JP2021113288A - 一液型ウレタン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】80℃〜185℃の範囲内の温度で処理することにより耐湿熱性に優れた硬化物を形成する組成物であって、30日以上の貯蔵安定性を有する一液型ポリウレタン樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明は、(A)液状のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマー、(B)25℃及び1気圧の条件下における融点が85℃〜200℃であり、炭素原子数の合計が6以上であり、且つ、平均官能基数が2以上の固体ポリオール、及び、(C)X型ゼオライトを含有する一液型ウレタン樹脂組成物である。成分(B)及び(C)の含有量は、成分(A)の含有量を100質量部とした場合に、好ましくは、それぞれ、2〜100質量部及び1〜20質量部である。【選択図】なし

Description

本発明は、加熱により硬化物を形成する一液型ウレタン樹脂組成物に関し、更に詳しくは、貯蔵安定性に優れ、耐湿熱性に優れた硬化物を与える、液状の一液型ウレタン樹脂組成物に関する。
従来、イソシアネート成分と、ポリオール成分又はポリアミン成分とを組み合わせてなるウレタン樹脂組成物は、例えば、接着剤、コーティング材、シーリング材、合皮用途等のフィルム又はシート形成材、封止材等に広く用いられている。
ウレタン樹脂組成物のうち、イソシアネート成分とポリオール成分とを分離した二液混合型樹脂組成物は、これらの成分を混合する際に、計量、均一撹拌等の手間を要するため、このような不具合を解消するため、近年、一液型樹脂組成物の開発が盛んとなっている。一液型ウレタン樹脂組成物としては、ポリオールに過剰量のポリイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含むものが知られている。例えば、特許文献1には、(a)芳香族ポリイソシアネート化合物とポリヒドロキシ化合物の反応生成物からなるイソシアネート基を末端基とする液状芳香族プレポリマーと、(b)上記液状プレポリマーに対し不溶で、該プレポリマー中に分散している2以上のヒドロキシル基を有する固形のポリヒドロキシ化合物からなる固形ポリヒドロキシ化合物、とからなり、上記成分(b)中のOH基と上記成分(a)中のNCO基との比が2:1以下である一液型芳香族熱硬化性ポリウレタン組成物が開示されており、成分(b)として、ペンタエリスリトールが用いられている。また、特許文献2には、水酸基含有液状ジエン系重合体及びポリイソシアネート化合物からなる液状重合体組成物に、該液状重合体組成物に不溶性の固体ポリオール化合物を配合してなる重合体組成物が開示されており、固体ポリオール化合物として、ペンタエリスリトール又はエリスリトールが用いられている。
更に、特許文献3〜5には、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、固体のポリアミン成分とを含有するポリウレタン樹脂組成物が開示されている。
特許文献3には、(A)ポリイソシアネート化合物と、ポリオール成分に過剰量のポリイソシアネート化合物を反応させて得られる末端活性イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのそれぞれ単独又はそれらの混合物、並びに、(B)固体アミン化合物にポリイソシアネート化合物及び/又はモノイソシアネート化合物を、活性アミノ基とイソシアネート基の当量比が1/0.5〜0.025となるように反応させて、表面の活性アミノ基を一部不活性化した不活性化固体アミン化合物からなる加熱硬化性組成物が開示されている。特許文献4には、(1)ポリオール成分としてポリオキシエチレンポリオールを用いて製造した末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、あるいは該プレポリマーを当量以下のジアミン化合物で鎖延長して高分子量化したもの、(2)固体ポリアミンもしくはその表面不活性体、及び/又はポリアミン化合物の炭素数6〜18の飽和脂肪酸部分酸アミド化合物、並びに、(3)有機溶剤を主成分とするポリウレタン樹脂組成物が開示されている。また、特許文献5には、水素添加ヒマシ油系ポリオールと、1分子内に2以上のイソシアネート基を有する化合物とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するプレポリマー、及び、1分子内に2以上の一級アミン基及び/又は二級アミン基を有する化合物の粉体からなる硬化性樹脂組成物が開示されている。
特開昭61−26927号公報 特開昭64−11119号公報 特開平7−173243号公報 特開平10−219098号公報 特開2010−132753号公報
近年、イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーを含有する一液型ウレタン樹脂組成物の利用が広がっており、製品製造者が、手元に貯蔵し、必要に応じて、それを使用する利用方法が増えている。ところが、組成物に含まれる成分によっては、沈殿物等が発生する等、貯蔵安定性が十分でない場合があった。
また、一液型ウレタン樹脂組成物を加熱して形成した硬化物を、高温多湿の雰囲気に晒すと、所期の構造安定性が保持されない場合があった。
本発明の課題は、80℃〜185℃の範囲内の温度で処理することにより硬化物を形成する組成物であって、30日以上の貯蔵安定性を有し、耐湿熱性に優れた硬化物を与える、液状の一液型ウレタン樹脂組成物を提供することである。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物は、(A)液状のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマー、(B)25℃及び1気圧の条件下における融点(以下、単に「融点」ということがある)が85℃〜200℃であり、炭素原子数の合計が6以上であり、且つ、平均官能基数が2以上の固体ポリオール、及び、(C)X型ゼオライトを含有することを特徴とする。
本発明において、上記成分(B)の含有量は、上記成分(A)の含有量を100質量部とした場合に2〜100質量部であることが好ましい。
本発明において、上記成分(C)の含有量は、上記成分(A)の含有量を100質量部とした場合に1〜20質量部であることが好ましい。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物は、80℃〜185℃の範囲内の温度で処理することにより均一組成の硬化物を形成する組成物である。また、得られた硬化物を、例えば、温度121℃、湿度100%RH及び2気圧の条件下で晒した際に、液状化、変形等の不具合が発生せず、耐湿熱性に優れる。従って、本発明の一液型ウレタン樹脂組成物は、接着剤、コーティング材、シーリング材、封止材等の分野において、好適に用いることができる。
本発明によれば、従来、公知の成分(A)と、特定の成分(B)及び(C)を組み合わせることにより、例えば、25℃で30日間以上に渡って貯蔵した際の安定性に優れる。即ち、貯蔵中に、析出物、沈殿物等を発生することがない。従って、好ましい条件において貯蔵されたものであれば、組成物を製造した直後でなくても、好適に使用することができる。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物は、上記成分(A)、(B)及び(C)を含有する組成物である。本発明の一液型ウレタン樹脂組成物は、更に、他の成分(後述)を含有することができる。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物を80℃〜185℃の範囲内の温度で処理すると、固体のポリオール(B)が溶解し、イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマー(A)と反応して、架橋構造を有する均一組成の硬化物が形成される。
上記成分(A)であるイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーは、好ましくは、イソシアネート基を分子末端に含む化合物である。イソシアネート基の含有割合は、硬化物の耐湿熱性の観点から、好ましくは3〜40質量%、より好ましくは5〜15質量%である。
上記成分(A)は、好ましくは、ポリイソシアネート(A1)及びポリオール(A2)の反応生成物であり、具体的には、ポリイソシアネート(A1)に由来するイソシアネート基の複数が残るように、ポリイソシアネート(A1)に含まれるイソシアネート基と、ポリオール(A2)に含まれるヒドロキシ基等の活性ヒドロキシ基とを反応させて得られたポリウレタン前駆体である。
上記ポリイソシアネート(A1)としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート及び脂環式イソシアネートが挙げられる。上記イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマー(A)の形成に用いられるポリイソシアネート(A1)は、1種のみであってよいし、2種以上であってもよい。
上記芳香族イソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI);粗製ジフェニルメタンジイソシアネート;2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート等のトリレンジイソシアネート(TDI);1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のナフタレンジイソシアネート(NDI);1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート;1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等のフェニレンジイソシアネート(PDI);キシレンジイソシアネート(XDI);テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI);トリジンジイソシアネート(TODI);2,4,6−トリメチルフェニル−1,3−ジイソシアネート、2,4,6−トリイソプロピルフェニル−1,3−ジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
上記脂肪族イソシアネートとしては、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(LDI)、リジントリイソシアネート(LTI)等が挙げられる。
上記脂環式イソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート(CHDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水素添加XDI(H6XDI)、水素添加MDI(H12MDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等が挙げられる。
上記ポリイソシアネート(A1)は、上記例示したイソシアネートの変性体であってもよく、例えば、ウレタン変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、アロファネート変性体等とすることができる。
上記ポリオール(A2)としては、2つ以上のヒドロキシ基を含むアルコール(多価アルコール);多価フェノール;2つ以上のヒドロキシ基を含むアルカノールアミン;ポリエーテルポリオール;ポリエステルポリオール;ポリエーテルエステルポリオール;アクリルポリオール;エポキシポリオール;水添イソプレンポリオール;植物油ポリオール(大豆油ポリオール、ヒマシ油ポリオール等);ポリジエンポリオール(ポリブタジエンポリオール等);シリコーンポリオール;これらのポリオールとから選ばれた少なくとも1種の化合物(原料ポリオール)の存在下、ビニル系単量体を重合させて得られたポリマーポリオール等が挙げられる。上記成分(A)の形成に用いられるポリオール(A2)は、1種のみであってよいし、2種以上であってもよい。
上記ポリイソシアネート(A1)及び上記ポリオール(A2)の反応(ウレタン化反応)は、無溶剤下、例えば、60℃〜100℃の温度で加熱攪拌する等により進めることができる。これらの原料成分の反応中又は反応後、必要に応じて、金属塩、有機スズ化合物、有機ビスマス化合物、アミン等のウレタン化触媒を併用することもできる。
上記成分(A)は、芳香族イソシアネートと、ポリエステルポリオール又はポリジエンポリオールとの反応生成物であることが好ましい。
上記成分(A)に含まれるイソシアネート基の含有割合は、好ましくは2〜60質量%、より好ましくは4〜30質量%である。
上記成分(A)のMnは、組成物の貯蔵安定性、組成物を扱う際の作業性の観点から、好ましくは150〜4500、より好ましくは500〜3000、更に好ましくは1000〜2500である。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物に含まれる成分(A)は、1種のみであってよいし、2種以上であってもよい。
上記成分(B)は、25℃及び1気圧の条件下における融点が85℃〜200℃であり、炭素原子数の合計が6以上であり、且つ、平均官能基数が2以上の固体ポリオールである。
上記成分(B)の融点は、好ましくは65℃〜185℃、より好ましくは80℃〜155℃、特に好ましくは105℃〜145℃である。
上記成分(B)の炭素原子数の合計は、好ましくは6〜100、より好ましくは8〜60である。
また、上記成分(B)の平均官能基数は、好ましくは2〜8、より好ましくは2.1〜6である。尚、上記「平均官能基数」とは、ポリオール1分子当たりの、イソシアネート基と反応する官能基(活性ヒドロキシ基)の個数をいう。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物に含まれる成分(B)は、1種のみであってよいし、2種以上であってもよい。
上記成分(B)は、上記性質を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、アミド結合を含むポリオール(以下、「ポリオール(B1)」という)、エステル結合を含まず、エーテル結合を含むポリオール(以下、「ポリオール(B2)」という)、アミド結合を含まず、エステル結合を含むポリオール(以下、「ポリオール(B3)」という)、炭化水素に含まれる複数の水素原子がヒドロキシ基に置換されてなるポリオール(以下、「ポリオール(B4)」という)等が挙げられる。これらのポリオールは、脂肪族化合物、脂環式化合物及び芳香族化合物のいずれでもよいが、脂肪族化合物であることが特に好ましい。
上記ポリオール(B1)としては、例えば、1つ又は2つ以上のアミノ基及び1つ又は2つ以上のヒドロキシ基を含む化合物と、2つ以上のカルボキシ基を含む化合物とを縮合反応させて得られたアミドポリオール;2つ以上のアミノ基を含む化合物と、1つ又は2つ以上のカルボキシ基及びヒドロキシ基を含む化合物とを縮合反応させて得られたアミドポリオール;アミノアルコール又は分子内に2つ以上のアミノ基を含むアミン化合物を酸無水物に付加して得られたハーフエステル;上記アミドポリオールにアルキレンオキサイドを付加して得られたアミドポリオール等が挙げられる。
本発明においては、例えば、アミノアルコール又は分子内に2つ以上のアミノ基を含むアミン化合物と、分子内に2つ以上のカルボキシ基を含む酸あるいはカルボキシ基及びヒドロキシ基を含む酸とを縮合反応させて得られたアミドポリオールが好ましく、具体的には、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021113288
(式中、Rは、ヒドロキシ基を含む炭化水素基であり、Rは、炭化水素基である。)
上記一般式(1)において、Rは、ヒドロキシ基を含む炭化水素基である。この炭化水素基は、好ましくは脂肪族炭化水素基(直鎖状又は分岐状)であり、その炭素原子数は、特に限定されないが、好ましくは3〜40、より好ましくは3〜20である。尚、上記一般式(1)における2つのRは、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
上記一般式(1)において、Rは2価の炭化水素基である。この炭化水素基は、芳香環を含んでもよい炭化水素基であり、脂肪族炭化水素に由来する部分(直鎖状又は分岐状)を含むことができる。また、この炭化水素基の炭素原子数は、特に限定されないが、好ましくは2〜40、より好ましくは2〜10である。
上記一般式(1)で表される化合物としては、N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、N,N’−エチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、N,N’−キシリレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド等が挙げられる。
上記ポリオール(B1)のうち、1つ又は2つ以上のアミノ基及び1つ又は2つ以上のヒドロキシ基を含む化合物と、2つ以上のカルボキシ基を含む化合物とを縮合反応させて得られたアミドポリオールとしては、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)アジパミド等が挙げられる。
アミド結合を含むポリオール(B1)の他の例として、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等を用いることもできる。
上記ポリオール(B2)は、好ましくは、下記一般式(2)で表される多価アルコールである。
Figure 2021113288
(式中、Rは、炭化水素基、又は、ヒドロキシ基を含む炭化水素基であり、Rは、ヒドロキシ基を含む炭化水素基であり、Rは、ヒドロキシ基を含む炭化水素基であり、Rは、ヒドロキシ基を含む炭化水素基であり、Rは、ヒドロキシ基を含む炭化水素基であり、Rは、炭化水素基、又は、ヒドロキシ基を含む炭化水素基であり、nは0、1又は2である。)
上記一般式(2)において、R及びRは、互いに、同一の又は異なる炭化水素基とすることができ、その炭素原子数は、好ましくは1〜20、より好ましくは2〜15である。R及びRは、ヒドロキシ基を含む炭化水素基とすることができ、その場合、R、R、R、R、R及びRは、互いに、同一であってよいし、異なってもよい。R、R、R、R、R及びRを構成する炭化水素基部分の炭素原子数は、好ましくは1〜20、より好ましくは2〜15である。尚、R、R、R、R、R及びRに含まれるヒドロキシ基の位置は、特に限定されない。
上記一般式(2)で表される化合物としては、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン等が挙げられる。
上記ポリオール(B3)は、好ましくは、下記一般式(3)で表される、3つの炭化水素基を含むトリアシルグリセロールの変性物であって、炭化水素基1つあたり、含まれる水素原子の1つ又は2つ以上がヒドロキシ基に置換されてなる化合物である。
Figure 2021113288
(式中、Rは、ヒドロキシ基を含む炭化水素基である。)
上記一般式(3)において、すべてのRは、互いに、同一であってよいし、異なってもよい。また、2つのRが同一であってもよい。Rを構成する炭化水素基部分の炭素原子数は、好ましくは5〜120、より好ましくは10〜60である。尚、Rに含まれるヒドロキシ基の位置は、特に限定されない。
上記一般式(3)で表される化合物は、ヒドロキシカルボン酸と、グリセリン(多価アルコール)とを脱水縮合させる方法等により得ることができる。
上記ポリオール(B4)としては、糖アルコール等が挙げられる。
上記成分(B)は固体であるため、本発明の一液型ウレタン樹脂組成物において、通常、成分(A)を含むマトリックスの中に分散している。
上記成分(B)の形状は、好ましくは粒状であり、レーザー回折・散乱法で測定される平均粒子径は、好ましくは150μm以下、より好ましくは5〜100μmである。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物において、成分(A)及び(B)の含有割合は、特に限定されないが、成分(B)の含有量は、本発明の効果が十分に得られることから、成分(A)の含有量を100質量部とした場合に好ましくは3〜80質量部、より好ましくは3〜40質量部、更に好ましくは4〜30質量部である。
また、本発明において、成分(B)に含まれる全ての活性ヒドロキシ基と反応するイソシアネート基の化学量論により算出される必要量に対する実際の配合料の百分率として表されるイソシアネートインデックスは、耐湿熱性に優れる硬化物が得られることから、好ましくは1.0〜2.0、より好ましくは1.05〜1.5である。
上記成分(C)は、X型ゼオライトである。このX型ゼオライトとしては、Na置換されたX型ゼオライト、Ca置換されたX型ゼオライト等が挙げられ、これらの変性物でもよい。上記成分(C)の形状及びサイズは、特に限定されない。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物に含まれる成分(C)は、上記成分(B)との組み合わせにおいて、他のゼオライトに比べて、例えば、25℃で30日間以上に渡って貯蔵した際の優れた安定性を発揮する。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物に含まれる成分(C)は、1種のみであってよいし、2種以上であってもよい。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物において、成分(A)及び(C)の含有割合は、特に限定されないが、成分(C)の含有量は、本発明の効果が十分に得られることから、成分(A)の含有量を100質量部とした場合に好ましくは1〜20質量部、より好ましくは2〜15質量部、更に好ましくは4〜15質量部である。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物は、目的、用途等に応じて、更に、上記ポリオール(B)に含まれない他の固体ポリオール、可塑剤、消泡剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、滑剤、耐候安定剤、光安定剤、熱安定剤、着色剤、蛍光増白剤、粘着付与剤、ワックス、揺変性付与剤、導電性付与剤、帯電防止剤、撥水剤、撥油剤、防腐剤等を含有することができる。
他の固体ポリオールとしては、官能基数が2の固体ポリオール、炭素原子数の合計が5以下の固体ポリオール等が挙げられる。
他の固体ポリオールの含有量の上限は、上記成分(B)の含有量を100質量部とした場合に、好ましくは20質量部である。
上記可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリテート系可塑剤、ピロメリテート系可塑剤、直鎖状二塩基酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、グリコールエステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、スルホン酸エステル系可塑剤、安息香酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤等が挙げられる。これらは、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記フタル酸エステル系可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ビス−2−エチルヘキシルフタレート、ジノニルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、オクチルベンジルフタレート、ノニルベンジルフタレート、ジメチルシクロヘキシルフタレート等が挙げられる。
上記トリメリテート系可塑剤としては、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、ジ−n−オクチル−n−デシルトリメリレート等が挙げられる。
上記ピロメリテート系可塑剤としては、ピロメリット酸テトラブチル、ピロメリット酸テトラヘキシル、ピロメリット酸テトラ−n−オクチル、ピロメリット酸テトラ−2−エチルヘキシル、ピロメリット酸テトラデシル等が挙げられる。
上記直鎖状二塩基酸エステル系可塑剤としては、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−n−オクチルアジペート、ジ−n−デシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジ−n−オクチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジ−n−オクチルセバケート等が挙げられる。
上記クエン酸エステル系可塑剤としては、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シトレート、プロペニルトリブチルシトレート等が挙げられる。
上記ポリエステル系可塑剤としては、ポリ(プロピレングリコール、アジピン酸)エステル、ポリ(ブタンジオール、アジピン酸)エステル、ポリ(エチレングリコール、アジピン酸)エステル、ポリ(1,6−ヘキサンジオール、ブタンジオール、アジピン酸)エステル、ポリ(ブタンジオール、エチレングリコール、アジピン酸)エステル、ポリ(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、アジピン酸)エステル等が挙げられる。
上記グリコールエステル系可塑剤としては、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリプロピレングリコールジベンゾエート等が挙げられる。
上記リン酸エステル系可塑剤としては、トリブチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリキシリルホスフェート、ブチルジキシレニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロロエチルホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピルホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート等が挙げられる。
上記スルホン酸エステル系可塑剤としては、デカンスルホン酸フェニルエステル、ウンデカンスルホン酸フェニルエステル、ドデカンスルホン酸フェニルエステル、トリデカンスルホン酸フェニルエステル、テトラデカンスルホン酸フェニルエステル、ペンタデカンスルホン酸フェニルエステル、ペンタデカンスルホン酸クレジルエステル、ヘキサデカンスルホン酸フェニルエステル、ヘプタデカンスルホン酸フェニルエステル、オクタデカンスルホン酸フェニルエステル、ノナデカンスルホン酸フェニルエステル、イコサンデシルスルホン酸フェニルエステル等が挙げられる。
上記エポキシ系可塑剤としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化綿実油、液状エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物が可塑剤を含有する場合、この可塑剤の含有量の上限は、成分(A)及び(B)の合計を100質量部とした場合、好ましくは100質量部、より好ましくは80質量部、更に好ましくは50質量部である。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物は、触媒を含有してもよいが、触媒を含有しなくても、得られる硬化物の物理物性に優れる。また、触媒を含有する組成物であっても、本発明の効果は十分に得られる。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物の粘度は、B型回転粘度計を用いて、温度25℃、回転数6rpmで測定した場合、好ましくは5〜50Pa・s、より好ましくは5〜20Pa・sである。本発明によれば、一液型ウレタン樹脂組成物を、密閉条件下、例えば、25℃で貯蔵した際に、好ましくは30日以上に渡って、析出物、沈殿物等が発生しない等、不具合がないため、貯蔵後に組成物を使用する際にも、上記好ましい範囲の粘度を有するものとして、好適に使用することができる。尚、本発明の一液型ウレタン樹脂組成物は、0℃〜40℃の範囲内の温度において、経時による物性変化の度合いが小さい。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物の使用方法は、目的、用途等により、適宜、選択され、従来、公知の塗布手段により形成された塗膜、付着物等を、ドライヤー、赤外線ランプ、恒温槽(湯浴又は油浴)、乾燥機等を用いて、80℃〜185℃の範囲内の温度で処理することにより、好ましくは1時間以内、より好ましくは20分以内に硬化物を形成することができる。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物は、接着剤、コーティング材、シーリング材、封止材等として有用であり、被着材は、有機材料、無機材料又はこれらの混合物のいずれでもよいのであるが、特に、電材分野において、金属部品と、プラスチック部品とを接合するための接着剤として用いる場合、上記範囲の温度で処理することにより、硬化物が、例えば、温度121℃、湿度100%RH及び2気圧の条件下で、好ましくは72時間までの耐性を有する硬化物を備える複合物を得ることができる。
尚、上記範囲の温度で加熱処理を行うと、組成物中の成分(B)が溶解し、成分(A)と反応して架橋ポリウレタン樹脂が形成される。組成物が可塑剤等の添加剤を含有した場合には、添加剤が架橋ポリウレタン樹脂からなるマトリックスの内部に分散されてなる硬化物が得られる。尚、処理温度は、組成物に含まれる成分(B)の融点をT(℃)とした場合に、好ましくは(T+5)℃以上(T+70)℃以下、より好ましくは(T+30)℃以上(T+70)℃以下である。
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物を製造する方法は、特に限定されないが、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、可塑剤等の添加剤とを混合する方法、可塑剤の存在下、ポリイソシアネート(A1)及びポリオール(A2)を反応させて成分(A)を得た後、成分(B)と、成分(C)と、他の添加剤と混合する方法等を適用することができる。その後、得られた混合物(組成物)は、所定の容器に、湿気が入らないように、収容される。
以下、本発明の一液型ウレタン樹脂組成物について、例を挙げて、具体的に説明する。
実施例1
四つ口コルベンに、東ソー社製「コロネートT−80」(商品名、2,4−TDI及び2,6−TDIの異性体混合物、比率:80/20)4.8質量部と、出光興産社製「Poly bdTM R45HT」(商品名、水酸基末端液状ポリブタジエン、以下、「ポリブタジエンポリオール」という)31.2質量部と、伊藤製油社製ヒマシ油系可塑剤「リックサイザー GR−301」(商品名)24.0質量部とを入れ、撹拌下、80℃で3時間反応させ、イソシアネート基を分子末端に有するポリウレタンプレポリマー(イソシアネート基の割合:3.3質量%)と、上記可塑剤とからなる液状混合物60質量部を得た。
次いで、上記液状混合物60質量部と、下記に示す構造を有する、伊藤製油社製N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド「ITOHWAX J−630」(商品名、融点:134℃、水酸基価:152mgKOH/g)6.56質量部と、脱水剤である、東ソー社製ゼオライトX型Na+「ゼオラムF−9」(商品名)1.2質量部と、消泡剤である、伊藤製油社製シリコーン系消泡剤「A−S−A DF−1」(商品名)0.12質量部とを混合し、脱泡させた後、一液型ウレタン樹脂組成物(S1)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S1)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、18.2質量部である。また、本発明に係る脱水剤(C)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、3.3質量部である。組成物の組成を表1に示す。
Figure 2021113288
得られた一液型ウレタン樹脂組成物について、以下の評価を行い、その結果を表1に併記した。
(1)硬化性
20グラムの組成物を、大気中、150℃で加熱し、1時間経過するまでに完全に硬化するか否かを目視観察した。
(2)貯蔵安定性
製造直後及び下記の条件下で貯蔵した後の各組成物の、Brookfield社製粘度計「LVT」(型式名)による粘度測定(測定温度:25℃、回転数:6rpm)を行った。組成物の貯蔵は、ガラス製の容器(内容積:20mL)に15グラムの組成物を入れ、内部空間を窒素パージして密封したものを、暗室下、25℃又は40℃で静置した。40℃では1週間後、25℃では1か月後及び3か月後に粘度測定を行った。
(3)硬化物の耐湿熱性
組成物を、アルミカップの中に、底からの充填深さが10mmとなるように添加した後、150℃に加熱して、完全硬化物を得た。その後、得られた硬化物を、121℃、100%RH及び2気圧の条件下、静置して、24時間経過するたびに、高分子計器社製アスカーゴム硬度計「A」(型式名)によりA硬度を測定し、0Aになるまでの経過時間を計測した。
実施例2
東ソー社製「コロネートT−80」の使用量を4.0質量部とし、出光興産社製「Poly bdTM R45HT」(商品名)の使用量を26.0質量部とし、N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミドの使用量を7.91質量部とし、可塑剤の使用量を30質量部とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S2)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S2)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、26.4質量部である。また、本発明に係る脱水剤(C)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表1に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S2)について、上記の各種評価を行い、その結果を表1に併記した。
実施例3
N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド7.91質量部に代えて、Perstorp社製ジトリメチロールプロパン(融点:111℃)1.34質量部を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S3)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S3)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.5質量部である。また、本発明に係る脱水剤(C)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表1に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S3)について、上記の各種評価を行い、その結果を表1に併記した。
実施例4
N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド7.91質量部に代えて、下記に示す構造を有する、EMS−CHEMIE社製N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)アジパミド「PRIMID XL552」(商品名、融点:123℃、以下、「β−ヒドロキシアルキルアミド」という)1.74質量部を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S4)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S4)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、5.8質量部である。また、本発明に係る脱水剤(C)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表1に示す。
Figure 2021113288
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S4)について、上記の各種評価を行い、その結果を表1に併記した。
実施例5
N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド7.91質量部に代えて、下記に示す構造を有する、四国化成工業社製トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(融点:133℃〜138℃)1.86質量部を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S5)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S5)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、6.2質量部である。また、本発明に係る脱水剤(C)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表1に示す。
Figure 2021113288
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S5)について、上記の各種評価を行い、その結果を表1に併記した。
実施例6
N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド7.91質量部に代えて、N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド6.26質量部と、下記に示す構造を有する、伊藤製油社製ヒマシ硬化油「A−S−A T−20SF」(商品名、融点:86℃、水酸基価:160mgKOH/g)1.57質量部とを用いた以外は、実施例2と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S6)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S6)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、26.1質量部である。また、本発明に係る脱水剤(C)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表1に示す。
Figure 2021113288
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S6)について、上記の各種評価を行い、その結果を表1に併記した。
実施例7
N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド7.91質量部に代えて、N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド3.84質量部と、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート0.96質量部とを用いた以外は、実施例2と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S7)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S7)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、16.0質量部である。また、本発明に係る脱水剤(C)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表1に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S7)について、上記の各種評価を行い、その結果を表1に併記した。
実施例8
N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミドの使用量を5.80質量部に代えた以外は、実施例2と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S8)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S8)において、イソシアネートインデックスは1.5であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、19.3質量部である。また、本発明に係る脱水剤(C)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表1に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S8)について、上記の各種評価を行い、その結果を表1に併記した。
実施例9
N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド7.91質量部に代えて、上記ヒマシ硬化油4.59質量部を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S9)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S9)において、イソシアネートインデックスは1.8であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、15.3質量部である。また、本発明に係る脱水剤(C)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表1に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S9)について、上記の各種評価を行い、その結果を表1に併記した。
実施例10
N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド7.91質量部に代えて、N,N’−エチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド(融点:142℃)6.95質量部を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S10)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S10)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、23.2質量部である。また、本発明に係る脱水剤(C)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表1に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S10)について、上記の各種評価を行い、その結果を表1に併記した。
実施例11
東ソー社製カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート「ミリオネートMTL」(商品名、イソシアネート基の割合:29質量%)13.4質量部と、伊藤製油社製ヒマシ油変性ポリエステルポリオール「URIC HF2009」(商品名、水酸基価:40.1mgKOH/g)46.6質量部と、上記可塑剤「リックサイザー GR−301」(商品名)12.0質量部とを入れ、撹拌下、80℃で3時間反応させ、イソシアネート基を分子末端に有するポリウレタンプレポリマー(イソシアネート基の割合:4.0質量%)と、上記可塑剤とからなる液状混合物72質量部を得た。
次いで、上記液状混合物72質量部と、N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド9.30質量部と、脱水剤である上記ゼオライトX型Na+「ゼオラムF−9」1.2質量部と、上記消泡剤0.12質量部とを混合し、脱泡させた後、一液型ウレタン樹脂組成物(S11)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S11)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、19.4質量部である。また、本発明に係る脱水剤(C)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、2.0質量部である。組成物の組成を表1に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S11)について、上記の各種評価を行い、その結果を表1に併記した。
比較例1
四つ口コルベンに、東ソー社製「コロネートT−80」4質量部と、上記「Poly bdTM R45HT」26.0質量部と、上記ヒマシ油系可塑剤「リックサイザー GR−301」(商品名)30.0質量部とを入れ、撹拌下、80℃で3時間反応させ、イソシアネート基を分子末端に有するポリウレタンプレポリマー(イソシアネート基の割合:3.3質量%)と、上記可塑剤とからなる液状混合物60質量部を得た。
次いで、上記液状混合物60質量部と、上記消泡剤0.12質量部とを混合し、脱泡させた後、一液型ウレタン樹脂組成物(S12)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S12)は、本発明に係る固体ポリオール(B)及び脱水剤(C)を含有しない組成物である。組成物の組成を表2に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S12)について、上記の各種評価を行い、その結果を表2に併記した。
比較例2
脱水剤を不使用とした以外は、実施例2と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S13)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S13)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、26.4質量部である。組成物の組成を表2に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S13)について、上記の各種評価を行い、その結果を表2に併記した。
比較例3
脱水剤を不使用とした以外は、実施例3と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S14)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S14)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.5質量部である。組成物の組成を表2に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S14)について、上記の各種評価を行い、その結果を表2に併記した。
比較例4
N,N’−ヘキサメチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド7.91質量部に代えて、伊藤製油社製ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド(融点:67℃、水酸基価:350mgKOH/g)3.43質量部を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S15)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S15)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、11.4質量部である。また、本発明に係る脱水剤(C)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表2に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S15)について、上記の各種評価を行い、その結果を表2に併記した。
比較例5
四つ口コルベンに、上記カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート「ミリオネートMTL」23.5質量部と、上記ヒマシ油変性ポリエステルポリオール「URIC PH5001」76.5質量部とを入れ、撹拌下、80℃で3時間反応させ、液状の、イソシアネート基を分子末端に有するポリウレタンプレポリマー(イソシアネート基の割合:4.0質量%)100質量部を得た。
次いで、上記イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマー100質量部と、ネオペンチルグリコール(融点:129℃、官能基数:2、水酸基価:1273mgKOH/g)4.00質量部と、上記消泡剤0.30質量部とを混合し、脱泡させた後、一液型ウレタン樹脂組成物(S16)を得た。この一液型ウレタン樹脂組成物(S16)において、イソシアネートインデックスは1.05であり、本発明に含まれない固体ポリオール(B’)の含有量は、上記イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表2に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S16)について、上記の各種評価を行い、その結果を表2に併記した。
比較例6
ネオペンチルグリコール4.00質量部に代えて、ジペンタエリスリトール(融点:215℃、官能基数:6、水酸基価:1324mgKOH/g)3.84質量部を用い、上記消泡剤の使用量を0.20質量部とした以外は、比較例3と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S17)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S17)において、イソシアネートインデックスは1.05であり、本発明に含まれない固体ポリオール(B’)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、3.8質量部である。組成物の組成を表2に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S17)について、上記の各種評価に供したが、ジペンタエリスリトールが溶解せず、データが得られなかった。その結果を表2に併記した。
比較例7
四つ口コルベンに、上記カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート「ミリオネートMTL」23.0質量部と、上記ポリブタジエンポリオール77.0質量部とを入れ、撹拌下、80℃で3時間反応させ、液状の、イソシアネート基を分子末端に有するポリウレタンプレポリマー(イソシアネート基の割合:4.0質量%)100質量部を得た。
次いで、上記イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマー100質量部と、1,12−ドデカンジオール(融点:80℃、官能基数:2、水酸基価:350mgKOH/g)9.17質量部と、上記消泡剤0.10質量部とを混合し、脱泡させた後、一液型ウレタン樹脂組成物(S18)を得た。この一液型ウレタン樹脂組成物(S18)において、イソシアネートインデックスは1.05であり、本発明に含まれない固体ポリオール(B’)の含有量は、上記イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、9.2質量部である。組成物の組成を表2に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S18)について、上記の各種評価を行い、その結果を表2に併記した。
比較例8
上記X型ゼオライト「ゼオラムF−9」1.2質量部に代えて、東ソー社製ゼオライトY型NH+「ハイシリカゼオライトHSZ−341NHA」(商品名)1.2質量部を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S19)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S19)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、26.4質量部である。また、本発明に含まれない脱水剤(C’)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表2に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S19)について、上記の各種評価を行い、その結果を表2に併記した。
比較例9
上記X型ゼオライト「ゼオラムF−9」1.2質量部に代えて、水澤化学工業社製Y型ゼオライト「ミズカシーブス Y−420」(商品名)1.2質量部を用いた以外は、実施例3と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S20)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S20)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.5質量部である。また、本発明に含まれない脱水剤(C’)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表2に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S20)について、上記の各種評価を行い、その結果を表2に併記した。
比較例10
上記X型ゼオライト「ゼオラムF−9」1.2質量部に代えて、東ソー社製ゼオライトY型H+「ハイシリカゼオライトHSZ−372HUA」(商品名)1.2質量部を用いた以外は、実施例3と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S21)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S21)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.5質量部である。また、本発明に含まれない脱水剤(C’)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表2に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S21)について、上記の各種評価を行い、その結果を表2に併記した。
比較例11
上記X型ゼオライト「ゼオラムF−9」1.2質量部に代えて、水澤化学工業社製Y型ゼオライト「ミズカシーブス Y−420」(商品名)1.2質量部を用いた以外は、実施例10と同様の操作を行い、一液型ウレタン樹脂組成物(S22)を得た。得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S22)において、イソシアネートインデックスは1.1であり、本発明に係る固体ポリオール(B)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、23.2質量部である。また、本発明に含まれない脱水剤(C’)の含有量は、上記のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーの含有量を100質量部とした場合に、4.0質量部である。組成物の組成を表2に示す。
得られた一液型ウレタン樹脂組成物(S22)について、上記の各種評価を行い、その結果を表2に併記した。
Figure 2021113288
Figure 2021113288
本発明の一液型ウレタン樹脂組成物は、接着剤、コーティング材、シーリング材、合皮用途等のフィルム又はシート形成材、封止材等に広く用いることができる。

Claims (6)

  1. 一液型ウレタン樹脂組成物であって、
    (A)液状のイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマー、
    (B)25℃及び1気圧の条件下における融点が85℃〜200℃であり、炭素原子数の合計が6以上であり、且つ、平均官能基数が2以上の固体ポリオール、及び、
    (C)X型ゼオライト
    を含有することを特徴とする一液型ウレタン樹脂組成物。
  2. 前記成分(B)が、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物及び下記一般式(3)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の一液型ウレタン樹脂組成物。
    Figure 2021113288
    (式中、Rは、ヒドロキシ基を含む炭化水素基であり、Rは、炭化水素基である。)
    Figure 2021113288
    (式中、Rは、炭化水素基、又は、ヒドロキシ基を含む炭化水素基であり、Rは、ヒドロキシ基を含む炭化水素基であり、Rは、ヒドロキシ基を含む炭化水素基であり、Rは、ヒドロキシ基を含む炭化水素基であり、Rは、ヒドロキシ基を含む炭化水素基であり、Rは、炭化水素基、又は、ヒドロキシ基を含む炭化水素基であり、nは0、1又は2である。)
    Figure 2021113288
    (式中、Rは、ヒドロキシ基を含む炭化水素基である。)
  3. 前記成分(B)の含有量が、前記成分(A)の含有量を100質量部とした場合に2〜100質量部である請求項1又は2に記載の一液型ウレタン樹脂組成物。
  4. 前記成分(C)の含有量が、前記成分(A)の含有量を100質量部とした場合に1〜20質量部である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の一液型ウレタン樹脂組成物。
  5. イソシアネートインデックスが1.0〜2.0である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の一液型ウレタン樹脂組成物。
  6. 更に、(D)可塑剤を含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の一液型ウレタン樹脂組成物。
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