JP2021114865A - スイッチング電源装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチング電源装置における電力変換効率の低下、及び起動時に発生する出力誤差を抑制する。【解決手段】例えば、DAB型DC/DCコンバータの制御部40は、1次側インバータ10Aの出力値と2次側インバータ30Aの入力値との間の位相差φを変えて、2次側インバータ30Aの出力値を制御する。制御部40は、起動制御時及び通常の運転制御時において、インバータ10Aをスイッチング駆動するための複数の駆動パルスS11〜S16中、及び/又は、インバータ30Aをスイッチング駆動する複数の駆動パルスS31〜S36中に、H側のスイッチのすべてを同時にオンするパルスパターン、及び/又は、L側のスイッチのすべてを同時にオンするパルスパターンを付加する構成になっている。【選択図】図1−1

Description

本発明は、デュアル・アクティブ・ブリッジ(以下「DAB」という。)型DC/DCコンバータといったスイッチング電源装置及びその制御方法に関するものである。
従来、スイッチング電源装置の一つであるDAB型DC/DCコンバータは、例えば、特許文献1、2に記載されているように、変圧器の1次側と2次側のフルブリッジインバータを位相シフト制御することにより、双方向に電力伝送が可能な直流/直流変換器である。
図2は、特許文献1、2に記載された従来の単相DAB型DC/DCコンバータの構成を示す回路図である。
この単相DAB型DC/DCコンバータは、直流の1次側電圧Vdc1及び1次側電流Idc1を平滑する1次側平滑コンデンサ1に対して並列に、1次側インバータ10が接続されている。1次側インバータ10は、平滑された1次側電圧Vdc1及び1次側電流Idc1をスイッチングして単相交流電圧及び単相交流電流に変換する回路であり、アームAの高レベル(以下「H」という。)側スイッチ11、アームAの低レベル(以下「L」という。)側スイッチ12、アームBのH側スイッチ13、及びアームBのL側スイッチ14のフルブリッジ回路により構成されている。スイッチ11,12間の接続点、及びスイッチ13,14間の接続点には、単相リアクトル17,18を介して、単相変圧器20の1次巻線が接続されている。
単相変圧器20の2次巻線には、2次側インバータ30が接続されている。なお、単相変圧器20の1次巻線及び2次巻線の上端付近に付された黒丸は、巻線の巻き初めを表している。2次側インバータ30は、変圧器20の2次巻線から出力される交流電圧及び交流電流を整流する回路であり、アームAのH側スイッチ31、アームAのL側スイッチ32、アームBのH側スイッチ33、及びアームBのL側スイッチ34のフルブリッジ回路により構成されている。2次側インバータ30で整流された直流電圧及び直流電流は、2次側平滑コンデンサ37にて平滑され、平滑された直流の2次側電圧Vdc2及び2次側電流Idc2が出力されるようになっている。
1次側インバータ10及び2次側インバータ30を構成するスイッチ11〜14,31〜34は、制御部38から供給される駆動パルスS11〜S14,S31〜S34によってそれぞれオン/オフ動作する素子であり、メタル・オキサイド・セミコンダクタ型電界効果トランジスタ(以下「MOSFET」という。)や、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(以下「IGBT」という。)等のパワー半導体素子により構成されている。各スイッチ11〜14,31〜34には、回生用のダイオードがそれぞれ逆並列に接続されている。
又、特許文献1に記載された従来の3相DAB型DC/DCコンバータは、1次側平滑コンデンサ1、1次側インバータ10A、リアクトル17,18(及び図示しない19)、変圧器20A、2次側インバータ30A、及び2次側平滑コンデンサ37により構成されている。
ここで、1次側インバータ10Aは、アームAに相当するU相のH側スイッチ11、U相のL側スイッチ12、アームBに相当するV相のH側スイッチ13、V相のL側スイッチ14、図示しないW相のH側スイッチ(説明の便宜上、符号「15」を付す。)、及び図示しないW相のL側スイッチ(説明の便宜上、符号「16」を付す。)のフルブリッジ回路により構成されている。スイッチ11,12間の接続点、スイッチ13,14間の接続点、及び図示しないスイッチ15,16間の接続点には、3相リアクトル17,18,19を介して、3相変圧器20Aの1次巻線が接続されている。
3相変圧器20Aの2次巻線には、2次側インバータ30Aが接続されている。2次側インバータ30Aは、変圧器20Aの2次巻線から出力される3相交流電圧及び3相交流電流を整流する回路であり、アームAに相当するU相のH側スイッチ31、U相のL側スイッチ32、アームBに相当するV相のH側スイッチ33、V相のL側スイッチ34、図示しないW相のH側スイッチ(説明の便宜上、符号「35」を付す。)、及び図示しないW相のL側スイッチ(説明の便宜上、符号「36」を付す。)のフルブリッジ回路により構成されている。
2次側インバータ30Aで整流された直流電圧及び直流電流は、2次側平滑コンデンサ37にて平滑され、平滑された直流の2次側電圧Vdc2及び2次側電流Idc2が出力されるようになっている。
1次側インバータ10A及び2次側インバータ30Aを構成するスイッチ11〜16,31〜36は、制御部38Aから供給される駆動パルスS11〜S16,S31〜S36によってそれぞれオン/オフ動作する構成になっている。
図3は、特許文献1に記載された従来の3相DAB型DC/DCコンバータにおける定常状態デッドタイム無し(H側スイッチとL側スイッチとが交互にオン/オフする状態)の1次側駆動パルスS11〜S16のパターン図である。図示しないが、2次側駆動パルスS31〜S36のパターンも、図3と同様である。
従来の3相DAB型DC/DCコンバータの電力変換部を駆動する駆動パルスS11〜S16,S31〜S36は、周波数ωが一定であり、デューティ比Dが0.5の固定、各U,V,W相が120°ずつの位相差βを持っている。
1次側インバータ10Aは、制御部38Aから供給される1次側駆動パルスS11〜S16により、スイッチ11〜16がオン/オフ動作し、直流の1次側電圧Vdc1及び1次側電流Icd1を3相交流電圧vp(以下「出力電圧vp」という。)及び3相交流電流に変換する。2次側インバータ30Aは、制御部38Aから供給される2次側駆動パルスS31〜S36により、スイッチ31〜36がオン/オフ動作し、変圧器20Aの2次巻線に誘起された3相交流電圧vs(以下「入力電圧vs」という。)及び3相交流電流を、直流の2次側電圧Vdc2及び2次側電流Idc2に変換する。
1次側インバータ10Aの出力電圧vpと2次側インバータ30Aの入力電圧vsとの間の位相差φにより、入力電圧、出力電圧、及び電力の流れを制御できる。変圧器20Aの1次巻線及び2次巻線間の電圧vl(=vp−vs)がリアクトル17〜19を通ることにより、変圧器20Aに電流が流れる。この電流から出力電力Poを次式(1)のように計算できる。
Po=Nps(Vdc1/ωL)dφ[1−(φ/π)]
=Nps(Vdc1/ωL)dφ[φ−(φ/π)] (1)
但し、L;リアクトル17〜19のインダクタンス
ω;周波数
Nps;変圧器20Aの1次巻線と2次巻線との巻線比(又は変圧比)
Vdc1;1次側電圧
Vdc2;2次側電圧
d=Vdc2/Vdc1
φ;1次側インバータ10Aの出力電圧vp(又は出力電流)と
2次側インバータ30Aの入力電圧vs(又は入力電流)と
の間の位相差
米国特許5,027,264号公報 特開2018−26961号公報
特許文献1に記載された従来の図2のDAB型DC/DCコンバータは、1次側インバータ10,10Aと2次側インバータ30,30Aとが変圧器20,20Aを介して接続された構成になっている。このDAB型DC/DCコンバータでは、理論上、変圧器20,20Aの1次側及び2次側間の位相差φのみを制御することにより、容易に昇降圧動作、及び双方向電力変換が可能である。しかしながら、以下の(a)、(b)のような課題がある。
(a) 図4は、特許文献2に記載された従来の図2の単相DAB型DC/DCコンバータにおける定常状態デッドタイム無しの1次側駆動パルスS11〜S14のパターン図である。
従来のDAB型DC/DCコンバータでは、入出力間の電流差又は電圧差が大きい場合、回路内に循環する電流が増大するため、主に導通損失が増大し、電力変換効率が低下し易いという課題がある。このような課題を解決するための技術として、特許文献2に記載された図2の単相DAB型DC/DCコンバータが知られている。図2の単相DAB型DC/DCコンバータでは、図4に示すように、例えば、1次側インバータ10のアームA側スイッチ11,12及びアームB側スイッチ13,14間の位相差β1を変えるための位相シフト制御を行うことにより、又は、図示しないが、2次側インバータ30のアームA側スイッチ31,32及びアームB側スイッチ33,34間の位相差β2を変えるための位相シフト制御を行うことにより、従来のDAB型DC/DCコンバータにおける前記の課題を解決している。ところが、従来の3相DAB型DC/DCコンバータでは、U,V,W相間で位相差βが物理的に120°に固定されて変更することができないので、図4のような位相差β1又はβ2を変えるための位相シフト制御を適用することができない。そのため、上述したような従来の3相DAB型DC/DCコンバータの課題を解決することができない。
(b) 図5は、従来の図2の3相DAB型DC/DCコンバータにおける位相差φ−変換電力P特性(理論値)のシミュレーション結果を示す図である。更に、図6は、従来の図2の3相DAB型DC/DCコンバータにおける位相差φ−変換電力P特性(デッドタイムtd有り)のシミュレーション結果を示す図である。
図5及び図6において、横軸は位相差φ(°)、及び、縦軸は変換電力P(kW)である。図5の波形(1)は、1次側電圧Vdc1=400V、2次側電圧Vdc2=400V、及びデッドタイムtd無しのもの、波形(2)は、1次側電圧Vdc1=400V、2次側電圧Vdc2=300V、及びデッドタイムtd無しのもの、波形(3)は、1次側電圧Vdc1=400V、2次側電圧Vdc2=200V、及びデッドタイムtd無しのものである。これに対して、図6の波形(1)は、1次側電圧Vdc1=400V、2次側電圧Vdc2=400V、及びデッドタイムtd有りのもの、波形(2)は、1次側電圧Vdc1=400V、2次側電圧Vdc2=300V、及びデッドタイムtd有りのもの、波形(3)は、1次側電圧Vdc1=400V、2次側電圧Vdc2=200V、及びデッドタイムtd有りのものである。
従来のDAB型DC/DCコンバータでは、図6に示すように、現実的に、スイッチのデッドタイム、その他素子のばらつきにより、出力特性には誤差が発生する。DAB型DC/DCコンバータを含めた電源装置では、起動する際に、0Aより少しずつ出力を増大させるソフトスタート起動を行うことが一般的である。しかし、図5に示すように、理論上は出力電力(=変換電力P(kW))が0になる位相差φ=0°ポイントにおいて、図6に示すように、デッドタイムがあると、出力電力(=変換電力P(kW))が発生してしまうため、DAB型DC/DCコンバータを含めた電源装置の起動時において、起動時の初期出力電力の誤差が大きくなる課題がある。例えば、片方向動作のDC/DCコンバータであれば、公差を見込んで最小値に出力設定する方法があるが、特に、DAB方式は位相差φで双方向を制御してしまうため、負方向に公差を持っていた場合は意図せず逆方向動作してしまいかねず、適用できない。
前記(a)の課題を解決するために、本願出願人は、先に、関連する特許出願(出願日;2018年12月21日、出願番号;特願2018−239182、未公開、以下「比較例」という。)を行った。本発明は、その比較例を改良し、前記(b)の課題を解決するものである。
本発明のスイチッング電源装置は、複数のH側及びL側のスイッチがフルブリッジ接続され、直流の1次側電圧及び1次側電流をスイッチングして交流電圧及び交流電流に変換して出力する1次側インバータと、1次巻線及び2次巻線を有し、前記1次側インバータの出力電圧及び出力電流を前記1次巻線に入力し、誘起された交流電圧及び交流電流を前記2次巻線から出力する変圧器と、複数のH側及びL側のスイッチがフルブリッジ接続され、前記2次巻線の出力電圧及び出力電流を整流し、直流の2次側電圧及び2次側電流を出力する2次側インバータと、複数の1次側駆動パルスを出力して前記1次側インバータにおける前記複数のH側及びL側のスイッチをそれぞれオン/オフ動作させ、且つ、複数の2次側駆動パルスを出力して前記2次側インバータにおける前記複数のH側及びL側のスイッチをそれぞれオン/オフ動作させ、前記1次側インバータの出力値と前記2次側インバータの入力値との間の位相差を変えて前記2次側インバータの出力値を制御する制御部と、を備えている。
そして、前記制御部は、前記複数の1次側駆動パルス中及び/又は前記複数の2次側駆動パルス中に付加する、前記H側のスイッチのすべて及び/又は前記L側のスイッチのすべてを同時にオンするパルスパターンのデューティ比を、遷移させ、前記2次側インバータの出力値を目標値に遷移させる起動制御を行う、構成にしたことを特徴とする。
本発明のスイッチング電源装置の制御方法は、複数のH側及びL側のスイッチがフルブリッジ接続され、直流の1次側電圧及び1次側電流をスイッチングして交流電圧及び交流電流に変換して出力する1次側インバータと、1次巻線及び2次巻線を有し、前記1次側インバータの出力電圧及び出力電流を前記1次巻線に入力し、誘起された交流電圧及び交流電流を前記2次巻線から出力する変圧器と、複数のH側及びL側のスイッチがフルブリッジ接続され、前記2次巻線の出力電圧及び出力電流を整流し、直流の2次側電圧及び2次側電流を出力する2次側インバータと、を備えるスイッチング電源装置に対して、複数の1次側駆動パルスを出力して前記1次側インバータにおける前記複数のH側及びL側のスイッチをそれぞれオン/オフ動作させ、且つ、複数の2次側駆動パルスを出力して前記2次側インバータにおける前記複数のH側及びL側のスイッチをそれぞれオン/オフ動作させ、前記1次側インバータの出力値と前記2次側インバータの入力値との間の位相差を変えて前記2次側インバータの出力値を制御する、方法である。
そして、前記複数の1次側駆動パルス中及び/又は前記複数の2次側駆動パルス中に付加する、前記H側のスイッチのすべて及び/又は前記L側のスイッチのすべてを同時にオンするパルスパターンのデューティ比を、遷移させ、前記2次側インバータの出力値を目標値に遷移させる起動制御を行う、ことを特徴とする。
本発明のスイッチング電源装置及びその制御方法によれば、以下の(A)、(B)のような効果がある。
(A) 運転制御時において、1次側インバータ及び2次側インバータのうちのいずれか一方又は両方のインバータの駆動パルスパターンにH側スイッチすべてを同時にオンするパルスパターン、又はL側スイッチすべてを同時にオンするパルスパターンを付加している。そのため、特に入出力間の電流差又は電圧差が大きい場合、同じ出力電力値でも回路内を循環し、出力電力に寄与しない電流値を大幅に低減することができるので、電力変換損失を低減することができる。これにより、上記の課題(a)を解決でき、各種の回路構成素子、放熱機器等の簡素化が可能となる。
(B) 起動制御時において、H側スイッチ又はL側スイッチすべてを同時にオンするパルスパターンを、インバータの駆動パルスパターンに付加して、起動時の初期出力低減を図っている。そのため、DAB型DC/DCコンバータ起動時に発生する上記の課題(b)の出力誤差を低減でき、制御性を向上できる。
本発明の実施例1における3相DAB型DC/DCコンバータの構成を示す回路図 図1−1中の制御部40の構成を示す機能ブロック図 従来の単相DAB型DC/DCコンバータの構成を示す回路図 従来の3相DAB型DC/DCコンバータにおける定常状態デッドタイム無しの1次側駆動パルスのパターン図 特許文献2に記載された従来の図2の単相DAB型DC/DCコンバータにおける定常状態デッドタイム無しの1次側駆動パルスのパターン図 従来の3相DAB型DC/DCコンバータにおける位相差φ−変換電力P特性(理論値)のシミュレーション結果を示す図 従来の3相DAB型DC/DCコンバータにおける位相差φ−変換電力P特性(td有り)のシミュレーション結果を示す図 図1−1及び図1−2の定常状態デットタイム無しの1次側駆動パルスのパターン図 実施例1の3相DAB型DC/DCコンバータにおける制御方法を示す動作波形(D1=0.66、D2=1.0)の図 実施例1と従来の位相差φに対する2次側電流の比較結果図 実施例1と従来の位相差φに対する変圧器電流実効値の比較結果図 実施例1と従来の第1デューティ比D1に対する変圧器電流実効値の差異図 従来の起動時2次側電流Idc2(Vdc1=400V、Vdc2=200V、td有り)のシミュレーション結果を示す波形図 デューティ比D1,D2−変圧器電流It(Vdc1=400V、Vdc2=200V、td有り)のシミュレーション結果の図 図1−1の起動時2次側電流Idc2(Vdc1=400V、Vdc2=200V、td有り)のシミュレーション結果を示す波形図 図1−2の起動制御方法のフローチャート 本発明の実施例2の制御部40Aの構成を示す機能ブロック図 従来の起動時2次側電圧Vdc2(Vdc1=400V、td有り)のシミュレーション結果を示す波形図 図1−1の起動時2次側電圧Vdc2(Vdc1=400V、td有り)のシミュレーション結果を示す波形図 図16の起動制御方法のフローチャート
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1の構成)
図1−1は、本発明の実施例1における3相DAB型DC/DCコンバータの構成を示す回路図である。
本実施例1の3相DAB型DC/DCコンバータは、従来及び比較例と同様の電力変換部と、従来及び比較例とは異なる制御部40と、により構成されている。
即ち、電力変換部は、直流の1次側電圧Vdc1及び1次側電流Idc1を平滑する1次側平滑コンデンサ1を有し、この1次側平滑コンデンサ1に対して並列に、1次側インバータ10Aが接続されている。1次側インバータ10Aは、平滑された1次側電圧Vdc1及び1次側電流Idc1をスイッチングしてU,V,W相の3相交流電圧及び3相交流電流に変換する回路であり、U相のH側スイッチ11、U相のL側スイッチ12、V相のH側スイッチ13、V相のL側スイッチ14、W相のH側スイッチ15、及びW相のL側スイッチ16のフルブリッジ回路により構成されている。スイッチ11,12間の接続点、スイッチ13,14間の接続点、及びスイッチ15,16間の接続点には、3相リアクトル17,18,19を介して、3相変圧器20Aの1次巻線が接続されている。
3相変圧器20Aの2次巻線には、2次側インバータ30Aが接続されている。なお、3相変圧器20Aの1次巻線及び2次巻線の上端付近に付された黒丸は、巻線の巻き初めを表している。2次側インバータ30Aは、変圧器20Aの2次巻線から出力される3相交流電圧及び3相交流電流を整流する回路であり、U相のH側スイッチ31、U相のL側スイッチ32、V相のH側スイッチ33、V相のL側スイッチ34、W相のH側スイッチ35、及びW相のL側スイッチ36のフルブリッジ回路により構成されている。2次側インバータ30Aで整流された直流電圧及び直流電流は、2次側平滑コンデンサ37にて平滑され、平滑された直流の出力電力Po(2次側電圧Vdc2及び2次側電流Idc2)が出力されるようになっている。
1次側インバータ10A及び2次側インバータ30Aを構成するスイッチ11〜16,31〜36は、制御部40から供給される駆動パルスS11〜S16,S31〜S36によってそれぞれオン/オフ動作する素子であり、MOSFETやIGBT等のパワー半導体素子により構成されている。各スイッチ11〜16,31〜36には、回生用のダイオードがそれぞれ逆並列に接続されている。各スイッチ11〜16,31〜36をMOSFETで構成する場合には、例えば、そのMOSFETの寄生ダイオードを使用しても良い。
又、3相変圧器20Aの1次巻線と2次巻線とには、それぞれリアクトルが直列に接続される。それらのリアクトルは、変圧器20Aの漏れインダクタンスで代用しても良い。図1−1では、図示を簡略化するために、変圧器20Aの1次巻線側に、リアクトル17,18,19がそれぞれ直列に接続されている。
図1−2は、図1−1中の制御部40の構成を示す機能ブロック図である。
制御部40は、複数の1次側駆動パルスS11〜S16を出力して1次側インバータ10Aにおける複数のH側スイッチ11,13,15及びL側スイッチ12,14,16をそれぞれオン/オフ動作させ、且つ、複数の2次側駆動パルスS31〜S36を出力して2次側インバータ30Aにおける複数のH側スイッチ31,33,35及びL側スイッチ32,34,36をそれぞれオン/オフ動作させ、1次側インバータ10Aの出力値(例えば、出力電流)と2次側インバータ30Aの入力値(例えば、入力電流)との間の位相差φを変えて2次側インバータ30Aの出力値を制御するものである。
特に、本実施例1の制御部40では、2次側インバータ30Aの出力値を目標値(例えば、2次側電流Idc2=20A又は2次側電圧Vdc2=400V)に遷移させる起動制御を行い、その後、2次側インバータ30Aの出力値を一定値に維持する運転制御を行うために、複数の1次側駆動パルスS11〜S16中に、H側スイッチ11,13,15のすべてを同時にオンするパルスパターン、及び/又は、L側スイッチ12,14,16のすべてを同時にオンするパルスパターンを付加し、更に、複数の2次側駆動パルスS31〜S36中に、H側スイッチ31,33,35のすべてを同時にオンするパルスパターン、及び/又は、L側スイッチ32,34,36のすべてを同時にオンするパルスパターンを付加する機能を有している。
なお、比較例の制御部では、前記の運転制御機能を有している。これに対して、本実施例1の制御部40では、比較例の性能を向上させるために、前記の運転制御機能に加えて、起動制御機能も有している。
図1−2に示す制御部40は、例えば、2次側電流Idc2の定電流制御を行うものであり、2次側電流指令値設定部41を有している。2次側電流指令値設定部41は、起動制御時において、2次側電流指令値I2を初期値(例えば、0A)に設定し、その後、2次側電流指令値I2を目標値(例えば、20A)まで遷移させて、運転制御を行わせるものであり、この出力側に、誤差部42が接続されている。誤差部42は、2次側電流指令値I2と、図示しない電流計で測定された2次側電流Idc2と、の誤差eを求めるものであり、この出力側に、位相差算出部43が接続されている。位相差算出部43は、入力される誤差eに基づき、出力電力指令値となる、1次側インバータ10Aの出力値(例えば、出力電流)と2次側インバータ30Aの入力値(例えば、入力電流)との位相差φを算出するものであり、この出力側に、補正部44を介して駆動パルス生成部45が接続されている。
補正部44は、比例積分制御(以下「PI制御」という。)等により、位相差φを補正して制御精度を向上させるものである。駆動パルス生成部45は、補正された位相差φに基づき、複数の1次側駆動パルスS10及び複数の2次側駆動パルスS30を生成するものであり、この出力側に、1次側パルスパターン付加部46及び2次側パルスパターン付加部47が接続されている。1次側パルスパターン付加部46及び2次側パルスパターン付加部47の入力側には、デューティ比設定部48も接続されている。
デューティ比設定部48は、H側スイッチ11,13,15のすべて、及び/又は、L側スイッチ12,14,16のすべてを同時にオンするパルスパターンの第1デューティ比D1と、H側スイッチ31,33,35のすべて、及び/又は、L側スイッチ32,34,36のすべてを同時にオンするパルスパターンの第2デューティ比D2と、を起動制御時とその後の運転制御時において、次の(i)、(ii)のように設定する機能を有している。
(i) 起動制御時
デューティ比D1,D2を初期値(変圧器20Aに流れる変圧器電流Itが最小値(例えば、略0A)になる値2/3=0.66)に設定し、その後、デューティ比D1,D2を設定値(例えば、1.0)まで遷移させる。
(ii) 運転制御時
2次側インバータ30Aの出力値(例えば、2次側電流Idc2)を一定値である目標値(例えば、20A)に維持するために、図示しない電流計で測定された1次側電流Idc1と2次側電流Idc2との電流比に基づき、第1、第2デューティ比D1,D2を設定し、それを1次側パルスパターン付加部46及び2次側パルスパターン付加部47へ与えるものである。第1デューティ比D1及び第2デューティ比D2は、0〜1の範囲の所望の値である。
1次側パルスパターン付加部46は、複数の1次側駆動パルスS10中に、第1デューティ比D1のパルスパターンを付加するための出力パルスS46を出力するものであり、この出力側に、1次側パルス駆動部49が接続されている。2次側パルスパターン付加部47は、複数の2次側駆動パルスS30中に、第2デューティ比D2のパルスパターンを付加するための出力パルスS47を出力するものであり、この出力側に、2次側パルス駆動部50が接続されている。
1次側パルス駆動部49は、1次側パルスパターン付加部46の出力パルスS46を駆動して1次側インバータ10A内のスイッチ11〜16をオン/オフ動作させるための1次側駆動パルスS11〜S16を出力するものである。更に、2次側パルス駆動部50は、2次側パルスパターン付加部47の出力パルスS47を駆動して2次側インバータ30A内のスイッチ31〜36をオン/オフ動作させるための2次側駆動パルスS31〜S36を出力するものである。
このような図1−2の制御部40は、例えば、中央処理装置(以下「CPU」という。)や、半導体素子等の個別回路により構成されている。
(実施例1の運転制御方法)
図7は、図1−1及び図1−2の定常状態におけるデッドタイム無しの1次側駆動パルスS11〜S16のパターン図である。
比較例と同様に、駆動パルスS11〜S16のHによってスイッチ11〜16がオンし、駆動パルスS11〜S16のLによってスイッチ11〜16がオフする。駆動パルスS11〜S16の周波数ωは一定、各スイッチ11〜16のオン/オフのデューティ比は0.5である。1周期の回路モード(1)〜(6)に示すように、各U,V,W相は120°ずつの位相差βを持っている。各回路モード(1)〜(6)において、全L側スイッチ12,14,16がオンになるデューティ比D1のパルスパターンと、全H側スイッチ11,13,15がオンになるデューティ比D1のパルスパターンと、が付加されている。
なお、図7では、デューティ比D1のパルスパターンが、駆動パルスの半周期の中央に配置されているが、中央以外の箇所に配置しても良い。
図示しないが、2次側駆動パルスS31〜S36のパターン図は、図7と同様に、全L側スイッチ32,34,36がオンになるデューティ比D2のパルスパターンと、全H側スイッチ31,33,35がオンになるデューティ比D2のパルスパターンと、が付加された図、或いは、図7と異なり、デューティ比D2のパルスパターンが付加されていない図になっている。1次側駆動パルスS11〜S16と2次側駆動パルスS31〜S36との間には、位相差φが設けられる。
次に、1次側電流Idc1と2次側電流Idc2とが近い場合の通常動作(I)と、2次側短絡時の動作(II)と、を説明する。
(I) 1次側電流Idc1と2次側電流Idc2とが近い場合の通常動作
例えば、図1−1の3相DAB型DC/DCコンバータにおいて、直流1次側電流Idc1を入力し、2次側平滑コンデンサ37の出力側に接続された図示しない負荷へ、一定の直流2次側電流Idc2を供給する場合、1次側電流Idc1と2次側電流Idc2とが近い時の通常動作について説明する。この通常動作では、図7の回路モード(1)〜(6)中に第1、第2デューティ比D1,D2のパルスパターンが付加されていない。
図1−2の制御部40において、2次側電流指令値設定部41により、2次側電流指令値I2が目標値(例えば、20A)に設定される。2次側電流指令値I2に対して2次側電流Idc2が変動すると、誤差部42により、2次側電流指令値I2と2次側電流Idc2との誤差eが求められ、その誤差eが位相差算出部43に入力される。位相差算出部43は、入力された誤差eを0にするような、1次側インバータ10Aの出力電流と2次側インバータ30Aの入力電流との位相差φを算出する。この位相差φは、補正部44により、PI制御等によって補正された後、駆動パルス生成部45に入力される。駆動パルス生成部45は、補正された位相差φに基づき、1次側駆動パルスS10及び2次側駆動パルスS30を生成し、その1次側駆動パルスS10を1次側パルスパターン付加部46に入力し、その2次側駆動パルスS30を2次側パルスパターン付加部47に入力する。
デューティ比設定部48は、1次側電流Idc1と2次側電流Idc2との電流比が略1であるので、第1、第2デューティ比D1,D2をそれぞれ0に設定する。そのため、1次側パルスパターン付加部46は、入力された1次側駆動パルスS10に対応する出力パルスS46を生成し、その出力パルスS46を1次側パルス駆動部49に入力する。更に、2次側パルスパターン付加部47は、入力された2次側駆動パルスS30に対応する出力パルスS47を生成し、その出力パルスS47を2次側パルス駆動部50に入力する。1次側パルス駆動部49は、入力された出力パルスS46を駆動し、1次側駆動パルスS11〜S16を生成して図1−1の1次側インバータ10A内のスイッチ11〜16をオン/オフ動作させる。同様に、2次側パルス駆動部50は、入力された出力パルスS47を駆動し、2次側駆動パルスS31〜S36を生成して図1−1の2次側インバータ30A内のスイッチ31〜36をオン/オフ動作させる。
デューティ比D1のパルスパターンが付加されていない図7の回路モード(1)の時、図1−1の1次側インバータ10A内のU相のH側スイッチ11がオフ、L側スイッチ12がオン、V相のH側スイッチ13がオン、L側スイッチ14がオフ、W相のH側スイッチ15がオフ、及びL側スイッチ16がオンする。同様に、位相差φを持って、図1−1の2次側インバータ30A内のU相のH側スイッチ31がオフ、L側スイッチ32がオン、V相のH側スイッチ33がオン、L側スイッチ34がオフ、W相のH側スイッチ35がオフ、及びL側スイッチ36がオンする。
すると、図1−1において、1次側電圧Vdc1源の+側→H側スイッチ13→リアクトル18→変圧器20Aの1次巻線→リアクトル17→L側スイッチ12→1次側電圧Vdc1源の−側の経路と、1次側電圧Vdc1源の+側→H側スイッチ13→リアクトル18→変圧器20Aの1次巻線→リアクトル19→L側スイッチ16→1次側電圧Vdc1源の−側の経路と、に1次側電流Idc1が流れる。これに対応して、変圧器20Aの2次巻線に誘導起電力が発生し、変圧器20Aの2次巻線→H側スイッチ33のダイオード→負荷→L側スイッチ32のダイオード→2次巻線の経路と、変圧器20Aの2次巻線→H側スイッチ33のダイオード→負荷→L側スイッチ36のダイオード→2次巻線の経路と、に2次側電流Idc2が流れる。
更に、デューティ比D1のパルスパターンが付加されていない図7の他の回路モード(2)〜(6)が実行され、1周期のスイッチング動作が終了する。
ここで、変圧器20Aの1次巻線及び2次巻線間の電圧vl(=vp−vs)がリアクトル17〜19を通ることによって、その変圧器20Aに電流が流れる。この電流から2次側電流Idc2を次式(2)のように計算できる。
Idc2=(式(1)の出力電力Po)/Vdc2
=Nps(Vdc1/ωL)φ[1−(φ/π)]
=Nps(Vdc1/ωL)[φ−(φ/π)] (2)
そのため、1次側インバータ10Aの出力電流と2次側インバータ30Aの入力電流との間の位相差φにより、2次側電流指令値I2と一致するように、2次側電流Ic2が制御される。
(II) 2次側短絡時の動作
例えば、負荷の変動によって2次側電流Idc2が最大値(短絡状態)になった場合の動作を説明する。この動作では、図7の回路モード(1)〜(6)中に、第1デューティ比D1のパルスパターンが付加される。
図1−2の制御部40において、2次側電流Idc2が最大値になり、誤差部42から位相差算出部43へ出力される誤差eが最大になる。位相差算出部43では、誤差eを0にするような位相差φ=0°を算出する。この位相差φ=0°は、補正部44で補正されて、駆動パルス生成部45へ入力される。駆動パルス生成部45は、補正された位相差φ=0°の1次側駆動パルスS10及び2次側駆動パルスS30を生成し、その1次側駆動パルスS10を1次側パルスパターン付加部46に入力すると共に、その2次側駆動パルスS30を2次側パルスパターン付加部47に入力する。
デューティ比設定部48では、1次側電流Idc1と2次側電流Idc2との電流比が最大値のIdc2であるので、例えば、第1デューティ比D1=第2デューティ比D2=2/3=0.66を設定する。そのため、1次側パルスパターン付加部46は、入力された1次側駆動パルスS10に第1デューティ比D1のパルスパターンを付加した出力パルスS46を生成し、その出力パルスS46を1次側パルス駆動部49に入力する。更に、2次側パルスパターン付加部47は、入力された2次側駆動パルスS30に第2デューティ比D2のパルスパターンを付加した出力パルスS47を生成し、その出力パルスS47を2次側パルス駆動部50に入力する。1次側パルス駆動部49は、入力された出力パルスS46を駆動し、1次側駆動パルスS11〜S16を生成して図1−1の1次側インバータ10A内のスイッチ11〜16をオン/オフ動作させる。同様に、2次側パルス駆動部50は、入力された出力パルスS47を駆動し、2次側駆動パルスS31〜S36を生成して図1−1の2次側インバータ30A内のスイッチ31〜36をオン/オフ動作させる。
すると、付加された第1デューティ比D1のパルスパターンにより、図7の回路モード(1)において、V相のH側スイッチ13がオンからオフ、L側スイッチ14がオフからオンへ遷移し、全L側スイッチ12,14,16がオンする。更に、付加された第1デューティ比D1のパルスパターンにより、回路モード(2)において、全H側スイッチ11,13,15がオン、回路モード(3)において、全L側スイッチ12,14,16がオン、回路モード(4)において、全H側スイッチ11,13,15がオン、回路モード(5)において、全L側スイッチ12,14,16がオン、及び、回路モード(6)において、全H側スイッチ11,13,15がオンする。
同様に、付加された第2デューティ比D2のパルスパターンにより、図示しない回路モード(1)〜(6)において、全L側スイッチ32,34,36がオン、又は全H側スイッチ31,33,35がオンする。
従来の3相DAB型DC/DCコンバータの制御方法では、U,V,W相のすべての相のH側スイッチ又はL側スイッチがすべてオンになるモードは存在しない。これに対し、本実施例1では、比較例と同様に、1次側インバータ10A及び2次側インバータ30Aのうちのいずれか一方又は両方のインバータ10A,30Aの駆動パルスS11〜S16、S31〜S36に、H側スイッチ11,13,15,31,33,35のすべてが同時にオンするパルスパターン、又はL側スイッチ12,14,16,32,34,36のすべてがオンするパルスパターンを付加している。
そのため、付加されたパルスパターンの第1、第2デューティ比D1,D2が例えば0.66の場合、回路モード(1)〜(6)に、従来の制御方法のパルスパターンが全く発生しなくなり、回路内を循環する電流が理論上0Aとなる。従って、特に入出力間の電流差が大きい場合に顕著となる回路内を循環する無効電流を抑制することができる。
付加された第1デューティ比D1のみが異なるシミュレーション結果を示す図8を参照しつつ、本実施例1の詳細な運転制御方法を説明する。
図8は、本実施例1の3相DAB型DC/DCコンバータにおける従来と異なる制御方法を示す動作波形(D1=0.66、D2=1.0)の図である。この図8では、図1−1の定常状態デッドタイム無しの駆動パルスS11〜S16,S31〜S36(D1=0.66、D2=1.0)のパターン及び回路各部の電流波形のシミュレーション結果が示されている。
1周期の回路モード(A)〜(F)において、回路モード(A)では、1次側駆動パルスS11〜S16が、デューティ比D1=0.66であり、1次側インバータ10A内の全L側スイッチ12,14,16がオンする。そのため、変圧器20Aの1次巻線U相、1次側U相H側スイッチ11、及び1次側U相L側スイッチ12に、電流が流れない。これに対応して、2次側U相H側スイッチ31及び2次側U相L側スイッチ32に、電流が流れない。従って、2次側電流Idc2は、0Aとなる。
回路モード(B)では、1次側駆動パルスS11〜S16が、デューティ比D1=0.66であり、1次側インバータ10A内の全H側スイッチ11,13,15がオンする。そのため、変圧器20Aの1次巻線U相、1次側U相H側スイッチ11、及び1次側U相L側スイッチ12に、電流が流れない。これに対応して、2次側U相H側スイッチ31及び2次側U相L側スイッチ32に、電流が流れない。従って、2次側電流Idc2は、0Aとなる。
回路モード(C)では、1次側駆動パルスS11〜S16が、デューティ比D1=0.66であり、1次側インバータ10A内の全L側スイッチ12,14,16がオンする。そのため、変圧器20Aの1次巻線U相、1次側U相H側スイッチ11、及び1次側U相L側スイッチ12に、電流が流れない。これに対応して、2次側U相H側スイッチ31及び2次側U相L側スイッチ32に、電流が流れない。従って、2次側電流Idc2は、0Aとなる。
回路モード(D)では、1次側駆動パルスS11〜S16が、デューティ比D1=0.66であり、1次側インバータ10A内の全H側スイッチ11,13,15がオンする。そのため、変圧器20Aの1次巻線U相、1次側U相H側スイッチ11、及び1次側U相L側スイッチ12に、電流が流れない。これに対応して、2次側U相H側スイッチ31及び2次側U相L側スイッチ32に、電流が流れない。従って、2次側電流Idc2は、0Aとなる。
回路モード(E)では、1次側駆動パルスS11〜S16が、デューティ比D1=0.66であり、1次側インバータ10A内の全L側スイッチ12,14,16がオンする。そのため、変圧器20Aの1次巻線U相、1次側U相H側スイッチ11、及び1次側U相L側スイッチ12に、電流が流れない。これに対応して、2次側U相H側スイッチ31及び2次側U相L側スイッチ32に、電流が流れない。従って、2次側電流Idc2は、0Aとなる。
更に、回路モード(F)では、1次側駆動パルスS11〜S16が、デューティ比D1=0.66であり、1次側インバータ10A内の全H側スイッチ11,13,15がオンする。そのため、変圧器20Aの1次巻線U相、1次側U相H側スイッチ11、及び1次側U相L側スイッチ12に、電流が流れない。これに対応して、2次側U相H側スイッチ31及び2次側U相L側スイッチ32に、電流が流れない。従って、2次側電流Idc2は、0Aとなる。
以上の運転制御方法において、出力電力指令値である位相差φは0°であるので、回路に流れている電流はすべて回路を循環するのみの無効電流成分となる。そのため、回路各部に流れる電流は少ない方が好ましい。
本実施例1では、1周期の回路遷移において、従来と同様の回路モード(1)〜(6)に、第1デューティ比D1の回路モード(A)〜(F)を付加するか、或いは、回路モード(1)〜(6)に代えて、第1デューティ比D1の回路モード(A)〜(F)を設けている。シミュレーション結果より、付加するパルスパターンの第1デューティ比D1が0.66の時には、回路モード(A)〜(F)に従来の制御方法のパターンが全く発生しなくなり、回路内を循環する電流が理論上0Aとなることが分かる。
次に、図9〜図11を参照しつつ、本実施例1と従来の運転制御方法の比較結果を説明する。
図9は、本実施例1と従来の位相差φ(°)に対する2次側電流Idc2のシミュレーションの比較結果を示す図である。
シミュレーション条件は、1次側電圧Vdc1が有り、2次側電圧Vdc2が有り(1次側電圧Vdc1と同値)、及び、出力電力指令値である位相差φの範囲が−60°〜+60°である。図9では、破線曲線で示す第1デューティ比D1及び第2デューティ比D2が共に1.0の場合(従来)と、実線曲線で示す第1デューティ比D1及び第2デューティ比D2が共に0.9の場合(実施例1)と、の2次側電流Idc2の値の比較結果が示されている。
本実施例1の方が、従来に比べて、位相差φの変化に対して2次側電流Idc2の値の傾斜が緩やかになっている。
図10は、本実施例1と従来の位相差φ(°)に対する変圧器電流実効値Itrans(rms)のシミュレーションの比較結果を示す図である。
シミュレーション条件は、図9と同一である。図10では、破線曲線で示す第1デューティ比D1及び第2デューティ比D2が共に1.0の場合(従来)と、実線曲線で示す第1デューティ比D1及び第2デューティ比D2が共に0.9の場合(実施例1)と、の変圧器電流実効値Itransの比較結果が示されている。
位相差φ=0°を基準にして、本実施例1の方が、従来に比べて、位相差φの変化に対する変圧器電流実効値Itransの立ち上り傾斜が緩やかになっている。
図11は、本実施例1と従来の第1デューティ比D1に対する変圧器電流実効値Itrans(rms)のシミュレーションの差異を示す図である。
シミュレーション条件は、1次側電圧Vdc1が有り、2次側電圧Vdc2が無し(0V)、第2デューティ比D2が1.0、及び、出力電力指令値である位相差φが0°(出力電力指令値0W)である。図11では、第1デューティ比D1を0〜1の範囲で変更した場合の本実施例1と従来の変圧器電流実効値Itransの差異が示されている。
従来は、第1デューティ比D1が常に1で動作しているので、変圧器電流実効値Itransが大きい。本実施例1では、第1デューティ比D1を0〜1の範囲で変化させるため、変圧器電流実効値Itransを減少させることが可能である。特に、第1デューティ比D1が0.66の時に、変圧器電流実効値Itransが最小電流値となる。
(実施例1の起動制御方法)
図12は、従来の図2の3相DAB型DC/DCコンバータにおける起動時の2次側電流Idc2(1次側電圧Vdc1=400V、2次側電圧Vdc2=200V、デッドタイムtd有り)のシミュレーション結果を示す波形図である。図12において、横軸は時間t(s)、縦軸は2次側電流Idc2(A)である。
図2の3相DAB型DC/DCコンバータを含めて、コンバータを起動する際は、ソフトスタート領域Assを設け、出力される2次側電流Idc2を0Aより目標値(例えば、20A)へ向けて徐々に増大させるソフトスタート起動を行うことが一般的である。しかし、図6に示すように、理論上は、出力電力Po(即ち、変換電力P)が0になる位相差φ=0°ポイントにおいて、デッドタイムtdが有ると、出力電力Poが発生してしまうため、コンバータ起動時において、起動時初期出力誤差ieが大きくなる問題がある。この問題を解決するために、本実施例1では、以下のような起動制御を行っている。
図13は、第1、第2デューティ比D1,D2−変圧器電流It(1次側電圧Vdc1=400V、2次側電圧Vdc2=200V、デッドタイムtd有り)のシミュレーション結果を示す波形図である。図13において、横軸は第1、第2デューティ比D1,D2、縦軸は変圧器電流It(Arms)である。
図14は、図1−1の3相DAB型DC/DCコンバータにおいて起動時の2次側電流Idc2(1次側電圧Vdc1=400V、2次側電圧Vdc2=200V、デッドタイムtd有り)のシミュレーション結果を示す波形図である。図14の上段の波形図において、横軸は時間t(s)、縦軸は2次側電流Idc2(A)である。図14の下段の波形図において、横軸は時間t(s)、縦軸は第1、第2デューティ比D1,D2である。図14の上段のAssはソフトスタート領域、下段のAdtはデューティ比遷移領域である。
本実施例1の起動制御では、図14のデューティ比遷移領域Adtに示すように、先ず、第1、第2デューティ比D1,D2を、2次側電流Idc2が0Aとなる初期値(例えば、2/3=0.66)に設定し、図1−1の3相DAB型DC/DCコンバータの発振を開始する。その後、3相DAB型DC/DCコンバータから出力される2次側電流Idc2が0Aとなるように、1次側インバータ10Aの出力値(例えば、出力電流)と2次側インバータ30Aの入力値(例えば、入力電流)との位相差φの電流フィードバック制御を行いつつ、第1、第2デューティ比D1,D2を出力可能な設定値(例えば、D1=D2=1.00)へ遷移させる。第1、第2デューティ比D1,D2が設定値へ遷移すると、ソフトスタート領域Assへ進む。ソフトスタート領域Assでは、位相差φの制御により、2次側電流Idc2を0Aから目標値(例えば、20A)へ徐々に増大させる。これにより、起動時の出力誤差ieを低減することが可能となる。
その後、上述した通常の運転制御へ移行し、複数の1次側駆動パルスS11〜S16中に、第1デューティ比D1のパルスパターンを付加し、及び/又は、複数の2次側駆動パルスS31〜S36中に、第2デューティ比D2のパルスパターンを付加して、2次側インバータ30Aの出力値(例えば、2次側電流Idc2)を一定値(例えば、20A)に維持する。
図15は、図1−2の制御部40における起動制御方法を示すフローチャートである。
図15のフローチャートでは、制御部40により、デューティ比遷移領域Adtの処理(ステップST1〜ST4)と、ソフトスタート領域Assの処理(ステップST5〜ST6)と、が行われる。
図1−2の制御部40の起動制御が開始されると、先ず、デューティ比遷移領域Adtの処理が始まり、ステップST1において、2次側電流指令値設定部41により、2次側電流指令値I2が初期値(例えば、0A)に設定され、更に、デューティ比設定部48により、第1、第2デューティ比D1,D2がそれぞれ初期値(例えば、2/3=0.66)に設定され、ステップST2へ進む。
ステップST2において、以下のように、1次側インバータ10A内のスイッチ11〜16、及び2次側インバータ30A内のスイッチ31〜36のスイッチング動作が開始(即ち、位相差φを使用した電流フィードバック制御が開始)される。
誤差部42により、2次側電流指令値I2(=0A)と2次側電流Idc2との誤差eが求められ、その誤差eが位相差算出部43に入力される。位相差算出部43は、入力された誤差eを0にするような、1次側インバータ10Aの出力電流と2次側インバータ30Aの入力電流との位相差φを算出する。この位相差φは、補正部44により、PI制御等で補正されて、駆動パルス生成部45に入力される。駆動パルス生成部45は、補正された位相差φに基づき、1次側駆動パルスS10及び2次側駆動パルスS30を生成し、その1次側駆動パルスS10を1次側パルスパターン付加部46に入力し、その2次側駆動パルスS30を2次側パルスパターン付加部47に入力する。
1次側パルスパターン付加部46は、デューティ比設定部48で設定された第1デューティ比D1(=2/3)のパルスパターンを、1次側駆動パルスS10中に付加して出力パルスS46を生成し、その出力パルスS46を1次側パルス駆動部49に入力する。更に、2次側パルスパターン付加部47は、デューティ比設定部48で設定された第2デューティ比D2(=2/3)のパルスパターンを、2次側駆動パルスS30中に付加して出力パルスS47を生成し、その出力パルスS47を2次側パルス駆動部50に入力する。1次側パルス駆動部49は、入力された出力パルスS46を駆動し、1次側駆動パルスS11〜S16を生成してスイッチ11〜16をオン/オフ動作させる。同様に、2次側パルス駆動部50は、入力された出力パルスS47を駆動し、2次側駆動パルスS31〜S36を生成してスイッチ31〜36をオン/オフ動作させる。
ステップST3において、デューティ比設定部48は、第1、第2デューティ比D1,D2を徐々に増大する。第1、第2デューティ比D1,D2が設定値(例えば、1.0)に達すると(Yes)、次のソフトスタート領域Assの処理のステップST5へ進む。
ステップST5において、2次側電流指令値設定部41は、2次側電流指令値I2を徐々に増大する。ステップST6において、2次側電流指令値I2が目標値(例えば、20A)に達すると(Yes)、起動制御を終了し、上述の通常の運転制御へ移行する。
(実施例1の効果)
本実施例1の3相DAB型DC/DCコンバータ及びその制御方法によれば、以下の(A)、(B)のような効果がある。
(A) 通常の運転制御では、比較例と同様に、1次側インバータ10A及び2次側インバータ30Aのうちのいずれか一方又は両方のインバータの駆動パルスS11〜S16,S31〜S36に、H側スイッチすべてを同時にオンするデューティ比D1,D2のパルスパターン、又はL側スイッチすべてを同時にオンするデューティ比D1,D2のパルスパターンを付加している。そのため、特に入出力間の電流差が大きい場合、同じ出力電力値でも回路内を循環し、出力電力Poに寄与しない電流値を大幅に低減することができるので、電力変換損失を低減することができる。これにより、上記の課題(a)を解決でき、各種の回路構成素子、放熱機器等の簡素化が可能となる。
(B) 起動制御では、H側スイッチ又はL側スイッチすべてを同時にオンするパルスパターンを、駆動パルスパターンに付加して、起動時の初期出力低減を図っている。このような起動制御を行った場合、回路内に循環する電流(有効、無効成分両方)を抑制制御できるので、意図的に、付加するパルスパターンの第1、第2デユ一テイ比D1,D2を、2次側電流Idc2が0AとなるD1=D2=2/3=0.66でコンバータ発振を開始する(図14)。その後、2次側電流Idc2が0Aとなるように位相差φの電流フィードバック制御を行いつつ、デューティ比D1,D2を出力可能な値へ遷移させる。デューティ比D1,D2の値が設定値(図14では従来DAB制御となる1.0)へ遷移完了した後に、2次側電流Idc2を増大するように位相差φ制御を開始する。これにより、DAB型DC/DCコンバータ起動時に発生する上記の課題(b)の出力誤差ieを低減でき、制御性を向上できる。
(実施例2の構成)
図16は、図1−1の3相DAB型DC/DCコンバータを制御するための本発明の実施例2の制御部40Aの構成を示す機能ブロック図である。図16の制御部40Aにおいて、実施例1を示す図1−2の制御部40中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例2の制御部40Aは、1次側インバータ10Aの出力値(例えば、出力電圧vp)と2次側インバータ30Aの入力値(例えば、入力電圧vs)との間の位相差φを変えて2次側インバータ30Aの出力値を制御するものである。この制御部40Aでは、実施例1の制御部40における2次側電流指令値設定部41及びデューティ比設定部48に代えて、これらとは機能の異なる2次側電圧指令値設定部41A及びデューティ比設定部48Aが設けられている。
本実施例2の2次側電圧指令値設定部41Aは、起動制御時において、2次側電圧指令値V2を初期値(例えば、0V)に設定し、その後、2次側電圧指令値V2を目標値(例えば、400V)まで遷移させて、運転制御を行わせるものであり、この出力側に、誤差部42Aが接続されている。誤差部42Aは、2次側電圧指令値V2と、図示しない電圧計で測定された2次側電圧Vdc2と、の誤差eを求めるものであり、この出力側に、実施例1と同様の位相差算出部43が接続されている。
デューティ比設定部48Aは、第1、第2デューティ比D1,D2を起動制御時とその後の運転制御時において、次の(i)、(ii)のように設定する機能を有している。
(i) 起動制御時
デューティ比D1,D2を初期値(変圧器20Aに流れる変圧器電流Itが最小値(例えば、略0A)になる値2/3=0.66)に設定し、その後、デューティ比D1,D2を設定値(例えば、1.0)まで遷移させる。
(ii) 運転制御時
2次側インバータ30Aの出力値(例えば、2次側電圧Vdc2)を一定値である目標値(例えば、400V)に維持するために、図示しない電圧計で測定された1次側電圧Vdc1と2次側電圧Vdc2との電圧比に基づき、第1、第2デューティ比D1,D2を設定し、それを1次側パルスパターン付加部46及び2次側パルスパターン付加部47へ与えるものである。第1デューティ比D1及び第2デューティ比D2は、実施例1と同様に、0〜1の範囲の所望の値である。
本実施例2の制御部40Aは、実施例1と同様に、例えば、CPUや、半導体素子等の個別回路により構成されている。
(実施例2の運転制御方法)
1次側電圧Vdc1と2次側電圧Vdc2とが近い場合の通常動作(I)と、2次側短絡時の動作(II)と、を説明する。
(I) 1次側電圧Vdc1と2次側電圧Vdc2とが近い場合の通常動作
例えば、図1−1の3相DAB型DC/DCコンバータにおいて、直流1次側電圧Vdc1を入力し、2次側平滑コンデンサ37の出力側に接続された図示しない負荷へ、一定の直流2次側電圧Vdc2を供給する場合、1次側電圧Vdc1と2次側電圧Vdc2とが近い時の通常動作について説明する。この通常動作では、実施例1と同様に、図7の回路モード(1)〜(6)中に第1、第2デューティ比D1,D2のパルスパターンが付加されていない。
図16の制御部40Aにおいて、2次側電圧指令値設定部41Aにより、2次側電圧指令値V2が目標値(例えば、400V)に設定される。2次側電圧指令値V2に対して2次側電圧Vdc2が変動すると、誤差部42Aにより、2次側電圧指令値V2と2次側電圧Vdc2との誤差eが求められ、その誤差eが位相差算出部43に入力される。位相差算出部43は、入力された誤差eを0にするような、1次側インバータ10Aの出力電圧vpと2次側インバータ30Aの入力電圧vsとの位相差φを算出する。この位相差φは、補正部44により、PI制御等によって補正された後、駆動パルス生成部45に入力される。駆動パルス生成部45は、補正された位相差φに基づき、1次側駆動パルスS10及び2次側駆動パルスS30を生成し、その1次側駆動パルスS10を1次側パルスパターン付加部46に入力し、その2次側駆動パルスS30を2次側パルスパターン付加部47に入力する。
デューティ比設定部48は、1次側電圧Vdc1と2次側電圧Vdc2との電圧比が略1であるので、第1、第2デューティ比D1,D2をそれぞれ0に設定する。そのため、1次側パルスパターン付加部46は、入力された1次側駆動パルスS10に対応する出力パルスS46を生成し、その出力パルスS46を1次側パルス駆動部49に入力する。更に、2次側パルスパターン付加部47は、入力された2次側駆動パルスS30に対応する出力パルスS47を生成し、その出力パルスS47を2次側パルス駆動部50に入力する。1次側パルス駆動部49は、入力された出力パルスS46を駆動し、1次側駆動パルスS11〜S16を生成して図1−1の1次側インバータ10A内のスイッチ11〜16をオン/オフ動作させる。同様に、2次側パルス駆動部50は、入力された出力パルスS47を駆動し、2次側駆動パルスS31〜S36を生成して図1−1の2次側インバータ30A内のスイッチ31〜36をオン/オフ動作させる。
これにより、実施例1と同様に、デューティ比D1のパルスパターンが付加されていない図7の回路モード(1)〜(6)が実行され、1周期のスイッチング動作が終了する。
ここで、変圧器20Aの1次巻線及び2次巻線間の電圧vl(=vp−vs)がリアクトル17〜19を通ることによって、その変圧器20Aに電流が流れる。この電流から出力電力Poを前記式(1)と同様に計算できる。そのため、1次側インバータ10Aの出力電圧vpと2次側インバータ30Aの入力電圧vsとの間の位相差φにより、2次側電圧指令値V2と一致するように、2次側電圧Vdc2が制御される。
(II) 2次側短絡時の動作
例えば、負荷の変動によって2次側電圧Vdc2が0V(短絡状態)になった場合の動作を説明する。この動作では、図7の回路モード(1)〜(6)中に、第1デューティ比D1のパルスパターンが付加される。
図16の制御部40Aにおいて、2次側電圧Vdc2が0Vになり、誤差部42Aから位相差算出部43へ出力される誤差eが最大になる。位相差算出部43では、誤差eを0にするような位相差φ=0°を算出する。この位相差φ=0°は、補正部44で補正されて、駆動パルス生成部45へ入力される。駆動パルス生成部45は、補正された位相差φ=0°の1次側駆動パルスS10及び2次側駆動パルスS30を生成し、その1次側駆動パルスS10を1次側パルスパターン付加部46に入力すると共に、その2次側駆動パルスS30を2次側パルスパターン付加部47に入力する。
デューティ比設定部48Aでは、1次側電圧Vdc1と2次側電圧Vdc2との電圧比が最大値のVdc1であるので、例えば、第1デューティ比D1=第2デューティ比D2=2/3=0.66を設定する。そのため、1次側パルスパターン付加部46は、入力された1次側駆動パルスS10に第1デューティ比D1のパルスパターンを付加した出力パルスS46を生成し、その出力パルスS46を1次側パルス駆動部49に入力する。更に、2次側パルスパターン付加部47は、入力された2次側駆動パルスS30に第2デューティ比D2のパルスパターンを付加した出力パルスS47を生成し、その出力パルスS47を2次側パルス駆動部50に入力する。1次側パルス駆動部49は、入力された出力パルスS46を駆動し、1次側駆動パルスS11〜S16を生成して図1−1の1次側インバータ10A内のスイッチ11〜16をオン/オフ動作させる。同様に、2次側パルス駆動部50は、入力された出力パルスS47を駆動し、2次側駆動パルスS31〜S36を生成して図1−1の2次側インバータ30A内のスイッチ31〜36をオン/オフ動作させる。
すると、実施例1と同様に、付加された第1デューティ比D1のパルスパターンにより、図7の回路モード(1)〜(6)において、全L側スイッチ12,14,16がオン、又は全H側スイッチ11,13,15がオンする。同様に、付加された第2デューティ比D2のパルスパターンにより、図示しない回路モード(1)〜(6)において、全L側スイッチ32,34,36がオン、又は全H側スイッチ31,33,35がオンする。
そのため、付加されたパルスパターンの第1、第2デューティ比D1,D2が例えば0.66の場合、回路モード(1)〜(6)に、従来の制御方法のパルスパターンが全く発生しなくなり、回路内を循環する電流が理論上0Aとなる。従って、特に入出力間の電圧差が大きい場合に顕著となる回路内を循環する無効電流を抑制することができる。
(実施例2の起動制御方法)
図17は、従来の図2の3相DAB型DC/DCコンバータにおける起動時の2次側電圧Vdc2(1次側電圧Vdc1=400V、デッドタイムtd有り)のシミュレーション結果を示す波形図である。図17において、横軸は時間t(s)、縦軸は2次側電圧Vdc2(V)である。
図2の3相DAB型DC/DCコンバータを含めて、コンバータを起動する際は、ソフトスタート領域Assを設け、出力される2次側電圧Vdc2を0Vより目標値(例えば、400V)へ向けて徐々に増大させるソフトスタート起動を行うことが一般的である。しかし、図6に示すように、理論上は、出力電力Po(即ち、変換電力P)が0になる位相差φ=0°ポイントにおいて、デッドタイムtdが有ると、出力電力Poが発生してしまうため、コンバータ起動時において、起動時初期出力誤差ieが大きくなる問題がある。この問題を解決するために、本実施例2では、以下のような起動制御を行っている。
図18は、図1−1の3相DAB型DC/DCコンバータにおいて起動時の2次側電圧Vdc2(1次側電圧Vdc1=400V、デッドタイムtd有り)のシミュレーション結果を示す波形図である。図18の上段の波形図において、横軸は時間t(s)、縦軸は2次側電圧Vdc2(V)である。図18の下段の波形図において、横軸は時間t(s)、縦軸は第1、第2デューティ比D1,D2である。図18の上段のAssはソフトスタート領域、下段のAdtはデューティ比遷移領域である。
本実施例2の起動制御では、図18のデューティ比遷移領域Adtに示すように、先ず、第1、第2デューティ比D1,D2を、2次側電流Idc2が0となる初期値(例えば、2/3=0.66)に設定し、図1−1の3相DAB型DC/DCコンバータの発振を開始する。その後、3相DAB型DC/DCコンバータから出力される2次側電圧Vdc2が0となるように、1次側インバータ10Aの出力値(例えば、出力電圧vp)と2次側インバータ30Aの入力値(例えば、入力電圧vs)との位相差φの電圧フィードバック制御を行いつつ、第1、第2デューティ比D1,D2を出力可能な設定値(例えば、D1=D2=1.00)へ遷移させる。第1、第2デューティ比D1,D2が設定値へ遷移すると、ソフトスタート領域Assへ進む。ソフトスタート領域Assでは、位相差φの制御により、2次側電圧Vdc2を0Vから目標値(例えば、400V)へ徐々に増大させる。これにより、起動時の出力誤差ieを低減することが可能となる。
その後、上述した通常の運転制御へ移行し、複数の1次側駆動パルスS11〜S16中に、第1デューティ比D1のパルスパターンを付加し、及び/又は、複数の2次側駆動パルスS31〜S36中に、第2デューティ比D2のパルスパターンを付加して、2次側インバータ30Aの出力値(例えば、2次側電圧Vdc2)を一定値(例えば、400V)に維持する。
図19は、図16の制御部40Aにおける起動制御方法を示すフローチャートである。図19において、実施例1を示す図15中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
図19のフローチャートでは、制御部40Aにより、デューティ比遷移領域Adtの処理(ステップST1A〜ST4)と、ソフトスタート領域Assの処理(ステップST5A〜ST6A)と、が行われる。
図16の制御部40Aの起動制御が開始されると、先ず、デューティ比遷移領域Adtの処理が始まり、ステップST1Aにおいて、2次側電圧指令値設定部41Aにより、2次側電圧指令値V2が初期値(例えば、0V)に設定され、更に、デューティ比設定部48Aにより、第1、第2デューティ比D1,D2がそれぞれ初期値(例えば、2/3=0.66)に設定され、ステップST2へ進む。
ステップST2において、実施例1と略同様に、以下のように、1次側インバータ10A内のスイッチ11〜16、及び2次側インバータ30A内のスイッチ31〜36のスイッチング動作が開始(即ち、位相差φを使用した電圧フィードバック制御が開始)される。
誤差部42Aにより、2次側電圧指令値V2(=0V)と2次側電圧Vdc2との誤差eが求められ、その誤差eが位相差算出部43に入力される。位相差算出部43は、入力された誤差eを0にするような、1次側インバータ10Aの出力電圧vpと2次側インバータ30Aの入力電圧vsとの位相差φを算出する。この位相差φは、補正部44により、PI制御等で補正されて、駆動パルス生成部45に入力される。駆動パルス生成部45は、補正された位相差φに基づき、1次側駆動パルスS10及び2次側駆動パルスS30を生成し、その1次側駆動パルスS10を1次側パルスパターン付加部46に入力し、その2次側駆動パルスS30を2次側パルスパターン付加部47に入力する。
1次側パルスパターン付加部46は、デューティ比設定部48Aで設定された第1デューティ比D1(=2/3=0.66)のパルスパターンを、1次側駆動パルスS10中に付加して出力パルスS46を生成し、その出力パルスS46を1次側パルス駆動部49に入力する。更に、2次側パルスパターン付加部47は、デューティ比設定部48Aで設定された第2デューティ比D2(=2/3=0.66)のパルスパターンを、2次側駆動パルスS30中に付加して出力パルスS47を生成し、その出力パルスS47を2次側パルス駆動部50に入力する。1次側パルス駆動部49は、入力された出力パルスS46を駆動し、1次側駆動パルスS11〜S16を生成してスイッチ11〜16をオン/オフ動作させる。同様に、2次側パルス駆動部50は、入力された出力パルスS47を駆動し、2次側駆動パルスS31〜S36を生成してスイッチ31〜36をオン/オフ動作させる。
ステップST3において、デューティ比設定部48Aは、第1、第2デューティ比D1,D2を徐々に増大する。第1、第2デューティ比D1,D2が設定値(例えば、1.0)に達すると(Yes)、次のソフトスタート領域Assの処理のステップST5Aへ進む。
ステップST5Aにおいて、2次側電圧指令値設定部41Aは、2次側電圧指令値V2を徐々に増大する。ステップST6Aにおいて、2次側電圧指令値V2が目標値(例えば、400V)に達すると(Yes)、起動制御を終了し、上述の通常の運転制御へ移行する。
(実施例2の効果)
本実施例2の3相DAB型DC/DCコンバータ及びその制御方法によれば、以下の(A)、(B)のような効果がある。
(A) 実施例1と略同様に、通常の運転制御では、比較例と同様に、1次側インバータ10A及び2次側インバータ30Aのうちのいずれか一方又は両方のインバータの駆動パルスS11〜S16,S31〜S36に、H側スイッチすべてを同時にオンするデューティ比D1,D2のパルスパターン、又はL側スイッチすべてを同時にオンするデューティ比D1,D2のパルスパターンを付加している。そのため、特に入出力間の電圧差が大きい場合、同じ出力電力値でも回路内を循環し、出力電力Poに寄与しない電流値を大幅に低減することができるので、電力変換損失を低減することができる。これにより、上記の課題(a)を解決でき、各種の回路構成素子、放熱機器等の簡素化が可能となる。
(B) 実施例1と略同様に、起動制御では、H側スイッチ又はL側スイッチすべてを同時にオンするパルスパターンを、駆動パルスパターンに付加して、起動時の初期出力低減を図っている。このような起動制御を用いた場合、回路内に循環する電流(有効、無効成分両方)を抑制制御できるので、意図的に、付加するパルスパターンの第1、第2デユ一テイ比D1,D2を、2次側電流Idc2が0AとなるD1=D2=2/3=0.66でコンバータ発振を開始する(図18)。その後、2次側電圧Vdc2が0Vとなるように位相差φの電圧フィードバック制御を行いつつ、デューティ比D1,D2を出力可能な値へ遷移させる。デューティ比D1,D2の値が設定値(図18では従来DAB制御となる1.0)へ遷移完了した後に、2次側電圧Vdc2を増大するように位相差φ制御を開始する。これにより、DAB型DC/DCコンバータ起動時に発生する上記の課題(b)の出力誤差ieを低減でき、制御性を向上できる。
(実施例1、2の変形例)
本発明は、上記実施例1、2に限定されず、他の利用形態や変形が可能である。この変形例としては、例えば、次の(1)〜(4)のようなものがある。
(1) 図7及び図8では、1次側駆動パルスS11〜S16に、第1デューティ比D1のパルスパターンを付加した制御方法を説明したが、2次側駆動パルスS31〜S36にのみ、第2デューティ比D2のパルスパターンを付加する制御方法、或いは、第1デューティ比D1及び第2デューティ比D2のパルスパターンを共に付加する制御方法に変更しても良い。このような制御方法を採用しても、上記実施例1、2と略同様の作用効果を奏することができる。
(2) 本発明は、例えば、図2のような単相DAB型DC/DCコンバータ、あるいは、4相以上のDAB型DC/DCコンバータにも適用でき、上記実施例1、2と略同様の作用効果を奏することができる。
(3) 図1−1及び図2において、変圧器20A,20に接続されたリアクトル17〜19等には、その変圧器20A,20の偏磁防止用のコンデンサを直列に接続しても良い。これにより、変圧器20A,20の偏磁を防止して電力変換効率を向上できる。
(4) 図1−1及び図2に示すDAB型DC/DCコンバータにおける電力変換部の構成、或いは、図1−2及び図16に示す制御部40,40Aの構成は、図示以外の構成に変更しても良い。
1 1次側平滑コンデンサ
10,10A 1次側インバータ
11〜16,31〜36 スイッチ
17〜19 リアクトル
20,20A 変圧器
30,30A 2次側インバータ
37 2次側平滑コンデンサ
40,40A 制御部
41 2次側電流指令値設定部
41A 2次側電圧指令値設定部
42,42A 誤差部
43 位相差算出部
44 補正部
45 駆動パルス生成部
46 1次側パルスパターン付加部
47 2次側パルスパターン付加部
48,48A デューティ比設定部
49 1次側パルス駆動部
50 2次側パルス駆動部

Claims (8)

  1. 複数の高レベル側及び低レベル側のスイッチがフルブリッジ接続され、直流の1次側電圧及び1次側電流をスイッチングして交流電圧及び交流電流に変換して出力する1次側インバータと、
    1次巻線及び2次巻線を有し、前記1次側インバータの出力電圧及び出力電流を前記1次巻線に入力し、誘起された交流電圧及び交流電流を前記2次巻線から出力する変圧器と、
    複数の高レベル側及び低レベル側のスイッチがフルブリッジ接続され、前記2次巻線の出力電圧及び出力電流を整流し、直流の2次側電圧及び2次側電流を出力する2次側インバータと、
    複数の1次側駆動パルスを出力して前記1次側インバータにおける前記複数の高レベル側及び低レベル側のスイッチをそれぞれオン/オフ動作させ、且つ、複数の2次側駆動パルスを出力して前記2次側インバータにおける前記複数の高レベル側及び低レベル側のスイッチをそれぞれオン/オフ動作させ、前記1次側インバータの出力値と前記2次側インバータの入力値との間の位相差を変えて前記2次側インバータの出力値を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記複数の1次側駆動パルス中及び/又は前記複数の2次側駆動パルス中に付加する、前記高レベル側のスイッチのすべて及び/又は前記低レベル側のスイッチのすべてを同時にオンするパルスパターンのデューティ比を、遷移させ、前記2次側インバータの出力値を目標値に遷移させる起動制御を行う、
    構成にしたことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記起動制御では、
    前記2次側インバータの出力値と、前記パルスパターンのデューティ比と、を初期値に設定し、
    前記位相差を用いたフィードバック制御を開始し、
    前記パルスパターンのデューティ比を設定値まで遷移させ、
    前記2次側インバータの出力値を前記目標値まで遷移させる、
    構成にしたことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記デューティ比の前記初期値は、
    前記変圧器に流れる変圧器電流が最小値になる値であり、
    前記2次側インバータの出力値における前記初期値は、
    零である、
    ことを特徴とする請求項2記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記起動制御を行った後、
    前記デューティ比を有する前記パルスパターンを、前記複数の1次側駆動パルス中及び/又は前記複数の2次側駆動パルス中に付加して、前記2次側インバータの出力値を一定値に維持する運転制御を行う、
    構成にしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記デューティ比を有する前記パルスパターンは、
    前記複数の1次側駆動パルス中に付加する第1デューティ比のパルスパターンと、
    前記複数の2次側駆動パルス中に付加する第2デューティ比のパルスパターンと、
    を有し、
    前記第1デューティ比及び前記第2デューティ比は、
    0〜1の範囲の値であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記1次側インバータ、前記2次側インバータ、及び前記変圧器は、単相、3相又は4相以上の電力変換を行う構成になっている、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のスイッチング電源装置。
  7. 前記1次側インバータの出力側と前記1次巻線との間、及び/又は、前記2次巻線と前記2次側インバータの入力側との間には、
    リアクトルが接続されている、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のスイッチング電源装置。
  8. 複数の高レベル側及び低レベル側のスイッチがフルブリッジ接続され、直流の1次側電圧及び1次側電流をスイッチングして交流電圧及び交流電流に変換して出力する1次側インバータと、
    1次巻線及び2次巻線を有し、前記1次側インバータの出力電圧及び出力電流を前記1次巻線に入力し、誘起された交流電圧及び交流電流を前記2次巻線から出力する変圧器と、
    複数の高レベル側及び低レベル側のスイッチがフルブリッジ接続され、前記2次巻線の出力電圧及び出力電流を整流し、直流の2次側電圧及び2次側電流を出力する2次側インバータと、
    を備えるスイッチング電源装置に対して、
    複数の1次側駆動パルスを出力して前記1次側インバータにおける前記複数の高レベル側及び低レベル側のスイッチをそれぞれオン/オフ動作させ、且つ、複数の2次側駆動パルスを出力して前記2次側インバータにおける前記複数の高レベル側及び低レベル側のスイッチをそれぞれオン/オフ動作させ、前記1次側インバータの出力値と前記2次側インバータの入力値との間の位相差を変えて前記2次側インバータの出力値を制御する、
    スイッチング電源装置の制御方法であって、
    前記複数の1次側駆動パルス中及び/又は前記複数の2次側駆動パルス中に付加する、前記高レベル側のスイッチのすべて及び/又は前記低レベル側のスイッチのすべてを同時にオンするパルスパターンのデューティ比を、遷移させ、前記2次側インバータの出力値を目標値に遷移させる起動制御を行う、
    ことを特徴とするスイッチング電源装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5027264A (en) * 1989-09-29 1991-06-25 Wisconsin Alumni Research Foundation Power conversion apparatus for DC/DC conversion using dual active bridges
JP2016012970A (ja) * 2014-06-27 2016-01-21 新電元工業株式会社 Dc/dcコンバータの制御装置及びその制御方法
WO2016038967A1 (ja) * 2014-09-11 2016-03-17 株式会社村田製作所 電力変換装置
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