JP2021110519A - 室外熱交換器およびこれを用いたヒートポンプ式冷凍サイクル - Google Patents
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Abstract
【課題】冷房運転時の性能低下を抑制しうるヒートポンプ式冷凍サイクル用室外熱交換器を提供する。【解決手段】室外熱交換器4は、第1熱交換部30と、第1熱交換部30の冷媒流れ方向下流側に設けられかつ第1熱交換部30を通過した冷媒が流入する第2熱交換部40とを備えている。両熱交換部30,40は左右方向に並んで設けられている。第1熱交換部30が長手方向を上下方向に向けた状態で左右方向に間隔をおいて配置された複数の第1熱交換管33を有し、第2熱交換部40が長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された複数の第2熱交換管43を有している。【選択図】図2
Description
この発明は、室外熱交換器およびこれを用いたヒートポンプ式冷凍サイクルに関する。
この明細書および特許請求の範囲において、図2〜図4の上下、左右を上下、左右というものとする。
ハイブリッド自動車や、電気自動車などの比較的廃熱の少ない車両の車両用空調装置を構成するヒートポンプ式冷凍サイクルとして、圧縮機と、車室外に配置され、かつ冷房時に圧縮機で圧縮された冷媒から熱を放熱して凝縮させるとともに暖房時に減圧された冷媒に熱を受熱させて蒸発させる室外熱交換器と、車室内に配置されかつ冷房時に減圧された冷媒に熱を受熱させて蒸発させる室内エバポレータと、車室内に配置されかつ暖房時に圧縮機で圧縮された冷媒から熱を放熱して凝縮させる室内コンデンサと、冷媒を気液2相に分離して気相冷媒を圧縮機に戻すアキュムレータとを備えており、室外熱交換器が、空気と冷媒との熱交換を行うメインコア部と、 メインコア部に固定され、かつメインコア部を通過した冷媒が流入するとともに冷媒を気液2相に分離するレシーバタンクと、 レシーバタンクで得られた液相冷媒を空気との熱交換により過冷却するサブクールコア部とを有し、メインコア部およびサブクールコア部が、上下方向に離間して配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間において上下方向に延びるように配置されかつ両ヘッダタンクを通じさせる複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に設けられたフィンと、メインコア部、レシーバタンク、サブクールコア部の順番に冷媒を通過させる第1の流路と、 第1の流路と反対方向または同一方向にメインコア部のみに冷媒を通過させる第2の流路とを備えており、上側ヘッダタンクにメインコア部に通じ、かつ冷房時冷媒入口と暖房時冷媒出口を兼ねた冷媒流通口が形成され、下側ヘッダタンクにサブクールコア部に通じる冷房時冷媒出口およびメインコア部に通じる暖房時冷媒入口が形成され、第1の流路が冷媒流通口と冷房時冷媒出口との間に設けられ、第2の流路が暖房時冷媒入口と冷媒流通口との間に設けられているヒートポンプ式冷凍サイクルが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1記載のヒートポンプ式冷凍サイクルにおいては、冷房時の冷房時冷媒入口および冷房時冷媒出口と、暖房時の暖房時冷媒入口および暖房時冷媒出口とを切り替えることによって、冷房時に、前記室外熱交換器における前記第1の流路に冷媒を流通させて圧縮機で圧縮された冷媒から熱を放熱して凝縮させ、暖房時に、前記室外熱交換器における前記第2の流路に冷媒を流通させて減圧された冷媒に熱を受熱させて蒸発させることによって、冷房時および暖房時の熱交換性能の低下、ならびに冷房時および暖房時に室外熱交換器を冷媒が通過する際の圧損の増大を抑制している。
しかしながら、特許文献1記載のヒートポンプ式冷凍サイクルにおいては、暖房運転時にメインコア部の熱交換管およびフィンに生じる着氷を抑制する目的で、結露水や、付着した霜を除霜した際の除霜水の排水性を高めるために、全ての熱交換管が上下両ヘッダタンク間において上下方向に延びるように配置されているが、この場合、冷房運転時においては、冷媒の凝縮が進んで液相冷媒の割合が多くなるメインコア部の下流側部分やサブクールコア部における冷媒が下から上に流れる複数の熱交換管からなる上昇流パスでの液相成分の分流が不均一になる。その結果、冷房運転時の熱交換性能、すなわち冷媒から放熱させて凝縮させる性能が低下する。
また、特許文献1記載のヒートポンプ式冷凍サイクルにおいては、冷房時の冷媒の流れ方向および暖房時の冷媒の流れ方向を逆向きにするとともに、冷房時に冷媒が流れる部分と暖房時に冷媒が流れる部分とを変更する必要があり、そのための機構の構成や配管の構成が複雑になってヒートポンプ式冷凍サイクル全体の構成も複雑になるという問題がある。
この発明の目的は、上記問題を解決し、ヒートポンプ式冷凍サイクルに使用した場合に、冷房運転時の性能低下を抑制しうるとともに、ヒートポンプ式冷凍サイクル全体の構成が簡易になる室外熱交換器およびこれを用いたヒートポンプ式冷凍サイクルを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)冷房および暖房に利用されるヒートポンプ式冷凍サイクルの室外熱交換器であって、
第1熱交換部と、第1熱交換部の冷媒流れ方向下流側に設けられかつ第1熱交換部を通過した冷媒が流入する第2熱交換部とが左右方向に並んで設けられており、第1熱交換部が長手方向を上下方向に向けた状態で左右方向に間隔をおいて配置された複数の第1熱交換管を有し、第2熱交換部が長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された複数の第2熱交換管を有している室外熱交換器。
第1熱交換部と、第1熱交換部の冷媒流れ方向下流側に設けられかつ第1熱交換部を通過した冷媒が流入する第2熱交換部とが左右方向に並んで設けられており、第1熱交換部が長手方向を上下方向に向けた状態で左右方向に間隔をおいて配置された複数の第1熱交換管を有し、第2熱交換部が長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された複数の第2熱交換管を有している室外熱交換器。
2)第2熱交換部の第2熱交換管の相当径が、第1熱交換部の第1熱交換管の相当径よりも大きくなっている上記1)記載の室外熱交換器。
3)第1熱交換部の全ての第1熱交換管が左右方向に等間隔に配置されるとともに、第2熱交換部の全ての第2熱交換管が上下方向に等間隔に配置されており、第2熱交換部の隣り合う第2熱交換管間の管ピッチが、第1熱交換部の隣り合う第1熱交換管間の管ピッチよりも大きくなっている上記1)または2)記載の室外熱交換器。
4)第1熱交換部が、長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された上下1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に左右方向に間隔をおいて配置されるとともに上下両端部が両ヘッダタンクに接続された複数の第1熱交換管とを備えており、
第2熱交換部が、長手方向を上下方向に向けた状態で左右方向に間隔をおいて配置された左右1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に上下方向に間隔をおいて配置されるとともに左右両端部が両ヘッダタンクに接続された複数の第2熱交換管とを備えており、
第1熱交換部のいずれか一方のヘッダタンクに冷媒が流入する第1入口ヘッダが設けられるとともに、第1入口ヘッダが設けられた一方のヘッダタンクまたは他方のヘッダタンクに冷媒が第2熱交換部に流出する第1出口ヘッダが設けられ、
第2熱交換部の第1熱交換部側の一方のヘッダタンクに、第1熱交換部の第1出口ヘッダに通じる第2入口ヘッダが設けられるとともに、第2入口ヘッダが設けられた一方のヘッダタンクまたは他方のヘッダタンクに冷媒が流出する第2出口ヘッダが設けられている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の室外熱交換器。
第2熱交換部が、長手方向を上下方向に向けた状態で左右方向に間隔をおいて配置された左右1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に上下方向に間隔をおいて配置されるとともに左右両端部が両ヘッダタンクに接続された複数の第2熱交換管とを備えており、
第1熱交換部のいずれか一方のヘッダタンクに冷媒が流入する第1入口ヘッダが設けられるとともに、第1入口ヘッダが設けられた一方のヘッダタンクまたは他方のヘッダタンクに冷媒が第2熱交換部に流出する第1出口ヘッダが設けられ、
第2熱交換部の第1熱交換部側の一方のヘッダタンクに、第1熱交換部の第1出口ヘッダに通じる第2入口ヘッダが設けられるとともに、第2入口ヘッダが設けられた一方のヘッダタンクまたは他方のヘッダタンクに冷媒が流出する第2出口ヘッダが設けられている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の室外熱交換器。
5)圧縮機と、車室外に配置され、かつ冷房時に圧縮機で圧縮された冷媒から熱を放熱させて凝縮させるとともに暖房時に減圧された冷媒に熱を受熱させて蒸発させる室外熱交換器と、車室内に配置され、かつ冷房時に減圧された冷媒に受熱させて蒸発させる室内エバポレータと、車室内に配置され、かつ冷房時に冷媒を通過させるとともに暖房時に圧縮機で圧縮された冷媒から熱を放熱させて凝縮させる室内コンデンサとを備えており、室外熱交換器が、上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の室外熱交換器からなり、
冷房運転時に、室内コンデンサを通過した冷媒が、室外熱交換器の第1熱交換部の第1熱交換管および第2熱交換部の第2熱交換管を流れる間に放熱し、暖房運転時に、室内コンデンサを通過した冷媒が、室外熱交換器の第1熱交換部の第1熱交換管および第2熱交換部の第2熱交換管を流れる間に受熱するようになっているヒートポンプ式冷凍サイクル。
冷房運転時に、室内コンデンサを通過した冷媒が、室外熱交換器の第1熱交換部の第1熱交換管および第2熱交換部の第2熱交換管を流れる間に放熱し、暖房運転時に、室内コンデンサを通過した冷媒が、室外熱交換器の第1熱交換部の第1熱交換管および第2熱交換部の第2熱交換管を流れる間に受熱するようになっているヒートポンプ式冷凍サイクル。
上記1)〜4)の室外熱交換器の第2熱交換部の第2熱交換管が長手方向を左右方向に向けて配置されているので、上記5)のヒートポンプ式冷凍サイクルに用いられた場合、冷房運転時に、第1熱交換部および第2熱交換部で放熱して凝縮した後に第2熱交換部から流出する際に、液相冷媒の割合が多くなる第2熱交換部の全第2熱交換管への分流を均一化することが可能になり、冷房運転時の熱交換性能、すなわち冷媒から放熱させて凝縮させる性能の低下を抑制することができる。
また、上記1)〜4)の室外熱交換器の第1熱交換部の第1熱交換管が長手方向を上下方向に向けて配置されているので、上記5)のヒートポンプ式冷凍サイクルに用いられた場合、暖房運転時に、着霜が発生しやすい第1熱交換部において、付着した霜を除霜した際の除霜水の排水性が優れたものとなり、除霜水が氷結することによる着氷の発生を抑制することができる。
さらに、上記1)〜4)の室外熱交換器が、上記5)のヒートポンプ式冷凍サイクルに用いられた場合、特許文献1記載のヒートポンプ式冷凍サイクルのように、冷房時の冷房時冷媒入口および冷房時冷媒出口と、暖房時の暖房時冷媒入口および暖房時冷媒出口とを切り替える機構や、室外熱交換器内での冷媒の流れ方向を逆向きにする機構および配管が不要になる。
上記2)の室外熱交換器によれば、第2熱交換部の第2熱交換管の相当径が、第1熱交換部の第1熱交換管の相当径よりも大きくなっているので、上記5)のヒートポンプ式冷凍サイクルに用いられた場合、特に暖房運転時に、気相冷媒の割合が多くなる第2熱交換部における圧力損失の上昇を軽減することができる。
上記3)の室外熱交換器によれば、第2熱交換部の隣り合う第2熱交換管間の管ピッチが、第1熱交換部の隣り合う第1熱交換管間の管ピッチよりも大きくなっているので、上記5)のヒートポンプ式冷凍サイクルに用いられた場合、特に暖房運転時に、付着した霜を除霜した際の除霜水が、第2熱交換部の隣り合う第2熱交換管どうしの間に溜まりにくくなり、当該除霜水が氷結することによる着氷の発生を遅延することができる。
上記5)のヒートポンプ式冷凍サイクルによれば、冷房運転時に、第1熱交換部および第2熱交換部で放熱して凝縮した後に第2熱交換部から流出する際に、液相冷媒の割合が多くなる第2熱交換部の全第2熱交換管への分流を均一化することが可能になり、冷房運転時の熱交換性能、すなわち冷媒から放熱させて凝縮させる性能の低下を抑制することができる。
また、暖房運転時に、着霜が発生しやすい第1熱交換部において、付着した霜を除霜した際の除霜水の排水性が優れたものとなり、除霜水が氷結することによる着氷の発生を抑制することができる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
全図面を通じて同一物および同一部分には同一符号を付す。
図1はこの発明による室外熱交換器を有するヒートポンプ式冷凍サイクルを備えた車両用空調装置の冷房運転時の状態を概略的に示し、図2は室外熱交換器を示す。
以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
図1において、ハイブリッド自動車や電気自動車に好適に用いられる車両用空調装置は、ヒートポンプ式冷凍サイクル(1)と空調ケース(2)とを備えている。
ヒートポンプ式冷凍サイクル(1)は、圧縮機(3)と、車室外に配置され、かつ冷房時に圧縮機(3)で圧縮された冷媒から熱を放熱させるとともに暖房時に減圧された冷媒に熱を受熱させて蒸発させる室外熱交換器(4)と、車室内に配置され、かつ暖房時に圧縮機(3)で圧縮された冷媒から熱を放熱させる室内コンデンサ(5)と、冷房時に室外熱交換器(4)を通過した冷媒を減圧する第1減圧器としての膨張弁(6)と、車室内に配置され、かつ冷房時に膨張弁(6)で減圧された冷媒に熱を受熱させて蒸発させる室内エバポレータ(7)と、暖房時に室内コンデンサ(5)を通過した冷媒を減圧する第2減圧器としての固定絞り弁(8)と、固定絞り弁(8)と並列に設けられ、かつ冷房時に固定絞り弁(8)への冷媒の流れを阻止するとともに暖房時に固定絞り弁(8)のみに冷媒が流れるようにする開閉弁(9)と、冷房時に室内エバポレータ(7)を通過した冷媒を気液2相に分離するとともに、暖房時に室外熱交換器(4)を通過した冷媒を気液2相に分離する気液分離器(10)とを備えており、これらの機器が配管(11)により接続されている。
配管(11)における室外熱交換器(4)の冷媒流出側と気液分離器(10)の冷媒流入側との間には、冷房時のみに冷媒が流れる第1冷房時冷媒流通部(12)、および暖房時のみに冷媒が流れる第1暖房時冷媒流通部(13)が並列状に設けられており、第1冷房時冷媒流通部(12)に膨張弁(6)および室内エバポレータ(7)が配置されている。室外熱交換器(4)から流出した冷媒が第1冷房時冷媒流通部(12)と第1暖房時冷媒流通部(13)とに分流する部分には三方弁(14)が設けられている。また、配管(11)における室内コンデンサ(5)の冷媒流出側と室外熱交換器(4)の冷媒流入側との間には、冷房時のみに冷媒が流れる第2冷房時冷媒流通部(15)、および暖房時のみに冷媒が流れる第2暖房時冷媒流通部(16)が並列状に設けられており、第2冷房時冷媒流通部(15)に開閉弁(9)が設けられ、第2暖房時冷媒流通部(16)に固定絞り弁(8)が設けられている。
したがって、配管(11)は、開閉弁(9)および三方弁(14)の働きによって、冷房時に冷媒を圧縮機(3)、室内コンデンサ(5)、室外熱交換器(4)、膨張弁(6)、室内エバポレータ(7)および気液分離器(10)の間の冷房用回路で循環させ、暖房時に冷媒を圧縮機(3)、室内コンデンサ(5)、固定絞り弁(8)、室外熱交換器(4)および気液分離器(10)の間の暖房用回路で循環させる。
冷房時には、冷媒は、圧縮機(3)で圧縮されて室内コンデンサ(5)を通過した後に室外熱交換器(4)に送られ、室外熱交換器(4)で熱を放熱して凝縮し、ついで膨張弁(6)により減圧された後に室内エバポレータ(7)で熱を奪って蒸発し、ついで気液分離器(10)で気液分離された後に圧縮機(3)に戻される(図1破線矢印参照)。暖房時には、冷媒は、圧縮機(3)で圧縮された後に室内コンデンサ(5)で熱を放熱して凝縮し、ついで固定絞り弁(8)により減圧された後に室外熱交換器(4)で熱を奪って蒸発し、ついで気液分離器(10)で気液分離された後に圧縮機(3)に戻される(図1実線矢印参照)。
空調ケース(2)は、車室内空気と車室外空気とが適当な比率(0〜100%)で導入される空気導入部(20)と、空気導入部(20)に連なって設けられた空気通路(21)と、空気通路(21)から分岐して互いに並列状に設けられた第1分岐通路(22)および第2分岐通路(23)とを備えている。空気導入部(20)に送風機(24)が配置され、空気通路(21)に室内エバポレータ(7)が配置され、第2分岐通路(23)に室内コンデンサ(5)が配置されている。また、空調ケース(2)に、第1分岐通路(22)および第2分岐通路(23)の上流端を開閉し、室内エバポレータ(7)を通過した後第1分岐通路(22)を流れる空気量と、室内エバポレータ(7)を通過した後第2分岐通路(23)を流れる空気量とを調節するダンパ(25)が設けられている。
そして、上述した車両用空調装置におけるヒートポンプ式冷凍サイクル(1)の室外熱交換器(4)として、本発明の室外熱交換器が用いられている。
図2に詳細に示すように、室外熱交換器(4)は、第1熱交換部(30)と、第1熱交換部(30)の冷媒流れ方向下流側に設けられかつ第1熱交換部(30)を通過した冷媒が流入する第2熱交換部(40)とを備えており、両熱交換部(30)(40)は左右方向に並んで設けられている。この実施形態では、第1熱交換部(30)の左方に第2熱交換部(40)が設けられている。
第1熱交換部(30)は、長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された上下1対のアルミニウム製ヘッダタンク(31)(32)と、上下両ヘッダタンク(31)(32)間に長手方向を上下方向に向けた状態で左右方向に間隔をおいて配置され、かつ上下両端部が上下両ヘッダタンク(31)(32)に接続された複数のアルミニウム製第1熱交換管(33)と、隣り合う第1熱交換管(33)間に配置されたコルゲート状のアルミニウム製第1フィン(34)とを備えている。第1熱交換部(30)の下ヘッダタンク(32)が左右方向の中心よりも右側の部分に配置されたアルミニウム製下仕切部材(35)により左右2つの区画に分割され、上ヘッダタンク(31)が左右方向の中心よりも左側でかつ下仕切部材(35)よりも左側の部分に配置されたアルミニウム製上仕切部材(36)により左右2つの区画に分割されている。下ヘッダタンク(32)の右側区画が冷媒が流入する第1入口ヘッダ(37)となるとともに、上ヘッダタンク(31)の左側区画が冷媒が流出する第1出口ヘッダ(38)となっており、下ヘッダタンク(32)に第1入口ヘッダ(37)に通じる冷媒入口(37a)が設けられている。
第1熱交換部(30)には、下仕切部材(35)よりも右側に配置された複数の第1熱交換管(33)からなり、かつ冷媒が下から上に流れる第1熱交換パス(H1)と、下仕切部材(35)の左側でかつ上仕切部材(36)の右側に配置された複数の第1熱交換管(33)からなり、かつ冷媒が上から下に流れる第2熱交換パス(H2)と、上仕切部材(36)よりも左側に配置された複数の第1熱交換管(33)からなり、かつ冷媒が下から上に流れる第3熱交換パス(H3)とが設けられている。
第1熱交換部(30)において、冷媒入口(37a)を通して第1入口ヘッダ(37)内に流入した冷媒は、第1熱交換パス(H1)の複数の第1熱交換管(33)を通って上向きに流れて上ヘッダタンク(31)に入り、ついで第2熱交換パス(H2)の複数の第1熱交換管(33)を通って下向きに流れて下ヘッダタンク(32)に入り、ついで第3熱交換パス(H3)の複数の第1熱交換管(33)を通って上向きに流れて第1出口ヘッダ(38)に入る。
なお、図示の例では、第1熱交換部(30)の第1入口ヘッダ(37)が下ヘッダタンクにあり、第1出口ヘッダ(38)が上ヘッダタンク(31)にあるが、これに限定されるものではなく、第1入口ヘッダ(37)が上ヘッダタンク(31)にあり、第1出口ヘッダ(38)が下ヘッダタンク(32)にあってもよい。また、第1熱交換部(30)の第1入口ヘッダ(37)および第1出口ヘッダ(38)の両者が両ヘッダタンク(31)(32)のうちのいずれか一方にあってもよい。
第2熱交換部(40)は、長手方向を上下方向に向けた状態で左右方向に間隔をおいて配置された左右1対のアルミニウム製ヘッダタンク(41)(42)と、両ヘッダタンク(41)(42)間に長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置され、かつ左右両端部が左右両ヘッダタンク(41)(42)に接続されたアルミニウム製第2熱交換管(43)と、隣り合う第2熱交換管(43)間に配置されたコルゲート状のアルミニウム製第2フィン(44)とを備えている。両ヘッダタンク(41)(42)の上下両端は同一高さ位置にある。第2熱交換部(40)の右ヘッダタンク(41)が上下方向の中心よりも上方に配置されたアルミニウム製右仕切部材(45)により上下2つの区画に分割され、左ヘッダタンク(42)が右ヘッダタンク(41)の右仕切部材(45)よりも下方に配置されたアルミニウム製左仕切部材(46)により上下2つの区画に分割されている。右ヘッダタンク(41)の上側の区画が、第1熱交換部(30)の第1出口ヘッダ(38)に連通部材(47)を介して通じさせられかつ第1出口ヘッダ(38)から流出した冷媒が流入する第2入口ヘッダ(48)となるとともに、左ヘッダタンク(42)の下側の区画が、冷媒が流出する第2出口ヘッダ(49)となっており、第2出口ヘッダ(49)に冷媒出口(49a)が設けられている。
第2熱交換部(40)には、右仕切部材(45)よりも上側に配置された複数の第2熱交換管(43)からなり、かつ冷媒が右から左に流れる第4熱交換パス(H4)と、右仕切部材(45)の下側でかつ左仕切部材(46)の上側に配置された複数の第2熱交換管(43)からなり、かつ冷媒が左から右に流れる第5熱交換パス(H5)と、左仕切部材(46)よりも下側に配置された複数の第2熱交換管(43)からなり、かつ冷媒が右から左に流れる第6熱交換パス(H6)とが設けられている。
第2熱交換部(40)において、第1熱交換部(30)の第1出口ヘッダ(38)から連通部材(47)を通って第2入口ヘッダ(48)内に流入した冷媒は、第4熱交換パス(H4)の複数の第2熱交換管(43)を通って左向きに流れて左ヘッダタンク(42)に入り、ついで第5熱交換パス(H5)の複数の第2熱交換管(43)を通って右向きに流れて右ヘッダタンク(41)に入り、ついで第6熱交換パス(H6)の複数の第2熱交換管(43)を通って左向きに流れて第2出口ヘッダ(49)に入る。
ここで、第2熱交換部(40)の第2熱交換管(43)の相当径が、第1熱交換部(30)の第1熱交換管(33)の相当径よりも大きくなっていることが好ましい。また、第1熱交換部(30)の全ての第1熱交換管(33)が左右方向に等間隔に配置されるとともに、第2熱交換部(40)の全ての第2熱交換管(43)が上下方向に等間隔に配置されており、第1熱交換部(30)の隣り合う第1熱交換管(33)間の管ピッチ(P1)と、第2熱交換部(40)の隣り合う第2熱交換管(43)間の管ピッチ(P2)とが等しくなっている。
上述した構成の車両用空調装置において、車室内の冷房時には、ヒートポンプ式冷凍サイクル(1)では、開閉弁(9)および三方弁(14)の働きにより冷媒が、配管(11)の上述した冷房用回路に流される(図1破線矢印参照)。また、空調ケース(2)では、図1に破線で示すように、ダンパ(25)の働きにより、室内エバポレータ(7)を通過した空気が第1分岐通路(22)に流されるとともに第2分岐通路(23)には流されない。なお、車室内の冷房時にも、室内エバポレータ(7)を通過した空気が両分岐通路(22)(23)を流れることもある。
ヒートポンプ式冷凍サイクル(1)では、車室内の冷房時には、圧縮機(3)で圧縮されて高圧になった気相冷媒が、室内コンデンサ(5)を通過した後に、冷媒入口(37a)から室外熱交換器(4)の第1熱交換部(30)の第1入口ヘッダ(37)内に入り、全第1熱交換管(33)を流れて第1出口ヘッダ(38)内に入る。第1出口ヘッダ(38)内に入った冷媒は、連通部材(47)を通って第2熱交換部(40)の第2入口ヘッダ(48)内に入り、全第2熱交換管(43)を流れて第2出口ヘッダ(49)内に入る。第2出口ヘッダ(49)内に入った冷媒は、冷媒出口(49a)を通って室外熱交換器(4)から流出する。
冷媒は、室外熱交換器(4)内を流れる間に熱を放熱して凝縮させられ、凝縮させられた冷媒は、膨張弁(6)により減圧された後に、室内エバポレータ(7)において空気通路(21)を流れる空気から熱を奪って蒸発し、ついで気液分離器(10)において分離された気相冷媒が圧縮機(3)に戻される。室内エバポレータ(7)により熱を奪われた空気は、空気通路(21)から第1分岐通路(22)に入り、車室内に吹き出される。
車室内の暖房時には、ヒートポンプ式冷凍サイクル(1)では、開閉弁(9)および三方弁(14)の働きにより冷媒が、配管(11)の上述した暖房用回路に流される(図1実線矢印参照)。また、空調ケース(2)では、ダンパ(25)の働きにより、室内エバポレータ(7)を通過した空気が第2分岐通路(23)に流されるとともに第1分岐通路(22)には流されない。なお、車室内の暖房時にも、室内エバポレータ(7)を通過した空気が両分岐通路(22)(23)を流れることもある。
ヒートポンプ式冷凍サイクル(1)では、車室内の暖房時には、圧縮機(3)で圧縮されて高圧になった気相冷媒が、室内コンデンサ(5)において第2分岐通路(23)を流れる空気に熱を放熱して凝縮させられる。室内コンデンサ(5)において冷媒から熱を奪った空調用空気は、車室内に吹き出される。
室内コンデンサ(5)において凝縮させられた冷媒は、固定絞り弁(8)により減圧された後に室外熱交換器(4)の冷媒入口(37a)から第1熱交換部(30)の第1入口ヘッダ(37)内に入り、全第1熱交換管(33)を流れて第1出口ヘッダ(38)内に入る。第1出口ヘッダ(38)内に入った冷媒は、連通部材(47)を通って第2熱交換部(40)の第2入口ヘッダ(48)内に入り、全第2熱交換管(43)を流れて第2出口ヘッダ(49)内に入る。第2出口ヘッダ(49)内に入った冷媒は、冷媒出口(49a)を通って室外熱交換器(4)から流出する。冷媒は、第1熱交換管(33)および第2熱交換管(43)を流れる間に外気から熱を奪って蒸発して気液混相となっており、当該気液混相冷媒が気液分離器(10)において気液に分離され、気相冷媒が圧縮機(3)に戻される。
図3は図1の車両用空調装置の室外熱交換器の他の実施形態を示す。
図3に示す室外熱交換器(60)の場合、第1熱交換部(30)の上ヘッダタンク(31)の左端部が、第2熱交換部(40)の右ヘッダタンク(41)の上端部に接合されており、第1出口ヘッダ(38)と第2入口ヘッダ(48)とは、図示しない穴状の連通部を介して通じさせられている。
その他の構成は、図2に示す室外熱交換器(4)と同様である。
図4は図1の車両用空調装置の室外熱交換器のさらに他の実施形態を示す。
図4に示す室外熱交換器(70)の場合、第1熱交換部(30)の全ての第1熱交換管(33)が左右方向に等間隔に配置されるとともに、第2熱交換部(40)の全ての第2熱交換管(43)が上下方向に等間隔に配置されており、第2熱交換部(40)の隣り合う第2熱交換管(43)間の管ピッチ(P3)が、第1熱交換部(30)の隣り合う第1熱交換管(33)間の管ピッチ(P1)よりも大きくなっている。
その他の構成は、図2に示す室外熱交換器(4)と同様である。
この発明による室外熱交換器は、比較的廃熱の少ないハイブリッド自動車や電気自動車の車両用空調装置を構成するヒートポンプ式冷凍サイクルの室外熱交換器に好適に用いられる。
(1):ヒートポンプ式冷凍サイクル
(3):圧縮機
(4)(60)(70):室外熱交換器
(5):室内コンデンサ
(7):室内エバポレータ
(30):第1熱交換部
(31)(32):ヘッダタンク
(33):第1熱交換管
(37):第1入口ヘッダ
(38):第1出口ヘッダ
(40):第2熱交換部
(41)(42):ヘッダタンク
(43):第2熱交換管
(48):第2入口ヘッダ
(49):第2出口ヘッダ
(P1)(P2)(P3):管ピッチ
(3):圧縮機
(4)(60)(70):室外熱交換器
(5):室内コンデンサ
(7):室内エバポレータ
(30):第1熱交換部
(31)(32):ヘッダタンク
(33):第1熱交換管
(37):第1入口ヘッダ
(38):第1出口ヘッダ
(40):第2熱交換部
(41)(42):ヘッダタンク
(43):第2熱交換管
(48):第2入口ヘッダ
(49):第2出口ヘッダ
(P1)(P2)(P3):管ピッチ
Claims (5)
- 冷房および暖房に利用されるヒートポンプ式冷凍サイクルの室外熱交換器であって、
第1熱交換部と、第1熱交換部の冷媒流れ方向下流側に設けられかつ第1熱交換部を通過した冷媒が流入する第2熱交換部とが左右方向に並んで設けられており、第1熱交換部が長手方向を上下方向に向けた状態で左右方向に間隔をおいて配置された複数の第1熱交換管を有し、第2熱交換部が長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された複数の第2熱交換管を有している室外熱交換器。 - 第2熱交換部の第2熱交換管の相当径が、第1熱交換部の第1熱交換管の相当径よりも大きくなっている請求項1記載の室外熱交換器。
- 第1熱交換部の全ての第1熱交換管が左右方向に等間隔に配置されるとともに、第2熱交換部の全ての第2熱交換管が上下方向に等間隔に配置されており、第2熱交換部の隣り合う第2熱交換管間の管ピッチが、第1熱交換部の隣り合う第1熱交換管間の管ピッチよりも大きくなっている請求項1または2記載の室外熱交換器。
- 第1熱交換部が、長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された上下1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に左右方向に間隔をおいて配置されるとともに上下両端部が両ヘッダタンクに接続された複数の第1熱交換管とを備えており、
第2熱交換部が、長手方向を上下方向に向けた状態で左右方向に間隔をおいて配置された左右1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に上下方向に間隔をおいて配置されるとともに左右両端部が両ヘッダタンクに接続された複数の第2熱交換管とを備えており、
第1熱交換部のいずれか一方のヘッダタンクに冷媒が流入する第1入口ヘッダが設けられるとともに、第1入口ヘッダが設けられた一方のヘッダタンクまたは他方のヘッダタンクに冷媒が第2熱交換部に流出する第1出口ヘッダが設けられ、
第2熱交換部の第1熱交換部側の一方のヘッダタンクに、第1熱交換部の第1出口ヘッダに通じる第2入口ヘッダが設けられるとともに、第2入口ヘッダが設けられた一方のヘッダタンクまたは他方のヘッダタンクに冷媒が流出する第2出口ヘッダが設けられている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の室外熱交換器。 - 圧縮機と、車室外に配置され、かつ冷房時に圧縮機で圧縮された冷媒から熱を放熱させて凝縮させるとともに暖房時に減圧された冷媒に熱を受熱させて蒸発させる室外熱交換器と、車室内に配置され、かつ冷房時に減圧された冷媒に受熱させて蒸発させる室内エバポレータと、車室内に配置され、かつ冷房時に冷媒を通過させるとともに暖房時に圧縮機で圧縮された冷媒から熱を放熱させて凝縮させる室内コンデンサとを備えており、室外熱交換器が、請求項1〜4のうちのいずれかに記載の室外熱交換器からなり、
冷房運転時に、室内コンデンサを通過した冷媒が、室外熱交換器の第1熱交換部の第1熱交換管および第2熱交換部の第2熱交換管を流れる間に放熱し、暖房運転時に、室内コンデンサを通過した冷媒が、室外熱交換器の第1熱交換部の第1熱交換管および第2熱交換部の第2熱交換管を流れる間に受熱するようになっているヒートポンプ式冷凍サイクル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020004080A JP2021110519A (ja) | 2020-01-15 | 2020-01-15 | 室外熱交換器およびこれを用いたヒートポンプ式冷凍サイクル |
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ID=77059568
Family Applications (1)
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JP2020004080A Pending JP2021110519A (ja) | 2020-01-15 | 2020-01-15 | 室外熱交換器およびこれを用いたヒートポンプ式冷凍サイクル |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2021110519A (ja) |
-
2020
- 2020-01-15 JP JP2020004080A patent/JP2021110519A/ja active Pending
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