JP2021111343A - 移動情報提供システム、サーバ装置、および車両 - Google Patents
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Abstract
Description
車両は、たとえば、目的地までの経路に沿って走行する。この際、車両は、自車に設けられるカメラなどのセンサにより車両の周辺などを撮像し、他の車両などの移動体を避けて安全に走行することが求められる。
しかしながら、車両などの移動体がそれぞれに独立して検出と制御とを実行している状況では、必ずしも他の移動体の移動を正確に把握できるとは限らない。
たとえば他の移動体の予想外の移動、死角に止まっている他の移動体、死角から出てくる他の移動体により、車両などの移動体は、これらの他の移動体を避けるように急激な走行制御を実行したりする必要が生じる可能性がある。
しかしながら、このように移動体の移動情報を収集したとしても、車両といった移動体は、必ずしも適切に且つ安全に移動できるようにはならない。
たとえば、実際の道路では、路肩から車線にはみ出して車両が駐停車していたり、路肩などを歩行者や自転車が移動していたりする。
この他にもたとえば、対向車線を走行する車両が道路のカーブなどにおいて自車線へはみ出してくることがある。
しかも、これらの他の移動体は、必ずしも自車と同じ移動情報提供システムにより移動が管理されているわけでもない。
これらの事態があると、自動車といった車両は、移動情報提供システムから収集した情報に基づく指示情報を得ていたとしても安全に移動できることにはならない。
図1は、本発明の第一実施形態に係る移動体への移動情報提供システム1の構成図である。
図1の移動情報提供システム1は、道路を走行する複数の移動体としての複数の自動車100それぞれで使用可能な複数の端末装置2と、複数の自動車100が走行する道路に沿って設けられる複数の無線基地局4と、を有する。
なお、本明細書における「エリア」とは、平面的な広さとして区切られた場所という意味であり、区域である。
また、「区間」とは、ある一点から次の一点までという意味であり、時間という概念を包含している。
サーバ装置6は、このような通信により、複数の自動車100の走行に関わるフィールド情報を収集する。フィールド情報には、自動車100以外の移動体などについて収集される情報が含まれてよい。サーバ装置6は、収集したフィールド情報に基づいて、たとえば複数の自動車100がたとえば互いに衝突することなく安全に走行することが可能な自動車100ごとの微小区間の進路または移動可能範囲の情報を生成する。サーバ装置6は、生成した情報を一次加工情報として複数の自動車100の端末装置2へ所定の期間ごとに繰り返しに送信する。なお、サーバ装置6は、収集したフィールド情報そのものをたとえば自動車100ごとに整理して、複数の自動車100の端末装置2へ所定の期間ごとに繰り返しに送信してもよい。
なお、担当する所定区域及び/または所定区間に該当する自動車100が一台だけの場合は、一台のみを担当すればよく、その場合は予め収集されている地図とその一台のフィールド情報で一次加工情報を生成すればよい。また、担当する所定区域及び/または所定区間を自動車100が通過する時間において、一回だけ通信してもよい
ここでいう微小区間とは制御または支援を受ける自動車100の進行方向(前後左右)における区間であり、例えば時速60kmでの200ミリ秒に進む距離、などと定義してもよい。
また、担当するとは、無線基地局4が通信可能であることを意味する。
自動車100に設けられる端末装置2は、このような通信により、それを収容する無線基地局4から、サーバ装置6が送信した一次加工情報やフィールド情報を所定の期間ごとに繰り返しに受信する。自動車100は、端末装置2が受信した情報に基づいて、自動車100の移動についての制御を実行する。自動運転の場合、自動車100は、自動運転のための進路を決定し、その進路にしたがって自車を走行させる。手動運転の運転支援の場合、自動車100は、乗車しているユーザの運転操作を、決定した進路から大きく外れないように調整し、自車を走行させる。自動車100は、決定した進路に沿って走行できる。なお、自動車100は、端末装置2が受信した情報や、それに基づく情報を、乗車しているユーザへ表示や音声などにより報知してもよい。
しかしながら、このような自律的な自動運転や運転支援では、必ずしも他の自動車100などの移動を正確に予測して把握できるとは限らない。
たとえばユーザにより操作される他の自動車100は、急激に進路を変更したりして予想外の移動をすることがある。また、進路上に他の移動体が飛び出したり、視認できないコーナの先に他の自動車100が駐車していたりすることもある。たとえば吹雪などで天候が悪化して視認性が低下することもある。吹雪などの天候において対向車を視認し難いこともある。交差点やインターチェンジの合流地点では、横方向や斜め後方向から他の自動車100が接近することもある。これらの場合、自動運転中の自車は、たとえば急激に走行が変化する他の自動車100に当たったり、その進路を妨害したりしないように、他の自動車100を避けるように急激な走行制御を実行しなければならなくなる。このような事態は、事故の未然防止のために避けることが望ましい。自動車100などの移動体の移動を制御する場合、できる限り他の移動体の予想外の移動の影響が生じ難くすることが望ましい。
図2のサーバ装置6は、サーバ通信デバイス11、サーバGNSS受信機12、サーバメモリ13、サーバCPU14、および、これらが接続されるサーババス15、を有する。
サーバGNSS受信機12は、GNSS衛星110の電波を受信して、現在時刻を得る。サーバ装置6は、サーバGNSS受信機12の現在時刻により校正される不図示のサーバタイマを備えてよい。
サーバメモリ13は、サーバCPU14が実行するプログラムおよびデータを記録する。
サーバCPU14は、サーバメモリ13からプログラムを読み込んで実行する。これにより、サーバ装置6には、サーバ制御部が実現される。
サーバ制御部としてのサーバCPU14は、サーバ装置6の全体的な動作を管理する。サーバCPU14は、移動情報提供システム1において収集する情報を取得し、複数の通信装置へ提供する情報を生成し、送信する。
図3の自動車100の制御システム20は、複数の制御装置が、それぞれに組み込まれる制御ECU(Electronic Control Unit)により代表して示されている。制御装置は、図2のサーバ装置6と同様に、制御ECUの他に、たとえば制御プログラムおよびデータを記録するメモリ、制御対象物またはその状態検出装置と接続される入出力ポート、時間や時刻を計測するタイマ、およびこれらが接続される内部バス、を有してよい。
図3に示される制御ECUは、具体的にはたとえば、駆動ECU21、操舵ECU22、制動ECU23、走行制御ECU24、運転操作ECU25、検出ECU26、外通信ECU27、UI操作ECU28、である。自動車100の制御システム20は、図示しない他の制御ECUを備えてよい。
これらの制御ECUは、自動車100の制御システム20の制御部を構成する。
外通信ECU27がサーバ装置6から取得する情報には、自車への一次加工情報だけでなく、周辺の他の移動体への一次加工情報が含まれてよい。また、自律センサでは取得できないような補間情報が含まれてよい。外通信ECU27は、端末装置2として、少なくとも自車での移動判断または移動制御に用いることができる情報を通信装置から繰り返し受信する。
走行制御ECU24は、たとえば、車ネットワーク30を通じて外通信ECU27、検出ECU26、運転操作ECU25などからデータを取得し、自動車100の走行を自動運転または手動運転支援の制御を実行する。走行制御ECU24は、取得したデータに基づいて自動車100の走行を制御するための走行制御データを生成し、駆動ECU21、操舵ECU22、および制動ECU23へ出力する。駆動ECU21、操舵ECU22、および制動ECU23は、入力される走行制御データに基づいて、自動車100の走行を制御する。走行制御ECU24は、移動制御装置として、端末装置2が受信した情報を用いて車両の移動を制御する。
自動車100に設けられる通信装置の外通信ECU27は、たとえば無線基地局4と通信可能な状態である場合、図4の自車情報の送信処理を繰り返し実行する。外通信ECU27が自車情報を送信する周期は、たとえば数十ミリ秒から数秒程度の範囲でよい。
サーバ装置6のサーバCPU14は、サーバ装置6のサーバ通信デバイス11が新たなフィールド情報を受信するたびに、図5の収集処理を繰り返し実行する。
サーバCPU14は、このような誤差についての有無を、たとえば、受信したフィールド情報とサーバ装置6の情報との比較により、または、受信したフィールド情報の位置と地図データとの比較などにより、判断する。そして、設定されている閾値以上の誤差があると判断する場合、サーバCPU14は、修正が必要であると判断し、処理をステップST13へ進める。誤差が閾値未満である場合、サーバCPU14は、修正が不要であると判断し、処理をステップST14へ進める。
また、CPU14は、時刻の修正にともなって連動して修正が必要になる他の情報、たとえば自動車100の位置、速度などについても、併せて修正してよい。
なお、このようなフィールド情報を修正するための情報は、自動車100がフィールド情報の送信の際に含めても、フィールド情報を中継する基地局4で付加してもよい。また、フィールド情報の修正処理は、自動車100において収集した情報について処理しても、基地局4において中継するフィールド情報ついて処理してもよい。
この他にもたとえば、サーバCPU14は、受信したフィールド情報の時刻などについては修正することなく、図5の処理を実行してよい。
この場合において、サーバCPU14は、さらに、受信したフィールド情報の時刻などについての誤差範囲を拡大するための付加的なフィールド情報を生成してもよい。このような誤差範囲についての付加的な情報により、サーバCPU14は、後の処理において自動車100の位置、速度などについての可能性がある範囲についての情報を得ることができる。その結果、たとえば、サーバCPU14が処理する自動車100の位置の範囲に、自動車100が実際に存在している可能性を高めることができる。
サーバ装置6のサーバCPU14は、図6の進路生成処理を繰り返し実行する。サーバCPU14が進路生成処理を実行する周期は、たとえば一次加工情報の進路を自動車100が走行し終えるまでの時間より短ければよく、たとえば数十ミリ秒から数百ミリ秒程度でよい。
ここで、現時点図および予測図は、移動情報提供システム1が情報を提供する地域の道路図でよい。現時点図および予測図は、ワールドマップである。現時点図および予測図は、サーバメモリ13に記録されていてよい。
そして、現時点図は、サーバGNSS受信機12の現在時刻での複数の自動車100の現時点位置をリアルタイムにマッピングする道路図でよい。なお、現時点図は、サーバGNSS受信機12の現在時刻より短い所定時間後の時刻での現時点位置をリアルタイム的にマッピングする道路図でよい。
予測図は、道路図の時刻より所定期間後について推定する複数の自動車100の予測位置をマッピングする道路図でよい。予測図は、道路図の時刻より数秒程度後の時点での道路図でよい。
サーバCPU14は、最新のフィールド情報から、移動体リストに含まれる未処理の自動車100の現時点位置を取得または推定する。ここで、現時点とは、サーバGNSS受信機12の時刻そのものである必要はなく、それより数百ミリ秒後の時点でよい。自動車100の最新の現在地に対応する時刻と現時点との時間差が数百ミリ秒程度の閾値以下である場合、サーバCPU14は、取得した現在地を、自動車100の現時点位置としてよい。時間差が閾値より大きい場合、サーバCPU14は、自動車100の移動方向、移動速度、姿勢といった自車情報を用いて、取得した最新の現在地からの既移動方向および既移動量を演算し、その演算結果の位置を、自動車100の現時点位置としてよい。
サーバCPU14は、最新のフィールド情報から、移動体リストに含まれる未処理の自動車100の予測位置を演算により推定する。サーバCPU14は、演算対象の自動車100の情報を用いて、現時点時刻より微小期間後の予測時刻での予測位置を演算する。予測時刻は、現時点の時刻より数百ミリ秒から数秒後の時刻でよい。サーバCPU14は、自動車100の移動方向、移動速度、姿勢といった自車情報を用いて、自動車100の挙動を考慮した、現時点位置からの移動方向および移動量を演算し、その演算結果の位置を、自動車100の予測位置としてよい。
サーバ装置6のサーバCPU14は、図7の情報の送信処理を繰り返し実行する。サーバ装置6が情報を送信する周期は、たとえば図4の自動車100の送信する周期と同じとなるように数十ミリ秒から数秒程度の範囲でよい。
サーバ装置6のサーバCPU14は、たとえば図5の処理により複数の自動車100からフィールド情報を収集すると、図6の複数の移動体それぞれが走行可能な微小区間の進路または走行可能範囲を一次加工情報として生成する。サーバCPU14は、この他にもたとえば、図6の進路生成処理を実行するたびに、図7の送信処理を繰り返し実行してよい。
なお、サーバ装置6は、一次加工情報とともに、または一次加工情報の替わりに、フィールド情報複数の自動車100から収集するフィールド情報を、複数の自動車100へ送信してよい。
自動車100の端末装置2は、無線基地局4から、一次加工情報を受信する。端末装置2は、無線基地局4から、フィールド情報を受信してよい。
端末装置2の外通信ECU27は、図8の一次加工情報の受信処理を繰り返し実行する。外通信ECU27は、一次加工情報を受信するたびに、図8の受信処理を繰り返し実行してよい。
外通信ECU27は、このような誤差についての有無を、たとえば受信した情報と自車の情報との比較により判断する。そして、設定されている閾値以上の誤差があると判断する場合、外通信ECU27は、修正が必要であると判断し、処理をステップST54へ進める。誤差が閾値未満である場合、外通信ECU27は、修正が不要であると判断し、処理をステップST55へ進める。
また、外通信ECU27は、時刻の修正にともなって連動して修正が必要になる他の情報、たとえば自動車100の位置、速度などについても、併せて修正してよい。
なお、このような情報を修正するための情報は、サーバ装置6が情報の送信の際に含めても、情報を中継する基地局4で付加してもよい。また、情報の修正処理は、サーバ装置6がおいて処理しても、基地局4において処理してもよい。
なお、端末装置2は、複数の移動体の移動に関わる収集したそのもののフィールド情報を受信して蓄積してもよい。
自動車100の走行を制御する走行制御ECU24は、図9の一次加工情報に基づく走行制御を繰り返し実行する。走行制御ECU24は、たとえば一次加工情報の進路を自動車100が走行し終えるまでの時間より短い周期で、図9の走行制御を繰り返せばよい。この場合の繰り返し周期は、たとえば数十ミリ秒から数百ミリ秒程度でよい。
なお、走行制御ECU24は、単に自律センサにより取得する自車検出の周辺情報に基づいて指示進路のクリアを判断するだけでなく、自律センサの検出値と、最新の一次加工情報に含まれる情報とを突き合わせて、これらの間の誤差に基づいて指示進路のクリアを判断してよい。自律センサの検出値と、外部から取得する情報との間で、物理量の種類や座標系が異なる場合、走行制御ECU24は、外部から取得する情報の物理量や座標系を、自律センサの検出値と比較可能となるように変換し、その変換後の疑似センサの値と自律センサの検出値とを比較すればよい。そして、誤差が閾値以上である場合、走行制御ECU24は、指示されている進路または走行可能範囲がクリアでないと判断し、処理をステップST67へ進める。誤差が閾値より小さい場合、走行制御ECU24は、指示進路がクリアであると判断し、処理をステップST66へ進める。
走行制御ECU24は、指示された進路、または指示された走行可能範囲内の進路を、走行制御データとして生成する。走行制御ECU24は、サーバ装置6から方位と距離もしくは時間を含むベクトルとしての進路を取得している場合、その進路に沿って走行制御データを生成してよい。サーバ装置6から進行可能な安全走行可能範囲を取得している場合、走行制御ECU24は、その安全走行可能範囲内で最大に進行可能な方向と距離もしくは時間によるベクトルを演算し、そのベクトルによる進路を走行制御データとして生成してよい。
走行制御ECU24は、生成した走行制御データにより、自車の走行を制御する。運転支援の場合、走行制御ECU24は、生成した走行制御データによる進路から大きく外れないように、ユーザの操作を調整する。この際、走行制御ECU24は、指示された走行可能範囲から外れないように、ユーザの操作を調整してよい。
このように、走行制御ECU24は、端末装置2が受信した複数の移動体の移動に関わるフィールド情報に基づいて得られる一次加工情報に基づいて、自車の進路を決定して車両の走行を制御または支援する。
走行制御ECU24は、生成した走行制御データにより、自車の走行を制御する。運転支援の場合、走行制御ECU24は、生成した走行制御データによる進路から大きく外れないように、ユーザの操作を調整する。この際、走行制御ECU24は、指示された走行可能範囲から外れないように、ユーザの操作を調整してよい。
ステップST72において、移動情報提供システム1は、複数の自動車100の走行に関するフィールド情報に基づいて、複数の自動車100の現時点位置を得て、現時点図にマッピングする。
ステップST73において、移動情報提供システム1は、複数の自動車100の走行に関するフィールド情報に基づいて、複数の自動車100の予測位置を得て、予測図にマッピングする。
ステップST74において、移動情報提供システム1は、現時点図と予測図とに基づいて、複数の自動車100それぞれの走行可能範囲または指示進路を得る。
ステップST75において、移動情報提供システム1は、複数の自動車100それぞれの走行可能範囲または指示進路から、複数の自動車100それぞれが制御または判断に用いる進路を得る。
ステップST76において、移動情報提供システム1は、複数の自動車100は、それぞれの進路にそって、たとえば自動運転により自車の走行を制御する。
この他にもたとえば、サーバ装置6は、ステップST71からステップST72までの処理を実行したり、ステップST71からステップST73までの処理を実行したり、ステップST71からステップST75までの処理を実行したり、してよい。この場合、サーバ装置6は、それぞれの処理により生成される一次加工情報を、複数の自動車100の端末装置2へ送信する。自動車100は、端末装置2が受信した一次加工情報に基づく処理においてステップST76の処理を実行し、自車の走行を制御すればよい。
本実施形態の移動情報提供システム1は、基本的に、道路ごとに、各自動車100の進路または走行可能範囲を生成する。
道路には、同一方向へ通行することができる複数の車線を有するものがある。そして、道路の渋滞状況や先行車の数は、車線ごとに異なることがある。インターチェンジやジャンクションでは、自動車100は減速して渋滞し易い。
以下、このような状況に対応する一例について説明する。
図11(A)は、第一車線と、第一車線と同じ方向へ通行可能な第二車線とを有する道路である。
図11(B)は、第一車線での複数の自動車100の走行状況の運行図表である。
図11(C)は、第二車線での複数の自動車100の走行状況の運行図表である。
図11(B)および図11(C)の走行状況の運行図表において、横軸は、車線に沿った位置である。縦軸は、時間である。原点は、現時点時刻である。運行図表に示される各線は、各自動車100の移動を示している。各自動車100は、横軸と交差する現時点位置から、時間の経過にしたがって線に沿って移動して、位置が変化する。現時点図は、たとえばこのような道路の車線毎の複数の運行図表の組み合わせにより、構成されてよい。
サーバ装置6は、運行図表に基づいて、各自動車100が前後の他の自動車100と接近し過ぎないように、各自動車100についての進路または走行可能範囲の情報を生成する。
たとえば図11(B)の運行図表において、進行方向前側の1台目から3台目の自動車100は、ほぼ速度差がない状態で、図の左から右へ向けて走行している。これに対し、原点に最も近い4台目の自動車100は、その前を走行する他の3台の自動車100より早い速度で走行している。このまま走行を維持した場合、4台目の自動車100は、3台目の自動車100に追突してしまう可能性がある。サーバ装置6は、マッピングに基づいてこのような衝突の可能性を推定して判断し、その判断に係る衝突が生じないように、たとえば、1台目から3台目の自動車100については現在の速度を維持する進路または走行可能範囲の情報を生成し、4台目の自動車100については現在の速度から前の自動車100と同じ速度まで減速する進路または走行可能範囲の情報を生成してよい。そして、4台目の自動車100は、サーバ装置6から取得した情報に基づいて、たとえば3台目の自動車100に追突しない走行可能範囲内において指示された速度まで減速するように、自動走行を制御する。
また、サーバ装置6は、たとえば車線毎の複数の自動車100の平均速度を演算し、これらを比較する。サーバ装置6は、予測図に相当するタイミングにおける複数の自動車100の平均速度を先読み的に演算して比較すればよい。複数の車線の間で平均速度に差がある場合、サーバ装置6は、平均速度が遅い方の車線にいる自動車100に対して、平均速度が速い方の車線へ車線変更する進路または移動可能範囲の情報を生成する。サーバ装置6は、複数ある車線の中の平均速度が最も速い車線へ変更するように、進路または移動可能範囲の情報を生成する。サーバ装置6は、変更先の車線を走行する他の自動車100と接近し過ぎないような、加減速を含む車線変更の進路または移動可能範囲を生成する。
サーバ装置6は、生成した車線変更の進路または走行可能範囲を、送信する。
自動車100の制御システム20は、無線基地局4から端末装置2が受信した車線変更の進路または走行可能範囲にそって、自車の走行を制御または判断する。これにより、自動車100は、指示にしたがって車線を変更する。車線を変更した自動車100は、元にいた車線における渋滞や減速を避けて、走行することができる。
たとえば図11(B)の車線を走行する複数の自動車100の速度およびその平均速度は、図11(C)の車線を走行するものより低い。この場合、サーバ装置6は、たとえば、図11(B)の車線を走行する4台目の自動車100に対して、図11(C)の車線への変更を指示する。図11(B)の4台目の自動車100は、サーバ装置6から指示の情報を受信すると、取得した情報に基づいて、たとえば3台目の自動車100に追突することがない走行可能範囲内において、指示された車線変更を自動的に実行する。その後、図11(B)の4台目の自動車100は、図11(C)において新たな3台目の自動車100としてマッピングされるようになる。
また、本管制処理の例では、渋滞を避けるように進路または走行可能範囲の情報を生成することができる。
なお、本実施形態では、複数の無線基地局4と専用ネットワーク5により接続されているサーバ装置6において、走行状況の運行図表により、車線変更のための進路または走行可能範囲の情報を生成している。
この場合、インターチェンジやジャンクションといった合流などの複雑な自動車100の流れが発生する状況においては、車線変更のための進路または走行可能範囲の情報が遅れる可能性がある。このような場合には、複数の無線基地局4それぞれに対して複数のサーバ装置6を設け、この複数のサーバ装置6による分散制御により、車線変更のための進路または走行可能範囲の情報を生成するようにするとよい。これにより、情報の伝送遅延を最小限に抑えることができる。
図12は、本実施の形態にかかる合流(車線変更)時の自動車100の領域アルゴリズムを表した図である。サーバ装置130の現在状況地図生成手段は、情報蓄積手段からの情報をサーバ時刻に変更し、横軸を時間座標、縦軸を位置座標とした場合の、時間変化による各車両の位置の変化の平面座標として地図を生成する。その際に、車両の走行領域をPath(以下、走行レーン)として平面上で計算可能に設定する。実線は移動体(ここでは自動車100)の移動状態を表している。縦軸のマイナス方向に進むほど、将来時間を示しており、具体的には実車走行絶対時刻を含んでいる。横軸のプラス方向は車線を示しており、各線の傾きは移動体の速度を表している。すなわち、横軸で重なる場合は、該当する自動車100が干渉するということであり、実線の傾きが垂直に近づくほど、速度が遅いことを表している。実線の周囲に太さを変えて表示されているのは占有領域としての巾であり、これは自動車100Aの車体長(縦、横)及び余裕しろ、である。また、一レーンにおける各自動車100を並べた場合、走行予定時刻において、特定の場所を先に占有している移動体から優先度が高いと判断することで、干渉を避けることができる。矢印の方向は自動車100Aの進行方向が示されている。
図12の左側が第1レーン(合流車線)を表しており、右側が第2レーン(本線)を示している。左上図に示すように、第1レーンを走行する自動車100Aが、第2レーンに車線変更しようとした場合、右上図に示すように走行予測時刻内において、第2レーンを走行する自動車100Bの実線に重なるため、干渉することがわかる。左下図にあるように、走行速度を低下させた場合、右下図にあるように走行予測時刻内で重ならないため、干渉がないとして、速度を低下させて合流するように自動車100Aに通知する。
自動車100が移動する道路には、たとえば歩行者、自転車も使用する。また、他の自動車100や路上物が走行中の道路や車線にはみ出していることもある。これらの他の移動体は、自動車100と干渉して移動を妨げる障害となりえる。サーバ装置6のサーバCPU14は、自動車100の進路が他の移動体と干渉しないように、基本的に、たとえば進路にいる他の移動体の手前で一時的に停止する進路を生成することになる。その一方で、自動車100のスムースな移動のためには、自動車100は、他の移動体を避けて通過するように移動できることが望ましい。
図2のサーバ装置6のサーバCPU14は、図6の進路生成処理の一部として、図13の処理を繰り返し実行する。
フィールド情報には、たとえば道路の撮像画像が含まれてよい。この場合、サーバCPU14は、道路の撮像画像に基づいて、道路に駐停車している車両の有無を判断してよい。また、フィールド情報には、道路の撮像画像などに基づいて加工された駐停車中の車両の情報、駐停車中の車両の位置情報、が含まれてよい。
そして、収集されたフィールド情報に駐停車車両の情報がある場合、サーバCPU14は、処理をステップST204へ進める。収集されたフィールド情報に駐停車車両の情報がない場合、サーバCPU14は、ステップST204を飛ばして処理をステップST205へ進める。
フィールド情報には、たとえば道路の撮像画像が含まれてよい。この場合、サーバCPU14は、道路の撮像画像に基づいて、道路にいる歩行者や自転車の有無を判断してよい。また、フィールド情報には、道路の撮像画像などに基づいて加工された道路にいる歩行者や自転車の情報、道路にいる歩行者や自転車の位置情報、が含まれてよい。
そして、収集されたフィールド情報に道路にいる歩行者や自転車の情報がある場合、サーバCPU14は、処理をステップST206へ進める。収集されたフィールド情報に道路にいる歩行者や自転車の情報がない場合、サーバCPU14は、ステップST206を飛ばして処理をステップST207へ進める。
フィールド情報には、たとえば道路の撮像画像が含まれてよい。この場合、サーバCPU14は、道路の撮像画像に基づいて、路上障害物の有無を判断してよい。また、フィールド情報には、道路の撮像画像などに基づいて加工された路上障害物の情報、路上障害物の位置情報、が含まれてよい。
そして、収集されたフィールド情報に路上障害物の情報がある場合、サーバCPU14は、処理をステップST208へ進める。収集されたフィールド情報に路上障害物の情報がない場合、サーバCPU14は、ステップST208を飛ばして処理をステップST209へ進める。
この際、サーバCPU14は、まず、移動している道路または車線において継続して移動する進路を生成する。
また、サーバCPU14は、移動している道路または車線において継続して移動する進路について、他の移動体や路上物と幅方向において干渉するか否かの可能性を判断する。
歩行者などの他の移動体や路上物が進路にいて干渉する場合、サーバCPU14は、基本的には、他の移動体や路上物の手前で停止する進路を生成する。
また、サーバCPU14は、さらに、歩行者などの他の移動体や路上物を避けて通過できるか否かを判断する。
たとえば隣接車線がある場合、サーバCPU14は、歩行者などの他の移動体や路上物と交錯する位置において隣接車線へ変更することにより避けて通過する進路を生成する。
または、サーバCPU14は、移動している道路または車線において左右へよけることにより通過できる余地があるか否かを判断し、余地がある場合にはその車線において左右へオフセットしてよけて通過する進路を生成する。この場合、サーバCPU14は、歩行者などの他の移動体や路上物の占有幅を勘案し、左右についてのオフセット方向および車線の幅方向の中央からのオフセット量を指定してよい。
また、サーバCPU14は、オフセットするとともに他の移動体や路上物の近くにおいて減速して移動する自動車100の移動可能範囲と必要な進路とを生成してよい。
また、歩行者などの他の移動体や路上物が進路にいても干渉しない場合、サーバCPU14は、通常通りに他の移動体を考慮することなく、自動車100の移動体の進路若しくは移動可能範囲の情報を生成する。
そして、これらの通過する進路を生成している場合、サーバCPU14は、上述した停止する進路の替わりに、通過する進路を、自動車100についての送信する進路とする。オフセットなどにより通過する進路を生成できる場合、サーバCPU14は、自動車100が歩行者などの他の移動体や路上物と交錯して干渉してないとして取り扱ってよい。
そして、このような進路の情報を得ることにより、自動車100は、他の移動体や路上物の近くにおいてそれらと干渉しないようによけて移動できる。自動車100は、たとえば路肩から車線にはみ出して他の自動車100が駐停車していたり、路肩などを歩行者や自転車が移動していたりしたとしても、それらと干渉しないようにオフセットして避けて安全に移動できる。
図14(A)は、たとえば路地といった幅の狭い道路の模式的な説明図である。図14(A)の幅の狭い道路には、自動車100と、歩行者とがいる。
図14(B)は、図14(A)の幅の狭い道路についての運行図表である。
図14の運行図表において、横軸は、幅の狭い一車線の道路に沿った位置である。縦軸は、時間である。原点は、現時点時刻である。時間は、上から下へ向かって流れる。
そして、サーバCPU14は、ステップST209において、自動車100について移動している道路または車線において継続して移動するように生成した進路が、管制外の歩行者と干渉すると判断する。サーバCPU14は、管制外の歩行者と交錯する手前で停止する進路を生成する。また、サーバCPU14は、移動している道路または車線において左右へオフセットしてよけて通過する進路を生成する。サーバCPU14は、管制外の歩行者と交錯する位置においてオフセットおよび減速する進路を生成してよい。サーバCPU14は、左右についてのオフセット方向およびオフセット量を指定してよい。このオフセットを伴う進路は、図14(B)においてオフセットを伴わない通常の実線の矢印とは異なり破線の矢印で示している。
また、管制外の歩行者と通過した後は、サーバCPU14は、ステップST209において、自動車100についてオフセットを戻して加速する進路を生成する。
これにより、自動車100は、図14(A)に示すように、管制外の歩行者の近くにおいては、その歩行者から離れるようにオフセットして減速した状態で移動できる。自動車100は、歩行者をよけて移動を続けることができる。
道路の形状には、たとえば道路の種別、車線数、車線幅、構造、歩道や路側帯の有無、などがある。たとえば、自動車100が移動している道路の幅、車線の車線幅が自動車100の二台分以上の幅である場合、自動車100は歩行者などの他の移動体の横を通過することができる可能性が高い。また、自動車100が移動している車線の幅が自動車100の二台分以上の幅でないとしても、その他の道路の車線、歩道または路側帯を含めれば、自動車100は歩行者などの他の移動体の横を通過することが可能となることがある。サーバCPU14は、これらの道路の属性情報を取得することにより、それに基づいて自動車100は歩行者などの他の移動体の横を通過することができるか否かを判断し、通過することができる場合には道路についての歩行者などの他の移動体とは反対側の端へ寄って通過する進路を生成してよい。
また、サーバCPU14は、予めに、管制下にある各道路について道路の属性情報を取得し、取得した情報に基づいて管制下にある各道路についてたとえば車線または道路について自動車100の二台分以上の幅があるか否かを判断し、二台分以上の幅が確保できる場合にはオフセット用のサブ進路を生成してよい。オフセット用のサブ進路は、道路または車線の幅方向の中央を移動する通常の進路についての右側または左側で延在する進路となる。この場合、サーバCPU14は、歩行者などの他の移動体がいる場合には、オフセットなどにより通過する進路として、歩行者などの他の移動体とは反対側のオフセット用のサブ進路を選択すればよい。また、この場合のオフセット量は、歩行者などの他の移動体の大きさや道路の幅方向での位置に応じたものであっても、固定的なものであってもよい。
また、サーバCPU14は、予めに、管制下にある各道路について、車線ごとに予め固定的なオフセットを割り当ててもよい。たとえば高速道路には、基本的に、橋やトンネルなど以外の通常の区間において路側帯が設けられる。サーバCPU14は、道路種別が高速道路であるか否かを判断し、歩行者などの他の移動体が高速道路の通常の区間にある場合には、路側帯へ固定的にオフセットする進路を生成してよい。
特に、本実施形態では、自動車100の移動を阻害する事態を避けるように、複数の自動車100それぞれのオフセットする進路若しくは移動可能範囲の情報を生成する。これにより、自動車100は、たとえば、実際の道路において路肩から車線にはみ出して駐停車してる他の自動車100、路肩などを移動している歩行者や自転車を避けるように、移動することが可能となる。自動車100は、これらの他の移動体が移動情報提供システム1により移動が管理されていないものであるとしても、他の移動体を避けるように移動することが可能となる。
また、自動車100は、実際に他の移動体などへ近づく前にオフセットし、減速できる。急激な移動の変化は生じない。自動車100の動きは、乗員にとって予想外の動きとなり難い。
また、サーバCPU14は、車線ごとの干渉判断では判断することが困難な状況についても、それを判断できる。自動車100は、その判断に基づくオフセットにより、干渉を避けることができる。
自動車100が移動する道路には、たとえば路地などのように対面通行となっていることがある。そして、対面通行の道路では、対面通行を分けるセンターラインがないことがある。この場合、自動車100は、路肩からの飛び出しなどを避けるために、基本的に道路の中央寄りを走行する。自動車100は、中央寄りに走行している最中に同じ道路を逆走する車両とすれ違う必要がある。
図2のサーバ装置6のサーバCPU14は、図6の進路生成処理の一部として、図15の処理を繰り返し実行する。
ステップST201からステップST202の処理は、図13と同様である。
フィールド情報には、たとえば道路の撮像画像が含まれてよい。この場合、サーバCPU14は、道路の撮像画像に基づいて、道路を逆走する他の自動車100の有無を判断してよい。また、フィールド情報には、道路の撮像画像などに基づいて加工された逆走車両の情報、逆走車両の位置情報、が含まれてよい。
そして、収集されたフィールド情報に逆走車両の情報がある場合、サーバCPU14は、処理をステップST212へ進める。収集されたフィールド情報に逆走車両の情報がない場合、サーバCPU14は、ステップST212を飛ばして処理をステップST213へ進める。
この際、サーバCPU14は、まず、移動している道路または車線において継続して移動する進路を生成する。
また、サーバCPU14は、移動している道路または車線において継続して移動する進路について、道路を逆走してくる他の移動体と幅方向において干渉するか否かの可能性を判断する。
道路を逆走してくる他の移動体が干渉する場合、サーバCPU14は、基本的には、他の移動体と交錯する手前で停止する進路を生成する。
また、サーバCPU14は、さらに、移動している道路または車線において左右へよけることにより通過できる余地があるか否かを判断し、余地がある場合にはその車線において左右へオフセットしてよけて通過する進路を生成する。この場合、サーバCPU14は、道路を逆走してくる他の移動体の占有幅を勘案し、道路を逆走してくる他の移動体との間に間隔を確保するように左右についてのオフセット方向およびオフセット量を指定してよい。
また、サーバCPU14は、オフセットするとともに他の移動体と交錯する前に減速して移動する自動車100の移動可能範囲と必要な進路とを生成してよい。
そして、オフセットする進路を生成している場合、サーバCPU14は、上述した停止する進路の替わりに、オフセットする進路を、自動車100についての送信する進路とする。オフセットにより通過する進路を生成できる場合、サーバCPU14は、自動車100と道路を逆走してくる他の移動体とが路上で交錯して干渉することがないとして取り扱う。
そして、このような進路の情報を得ることにより、自動車100は、道路を逆走してくる他の移動体の近くにおいてそれらと干渉しないようによけて移動できる。自動車100は、道路を逆走してくる車両と干渉しないようにオフセットして安全に移動できる。
図16(A)は、たとえば路地といったセンターラインがない道路の模式的な説明図である。図16(A)のセンターラインがない道路には、自動車100と、自動車100と逆に移動する他の自動車100とが走行している。
図16(B)は、図16(A)の幅の狭い道路についての運行図表である。
図16の運行図表において、横軸は、幅の狭い一車線の道路に沿った位置である。縦軸は、時間である。原点は、現時点時刻である。時間は、上から下へ向かって流れる。
そして、サーバCPU14は、ステップST213において、自動車100について、管制内外の他の自動車100とすれ違う位置において減速停止する進路とともに、避けることができる場合にはオフセットする進路を生成する。サーバCPU14は、すれ違う他の自動車100の進路を推移し、それと車体が重ならないように左右についてのオフセット方向およびオフセット量を指定してよい。
また、管制内外の他の自動車100とすれ違った後は、サーバCPU14は、ステップST213において、自動車100についてオフセットを戻して加速する進路を生成する。
これにより、自動車100は、図16(A)に示すように、管制内外の他の自動車100の近くにおいては、他の自動車100から離れるようにオフセットして減速した状態で移動できる。
特に、本実施形態では、自動車100の移動を阻害する事態を避けるように、複数の自動車100それぞれのオフセットする進路若しくは移動可能範囲の情報を生成する。これにより、自動車100は、たとえば、実際の道路において逆走する他の車両を避けるように、移動することが可能となる。自動車100は、これらの他の車両が移動情報提供システム1により移動が管理されていないものであるとしても、他の車両を避けるように移動することが可能となる。
また、自動車100は、実際に他の車両などへ近づく前にオフセットし、減速または停止できる。急激な移動の変化は生じない。自動車100の動きは、乗員にとって予想外の動きとなり難い。
また、サーバCPU14は、車線ごとの干渉判断では判断することが困難な状況についても、それを判断できる。自動車100は、その判断に基づくオフセットにより、干渉を避けてすれ違うことができる。
自動車100が移動する道路には、たとえば片側一車線の曲がった道路がある。この場合、カーブの内側を走行する自動車100は、オーバスピードで侵入したり、カーブの途中に落下物(路上物)があったりすることにより、カーブの外側の対向車線へはみ出して走行することがある。対向車線においてカーブを走行しようとする自動車100は、自身の車線へはみ出してきた他の自動車100との衝突を避ける必要がある。
図2のサーバ装置6のサーバCPU14は、図6の進路生成処理の一部として、図15の処理を繰り返し実行する。
ステップST201からステップST202の処理は、図13と同様である。
フィールド情報には、たとえば道路の撮像画像が含まれてよい。この場合、サーバCPU14は、道路の撮像画像に基づいて、対向車線を逆方向へ移動する管轄外の車両の有無を判断してよい。また、フィールド情報には、道路の撮像画像などに基づいて加工された対向車線を逆方向へ移動する管轄外の車両の情報、対向車線を逆方向へ移動する管轄外の車両の位置情報、が含まれてよい。
そして、収集されたフィールド情報に対向車線を逆方向へ移動する管轄外の車両の情報がある場合、サーバCPU14は、処理をステップST222へ進める。収集されたフィールド情報に対向車線を逆方向へ移動する管轄外の車両の情報がない場合、サーバCPU14は、ステップST222を飛ばして処理をステップST223へ進める。
この際、サーバCPU14は、まず、各自動車100について、移動している道路または車線において継続して移動する進路を生成する。
また、サーバCPU14は、移動している道路または車線において継続して移動する進路について、各自動車100が道路または車線を維持できるか否かの可能性を判断する。サーバCPU14は、たとえば減速が間に合わないで道路または車線を維持できない自動車100を、はみ出しの可能性があると判断する。
次に、サーバCPU14は、各自動車100の進路について、はみ出しの可能性がある他の自動車100との干渉の可能性を判断する。サーバCPU14は、各自動車100の進路について、たとえば隣接する対向車線を逆方向へ移動している他の自動車100との干渉の可能性を判断してよい。
他の自動車100と干渉する可能性がある場合、サーバCPU14は、自動車100の進路若しくは移動可能範囲の情報として、他の自動車100との間隔を確保するようにオフセットして移動する進路若しくは移動可能範囲の情報を生成する。
そして、オフセットする進路を生成している場合、サーバCPU14は、上述した当初の進路の替わりに、オフセットする進路を、自動車100についての送信する進路とする。オフセットにより通過する進路を生成できる場合、サーバCPU14は、自動車100とはみ出す可能性がある他の自動車100とが交錯して干渉することがないとして取り扱う。
そして、このような進路の情報を得ることにより、自動車100は、はみ出す可能性がある他の自動車100と干渉しないようによけて移動できる。自動車100は、はみ出す可能性がある他の自動車100と干渉しないようにオフセットして安全に移動できる。
図19は、図17の処理により、図18の管轄内外の対向車線の車両をよけて移動する例の説明図である。
図19(A)は、自車としての自動車100が走行するカーブの外側の車線についての運行図表である。
図19(B)は、図16(A)の車線と隣接する対向車線についての運行図表である。
図19の運行図表において、横軸は、車線に沿った位置である。縦軸は、時間である。原点は、現時点時刻である。時間は、上から下へ向かって流れる。
そして、隣接する対向車線の自動車100が管制内である場合、サーバCPU14は、ステップST223において、隣接する対向車線の自動車100についての進路を生成する。落下物がない場合には、図18の点線の通常の進路を生成する。落下物がある場合には、図18の一点鎖線のカーブの外側の車線へはみ出る進路を生成する。
また、サーバCPU14は、オーバースピードでカーブへ侵入する可能性がある場合、隣接する対向車線の自動車100が、図18の一点鎖線のようにカーブの外側の車線へはみ出る可能性があると判断する。
サーバCPU14は、まず、カーブの外側の車線をそのまま移動する進路を生成する。ここでは、サーバCPU14は、カーブの外側の車線を移動する自動車100について、カーブの外側の車線に沿った通常の進路を生成する。
そして、サーバCPU14は、カーブの内側の車線を移動する自動車100について、カーブの外側の車線へのはみ出しを推定する。たとえばカーブの内側の車線を移動する自動車100がオーバ―スピードで侵入している場合、カーブの内側の車線に落下物がある場合には、サーバCPU14は、図19(B)のように、カーブの内側の車線を移動する自動車100がカーブの外側の車線へのはみ出す可能性があると推定する。
カーブの内側の車線を移動する自動車100がカーブの外側の車線へのはみ出す可能性がある場合、サーバCPU14は、カーブの外側の車線を移動する自動車100について、はみ出して道路を逆走してくる他の自動車100をよけて移動する進路を生成する。サーバCPU14は、図19(A)の1点鎖線のように、カーブの内側の対向車線からはみ出して道路を逆走してくる他の自動車100をよけるようにオフセットする進路を生成する。サーバCPU14は、オフセットするとともに減速または停止する進路を生成してよい。また、他の自動車100と衝突しない左右についてのオフセット方向およびオフセット量を指定してよい。オフセット量や速度は、路面状態、天候、昼夜に応じて増減させてよい。
カーブの内側の車線からはみ出して道路を逆走してくる他の自動車100とすれ違った後は、サーバCPU14は、ステップST223において、カーブの外側の車線を移動する自動車100について、カーブの外側の車線に沿った通常の進路を生成する。
これにより、カーブの外側の車線を移動する自動車100は、図18に示すように、カーブの内側の車線を移動する他の自動車100から離れるようにオフセットした状態で移動できる。
特に、本実施形態では、自動車100の移動を阻害する事態を避けるように、複数の自動車100それぞれのオフセットする進路若しくは移動可能範囲の情報を生成する。これにより、自動車100は、たとえば、実際の道路において対向車線から自車の車線へはみ出してくる他の車両を避けるように、移動することが可能となる。自動車100は、これらの他の車両が移動情報提供システム1により移動が管理されていないものであるとしても、他の車両を避けるように移動することが可能となる。
また、この一連の移動の制御において、自動車100は、速度などの移動状態を急激に変化させない。自動車100の動きは、乗員にとって予想外の動きとなり難い。
また、サーバCPU14は、車線ごとの干渉判断では判断することが困難な状況についても、それを判断できる。自動車100は、その判断に基づくオフセットにより、干渉を避けて移動することができる。
上述した実施形態は、移動情報提供システム1による複数の自動車100の管制制御の例である。そして、各自動車100は、移動情報提供システム1による情報を必要に応じて用いて、自車の移動を制御している。
移動情報提供システム1の自動車100の制御システム20は、自車情報で走行を制御する場合、自律センサにより検出される情報を、無線基地局4から受信した情報より、優先して使用する。
しかしながら、各自律センサは、走行環境によっては、十分な精度での検出ができないことがある。このため、自動車100の制御システム20は、自律センサの種類を増やして、それらの総合的な検出に基づいて走行を制御することが考えられる。しかしながら、このように高い精度で検出可能な自律センサを無制限に増やすことは、自動車100の製造にあたって好ましくない。しかも、自律センサの種類を増やしたとしても、あらゆる走行環境において十分な精度で検出が可能となるとも限らない。
以下、このような状況に対応する一例について説明する。
自動車100の運転制御ECUは、図9のステップST67において、図20の処理を実行する。
たとえば逆光でステレオカメラによる画像認識がロスト、または閾値を下回った場合には、ワールドマップによる管制制御を、ステレオカメラの情報より一時的に優先して使用する。ワールドマップの情報は、微小時間における俯瞰的な情報であるため、先行車が通過した進路を抽出できる。また、他の自動車100の自律センサの情報も反映されている。
また、運転制御ECUは、自動ブレーキの制御においても、自律センサの認識率が80%以下となるように使用に適さない場合、自律センサの認識結果とワールドマップの情報とを比較し、これらの間に閾値以上の差異がある場合にはワールドマップの情報を自律センサの認識結果より優先してよい。
また、運転制御ECUは、一部の自律センサの検出精度が低い場合、その替わりにワールドマップの情報に基づく疑似センサの情報を生成し、これと他の自律センサの情報とを組み合わせて、自車の走行を制御するための進路の決定に使用してよい。
上述した実施形態の移動情報提供システム1の自動車100の制御システム20は、自車情報で走行を制御する場合、自律センサにより検出される情報を、無線基地局4から受信した情報より、優先して使用する。
しかしながら、各自律センサは、十分な情報を検出できない状況があり得る。たとえば、雪原、吹雪、視界ロストとなる走行環境下では、ステレオカメラなどの自律センサは、十分な情報を検出できない。自動車100は、道がなく、どこが走れるのかも不明となる。また、突然対向車が出現することもある。自律センサは、まともに使える状況になく、撮像できる範囲の情報も少なくなる。
以下、このような状況に対応する一例について説明する。
そのような走行区間を走行する場合、自動車100の制御システム20は、たとえば立ち木などから自車が走れる車幅を推定し、走行可能と推定した方向へ向かう進路を決定する。走行可能な方向の推定は、自動車100の端末装置2からサーバ装置6や無線基地局4へ画像を送信して、基地局側において処理してもよい。
自律センサに基づいて視界が完全にロストしていると判断できる場合、自動車100の制御システム20は、自車情報で走行を制御する場合でも、自律センサの検出情報より、受信したワールドマップから得られる疑似センサの情報を優先する。ただし、実際の衝突の検出などの衝突安全にかかわる情報については、自律センサの検出情報を優先する。吹雪区域の走行は、基本的に最徐行である。自動車100の制御システム20は、ワールドマップから得られる疑似センサの情報を用いて、進路を決定する。このような処理において、自動車100の制御システム20は、さらに、当該区域を走行している自動車100の台数、各自動車100の現在地、当該区域への侵入開始タイミングを把握し、それらの走行軌道をシミュレーションし、それに基づいて進路を決定してよい。
ここで、対向車がシステムの管理外であり、吹雪の区間の外で認識されている場合には、その近くを車両が通過する予想の時刻と、現在までの他車両の走行軌跡から、当該車が通過すると予想される通過可能区域をシミュレーションし、当該区域の干渉を避けるように自車両に通知してよい。干渉が避けられない場合は、少なくともシミュレーションでは通過する微小時間で干渉しないように、演算する。
対向車、バイクがシステムの管理外で、吹雪の区間の内で初めて認識された場合は、特定区間を走っている車両に、緊急通知し、ワールドマップに上げる。演算に早く動く動体の不確定要素が増えた状態でシミュレーションを行い、安全の必要性にかかる見積もりを上げる(安全方向に傾ける)。もし、子供などの人物の場合は、その直近の車両に通知し、ワールドマップに上げる。
上述した実施形態の移動情報提供システム1において、自動車100の制御システム20は、基本的に自律センサの検出情報に基づいて、自車の走行を制御する。この場合、ユーザが歩行者などを認識していない状態においてブレーキペダルとの踏み間違えでアクセルペダルを踏んでも、歩行者などへ向かって発進しないようにすることができる。
しかしながら、自動車100に設けられる自律センサは、常に正常に動作するとは限らない。経年劣化により自律センサは、正常な検出ができなくなることがある。また、夜間、逆光、対向車のライトなどの走行環境のために、自律センサの検出結果が正しくない場合、自動車100の制御システム20は、自律センサの検出情報に基づいて自車の走行を適切に制御することができなくなる可能性がある。
以下、このような状況に対応する一例について説明する。
なお、自動車100の制御システム20は、ワールドマップに歩行者など認識されていて、他の車が見えている状態において、自車の自律センサだけが認識できていないという状況を判断して、上述した疑似センサの情報を使用するようにしてもよい。この場合、自動車100の制御システム20は、当該判断が任意時間にわたって発生する場合、または所定回数以上で発生する場合において、疑似センサの信頼度を高としてよい。自動車100の制御システム20は、高い信頼度の疑似センサの検出情報を用いて、自律センサで認識されていない歩行者とその移動方向と干渉しない進路や、時間差を選択して、それらの選択に基づく走行制御を実行してよい。
上述した実施形態の移動情報提供システム1において、自動車100の制御システム20は、自動運転とユーザによる手動運転についての運転支援との間で、動作モードを切り替える。
自動車100のユーザは、基本的に自動運転での走行についても責任を負う。
たとえば走行中の自動車100の動作モードが自動運転から運転支援へ切り替わる場合、ユーザは、その切り替わりの前後の責任を負うことになる。自動運転では、運転支援へ切り替わりタイミングを含めて、ユーザに賠償責任が発生しないように走行を制御する必要がある。
特に、走行中の自動車100の動作モードが自動運転から運転支援へ切り替わった直後にユーザが強いブレーキ操作をする必要が生じる場合、ユーザにとっては酷な状況となる。実際にそのような状況となった場合に、フルブレーキを踏めるユーザは少ないと予想される。
以下、このような状況に対応する一例について説明する。
自動車100の制御システム20は、自動運転中に、ワールドマップから得られる疑似センサの検出情報と、自律センサの検出情報とを繰り返し比較する。そして、これらの情報が閾値以上で異なる場合、自動車100の制御システム20は、ワールドマップから得られる疑似センサの検出情報を使用しない。自動車100の制御システム20は、基本的に自律センサの検出情報を使用して、自動運転中の自動車100の走行を制御する。
自動車100の制御システム20は、何らかの外乱などがある場合、自動運転を終了し、自動車100の動作モードを自動運転から手動運転へ切替える制御を実行する。この移行制御において、自動車100の制御システム20は、まず、先行車との車間を広げるように、自車の走行を制御する。先行車と自車との車間は、速度に応じたものとすればよい。所定の車間が得られていることが自律センサにより検出されると、自動車100の制御システム20は、ユーザへ、自動運転から手動運転へ切り替えることを通知する。自動車100の制御システム20は、この検出について、ワールドマップの情報を用いない。数秒の後に、自動車100の制御システム20は、実際の動作モードを、自動運転から手動運転へ切り替える。
このような先行車との車間を確保することにより、走行中の自動車100の動作モードが自動運転から運転支援へ切り替わった直後にユーザが強いブレーキ操作をする必要が生じ難くなる。ユーザは、余裕を持った判断により、自動運転から手動運転へ切り替わることを理解し、手動運転のための操作を開始することができる。手動運転への切り替え直後にユーザが強いブレーキ操作をする必要が生じるような緊急な状況は発生し難くなる。
上述した各実施形態のサーバ装置6は、担当する所定区域または所定区間を移動している複数の自動車100から情報を収集し、マッピングし、複数の自動車100においてその移動判断または移動制御に用いることができる情報を生成し、複数の自動車100へ送信している。各自動車100は、サーバ装置6から受信した情報を用いて、その移動判断または移動制御を実行している。
この他にもたとえば、サーバ装置6による処理の一部またはすべては、複数の自動車100のそれぞれにおいて実行されてもよい。たとえば、各自動車100は、図7のように他の自動車100からフィールド情報を収集し、現時点図や予測図へのマッピングを実行し、自車においてその移動判断または移動制御に用いることができる移動可能範囲および進路の情報を生成し、自車の自動運転などの移動判断または移動制御に使用してもよい。この場合、サーバ装置6や複数の無線基地局4は、複数の自動車100の間でのデータ送受のための機能を発揮することになる。無線基地局4は、複数の自動車100が移動する所定区域または所定区間に設けられ、担当する所定区域または所定区間を移動している自動車100にて使用される端末装置2と通信する。
自動車の端末装置2は、サーバ装置6により生成される情報を、無線基地局4から受信する。
自動車の制御システム20は、端末装置2が受信したフィールド情報またはその一次加工情報に基づいて、二次加工情報としての走行制御データを生成する。
ここで、一次加工情報は、サーバ装置6においてフィールド情報に基づいて生成される情報をいう。二次加工情報は、自動車の制御システム20において、フィールド情報や一次加工情報に基づいて生成される情報をいう。
サーバ装置6のサーバCPU14は、サーバ装置6のサーバ通信デバイス11が新たなフィールド情報を受信するたびに、図21の収集処理を繰り返し実行する。
サーバ装置6のサーバCPU14は、図22の送信処理を繰り返し実行する。
なお、サーバ装置6は、フィールド情報とともに、またはフィールド情報の替わりに、複数の自動車100から収集するフィールド情報を、複数の自動車100へ送信してよい。
また、各自動車100は、自車で生成した自車の進路の情報を用いて図9の処理を実行して、自車の走行を制御する。
このような場合において、自動車100の制御システム20は、各実施形態でのサーバ装置6の処理のすべを実行しても、その一部を実行してもよい。
たとえば、サーバ装置6は、複数の自動車100からフィールド情報を中継して自動車100へ送信する。この場合、この場合、各自動車100の制御システム20は、複数の自動車100からフィールド情報を収集するところからの、各実施形態でのサーバ装置6のすべての処理を実行することになる。
たとえば、サーバ装置6は、複数の自動車100からフィールド情報を受信して収集し、それを自動車100へ送信する。この場合、各自動車100の制御システム20は、複数の自動車100からフィールド情報を収集した後の、各実施形態でのサーバ装置6の処理を実行することになる。
たとえば、サーバ装置6は、複数の自動車100からフィールド情報を受信して収集し、現在地図や予想図といったマッピングデータへのマッピングを実行する。この場合、各自動車100の制御システム20は、各実施形態でのマッピングデータに基づく処理以降の処理を実行することになる。
そして、いずれの場合でも、上述した実施形態およびその変形例の移動情報提供システム1は、移動する複数の自動車100で利用可能な複数の端末装置2とともに、移動情報提供システム1が担当する所定区域または所定区間を移動している複数の自動車100の移動に関わるフィールド情報を収集または中継するサーバ装置6、を有する。サーバ装置6は、複数の通信装置としての無線基地局4を通じて、複数の移動体としての複数の自動車100それぞれで使用可能な複数の端末装置2と通信可能であり、上述した各実施形態にあるように集約して設けられても、複数の無線基地局6などと対応させて複数に分散して設けられてもよい。そして、複数の自動車100およびサーバ装置6は、いずれか一方においてまたは双方で分けて、収集または中継される複数の自動車100の移動に関わるフィールド情報をマッピングデータにマッピングし、マッピングデータに基づいて複数の自動車100のそれぞれについての移動を判断または制御するための情報を生成してよい。そして、複数の自動車100のそれぞれが、それぞれについて生成された情報にしたがって移動することにより、複数の自動車100は互いに衝突することなく安全に移動することが可能となる。
この他にもたとえば、上述した実施形態の各種の処理は、サーバ装置6によりすべて実行されてよい。この場合、各自動車100の制御システム20などは、端末装置2および無線基地局4を通じて処理に必要とされる情報をサーバ装置6へ送信し、サーバ装置6による処理結果を、無線基地局4を通じて端末装置2により受信すればよい。また、自動車100の制御システム20は、受信した情報に基づいて、自動車100の走行を判断して制御すればよい。
さらに他にもたとえば、サーバ装置6は、上述した実施形態の各種の処理のたとえば収集といった一部のみを実行し、残りの処理を各自動車100の制御システム20において実行してもよい。この場合、サーバ装置6は、フィールド情報を収集して、複数の自動車100の端末装置2へ転送するだけとなる。各自動車100の制御システム20は、フィールド情報に基づいてマッピングを実行し、自車の進路若しくは移動可能範囲の情報を生成し、生成した情報に基づいて移動を制御することになる。
さらに他にもたとえば、サーバ装置6の替わりに、各自動車100の制御システム20が、上述した実施形態の各種の処理のすべてを実行してもよい。この場合、サーバ装置6の処理を、各自動車100の処理として読み替えればよい。そして、サーバ装置6は、複数の自動車100から収集した情報を中継するように、各自動車100へ送信すればよい。この場合、サーバ装置6は、各自動車100に対して一律にフィールド情報を送信するのではなく、たとえば、それぞれの自動車100において必要となる周辺範囲の他の自動車100のフィールド情報を送信すればよい。たとえば、サーバ装置6は、それぞれが走行している道路ごとに分類した所定区間または所定範囲の他の自動車100のフィールド情報を、それぞれの自動車100へ送信してよい。
さらに他にもたとえば、サーバ装置6は、サーバ装置6は、複数の分散サーバ装置で構成されて、複数の無線基地局4に分散するように設けられてよい。複数の分散サーバ装置は、情報の加工の段階などに応じて分散して処理するものでも、複数の無線基地局4のエリアに対応するように地域ごとに分散して処理するものでもよい。そして、複数の無線基地局4のそれぞれに対応する複数の分散サーバ装置は、無線基地局4と一体的に設けられてよい。この場合、分散サーバ装置は、無線基地局4によるデータのルーティングを管理し、たとえば自動車100から受信したデータを直ちに加工して自動車100へ送信してもよい。このような分散サーバ装置の機能を有する無線基地局4は、情報の伝送遅延時間を最小化することが可能である。分散サーバ装置の機能を有する無線基地局4は、たとえば自動車100の制御システム20の処理の一部を代替えして実行して、自動車100の制御システム20の構成要素の一部として機能することができる。そして、複数の無線基地局4は、たとえば、サーバ装置6を経由することなく互いに通信した協働的な処理により、上述したサーバ装置6の処理を分散して実現する。この場合において、道路に対して固定的に設置される各無線基地局4は、たとえば、それぞれの通信エリアに収容される複数の自動車100の情報を、それぞれの通信エリア内での位置などに基づいて複数の道路に分類し、その道路の分類に基づいてグループ化し、グループ化した情報を複数の他の無線基地局4へ中継転送してよい。複数の無線基地局4とは別のサーバ装置6は、不要としてもよい。また、複数の無線基地局4とサーバ装置6との協働的な処理により、上述したサーバ装置6の処理を分散して実現してもよい。
さらに他にもたとえば、サーバ装置6とともに用いられる無線基地局4は、携帯端末と通信可能な汎用的な無線基地局であっても、自動車100などのみに対して専用的に設けられた無線基地局であってもよい。自動車道には、ADAS通信用の基地局などが設けられている。ADAS通信用の基地局は、上述した実施形態の無線基地局4として用いることができる。また、自動車100は、基地局やサーバ装置6と直接に通信するのではなく、たとえばV2Vなどにより他の自動車100を通じて基地局やサーバ装置6と通信してもよい。
たとえば、本願で例示する第一実施形態の移動情報提供システム1の構成や処理は、特願2019−240029号の図12から図19に示すものへ変更してよい。この場合でも、その変形された移動情報提供システム1の構成や処理に対して、上述した各実施形態の内容を適用することにより、本願発明の効果を得ることができる。
Claims (9)
- 所定区域または所定区間について設けられる複数の通信装置を用いて、複数の移動体の移動に関わる情報を受信でき、複数の前記移動体のそれぞれにおいて移動判断または移動制御に用いることができる情報を送信できる、移動情報提供システムであって、
複数の前記移動体の移動についての情報を含むフィールド情報または前記フィールド情報を加工した事前加工情報を収集する収集部と、
前記収集部により収集された情報に基づいて複数の前記移動体の位置をマッピングするマッピング部と、
前記マッピングデータ部により複数の前記移動体の位置がマッピングされた情報を用いて、複数の前記移動体のそれぞれが移動可能な進路若しくは移動可能範囲の情報を生成する生成部と、
複数の前記移動体のそれぞれにおいて、生成された進路若しくは移動可能範囲の情報または該情報に基づいて得られるそれぞれの移動体の移動判断または移動制御に用いることができる情報を使用して、それぞれの移動体の移動を制御する制御部と、
を有し、
前記生成部は、
前記移動体の移動を阻害する事態を避けるように、複数の前記移動体それぞれの進路若しくは移動可能範囲の情報を生成する、
移動情報提供システム。
- 前記移動情報提供システムは、複数の前記移動体それぞれで使用可能な複数の端末装置、を有し、
複数の前記移動体が移動する前記所定区域または前記所定区間について設けられる複数の前記通信装置は、担当する前記所定区域または前記所定区間を移動している移動体にて使用される前記端末装置と通信する、
請求項1記載の移動情報提供システム。
- 前記制御部は、前記移動体としての車両に設けられる、
請求項1または2記載の移動情報提供システム。
- 前記マッピング部は、
前記収集部により収集された情報に基づいて、前記移動体とともに、前記移動体が移動している道路または車線に停止している他の移動体、低速で移動している他の移動体、または路上物をマッピングし、
前記生成部は、
前記他の移動体または前記路上物との干渉の可能性を判断し、
前記他の移動体または前記路上物と干渉する場合には、前記他の移動体または前記路上物をよけて通過するオフセットの進路若しくは移動可能範囲の情報を生成する、
請求項1から3のいずれか一項記載の移動情報提供システム。
- 前記マッピング部は、
前記収集部により収集された前記フィールド情報に基づいて、前記移動体とともに、前記移動体が移動している道路を逆走している他の移動体をマッピングし、
前記生成部は、
道路を逆走してくる前記他の移動体との干渉の可能性を判断し、
前記他の移動体と干渉する可能性がある場合には、逆走する前記他の移動体との間隔を確保して移動するオフセットの進路若しくは移動可能範囲の情報を生成する、
請求項1から3のいずれか一項記載の移動情報提供システム。
- 前記マッピング部は、
前記収集部により収集された前記フィールド情報に基づいて、前記移動体が移動している道路の他の車線を逆方向へ移動する他の移動体を前記他の車線にマッピングし、
前記生成部は、
前記他の車線を逆方向へ移動している前記他の移動体との干渉の可能性を判断し、
前記他の移動体と干渉する可能性がある場合には、前記他の車線を逆走している前記他の移動体との間隔を確保して移動するオフセットの進路若しくは移動可能範囲の情報を生成する、
請求項1から3のいずれか一項記載の移動情報提供システム。
- 前記マッピング部は、
前記収集部により収集された情報に基づいて、前記生成部により進路若しくは移動可能範囲の情報を生成しない管轄外の他の移動体の位置や路上物についてもマッピングする、
請求項1から6のいずれか一項記載の移動情報提供システム。
- 所定区域または所定区間について設けられる複数の通信装置を用いて、複数の移動体の移動に関わる情報を受信でき、複数の前記移動体のそれぞれにおいて移動判断または移動制御に用いることができる情報を送信できる、移動情報提供システムのサーバ装置であって、
前記移動情報提供システムにおける、
複数の前記移動体の移動についての情報を含むフィールド情報または前記フィールド情報を加工した事前加工情報を収集する収集部と、
前記収集部により収集された情報に基づいて複数の前記移動体の位置をマッピングするマッピング部と、
前記マッピングデータ部により複数の前記移動体の位置がマッピングされた情報を用いて、複数の前記移動体のそれぞれが移動可能な進路若しくは移動可能範囲の情報を生成する生成部と、
複数の前記移動体のそれぞれにおいて、生成された進路若しくは移動可能範囲の情報または該情報に基づいて得られるそれぞれの移動体の移動判断または移動制御に用いることができる情報を使用して、それぞれの移動体の移動を制御する制御部と、
の中の少なくとも前記取得部を有し、
前記生成部は、
前記移動体の移動を阻害する事態を避けるように、複数の前記移動体それぞれの進路若しくは移動可能範囲の情報を生成する、
サーバ装置。
- 所定区域または所定区間について設けられる複数の通信装置を用いて、複数の移動体の移動に関わる情報を受信でき、複数の前記移動体のそれぞれにおいて移動判断または移動制御に用いることができる情報を送信できる、移動情報提供システムの車両であって、
前記移動情報提供システムにおける、
複数の前記移動体の移動についての情報を含むフィールド情報または前記フィールド情報を加工した事前加工情報を収集する収集部と、
前記収集部により収集された情報に基づいて複数の前記移動体の位置をマッピングするマッピング部と、
前記マッピングデータ部により複数の前記移動体の位置がマッピングされた情報を用いて、複数の前記移動体のそれぞれが移動可能な進路若しくは移動可能範囲の情報を生成する生成部と、
複数の前記移動体のそれぞれにおいて、生成された進路若しくは移動可能範囲の情報または該情報に基づいて得られるそれぞれの移動体の移動判断または移動制御に用いることができる情報を使用して、それぞれの移動体の移動を制御する制御部と、
の中の少なくとも前記制御部を有し、
前記生成部は、
前記移動体の移動を阻害する事態を避けるように、複数の前記移動体それぞれの進路若しくは移動可能範囲の情報を生成する、
車両。
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