JP2021112115A - 回転電機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】異常時処理を実行すべき状況でないにもかかわらず異常時処理が実行されてしまう事態の発生を抑制しつつ、制御装置内の異常の発生を適正に検知できる回転電機の制御装置を提供する。【解決手段】制御装置100は、車両制御部50及び監視部70を備えている。車両制御部50は、アクセル操作量Acc、車速Vs及びシフトポジションSPと、走行モード信号Moとに基づいて、回転電機20の目標トルクTacを算出する。監視部70は、上記Acc,Vs,SPに基づいて、目標監視トルクを算出する。監視部70は、車両10の前進時において、目標トルクTacが第1判定値を下回る場合、目標トルクTacと目標監視トルクとの偏差を算出しない。監視部70は、車両10の後進時において、目標トルクTacが第2判定値を上回る場合、目標トルクTacと目標監視トルクとの偏差を算出しない。【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の走行動力源となる回転電機の駆動制御を行う回転電機の制御装置に関する。
従来、特許文献1に記載されているように、アクチュエータを制御するマイクロコントローラと、マイクロコントローラに異常が発生したことを監視するマイクロコントローラ監視部とを備える電子制御装置が知られている。この制御装置は、マイクロコントローラ内部に異常が発生した場合、アクチュエータに対するフェイルセーフを実行する。
特開2016−147585号公報
制御装置としては、駆動輪と動力伝達可能な回転電機と、回転電機に電気的に接続されたインバータとを備える車両に適用されるものもある。この制御装置は、回転電機のトルク、回転電機の駆動力又は車両に作用する加速度のいずれかを制御量とし、その制御量の目標値を算出する。制御装置は、算出した目標値に制御量を制御すべくインバータを操作する。
ところで、この制御装置に異常が発生することにより、ドライバの意図しない車両の加速が発生することが懸念される。こうした事態の発生を抑制すべく、制御装置は、冗長化信号及び非冗長化信号に基づいて目標値を算出し、冗長化信号及び非冗長化信号のうち冗長化信号に基づいて制御量の目標監視値を算出する。そして、制御装置は、目標値と目標監視値との偏差が車両進行方向側に閾値以上となる場合、制御装置内に異常が発生しているとし、回転電機に対するフェイルセーフ処理等の異常時処理を実行する。
ここで、制御装置内に異常が発生していないにもかかわらず、目標監視値に対して目標値が大きくずれてしまうことがある。この場合、異常時処理を実行すべき状況でないにもかかわらず、異常時処理が実行され、車両のドライバビリティが低下する懸念がある。
本発明は、異常時処理を実行すべき状況でないにもかかわらず異常時処理が実行されてしまう事態の発生を抑制しつつ、制御装置内の異常の発生を適正に検知できる回転電機の制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、駆動輪と動力伝達可能な回転電機と、
前記回転電機に電気的に接続されたインバータと、を備える車両に適用される回転電機の制御装置において、
冗長化信号及び非冗長化信号に基づいて、前記回転電機のトルク、前記回転電機の駆動力又は前記車両に作用する加速度のいずれかである制御量の目標値を算出する目標値算出部と、
前記制御量を前記目標値に制御すべく、前記インバータを操作するインバータ操作部と、
前記冗長化信号及び前記非冗長化信号のうち前記冗長化信号に基づいて、前記制御量の目標監視値を算出する監視値算出部と、
前記車両の前進時において、前記目標値が第1判定値以上になる場合に前記目標値と前記目標監視値との偏差を算出し、前記目標値が前記第1判定値を下回る場合に前記偏差を算出せず、前記車両の後進時において、前記目標値が第2判定値以下になる場合に前記偏差を算出し、前記目標値が前記第2判定値を上回る場合に前記偏差を算出しない偏差算出部と、を備える。
目標値は冗長化信号及び非冗長化信号の双方に基づいて算出されているのに対し、目標監視値は冗長化信号及び非冗長化信号のうち冗長化信号に基づいて算出されている。つまり、目標監視値の算出には非冗長化信号が用いられていない。このことが、制御装置内に異常が発生していないにもかかわらず、目標監視値に対して目標値が大きくずれ、目標値と目標監視値との偏差が大きくなり得る要因の1つであることを本願発明者は見出した。
そこで、本発明では、車両の前進時において、目標値が第1判定値を下回る場合に目標値と目標監視値との偏差が算出されない。また、車両の後進時において、目標値が第2判定値を上回る場合に上記偏差が算出されない。上記偏差が算出されない場合、偏差に基づく異常時処理が実行されない。このため、異常時処理を実行すべき状況でないにもかかわらず異常時処理が実行されてしまう事態の発生を抑制しつつ、制御装置内の異常の発生を適正に検知することができる。
第1実施形態に係る車載システムの全体構成図。 車両制御部の処理を示す機能ブロック図。 監視部の処理を示す機能ブロック図。 車両制御部による目標トルク算出処理の手順を示すフローチャート。 目標トルクの算出に用いられる目標トルクマップの一例を示す図。 目標監視トルクの算出に用いられる目標監視トルクマップの一例を示す図。 監視部による監視処理の手順を示すフローチャート。 検出閾値の算出に用いられるマップの一例を示す図。 検出時間の算出に用いられるマップの一例を示す図。 アクセルペダルが踏み込まれていない場合における目標トルク及び車両加速度の推移を示すタイムチャート。 アクセルペダルが踏み込まれている場合における目標トルク及び車両加速度の推移を示すタイムチャート。 監視部による判定処理の手順を示すフローチャート。 車両前進時における第1判定値を説明するための図。 車両後進時における第2判定値を説明するための図。 第2実施形態に係る監視部による判定処理の手順を示すフローチャート。 第3実施形態に係る監視部による監視処理の手順を示すフローチャート。
<第1実施形態>
以下、本発明に係る制御装置を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の制御装置は、回転電機を走行動力源とするハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に搭載される。
図1に示すように、車両10は、回転電機20、インバータ30、及び蓄電装置としての蓄電池31を備えている。本実施形態において、回転電機20は、3相のステータ巻線と、ロータとを有し、例えば永久磁石型の同期機である。
車両10は、変速装置23及び駆動輪24を備えている。回転電機20のロータは、変速装置23を介して駆動輪24と動力伝達可能とされている。つまり、回転電機20は、車両10の走行動力源となる。
回転電機20のステータ巻線は、インバータ30を介して蓄電池31に電気的に接続されている。インバータ30は、上,下アームのスイッチを有している。蓄電池31は、複数のセルの直列接続体からなる組電池であり、例えばリチウムイオン蓄電池又はニッケル水素蓄電池等の2次電池である。
車両10は、アクセルセンサ40、車速センサ41、シフトポジションセンサ42及び走行モードスイッチ43を備えている。アクセルセンサ40は、ドライバのアクセル操作部材としてのアクセルペダルの踏込量であるアクセル操作量Accを検出する。車速センサ41は、車両10の走行速度である車速Vsを検出する。
シフトポジションセンサ42は、ドライバにより操作される変速装置23のシフトレバーの位置であるシフトポジションSPを検出する。本実施形態のシフトポジションSPには、車両10の駐車時に用いられる駐車レンジ(Pレンジ)、車両10の後進を指示するリバースレンジ(Rレンジ)、ロータと駆動輪24との間の動力伝達が遮断されるニュートラルレンジ(Nレンジ)、及び車両10の前進を指示するドライブレンジ(Dレンジ)が含まれる。
走行モードスイッチ43は、回転電機20のトルク出力特性を設定するためのスイッチであり、ドライバにより操作される。走行モードスイッチ43が操作されることにより、車両10の走行モードが設定される。本実施形態において、走行モードには、エコ、ノーマル、スポーツ及びパワーモードが含まれる。エコモードは、車両10におけるエネルギ効率、すなわち、出力よりも電費を重視したモードであり、スポーツモードは車両10における走行性能、すなわち、電費よりも出力を重視したモードであり、ノーマルモードはエコモードとスポーツモードとの中間のモードである。
各センサ40〜42の出力信号及び走行モードスイッチ43の操作状態を示す走行モード信号Moは、車両10が備える制御装置100に送信される。制御装置100は、車両制御部50、MG制御部60及び監視部70を備えている。
図1及び図2に示すように、車両制御部50には、冗長化信号であるアクセル操作量Acc及び車速Vsと、非冗長化信号である走行モード信号Moとが入力される。また、車両制御部50には、シフトポジションセンサ42の出力信号も入力される。
一方、監視部70には、冗長化信号であるアクセル操作量Acc及び車速Vsが入力され、非冗長化信号である走行モード信号Moは入力されない。また、監視部70には、シフトポジションセンサ42の出力信号も入力される。
車両制御部50を例にして説明すると、冗長化信号は、冗長化されているセンサから車両制御部50に入力される信号、又は冗長化された信号線によりセンサから車両制御部50に入力される信号である。非冗長化信号は、冗長化されていないセンサから車両制御部50に入力される信号、又はセンサから単一の信号線により車両制御部50に入力される信号である。
本実施形態において、センサの冗長化は、例えば、センサを構成する検出素子、信号処理回路及び出力部それぞれが2重化される構成や、単一の検出素子が用いられるとともに、信号処理回路及び出力部それぞれが2重化される構成で実現される。また、信号線の冗長化は、例えば、センサと車両制御部50とが2以上の信号線で接続されている構成で実現できる。
一方、本実施形態において、冗長化されていないセンサは、単一の検出素子、信号処理回路および出力部を備えるセンサのことである。また、信号線の非冗長化は、例えば、センサと車両制御部50とが単一の信号線で接続されている態様のことである。
なお、冗長化信号は信頼度の高い信号であり、非冗長化信号は冗長化信号よりも信頼度の低い信号であると言うこともできる。
車両制御部50は、アクセル操作量Acc、車速Vs及び走行モード信号Moに基づいて、所定の制御周期毎に回転電機20の目標トルク(「目標値」に相当)を算出する。車両10が前進している場合、目標トルクが正の値になると車両10をその進行方向に加速させようとし、目標トルクが負の値になると車両10を減速させようとする。一方、車両10が後進している場合、目標トルクが負の値になると車両10をその進行方向に加速させようとし、目標トルクが正の値になると車両10を減速させようとする。車両制御部50は、算出した目標トルクに徐変処理を施して出力する。徐変処理は、目標トルクが変化する場合において、変化前の目標トルクを変化後の目標トルクに向かって徐変させる処理である。徐変処理は、回転電機20のトルクの急変を抑制し、ドライバビリティの低下を抑制するためのものである。なお、本実施形態において、車両制御部50が「目標値算出部」に相当する。
本実施形態において、徐変処理は、なまし処理又はレート処理である。なまし処理による制御周期毎のトルク徐変態様と、レート処理による制御周期毎の徐変態様とは異なる。まず、なまし処理について説明する。
車両制御部50は、算出した目標トルクが第1所定トルク(>0)を超える場合、又は算出した目標トルクが第2所定トルク(<0)を下回る場合、算出した目標トルクになまし処理を施す。詳しくは、前回の制御周期においてMG制御部60でトルク制御に用いられた目標トルクをT[n−1]とし、今回の制御周期において算出されたなまし処理前の目標トルクをT[n]とし、なまし度合いをRaとする場合、なまし処理が施された今回の制御周期における目標トルクTacは、下式(eq1)で表される。なお、なまし度合いRaは、0よりも大きくてかつ1未満の値であり、例えば0.5に設定される。
Tac=T[n−1]+(T[n]−T[n−1])×Ra … (eq1)
上式(eq1)で表される目標トルクTacが、今回の制御周期においてトルク制御に用いられる。
続いて、レート処理について説明する。車両制御部50は、算出した目標トルクが、第1所定トルク以下であってかつ第2所定トルク以上の所定トルク範囲に含まれる場合、算出した目標トルクにレート処理を施す。レート処理は、前回の制御周期においてトルク制御に用いられた目標トルクを、今回の制御周期において算出されたレート処理前の目標トルクに向かって所定変化量だけ変化させる処理である。
例えば目標トルクがステップ状に変化する場合、なまし処理における目標トルクの徐変量は、当初は大きいものの制御周期毎に徐々に小さくなっていくのに対し、レート処理における目標トルクの徐変量は制御周期毎に一定の上記所定変化量である。回転電機20のトルクの符号が切り替わる場合、つまり、0を跨ぐ所定トルク範囲に回転電機20のトルクが含まれる場合、トルク変化量が大きいとドライバビリティの悪化が顕著になるといった問題が発生する。この問題に対処するには、なまし処理ではなく、レート処理によりトルクの徐変量を定めた方がよいことが確認されている。以上から、0を含む所定トルク範囲に目標トルクが含まれる場合、目標トルクにレート処理が施される。
MG制御部60は、車両制御部50から出力された徐変処理後の目標トルクTacに、回転電機20のトルクを制御すべく、インバータ30の上,下アームスイッチのスイッチング制御を行う。詳しくは、MG制御部60は、力行駆動制御又は回生駆動制御を行う。力行駆動制御は、蓄電池31から出力される直流電力を交流電力に変換してステータ巻線に供給するスイッチング制御である。この制御が行われる場合、回転電機20は、電動機として機能し、力行トルクを発生する。回生駆動制御は、回転電機20で発電される交流電力を直流電力に変換して蓄電池31に供給するスイッチング制御である。この制御が行われる場合、回転電機20は、発電機として機能し、回生トルクを発生する。回生トルクにより、車輪へ制動力が付与される。なお、本実施形態において、MG制御部60が「インバータ操作部」に相当する。
監視部70は、車両制御部50の監視を実行する場合において、アクセル操作量Acc及び車速Vsに基づいて、制御周期毎に目標監視トルク(「監視値」に相当)を算出する。そして、監視部70は、算出した目標監視トルクに徐変処理を施して出力する。本実施形態において、監視部70で実行される徐変処理は、なまし処理又はレート処理であり、監視部70で実行されるなまし処理,レート処理は、車両制御部50で実行されるなまし処理,レート処理と同じであるとする。ちなみに、車両制御部50及び監視部70それぞれでなまし処理が同じにされていることは必須ではなく、車両制御部50及び監視部70それぞれでレート処理が同じにされていることは必須ではない。
監視部70は、車両制御部50から出力された徐変処理後の目標トルクTacと、徐変処理後の目標監視トルクTawとの比較結果に応じて、車両制御部50に異常が発生している旨の信号であるフェイルセーフ信号SfsをMG制御部60に対して出力する異常時処理を行う。フェイルセーフ信号Sfsは、回転電機20の出力トルクをクリープトルクまで低下させることを指示する信号、又は回転電機20の出力トルクを0まで低下させて回転電機20の停止を指示する信号である。MG制御部60は、フェイルセーフ信号Sfsが入力されたと判定した場合、回転電機20の出力トルクをクリープトルクまで低下させる処理、又は回転電機20の出力トルクを0まで低下させる処理を行う。なお、本実施形態において、監視部70が「監視値算出部」及び「処理部」に相当する。
図2に示すように、車両制御部50は、中央処理装置(CPU51)、メモリ52、入出力インタフェース53及びバス54を備えている。CPU51、メモリ52及び入出力インタフェース53は、バス54を介して双方向通信可能に接続されている。メモリ52は、目標トルクTacを算出するための目標トルク算出プログラムP1を格納する不揮発性メモリ(例えばROM)と、CPU51による読み書きが可能なROM以外のメモリ(例えばRAM)とを含む。
メモリ52を構成する不揮発性メモリには、さらに、目標トルクの算出に用いられる目標トルクマップM1が格納されている。目標トルクマップM1は、走行モード、アクセル操作量Acc及び車速Vsと関係付けられて目標トルクが規定されたマップ情報である。CPU51は、メモリ52に格納されている目標トルク算出プログラムP1を読み書き可能なメモリに展開して実行することにより、目標トルクを算出する。CPU51は、算出した目標トルクに徐変処理を施す。
入出力インタフェース53には、アクセルセンサ40、車速センサ41、シフトポジションセンサ42、走行モードスイッチ43、MG制御部60及び監視部70がそれぞれ信号線を介して接続されている。アクセルセンサ40、車速センサ41、シフトポジションセンサ42、走行モードスイッチ43からは、検出信号が入力され、少なくとも、アクセルセンサ40、車速センサ41及びシフトポジションセンサ42からは冗長化信号が入力され、走行モードスイッチ43からは非冗長化信号が入力される。すなわち、本実施形態においては、アクセルセンサ40、車速センサ41及びシフトポジションセンサ42は冗長化されているセンサであり、走行モードスイッチ43は冗長化されていないセンサである。
図3に示すように、監視部70は、CPU71、メモリ72、入出力インタフェース73及びバス74を備えている。CPU71、メモリ72及び入出力インタフェース73は、バス74を介して双方向通信可能に接続されている。メモリ72は、目標監視トルクを算出し、車両制御部50の異常判定を行ってフェイルセーフの実行を決定するための監視プログラムP2を格納する不揮発性メモリ(例えばROM)と、CPU71による読み書きが可能なROM以外のメモリ(例えばRAM)とを含む。
メモリ72を構成する不揮発性メモリには、さらに、目標監視トルクの算出に用いられる監視トルクマップM2が格納されている。監視トルクマップM2は、アクセル操作量Acc及び車速Vsと関係付けられて目標監視トルクTawが規定されたマップ情報である。また、監視トルクマップM2は、走行モードに応じて設定され得る複数の目標トルク、すなわち、回転電機20の出力トルクの特性の中で最も目標トルクが大きくなる出力特性と対応付けられている。
CPU71は、メモリ72に格納されている監視プログラムP2を読み書き可能なメモリに展開して実行することにより、目標監視トルクを算出する。CPU71は、算出した目標監視トルクに徐変処理を施す。CPU71は、徐変処理が施された目標監視トルクTawと、徐変処理が施された目標トルクTacとを比較してフェイルセーフの実行を決定する。
入出力インタフェース73には、アクセルセンサ40、車速センサ41、シフトポジションセンサ42、車両制御部50及びMG制御部60がそれぞれ信号線を介して接続されている。アクセルセンサ40、車速センサ41及びシフトポジションセンサ42からは、検出信号が入力される。監視部70に対しては、冗長化されていない走行モードスイッチ43からの検出信号は入力されない。
続いて、図4を用いて、車両制御部50のCPU51により実行される目標トルクTac算出処理について説明する。この処理は、例えば、車両10の制御システムの始動時から停止時までの期間、又は車両10のスタートスイッチがオンされてからスタートスイッチがオフされるまでの期間において、所定の制御周期で繰り返し実行される。
ステップS10では、入出力インタフェース53を介して、アクセルセンサ40により検出されたアクセル操作量Acc、車速センサ41により検出された車速Vs、シフトポジションセンサ42により検出されたシフトポジションSP、及び走行モードスイッチ43の走行モード信号Moを取得する。
ステップS11では、取得したアクセル操作量Acc、車速Vs及び走行モード信号Moと、目標トルクマップM1と、シフトポジションSPとに基づいて、目標トルクを算出する。本実施形態において、目標トルクマップM1には、図5に示すように、走行モードがエコモードの場合の第1特性線L1と、走行モードがスポーツモードの場合の第2特性線L2とが規定されている。第1特性線L1及び第2特性線L2は、車速Vsにも依存する。
ステップS11で算出された目標トルクには、上述した徐変処理が施され、徐変処理が施された目標トルクTacは、MG制御部60及び監視部70に対して出力される。
続いて、図7を用いて、監視部70のCPU71により実行される監視処理について説明する。この処理は、例えば、車両10の制御システムの始動時から停止時までの期間、又はスタートスイッチがオンされてからスタートスイッチがオフされるまで期間において、所定の制御周期で繰り返し実行される。なお、監視部70のCPU71と車両制御部50のCPU71とで、制御周期が同じであってもよいし、制御周期が異なっていてもよい。
ステップS20では、入出力インタフェース73を介して、アクセル操作量Acc、車速Vs、シフトポジションSP及び徐変処理後の目標トルクTacを取得する。
ステップS21では、車両制御部50の監視を実行するか否かを判定する判定処理を行う。判定処理については、後に詳述する。
ステップS22では、判定処理の判定結果が、監視を実行するとの結果であるか否かを判定する。
ステップS22において肯定判定した場合には、ステップS23に進み、取得したアクセル操作量Acc、車速Vs及びシフトポジションSPと、監視トルクマップM2とに基づいて、目標監視トルクを算出する。そして、算出した目標監視トルクに徐変処理を施す。監視トルクマップM2には、図6に示すように、走行モードによって設定される回転電機20の出力特性の中で、出力トルクが最も大きい、すなわち、アクセル操作量Accに対応する出力トルクが最も大きくなる出力特性であるスポーツモードに対応する第2特性線L2が規定されている。さらに、第2特性線L2は、スポーツモード以外の他のモードの出力特性に応じて算出される目標トルクに対するトルク差が、アクセル操作量Accが0よりも大きくなる場合に大きくなる特性を有している。このような出力特性を有する第2特性線L2が用いられる理由は、監視部70が走行モード信号Moを用いることなく目標監視トルクを算出しており、走行モードがスポーツモードの場合における異常の誤判定を防止するためである。なお、図6には、第1特性線L1が破線にて示されている。
ステップS24では、車速Vsに基づいて、検出閾値α(>0)を設定する。検出閾値αは、目標トルクTacと目標監視トルクTawとに基づいて車両制御部50に異常が発生しているか否かを判定するための閾値である。本実施形態では、図8に示すように、車速Vsが高くなるほど検出閾値αが大きくなる。
ステップS25では、アクセル操作量Accに基づいて検出時間TL(「所定時間」に相当)を設定する。車両加速度Gの増大を抑制し車両加速度Gの低減を促進するために、本実施形態では、図9に示すように、アクセル操作量Accが大きくなるほど検出時間TLが短くなる。ただし、一般的に、アクセルペダルの踏み込み量が最大となる運転領域は限定的であり、いわゆる、ハーフスロットル、パーシャルスロットルが多用される。そこで、本実施形態では、予め定められたアクセル操作量Accを超えると、アクセル操作量Accの変化量に対する検出時間TLの変化量が過度に小さくなるようにされている。この場合、アクセル操作量が0の場合に対して、アクセル操作量Accが0よりも大きい場合に検出時間TLが短くなる。
ステップS26では、徐変処理後の目標トルクTacと、徐変処理後の目標監視トルクTawとの偏差の絶対値を算出し、算出した絶対値が検出閾値α以上であるか否かを判定する。本実施形態において、ステップS26の処理が「偏差算出部」を含む。図6に、車両制御部50に異常が発生していると監視部70が判定するための上限閾値Gthが示されている。上限閾値Gthは、第2特性線L2上の各トルク値に検出閾値αを加算した値「目標監視トルク+α」であり、アクセル操作量Accが大きくなるほど大きくなる。ステップS26において肯定判定される状況は、目標トルクが上限閾値Gth以上になる状況である。
ステップS26において「|Tac−Taw|≧α」であると判定した場合には、車両制御部50に異常が発生している可能性があると判定し、ステップS27に進み、カウント値Cを1つインクリメントする。
一方、ステップS26において「|Tac−Taw|<α」であると判定した場合には、車両制御部50に異常が発生していないと判定し、ステップS28に進み、カウント値Cを0にする。
ステップS27又はS28の処理の完了後、ステップS29に進み、カウント値Cが検出時間TL以上となったか否かを判定する。ステップS29において肯定判定した場合には、ステップS30に進み、フェイルセーフ信号SfsをMG制御部60に対して出力する。一方、ステップS29において否定判定した場合には、フェイルセーフ信号Sfsを出力しない。
図4及び図7の処理が実行された場合における目標トルクTac及び車両加速度Gの推移の一例について、図10及び図11を用いて説明する。
まず、図10に、車両10が前進して、かつ、アクセル操作量Accが0の場合を示す。時刻t1において、目標トルクTacと目標監視トルクTawとの偏差の絶対値が検出閾値α以上となり、カウント値Cのカウントが開始される。その後、時刻t1から第1所定時間T1経過した時刻t2において、カウント値Cが検出時間TL以上となる。その結果、監視部70からMG制御部60に対してフェイルセーフ信号Sfsが出力され、目標トルクTacが低下する。
アクセル操作量Accが0の場合には、図6に示すように、目標監視トルクTaw(=0)と検出閾値αとの差Ag1が小さい。このため、回転電機20に対するフェイルセーフが実行されるまでに車両10に生じる車両加速度Gは比較的小さい。
続いて、図11に、車両10が前進して、かつ、アクセル操作量Accが0よりも大きい場合を示す。時刻t1において、目標トルクTacと目標監視トルクTawとの偏差の絶対値が検出閾値α以上となり、カウント値Cのカウントが開始される。その後、時刻t1から第2所定時間T2(<T1)経過した時刻t2において、カウント値Cが検出時間TL以上となる。その結果、監視部70からMG制御部60に対してフェイルセーフ信号Sfsが出力され、目標トルクTacが低下する。
アクセル操作量Accが0よりも大きい場合であって、走行モードがエコモードに設定されている場合には、図6に破線で示す第1特性線L1に従って目標トルクが算出される。この場合、その目標トルクと上限閾値Gthとの間のトルク差Ag2は大きい。したがって、車両制御部50に異常が発生することにより上限閾値Gthを超える目標トルクが算出されると、車両10には、ドライバが予測しない大きな車両加速度Gが発生する。そこで、本実施形態では、監視部70は、アクセル操作量Accが大きくなるほど検出時間TLを短くする。このため、図11に破線にて示す比較例のフェイルセーフ信号Sfsの出力タイミングt3に対して、本実施形態では、フェイルセーフ信号Sfsの出力タイミングt2を早めることができる。その結果、回転電機20の出力トルクが早期に低下させることができ、車両加速度Gを早期に低減することができる。なお、比較例は、例えば、アクセル操作量Accによらず、検出時間TLが一定にされる構成のことである。
ところで、車両制御部50に異常が発生していないにもかかわらず、目標監視トルクTawに対して目標トルクTacが大きくずれてしまうことがある。この場合、監視部70からフェイルセーフ信号Sfsを出力すべき状況でないにもかかわらず、フェイルセーフ信号Sfsが出力され、回転電機20の出力トルクが低下する。その結果、ドライバビリティが低下する懸念がある。
ここで、目標トルクの算出には、冗長化信号であるアクセル操作量Acc、車速Vs及びシフトポジションSPと、非冗長化信号である走行モード信号Moとが用いられているのに対し、目標監視トルクの算出には、走行モード信号Moが用いられていない。このことが、車両制御部50に異常が発生していないにもかかわらず、目標監視トルクTawに対して目標トルクTacが大きくずれ得る要因の1つとなる。
また、目標トルクが0を跨いて目標トルクTacの符号が変わる状況下において、車両制御部50に異常が発生していないにもかかわらず、目標監視トルクTawに対して目標トルクTacが大きくずれやすい。詳しくは、目標トルクの算出に用いられる信号と目標監視トルクの算出に用いられる信号とが上述したように異なることから、目標トルクと目標監視トルクとがずれ得る。この場合、徐変処理が施された目標トルクTacのその後の推移は、徐変処理が施された目標監視トルクTawのその後の推移とは異なるものとなる。その結果、例えば、0を含む所定トルク範囲に含まれる目標トルクにはレート処理が施され、所定トルク範囲外の目標監視トルクにはなまし処理が施される事態が発生する。この場合、レート処理による目標トルクTacの徐変量と、なまし処理による目標監視トルクTawの徐変量とが異なる値となり、目標監視トルクTawに対して目標トルクTacが大きくずれることとなる。
そこで、本実施形態では、図7のステップS21の判定処理を行う。図12に、判定処理の手順を示す。
ステップS40では、車速Vsが0以上であるか否かを判定する。
ステップS40において肯定判定した場合には、ステップS41に進み、徐変処理後の目標トルクTacが第1判定値Tjacc(>0)を下回るか否かを判定する。この処理は、車両制御部50の監視を実行するか否かを判定するための処理である。以下、図13を用いて、車両10が前進する場合に用いられる第1判定値Tjaccの定め方について説明する。
本実施形態において、第1判定値Tjaccは、第1ハザードトルクTh1(>0)から第1回生トルクTb1(>0)を差し引いた値に設定されている。第1ハザードトルクTh1は、前進方向における意図しない車両10の加速が発生する場合に想定される回転電機20のトルクの許容上限値である。第1ハザードトルクTh1は、具体的には例えば、車両10を所定の加速度(例えば、重力加速度の0.3倍)で加速させるために要する回転電機20のトルクである。第1回生トルクTb1は、車両10が前進している場合において、回生駆動制御により減速させるときに発生可能な回転電機20の回生トルクの下限値である。
また、第1判定値Tjaccは、アクセル操作量Accが0の場合における上限閾値Gthの値G0よりも小さい値に設定されている。これにより、目標トルクTacが上限閾値Gth以下となる場合において、車両制御部50の監視を実行できる。なお、G0は、目標監視トルクの絶対値及び検出閾値αの加算値と同じ値である。また、0を含む所定トルク範囲を定める上述した第1所定トルクは、例えば、第1判定値Tjaccよりも小さい値に設定されている。
ステップS41において徐変処理後の目標トルクTacが第1判定値Tjacc以上であると判定した場合には、ステップS42に進み、車両制御部50の監視を実行すると判定する。
一方、ステップS41において徐変処理後の目標トルクTacが第1判定値Tjaccを下回ると判定した場合には、ステップS43に進み、車両制御部50の監視を実行しないと判定する。ステップS42又はS43の処理の完了後、図7のステップS22の処理に進む。
ステップS40において車速Vsが0を下回ると判定した場合には、車両10が後進していると判定し、ステップS44に進む。ステップS44では、徐変処理後の目標トルクTacが第2判定値Tjdec(<0)を上回るか否かを判定する。この処理は、車両制御部50の監視を実行するか否かを判定するための処理である。以下、図14を用いて、車両10が後進する場合に用いられる第2判定値Tjdecの定め方について説明する。
本実施形態において、第2判定値Tjdecは、第2回生トルクTb2(>0)から第2ハザードトルクTh2(>0)を差し引いた値に設定されている。第2ハザードトルクTh2は、後進方向における意図しない車両10の加速が発生する場合に想定される回転電機20のトルクの許容上限値である。第2ハザードトルクTh2は、第1ハザードトルクTh1と同じ観点で定められる値である。第2回生トルクTb2は、車両10が後進している場合において、回生駆動制御により減速させるときに発生可能な回転電機20の回生トルクの下限値である。
また、第2判定値Tjdecは、その絶対値が、アクセル操作量Accが0の場合における上限閾値Gthの値G0よりも小さい値に設定されている。なお、本実施形態では、第1判定値Tjaccの絶対値と第2判定値Tjdecの絶対値とが同じ値に設定されている。ただし、この設定に限らず、第1判定値Tjaccの絶対値と第2判定値Tjdecの絶対値とが異なる値に設定されていてもよい。また、上述した第2所定トルクは、例えば、第2判定値Tjdecよりも大きい値に設定されている。
ステップS44において徐変処理後の目標トルクTacが第2判定値Tjdec以下であると判定した場合には、ステップS42に進む。一方、ステップS44において徐変処理後の目標トルクTacが第2判定値Tjdecを上回ると判定した場合には、ステップS43に進む。
以上説明した図12の処理によれば、監視部70からフェイルセーフ信号Sfsを出力すべき状況でないにもかかわらずフェイルセーフ信号Sfsが出力されてしまう事態の発生を抑制しつつ、車両制御部50に異常が発生しているか否かを適正に判定することができる。
目標トルク及び目標監視トルクの算出に用いる信号が車両の要求仕様により変わる場合がある。この場合であっても、図12に示した処理によれば、例えば第1判定値Tjacc及び第2判定値Tjdecの調整により、監視部70からフェイルセーフ信号Sfsを出力すべき状況でないにもかかわらずフェイルセーフ信号Sfsが出力されてしまう事態の発生を抑制できる。このため、目標トルク及び目標監視トルクの算出に用いる信号が車両の要求仕様により変わる場合であっても、制御装置100の設計に要する工数を削減することができる。
<第1実施形態の変形例>
・図12のステップS40において、車両10が前進しているか後進しているかを判定するために、車速Vsに代えて、例えば回転電機20のロータの回転速度が用いられてもよい。ロータの回転速度は、例えば、回転電機20の電気角を検出するレゾルバ等の回転角センサの検出信号に基づいて算出されればよい。
・図13に示した第1判定値Tjaccは、正の値に限らず、負の値にもなり得る。例えば、第1回生トルクTb1が第1ハザードトルクTh1よりも大きくなる場合に第1判定値Tjaccが負の値になる。
また、図14に示した第2判定値Tjdecは、負の値に限らず、正の値にもなり得る。例えば、第2回生トルクTb2が第2ハザードトルクTh2よりも大きくなる場合に第2判定値Tjdecが正の値になる。
・図7に示す処理のうちステップS27〜S29の処理を削除し、ステップS26において肯定判定された場合にステップS30に移行してもよい。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、第1判定値Tjacc及び第2判定値Tjdecが回転電機20を構成するロータの回転速度Nmに基づいて可変とされる。
図15に、本実施形態に係る判定処理の手順を示す。なお、図15において、先の図12に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
ステップS40において肯定判定した場合には、ステップS45に進み、ロータの回転速度Nmに基づいて、第1回生トルクTb1を設定する。この設定は、ロータの回転速度Nmに応じて第1回生トルクTb1を可変にできることに鑑みたものである。例えば、ロータの回転速度Nmが高いほど、第1回生トルクTb1を小さく設定する。そして、設定した第1回生トルクTb1を第1ハザードトルクTh1から差し引くことにより、ステップS41で用いる第1判定値Tjaccを設定する。ステップS45の処理の完了後、ステップS41に進む。なお、ロータの回転速度Nmは、例えば、上記回転角センサの検出信号に基づいて算出されればよい。
ステップS40において否定判定した場合には、ステップS46に進み、ロータの回転速度Nmに基づいて、第2回生トルクTb2を設定する。例えば、ロータの回転速度Nmが高いほど、第2回生トルクTb2の絶対値を小さく設定する。そして、設定した第2回生トルクTb2から第2ハザードトルクTh2を差し引くことにより、ステップS44で用いる第2判定値Tjdecを設定する。
以上説明した本実施形態によれば、ロータの回転速度に応じた適正な各判定値Tjacc,Tjdecを設定できる。これにより、車両制御部50の監視が必要な領域を正確に判定することができる。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態において、監視部70は、異常時処理として、図16のステップS31に示すように、フェイルセーフ処理に代えて、制御装置100をリセットする処理を行う。これにより、制御装置100の信頼性の低下を抑制する。なお、図16において、先の図7に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・目標トルク及び目標監視トルクに対するなまし処理として、例えばローパスフィルタ処理が用いられてもよい。この場合、監視部70のなまし処理におけるなまし度合いと、車両制御部50のなまし処理におけるなまし度合いとが同じ度合いにされていてもよい。なまし処理がローパスフィルタ処理である場合、なまし度合いとは、例えばローパスフィルタの時定数のことである。
また、目標トルク及び目標監視トルクに対するなまし処理としては、ローパスフィルタ処理に限らない。目標トルク及び目標監視トルクそれぞれの変化を抑制するなまし処理であれば、移動平均処理等、他の処理であってもよい。
・目標トルク及び目標監視トルクに対して徐変処理が施されなくてもよい。この場合であっても、目標トルク及び目標監視トルクの算出に用いられる信号が異なることに起因して、車両制御部50に異常が発生していないにもかかわらず、フェイルセーフ信号Sfsが出力されるおそれはあるため、本発明の適用が有効である。
・非冗長化信号としては、走行モード信号Moに限らず、例えば、アクセルペダルの踏み込みによって加減速及び制動を可能とする1ペダルモードの選択を示す1ペダルモード信号であってもよい。
・車両制御部50において、回転電機20の目標トルク[N/m]に代えて、回転電機20のトルクの相関値である回転電機20の目標駆動力[N]が算出されてもよい。この場合、監視部70において、目標監視トルクに代えて、目標監視駆動力が算出されてもよい。
また、車両制御部50において、回転電機20の目標トルクに代えて、回転電機20のトルクの相関値である車両10に作用する目標加速度[m/s^2]が算出されてもよい。この場合、監視部70において、目標監視トルクに代えて、目標監視加速度が算出されてもよい。
・本開示に記載の制御装置及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
10…車両、20…回転電機、30…インバータ、50…車両制御部、70…監視部、100…制御装置。

Claims (9)

  1. 駆動輪(24)と動力伝達可能な回転電機(20)と、
    前記回転電機に電気的に接続されたインバータ(30)と、を備える車両(10)に適用される回転電機の制御装置(100)において、
    冗長化信号及び非冗長化信号に基づいて、前記回転電機のトルク、前記回転電機の駆動力又は前記車両に作用する加速度のいずれかである制御量の目標値(Tac)を算出する目標値算出部(50)と、
    前記制御量を前記目標値に制御すべく、前記インバータを操作するインバータ操作部(60)と、
    前記冗長化信号及び前記非冗長化信号のうち前記冗長化信号に基づいて、前記制御量の目標監視値(Taw)を算出する監視値算出部(70)と、
    前記車両の前進時において、前記目標値が第1判定値(Tjacc)以上になる場合に前記目標値と前記目標監視値との偏差を算出し、前記目標値が前記第1判定値を下回る場合に前記偏差を算出せず、前記車両の後進時において、前記目標値が第2判定値(Tjdec)以下になる場合に前記偏差を算出し、前記目標値が前記第2判定値を上回る場合に前記偏差を算出しない偏差算出部(70)と、を備える回転電機の制御装置。
  2. 前記目標値算出部は、算出した前記目標値に徐変処理を施し、
    前記監視値算出部は、算出した前記目標監視値に徐変処理を施し、
    前記インバータ操作部は、前記徐変処理が施された前記目標値に前記制御量を制御すべく、前記インバータを操作し、
    前記偏差算出部は、前記車両の前進時において、前記徐変処理が施された前記目標値が前記第1判定値以上になる場合に前記徐変処理が施された前記目標値と前記徐変処理が施された前記目標監視値との偏差を算出し、前記徐変処理が施された前記目標値が前記第1判定値を下回る場合に前記偏差を算出せず、前記車両の後進時において、前記徐変処理が施された前記目標値が前記第2判定値以下になる場合に前記偏差を算出し、前記徐変処理が施された前記目標値が前記第2判定値を上回る場合に前記偏差を算出しない請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  3. 前記偏差算出部により前記偏差が算出された場合、算出された前記偏差の絶対値が閾値(α)以上であることを条件として異常時処理を実行する処理部(70)を備える請求項1又は2に記載の回転電機の制御装置。
  4. 前記処理部は、算出された前記偏差の絶対値が前記閾値以上である状態が所定時間(TL)継続された場合に前記異常時処理を実行する請求項3に記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記異常時処理は、前記回転電機に対するフェイルセーフ処理である請求項3又は4に記載の回転電機の制御装置。
  6. 前記フェイルセーフ処理は、前記回転電機のトルクの低下を指示する処理である請求項5に記載の回転電機の制御装置。
  7. 前記異常時処理は、前記制御装置をリセットする処理である請求項3又は4に記載の回転電機の制御装置。
  8. 前記目標値及び前記目標監視値は、前記車両のドライバによるアクセル操作量が大きいほど大きくなり、
    前記第1判定値及び前記第2判定値それぞれの絶対値は、前記アクセル操作量が0の場合における前記目標監視値及び前記閾値の加算値(G0)よりも小さい値である請求項3〜7のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  9. 前記第1判定値及び前記第2判定値は、前記回転電機を構成するロータの回転速度に基づいて可変とされる請求項1〜8のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
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