JP2021114899A - 充放電装置、充放電装置の制御方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

充放電装置、充放電装置の制御方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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大起 辻生
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直樹 岡田
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Abstract

【課題】簡易な手法で、ユーザの意図に反して充放電が停止されることを防止する充放電装置、充放電装置の制御方法、及びコンピュータプログラムを提供する。【解決手段】充放電装置は、蓄電池を搭載する電動車両に接続され、前記蓄電池に対する充放電を行う充放電装置であって、予めユーザの操作に基づいて登録される情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、充放電の開始又は終了の可否を判断し、ロックの開始又は解除を指示する制御部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電動車両に対して充放電を行う充放電装置等に関する。
近年、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド車(PHV:Plug in Hybrid Vehicle、PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)等の電動車両が普及している。電動車両が備える蓄電池に対する充放電は、充放電装置により制御される。上記蓄電池に対して充電を行う充電装置の一例が、特許文献1に開示されている。
特許文献1の車両用充電システムでは、充電制御ユニットは、メモリに充電情報と関連付けてパスワードを記憶させ、入力されたパスワードとメモリに記憶されたパスワードとが合致した場合に充電を終了させる。これにより、充電中に不注意等により充電が停止されてしまうことを防止できる。
特許第5670109号公報(2014年12月26日登録)
しかしながら、ユーザの意図に反して充放電が停止されることを防止するためにパスワードを用いる場合、ユーザがパスワードを忘れてしまう可能性がある。この場合、特許文献1のように、精算情報を用いてパスワードを解除したり、警備会社又は管理会社が遠隔操作によりパスワードを解除したりすることになる。
また、特許文献1では、パスワードを忘れないように、プリンタユニットによりパスワードを印字することも可能である。しかし、この場合であっても、パスワードが印字された紙を紛失してしまう可能性がある。
本発明の一態様は、簡易な手法で、ユーザの意図に反して充放電が停止されることを防止することが可能な充放電装置、充放電装置の制御方法、及びコンピュータプログラムを実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る充放電装置は、蓄電池を搭載する電動車両に接続され、前記蓄電池に対する充放電を行う充放電装置であって、予めユーザの操作に基づいて登録される情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、充放電の開始又は終了の可否を判断し、ロックの開始又は解除を指示する制御部とを備える。
上記の構成によれば、充放電装置のユーザの操作に基づいて登録される情報に基づいてロックできる。つまり、充放電装置は、当該情報に基づいて、電動車両への充放電を開始又は終了させることができる。
また、個人特定情報を登録しておくことで、電動車両への充放電の停止前に、当該個人登録情報の認証を行うことが可能となる。つまり、個人特定情報を登録しておくことで、当該個人登録情報の認証を行うことを、電動車両への充放電の停止条件とすることができる。この場合、充放電装置は、所定の停止条件を満たす(例:満充電となる)か、又は個人登録情報の認証に成功しない限り充放電を停止できない。そのため、ユーザの意図に反して充放電が停止されることを防止できる。
また、ユーザの意図に反して充放電が停止されることを防止するために、充放電装置の操作前から個人が予め所有している個人特定情報を用いることで、ユーザが忘れてしまうことに起因して必要となるシステムが不要となる。
つまり、充放電装置の操作前から個人が予め所有している個人特定情報を登録し、かつ登録したことを電動車両への充放電の開始条件とすることで、簡易な手法で、ユーザの意図に反して充放電が停止されることを防止することが可能となる。
なお、充放電装置の操作前から個人が予め所有している個人特定情報としては、(1)個人が生来有している生体情報、又は(2)充放電装置の操作前から個人が予め所有している物体に記憶されている個人特定情報が挙げられる。当該物体としては、例えば、充放電装置を使用するための会員登録を行った場合に発行される会員登録カードを除くカード類、携帯情報端末、又はリモコンキーが挙げられる。
本発明の一態様に係る充放電装置では、前記制御部は、充放電開始の際にロックを開始し、充放電の停止条件が満たされておらず、且つ、充放電の停止指示の入力操作を受け付けた場合、前記記憶部に記憶されている情報と一致する情報が取得されるまで、ロック状態を維持してもよい。
本発明の一態様に係る充放電装置では、前記制御部は、充放電の停止条件が満たされた場合、又は、前記停止指示の入力操作を受け付けて前記記憶部に記憶されている情報と一致する情報が取得された場合、前記ロック状態を解除し、充放電を停止してもよい。
本発明の一態様に係る充放電装置では、前記制御部は、前記記憶部に情報が記憶されている場合に、充放電の開始を可としてもよい。
本発明の一態様に係る充放電装置は、タッチパネル、充放電の開始指示用のスタートボタン、又は充放電の停止指示用のストップボタンを含む操作部を備え、前記制御部は、前記操作部における入力操作を受け付けて前記情報を取得してもよい。
本発明の一態様に係る充放電装置の制御方法は、蓄電池を搭載する電動車両と接続し、前記蓄電池に対する充放電を行う充放電装置の制御方法であって、予めユーザの操作に基づいて登録される情報を記憶し、記憶された情報に基づいて、前記蓄電池への充放電の開始又は終了の可否を判断し、ロックの開始又は解除を制御する処理を含む。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、蓄電池を搭載する電動車両と接続し、前記蓄電池に対する充放電を行う充放電装置のコンピュータに、予めユーザの操作に基づいて登録される情報を記憶し、記憶された情報に基づいて、前記蓄電池への充放電の開始又は終了の可否を判断し、ロックの開始又は解除を制御する処理を実行させる。
上記の構成によれば、充放電装置のユーザの操作に基づいて登録される情報に基づいてロックできる。つまり、充放電装置は、当該情報に基づいて、電動車両への充放電を開始又は終了させることができる。
本発明の一態様に係る充放電装置、充放電装置の制御方法、及びコンピュータプログラムによれば、簡易な手法で、ユーザの意図に反した充放電装置の操作を防止できる。
実施形態1に係る充放電システムの構成例を示す図である。 上記充放電システムが備える充放電装置の処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態2に係る充放電システムの構成例を示す図である。
本発明の一態様に係る充放電装置について、以下の各実施形態において説明する。なお、本願において「充放電装置」は、(1)充電及び放電の両方を行うことが可能な充放電装置、(2)充電のみを行う充電装置、並びに、(3)放電動作のみを行う放電装置のいずれかの装置を指す。換言すれば、本願の充放電装置は、充放電装置、充電装置及び放電装置を含む概念である。また、本願において「充放電」は、充電及び放電の両方の動作を包括的に含むものである。つまり、本願の「充放電」は、充電及び放電の少なくともいずれかの動作を指すものである。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
〔充放電システムの構成〕
図1は、本実施形態に係る充放電システムの構成例を示す図である。図1に示すように、充放電システムは、充放電装置1、及び充放電装置1に接続可能な電動車両100を含む。
充放電装置1は、電動車両100が搭載する車載蓄電池102に対する充放電を制御するものである。充放電装置1は、例えば、公共施設、民間事業者の施設、又は、マンションの駐車場に設置され、不特定多数の者が使用可能である。また、充放電装置1は、例えば、一般住宅の駐車場に設置されても構わない。公共施設、又は民間事業者の施設としては、例えば、高速道路のサービスエリア、又はショッピングモール等の商業複合施設が挙げられる。
電動車両100は、走行時に用いられる電力を蓄えるための大容量の車載蓄電池102を搭載する。電動車両100は、駆動用の蓄電池を搭載しており、当該蓄電池内の電力を駆動力に変換して走行可能な各種の車両を含む。当該車両としては、例えば、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド車(PHV:Plug in Hybrid Vehicle、PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又は燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)が挙げられる。
〔充放電装置の構成〕
充放電装置1は、充放電装置本体2、コネクタ3及びケーブル4を備える。
充放電装置本体2は、車載蓄電池102に対する充放電を制御するものである。充放電装置本体2は、例えば、(1)ユーザによる入力操作、(2)電動車両100からの指示、又は、(3)ネットワークを介して接続可能なコントローラ(不図示)からの指示に基づき、車載蓄電池102に対する充放電を行う。つまり、充放電装置本体2は、これらのいずれかの指示に基づき、充電運転及び放電運転の開始、停止又は切替えを行う。コントローラとしては、例えばEMS(Energy Management System)コントローラが挙げられる。
また、充放電装置本体2は、商用電力系統又は電子機器(いずれも不図示)と電力の授受が可能なように接続されていても構わない。この場合、充放電装置本体2は、商用電力系統の停電時に、車載蓄電池102内の電力を電子機器に供給する自立運転を行うことが可能である。また、非停電時に、商用電力系統からの電力に加え、車載蓄電池102内の電力を電子機器に供給する系統連系運転を行うことも可能である。
また、充放電装置本体2は、充放電装置1の使用に対する料金の支払い(課金)をユーザに要求しても構わない。この場合、例えば、充電量又は充電時間に基づき料金(単価)が予め設定されている。充放電装置本体2は、充放電装置1の使用時に、ユーザに、充電量又は充電時間を入力(選択)させた後に、充電量又は充電時間に基づく料金の支払いを要求する。充放電装置本体2は、料金の支払いが完了した時点で、充放電装置1の使用を許可する。つまり、この場合、充放電前に(事前に)料金の支払いが行われる。
充放電前の料金の支払いの場合、定額制を採用しても構わない。この場合、充放電装置本体2は、例えば、充放電装置1の使用時に、予め設定された充電量又は充電時間に対応する料金をユーザに提示する。充放電装置本体2は、提示した料金の支払いが完了した時点で、充放電装置1の使用を許可する。
料金の支払いは、充放電装置1による充放電が完了した後(事後)であっても構わない。充放電完了後の料金の支払いの場合、従量制を採用しても構わない。この場合、充放電装置本体2は、上記単価と、実際の充電量及び充電時間とに基づき、料金(請求金額)を算出しユーザに提示する。充放電装置本体2は、提示した料金の支払いが完了した時点で、コネクタ3のロックを解除する。つまり、この場合、所定の停止条件を満たした場合、又は個人特定情報の認証が成功した場合であっても、充放電装置本体2は、料金の支払い完了を認識しない限り、コネクタ3のロックを解除しない。なお、上記所定の停止条件としては、例えば、予め設定された充放電の終了容量への到達、満充電容量への到達、又は、外部(例:電動車両100)からの停止指示が挙げられる。
また、充放電装置1は、車載蓄電池102に関する電池情報に基づく複数の料金情報(当該料金情報に対応する充放電量)を提示することで、複数の料金情報から1つの料金情報をユーザに選択させても構わない。この場合、例えば、充放電装置本体2は、コネクタ3が電動車両100の充電口101に接続されたときに、車載蓄電池102の電池残容量(又は電池充電率)及び電池総容量を示すデータを、電池情報として電動車両100から取得する。充放電装置本体2は、取得した電池情報、及び、充電量又は充電時間に基づき予め設定された単価に基づき、車載蓄電池102の現状の充電率から所定の充電率に到達するまでの料金、又は所定の時間の充放電に係る料金等を算出し、算出した料金をユーザに提示する。充放電装置本体2は、例えば、「電池充電率80%までの充電=○○円」、「満充電までの充電=△△円」、及び「●時間の充電=▽▽円」といった複数の料金情報を提示する。ユーザにより1つの料金情報が選択されると、充放電装置本体2は、当該料金情報に示される充放電を行う。なお、料金情報に基づく料金の支払いは、充放電前であっても事後であっても構わない。
現状の充放電システムでは、会員登録(事前登録)を行い、毎月定額の会員費用を支払うことで、充放電システムの使用を許可している場合が多い。このような充放電システムの場合、充放電システムを使用するために、会員登録を行うという手間が発生する。一方、上記の場合、充放電装置1は、充放電装置1を使用するたびに料金の支払いを要求する。ユーザは、会員登録という手間を発生させることなく、充放電装置1を使用できる。つまり、料金の支払い要する充放電システムにおいても、料金さえ支払えば誰でも充放電装置1を使用できる。また、充電量又は充電時間に基づき料金設定が行われることで、ユーザは、充放電装置1の使用時に、充電量又は充電時間に応じた料金を支払うだけでよい。
なお、会員登録無しで使用できる充放電装置1において、料金の支払い(決済)は、例えば、現金、クレジットカード、又はIC(Integrated Circuit)カード(例:交通系ICカード)によって行われる。
コネクタ3は、電動車両100の充電口101に接続されるものである。充放電装置1は、コネクタ3の充電口101への接続により、車載蓄電池102に対する充放電を行うことが可能となる。コネクタ3は、充放電時に、充電口101にロックされて充電口101から外れないようにするための機構であるコネクタロック部31を備える。
ケーブル4は、一端が充放電装置本体2に接続され、他端にコネクタ3が設けられている。ケーブル4には、例えば、動力線、アナログ線及びCAN信号線が含まれる。動力線は、車載蓄電池102を充放電するために、充放電装置本体2からコネクタ3に、又はコネクタ3から充放電装置本体2に電力を供給するものである。アナログ線及びCAN信号線は、車載蓄電池102の充放電時に、充放電装置本体2とコネクタ3との間でやり取りされる各種の信号を送受信するものである。
〔充放電装置本体の構成〕
充放電装置本体2は、充放電回路10、情報取得部20、タッチパネル30、スタートボタン40、ストップボタン50、制御部60、及び記憶部70を備える。
充放電回路10は、内部に設けられた蓄電池(不図示)又は外部からの電力を、車載蓄電池102へと供給する(充電運転)。また、充放電回路10は、車載蓄電池102から電力を取り出し、内部に設けられた蓄電池又は外部へと供給する(放電運転)。
情報取得部20は、充放電装置1の操作前から個人が予め所有しており、かつ個人を特定するための個人特定情報を取得する。情報取得部20は、特に、入力に手間を要するパスワード以外の個人特定情報を取得する。情報取得部20は、充放電の開始前(スタートボタン40が押下された時)、又は停止前(ストップボタン50が押下された時)に、個人特定情報を受付可能な状態となる。情報取得部20が個人特定情報を取得する取得先、及び個人特定情報の具体例については、個人特定情報の取得態様の例を挙げて後述する。
タッチパネル30は、ユーザの入力操作を受け付けるとともに、充放電に関する種々の表示を行う。なお、個人特定情報の取得形態によっては、タッチパネル30が情報取得部20の機能を有していてもよい。
スタートボタン40は、ユーザの入力操作として、充放電を開始するための開始指示を受付ける操作部である。ストップボタン50は、ユーザの入力操作として、充放電を停止するための停止指示を受付ける操作部である。なお、タッチパネル30で開始指示及び停止指示を受付ける場合には、スタートボタン40及びストップボタン50は不要である。
制御部60は、充放電装置1を統括的に制御するものであり、主として、充放電制御部61、情報取得制御部62、情報登録部63、情報判定部64、及びコネクタ制御部65を備える。
充放電制御部61は、ユーザによる入力操作等に基づき、充放電回路10を制御することで、車載蓄電池102に対する充放電を制御する。また、充放電制御部61は、充放電中であることを、タッチパネル30に表示しても構わない。タッチパネル30への表示に代えて、例えば発光ダイオードを設けておき、発光ダイオードを点灯(点滅)させても構わない。
情報取得制御部62は、情報取得部20が個人特定情報を取得できるように、情報取得部20を制御する。
情報登録部63は、情報取得部20が取得した個人特定情報を記憶部70に記憶することで、個人特定情報を登録する。情報登録部63は、充放電制御部61により充放電が停止されるときに、登録した個人特定情報を削除しても構わない。例えば、情報登録部63は、以下の(1)又は(2)の処理後に、登録した個人特定情報を削除する。
(1)情報判定部64により後述の認証が成功したと判定された場合に、充放電制御部61による充放電が停止され、かつコネクタ制御部65により充電口101に接続されたコネクタ3のロックが解除された後。
(2)充放電制御部61が、所定の停止条件を満たした(例:満充電となった)と判定した場合に、充放電を停止した後。
但し、情報登録部63は、(1)の場合であっても、充放電制御部61による充放電が停止された後、コネクタ3のロック解除を待たずに、登録した個人特定情報を削除しても構わない。
情報判定部64は、情報登録部63が登録した個人特定情報と、充放電を停止するときに情報取得部20が取得した個人特定情報とが一致するか否かを判定することで、個人特定情報の認証を行う。
コネクタ制御部65は、コネクタロック部31を制御することで、コネクタ3を充電口101とロックしたり、そのロックを解除したりする。
本実施形態では、コネクタ制御部65は、情報登録部63が個人特定情報を登録した場合に、コネクタロック部31を制御して、充電口101に接続されたコネクタ3をロックする。つまり、コネクタロック部31は、情報登録部63が個人特定情報を登録したときに充放電の開始条件を満たしたと判定することで、充電口101に接続されたコネクタ3をロックする。充放電制御部61は、コネクタ3がロックされたことを受けて充放電を開始する。
また、コネクタ制御部65は、情報登録部63が登録した個人特定情報と、充放電を停止するときに情報取得部20が取得した個人特定情報とが一致すると情報判定部64により判定された場合に、コネクタロック部31を制御してコネクタ3のロックを解除する。つまり、コネクタロック部31は、情報判定部64による個人特定情報の認証が成功したときに充放電の停止条件を満たしたと判定することで、コネクタ3のロックを解除する。また、充放電制御部61は、個人特定情報の認証が成功したときに充放電の停止条件を満たしたと判定することで(つまり、コネクタ3のロックが解除されるタイミングで)、充放電を停止する。
また、コネクタ制御部65は、情報判定部64による個人特定情報の認証が行われなくても、所定の停止条件を満たした場合(例:満充電となった場合)には、コネクタロック部31を制御して、コネクタ3のロックを解除する。
記憶部70は、充放電装置1による処理に必要な情報を記憶する。記憶部70は、例えば、情報登録部63が登録した個人特定情報を記憶する。
<個人特定情報の取得態様>
次に、情報取得部20による個人特定情報の取得態様の一例について説明する。情報取得部20は、例えば、カード類、生体、携帯情報端末、又は電動車両のリモコンキーから、個人特定情報を取得する。以下に説明するように、これらの対象物から取得される個人特定情報は、充放電装置1の操作前からユーザが予め所有している情報であり、かつ充放電の開始前にユーザによる設定が不要な情報である。
(カード類からの取得)
例えば、情報取得部20は、個人特定情報が記憶されたカードから、個人特定情報を取得する。カードとしては、例えば、磁気カード又はICカードが挙げられる。具体的には、クレジットカード、運転免許証、又は交通系ICカード等が挙げられる。これらのカードには、一般に、ユーザを特定するための情報として、例えばユーザ固有の情報(例:ユーザ固有番号)、又はカード固有の情報(例:カード固有番号)が記憶されている。情報取得部20は、当該情報を個人特定情報として取得する。カードにユーザの氏名が含まれている場合には、情報取得部20は、当該氏名を示す情報を個人特定情報として取得しても構わない。
カードから個人特定情報を取得する場合、情報取得部20は、例えばカードに埋め込まれ、かつ情報を記録可能な記憶部材(例:磁気テープ、又はICタグ)に記憶された個人特定情報を読取る読取部として機能する。
情報取得制御部62は、例えばスタートボタン40が押下されると、所定時間、情報取得部20を、カードに記憶された個人特定情報を読取ることが可能な状態とする。この状態においてユーザがカードを情報取得部20に通す、又は情報取得部20に接触もしくは接近させることで、情報取得部20は、カードに記憶された個人特定情報を取得する。情報登録部63は、情報取得部20が取得した、カードに記憶された個人特定情報を、記憶部70に記憶する。
また、情報取得制御部62は、例えばストップボタン50が押下されたときも、情報判定部64が個人特定情報の認証を行うために、所定時間、情報取得部20を、カードに記憶された個人特定情報を読取ることが可能な状態とする。
(生体からの取得)
例えば、情報取得部20は、ユーザ個人の生体情報を個人特定情報として取得する。生体情報としては、例えば、ユーザの指紋、顔、目(虹彩)、静脈又は音声の特徴を示す情報が挙げられる。生体から個人特定情報を取得する場合、情報取得部20は、例えば指先(指紋)、顔、目(虹彩)又は手(静脈)を撮像する撮像装置として機能する。また、情報取得部20は、例えば音声を取得する集音装置として機能する。
情報取得制御部62は、例えばスタートボタン40が押下されると、所定時間、情報取得部20を、ユーザを撮像可能な状態、又はユーザの音声を取得可能な状態とする。指紋の場合、情報取得部20は、例えば、指紋を読取る読取領域(情報取得部20の前)にユーザの指が載置されたときに、当該指(指紋)を撮像する。顔、虹彩又は静脈の場合、情報取得部20は、例えば、情報取得部20の前の所定位置に近づけられたユーザの顔、目又は手を撮像する。音声の場合、情報取得部20は、例えば、所定時間に亘って発せられるユーザの声を取得する。
情報取得制御部62は、情報取得部20が取得した指紋、顔、虹彩又は静脈の像を解析することで、指紋、顔、虹彩又は静脈の特徴を特定する。また、情報取得制御部62は、情報取得部20が取得したユーザの声を解析することで、ユーザの声紋を特定する。情報登録部63は、特定された指紋の特徴等を示す個人特定情報を、記憶部70に記憶する。
また、情報取得制御部62は、例えばストップボタン50が押下されたときも、情報判定部64が個人特定情報の認証を行うために、所定時間、情報取得部20を、ユーザの生体から個人特定情報を読取ることが可能な状態とする。ここでの認証としては、指紋認証、顔認証、虹彩認証、静脈認証又は声紋認証が挙げられる。
(携帯情報端末からの取得)
例えば、情報取得部20は、個人特定情報が記憶された携帯情報端末から、個人特定情報を取得する。携帯情報端末としては、例えば、携帯電話機(例:スマートフォン)、又はタブレットが挙げられる。携帯情報端末には、一般に、ユーザを特定するための情報として、機器固有の情報(例:機器固有番号(電話番号等))、メールアドレス、住所又は氏名等の各種情報が記憶されている。情報取得部20は、当該情報を個人特定情報として取得する。
携帯情報端末から個人特定情報を取得する場合、情報取得部20は、携帯情報端末との通信を行う通信部として機能する。例えば、携帯情報端末が無線通信機能を有している場合、情報取得部20は、無線通信機能(無線を介して個人特定情報を受信する機能)を有する。無線通信機能としては、例えば、赤外線通信機能、Bluetooth(登録商標)通信機能、NFC(Near Field Communication)通信機能、又はWiFi(登録商標)通信機能が挙げられる。携帯情報端末が上述した個人特定情報を示す2次元コード(例:QRコード(登録商標))を生成できる場合、情報取得部20は、2次元コードを読取る読取部(バーコードリーダ)として機能する。
情報取得制御部62は、例えばスタートボタン40が押下されると、所定時間、情報取得部20を、携帯情報端末に記憶された個人特定情報を読取ることが可能な状態とする。この状態において、ユーザが携帯情報端末において個人特定情報を送信状態(2次元コードの場合には表示状態)とすることで、情報取得部20は、携帯情報端末に記憶された個人特定情報を取得する。情報登録部63は、情報取得部20が取得した、携帯情報端末に記憶された個人特定情報を、記憶部70に記憶する。
また、情報取得制御部62は、例えばストップボタン50が押下されたときも、情報判定部64が個人特定情報の認証を行うために、所定時間、情報取得部20を、携帯情報端末に記憶された個人特定情報を読取ることが可能な状態とする。
(電動車両のリモコンキーからの取得)
例えば、情報取得部20は、電動車両100のリモコンキー(スマートキーを含む)に記憶された、当該リモコンキーを特定するための個体特定情報(例:リモコンキー固有の番号)を、個人特定情報として取得する。
リモコンキーから個体特定情報を取得する場合、情報取得部20は、リモコンキーから発信される電波によって伝送される個人特定情報を受信する受信部として機能する。
情報取得制御部62は、例えばスタートボタン40が押下されると、所定時間、情報取得部20を、リモコンキーに記憶された個体特定情報を受信可能な状態とする。つまり、リモコンキーから発信される電波を受信可能な状態とする。この状態において、ユーザがリモコンキーのドアロック又はドアロック解除のための操作ボタンを押下することで、情報取得部20は、リモコンキーに記憶された個体特定情報を取得する。情報登録部63は、情報取得部20が取得した、リモコンキーに記憶された個体特定情報を、記憶部70に記憶する。
また、情報取得制御部62は、例えばストップボタン50が押下されたときも、情報判定部64が個体特定情報の認証を行うために、所定時間、情報取得部20を、リモコンキーに記憶された個体特定情報を受信可能な状態とする。
〔充放電装置における処理の流れ〕
次に、図2を用いて、充放電装置1の各種処理の一例について説明する。図2は、充放電システムが備える充放電装置1の処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートでは、一例として、カードに記憶された個人特定情報を用いて、車載蓄電池102に対する充放電の開始又は停止が制御される場合について説明する。但し、カード以外の対象物から個人特定情報を取得する場合であっても、その取得のための部材又は動作等が異なる以外については、本フローチャートと同様の処理が行われる。
まず、充放電制御部61は、スタートボタン40がオンになったか否かを判定する(S1)。ユーザによりスタートボタン40が押下された場合(スタートボタン40が開始指示の入力操作を受付けた場合)、充放電制御部61は、スタートボタン40がオンになったと判定する。また、S1では、充放電制御部61は、スタートボタン40がオンになることを待機している状態である。つまり、スタートボタン40がオンされるまで(S1でNO)、S1の処理が行われる。
この待機している状態において、充放電制御部61が、スタートボタン40がオンになったと判定した場合(S1でYES)、情報取得制御部62は、情報取得部20を、カードに記憶された個人特定情報を読取り可能な状態とする。またこのとき、制御部60は、例えばタッチパネル30を介して、個人特定情報を情報取得部20に読取らせるようユーザに促すための通知を行っても構わない。これにより、情報取得制御部62は、カードに記憶された個人特定情報を取得したか否かを判定する待機状態となる(S2)。つまり、カードに記憶された個人特定情報が読取られるまで(S2でNO)、S2の処理が行われる。
情報取得制御部62は、カードに記憶された個人特定情報を取得したと判定した場合(S2でYES)、情報登録部63は、情報取得部20が取得した個人特定情報を登録する(記憶部70に記憶する)(S3)。コネクタ制御部65は、情報登録部63による個人特定情報の登録が完了すると、コネクタ3をロックする(S4)。充放電制御部61は、コネクタ3がロックされた後、車載蓄電池102への充放電を開始する(S5)。
充放電中、充放電制御部61は、ストップボタン50がオンになったか否かを判定する(S6)。ユーザによりストップボタン50が押下された場合(ストップボタン50が停止指示の入力操作を受付けた場合)、充放電制御部61は、ストップボタン50がオンになったと判定する。
充放電制御部61は、ストップボタン50がオンになったと判定した場合(S6でYES)、情報取得制御部62は、S2と同様、情報取得部20を、カードに記憶された個人特定情報を読取り可能な状態とする。タッチパネル30は、読取り可能な状態である旨の通知を行っても構わない。これにより、情報取得制御部62は、カードに記憶された個人特定情報を取得したか否かを判定する待機状態となる(S7)。つまり、カードに記憶された個人特定情報が読取られるまで(S7でNO)、S7の処理が行われる。
なお、S2又はS7で個人特定情報を読取り可能な状態となってから所定時間が経過した場合には、情報取得制御部62が当該状態を解除すると共に、例えばタッチパネル30を介してその旨をユーザに通知しても構わない。また、充放電制御部61がスタートボタン40又はストップボタン50のオン状態を解除することで、S1又はS6の処理に戻っても構わない。
情報取得制御部62がカードに記憶された個人特定情報を取得したと判定した場合(S7でYES)、情報判定部64は、今回取得した個人特定情報を、S3で登録された個人特定情報と照合する。これにより、情報判定部64は、これら2つの個人特定情報が一致するか否か(認証が成功したか否か)を判定する(S8)。情報判定部64による照合の結果、2つの個人特定情報が一致している(認証が成功した)と判定された場合(S8でYES)、充放電制御部61は、車載蓄電池102への充放電を停止する(S9)。その後、コネクタ制御部65は、コネクタロック部31を制御することでコネクタのロックを解除する(S10)。
情報判定部64により2つの個人特定情報が一致していない(認証が失敗した)と判定された場合(S8でNO)、S7の処理に戻る。この場合、情報取得制御部62は、情報取得部20を、カードに記憶された個人特定情報を読取り可能な状態とする。また、制御部60は、例えばタッチパネル30を介して、認証が失敗したことに伴い、個人特定情報を情報取得部20に再度読取らせるようユーザに促すための通知を、ユーザに対して行っても構わない。
なお、情報判定部64は、所定回数、S8の処理(個人特定情報の認証)を繰り返した後に、認証の成否を判定しても構わない。また、S8でNOと判定した場合には、ストップボタン50のオン状態を解除すると共に、その旨をユーザに通知しても構わない。
また、S6においては上述のように、充放電制御部61は、充放電中、ストップボタン50の押下の待機状態である。この待機状態において(S6でNO)、充放電制御部61は、所定の停止条件を満たしたか(例:満充電になったか)否かを判定している(S11)。充放電制御部61は、所定の停止条件を満たしたと判定した場合(S11でYES)、ストップボタン50が押下されていなくても、充放電装置1が正常な充放電の停止可能状態であると判定できるため、車載蓄電池102への充放電を停止する(S9)。
このように、充放電装置1は、S3で個人特定情報を登録することを充放電の開始条件の1つとし、S8で個人特定情報の認証が成功することを充放電の停止条件の1つとしている。つまり、充放電装置1は、充放電の停止前に、充放電の開始前と同じ動作(ここでは、カードに記憶された個人特定情報の読取り動作)が行われた場合に、充放電を停止する。
また、充放電装置1は、所定の停止条件を満たすことを充放電の停止条件の1つとしている。つまり、充放電装置1は、個人特定情報の認証が行われずとも、所定の停止条件を満たした場合には、充放電を停止する。
なお、上述したように、情報登録部63は、S9で充放電が停止された後、又は、S10でコネクタ3のロックが解除された後に、S3で登録した個人特定情報を削除しても構わない。
<主な効果>
従来の充放電装置は、ストップボタンを押下すれば誰でも充放電を停止できるので、ユーザ又は管理者以外の第三者が、例えば悪戯により、充放電を途中で停止する可能性があった。また、会員登録しないと使用できない充放電装置の場合、非登録者は、急な充放電を要する場合であっても充放電装置を使用できなかった。
本実施形態の充放電装置1によれば、例えばパスワード以外の、充放電装置1の操作前から個人が予め所有している個人特定情報を取得し、かつ登録した場合に、コネクタをロックできる。つまり、充放電装置1の操作前から個人が予め所有している個人特定情報の登録を条件として、電動車両100への充放電を開始できる。また、個人特定情報を登録しておくことで、当該個人登録情報の認証を行うことを、電動車両100への充放電の停止条件とすることができる。この場合、充放電装置1は、個人登録情報の認証に成功しない限り充放電を停止できない。そのため、ユーザの意図に反して充放電が停止されることを防止できる。
充放電装置1は、充放電の開始前及び停止前に、充放電装置1の操作前から個人が予め所有している個人特定情報を、例えばカード類、生体、携帯情報端末、又は電動車両のリモコンキーから取得することを条件としている。つまり、充放電装置1は、充放電の停止時に、充放電の開始時の動作(操作)と同じ動作を受け付けた場合に、充放電を停止し、かつコネクタ3のロックを解除できる。
ここで、個人特定情報としてパスワードを用いる場合、ユーザには、パスワードを入力するという手間が発生する。また、ユーザはパスワードを覚えておく必要がある。換言すれば、ユーザは、パスワードを忘れてしまう可能性がある。パスワードを忘れた場合には、充放電を停止できなくなってしまう。パスワードを忘れてしまうことを防止するために、例えばプリンタユニットを設けておき、パスワードを印字する手法も考えられる。しかしこの場合、プリンタユニットのメンテナンスが必要となる。また、パスワードを印字した用紙を紛失する可能性もある。さらに、パスワードを忘れた場合、又はパスワードを印字した用紙を紛失した場合、例えば、入力したパスワードとは異なる情報(例:精算情報)を用いてパスワードを解除したり、警備会社又は管理会社によるパスワード解除のための対応が必要となったりする。
本実施形態の充放電装置1では、充放電装置1の操作前から個人が予め所有している個人特定情報を用いているため、上述したようなパスワードを用いることに起因した事態が生じることを回避できる。例えば、プリンタユニットを備える必要が無いため、プリンタユニットのメンテナンスが必要無く、また、個人特定情報の認証におけるペーパレス化を実現できる。つまり、充放電装置1では、充放電装置1の操作前から個人が予め所有している個人特定情報を登録し、かつ登録したことを電動車両100への充放電の開始条件とすることで、簡易な手法で、ユーザの意図に反して充放電が停止されることを防止することが可能となる。
また、個人特定情報は、充放電装置1を使用するための会員登録が行われることなく取得可能な情報である。そのため、ユーザは、充放電装置1を使用するための会員登録を事前に行わずとも、充放電装置1の開始前に個人特定情報を入力するだけで充放電装置1を使用できる。そのため、ユーザは、会員登録無しでも充放電装置1を使用できる。
このように、本実施形態の充放電装置1によれば、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、充放電装置1は、所定の停止条件を満たした場合には、個人特定情報の認証を行わずとも充放電を停止できる。そのため、例えば充放電の対象となっている電動車両100のユーザが現場に戻っていなくても、所定の停止条件を満たした場合には、コネクタ3のロックを解除できる。そのため、当該電動車両100に対する個人特定情報の認証を待つことなく、次の電動車両100への充放電を開始できる。つまり、次のユーザによる充放電装置1の使用が可能となる。そのため、複数の電動車両100に対して充放電を行う場合に、充放電の待機時間を低減できる。
また、本実施形態では、充放電装置1にて個人特定情報の認証を行う場合、当該認証にサーバを使用する必要が無いので、充放電システムの構成を簡素化できる。
<その他の個人特定情報の取得態様>
情報取得部20は、充放電装置1の操作前から個人が予め所有している個人特定情報を取得しているが、これに限られない。情報取得部20は、個人によるジェスチャ動作を個人特定情報として取得しても構わない。
この場合、情報取得部20は、例えばジェスチャ動作を行うユーザを撮像する撮像装置として機能する。情報取得制御部62は、例えばスタートボタン40が押下されると、所定時間、情報取得部20を、ジェスチャ動作を行うユーザを撮像可能な状態とする。情報取得部20は、所定時間に亘って動作するユーザを撮像する。情報取得制御部62は、情報取得部20が取得したユーザの像を解析することで、ジェスチャ動作を特定する。情報登録部63は、特定されたジェスチャ動作を示す個人特定情報を、記憶部70に記憶する。
また、情報取得制御部62は、例えばストップボタン50が押下されたときも、情報判定部64が個人特定情報の認証を行うために、所定時間、情報取得部20を、ジェスチャ動作を行うユーザを撮像可能な状態とする。
この取得態様の場合も、ユーザがジェスチャ動作を行うだけで、充放電装置1により個人特定情報が取得される。つまり、充放電装置1は、簡易な手法で、ユーザの意図に反して充放電が停止されることを防止することが可能となる。
<変形例>
情報取得部20が、カード類、生体、携帯情報端末又は電動車両100のリモコンキーのいずれかから取得した個人特定情報を、充放電の開始条件又は停止条件の1つとして取扱うものとして説明した。しかし、これに限らず、複数の対象物のうちの少なくとも2つ以上から取得した個人特定情報を、充放電の開始条件又は停止条件として取扱っても構わない。この場合、充放電装置1は、例えば、個人特定情報の認証を対象物毎に行い、その結果、全ての認証が成功したと判定した場合に、車載蓄電池102に対する充放電を停止し、かつコネクタ3のロックを解除する。
また、複数種類の個人特定情報(例:顔の特徴と音声の特徴)を用いて、充放電の開始又は停止の制御が行われても構わない。この場合、充放電装置1は、例えば、個人特定情報の認証をその種類毎に行い、その結果、全ての認証が成功したと判定した場合に、車載蓄電池102に対する充放電を停止し、かつコネクタ3のロックを解除する。
<参考形態>
上記では、パスワード以外の個人特定情報を用いて、車載蓄電池102に対する充放電の開始又は停止が制御される場合について説明したが、これに限らず、個人特定情報としてパスワードを用いても構わない。
例えば、情報取得部20は、ユーザによる入力操作を受付けることで、パスワード(又はキーワード)を取得する。この場合の情報取得部20は、例えばタッチパネル30により実現される。
情報取得制御部62は、例えばスタートボタン40が押下されると、所定時間、タッチパネル30を、パスワードの入力を受付可能な状態とする。情報取得制御部62は、例えば、数字及び/又は英字の一覧をタッチパネル30に表示する。ユーザは、この一覧に対する入力操作を行うことでパスワードを設定する。情報登録部63は、設定されたパスワードを記憶部70に記憶する。また、情報取得制御部62は、例えば、少なくとも1つの絵柄を入力ボタンとして表示しても構わない。この場合、情報取得部20は、入力操作を受付けた絵柄をパスワードとして取得する。
また、情報取得制御部62は、例えばストップボタン50が押下されたときも、情報判定部64がパスワードの認証を行うために、所定時間、タッチパネル30を、パスワードの入力を受付可能な状態とする。
なお、情報取得制御部62は、パスワードを入力させる代わりに、ランダムパスワードを発行し、タッチパネル30に表示させても構わない。この場合、情報登録部63は、情報取得制御部62が発行したランダムパスワードを、情報取得部20が取得したパスワードとして記憶部70に記憶する。
このように、充放電装置1は、パスワードを用いた場合も、ユーザの意図に反して充放電が停止されることを防止できる。但し、パスワードを用いた場合には、上述したようなパスワードを用いることに起因した事態が生じてしまうことについては留意されたい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図3は、本実施形態に係る充放電システムの構成例を示す図である。図3に示すように、本実施形態の充放電システムは、充放電装置1に代えて充放電装置1aを備える点、及び、充放電装置1aが通信回線網200を介してサーバ300に通信可能に接続される点において、実施形態1の充放電システムとは異なる。また、本実施形態の充放電システムは、サーバ300が通信回線網200を介して携帯情報端末400に通信可能に接続される点においても、実施形態1の充放電システムとは異なる。以下では、実施形態1の充放電システムと異なる点を主として説明する。
<充放電装置の構成>
充放電装置1aは、充放電装置本体2の代わりに充放電装置本体2aを備える。充放電装置本体2aは、情報取得部20に代えて情報受信部80を備え、かつ制御部60に代えて制御部60aを備える。
制御部60aは、充放電装置1aを統括的に制御するものであり、主として、充放電制御部61、及びコネクタ制御部65を備える。つまり、制御部60aは、制御部60の情報取得制御部62、情報登録部63及び情報判定部64を備えない構成である。本実施形態では、情報取得制御部62、情報登録部63及び情報判定部64の機能、並びに、情報取得制御部62の制御対象である情報取得部20の機能は、サーバ300が有している。
情報受信部80は、サーバ300から送信される、コネクタロック部31にコネクタ3をロックさせるためのコネクタロック指示を受信する。コネクタ制御部65は、情報受信部80がコネクタロック指示を受信した場合、コネクタロック部31を制御することで、コネクタ3をロックする。その後、充放電制御部61は、電動車両100に対する充放電を開始する。
また、情報受信部80は、サーバ300から送信される、コネクタロック部31にコネクタ3のロックを解除させるためのコネクタロック解除指示を受信する。コネクタ制御部65は、情報受信部80がコネクタロック解除指示を受信した場合、コネクタロック部31を制御することで、コネクタ3のロックを解除する。また、充放電制御部61は、コネクタロック解除指示を受信した場合、電動車両100に対する充放電を停止する。
<サーバの構成>
サーバ300は、通信回線網200を介して充放電装置1a及び携帯情報端末400と通信可能に接続される。また、サーバ300は、情報取得部301、情報送信部302、制御部303、及び記憶部304を備える。
情報取得部301は、情報取得部20と同様、前記充放電装置の操作前から個人が予め所有している個人特定情報を取得する。本実施形態では特に、情報取得部301は、パスワード以外の個人特定情報を取得する。
制御部303は、充放電装置1を統括的に制御するものであり、情報取得制御部311、情報登録部312、及び情報判定部313を備える。
情報取得制御部311は、情報取得制御部62と同様、情報取得部301が個人特定情報を取得できるように、情報取得部301を制御する。
情報登録部312は、情報登録部63と同様、情報取得部301が取得した個人特定情報を記憶部70に記憶することで、個人特定情報を登録する。情報送信部302は、情報登録部312が個人特定情報を登録した場合に、コネクタロック指示を充放電装置1aに送信する。
情報判定部313は、情報判定部64と同様、情報登録部63が登録した個人特定情報と、充放電を停止するときに情報取得部20が取得した個人特定情報とが一致するか否かを判定することで、個人特定情報の認証を行う。情報送信部302は、情報判定部313により、これら2つの個人特定情報が一致すると判定された場合に、コネクタロック解除指示を充放電装置1aに送信する。
記憶部304は、記憶部70と同様、サーバ300による処理に必要な情報を記憶する。記憶部304は、例えば、情報登録部312が登録した個人特定情報を記憶する。
なお、所定の停止条件を満たした場合には、実施形態1と同様、充放電装置1aは、個人特定情報の認証を行わず、車載蓄電池102に対する充放電を停止する。
<個人特定情報の取得態様>
本実施形態における情報取得部301による個人特定情報の取得態様の一例について説明する。情報取得部301は、例えば、携帯情報端末400から個人特定情報を取得する。
例えば、充放電装置1aでは、スタートボタン40が押下されると、制御部60aは、携帯情報端末400からサーバ300へ個人特定情報を送信するようユーザに促すための通知を、タッチパネル30を介して行う。携帯情報端末400において当該通知を行わせても構わない。
携帯情報端末400は、当該通知を確認したユーザの入力操作に基づき、通信回線網200を介してサーバ300にアクセスすることで、携帯情報端末400に記憶された個人特定情報(例:電話番号、メールアドレス、氏名又は住所)を送信する。サーバ300では、情報取得制御部311は、携帯情報端末400からのアクセスを受けて、例えば、個人特定情報の受付画面を携帯情報端末400に表示させる。携帯情報端末400は、受付画面に含まれる送信ボタンに対する入力操作を受け付けることで、サーバ300に個人特定情報を送信する。サーバ300では、情報登録部312は、情報取得部301が受信した個人特定情報を、記憶部304に記憶する。また、制御部303は、情報送信部302を制御して、個人特定情報の登録を条件として、コネクタロック指示を充放電装置1aに送信する。
また、充放電装置1aでは、例えばストップボタン50が押下された場合も、制御部60aは、携帯情報端末400からサーバ300へ個人特定情報を送信するようユーザに促すための通知を、タッチパネル30又は携帯情報端末400を介して行う。これにより、スタートボタン40が押下された場合と同様、携帯情報端末400はサーバ300に個人特定情報を送信する。サーバ300では、情報判定部313は、情報取得部301が今回取得した個人特定情報と、情報登録部312が登録した個人特定情報とが一致しているか否かを判定する。一致している場合には、制御部303は、情報送信部302を制御して、2つの個人特定情報の一致を条件として、コネクタロック解除指示を充放電装置1aに送信する。
また、充放電装置1aでは、例えばスタートボタン40又はストップボタン50が押下されたときに、制御部60aは、サーバ300へアクセスするための二次元コードを、タッチパネル30に表示しても構わない。
この場合、ユーザは、携帯情報端末400が備える、2次元コードを読取る読取部によって、タッチパネル30に表示された2次元コードを読取る。携帯情報端末400は、読取部が2次元コードを読取ると、サーバ300のURL(Uniform Resource Locator)を表示する。携帯情報端末400は、表示したURLに対する入力操作を受け付けることで、サーバ300にアクセスする。この場合、携帯情報端末400において二次元コードを生成する必要がない。そのため、携帯情報端末400に不慣れなユーザであっても簡易に、情報取得部301に個人特定情報を取得させることができる。
<主な効果>
このように、充放電装置1の操作前から個人が予め所有している個人特定情報を取得したサーバ300によって、充放電装置1aによる充放電の開始又は停止を制御できる。そのため、実施形態1と同様、簡易な手法で、ユーザの意図に反して充放電が停止されることを防止することが可能となる。また、本実施形態においても、個人特定情報は、充放電装置1aを使用するための会員登録が行われることなく取得可能な情報である。そのため、充放電装置1aを使用するための会員登録を事前に行う必要が無い。そのため、実施形態1と同様、充放電装置1aの利便性を向上させることができる。
<変形例>
携帯情報端末400により、生体情報又はジェスチャ動作を取得できる場合には、情報取得部301は、生体情報又はジェスチャ動作を個人特定情報として取得しても構わない。
<参考形態>
なお、参考形態として、実施形態1と同様、携帯情報端末400は、入力画面において入力されたパスワードをサーバ300に送信しても構わない。この場合、サーバ300では、情報取得部301が個人特定情報としてパスワードを取得する。充放電の開始前の取得であれば、情報登録部312が当該パスワードを登録すると共に、情報送信部302がコネクタロック指示を充放電装置1aに送信する。充放電の停止前の取得であれば、情報判定部313が、取得したパスワードと登録したパスワードとが一致するか否かの判定を行うと共に、一致した場合には、情報送信部302がコネクタロック解除指示を充放電装置1aに送信する。
〔ソフトウェアによる実現例〕
充放電装置1、1a及びサーバ300の制御ブロック(特に、制御部60、60a及び303のそれぞれが備える各部)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、充放電装置1、1a及びサーバ300は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的
が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1、1a 充放電装置、3 コネクタ、20、301 情報取得部、31 コネクタロック部、63、312 情報登録部、64、313 情報判定部、100 電動車両、101 充電口、102 蓄電池(車載蓄電池)、300 サーバ、302 情報送信部、400 携帯情報端末

Claims (7)

  1. 蓄電池を搭載する電動車両に接続され、前記蓄電池に対する充放電を行う充放電装置であって、
    予めユーザの操作に基づいて登録される情報を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された情報に基づいて、充放電の開始又は終了の可否を判断し、ロックの開始又は解除を指示する制御部と
    を備える充放電装置。
  2. 前記制御部は、
    充放電開始の際にロックを開始し、
    充放電の停止条件が満たされておらず、且つ、充放電の停止指示の入力操作を受け付けた場合、前記記憶部に記憶されている情報と一致する情報が取得されるまで、ロック状態を維持する
    請求項1に記載の充放電装置。
  3. 前記制御部は、充放電の停止条件が満たされた場合、又は、前記停止指示の入力操作を受け付けて前記記憶部に記憶されている情報と一致する情報が取得された場合、前記ロック状態を解除し、充放電を停止する
    請求項2に記載の充放電装置。
  4. 前記制御部は、前記記憶部に情報が記憶されている場合に、充放電の開始を可とする
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の充放電装置。
  5. タッチパネル、充放電の開始指示用のスタートボタン、又は充放電の停止指示用のストップボタンを含む操作部を備え、
    前記制御部は、前記操作部における入力操作を受け付けて前記情報を取得する
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充放電装置。
  6. 蓄電池を搭載する電動車両と接続し、前記蓄電池に対する充放電を行う充放電装置の制御方法であって、
    予めユーザの操作に基づいて登録される情報を記憶し、
    記憶された情報に基づいて、前記蓄電池への充放電の開始又は終了の可否を判断し、ロックの開始又は解除を制御する
    処理を含む充放電装置の制御方法。
  7. 蓄電池を搭載する電動車両と接続し、前記蓄電池に対する充放電を行う充放電装置のコンピュータに、
    予めユーザの操作に基づいて登録される情報を記憶し、
    記憶された情報に基づいて、前記蓄電池への充放電の開始又は終了の可否を判断し、ロックの開始又は解除を制御する
    処理を実行させるコンピュータプログラム。
JP2021035302A 2018-03-22 2021-03-05 充放電装置、充放電装置の制御方法及びコンピュータプログラム Pending JP2021114899A (ja)

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