞(株)製のもの、パラメルト社製のものなどを用いることができる。これらのワックスは、1種または2種以上を用いることができる。
ワックスを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐候性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、ブルームによるタイヤの白色化の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
(加工助剤)
加工助剤としては、例えば、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、アミドエステル、シリカ表面活性剤、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩とアミドエステルとの混合物、脂肪酸金属塩と脂肪酸アミドとの混合物等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を用いることができる。なかでも、脂肪酸金属塩、アミドエステル、脂肪酸金属塩とアミドエステル若しくは脂肪酸アミドとの混合物が好ましく、脂肪酸金属塩と脂肪酸アミドとの混合物がより好ましい。加工助剤は、例えば、Schill&Seilacher社製の脂肪酸石鹸系加工助剤を用いることができる。
加工助剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の改善効果を発揮させる観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、耐摩耗性および破壊強度の観点からは、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。
(老化防止剤)
老化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アミン系、キノリン系、キノン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩等の老化防止剤が挙げられ、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−4−メチル−2−ペンチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン、ヒンダードジアリール−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系老化防止剤、および2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン等のキノリン系老化防止剤が好ましい。これらの老化防止剤は、1種または2種以上を用いることができる。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐オゾンクラック性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、耐摩耗性能やウェットグリップ性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
(ステアリン酸)
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、加硫速度の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
(酸化亜鉛)
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
(加硫剤)
加硫剤としては硫黄が好適に用いられる。硫黄としては、粉末硫黄、油処理硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。
加硫剤として硫黄を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫反応を確保し、良好なグリップ性能および耐摩耗性能を得るという観点から、0.5質量部以上が好ましく、0.7質量部以上がより好ましい。また、劣化を抑制する観点からは、5.0質量部以下が好ましく、4.0質量部以下がより好ましく、3.0質量部以下がさらに好ましい。
硫黄以外の加硫剤としては、例えば、1,6−ヘキサメチレン−ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン等の硫黄原子を含む加硫剤や、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられる。硫黄以外の加硫剤としては、例えば、田岡化学工業(株)製のもの、フレキシス社製のもの、ランクセス社製のものなどを用いることができる。
(加硫促進剤)
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系若しくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、またはキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、1種または2種以上を用いることができる。なかでも、スルフェンアミド系、グアニジン系、およびチアゾール系が好ましく、スルフェンアミド系、グアニジン系を併用することがより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。なかでも、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)が好ましい。
グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩、1,3−ジ−o−クメニルグアニジン、1,3−ジ−o−ビフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−クメニル−2−プロピオニルグアニジン等が挙げられる。なかでも、1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)が好ましい。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド等が挙げられる。なかでも、2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましい。また、加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、8質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましく、6質量部以下がさらに好ましい。加硫促進剤の含有量を上記範囲内とすることにより、破壊強度および伸びが確保できる傾向がある。
<ゴム組成物>
ゴム組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、前記の各成分をオープンロール、密閉式混練機(バンバリーミキサー、ニーダー等)等のゴム混練装置を用いて混練りすることにより製造できる。
混練り工程は、例えば、加硫剤および加硫促進剤以外の配合剤および添加剤を混練りするベース練り工程と、ベース練り工程で得られた混練物に加硫剤および加硫促進剤を添加して混練りするファイナル練り(F練り)工程とを含んでなるものである。さらに、前記ベース練り工程は、所望により、複数の工程に分けることもできる。
本開示のゴム組成物においては、充填剤であるシリカや軟化剤である変性液状ポリブタジエン系重合体がスチレンブタジエンゴムを含む相(SBR相)に選択的に入ることで、イソプレン系ゴム相(IR相)は比較的柔らかい状態を維持したままで海島相の島相を形成していると考えられる。そして、この柔らかいIR相(島相)の存在により、ゴム組成物の路面への追従性が向上するためスノー性能が向上し、加えて、通常、破壊特性の高いIR相が島相となることにより、破壊の起点にもなりにくく、破壊特性も向上すると考えられる。
<タイヤ>
上記成分を配合したゴム組成物は、未加硫の段階で所定のタイヤ部材(例えば、トレッド、サイドウォール、ブレーカー等)の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤとすることができる。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得ることができる。
混練条件としては特に限定されるものではないが、例えば、ベース練り工程では、排出温度150〜170℃で3〜10分間混練りし、ファイナル練り工程では、70〜110℃で1〜5分間混練りする方法が挙げられる。加硫条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、150〜200℃で10〜30分間加硫する方法が挙げられる。
本開示のタイヤ用ゴム組成物は、各種タイヤ部材(例えば、トレッド、サイドウォール、カーカス被覆ゴム、クリンチ、チェーファー、ビード、ブレーカークッション、インナーライナーなど)に好適に使用することができ、その特性から、特にタイヤのトレッドとして好適に使用することができる。また、本開示のタイヤは、乗用車、バス、トラック、二輪車、冬用(スタッドレス)、ランフラット等のタイヤとして好適に使用することができ、その特性から、特に冬用(スタッドレス)のタイヤとして好適に使用することができる。さらに、本開示のタイヤは、空気入りタイヤとして、または、ソリッドタイヤとして好適に使用することができる。
以下、実施例に基づいて、本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらのみに限定されるものではない。
<評価>
以下に示す各種薬品を用いて表1〜表3に従って配合を変化させたゴム組成物からなるトレッドを、図1に示すような構造を有しかつ図2に示すようなトレッドパターン(スタッドレスタイヤ)を有する、タイヤサイズが195/65R15の試験用タイヤのトレッドに用いることを想定し、その破壊特性およびスノー性能を計算した。結果を表1〜表3の評価の欄に記載した。
試験用タイヤの製造方法、並びに、破壊特性およびスノー性能の評価方法は、下記に記載の方法を想定した。表1では比較例1を基準比較例とし、表2では比較例3を基準比較例とし、表3では比較例5を基準比較例とする。
(各種薬品)
天然ゴム(NR):TSR20(Tg:−73℃)
スチレンブタジエンゴム(SBR):NS616(スチレン含量:21質量%、ビニル結合量:66モル%、ZSエラストマー(株)から入手可能)
ブタジエンゴム(BR):BR150B(Tg:−114℃、シス含量:97モル%、宇部興産(株)から入手可能)
カーボンブラック:ダイアブラックI(N220、N2SA:114m2/g、三菱ケミカル(株)から入手可能)
シリカ:ULTRASIL VN3(N2SA:175m2/g、エボニックデグサ社から入手可能)
シランカップリング剤:Si266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、エボニックデグサ社から入手可能)
ワックス:Ozoace0355(日本精鑞(株)から入手可能)
老化防止剤:アンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、住友化学(株)から入手可能)
変性液状ブタジエン系重合体(変性液状BR系重合体):下記製造例で合成される変性液状ブタジエン重合体(変性液状BR)
オイル:プロセスオイルP−200(JXTGエネルギー(株)から入手可能)
芳香環含有樹脂:SYLVATRAXX4401(α−メチルスチレン系樹脂、軟化点:85℃、SP値:9.1、アリゾナケミカル社から入手可能)
ステアリン酸:ステアリン酸「つばき」(日油(株)から入手可能)
酸化亜鉛:亜鉛華1号(三井金属鉱業(株)から入手可能)
硫黄:粉末硫黄(鶴見化学工業(株)から入手可能)
加硫促進剤1:ノクセラーD(1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)、大内新興化学工業(株)から入手可能)
加硫促進剤2:ノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、大内新興化学工業(株)から入手可能)
(変性液状ブタジエン系重合体の製造)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、液状ブタジエン(Ricon130、CRAY VALLEY社製、数平均分子量:2500)100g、トルエン200g、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として0.52×10-4モル)、および酢酸0.31g(0.52×10-2モル)を納めた。この中に、トリエトキシシラン85g(0.52モル)を内温75〜85℃で2時間かけて滴下した後、80℃で1時間撹拌した。撹拌終了後、減圧濃縮および濾過し、変性液状BR(粘度:2000mPa・s、数平均分子量:4600)を得た。
(試験用タイヤの製造方法)
表1〜表3に示す配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を、排出温度150℃で5分間混練りする。次に、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールで4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得る。得られる未加硫ゴム組成物を、トレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃で12分間プレス加硫して試験用タイヤを得る。
(破壊特性)
前記試験用タイヤから取り出す加硫ゴム組成物について、JIS K 6251の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に従って、引張強度と破断伸びを測定する。さらに、引張強度×破断伸び/2により破壊エネルギーを算出する。基準比較例の破壊エネルギー指数を100とし、指数化する。指数が大きいほど、破壊特性に優れている。
(破壊特性指数)=
(各配合の破壊エネルギー)/(基準比較例の破壊エネルギー)×100
(スノー性能)
前記試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して、圧雪路を走行したときの制動力を、テスト車両に搭載した試験機により計測する。基準比較例の制動力を100とし、指数化する。数値が大きいほど、制動力が高く、スノー性能に優れていることを示す。
(スノー性能指数)=(各配合の制動力)/(基準比較例の制動力)×100
Figure 2021116381
Figure 2021116381
Figure 2021116381
上記結果より、本開示のタイヤ用ゴム組成物では、破壊特性とスノー性能が向上することがわかる。
10 スタッドレスタイヤ
11 トレッド部
12 サイドウォール部
13 ビード部
14 ビードコア
15 カーカス
16 スチールベルト
17 トレッドパターン
18 縦溝
19 横溝
20 ブロック
21 サイピング
30 リム
Figure 2021116381
Figure 2021116381

Claims (11)

  1. タイヤ用ゴム組成物であって、
    前記タイヤ用ゴム組成物が、ゴム成分、充填剤および軟化剤を含み、
    前記ゴム成分が、スチレンブタジエンゴムおよびイソプレン系ゴムを含み、
    前記充填剤が、シリカを含み、
    前記軟化剤が、珪素、窒素および酸素からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む官能基によって変性された変性液状ブタジエン系重合体を含み、
    前記ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量が、50質量%以下である、タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記充填剤中のシリカの含有量が、80質量%以上である、請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記シリカの含有量と前記イソプレン系ゴムの含有量が、以下の式(1)を満たす、請求項1または2記載のタイヤ用ゴム組成物。
    (シリカの含有量)/(イソプレン系ゴムの含有量)≦8 (1)
  4. 前記変性液状ブタジエン系重合体の含有量と前記イソプレン系ゴムの含有量が、以下の式(2)を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
    (変性液状ブタジエン系重合体の含有量)/(イソプレン系ゴムの含有量)≦3 (2)
  5. 前記シリカの含有量、前記変性液状ブタジエン系重合体の含有量および前記イソプレン系ゴムの含有量が、以下の式(3)を満たす、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
    (シリカの含有量)/{(変性液状ブタジエン系重合体の含有量)×(イソプレン系ゴムの含有量)}≦0.4 (3)
  6. 前記ゴム成分が、ブタジエンゴムをさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記ブタジエンゴムの含有量と前記イソプレン系ゴムの含有量が、以下の式(4)を満たす、請求項6記載のタイヤ用ゴム組成物。
    (ブタジエンゴムの含有量)/(イソプレン系ゴムの含有量)≧0.5 (4)
  8. 前記軟化剤が、芳香環含有樹脂をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 前記芳香環含有樹脂の含有量と前記イソプレン系ゴムの含有量が、以下の式(5)を満たす、請求項8記載のタイヤ用ゴム組成物。
    (芳香環含有樹脂の含有量)/(イソプレン系ゴムの含有量)≧0.1 (5)
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物からなるトレッド。
  11. 請求項10記載のトレッドを含んでなるタイヤ。
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