JP2021115995A - 建材パネル用の運搬器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】建設現場において、軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)に代表される各種の建材パネルを、移動中の衝突や摩擦による損傷を回避しながら安全に所定位置まで水平移動させることができる建材パネル用の運搬手段を提供すること。【解決手段】平板状のパネル載置面11と、パネル載置面11の一方の側辺に垂設されている平板状のパネル支持面12と、を有し、パネル支持面12には、パネル載置面11の垂設面とは反対側の面に突出する把持部14が設置されていて、パネル載置面11の下方には、水平移動推進機構15、16が設置されている、建材パネル用の運搬器具1とする。【選択図】図1
Description
本発明は、建材パネル用の運搬器具に関する。詳しくは、建設現場における、軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)に代表される各種の建材パネルの運搬に用いるパネル運搬器具に関する。
従来、軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)は、軽量で取付け作業が比較的容易であることから、様々な建築物の壁や間仕切、屋根、床と広範囲に使われている(特許文献1参照)。そして、ALCパネルの取付け構造として、上記の特許文献1の図8に示すような取付け構造(軽量気泡コンクリートパネルの取付け構造)が広く採用されている。
ALCパネルの取付け作業においては、先ず、建物躯体へのパネルの固定前に、個々のパネルを小型のウインチ等で吊り上げて、所定の建て込み位置まで移動させてから吊り降ろして、所定の建て込み位置に載置する作業が行われる。このように所定場所にパネルを載置する作業において、載置位置が建物の特定の部位にある場合等に、パネルの吊り降ろし後に、更に建物躯体上を滑らせながらパネルを水平方向に移動させる必要が生じる場合がある。
従来、上述のパネルの水平移動に係る運搬作業は、パネルの上下を2人の作業員が手動で押す作業方法や、或いは、1人の作業員がパネルの上方を支持しながら、もう1人の作業員がバール等でパネルの下方を押し出しだす作業方法等、何れにしても人力に頼る作業方法によって行われている。しかしながら、このような方法でパネルを水平方向へ移動させる場合に、移動中の衝突や摩擦によってパネル下面が欠ける等の損傷が発生することがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、建設現場において、軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)に代表される各種の建材パネルを、移動中の衝突や摩擦による損傷を回避しながら安全に所定位置まで水平移動させることができる建材パネル用の運搬手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、パネル載置面、パネル支持面、把持部、及び、水平移動推進機を備える建材パネル用の運搬器具によって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 平板状のパネル載置面と、前記パネル載置面の一方の側辺に垂設されている平板状のパネル支持面と、を有し、前記パネル支持面には、前記パネル載置面の垂設面とは反対側の面に突出する把持部が設置されていて、前記パネル載置面の下方には、水平移動推進機構が設置されている、建材パネル用の運搬器具。
(1)の発明によれば、建設現場において、軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)に代表される各種の建材パネルを、躯体上を滑らせて水平移動させることが必要な場合において、水平移動中の衝突や摩擦による損傷を回避しながら安全に所定の建て込み位置まで、当該建材パネルを運搬することができる。
(2) 前記水平移動推進機構が、回転ローラーである、(1)に記載の運搬器具。
(2)の発明によれば、(1)に記載の運搬器具の上記効果を享受しつつ、更にパネルの水平移動時の躯体との間の摩擦を最小化して、最小限の力でパネルを滑らかに水平移動させることができる。
(3) 前記水平移動推進機構が、先端部に低摩擦面が形成されている滑り棒である、(1)又は(2)に記載の運搬器具。
(3)の発明によれば、(1)又は(2)に記載の運搬器具の上記効果を享受しつつ、故障等の少ない単純な構成によってパネルの水平移動時の躯体との間の摩擦を十分に低減させて、少ない力でパネルを水平移動させることができる。
(4) 前記水平移動推進機構は、推進方向に対して直行する方向に沿って並列配置されていて、少なくとも、何れか一方の前記水平移動推進機構は、他方の前記水平移動推進機構と独立して接地部分の高さを調整することができる、接地部分高さ調整機構を備える、(1)から(3)の何れかに記載の運搬器具。
(4)の発明によれば、(1)から(3)の何れかに記載の運搬器具の上記効果を享受しつつ、一方の推進部(回転ローラ等)の設置面高さを、ねじ機構等で、他方の推進部(回転ローラ等)の設置面高さとは独立して上下に位置調整を行えるようにした。これにより、例えば、建築現場ごとに異なる設置面を構成する基礎表面と定規アングルの高さの差異に対応して、運搬器具のパネル設置面を常に水平に保つことができるため、(1)から(3)の何れかに記載の運搬器具の汎用性が更に向上する。
(5) 前記パネル載置面の前記パネル支持面が垂設されている側辺と直交する一側辺に、平板状のパネル補助支持面が垂設されている、(1)から(4)の何れかに記載の運搬器具。
(5)の発明によれば、平板状のパネル補助支持面を運搬対象の建材パネルの小口面に当接させて用いることにより、(1)から(4)の何れかに記載の運搬器具に建材用パネルを載置して水平移動させる際の、当該パネルの安定性をより向上させることができる。そして、これにより、水平移動中の衝突や摩擦による損傷をより確実に回避することができ、作業の安全性も更に向上させることができる。
(6) 前記パネル載置面の前記パネル支持面が垂設されている側辺と直交する両側辺に、対向する一組の平板状のパネル補助支持面が垂設されている、(5)に記載の運搬器具。
(6)の発明によれば、(1)から(4)の何れかに記載の運搬器具に建材用パネルを載置して水平移動させる際の、当該パネルの安定性を向上させることができ、これにより、水平移動中の衝突や摩擦による損傷をより確実に回避することができ、作業の安全性も更に向上させることができる。
(7) (1)から(5)の何れかに記載の運搬器具を2つ組み合せてなる運搬器具セット。
(7)の発明によれば、(1)から(5)の何れかに記載の運搬器具を適切に組合せて用いることにより、様々なサイズのパネル、及び、パネルの載置方向に関わらず、(1)から(5)の何れかに記載の運搬器具の奏する上記各効果を安定的に享受することができる。
本発明によれば、建設現場において、軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)に代表される各種の建材パネルを、移動中の衝突や摩擦による損傷を回避しながら安全に所定位置まで水平移動させることができる建材パネル用の運搬手段を提供することができる。
本発明の運搬器具は、建設現場において各種の建材パネルを人力で水平移動させる作業に広く適用することが可能であるが、軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)の建物躯体への取付け作業に特に好ましく適用することができる。以下においては、ALCパネルを運搬対象とする場合の実施形態を、本発明を実施するための形態の好ましい具体例として、その詳細を説明する。
<建材パネル(ALCパネル)用のパネル運搬器具>
運搬器具1は、図1〜図3に示す通り、パネル載置面11と、これに直交するパネル支持面12との2面を少なくとも有し、好ましくは、更に、これらの両面に直交するパネル補助支持面13を含む何れも平板状の面である3つの面を有する部材によって、その本体部分が構成されている。この本体部分を形成する材料は、運搬対象とするALCパネル2等の載置と運搬時の荷重に耐える強度を有するものであれば特に限定されないが、ステンレス鋼等の汎用的な各種の鋼材を好ましく用いることができる。
運搬器具1は、図1〜図3に示す通り、パネル載置面11と、これに直交するパネル支持面12との2面を少なくとも有し、好ましくは、更に、これらの両面に直交するパネル補助支持面13を含む何れも平板状の面である3つの面を有する部材によって、その本体部分が構成されている。この本体部分を形成する材料は、運搬対象とするALCパネル2等の載置と運搬時の荷重に耐える強度を有するものであれば特に限定されないが、ステンレス鋼等の汎用的な各種の鋼材を好ましく用いることができる。
パネル載置面11は、図1に示すような態様で、ALCパネル2を載置する面である。パネル支持面12は、パネル載置面11の一方の側辺に垂設されていて、ALCパネル2の表面下方部分を支持してALCパネル2の運搬時の安定性を維持する面である。又、パネル補助支持面13は、パネル載置面11のパネル支持面12が垂設されている側辺と直交する一側辺に垂設されていて、ALCパネル2の小口面を支持してALCパネル2の安定性を更に高め、又、特にALCパネル2の水平移動時における安定性の保持に寄与する面である。このように、運搬器具1の本体部分は、パネル載置面11、パネル支持面12、及び、好ましくは、パネル補助支持面13の3つの面によって、運搬対象とするALCパネル2の両側端の小口面下端部に係合可能な形状及びサイズとなるように形成されている。
運搬器具1のパネル支持面12には、パネル載置面11の垂設面とは反対側の面に把持部14が設置されている。把持部14は、作業者がこれを把持した状態で、運搬器具1を所望の水平方向に移動させるための力を運搬器具に伝えることができる形状であればよい。例えば、図1に示すようなコの字型の把手であってもよいし、或いは、より単純な形状である棒状の部材等であってもよい。
又、運搬器具1のパネル載置面11の下方には、水平移動推進機構15、16が設置されている。水平移動推進機構は、運搬器具1を建物躯体4上で水平移動させる際に、それらの間の摩擦抵抗を十分に小さくして、人力によって容易且つ円滑にALCパネル2を水平移動させることができる機能を有するものであればよい。水平移動推進機構は、一例として、図2に示すような回転ローラー15、16で構成することができる。
或いは、運搬器具1の水平移動推進機構は、他の例として、図3に示すような先端部に低摩擦面が形成されている滑り棒16Aで構成することもできる。このような低摩擦面は、一例として、棒状の部材に半球状の先端部を形成して、更にその表面をフッ素樹脂等によってコーティング加工することによって形成することができる。
又、運搬器具1の水平移動推進機構は、図2、図3に示すように、運搬器具1の推進方向に対して直行する方向に沿って並列配置されている構成とすることが好ましく、この構成において、少なくとも、何れか一方の水平移動推進機構は、他方の水平移動推進機構と独立して接地部分の高さを調整することができる、接地部分高さ調整機構を備えていることが好ましい。例えば、図3に示す構成の水平移動推進機構において滑り棒16Aが、螺子式の接地部分高さ調整機構161を備えることによって、この構成を実現することができる。
又、運搬器具1の水平移動推進機構が上記のように並列配置されている場合、少なくとも、パネル載置面11の先端側に設置される水平移動推進機構は、図2、図3に示すように回転ローラー15であることが好ましい。そして、この場合において、この回転ローラー15の直径は、当該回転ローラーの接地面となることが想定されるアングル材3の表面上に突出している可能性がある部材を容易に乗り越えられる直径としておくことが好ましい。例えば、図2、3においてアングル材3にロッキング機構を発現させるための高さ5mm程度の凸部が存在することが想定される場合であれば、回転ローラー15の直径を10mm以上としておくことが好ましい。
上述した構成からなる運搬器具1は、図1に示すように、本体部分の形状が左右対称である2つの運搬器具1を組み合せてALCパネル2を挟持する態様で支持する運搬器具セットとして用いることが好ましい。但し、本発明の運搬器具は、パネル載置面11とパネル支持面12の2つの面のみで本体部分を構成した運搬器具によって、単体でALCパネル2の中央部を支持する態様(図示せず)で用いることもできる。
尚、本発明の運搬器具の他の実施形態の一例として、パネル載置面11のパネル支持面12が垂設されている側辺と直交する両側辺に、対向する一組のパネル補助支持面13が垂設されている形態(図示せず)を挙げることができる。この場合、パネル載置面11の長手方向の長さが運搬対象とするALCパネル2の長さと略同一となるように本体部分を成形すればよい。このような運搬器具は、1つの運搬器具1にALCパネル2を載置した状態において両側のパネル補助支持面13によってALCパネル2を挟持して安定的に支持することができる。
<建材パネル(ALCパネル)の取付け方法>
本発明の建材パネル用の運搬器具1を用いることにより、例えば、以下の取付け方法によってALCパネルの取付け作業を円滑且つ安全に行うことができる。
本発明の建材パネル用の運搬器具1を用いることにより、例えば、以下の取付け方法によってALCパネルの取付け作業を円滑且つ安全に行うことができる。
先ず、ALCパネル2を小型のウインチ等で吊り上げて、所定の建て込み位置近くまで移動させた後、図1に示すような態様で運搬器具1にALCパネル2を吊り降ろして載置する。次に、この状態で、ALCパネル2とウインチとの連結を解除し、それぞれの運搬器具1において、1人の作業員が、ALCパネル2の転倒を防ぐように支持し、もう1人の作業員が運搬器具1の把持部14を掴んで運搬器具1を水平移動させる。運搬器具1が所定位置に到達後、運搬器具1を当該位置から外し、ALCパネル2を所定位置に設置する。
特に、立て込み時にパネルの破損リスクが顕在化しやすかった軽量気泡コンクリートの取付け作業時において、上記の取付け方法を採用することにより、人力によって、滑らかに、且つ、安全に、ALCパネル2の損傷を回避しながら、所定の取付け位置までALCパネル2を水平移動させることができる。そして、これにより、ALCパネルの施工にかかる品質安定性や作業の安全性が顕著に向上する。
1 運搬器具
11 パネル載置面
12 パネル支持面
13 パネル補助支持面
14 把持部
15、16、16A 水平移動推進機構(回転ローラー、滑り棒)
161 接地部分高さ調整機構
2 ALCパネル
3 アングル材
4 建物躯体
11 パネル載置面
12 パネル支持面
13 パネル補助支持面
14 把持部
15、16、16A 水平移動推進機構(回転ローラー、滑り棒)
161 接地部分高さ調整機構
2 ALCパネル
3 アングル材
4 建物躯体
Claims (7)
- 平板状のパネル載置面と、
前記パネル載置面の一方の側辺に垂設されている平板状のパネル支持面と、
を有し、
前記パネル支持面には、前記パネル載置面の垂設面とは反対側の面に突出する把持部が設置されていて、
前記パネル載置面の下方には、水平移動推進機構が設置されている、
建材パネル用の運搬器具。 - 前記水平移動推進機構が、回転ローラーである、
請求項1に記載の運搬器具。 - 前記水平移動推進機構が、先端部に低摩擦面が形成されている滑り棒である、
請求項1又は2に記載の運搬器具。 - 前記水平移動推進機構は、推進方向に対して直行する方向に沿って並列配置されていて、
少なくとも、何れか一方の前記水平移動推進機構は、他方の前記水平移動推進機構と独立して接地部分の高さを調整することができる、接地部分高さ調整機構を備える、
請求項1から3の何れかに記載の運搬器具。 - 前記パネル載置面の前記パネル支持面が垂設されている側辺と直交する一側辺に、平板状のパネル補助支持面が垂設されている、
請求項1から4の何れかに記載の運搬器具。 - 前記パネル載置面の前記パネル支持面が垂設されている側辺と直交する両側辺に、対向する一組の平板状のパネル補助支持面が垂設されている、
請求項5に記載の運搬器具。 - 請求項1から5の何れかに記載の運搬器具を2つ組み合せてなる運搬器具セット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020011672A JP2021115995A (ja) | 2020-01-28 | 2020-01-28 | 建材パネル用の運搬器具 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021115995A true JP2021115995A (ja) | 2021-08-10 |
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JP2020011672A Pending JP2021115995A (ja) | 2020-01-28 | 2020-01-28 | 建材パネル用の運搬器具 |
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Country | Link |
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- 2020-01-28 JP JP2020011672A patent/JP2021115995A/ja active Pending
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