JP2021113437A - 定着部付鉄筋の製造方法および定着部付鉄筋の製造装置 - Google Patents

定着部付鉄筋の製造方法および定着部付鉄筋の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】L型定着部付鉄筋を効率良く製造する。【解決手段】鉄筋11の先端に、鉄筋の軸方向と直交する第一方向への突出量が大きく且つ第一方向とは逆方向である第二方向への突出量が小さい拡径部12を定着部として備えた定着部付鉄筋を製造する方法で、鉄筋先端部を塑性変形可能な温度に高周波誘導加熱する加熱工程と、加熱した鉄筋先端部を軸方向に圧縮して先端に向かうにつれ断面積が小さくなる錐台形の増径部15を形成する第一加工工程と、増径部を、軸方向へ押圧して成型凹部38に押し込むことにより平板状の拡径部を形成する第二加工工程とを含む。第二加工工程では、増径部に続いて鉄筋の基端側に延びる一定長の鉄筋部分である増径隣接部11cを雌型35の鉄筋把持孔39内に把持する。【選択図】図11

Description

本発明は、定着部付鉄筋の製造方法および定着部付鉄筋の製造装置に係り、特に、鉄筋の端部を加熱して塑性変形させ定着部を形成する技術に関する。
鉄筋コンクリート構造では、フック状(U字状やL字状)に端部を曲げ定着部を形成した鉄筋が従来から使用されてきたが、近年これに代え、釘の頭のように膨らんだ定着部を備えた端部拡径鉄筋(後述の特許文献1の図1等参照)が使用され始めている。
この端部拡径鉄筋は、在来の鉄筋に比べて定着部を小さくできることから、例えば高層建物の柱と梁の接合部のような多数の鉄筋が集中する過密配筋部の鉄筋の納まりを良くし、コンクリートを充填しやすくすることができ、配筋作業の効率化やコスト低減が可能であるなど優れた特長を有する。また、強度的にも在来の鉄筋と同等以上の性能を確保することが出来る。
製造にあたっては、鉄筋の端部を塑性変形可能な温度に加熱し、加熱された端部を軸方向に圧縮して外径が増大するように塑性変形させることにより、定着部となる拡径部を一体的に形成する。
またこのような端部拡径鉄筋を開示するものとして下記特許文献がある。
特開2000−257209号公報
ところで、端部拡径鉄筋の定着部は必ずしも左右対称である必要はなく、上記特許文献1の明細書段落〔0026〕および図7に記載したように定着部を左右非対称に、すなわち、一方側への突出量を大きく、他方側への突出量を小さく形成しても良い。なお、以下このような定着部(拡径部)を「L型定着部」、突出量の大きい側の定着部の部分を「長出部」、突出量の小さい側の定着部の部分を「短出部」とそれぞれ称し、このようなL型定着部を備えた端部拡径鉄筋を特に「L型定着部付鉄筋」または「L型鉄筋」と称する。
そして、このようなL型定着部付鉄筋によれば、突出量の大きい長出部を使って他の鉄筋へ定着させることで定着強度を高めることが出来るとともに、突出量の小さい短出部をコンクリート壁の壁面側に配置することで、壁面との間のコンクリートのかぶり量を大きくすることができ、鉄筋の腐食防止効果を向上させることも可能となる。
一方、上記特許文献1では、このようなL型鉄筋自体を開示してはいるが、その製造方法については、「熱間据込加工のみによって形成しても良いし、熱間据込加工と曲げ加工を併用しても良い」旨記載するだけで、それ以上具体的に示していない。
したがって、本発明の目的は、L型定着部付鉄筋を製造する具体的な方法を得る点にある。
前記課題を解決し目的を達成するため、本願の第一の発明に係る定着部付鉄筋の製造方法は、鉄筋の先端部に、当該鉄筋の軸方向と略直交する第一方向への突出量が大きく且つ当該第一方向とは逆方向である第二方向への突出量が小さい拡径部を定着部として備えた定着部付鉄筋を製造する方法であって、鉄筋先端部の拡径部とする部分である拡径予定部を塑性変形可能な温度に加熱する加熱工程と、雄型を受け入れ可能な開口を有し且つ当該開口に鉄筋の先端が向くように拡径予定部を収容し当該拡径予定部を支持可能な雌型に前記加熱工程で加熱した拡径予定部を支持させるとともに、雄型で拡径予定部を先端側から押圧することにより塑性変形させて前記拡径部を形成する加工工程とを含み、雌型はその底面部に、第一方向に対応する方向に長く第二方向に対応する方向に短い形状を有する凹部を備え、雄型で拡径予定部を押圧し押し潰したときに当該凹部に拡径予定部が押し込められて拡径部が形成されるようにした。
本発明が対象とする定着部付鉄筋は、例えば前記特許文献1に示したL型定着部付鉄筋のような、鉄筋の軸方向と略直交する第一方向への突出量が大きく且つ第一方向とは逆方向である第二方向への突出量が小さい拡径部を定着部として先端部に備えた鉄筋である。このような鉄筋は、上記加熱工程で加熱した鉄筋先端の拡径予定部を雄型により軸方向へ押圧し、拡径部の形状に対応した凹部に押し込むことにより得られる。すなわち当該凹部は、第一方向に対応する方向に長く第二方向に対応する方向に短い形状を有するから、定着部の突出量が大きな部分である長出部と、突出量の小さな部分である短出部とが形成され、鉄筋の先端部にL型定着部が備えられる。
また、上記第一発明の好ましい態様では、雌型が、拡径予定部と、拡径予定部に続いて鉄筋の基端側に延びる一定長さの鉄筋部分である拡径隣接部とを挟むように収容可能な第一雌型部と第二雌型部とを有し、第一雌型部は、鉄筋の軸方向に直交する方向に関し、拡径隣接部の略半分を収容し嵌合させることが可能な半割状の第一鉄筋把持溝を有し、第二雌型部は、鉄筋の軸方向に直交する方向に関し、拡径隣接部の他の略半分(残りの略半分)を収容し嵌合させることが可能な半割状の第二鉄筋把持溝を有する。
そして、拡径予定部を雌型に収容したときに、第一鉄筋把持溝と第二鉄筋把持溝とにより拡径隣接部が把持され、これにより拡径予定部が雌型内に支持されるようにする。より具体的には、拡径予定部を雌型に収容したときに、第一鉄筋把持溝と第二鉄筋把持溝とが合わさって当該第一鉄筋把持溝と第二鉄筋把持溝とが拡径隣接部の横断面形状に略一致する横断面形状となることにより当該拡径隣接部が把持されるようにする。
このような支持構造を備える態様によれば、拡径予定部を押し潰し雌型の凹部に押し込めて塑性変形させるときの大きな力が鉄筋に加わっても拡径予定部を雌型内に堅固に支持することができ、所定形状のL型定着部を先端に備えた鉄筋をより確実に歩留まり良く製造することが可能となる。
また、本願の第二の発明に係る定着部付鉄筋の製造方法は、前記第一の発明に係る方法と同様に鉄筋の先端部に当該鉄筋の軸方向と略直交する第一方向への突出量が大きく且つ当該第一方向とは逆方向である第二方向への突出量が小さい拡径部を定着部として備えた定着部付鉄筋を製造する方法であるが、鉄筋先端部の拡径予定部を塑性変形可能な温度に加熱する加熱工程と、加熱工程で加熱した拡径予定部を軸方向に圧縮することにより増径部を形成する第一加工工程と、雄型を受け入れ可能な開口を有し且つ当該開口に鉄筋の先端が向くように増径部を収容し当該増径部を支持可能な雌型に増径部を支持させるとともに、雄型で増径部を先端側から押圧することにより塑性変形させて拡径部を形成する第二加工工程とを含み、雌型はその底面部に、第一方向に対応する方向に長く第二方向に対応する方向に短い形状を有する凹部を備え、雄型により増径部を押圧して押し潰したときに当該凹部に増径部が押し込められて拡径部が形成されるようにした。
この第二の発明に係る製造方法は、2段階の加工工程を経てL型定着部を形成するもので、第一加工工程ではまず、塑性変形可能な温度に加熱した鉄筋先端部の拡径予定部を軸方向に圧縮することにより、径が増大した(太くなった)増径部を形成する。次に、第一加工工程で形成した増径部(拡径予定部)を、第二加工工程で、前記第一の発明と同様に軸方向へ押圧して押し潰すように雌型底面部の凹部に押し込めることにより、L型定着部を形成する。
また、この第二の発明においても、前記第一発明の好ましい態様と同様の雌型と雄型を使用して上記第二加工工程を実施することが好ましい。
すなわち第二の発明の好ましい態様では、雌型が、増径部と当該増径部に続いて鉄筋の基端側に延びる一定長さの鉄筋部分である増径隣接部(前記第一発明の拡径隣接部に相当する)とを挟むように収容する第一雌型部と第二雌型部とを有し、第一雌型部は、鉄筋の軸方向に直交する方向に関し、増径隣接部の略半分を収容し嵌合させることが可能な半割状の第一鉄筋把持溝を有し、第二雌型部は、鉄筋の軸方向に直交する方向に関し、拡径隣接部の他の略半分を収容し嵌合させることが可能な半割状の第二鉄筋把持溝を有する。
そして、増径部を雌型に収容したときに、第一鉄筋把持溝と第二鉄筋把持溝とにより増径隣接部が把持され、これにより増径部が雌型内に支持されるようにする。前記第一の発明と同様に言い換えれば、拡径予定部を雌型に収容したときに、第一鉄筋把持溝と第二鉄筋把持溝とが合わさり当該第一鉄筋把持溝と第二鉄筋把持溝とが増径隣接部の横断面形状に略一致する横断面形状となることにより当該増径隣接部が把持されるようにする。
また、上記第二の発明および好ましい態様において増径部の形状は、鉄筋の先端に向かうにつれ断面積が小さくなる錐台形または錐体形の形状とすることが好ましい。このような形状とすれば、第二加工工程で増径部を押し潰したときに平板状の定着部を良好に形成することが出来るからである。なお、「錐台形または錐体形」とは、典型的には後に述べる実施形態のように円錐台の形状を有するものであるが、必ずしも円錐台形に限られず、四角錐台形などの角錐台形、あるいは、円錐形や角錐形などを含む概念である。
上記のような形状の増径部を形成するには、例えば、鉄筋先端部の拡径予定部を塑性変形可能な温度に加熱し(加熱工程)、この加熱した拡径予定部を、形成したい増径部の形状に対応する錐台形または錐体形の凹部を備えた型に押し込み、当該凹部に向け軸方向に鉄筋を圧縮すれば良い。
また、第二加工工程を実施するにあたっては(第一加工工程と第二加工工程の間には)、拡径予定部(増径部)を再加熱すること、すなわち、増径部を加熱する再加熱工程を実施することが好ましい。上記L型定着部を速やかに形成しやすくするためである。
この再加熱工程は、第一加工工程の終了後、増径部の温度が700℃以下になる前に開始することが望ましい。温度が一旦低くなってからでは、増径部が中心部まで十分に加熱され難くなるからであり、また、中心部まで迅速且つ十分に加熱しようとすれば、表層部が柔らかくなりすぎて定着部の仕上がり形状が安定し難くなるおそれがあるからである。
上記加熱工程および再加熱工程における加熱は、高周波誘導加熱により行うことが好ましい。高周波誘導加熱によれば、拡径予定部のみを局所的に、しかも急速かつ正確な温度に加熱することができ、短時間に高精度の加工が可能となるからである。
また、本発明に係る定着部付鉄筋の製造装置は、鉄筋の先端部に、当該鉄筋の軸方向と略直交する第一方向への突出量が大きく且つ当該第一方向とは逆方向である第二方向への突出量が小さい拡径部を定着部として備えた定着部付鉄筋を製造する装置であって、鉄筋先端部の拡径予定部を塑性変形可能な温度に加熱する加熱部と、当該加熱した拡径予定部を軸方向に圧縮することにより先端に向かうにつれ断面積が小さくなる錐台形または錐体形の増径部を形成する第一加工部と、増径部を押し潰すことにより拡径部を形成する第二加工部とを備える。
また上記第二加工部は、増径部を先端側から押圧して塑性変形させる雄型と、当該雄型を受け入れる開口を有し、内部に増径部を収容して前記開口に先端が向くように増径部を支持する雌型とを備え、雌型は、雄型により増径部を押し潰したときに増径部が押し込められて拡径部が形成されるように第一方向に対応する方向に長く第二方向に対応する方向に短い形状を有する凹部を底面部に備えている。
さらに上記製造装置の好ましい態様では、雌型が、増径部と増径隣接部(増径部に続いて鉄筋の基端側に延びる一定長さの鉄筋部分)とを挟むように収容する第一雌型部と第二雌型部とを有し、第一雌型部は、鉄筋の軸方向に直交する方向に関し、増径隣接部の略半分を収容し嵌合させることが可能な半割状の第一鉄筋把持溝を有し、第二雌型部は、鉄筋の軸方向に直交する方向に関し、増径隣接部の他の略半分を収容し嵌合させることが可能な半割状の第二鉄筋把持溝を有し、増径部を雌型に収容したときに、第一鉄筋把持溝と第二鉄筋把持溝とにより増径隣接部が把持され、これにより増径部が雌型内に支持されるようにする。
本発明並びに上記好ましい態様に係る製造装置は、前述した製造方法を実施するのに好適な装置で、特に上記好ましい態様に係る製造装置は、前記第一および第二の発明の好ましい態様と同様に増径部を堅固に支持できる雌型を備え、L型定着部を先端に備えた鉄筋をより確実に歩留まり良く製造することが出来る。
なお、上記製造装置においても前記製造方法と同様の理由から、第一加工部によって形成された増径部を加熱する再加熱部をさらに含むことが好ましい。またこの再加熱部および前記加熱部は、好ましくは高周波誘導加熱により加熱を行うものとする。
本発明は、異形鉄筋、すなわち、鋼を圧延して表面にリブ(長さ方向に延びる突条)や節(周面に沿って形成された半円状の突条)と称される凹凸突起を設けた棒状の鋼材に適用することが出来るほか、丸鋼や他の金属材にも適用が可能である。また本発明における鉄筋の加熱は、高周波誘導加熱以外の加熱方法、例えばガスバーナーやその他の加熱方法によることも可能である。
本発明によれば、L型定着部付鉄筋を効率良く製造することが出来る。
本発明の他の目的、特徴および利点は、図面に基づいて述べる以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。なお、各図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係る定着部付鉄筋の製造方法により製造可能なL型定着部付鉄筋を示す斜視図である。 図2は、前記実施形態に係る製造方法の第一加工工程で形成する増径部を示す斜視図である。 図3は、前記実施形態に係る製造方法の第一加工工程(加熱工程)を示す断面図である。 図4は、前記実施形態に係る製造方法の第一加工工程(増径部を形成する工程)を示す水平断面図である。 図5は、前記実施形態に係る製造方法の第一加工工程(増径部を形成する工程)を示す水平断面図である。 図6は、前記実施形態に係る製造方法の第一加工工程で形成した増径部を示す平面図である。 図7は、前記実施形態に係る製造方法の第二加工工程(再加熱工程)を示す水平断面図である。 図8は、前記実施形態に係る製造方法の第二加工工程(拡径部を形成する工程)を示す水平断面図である。 図9は、前記実施形態に係る製造方法の第二加工工程(拡径部を形成する工程)を示す水平断面図である。 図10は、前記実施形態に係る製造方法の第二加工工程(拡径部を形成する工程)を示す水平断面図である。 図11は、前記実施形態に係る製造方法の第二加工工程(拡径部を形成する工程)を示す斜視図である。 図12は、前記図11の分解斜視図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る定着部付鉄筋11の製造方法は、前述したL型定着部付鉄筋、すなわち、鉄筋端部の拡径部12の突出量を一方側への突出量P1を大きく、他方側への突出量P2を小さく形成した(P1>P2とした)定着部付鉄筋11を製造するもので、第一の加工工程として図2に示すように鉄筋の端部に円錐台形の増径部15をまず形成し、続く第二の加工工程として増径部15を図1に示すような長出部12aと短出部12bとからなる平板状の拡径部(L型定着部)12へ変形させる。
以下、それらの工程を順に詳しく述べるが、各図には前後左右上下の方向を示す二次元または三次元直交座標を記載してあり、これらの方向に基いて実施形態の説明を行う。また、本実施形態では異形鉄筋、すなわち、鋼を圧延して表面にリブ(長さ方向に延びる突条)13や節(周面に沿って形成された半円状の突条)14と称される凹凸突起を設けた棒状の鋼材を対象とするが、丸鋼や他の金属材にも適用が可能であることは既に述べたとおりである。
〔第一加工工程〕
図3を参照して、まず鉄筋11の先端側(本実施形態の説明では後側)の拡径予定部(拡径部とする部分)11aを加熱する。加熱の方法は特に限定されるものではないが本実施形態では、所望の部分を局所的に急速に加熱できる高周波誘導加熱を用いることとし(後に述べる第二加工工程でも同様)、図3に示すように加工を行う鉄筋先端の拡径予定部11aを誘導コイル16内に配置して当該コイル16に高周波電流を供給して加熱を行う。加熱温度は、鉄筋11の材料等にもよるが、当該鉄筋11が溶融せず且つ塑性変形が可能な温度、例えば800〜1300℃程度である。なお、図中の符号11bは鉄筋11の先端面を示す。
次に、図4に示すように、鉄筋11の前側中間部をクランプ23で把持するとともに、加熱した拡径予定部11aを増径金型21内に配置し、増径金型21をクランプ23に向け前方へ進行させて、加熱した拡径予定部11aを押し潰していく。増径金型21は、円錐台形の増径凹部22を内部に備えており、図5〜図6に示すように当該凹部22の形状、すなわち、円錐台形に拡径予定部11aが塑性変形され、増径部15が形成される。
なお、上記増径金型21の進行はプレス機械により行う(後に述べる拡径金型31についても同様)。また、成型した増径部15を取り出すことが出来るように増径金型21は、後に述べる拡径金型31(雌型35)と同様に上下(紙面に垂直な方向)に分割(開閉)することが可能である。
〔第二加工工程〕
増径部15を形成した後、この増径部15を塑性変形させ、前記図1に示した平板状の拡径部12を形成するため、図7に示すように増径部15を誘導コイル16により再度加熱し、当該増径部15を加熱した鉄筋11を図8および図11〜図12に示すように拡径金型31に配置する。
ここで、拡径金型31は、増径部15を押し潰す雄型32と、内部に増径部15を収容して支持するとともに雄型32を受け入れ案内する雌型35とからなる。
また雌型35は、雄型32を受け入れる開口36を天面(図に示す方向で言えば後端面)に有し、当該開口36に連通する内部空間37の底面部(図に示す方向では前端部)に成型凹部38を有する。この成型凹部38は直方体状の窪みからなり、形成すべき拡径部12の形状および寸法に対応する左右方向の長さと、上下方向の幅と、前後方向の深さを有する。そして、この成型凹部38に雄型32によって増径部15を押し込み、図10に示すように成型凹部38に蓋をするように雄型の押圧面33によって増径部15を押し潰すことにより平板状の拡径部12(図11〜図12では二点差線で示した)を形成できるようにしてある。
また雌型35は、第一雌型部35aと第二雌型部35bとからなり、増径部15(拡径予定部11a)に続いて鉄筋11の基端側(前側)に延びる一定長さの鉄筋部分である増径隣接部(拡径隣接部)11cを上下から挟んで把持することにより、増径部15を雌型35内に支持する。
すなわち第一雌型部35aと第二雌型部35bは、横断面(前後方向に直交する断面)が半円状の(半割状の)第一鉄筋把持溝39aと第二鉄筋把持溝39bをそれぞれ有し(図12参照)、第一雌型部35aと第二雌型部35bが上下に重なり合うように雌型35が閉じられたときに両雌型部35a,35bの鉄筋把持溝39a,39bが合わさり鉄筋11(増径隣接部11c)の横断面形状に略一致する横断面形状を有する円筒状の鉄筋把持孔39が形成される。
この鉄筋把持孔39は、雌型35の前面から成型凹部38の底面(前面)まで前後方向に延びて雌型35の前側部分を貫く貫通孔で、第一雌型部35aの鉄筋把持溝である第一鉄筋把持溝39aには増径隣接部11cの下半分(横断面半円状の下側部分)が嵌まり込み、第二雌型部35bの鉄筋把持溝である第二鉄筋把持溝39bには増径隣接部11cの上半分(横断面半円状の上側部分)が嵌まり込むことにより、増径隣接部11cが両雌型部35a,35bの間に把持され、増径部15が雌型35(内部空間37および成型凹部38)内に堅固に支持される(図11参照)。
なお、この支持状態において増径部15は、雄型32に対向するように成型凹部38の底面から後方に向け起立する。一方、雄型32は、雌型35内に支持された当該増径部15に当接してこれを押し潰す平坦な押圧面33を前面側に有する。
そして、上記のような支持構造を用いる本実施形態の製造方法によれば、雄型32で増径部15を押し潰すときに鉄筋11(増径部15)が上下左右にぶれることがなく、安定して増径部15を成型凹部38に押し込み、より確実に拡径部12を形成することが出来る。
図8を再び参照して第二加工工程では、拡径予定部11aを増径部15とした鉄筋11の先端部を雌型35にセットし、前記第一加工工程と同様にプレス機械により雄型32を前進させる。雌型35内にセットされた増径部15に向け前進してきた雄型32はその押圧面33が鉄筋11の先端面11bに当接する。その後、図9〜図10に示すように、雄型32の前進に伴って増径部15が押し潰され、成型凹部38に押し込まれることによりL型定着部12が形成される。
以上のように本実施形態の製造方法によれば、L型定着部12を備えた鉄筋11を迅速に効率良く量産することが出来る。なお、本発明は、図面に示した上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことが出来ることは当業者に明らかである。
11 鉄筋
11a 拡径予定部
11b 鉄筋の先端面
11c 増径隣接部(拡径隣接部)
12 L型定着部(拡径部)
12a 長出部
12b 短出部
13 リブ
14 節
15 増径部
16 誘導コイル
21 増径金型
22 増径凹部
23 クランプ
31 拡径金型
32 雄型
33 押圧面
35 雌型
35a 第一雌型部
35b 第二雌型部
36 開口
37 内部空間
38 成型凹部
39 鉄筋把持孔
39a 第一鉄筋把持溝
39b 第二鉄筋把持溝

Claims (12)

  1. 鉄筋の先端部に、当該鉄筋の軸方向と略直交する第一方向への突出量が大きく且つ当該第一方向とは逆方向である第二方向への突出量が小さい拡径部を定着部として備えた定着部付鉄筋を製造する方法であって、
    前記鉄筋の先端部の拡径部とする部分である拡径予定部を塑性変形可能な温度に加熱する加熱工程と、
    雄型を受け入れ可能な開口を有し且つ当該開口に前記鉄筋の先端が向くように前記拡径予定部を収容し当該拡径予定部を支持可能な雌型に前記加熱工程で加熱した拡径予定部を支持させるとともに、前記雄型で前記拡径予定部を先端側から押圧することにより塑性変形させて前記拡径部を形成する加工工程と
    を含み、
    前記雌型はその底面部に、前記第一方向に対応する方向に長く前記第二方向に対応する方向に短い形状を有する凹部を備え、前記雄型で前記拡径予定部を押圧し押し潰したときに当該凹部に前記拡径予定部が押し込められて前記拡径部が形成されるようにした
    ことを特徴とする定着部付鉄筋の製造方法。
  2. 前記雌型は、前記拡径予定部と、当該拡径予定部に続いて鉄筋の基端側に延びる一定長さの鉄筋部分である拡径隣接部とを挟むように収容可能な第一雌型部と第二雌型部とを有し、
    前記第一雌型部は、前記鉄筋の軸方向に直交する方向に関し、前記拡径隣接部の略半分を収容し嵌合させることが可能な半割状の第一鉄筋把持溝を有し、
    前記第二雌型部は、前記鉄筋の軸方向に直交する方向に関し、前記拡径隣接部の他の略半分を収容し嵌合させることが可能な半割状の第二鉄筋把持溝を有し、
    前記拡径予定部を前記雌型に収容したときに、前記第一鉄筋把持溝と前記第二鉄筋把持溝とにより前記拡径隣接部が把持され、これにより前記拡径予定部が前記雌型内に支持されるようにした
    請求項1に記載の定着部付鉄筋の製造方法。
  3. 鉄筋の先端部に、当該鉄筋の軸方向と略直交する第一方向への突出量が大きく且つ当該第一方向とは逆方向である第二方向への突出量が小さい拡径部を定着部として備えた定着部付鉄筋を製造する方法であって、
    前記鉄筋の先端部の拡径部とする部分である拡径予定部を塑性変形可能な温度に加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程で加熱した前記拡径予定部を軸方向に圧縮することにより増径部を形成する第一加工工程と、
    雄型を受け入れ可能な開口を有し且つ当該開口に前記鉄筋の先端が向くように前記増径部を収容し当該増径部を支持可能な雌型に前記増径部を支持させるとともに、前記雄型で前記増径部を先端側から押圧することにより塑性変形させて前記拡径部を形成する第二加工工程と
    を含み、
    前記雌型はその底面部に、前記第一方向に対応する方向に長く前記第二方向に対応する方向に短い形状を有する凹部を備え、前記雄型により前記増径部を押圧して押し潰したときに当該凹部に前記増径部が押し込められて前記拡径部が形成されるようにした
    ことを特徴とする定着部付鉄筋の製造方法。
  4. 前記雌型は、前記増径部と、当該増径部に続いて鉄筋の基端側に延びる一定長さの鉄筋部分である増径隣接部とを挟むように収容する第一雌型部と第二雌型部とを有し、
    前記第一雌型部は、前記鉄筋の軸方向に直交する方向に関し、前記増径隣接部の略半分を収容し嵌合させることが可能な半割状の第一鉄筋把持溝を有し、
    前記第二雌型部は、前記鉄筋の軸方向に直交する方向に関し、前記拡径隣接部の他の略半分を収容し嵌合させることが可能な半割状の第二鉄筋把持溝を有し、
    前記増径部を前記雌型に収容したときに、前記第一鉄筋把持溝と前記第二鉄筋把持溝とにより前記増径隣接部が把持され、これにより前記増径部が前記雌型内に支持されるようにした
    請求項3に記載の定着部付鉄筋の製造方法。
  5. 前記増径部は、先端に向かうにつれ断面積が小さくなる錐台形または錐体形の形状を有する
    請求項3または4に記載の定着部付鉄筋の製造方法。
  6. 前記第一加工工程と前記第二加工工程との間に、前記増径部を加熱する再加熱工程をさらに含む
    請求項3から5のいずれか一項に記載の定着部付鉄筋の製造方法。
  7. 前記再加熱工程を、前記第一加工工程の終了後、前記増径部の温度が700℃以下になる前に開始する
    請求項6に記載の定着部付鉄筋の製造方法。
  8. 前記再加熱工程における加熱は、高周波誘導加熱により行う
    請求項6または7に記載の定着部付鉄筋の製造方法。
  9. 鉄筋の先端部に、当該鉄筋の軸方向と略直交する第一方向への突出量が大きく且つ当該第一方向とは逆方向である第二方向への突出量が小さい拡径部を定着部として備えた定着部付鉄筋を製造する装置であって、
    前記鉄筋の先端部の拡径部とする部分である拡径予定部を塑性変形可能な温度に加熱する加熱部と、
    当該加熱した拡径予定部を軸方向に圧縮することにより先端に向かうにつれ断面積が小さくなる錐台形または錐体形の増径部を形成する第一加工部と、
    前記増径部を押し潰すことにより前記拡径部を形成する第二加工部と
    を備え、
    前記第二加工部は、
    前記増径部を先端側から押圧して塑性変形させる雄型と、
    当該雄型を受け入れる開口を有し、内部に前記増径部を収容して前記開口に先端が向くように前記増径部を支持する雌型と
    を備え、
    当該雌型は、前記雄型により前記増径部を押し潰したときに前記増径部が押し込められて前記拡径部が形成されるように前記第一方向に対応する方向に長く前記第二方向に対応する方向に短い形状を有する凹部を底面部に備えている
    ことを特徴とする定着部付鉄筋の製造装置。
  10. 前記雌型は、前記増径部と、当該増径部に続いて鉄筋の基端側に延びる一定長さの鉄筋部分である増径隣接部とを挟むように収容する第一雌型部と第二雌型部とを有し、
    前記第一雌型部は、前記鉄筋の軸方向に直交する方向に関し、前記増径隣接部の略半分を収容し嵌合させることが可能な半割状の第一鉄筋把持溝を有し、
    前記第二雌型部は、前記鉄筋の軸方向に直交する方向に関し、前記増径隣接部の他の略半分を収容し嵌合させることが可能な半割状の第二鉄筋把持溝を有し、
    前記増径部を前記雌型に収容したときに、前記第一鉄筋把持溝と前記第二鉄筋把持溝とにより前記増径隣接部が把持され、これにより前記増径部が前記雌型内に支持されるようにした
    請求項9に記載の定着部付鉄筋の製造装置。
  11. 前記第一加工部によって形成された増径部を加熱する再加熱部をさらに含む
    請求項10に記載の定着部付鉄筋の製造装置。
  12. 前記加熱部は、高周波誘導加熱により加熱を行う
    請求項11に記載の定着部付鉄筋の製造装置。
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