JP2021115376A - X線ct装置およびx線高電圧装置 - Google Patents

X線ct装置およびx線高電圧装置 Download PDF

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Abstract

【課題】管電流変調制御におけるフィラメント温度の変化速度をフィラメント電流変化に追従できる程度に緩やかにすることで、管電流の高い変調を実現すること。【解決手段】 実施形態に係るX線CT装置は、取得部と、特定部と、決定部とを備える。取得部は、設定管電流波形を取得する。特定部は、設定管電流波形にもとづいて、第1の管電流の期間と、第1の管電流よりも低い管電流値の第2の管電流の期間と、を特定する。決定部は、第1の管電流の期間に対応する期間に第1のグリッド電圧を印加し、第2の管電流の期間に対応する期間に第1のグリッド電圧よりも高い第2のグリッド電圧を印加するように、グリッド電圧の波形を決定する。【選択図】 図2

Description

本明細書および図面に開示の実施形態は、X線CT(Computed Tomography)装置およびX線高電圧装置に関する。
X線CT装置(Computed Tomography)には、管電流変調をともなう撮影が可能なものがある。管電流変調撮影では、被検体に対するX線のばく射角度や被検体の体軸に沿った位置に応じて管電流を変調させることができる。管電流変調撮影によれば、被検体の体厚が薄いほど管電流値が小さくなるように、管電流を変調させることにより、被検体の被ばくを低減しつつX線CT画像の画質を維持することができる。このため、たとえばサイズの小さい被検体である小児をX線CT撮影する場合にも、良好な画質のX線CT画像を得ることができるとともに被検体に対して不要な被ばくをさせてしまう弊害を未然に防ぐことができる。
管電流変調撮影を行う場合、一般に、X線CT装置はX線管の陰極のフィラメントに印加されるフィラメント電流を制御することにより管電流を変調させる。しかし、フィラメント電流が印加されてから、フィラメントが加熱されて所望の熱電子量を放出するまでには、時間差がある。このため、管電流を急激に変調させようとすると、フィラメント温度の追従が遅れてしまうことがある。したがって、フィラメント電流を制御して管電流を変調させる方法では、フィラメントの温度変化の応答性に応じて管電流の時間変化(変化速度)の大きさが制限されてしまう。この種の制限が課されてしまうと、たとえば人体の胸部などの大きい管電流変化幅、つまり急激な管電流変調が求められる撮影が困難になってしまうことがある。
管電流変調速度を速くする技術として、X線管のカソード部に構成されるグリッド電極に電圧を印加することにより管電流を制御する技術が存在する。しかし、グリッド電圧のみを用いて管電流変調制御する場合は、常に高フィラメント電流を印加する必要があるため、フィラメント寿命が著しく損なわれてしまう問題がある。又、管電流を変調させるためにはグリッド電圧は一般に数百〜数千ボルトの高電圧波形の印加が必要となり、グリッド電圧を精密かつ高速に制御するためには高速高電圧アンプのような大型の電源装置が要求される。搭載容積が限られるX線CT装置の場合大型の電源の搭載は難しく、グリッド電圧の精密且つ高速なフィードバック制御の実現は困難である。
特開2005−230547号公報 特許第4387638号公報
本明細書および図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、管電流変調制御におけるフィラメント温度の変化速度をフィラメント電流変化に追従できる程度に緩やかにすることで、管電流の高い変調を実現することである。ただし、本明細書および図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係るX線CT装置は、取得部と、特定部と、決定部とを備える。取得部は、設定管電流波形を取得する。特定部は、X線管のフィラメント電流応答特性と設定管電流波形にもとづいて、第1の管電流の期間と、第1の管電流よりも低い管電流値の第2の管電流の期間と、を特定する。決定部は、第1の管電流の期間に対応する期間に第1のグリッド電圧を印加し、第2の管電流の期間に対応する期間に第1のグリッド電圧よりも高い第2のグリッド電圧を印加するように、グリッド電圧の波形を決定する。
一実施形態に係るX線CT装置の一構成例を示すブロック図。 一実施形態に係るX線高電圧装置及び処理回路の一構成例を示すブロック図。 フィラメント電流のみで管電流変調制御を行う場合の、設定管電流波形とフィラメント電流制御波形との関係の一例を示す説明図。 フィラメント電流のみで管電流変調制御を行う場合であってフィラメント温度の追従限界付近で動作させた場合について説明するための図。 本実施形態に係るグリッド電圧変化とフィラメント電流変化とを組み合わせた管電流変調制御について説明するための図。 図1に示すX線CT装置により、管電流変調制御におけるフィラメント温度の変化速度を緩やかにする際の手順の一例を示すフローチャート。
以下、図面を参照しながら、X線CT装置およびX線高電圧装置の実施形態について詳細に説明する。
(全体構成)
図1は、一実施形態に係るX線CT装置1の一構成例を示すブロック図である。また、図2は、一実施形態に係るX線高電圧装置14の一構成例を示すブロック図である。なお、図1に示すX線CT装置1は、1つの架台装置10を有するものであるが、説明の都合上、図1には2つの架台装置10を複数描出した。
図1に示すように、X線CT装置1は、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。なお、X線高電圧装置14は、歯科用のCT装置にも適用可能である。
図1に示すように、本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸または寝台装置30の天板33の長手方向をz軸方向、z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をx軸方向、z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をy軸方向とそれぞれ定義するものとする。
X線CT装置1には、X線管と検出器とが一体として被検体の周囲を回転するRotate/Rotate-Type(第3世代CT)、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管のみが被検体の周囲を回転するStationary/Rotate-Type(第4世代CT)等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本実施形態へ適用可能である。以下の説明では、本実施形態に係るX線CT装置1として第3世代のRotate/Rotate-Typeを採用する場合の例を示す。
架台装置10は、X線管11、X線検出器12、撮影領域が内在する開口部19を有する回転フレーム13、X線高電圧装置14、制御装置15、ウェッジ16、コリメータ17、およびデータ収集回路(DAS:Data Acquisition System)18を有する。
X線管11は、カソード(陰極)11c及びアノード(陽極)11aを収容する真空管を有する。カソード(陰極)11cはフィラメント11f、グリッド電極11gを有している。フィラメント11fから放出された熱電子は、フィラメント11fの一端コモン端子11cmとアノード(陽極)11aの間へのX線高電圧装置14からの高電圧の印加により加速され、アノード(陽極)11aへ衝突することによりX線を発生する。
図2に示すように、フィラメント11fの一端に接続されたコモン端子11cmとアノード(陽極)11aは高電圧発生装置51に接続される。フィラメント11fにはフィラメント電源61が接続され、コモン端子11cmとグリッド電極11gの間にはグリッド電源64が接続される。グリッド電極11gには、設定管電流波形にもとづいてX線高電圧装置14が決定したグリッド電圧波形に従って、グリッド電源64により、陰極電位に対するグリッド電圧が印加される。グリッド電極11gにグリッド電圧を印加することにより、カソード(陰極)11cからアノード(陽極)11aに飛来する熱電子の量が抑制されて、管電流値が低下する。グリッド電圧波形については図2−6を用いて後述する。
なお、本実施形態に係るX線管11は、一管球型のX線CT装置にも、X線管と検出器との複数のペアを回転リングに搭載した、いわゆる多管球型のX線CT装置にも適用可能である。
X線検出器12は、X線管11から照射され、被検体Pを通過したX線を検出し、当該X線量に対応した電気信号をDAS18へと出力する。X線検出器12は、X線管11の焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子が配列された複数のX線検出素子列を有する。また、X線検出器12は、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向(列方向、row方向)に複数配列された構造を有する。
また、X線検出器12は、たとえば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有し、シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドはコリメータ(1次元コリメータまたは2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、たとえば、光電子増倍管(フォトマルチプライヤー:PMT)等の光センサを有する。
なお、X線検出器12は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持し、後述する制御装置15によってX線管11とX線検出器12とを回転させる円環状のフレームである。なお、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12に加えて、X線高電圧装置14やDAS18をさらに備えて支持する。
なお、DAS18が生成した検出データは、回転フレーム13に設けられた発光ダイオード(LED)を有する送信機から光通信によって架台装置10の非回転部分(たとえば固定フレーム、図示せず)に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置40へと転送される。図示しない固定フレームは回転フレーム13を回転可能に支持するフレームである。また、回転フレーム13から架台装置10の非回転部分への検出データの送信方法は、光通信に限らず、非接触型のデータ伝送であれば如何なる方式を採用しても構わない。
X線高電圧装置14は、回転フレーム13に設けられてもよいし、架台装置10の固定フレーム側に設けられても構わない。X線高電圧装置14の構成および動作の詳細については図2−6を用いて後述する。
制御装置15は、制御基板に設けられたプロセッサと、記憶回路と、モータおよびアクチュエータ等の駆動機構とを有する。制御装置15は、コンソール装置40または架台装置10に取り付けられた後述する入力インターフェース43からの入力信号を受けて、架台装置10および寝台装置30の制御を行う機能を有する。たとえば、制御装置15は、入力信号を受けて回転フレーム13を回転させる制御や、架台装置10をチルトさせる制御、ならびに寝台装置30および天板33を動作させる制御を行う。なお、架台装置10をチルトさせる制御は、架台装置10に取り付けられた入力インターフェースによって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置15がX軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させることによって実現される。なお、制御装置15は架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられても構わない。
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線があらかじめ定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。たとえば、ウェッジ16(ウェッジフィルタ(wedge filter)、ボウタイフィルタ(bow-tie filter))は、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。コリメータ17は、X線可動絞りと呼ばれる場合もある。
DAS18(Data Acquisition System)は、X線検出器12の各X線検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、電気信号をアナログデジタル変換(AD変換)するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。DAS18が生成した検出データは、コンソール装置40へと転送される。
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを備える。
基台31は、支持フレーム34を鉛直方向(y方向)に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を天板33の長軸方向(z方向)に移動するモータあるいはアクチュエータである。支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。
なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長軸方向(z方向)に移動してもよい。また、寝台駆動装置32は、寝台装置30の基台31ごと移動させてもよい。本発明を立位CTに応用可能な場合は、天板33に相当する患者移動機構を移動する方式であってもよい。
コンソール装置40は、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、ネットワーク接続回路44と、処理回路45とを有する。なお、コンソール装置40は、架台装置10とは別体として説明するが、架台装置10にコンソール装置40の構成要素の一部または全部が含まれてもよい。また、コンソール装置40が単一のコンソールにて全ての機能を実行するものとして以下説明するが、これらの機能は複数のコンソールが実行してもよい。
メモリ41は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等の、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有する。また、メモリ41は、たとえば、投影データや再構成画像データ、あらかじめ取得した被検体Pのボリュームデータなどを記憶する。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。たとえば、ディスプレイ42は、処理回路45によって生成された医用画像(CT画像)や、ユーザからの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。たとえば、ディスプレイ42は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等である。また、ディスプレイ42は、架台装置10に設けられてもよい。また、ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40の本体と無線通信可能なタブレット端末などで構成されてもよい。
入力インターフェース43は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路45に出力する。たとえば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等をユーザから受け付ける。たとえば、入力インターフェース43は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行なうタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、および音声入力回路等により実現される。また、入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40の本体と無線通信可能なタブレット端末などで構成されてもよい。
ネットワーク接続回路44は、ネットワークの形態に応じた種々の情報通信用プロトコルを実装する。ネットワーク接続回路44は、この各種プロトコルに従ってX線CT装置1と画像サーバ等の他の機器とを接続する。この接続には、電子ネットワークを介した電気的な接続などを適用することができる。ここで電子ネットワークとは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、無線/有線の病院基幹LAN(Local Area Network)やインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワークおよび衛星通信ネットワークなどを含む。
処理回路45は、メモリ41に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、X線CT装置1の全体の動作を制御するプロセッサである。処理回路45はスキャン計画等により決定された撮影条件に従いX線高電圧装置14と制御装置15とDAS18とを制御する。
また、本実施形態における処理回路45は、撮影制御回路72を更に備えるものとして説明する。撮影制御回路72に関しては後述する。
(X線高電圧装置の構成)
次に、X線高電圧装置14の構成について説明する。
図2に示すように、X線高電圧装置14は、高電圧発生装置51、管電圧検出回路52、管電圧制御回路53、管電流検出回路54、フィラメント電源61、フィラメント電流検出回路62、フィラメント電源制御回路63、グリッド電源64、グリッド電圧検出回路65、およびグリッド電源制御回路66を有する。
図1のコンソール装置40の処理回路45は撮影制御回路72を有しており、X線高電圧装置14は、後述する撮影制御回路72の指示に従いX線出力制御する。
高電圧発生装置51は、変圧器(トランス)および整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧を発生する機能を有し、管電圧制御回路53に出力電圧を制御される。高電圧発生装置51は、変圧器方式であってもよいしインバータ方式であっても構わない。管電圧検出回路52は、X線管11の管電圧を検出し、検出した管電圧の値に応じた信号を出力して管電圧制御回路53に与える。管電圧制御回路53は、管電圧検出回路52が検出した管電圧値が、撮影制御回路72に設定された設定管電圧値に近づくように、高電圧発生装置51の出力電圧を制御する。
管電流検出回路54は、X線管11に印加されている管電流値を検出し、検出した管電流値に応じた信号を出力してフィラメント電源制御回路63に与える。管電流検出回路54は管電流検出部の一例である。
フィラメント電源61は、X線管11のカソード(陰極)11cのフィラメント11fを加熱するためにフィラメント11fに印加するフィラメント電流を発生する電流源であり、フィラメント電源制御回路63により出力電流を制御される。
フィラメント電流検出回路62は、フィラメント電流を検出し、検出したフィラメント電流の値に応じた信号を出力してフィラメント電源制御回路63に与える。
フィラメント電源制御回路63は、管電流検出回路54が検出した管電流値が、撮影制御回路72に設定された設定管電流波形の管電流値に近づくように、フィラメント電源61の出力電流をフィードバック制御する。フィラメント電源制御回路63は、フィラメント制御部の一例である。
なお、本実施形態では図2に示すように熱電子を放出するフィラメント部としてフィラメント11fを用いる場合の例を説明するが、フィラメント部としてフラットエミッタを用いてもよい。
グリッド電源64は、X線管11のカソード11cのコモン端子11cmとグリッド電極11gとの間にグリッド電圧を印加する電源であり、グリッド電源制御回路66により制御される。典型的には、グリッド電源64によりグリッド電圧が印加される。グリッド電源64は、高電圧発生装置51により発生された電圧を降圧する降圧回路により実現されてもよいし、高電圧発生装置51とは独立の電源系統により実現されてもよい。
グリッド電源制御回路66は、グリッド電圧検出回路65が検出したグリッド電圧値が撮影制御回路72に設定された設定グリッド電圧波形のグリッド電圧値に近づくように、グリッド電源64の出力電圧をフィードバック制御する。
撮影制御回路72は、取得機能721、期間特定機能722、グリッド電圧波形決定機能723、及び記憶回路71を含んで構成される。
撮影制御回路72は、図1のコンソール装置40の処理回路45から設定された情報に基づきフィラメント電源制御回路63、管電圧制御回路53,グリッド電源制御回路66に対する設定値を算出し設定する。撮影制御回路72は、記憶回路71に記憶された管電流変調プログラムを読み出して実行することにより、管電流変調制御におけるフィラメント温度の変化速度に追従できる程度に緩やかにすることで管電流の高い変調を実現するための処理を実行するプロセッサである。
撮影制御回路72のプロセッサは、図2に示すように、取得機能721、期間特定機能722、およびグリッド電圧波形決定機能723を実現する。これらの各機能はそれぞれプログラムの形態で記憶回路71に記憶されている。
取得機能721は、設定管電流波形を取得し、フィラメント電源制御回路63に与える。設定管電流波形は、被検体の形状およびサイズの少なくとも一方に応じて設定されるとよい。たとえば、検査オーダ情報に設定管電流波形が含まれる場合は、取得機能721は検査オーダ情報から設定管電流波形を取得する。また、設定管電流波形は、ユーザにより入力インターフェース43を介して入力されてもよい。また、たとえば検査オーダ情報に被検体の年齢、体重、身長などの形状およびサイズを示唆する情報が含まれている場合は、取得機能721はこれらの情報にもとづいて設定管電流波形を作成することで設定管電流波形を取得してもよい。取得機能721は、取得部の一例である。
期間特定機能722は、設定管電流波形にもとづいて、図5を用いて後述する第1の管電流の期間(以下、第1管電流期間という)T1と、第1管電流期間T1に属する管電流よりも低い管電流値が属する第2の管電流の期間(以下、第2管電流期間という)T2と、を特定する。期間特定機能722は、特定部の一例である。
グリッド電圧波形決定機能723は、図5を用いて後述する第1管電流期間T1に対応する第1グリッド期間Tg1に第1のグリッド電圧を印加し、第2管電流期間T2に対応する第2グリッド期間Tg2に第1のグリッド電圧よりも高い第2のグリッド電圧を印加するように、グリッド電圧の波形を決定する。グリッド電圧波形決定機能723は、決定したグリッド電圧波形に沿って、グリッド電源制御回路66を介してグリッド電源64にグリッド電圧を出力させる。グリッド電圧波形決定機能723は、決定部の一例である。
ここで、撮影制御回路72は、コンソール装置40に含まれる処理回路45に設けられるものとして説明したが、本実施形態はその構成には限定されない。例えば、撮影制御回路72は、X線高電圧装置14に設けられても良いし、コンソール装置40の処理回路45とX線高電圧装置14との間に独立して設けられても良い。
記憶回路71は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等の、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、プログラムや各種データを記憶する。記憶回路71は、たとえば図5を用いて後述する設定管電流波形における期間T1、T2等を特定するための閾値をあらかじめ記憶しておいてもよい。また、記憶回路71は、たとえば管電圧と管電流と焦点サイズとをあらかじめ関連付けたテーブルを記憶しておいてもよい。記憶回路71に記憶されるプログラムおよびデータの一部または全部は、電子ネットワークを介した通信によりダウンロードされてもよいし、光ディスクなどの可搬型記憶媒体を介して記憶回路に与えられてもよい。
(フィラメント電流のみによる管電流変調制御)
図3は、フィラメント電流のみで管電流変調制御を行う場合の、設定管電流波形とフィラメント電流制御波形との関係の一例を示す説明図である。また、図4は、フィラメント電流のみで管電流変調制御を行う場合であってフィラメント温度の追従限界付近で動作させた場合について説明するための図である。なお、以下の説明では、設定管電流波形が正弦波形状を有する場合の例を示すが、設定管電流波形の形状は周期性を有する形状であればよく、正弦波に限られない。
図3に示すように、フィラメント電流のみで管電流変調制御を行う場合、フィラメント電流波形は、設定管電流波形が正弦波であれば、同一周期の正弦波となる。フィラメント電流のみで管電流変調制御を行う場合における、設定管電流波形に対応するフィラメント電流波形を、以下の説明では適宜、単純フィラメント電流波形という。
しかし、上述のとおり、フィラメント電流が印加され、フィラメントの温度が上昇し所望の熱電子量を放出するまでには時間差があるため、管電流を急激に変調させようとしても、管電流の応答が遅れてしまう。又、フィラメント電流を低下させてフィラメントを急激に冷却しようとしても、フィラメント温度の冷却が追従できず管電流の応答は遅れてしまう。特に、管電流の変化速度がフィラメント温度の追従限界付近の場合には、図4に示すように、管電流が設定値を下回ったことを検出しフィラメント電流を再加熱したとしても、管電流が応答するまでには時間がかかり、管電流の検出値が設定管電流波形の管電流値よりも小さくなってしまうアンダーシュートが生じてしまうことがある。このように、フィラメントの熱変化のみによって管電流変調を行う場合、フィラメントの熱応答が緩慢であるために、フィラメント電流が急変化する条件下では、管電流の変調波形が、設定管電流波形から崩れてしまう。
そこで、本実施形態に係るX線高電圧装置14は、グリッド電圧を印加すると管電流が小さくなる現象を利用し、グリッド電圧変化とフィラメント電流変化とを組み合わせて管電流を変調させる。以下、一例を説明する。
(本実施形態に係る管電流変調制御)
図5は、本実施形態に係るグリッド電圧変化とフィラメント電流変化とを組み合わせた管電流変調制御について説明するための図である。なお、設定管電流波形のピークと、フィラメント電流のピークおよびグリッド電圧のピークとは、図4に示すようにフィラメントの熱応答性にもとづく時間差が存在するが、図5においては各ピークが一致するように各波形をシフトさせて記載してある。
また、図5中段に破線で示した波形は、グリッド電圧一定でフィラメント電流のみを変調させて図5の設定管電流になるように制御した場合のフィラメント電流波形、単純フィラメント電流波形である。
以下、設定管電流波形の各期間Ti(ただしiは数字を表す)に対応するフィラメント電流波形の各期間をTfiとし、グリッド電圧波形の各期間をTgiとして説明する。
期間特定機能722は、取得機能721が取得した設定管電流波形から管電流変化速度(時間変化)の大きさを求め、X線管の管電流応答特性と比較する。比較結果から管電流変化速度がX線管の管電流応答特性よりも大きい場合は、フィラメント電流による管電流制御以外に、グリッド電圧による補正制御が必要な期間とみなし、第1管電流期間T1と、第1管電流期間T1に属する管電流よりも低い管電流値が属する第2管電流期間T2と、を特定する。又、グリッド電圧による補正制御の必要性に対しては、設定管電流波形の最大振幅に対する閾値割合(例えば最大電流値の60%以上)による判断でもよい。
ある区間、例えば1スライス区間における管電流変化速度がX線管の管電流応答特性よりも小さい期間をT11、T21とし、管電流変化速度がX線管の管電流応答特性よりも大きい期間をT22、T23とすると、第1管電流期間T1は、設定管電流波形における最高電流値を含む期間T11が特定される。また、第1管電流期間T1は、設定管電流波形における最高電流値を含む期間で、設定管電流波形の最大振幅の閾値割合(たとえば10%)以下の期間として特定されてもよい。
第2管電流期間T2は、第1管電流期間T1以外の期間として特定される。
グリッド電圧波形決定機能723は、第2管電流期間T2に対応する第2グリッド期間Tg2のグリッド電圧(第2のグリッド電圧)が、第1管電流期間T1に対応する第1グリッド期間Tg1のグリッド電圧(第1のグリッド電圧)Vg1よりも高くなるようにグリッド電圧の波形を決定する。以下、第1管電流期間T1に対応する第1グリッド期間Tg1に印加されるグリッド電圧Vg1を適宜、基準グリッド電圧Vg1という。基準グリッド電圧Vg1の情報は、取得機能721により取得されるX線設定条件に含まれるとよい。
グリッド電圧を印加すると、フィラメント電流を小さくせずとも管電流は小さくなる。このため、高いグリッド電圧を印加するほど、設定管電流波形に対応する単純フィラメント電流波形よりも高いフィラメント電流が要求される。したがって、高いグリッド電圧が印加されるほど、フィラメント電流波形は図5中段に破線で例示した単純フィラメント電流波形の底部を押し上げた形状となる。
したがって、第1グリッド期間Tg1のグリッド電圧Vg1よりも第2グリッド期間Tg2のグリッド電圧が高くなるようにグリッド電圧の波形を決定することで、相対的に、第1フィラメント期間Tf1のフィラメント電流と第2フィラメント期間Tf2のフィラメント電流との差が小さくなる。この場合、フィラメント温度の変化幅が小さくなりフィラメント温度の変化速度も当然に小さくなる。このため、グリッド電圧を利用することにより、管電流変調制御におけるフィラメント温度の変化速度を緩やかにすることができる。したがって、グリッド電圧を用いることにより、グリッド電圧を用いずフィラメント電流のみで管電流変調する場合の管電流変化速度の制限よりも、より大きな変化速度で管電流を変調させることができる。
また、期間特定機能722は、第2管電流期間T2をさらに複数の区間要素に分類して特定してもよい。この場合、上述の通り、期間特定機能722は、1スライス区間における管電流変化速度がX線管の管電流応答特性よりも小さい期間を第1管電流期間要素T21に分類し、管電流変化速度がX線管の管電流応答特性よりも大きい期間を第2管電流期間要素T22、第3管電流期間要素T23に分類して特定するとよい(図5上段参照)。第1管電流期間要素T21は、たとえば設定管電流波形における最低電流値を含む期間であって、管電流の時間変化(変化速度)の大きさ(絶対値)が閾値以下の期間または設定管電流波形の最大振幅の閾値割合(たとえば10%)以下の期間として特定されるとよい。また、たとえば第2管電流期間要素T22は、第1管電流期間T1の終端から第1管電流期間要素T21の始端までの下降期間、第3管電流期間要素T23は、第1管電流期間要素T21の終端から第1管電流期間T1の始端までの上昇期間として設定される。
なお、設定管電流波形が正弦波である場合、第1管電流期間T1および第1管電流期間要素T21を特定するための上記閾値や閾値割合は、正弦波のうち直線近似したときの誤差が所定比率以上乖離してしまう期間を第1管電流期間T1および第1管電流期間要素T21と特定するように設定されるとよい。
グリッド電圧波形決定機能723は、第2グリッド期間Tg2における第2のグリッド電圧を、期間要素ごとに異ならせてもよい。第1フィラメント期間要素Tf21は、フィラメント電流が最小値となる期間である。このため、グリッド電圧波形決定機能723は、この期間に対応する第1グリッド期間要素Tg21におけるグリッド電圧が第2、第3グリッド期間要素Tg22、Tg23よりも高いグリッド電圧となるように、第2のグリッド電圧を期間要素ごとに決定するとよい。
最も小さい管電流値が要求される第1管電流期間要素T21に対応する第1グリッド期間要素Tg21において最も高いグリッド電圧を印加することで、グリッド電圧による管電流抑制効果の分、フィラメント電流値の最小値は大きく持ち上げられる。このため、フィラメント温度の変化速度が小さくなるため温度追従性が大幅に改善し、管電流変調の精度が大幅に向上する(図5中段参照)。
また、X線高電圧装置14は、第1管電流期間T1(図5に示す例では管電流の変化速度がX線管の管電流応答特性よりも小さい期間T11に等しい)および第1管電流期間要素T21のように設定管電流の変化速度(傾き)が小さい期間や、変化速度は小さいが精密な管電流制御を必要とする期間では、グリッド電圧を一定値とする静的グリッド電圧制御を行い、フィラメント電流のフィードバック制御によって設定管電流値を得るとよい。
一方、第2管電流期間要素T22および第3管電流期間要素T23のように設定管電流の変化速度がフィラメント電流応答速度よりも大きく、設定管電流が直線的に変化する期間であって変化速度(傾き)がほぼ一定とみなせる期間では、フィラメント電流の変化幅が小さくなるようグリッド電圧をほぼ直線的に変化させるとよい。
図5下段には、グリッド電圧波形が、第2管電流期間要素T22および第3管電流期間要素T23を斜辺とする台形形状となるように決定される場合の例を示した。この場合、図5中段に示すように、管電流の時間変化が大きい(管電流波形の傾きが大きい)期間である第2管電流期間要素T22および第3管電流期間要素T23に対応する期間では、動的グリッド電圧制御を行い、フィラメント電流のフィードバック制御は補助的に設定管電流との誤差の微調整に用いる。また、管電流の時間変化が小さい(管電流波形の極地近傍)期間である第1管電流期間T1および第1管電流期間要素T21では、フィラメント電流のフィードバック制御によって設定管電流値の追従を目指しつつ、グリッド電圧の高速な制御が難しいことからグリッド電圧は変化させずに静的グリッド電圧制御とする。
このように、管電流の時間変化の大きさに応じてグリッド電圧変化とフィラメント電流変化とを組み合わせることにより、フィラメント電流のみを用いて管電流変調制御する場合に比べてフィラメント温度の変化速度を大幅に小さくすることができるため、管電流変調の精度を大幅に向上させることができ、被ばく量を低減しつつ好適な画質のX線CT画像を得ることができるようにX線照射量を最適化することができる。このため、たとえば人体の胸部などの大きい管電流変化速度が求められる撮影であっても、容易にその要求に答えることができる。
また、グリッド電圧のみを用いて管電流変調制御する場合と比べ、グリッド電圧のフィードバック制御が不要であるため簡素な構成で正確に管電流変調制御することができる。この点、本実施形態に係るX線高電圧装置14は、管電流の時間変化の大きさに応じてグリッド電圧変化とフィラメント電流変化とを組み合わせるため、常に高フィラメント電流を印加する必要はなく、フィラメント寿命が損なわれてしまうおそれもない。
なお、グリッド電源64の構成を変更することなく追従可能な許容範囲内で、グリッド電圧波形の台形形状の斜辺を、直線にかえて、設定管電流波形の対応期間の曲線に応じた曲線としてもよい。台形形状の上底および下底も同様に、グリッド電源64の許容範囲内で、設定管電流波形の対応期間の曲線に応じた曲線としてもよい。
図6は、管電流変調制御におけるフィラメント温度の変化速度を緩やかにする際の手順の一例を示すフローチャートである。図6において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
まず、ステップS1において、取得機能721は、検査オーダ情報等にもとづいてX線設定条件を取得する。X線設定条件には、被検体の形状およびサイズの少なくとも一方にもとづいた設定管電流波形が含まれる。また、X線設定条件に基準グリッド電圧Vg1の情報が含まれてもよい。
次に、ステップS2において、期間特定機能722は、設定管電流波形から管電流変化速度を求め、X線管の管電流応答特性と比較する。設定管電流変化速度がX線管応答特性よりも小さい場合(ステップS3のNO)、ステップS6へ進む。一方、設定管電流変化速度がX線管応答特性よりも大きい場合(ステップS3のYES)、ステップS4へ進む。
なお、ステップS4へ進むかどうかの判断については、設定管電流の変化幅(図5の管電流波形振幅)がある閾値(例えば、その区間の最高電流値の60%)以上の場合S4へ進むとしてもよい。閾値は最高管電流値及び、焦点サイズ設定、管電流毎に違っていてもよい。
次に、ステップS4において、ある区間、例えば1スライス間における、第1管電流期間T1と、第1管電流期間T1に属する管電流よりも低い管電流値が属する第2管電流期間T2とを特定する(図5上段参照)。
次に、ステップS5において、グリッド電圧波形決定機能723は、第1管電流期間T1に対応する第1グリッド期間Tg1に第1のグリッド電圧Vg1を印加し、第2管電流期間T2に対応する第2グリッド期間Tg2に第1のグリッド電圧Vg1よりも高い第2のグリッド電圧を印加するように、グリッド電圧の波形を決定する(図5下段参照)。なお、撮影条件が複数スライス且つ、スライス毎に設定管電流波形が違う場合は、スライスまたはある区間ごとにステップS4及びS5を実施し、グリッド電圧波形を決定する。
次に、ステップS6において、グリッド電圧波形決定機能723により決定されたグリッド電圧波形及び、ステップS1で取得した設定管電流波形等のX線設定条件をX線高電圧装置14に設定する。
そして、ステップS7において、X線高電圧装置14はステップS6で設定された条件に基づいてX線出力制御する。
以上の手順により、グリッド電圧変化とフィラメント電流変化とを組み合わせて管電流を変調させることで、管電流変調制御におけるフィラメント温度の変化速度を緩やかにすることができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、管電流変調制御におけるフィラメント温度の変化速度を緩やかにすることができる。
なお、上記実施形態において、「プロセッサ」という文言は、たとえば、専用または汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、または、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(たとえば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサがたとえばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。また、プロセッサがたとえばASICである場合、記憶回路にプログラムを保存するかわりに、当該プログラムに相当する機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行するハードウェア処理により各種機能を実現する。あるいはまた、プロセッサは、ソフトウェア処理とハードウェア処理とを組み合わせて各種機能を実現することもできる。
また、上記実施形態では処理回路の単一のプロセッサが各機能を実現する場合の例について示したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサが各機能を実現してもよい。また、プロセッサが複数設けられる場合、プログラムを記憶する記憶回路は、プロセッサごとに個別に設けられてもよいし、1つの記憶回路が全てのプロセッサの機能に対応するプログラムを一括して記憶してもよい。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 X線CT装置
11 X線管
11a アノード
11c カソード
11cm コモン端子
11f フィラメント
11g グリッド電極
14 X線高電圧装置
61 フィラメント電源
63 フィラメント電源制御回路
64 グリッド電源
65 グリッド電圧検出回路
66 グリッド電源制御回路
72 撮影制御回路
721 取得機能
722 期間特定機能
723 グリッド電圧波形決定機能
T1 第1管電流期間
T2 第2管電流期間
T21 第1管電流期間要素(期間要素)

Claims (7)

  1. 設定管電流波形を取得する取得部と、
    前記設定管電流波形にもとづいて、第1の管電流の期間と、前記第1の管電流よりも低い管電流値の第2の管電流の期間と、を特定する特定部と、
    前記第1の管電流の期間に対応する期間に第1のグリッド電圧を印加し、前記第2の管電流の期間に対応する期間に前記第1のグリッド電圧よりも高い第2のグリッド電圧を印加するように、前記グリッド電圧の波形を決定する決定部と、
    を備えたX線CT装置。
  2. X線管に印加されている管電流値を検出する管電流検出部と、
    前記X線管の陰極のフィラメントを加熱するためのフィラメント電流を発生するフィラメント電源と、
    前記管電流検出部に検出される管電流値が前記設定管電流波形の管電流値に近づくように前記フィラメント電源を制御するフィラメント制御部と、
    をさらに備えた請求項1記載のX線CT装置。
  3. 前記特定部は、
    前記設定管電流波形における最低電流値を含む期間であって、管電流の時間変化の大きさが閾値以下の期間または前記設定管電流波形の最大振幅の閾値割合以下の期間を前記第2の管電流の期間のうちの期間要素として特定し、
    前記決定部は、
    前記期間要素に対応する期間に印加される前記グリッド電圧のほうが前記期間要素を除く前記第2の管電流の期間に対応する期間に印加される前記グリッド電圧よりも高くなるように、前記第2のグリッド電圧の波形を決定する、
    請求項1または2に記載のX線CT装置。
  4. 前記特定部は、
    前記第1の管電流の期間に対応する期間と前記第2の管電流の期間の前記期間要素に対応する期間では前記グリッド電圧が一定値となるとともに前記期間要素を除く前記第2の管電流の期間に対応する期間では前記第2の管電流に応じて前記グリッド電圧を変化させるように、前記グリッド電圧の波形を決定する、
    請求項3記載のX線CT装置。
  5. 前記決定部は、
    前記期間要素を除く前記第2の管電流の期間に対応する期間を斜辺とする台形形状となるよう前記グリッド電圧の波形を決定する、
    請求項4記載のX線CT装置。
  6. 前記特定部は、
    前記設定管電流波形における最高電流値を含む期間であって、管電流の時間変化の大きさが閾値以下の期間または前記設定管電流波形の最大振幅の閾値割合以下の期間を前記第1の管電流の期間として特定し、
    前記決定部は、
    前記第1の管電流の期間に印加される前記第1のグリッド電圧が基準グリッド電圧となるよう前記グリッド電圧の波形を決定する、
    請求項3ないし5のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  7. 設定管電流波形を取得する取得部と、
    前記設定管電流波形にもとづいて、第1の管電流の期間と、前記第1の管電流よりも低い管電流値の第2の管電流の期間と、を特定する特定部と、
    前記第1の管電流の期間に第1のグリッド電圧を印加し、前記第2の管電流の期間に対応する期間に前記第1のグリッド電圧よりも高い第2のグリッド電圧を印加するように、前記グリッド電圧の波形を決定する決定部と、
    を備えたX線高電圧装置。
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