JP2024014499A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】高速旋回性能および低燃費性能の総合性能を向上したタイヤを提供すること。【解決手段】トレッド部およびベルト層を有するタイヤであって、トレッド部を構成するゴム組成物が、ゴム成分および熱可塑性エラストマーを含有し、ゴム成分は、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元共重合体を含み、熱可塑性エラストマーは、アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーを含み、正規状態において、正規荷重を負荷してトレッドを平面に押し付けたときのタイヤの断面幅をWt(mm)、タイヤのベルト層幅をB(mm)として、Y=(B-16)/Wtと定義するとき、Yが0.75以下であり、Yに対するゴム成分100質量部に対する熱可塑性エラストマーの合計含有量X(質量部)の比(X/Y)が3.0以上である、タイヤ。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤに関する。
近年、自動車の低燃費化に対する要求が高まっている。自動車の低燃費化に対応するため、タイヤに対しても、転がり抵抗の低減による低燃費性能が求められている。また、低燃費性能とタイヤの諸性能の総合性能を向上させることも要求されている。
そこで、例えば特許文献1には、トレッド用ゴム組成物にゴム成分として天然ゴムを使用し、樹脂や軟化剤を従来よりも多めに配合することで、転がり抵抗の上昇を抑制しつつ、タイヤの制動性能を改善したことが記載されている。
国際公開第2015/079703号公報
昨今は高速道の整備も進み、車両性能も向上していることから、高速で長距離を移動することも珍しくない状況にある。そのような中で、上記のようなゴム組成物およびタイヤにおいては、高速走行時の旋回性能は考慮されていない。
本発明は、高速旋回性能および低燃費性能の総合性能を向上したタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、トレッド部およびベルト層を有するタイヤであって、
前記トレッド部を構成するゴム組成物が、ゴム成分および熱可塑性エラストマーを含有し、
前記ゴム成分は、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元共重合体を含み、
前記熱可塑性エラストマーは、アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーを含み、
正規状態において、正規荷重を負荷してトレッドを平面に押し付けたときのタイヤの断面幅をWt(mm)、タイヤのベルト層幅をB(mm)として、
Y=(B-16)/Wt
と定義するとき、Yが0.75以下であり、
Yに対する前記ゴム成分100質量部に対する前記熱可塑性エラストマーの合計含有量X(質量部)の比(X/Y)が3.0以上である、タイヤ、に関する。
本発明によれば、高速旋回性能および低燃費性能の総合性能を向上したタイヤが提供される。
本発明の一実施態様に係るタイヤの概略部分断面図である。 トレッド面のトレッドパターンの展開図である。
本発明に係るタイヤは、トレッド部およびベルト層を有するタイヤであって、前記トレッド部を構成するゴム組成物が、ゴム成分および熱可塑性エラストマーを含有し、前記ゴム成分は、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元共重合体を含み、前記熱可塑性エラストマーは、アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーを含み、正規状態において、正規荷重を負荷してトレッドを平面に押し付けたときのタイヤの断面幅をWt(mm)、タイヤのベルト層幅をB(mm)として、Y=(B-16)/Wtと定義するとき、Yが0.75以下であり、Yに対する前記ゴム成分100質量部に対する前記熱可塑性エラストマーの合計含有量X(質量部)の比(X/Y)が3.0以上である、タイヤである。理論に拘束されることは意図しないが、本発明の効果が発揮されるメカニズムとしては、例えば以下のように考えられる。
トレッド部を構成するゴム組成物が、(1)ゴム成分として芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元共重合体を含有することで、多元共重合体中の芳香環の間にπ-πスタッキング等の相互作用が生じ、補強性が向上する。また、(2)アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーを含有することで、アルキレン単位がスチレンブロック同士の接触を防ぎ、発熱を抑制するため、フィラーの含有量を少なくすることができ、転がり抵抗を低減することができる。さらに、(3)タイヤの断面幅Wt(mm)およびタイヤのベルト層幅B(mm)が関係式(B-16)/Wt≦0.75を満たすことで、トレッドショルダー部の接地圧が過度に上昇することを抑制できるため、高速旋回時にトレッド部の接地圧を均一化させ、接地面全体で生じる力を大きくすることができトレッド部の路面追随性が向上し、トレッド部で生じた力がタイヤ内部に伝わりやすくなる。さらに、(4)(B-16)/Wtに対する熱可塑性エラストマーの合計含有量の比を所定の値とすることにより、高速走行時にトレッド部の接地圧が上昇し、芳香族ビニル単位の一部が結晶化することで、旋回時に反力を得やすくなる。そして上記(1)~(4)が協働することにより、タイヤの高速旋回性能および低燃費性能の総合性能が向上するという特筆すべき効果が達成されると考えられる。
前記アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーのガラス転移温度は、-30℃以下であることが好ましい。
アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーのガラス転移温度が-30℃以下であることで、ゴム組成物の発熱性を下げ、転がり抵抗を低減し、低燃費性能を向上させることができると考えられる。
前記アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーのスチレン含量は20質量%以上であることが好ましい。
熱可塑性エラストマーのスチレン含量を上記の範囲とすることで、ゴム組成物の補強性が向上し、フィラーの含有量を少なくすることができるため、転がり抵抗を低減し、低燃費性能を向上させることができると考えられる。
前記ゴム組成物が、さらにBET法で測定されたN2SAが170m2/g超240m2/g未満のシリカを含有することが好ましい。
2SAが170m2/g超240m2/g未満のシリカを含有することで、ゴム組成物の補強性を向上させ、かつ過度な発熱を抑制できるため、高速旋回性能および低燃費性能を両立できると考えられる。
前記ゴム組成物が、さらにCTABが160m2/g超210m2/g未満のシリカを含有することが好ましい。
CTABが160m2/g超210m2/g未満のシリカを含有することで、ゴム組成物の補強性を向上させ、かつ過度な発熱を抑制できるため、高速旋回性能および低燃費性能を両立できると考えられる。
前記ゴム組成物の0℃におけるtanδ(0℃tanδ)に対する70℃におけるtanδ(70℃tanδ)の比70℃tanδ/0℃tanδが0.05以上0.80以下であることが好ましい。
70℃tanδ/0℃tanδを上記の範囲とすることにより、高速旋回性能および低燃費性能がさらに向上すると考えられる。
前記ゴム組成物は、さらに樹脂成分を含有することが好ましい。樹脂成分を含有することで、転がり抵抗の上昇を抑制しつつ、高速旋回性能を向上させることができると考えられる。
前記ゴム成分は、さらにブタジエンゴムを含有することが好ましい。
ブタジエンゴムを含有することで、前記ゴム組成物のTgが低くなりすぎず、高速旋回時にも一定の発熱性を得ることができ、高速旋回性能と転がり抵抗の低減を高度に両立できると考えられる。
前記トレッド部はベルト層のタイヤ半径方向外側に隣接するベースゴム層を備え、前記ベースゴム層は、イソプレン系ゴムおよびブタジエンゴムのうち少なくとも一種を含むゴム成分を含有するゴム組成物により構成されていることが好ましい。トレッド部を二層以上のゴム組成物とすることで、高速旋回性能および低燃費性能がさらに向上すると考えられる。
タイヤ外径をDt(mm)としたとき、WtおよびDtが、下記式(1)を満たすことが好ましい。
(π/4)×(Dt2/Wt)≧1500・・・(1)
上記式(1)の値を前記の範囲とし、タイヤの横方向面積に対するトレッド部の幅を小さくすることで、トレッド部由来の発熱を低下させることができる。これにより、タイヤにおいて、もっとも発熱に寄与の高いトレッド部の発熱による温度上昇を抑えることができ、タイヤの温度、サイド部の温度が高くなりすぎることを防ぎ、転がり抵抗を低減できると考えられる。
前記トレッド部が、タイヤ周方向に連続して延びる1以上の周方向溝によって仕切られた陸部を有し、少なくとも1つの前記陸部が、トレッド面への開口面積が0.1~15mm2の小穴を1個以上有することが好ましい。
前記トレッド部が、前記小穴を1個以上有することで、タイヤが湿潤路面に接地した際、トレッド面と路面との間の水を除去することができ、路面への追随性が得やすくなり、特に高速走行時の旋回性能が向上すると考えられる。
<定義>
「熱可塑性エラストマー(TPE)」とは、弾性を有する高分子化合物であって、結晶性で融点の高いハードセグメントを構成するポリマーと、非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性樹脂材料を意味する。熱可塑性エラストマーは結晶性で融点の高いハードセグメントが、擬似的な架橋点として振る舞い弾性を発現する。熱可塑性エラストマー(TPE)は、加熱してハードセグメントを一旦溶融させた後これを冷却すれば、擬似的な架橋点を再生することができるので、再利用が可能である。一方、ゴムは分子鎖中に二重結合などを有しており、硫黄等を加えて架橋(加硫)することで三次元の網目構造を生成し弾性を発現する。そのため、ゴムは、一旦架橋(加硫)するとこの三次元網目構造により流動性を失うので、加熱しても再利用が困難である。本発明の熱可塑性エラストマー(TPE)は、前記のゴム成分に含まれないものとする。
「芳香族ビニル単位」とは、芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位である。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、JATMAであれば「標準リム」、TRAであれば「Design Rim」、ETRTOであれば「Measuring Rim」であり、JATMA、ETRTO、TRAの順に参照し、参照時に適用サイズがあればその規格に従う。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合は、そのタイヤにリム組み可能であり、リム/タイヤの間でエア漏れを発生させない最小径のリムのうち、最も幅の狭いものを指すものとする。
「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば「最高空気圧」、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば「INFLATION PRESSURE」である。規格に定められていないタイヤの場合、正規内圧は250kPaとする。
「正規状態」とは、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合は、そのタイヤが前記の最小リムにリム組みされかつ250kPaが充填され、しかも、無負荷の状態をいうものとする。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法(タイヤ断面幅Wt等)は、前記正規状態で測定される。
「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、およびETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
「タイヤの断面幅Wt」とは、正規状態におけるタイヤ断面の最大幅を指す。ただし、タイヤ側面に模様または文字などがある場合にはそれらを除いた、サイドウォール外面間の最大幅である。また、簡易的には、タイヤをタイヤ回転軸を含む面で切断した断面において、ビード部間を正規リム幅に合わせた状態でサイドウォールの文字等を除いた幅方向の最大直線距離を求めることで、測定することができる。
「タイヤのベルト層幅B」とは、正規状態におけるタイヤのベルト層の幅方向の最大長さである。簡易的には上述のタイヤ断面幅Wtと同様に、タイヤをタイヤ回転軸を含む面で切断した断面において、ビード部間を正規リム幅に合わせた状態で、ベルト層の端点間の幅方向直線距離を求めることで測定することができる。なお、ベルト層が複数枚のベルト層で構成される場合、これらのうち最も距離の長いものを「タイヤのベルト総幅B」とする。
「タイヤの外径Dt」とは、正規状態における、タイヤの直径である。
「小穴」とは、トレッド面上に存在する小さな穴であり、トレッド内部から延在しトレッド面へ開口している。小穴はそれぞれ独立に存在し、周方向溝、横溝などとは連通していない。
<測定方法>
「熱可塑性エラストマーのガラス転移温度(Tg)」は、JIS K 7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製の示差走査熱量計(Q200)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定される値である。「ゴム成分のガラス転移温度(Tg)」も同様に測定される値である。
「芳香族ビニル単位量」は、1H-NMR測定により算出される。例えば、共役ジエン系重合体中の芳香族ビニル化合物の含有量に適用される。「スチレン含量」は、1H-NMR測定により算出される。例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーや、スチレン含有ゴムに適用される。
「ビニル結合量(1,2-結合ブタジエン単位量)」は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定される。例えば、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム等に適用される。
「シス含量(シス-1,4-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017に従い、赤外吸収スペクトル分析により算出される値であり、例えば、ブタジエンゴム等のブタジエンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。
「重量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(例えば、東ソー(株)製のGPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTIPORE HZ-M)による測定値を基に、標準ポリスチレン換算により求めることができる。例えば、ゴム成分、熱可塑性エラストマー、樹脂成分、等に適用される。
「カーボンブラックの平均一次粒子径」は、透過型または走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたカーボンブラックの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。「カーボンブラックのN2SA」は、JIS K 6217-2:2017に準じて測定される。
「シリカの平均一次粒子径」は、透過型または走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたシリカの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。「シリカのCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)比表面積」は、ASTM D3765-92に準じて測定される。「シリカのN2SA」は、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される。
「70℃におけるtanδ(70℃tanδ)」は、動的粘弾性測定装置(例えば、GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用い、温度70℃、周波数10Hz、動的歪振幅1%の条件下で測定される損失正接である。損失正接測定用サンプルは、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmの加硫ゴム組成物である。タイヤから切り出して作製する場合には、タイヤのトレッド部から、タイヤ周方向が長辺、タイヤ半径方向が厚さ方向となるように切り出す。
「0℃におけるtanδ(0℃tanδ)」は、動的粘弾性測定装置(例えば、GABO社製のイプレクサーシリーズ)を用い、温度0℃、初期歪10%、動歪2.5%、周波数10Hzの条件下で測定される損失正接である。本測定用サンプルは、70℃tanδの場合と同様にして作製される。
「樹脂成分の軟化点」は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
≪タイヤ≫
本発明の一実施形態であるタイヤについて、図面も参照して以下に詳細に説明する。ただし、以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明の技術的範囲をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。なお、本明細書において、「~」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
<タイヤの寸法>
図1は、本発明に係るタイヤの一部が示された断面図である。上下方向がタイヤの半径方向であり、左右方向がタイヤ幅方向であり、紙面に垂直な方向がタイヤ周方向である。
本発明のタイヤの断面幅Wtは、125mm以上が好ましく、150mm以上がより好ましく、175mm以上がさらに好ましい。また、タイヤの断面幅Wtは、305mm未満が好ましく、245mm未満がより好ましく、210mm未満がさらに好ましい。
ベルト層幅Bは、120mm以上が好ましく、130mm以上がより好ましく、140mm以上がさらに好ましく、150mm以上が特に好ましい。また、ベルト層幅Bは、205mm未満が好ましく、200mm未満がより好ましく、190mm未満がさらに好ましく、180mm未満がさらに好ましく、170mm未満が特に好ましい。
本発明のタイヤは、正規状態において、正規荷重を負荷してトレッドを平面に押し付けたときのタイヤの断面幅をWt(mm)、タイヤのベルト層幅をB(mm)として、Y=(B-16)/Wtと定義するとき、Yが0.75以下であることを特徴とする。
Yの値は、本発明の効果の観点から、0.74以下が好ましく、0.73以下がより好ましく、0.72以下がさらに好ましい。Yの下限値は特に制限されないが、0.50以上が好ましく、0.60以上がより好ましく、0.65以上がさらに好ましい。
本発明において、Yに対するトレッド部を構成するゴム組成物が含有するゴム成分100質量部に対する熱可塑性エラストマーの合計含有量X(質量部)の比(X/Y)は、3.0以上であり、5.0以上が好ましく、8.0以上がより好ましく、10.0以上がさらに好ましく、12.0以上がさらに好ましく、14.0以上がさらに好ましく、18.0以上がさらに好ましく、20.0以上がさらに好ましく、25.0以上がさらに好ましく、28.0以上がさらに好ましく、30.0以上がさらに好ましく、35.0以上がさらに好ましい。また、X/Yの上限値は、100以下が好ましく、94以下がより好ましく、67以下がさらに好ましい。ゴム成分100質量部に対する熱可塑性エラストマーの合計含有量X(質量部)については後述する。
タイヤの外径Dtは、585mm以上が好ましく、600mm以上がより好ましく、625mm以上がさらに好ましい。また、タイヤの外径Dtは、843mm未満が好ましく、725mm未満がより好ましく、685mm未満がさらに好ましい。
本発明のタイヤは、タイヤ断面幅をWt(mm)、タイヤ外径をDt(mm)としたとき、WtおよびDtが、下記式(1)を満たすことが好ましい。
(π/4)×(Dt2/Wt)≧1500 ・・・(1)
ここで、Dtが大きくなると式(1)の値は大きくなり、逆に小さくなれば同値は小さくなる一方、Wtが大きくなると式(1)の値は小さくなり、逆に小さくなれば同値は大きくなる関係にあるから、この点に着目して、DtとWtを調節することで、DtとWtが式(1)を満たすように調節することができる。
式(1)の値は、1500以上が好ましく、1520以上がより好ましく、1525以上がさらに好ましい。また、式(1)の上限値は、特に制限されないが、2800以下が好ましく、2700以下がより好ましく、2600以下がさらに好ましい。
式(1)を満たすタイヤサイズとしては、具体的には、125/65R19、145/60R18、145/60R19、155/55R18、155/55R19、155/70R17、155/70R19、165/55R20、165/55R21、165/60R19、165/65R19、165/70R18、175/55R19、175/55R20、175/55R22、175/60R18、185/55R19、185/60R20、195/50R20、195/55R20、205/55R16、195/65R15、205/55R16等が挙げられる。
<トレッドの構造>
図1に図示されるタイヤのトレッド部は、ベルト層3のタイヤ半径方向外側に隣接するベースゴム層6を備えている。本発明のタイヤは、ベルト層3のタイヤ半径方向外側に隣接するベースゴム層6を備えていることが好ましい。本発明の目的が達成される限り、キャップゴム層4は2以上の層を有していてもよく、キャップゴム層4とベースゴム層6との間に、さらに1または2以上のゴム層を有していてもよい。
<トレッドパターン>
図2は、トレッド面のトレッドパターンの展開図である。図2において、タイヤを構成するトレッド面10は、図2に示すように、タイヤ周方向Cに連続して延びる(図2の例では、タイヤ周方向に沿って直線状に延びる)周方向溝1と、幅方向に延びる横溝21およびサイプ22、23とを有している。本発明のタイヤは、周方向溝を有することが好ましい。
図2においては、周方向溝1は3本設けられているが、周方向溝の数は特に限定されず、例えば2本~5本であってもよい。また、周方向溝1は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、周方向に沿って波状や正弦波状やジクザク状に延びていてもよい。
図2において、トレッド面10は、タイヤ幅方向Wで、複数の周方向溝1によって仕切られた陸部2を有している。トレッド面10には、横溝(幅方向溝)および/またはサイプが設けられていることが好ましい。図2においては、陸部2には、末端が周方向溝1に開口している複数のショルダー横溝21と、片端が周方向溝1に開口している複数のショルダーサイプ22、片端が周方向溝1に開口している複数のセンターサイプ23が設けられている。
陸部2は、小穴を1個以上有することが好ましい。図2では、小穴24が、陸部の隣り合うセンターサイプ23で仕切られる部分に2個ずつ存在している。小穴のトレッド面への開口面積は、0.1~15mm2が好ましく、0.5~10mm2がより好ましく、1.0~7.0mm2がさらに好ましく、1.5~5.0mm2が特に好ましい。前記開口面積の小穴を設けることにより、タイヤが湿潤路面に接地した際、トレッド面と路面との間の水を除去することができ、路面への追随性が得やすくなり、特に高速走行時の旋回性能が向上する。また、他性能に悪影響を与えず、トレッド部の表面積を大きくすることが可能となるため、トレッド部での放熱性が良化し、タイヤおよびサイド部での温度上昇を抑制することが可能となると考えられる。
なお、本明細書において、周方向溝、幅方向溝を含め「溝」は、少なくとも2.0mmよりも大きい幅の凹みをいう。一方、本明細書において、「サイプ」は、幅が2.0mm以下、好ましくは0.5~1.5mmの細い切り込みをいう。
[ゴム組成物の物性]
本発明のタイヤのトレッド部を構成するゴム組成物(以下、本発明に係るゴム組成物という)の0℃tanδは、本発明の効果の観点から、0.25超が好ましく、0.28超がより好ましく、0.30超がさらに好ましく、0.32超が特に好ましい。また、本発明のゴム組成物の0℃tanδは、走行時の発熱を小さくし、低燃費性能を向上させる観点から、1.50未満が好ましく、1.40未満がより好ましく、1.30未満がさらに好ましく、1.20未満がさらに好ましく、1.10未満が特に好ましい。なお、ゴム組成物の0℃tanδは、ゴム成分、可塑剤等の種類や配合量により適宜調整することができる。
本発明に係るゴム組成物の70℃tanδは、本発明の効果の観点から、0.08超が好ましく、0.10超がより好ましく、0.11超がさらに好ましく、0.12超が特に好ましい。また、本発明のゴム組成物の70℃tanδは、走行時の発熱を小さくし、低燃費性能を向上させる観点から、0.45未満が好ましく、0.42未満がより好ましく、0.39未満がさらに好ましく、0.36未満がさらに好ましく、0.33未満が特に好ましい。
0℃tanδおよび70℃tanδの値は、タイヤ工業における常法により、調節することができる。例えば、フィラーの含有量を少なくすることにより、70℃tanδの値を小さくすることができ、反対に、多くすることにより、70℃tanδの値を大きくすることができる。したがって、当業者は、目標とする70℃tanδに応じて、70℃tanδの値を適宜調節することができる。
本発明に係るゴム組成物において、0℃tanδに対する70℃tanδの比(70℃tanδ/0℃tanδ)は、1.80以下が好ましく、1.50以下がより好ましく。1.00以下がさらに好ましく、0.80以下がさらに好ましく、0.75以下がさらに好ましく、0.70以上が特に好ましい。また、70℃tanδ/0℃tanδの下限値は、本発明の効果の観点から、0.05以上が好ましく、0.07以上がより好ましく、0.10以上がさらに好ましい。
[ゴム組成物の配合]
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分および熱可塑性エラストマーを含有する。前記ゴム成分としては、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元重合体を含み、前記熱可塑性エラストマーとしては、アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーを含む。
<ゴム成分>
本発明に係るゴム組成物の製造に使用されるゴム成分としては、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元重合体、ブタジエンゴム(BR)およびイソプレン系ゴムが好適に用いられる。また、本発明に係るゴム組成物がベースゴム層を備える場合には、前記ベースゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分は、イソプレン系ゴムおよびBRのうち少なくとも一種を含むことが好ましい。
芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元重合体としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン-イソプレン-ブタジエンゴム(SIBR)、スチレンイソプレンゴム(SIR)等が挙げられ、SBRが好適に用いられる。SBRとしては特に限定はなく、溶液重合SBR(S-SBR)、乳化重合SBR(E-SBR)、これらの変性SBR(変性S-SBR、変性E-SBR)等が挙げられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)等が挙げられる。なかでもS-SBRおよび変性SBRが好ましい。さらに、これらSBRの水素添加物(水素添加SBR)等も使用することができる。これらのSBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRとしては伸展SBRを用いることもできるし、非伸展SBRを用いることもできる。伸展SBRを用いる場合、SBRの伸展量、すなわち、SBRに含まれる伸展可塑剤の含有量は、SBRのゴム固形分100質量部に対して、10~50質量部であることが好ましい。
本発明で使用できるS-SBRとしては、JSR(株)、住友化学(株)、宇部興産(株)、旭化成(株)、ZSエラストマー(株)等より市販されているものを使用することができる。
変性SBRとしては、主鎖および/または末端が変性剤により変性されたものであってもよいし、例えば、四塩化スズ、四塩化ケイ素等の多官能型の変性剤により変性されて一部に分岐構造を有するものであってもよいが、主鎖および/または末端がシリカと相互作用する官能基を有する変性剤で変性されたSBR(シリカ用変性BR)が好ましい。特に第一層および/または第二層に変性SBRを含有することが好ましい。
上記シリカと相互作用する官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、炭化水素基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、シリカの分散性を向上させる観点から、アミノ基、エポキシ基、水酸基、アルコキシ基、およびアルコキシシリル基が好ましく、アミノ基およびアルコキシシリル基がより好ましい。
芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元重合体の芳香族ビニル単位量は、高速旋回性能の観点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。また、グリップ性能の温度依存性および耐ブロー性能の観点からは、60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、スチレン含有量は、前記測定方法により求められる。
芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元重合体のビニル含量は、シリカとの反応性の担保、ウェットグリップ性能、ゴム強度、および耐摩耗性能の観点から、10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましく、20モル%以上がさらに好ましい。また、SBRのビニル含量は、温度依存性の増大防止、破断伸び、および耐摩耗性能の観点から、70モル%以下が好ましく、65モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましい。なお、ビニル含量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、前記測定方法により求められる。
芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元重合体の重量平均分子量(Mw)は、ウェットグリップ性能の観点から、20万以上が好ましく、25万以上がより好ましく、30万以上がさらに好ましい。また、架橋均一性の観点から、重量平均分子量は200万以下が好ましく、180万以下がより好ましく、150万以下がさらに好ましい。なお、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元重合体の重量平均分子量は、前記測定方法により求められる。
本発明に係るゴム組成物のゴム成分中の芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元重合体の含有量は、低燃費性能の観点から、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、65質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、75質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましい。また、ゴム成分中の芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元重合体の含有量の上限値は特に制限されず、例えば、90質量%以下、95質量%以下とすることができ、100質量%、すなわち芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元重合体のみからなるゴム成分とすることもできる。
(BR)
BRとしては特に限定されるものではなく、例えば、シス含量が50モル%未満のBR(ローシスBR)、シス含量が90モル%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。これらのBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ハイシスBRとしては、例えば、日本ゼオン(株)、宇部興産(株)、JSR(株)等より市販されているものを使用することができる。ハイシスBRを含有することで低温特性および耐摩耗性能を向上させることができる。シス含量は、好ましくは95モル%以上、より好ましくは96モル%以上、さらに好ましくは97モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。なお、本明細書において、シス含量(シス-1,4-結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析により算出される値である。
希土類系BRとしては、希土類元素系触媒を用いて合成され、ビニル含量が、好ましくは1.8モル%以下、より好ましくは1.0モル%以下、さらに好ましくは0.8%モル以下であり、シス含量が、好ましくは95モル%以上、より好ましくは96モル%以上、さらに好ましくは97モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。希土類系BRとしては、例えば、ランクセス(株)等より市販されているものを使用することができる。
SPB含有BRは、1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶が、単にBR中に結晶を分散させたものではなく、BRと化学結合したうえで分散しているものが挙げられる。このようなSPB含有BRとしては、宇部興産(株)等より市販されているものを使用することができる。
変性BRとしては、リチウム開始剤により1,3-ブタジエンの重合を行ったのち、スズ化合物を添加することにより得られ、さらに変性BR分子の末端がスズ-炭素結合で結合されているもの(スズ変性BR)や、ブタジエンゴムの主鎖および/または末端が上記のシリカと相互作用する官能基を有する変性剤で変性されたブタジエンゴム(シリカ用変性BR)等が挙げられる。また、変性BRは、水素添加されていないもの、水素添加されているもののいずれであってもよい。
BRの重量平均分子量(Mw)は、耐摩耗性能の観点から、30万以上が好ましく、35万以上がより好ましく、40万以上がさらに好ましい。また、架橋均一性の観点からは、200万以下が好ましく、100万以下がより好ましい。なお、BRの重量平均分子量は、前記測定方法により測定される。
ゴム成分としてBRを含有する場合のゴム成分中の含有量は、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元重合体の配合量を上げる観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、25質量%以下が特に好ましい。また、BRを含有する場合の含有量の下限値は特に制限されないが、例えば、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上とすることができる。
(イソプレン系ゴム)
イソプレン系ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)および天然ゴム等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。天然ゴムには、非改質天然ゴム(NR)の他に、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素化天然ゴム(HNR)、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴム等も含まれる。これらのイソプレン系ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
NRとしては、特に限定されず、タイヤ業界において一般的なものを用いることができ、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20等が挙げられる。
ゴム成分としてイソプレン系ゴムを含有する場合のゴム成分中の含有量は、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元重合体の配合量を上げる観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。また、イソプレン系ゴムを含有する場合の含有量の下限値は特に制限されないが、例えば、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上とすることができる。
(その他のゴム成分)
本発明に係るゴム成分として、前記の芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元重合体、BR、およびイソプレン系ゴム以外のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、タイヤ工業で一般的に用いられる架橋可能なゴム成分を用いることができ、例えば、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等が挙げられる。これらその他のゴム成分は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<熱可塑性エラストマー(TPE)>
本発明に係るゴム組成物は熱可塑性エラストマー(TPE)を含有する。熱可塑性エラストマー(TPE)としては、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。熱可塑性エラストマー(TPE)は1種または2種以上を使用することができる。
(スチレン系熱可塑性エラストマー)
本発明に係るゴム組成物は、スチレン系熱可塑性エラストマーを含有する。スチレン系熱可塑性エラストマーとは、少なくとも1つのスチレンブロック(ハードセグメント)と少なくとも1つのエラストマーブロック(ソフトセグメント)とを有する共重合体である。スチレン系熱可塑性エラストマーの分子構造は特に限定されないが、スチレンブロックを片末端または両末端に有し、それ以外にエラストマーブロックを有する分子構造であることが好ましい。少なくとも片末端にスチレンブロックを有することにより、より良好なグリップ性能が得られる傾向がある。また、スチレン系熱可塑性エラストマーは、末端以外の主鎖部分にスチレンブロックを有さない構造であることがより好ましい。そのような構造とすることにより、常温領域での熱可塑性エラストマーの硬度が高くなり過ぎず、より良好な破壊特性や旋回性能が得られる傾向がある。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン-イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-エチレン・ブチレンブロック共重合体(SEB)、スチレン-エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン・ブチレン-エチレンブロック共重合体(SEBC)、水素添加スチレン・ブタジエン共重合体(HSBR)、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン-ブタジエン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(SBBS)、スチレン-アルキレンブロック共重合体等が挙げられる。
本発明に係るゴム組成物が含有するスチレン系熱可塑性エラストマーは、アルキレン単位を有する。アルキレン単位としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどが挙げられる。すなわち、エラストマーブロックとしては、スチレン-ブタジエン(SB)などのビニル-ポリジエン、ポリイソプレン(IP)、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリクロロプレン、ポリ2,3-ジメチルブタジエン等が挙げられる。また、エラストマーブロックとして、前記のエラストマーブロックを水素添加(水添)したものを用いることもできる。
アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーのガラス転移温度(Tg)は、ゴム組成物のtanδを下げ、転がり抵抗を低減させる観点から、-20℃以下が好ましく、-30℃以下がより好ましく、-35℃以下がさらに好ましい。アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーのガラス転移温度(Tg)の上限値は特に制限されないが、通常-60℃以上である。
アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーのスチレン含量(スチレンユニットの含有率)は、高速旋回性能の観点から、20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。また、発熱性抑制の観点からは、75質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、65質量%以下がさらに好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーを含有し、アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性エラストマーを含んでいても良い。
(ウレタン系熱可塑性エラストマー)
ウレタン系熱可塑性エラストマーとしては特に限定されないが、例えば、ポリオールおよびジイソシアネートより調製されるものを好適に使用することができる。ポリオールとしては、ポリエステル系ポリオール、ポリエステルエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールおよびポリエーテル系ポリオール等が挙げられる。ジイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等が挙げられる。
(オレフィン系熱可塑性エラストマー)
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、エチレン-プロピレン共重合体(EPR)、エチレン-ブテン共重合体(EBR)、エチレン-ヘキセン共重合体(EHR)、エチレン-オクテン共重合体(EOR)等のエチレン・α-オレフィン共重合体;エチレン-プロピレン-エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン-プロピレン-ブタジエン共重合体、エチレン-プロピレン-イソプレン共重合体等のエチレン・α-オレフィン・ジエン三元共重合体等が挙げられる。
熱可塑性エラストマー(TPE)は水素添加されていてもよい。水素添加熱可塑性エラストマーとしては、例えば、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
熱可塑性エラストマー(TPE)は、所望により、変性剤で変性して変性基を導入したものを使用することもできる。そのような変性基としては、この分野で通常使用するものをいずれも好適に使用することができ、例えば、アルコキシシリル基(例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基)等が挙げられる。例えば、スチレン末端を少なくとも一端に有するスチレン系熱可塑性エラストマーを合成後、変性剤としてクロロトリエトキシシランを用いて処理すれば、スチレン系熱可塑性エラストマーの活性末端にトリエトキシシリル基が導入された変性スチレン系熱可塑性エラストマーを得ることができる。
熱可塑性エラストマー(TPE)としては、市販品を用いても、合成により得られたものを用いてもよい。市販品としては、例えば、JSR(株)、旭化成(株)、(株)クラレ、日本ミラクトラン(株)によって製造販売されているものが挙げられる。
ゴム成分100質量部に対する熱可塑性エラストマー(TPE)の含有量X(質量部)は、転がり抵抗を低減させ低燃費性能を向上させる観点から、5質量部超が好ましく、9質量部超がより好ましく、10質量部以上がさらに好ましく、15質量部超がさらに好ましく、20質量部超がさらに好ましく、30質量部以上が特に好ましい。また、熱可塑性エラストマーの含有量X(質量部)は、耐摩耗性能の観点から、100質量部未満が好ましく、90質量部未満がより好ましく、80質量部未満がさらに好ましく、70質量部未満が特に好ましい。
<フィラー>
本発明に係るゴム組成物は、フィラーを含有することが好ましく、フィラーとしては、カーボンブラックまたはシリカを含有することが好ましく、シリカを含有することがより好ましく、シリカおよびカーボンブラックを含有することがさらに好ましい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては特に限定されず、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、具体的にはN110、N115、N120、N125、N134、N135、N219、N220、N231、N234、N293、N299、N326、N330、N339、N343、N347、N351、N356、N358、N375、N539、N550、N582、N630、N642、N650、N660、N683、N754、N762、N765、N772、N774、N787、N907、N908、N990、N991等を好適に用いることができ、これ以外にも自社合成品等も好適に用いることができる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、耐候性や補強性の観点から、50m2/g以上が好ましく、80m2/g以上がより好ましく、100m2/g以上がさらに好ましい。また、分散性、転がり抵抗低減、破壊特性および耐久性の観点からは、250m2/g以下が好ましく、220m2/g以下がより好ましい。なお、本明細書におけるカーボンブラックのN2SAは、前記測定方法により測定することができる。
カーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、耐候性や補強性の観点から、1質量部超が好ましく、3質量部超がより好ましく、4質量部超がさらに好ましい。また、発熱性を下げ、転がり抵抗を低減させる観点からは、30質量部未満が好ましく、20質量部未満がより好ましく、10質量部未満がさらに好ましい。
(シリカ)
本発明に係るゴム組成物にシリカを配合することにより、転がり抵抗を低減させ、低燃費性能を向上させることができる。シリカとしては、特に限定されるものではなく、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)等、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。なかでもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。シリカは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらのシリカは含水シリカ等を原料としたもの以外にもみ殻などのバイオマス材料を原料としたものを用いても良い。
シリカのBET法で測定される窒素吸着比表面積(N2SA)は、破断伸びの観点から、150m2/g超が好ましく、170m2/g超がより好ましく、200m2/g超がさらに好ましい。また、転がり抵抗低減および加工性の観点からは、300m2/g未満が好ましく、250m2/g未満がより好ましく、240m2/g未満がさらに好ましく、236m2/g未満がさらに好ましい。なお、シリカのN2SAは、前記測定方法により測定することができる。
シリカのCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)比表面積(以下、シリカのCTABという)は、分散性の観点から、150m2/g超が好ましく、160m2/g超がより好ましく、170m2/g超がさらに好ましく、190m2/g超がさらに好ましい。また、シリカのCTABは、ゴム相へのシリカの分散性の観点から、350m2/g未満が好ましく、300m2/g未満がより好ましく、250m2/g未満がさらに好ましく、210m2/g未満が特に好ましい。なお、シリカのCTABは前記測定方法で測定される。
シリカの平均一次粒子径は、20nm以下が好ましく、18nm以下がより好ましく、17nm以下がさらに好ましい。該平均一次粒子径の下限値は特に限定されないが、シリカの分散性の観点から、1nm以上が好ましく、3nm以上がより好ましく、5nm以上がさらに好ましい。シリカの平均一次粒子径が前期の範囲であることによって、シリカの分散性をより改善でき、補強性、破壊特性、耐摩耗性をさらに改善することができる。なお、シリカの平均一次粒子径は、前記測定方法により求めることができる。
シリカを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、転がり抵抗の低減の観点から、40質量部超が好ましく、50質量部超が好ましく、60質量部超がさらに好ましい。また、シリカのゴムへの分散性の悪化により、転がり抵抗が上昇することを抑制する観点からは、150質量部未満が好ましく、140質量部未満がより好ましく、130質量部未満がさらに好ましい。
(その他のフィラー)
カーボンブラックおよびシリカ以外のフィラーとしては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルク等、従来からタイヤ工業において一般的に用いられているものを配合することができる。
(シランカップリング剤)
シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、タイヤ工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができるが、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系シランカップリング剤;ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤;3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-ヘキサノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリメトキシシラン等のチオエステル系シランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系シランカップリング剤;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系シランカップリング剤;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系シランカップリング剤;等が挙げられる。なかでも、スルフィド系シランカップリング剤および/またはメルカプト系シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、モメンティブ社等より市販されているものを使用することができる。これらのシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、3.0質量部超が好ましく、4.0質量部超がより好ましく、5.0質量部超がさらに好ましい。また、シランカップリング剤の含有量は、20質量部未満が好ましく、15質量部未満がより好ましく、10質量部未満がさらに好ましい。
シランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、シリカと反応させるため、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上がさらに好ましく、3.0質量部以上が特に好ましい。また、シランカップリング剤のシリカ100質量部に対する含有量は、耐摩耗性能の低下を防止する観点から、20質量部未満が好ましく、15質量部未満がより好ましく、10質量部未満がさらに好ましい。
(その他の配合剤)
本発明に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で一般に使用される配合剤、例えば、オイル、樹脂成分、老化防止剤、ワックス、酸化亜鉛、ステアリン酸、硫黄等の架橋剤、加硫促進剤等を適宜含有することができる。
(樹脂成分)
本発明に係るゴム組成物は、樹脂成分を含有することが好ましい。樹脂成分としては、特に限定されないが、タイヤ工業で慣用される石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂成分としては、特に限定されず、芳香族系石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂などの従来タイヤ用ゴム組成物で慣用される樹脂を用いることができる。
芳香族系石油樹脂としては、例えば、クマロンインデン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、および芳香族ビニル系樹脂が好適に用いられる。芳香族ビニル系樹脂としては、経済的で、加工しやすく、発熱性に優れているという理由から、α-メチルスチレンもしくはスチレンの単独重合体またはα-メチルスチレンとスチレンとの共重合体が好ましく、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体がより好ましい。芳香族ビニル系樹脂としては、例えば、クレイトン社、イーストマンケミカル社等より市販されているものを使用することができる。
テルペン系樹脂としては、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、ジペンテン等のテルペン化合物から選ばれる少なくとも1種からなるポリテルペン樹脂;前記テルペン化合物と芳香族化合物とを原料とする芳香族変性テルペン樹脂;テルペン化合物とフェノール系化合物とを原料とするテルペンフェノール樹脂;並びにこれらのテルペン系樹脂に水素添加処理を行ったもの(水素添加されたテルペン系樹脂)が挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂の原料となる芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエン等が挙げられる。テルペンフェノール樹脂の原料となるフェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。
ロジン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば天然樹脂ロジン、それを水素添加、不均化、二量化、エステル化等で変性したロジン変性樹脂等が挙げられる。
フェノール系樹脂としては、特に限定されないが、フェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールアセチレン樹脂、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
樹脂成分の軟化点は、グリップ性能の観点から、40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましい。また、加工性、ゴム成分とフィラーとの分散性向上という観点からは、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。なお、樹脂成分の軟化点は、前記測定方法により測定される。
樹脂成分を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、3質量部超が好ましく、5質量部超がより好ましく、8質量部超がさらに好ましい。また、樹脂成分の含有量は、加工性の観点から、30質量部未満が好ましく、20質量部未満がより好ましく、15質量部未満がさらに好ましい。
(オイル)
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂等が挙げられる。前記プロセスオイルとしてはパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。また、環境対策で多環式芳香族(polycyclic aromatic compound:PCA)化合物の含量の低いプロセスオイルを使用することもできる。前記低PCA含量プロセスオイルとしては、軽度抽出溶媒和物(MES)、処理留出物芳香族系抽出物(TDAE)、重ナフテン系オイル等が挙げられる。また、ライフサイクルアセスメントの観点から、ゴム混合機やエンジンに用いられた後の廃油や、飲食店で使用された廃食用油を精製したものを用いてもよい。オイルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。オイルとしては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ENEOS、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
オイルを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、5質量部超が好ましく、10質量部超がより好ましく、15質量部超がさらに好ましく、20質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、120質量部未満が好ましく、100質量部未満がより好ましく、80質量部未満がさらに好ましく、60質量部未満が特に好ましい。なお、本明細書において、オイルの含有量には、伸展ゴムに含まれるオイル量も含まれる。
(老化防止剤)
老化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アミン系、キノリン系、キノン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩などの老化防止剤が挙げられ、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N-4-メチル-2-ペンチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジアリール-p-フェニレンジアミン、ヒンダードジアリール-p-フェニレンジアミン、フェニルヘキシル-p-フェニレンジアミン、フェニルオクチル-p-フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系老化防止剤、および2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のキノリン系老化防止剤が好ましい。これらの老化防止剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する合計含有量は、ゴムの耐オゾンクラック性の観点から、0.5質量部超が好ましく、1.0質量部超がより好ましく、1.5質量部超がさらに好ましい。また、耐摩耗性能やウェットグリップ性能の観点からは、10.0質量部未満が好ましく、5.0質量部未満がより好ましい。
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部超が好ましく、1.0質量部超がより好ましく、1.4質量部超がさらに好ましい。また、加硫速度の観点からは、10.0質量部未満が好ましく、5.0質量部未満がより好ましい。
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部超が好ましく、1.0質量部超がより好ましく、1.4質量部超がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10.0質量部未満が好ましく、5.0質量部未満がより好ましい。
(架橋剤)
架橋剤としては硫黄が好適に用いられる。硫黄としては、粉末硫黄、油処理硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。
硫黄を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫反応を確保する観点から、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。また、劣化防止の観点からは、5.0質量部以下が好ましく、4.0質量部以下がより好ましく、3.0質量部以下がさらに好ましく、2.5質量部以下が特に好ましい。なお、架橋剤として、オイル含有硫黄を使用する場合の加硫剤の含有量は、オイル含有硫黄に含まれる純硫黄分の合計含有量とする。
硫黄以外の架橋剤として、公知の有機架橋剤を用いることもできる。有機架橋剤としては、ポリスルフィド結合以外の架橋鎖を形成できるものであれば特に限定されないが、例えば、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、1,6-ヘキサメチレン-ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド等が挙げられ、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンが好ましい。これらの有機架橋剤は、田岡化学工業(株)、ランクセス(株)、フレクシス社等より市販されているものを使用することができる。
加硫促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系もしくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系加硫促進剤が挙げられ、なかでも、所望の効果がより好適に得られる点から、スルフェンアミド系加硫促進剤およびチウラム系加硫促進剤が好ましく、これら2種を併用することがより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、CBS(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N-t-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等が挙げられる。チアゾール系加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾリルジスルフィド等が挙げられる。チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)等が挙げられる。グアニジン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアニジン(DPG)、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、所望の効果がより好適に得られる点から、CBSおよびTBzTDの組み合わせが特に好ましい。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましい。また、加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、8質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましく、6質量部以下がさらに好ましい。加硫促進剤の含有量を上記範囲内とすることにより、破壊強度および伸びが確保できる傾向がある。
本発明に係るゴム組成物は、公知の方法により製造することができる例えば、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどの一般的なタイヤ工業で使用される公知の混練機で、前記各成分のうち、加硫剤(架橋剤)および加硫促進剤以外の成分を混練りした後、これに、加硫剤および加硫促進剤を加えてさらに混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。
<タイヤ>
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物により構成されるトレッド部を備えるものであり、乗用車用タイヤ、乗用車用高性能タイヤ、重荷重用タイヤ等に好適に用いられる。なかでも、乗用車用タイヤとして用いられることが好ましい。
上記ゴム組成物から構成されるトレッド部を備えたタイヤは、上記ゴム組成物を用いて、通常の方法により製造できる。すなわち、ゴム成分に対して上記各成分を必要に応じて配合した未加硫のゴム組成物を、トレッド部の形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上でベルト層および他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。
以下では、実施をする際に好ましいと考えられる例(実施例)を示すが、本発明の範囲は実施例に限られない。
以下に示す各種薬品を用いて表1~表2の配合に従って得られるゴム組成物からなるトレッド部を有するタイヤを検討して、下記の各種分析・評価方法に基づいて算出した結果を表1~表4に示す。
NR:TSR20
SBR1:JSR(株)製のSBR1502(未変性E-SBR、スチレン含量:23.5質量%、ビニル含量:18モル%、Tg:-56℃、Mw:44万、非油展)
SBR2:JSR(株)製のHPR850(S-SBR、スチレン含量:26質量%、ビニル含量:59モル%、Tg:-25℃、Mw:19万、非油展)
BR:宇部興産(株)製のUBEPOL BR(登録商標)150B(ビニル結合量:1.5モル%、シス1,4-含有率97%、Mw:44万)
TPE1:JSR(株)製のダイナロン(登録商標)(スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン含量:53質量%、アルキレン単位の含有量47質量%、Tg:-50℃)
TPE2:(株)クラレ製のセプトン(登録商標)(水添スチレン-アルキレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン含量:32質量%、アルキレン単位の含有量68質量%、Tg:-50℃)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN220(N2SA:115m2/g)
シリカ1:エボニックテグサ社製の9100GR(N2SA:235m2/g、CTAB:200m2/g、平均一次粒子径:15.6nm)
シリカ2:エボニックデグサ社製のウルトラシルVN3(N2SA:175m2/g、CTAB:165m2/g、平均一次粒子径:15nm)
シランカップリング剤:エボニックデグサ社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
オイル:H&R社製のVivaTec400(TDAEオイル)
樹脂成分:アリゾナケミカル社製のSylvatraxx(登録商標)4401(α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体、軟化点:85℃、Tg:43℃)
老化防止剤1:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
老化防止剤2:大内新興化学工業(株)製のノクラックRD(ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン))
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:細井化学工業(株)製のHK-200-5(5%オイル含有粉末硫黄)
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS))
加硫促進剤2:三新化学工業(株)製のサンセラーTBZTD(テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD))
(実施例および比較例)
表1および表2に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度150~160℃になるまで1~10分間混練りし、混練物を得る。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得る。得られた未加硫ゴム組成物を用いて、トレッド部の形状に合わせて成形し、ベルト層など他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃で加硫して表3および表4に記載の各試験用タイヤ(サイズ:205/65R16または195/65R15)を得る。
<0℃tanδの測定>
各試験用タイヤのトレッド部のゴム層内部から、タイヤ周方向が長辺となるように、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmで切り出して作製した各ゴム試験片について、GABO社製のイプレクサーシリーズを用いて、温度0℃、周波数10Hz、初期歪み10%、および、動歪み2.5%、伸長モードの条件下で測定する。
<70℃tanδの測定>
各試験用タイヤのトレッド部のゴム層内部から、タイヤ周方向が長辺となるように、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmで切り出して作製した各ゴム試験片について、GABO社製のイプレクサーシリーズを用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪み10%、および、動歪み1%、伸長モードの条件下で測定する。
<高速旋回性能>
得られた試験用タイヤを正規リムに組付け、空気を充填した後、国産FF車(2000cc)の全輪に取り付ける。試験用タイヤを装着した状態で、時速100kmで路面上を走行させた際の、旋回性能を5点満点で官能評価し、同様評価を20人のドライバーで行い、評価結果の合計点数を算出する。得られた結果から、比較例3の結果を100として指数化し、それぞれのタイヤの評価結果を得る。指数が大きいほど、高速旋回性能が優れている。
(高速旋回性能指数)=(各評価タイヤの合計点数)/(比較例5の合計点数)×100
<低燃費性能>
転がり抵抗試験機を用い、各試験用タイヤを速度80km/hで走行させたときの転がり抵抗を測定し、その逆数を、比較例6を100として指数表示する。数値が大きいほど、転がり抵抗が小さく、低燃費性能に優れることを示す。
高速旋回性能、および低燃費性能の和を総合性能指数とする。
Figure 2024014499000001
Figure 2024014499000002
Figure 2024014499000003
Figure 2024014499000004
<実施形態>
本発明の実施形態の例を以下に示す。
〔1〕トレッド部およびベルト層を有するタイヤであって、
前記トレッド部を構成するゴム組成物が、ゴム成分および熱可塑性エラストマーを含有し、
前記ゴム成分は、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元共重合体を含み、
前記熱可塑性エラストマーは、アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーを含み、
正規状態において、正規荷重を負荷してトレッドを平面に押し付けたときのタイヤの断面幅をWt(mm)、タイヤのベルト層幅をB(mm)として、
Y=(B-16)/Wt
と定義するとき、Yが0.75以下であり、
Yに対する前記ゴム成分100質量部に対する前記熱可塑性エラストマーの合計含有量X(質量部)の比(X/Y)が3.0以上である、タイヤ。
〔2〕前記アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーのガラス転移温度が-30℃以下である、上記〔1〕記載のタイヤ。
〔3〕前記アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーのスチレン含量が20質量%以上である、上記〔1〕または〔2〕記載のタイヤ。
〔4〕Xが10質量部以上である、上記〔1〕~〔3〕いずれかに記載のタイヤ。
〔5〕前記ゴム成分中に芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元共重合体を50質量%以上含有する、上記〔1〕~〔4〕いずれかに記載のタイヤ。
〔6〕前記ゴム組成物が、さらにBET法で測定されたN2SAが170m2/g超240m2/g未満のシリカを含有する、上記〔1〕~〔5〕いずれかに記載のタイヤ。
〔7〕前記ゴム組成物が、さらにCTABが160m2/g超210m2/g未満のシリカを含有する、上記〔1〕~〔6〕いずれかに記載のタイヤ。
〔8〕前記ゴム組成物の0℃におけるtanδ(0℃tanδ)に対する70℃におけるtanδ(70℃tanδ)の比70℃tanδ/0℃tanδが0.05以上である、上記〔1〕~〔7〕いずれかに記載のタイヤ。
〔9〕前記ゴム組成物の0℃におけるtanδ(0℃tanδ)に対する70℃におけるtanδ(70℃tanδ)の比70℃tanδ/0℃tanδが1.80以下である、上記〔1〕~〔8〕いずれかに記載のタイヤ。
〔10〕Yが0.73未満である、上記〔1〕~〔9〕いずれかに記載のタイヤ。
〔11〕前記ゴム組成物が、さらに樹脂成分を含有する、上記〔1〕~〔10〕いずれかに記載のタイヤ。
〔12〕前記ゴム成分が、さらにブタジエンゴムを含有する、上記〔1〕~〔11〕いずれかに記載のタイヤ。
〔13〕前記トレッド部がベルト層のタイヤ半径方向外側に隣接するベースゴム層を備え、前記ベースゴム層は、イソプレン系ゴムおよびブタジエンゴムのうち少なくとも一種を含むゴム成分を含有するゴム組成物により構成されている、上記〔1〕~〔12〕いずれかに記載のタイヤ。
〔14〕タイヤ外径をDt(mm)としたとき、WtおよびDtが、下記式(1)を満たす、上記〔1〕~〔13〕いずれかに記載のタイヤ。
(π/4)×(Dt2/Wt)≧1500・・・(1)
〔15〕前記トレッド部が、タイヤ周方向に連続して延びる1以上の周方向溝によって仕切られた陸部を有し、少なくとも1つの前記陸部が、トレッド面への開口面積が0.1~15mm2の小穴を1個以上有する、上記〔1〕~〔14〕いずれかに記載のタイヤ。
Wt 断面幅
B ベルト層幅
Dt タイヤ外径
1 周方向溝
2 陸部
3 ベルト層
4 キャップゴム層
6 ベースゴム層
7 サイドウォール
8 インナーライナー
9 クリンチ
10 トレッド面
C タイヤ周方向
W タイヤ幅方向
Te トレッド端
21 横溝
22 サイプ
23 センターサイプ
24 小穴
30 ビード
31 ビードコア
32 リム

Claims (15)

  1. トレッド部およびベルト層を有するタイヤであって、
    前記トレッド部を構成するゴム組成物が、ゴム成分および熱可塑性エラストマーを含有し、
    前記ゴム成分は、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元共重合体を含み、
    前記熱可塑性エラストマーは、アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーを含み、
    正規状態において、正規荷重を負荷してトレッドを平面に押し付けたときのタイヤの断面幅をWt(mm)、タイヤのベルト層幅をB(mm)として、
    Y=(B-16)/Wt
    と定義するとき、Yが0.75以下であり、
    Yに対する前記ゴム成分100質量部に対する前記熱可塑性エラストマーの合計含有量X(質量部)の比(X/Y)が3.0以上である、タイヤ。
  2. 前記アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーのガラス転移温度が-30℃以下である、請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記アルキレン単位を有するスチレン系熱可塑性エラストマーのスチレン含量が20質量%以上である、請求項1または2記載のタイヤ。
  4. Xが10質量部以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記ゴム成分中に芳香族ビニル単位と共役ジエン単位とを有する多元共重合体を50質量%以上含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記ゴム組成物が、さらにBET法で測定されたN2SAが170m2/g超240m2/g未満のシリカを含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のタイヤ。
  7. 前記ゴム組成物が、さらにCTABが160m2/g超210m2/g未満のシリカを含有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のタイヤ。
  8. 前記ゴム組成物の0℃におけるtanδ(0℃tanδ)に対する70℃におけるtanδ(70℃tanδ)の比70℃tanδ/0℃tanδが0.05以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載のタイヤ。
  9. 前記ゴム組成物の0℃におけるtanδ(0℃tanδ)に対する70℃におけるtanδ(70℃tanδ)の比70℃tanδ/0℃tanδが1.80以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載のタイヤ。
  10. Yが0.73未満である、請求項1~9のいずれか一項に記載のタイヤ。
  11. 前記ゴム組成物が、さらに樹脂成分を含有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のタイヤ。
  12. 前記ゴム成分が、さらにブタジエンゴムを含有する、請求項1~11のいずれか一項に記載のタイヤ。
  13. 前記トレッド部がベルト層のタイヤ半径方向外側に隣接するベースゴム層を備え、前記ベースゴム層は、イソプレン系ゴムおよびブタジエンゴムのうち少なくとも一種を含むゴム成分を含有するゴム組成物により構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のタイヤ。
  14. タイヤ外径をDt(mm)としたとき、WtおよびDtが、下記式(1)を満たす、請求項1~13のいずれか一項に記載のタイヤ。
    (π/4)×(Dt2/Wt)≧1500・・・(1)
  15. 前記トレッド部が、タイヤ周方向に連続して延びる1以上の周方向溝によって仕切られた陸部を有し、少なくとも1つの前記陸部が、トレッド面への開口面積が0.1~15mm2の小穴を1個以上有する、請求項1~14のいずれか一項に記載のタイヤ。
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