JP2021110483A - 溶融金属撹拌用ガス吹込みプラグ - Google Patents
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Abstract
【課題】風箱の溶解、及び風箱への浸炭と脆化を解決し、耐用や機能を損なうことなく安定して使用できる長寿命のマルチホールプラグを得ること。【解決手段】溶融金属を撹拌するガスが流れる導入管(2)と、導入管(2)が接続され、風箱上面(1a)と風箱側面(1b)と風箱下面(1c)とを有し、内部が中空に形成されている風箱(1A)と、固定部(3a)と開口部(3b)とを有する中空管であり、風箱(1A)の内部と連通した状態で各々の固定部(3b)が風箱(1A)に固定されている複数の細管(31)を有する配管群(3A)と、複数の細管(31)を埋設して形成されている第1耐火物(4)と、風箱(1A)を覆って形成されている第2耐火物(7)と、を備えるマルチホールプラグ(10A)であって、第2耐火物(7)は耐火度がSK28以上のノンカーボン耐火物であり、風箱側面(1b)と風箱下面(1c)とは、第2耐火物で覆われている。【選択図】図2
Description
本発明は、溶融金属の精錬時において、溶融金属の撹拌に用いるガス吹込みプラグに関するものである。
溶融金属の精錬において、効率的に精錬を行うには溶融金属を撹拌することが効果的である。非特許文献1には、現在の製鋼プロセスにおいて不可欠なものとなっている、炉底に設置されたガス吹込みプラグから吐出するガスにより溶融金属を撹拌させる底吹き撹拌方法が開示されている。ガス吹込みプラグには種々の種類があり、単管、二重管、又は、SA羽口のように風箱を持たないものと、マルチホールプラグのように金属製の風箱を持つものとがある。
図8には、従来のマルチホールプラグ10Fであって、マルチホールプラグ10Fの長手方向中心軸を含む断面を示した縦断面図が示されている。従来のマルチホールプラグ10Fは、図示しない供給源から供給されるガスが流れる導入管2と、中空に形成され導入管2の一方端が固定されている風箱1Fと、風箱1Fに各々の固定部3aで固定されており、風箱1Fからガスが分配供給される複数の細管31を有する細管群3Fと、細管群3Fが埋設されて形成されている第1耐火物4と、が組み合わされた複合体として構成されている。細管群3Fは、直線状に形成された同じ細管31を複数有している。風箱1Fと導入管2とは、炉内面に露出して配置されていないため、普通鋼で形成されている。また、複数の細管31は開口部3bが炉内面に露出することから、耐熱性に優れる各種ステンレス鋼または耐熱鋼のパイプで形成されている。複数の細管31を保護する第1耐火物4は、耐食性と耐スポーリング性のバランスに優れる材質、例えばカーボン含有量が10〜30%程度のMgO−Cれんがで形成されている。
上記構成のマルチホールプラグ10Fの外周には、ブロック体5、または外装れんがと呼ばれるスリーブ状の大型れんがが1個以上組み合されており、1つの底吹きガスユニットが構成されている。ブロック体5、及び外装れんがは、第1耐火物4と同様に、高カーボン質のMgO−Cれんがで形成されている。このような構成により、冶金効率と、ガス吹込みプラグの長寿命とが図られている。
「耐火物手帳(改訂12版)、第257ページ〜第261ページ[耐火物技術協会編]」
しかしながら、上記底吹きガスユニットにおいて、マルチホールプラグ10Fとブロック体5との目地Xから溶融金属やスラグが浸入して風箱1Fを溶解させ、それにより風箱1Fからガスリークを起こすことがある。ガスリークが起こった場合、ガス吹きによる撹拌機能が失われて精錬効率が極度に悪化する。そのため、ガスリークが起こった場合は、炉の稼働を止めて底吹きガスユニットを交換することが必要になる。底吹きガスユニットの交換によるコスト損失は非常に大きいため、改善が求められていた。
上記課題に対し、いくつかの手段が提案されている。特許文献1及び2には、風箱を耐火物に埋設する例が開示されている。こうすることで、目地をつたって浸入する溶融金属やスラグによる風箱の損傷は防ぐことができる。風箱を埋設している外装れんが、または細管保護用耐火物は、多くの場合、カーボン含有量が10〜30%であるMgO−Cれんがで構成されている。そのため、稼働中に起こるMgO−Cれんが中の炭素の金属製風箱への浸透、すなわち浸炭が起こり、風箱の脆化や構成する金属の融点低下が発生するという問題点がある。
また、特許文献3には、目地に浸入する溶融金属やスラグを防ぐ技術として、マルチホールプラグ本体の側面に設けた凹状の溝に熱膨張性耐火物を埋設して、ブロック体とマルチホールプラグ本体との間の目地を塞ぐ技術が提案されている。この熱膨張性耐火物を埋設することで、目地をつたって浸入する溶融金属やスラグを防ぐことはできる。しかし、施工不良があった場合には溶鋼やスラグが浸入する可能性が残り、風箱を備えるマルチホールプラグの場合には、溶鋼やスラグが風箱まで到達し、風箱が損傷するという懸念点がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、目地から浸入した溶融金属やスラグによる風箱の溶解、及びカーボン含有れんがによる風箱への浸炭と脆化を解決し、耐用や機能を損なうことなく安定して使用できる長寿命のマルチホールプラグを得ることである。
本発明はマルチホールプラグであって、一方端に接続部を有し、溶融金属を撹拌するガスが流れる導入管と、接続部が接続され、風箱上面と風箱側面と風箱下面とを有し、内部が中空に形成されている風箱と、一方端に固定部と、他方端に開口部とを有する中空管であり、風箱の内部と連通した状態で各々の固定部が風箱に固定されている複数の細管を有する配管群と、複数の細管の少なくとも一部を埋設して形成されている第1耐火物と、前記風箱の少なくとも一部を覆って形成されている第2耐火物と、を備え、第2耐火物は耐火度がゼーゲルコーン番号28(以下SK28)以上のノンカーボン耐火物であり、風箱側面と風箱下面とは、第2耐火物で覆われている。
また、本発明に係るマルチホールプラグは、風箱上面が前記第2耐火物で覆われていてもよい。
また、本発明に係るマルチホールプラグは、1つ以上の曲がり部を設けられている細管が少なくとも1つ含まれており、前記1つ以上の曲がり部は前記第2耐火物に覆われている配管群を備えていてもよい。
また、本発明に係るマルチホールプラグは、1つ以上のジグザグ部を設けられている細管が少なくとも1つ含まれており、前記1つ以上のジグザグ部は前記第1耐火物に覆われている配管群を備えていてもよい。
本発明によれば、風箱側面と風箱下面とは、耐火度がSK28以上のノンカーボン耐火物である第2耐火物で覆われているので、目地から浸入した溶融金属やスラグによる風箱の溶解、及びカーボン含有れんがによる風箱への浸炭と脆化を解決し、耐用や機能を損なうことなく安定して使用できる長寿命のマルチホールプラグを得ることができる。
また、本発明によれば、風箱上面が第2耐火物で覆われているので、溶融金属やスラグによる風箱の溶解、及びカーボン含有れんがによる風箱への浸炭と脆化をさらに高めることができ、耐用や機能を損なうことなく安定して使用できる長寿命のマルチホールプラグを得ることができる。
また、本発明によれば、1つ以上の曲がり部を設けられている細管が少なくとも1つ含まれており、1つ以上の曲がり部は第2耐火物に覆われているので、風箱を小型化でき、風箱側面の第2耐火物の厚さを厚くすることができる。そのため、溶融金属やスラグによる風箱の溶解、及びカーボン含有れんがによる風箱への浸炭と脆化をさらに高めることができ、耐用や機能を損なうことなく安定して使用できる長寿命のマルチホールプラグを得ることができる。
また、本発明によれば、1つ以上のジグザグ部を設けられている細管が少なくとも1つ含まれており、1つ以上のジグザグ部は前記第1耐火物に覆われているので、耐用や機能を損なうことなく安定して使用できる長寿命のマルチホールプラグを得ることができる。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1に係るマルチホールプラグ10Aについて、図1〜図2を参照して詳細に説明する。
図1はマルチホールプラグ10Aの上面図である。また、図2は図1のA−A断面における断面図である。
以下、本発明の実施の形態1に係るマルチホールプラグ10Aについて、図1〜図2を参照して詳細に説明する。
図1はマルチホールプラグ10Aの上面図である。また、図2は図1のA−A断面における断面図である。
マルチホールプラグ10Aは、溶融金属を撹拌するガスが流れる導入管2と、導入管2が接続されている風箱1Aと、風箱1Aに固定されている細管群3Aと、細管群3Aの一部を除く全体を埋設して形成されている第1耐火物4と、風箱1Aを覆っている第2耐火物7とが組み合わされた複合体である。なお、図1〜図7に示されているブロック体5は、1個以上のスリーブ状のれんがであり、マルチホールプラグ10A〜10Fのそれぞれと組み合されて、1つの底吹きガスユニットを構成している。
導入管2は、図示しないガス供給源から風箱1Aに、溶融金属を撹拌するガスを供給する中空管である。導入管2の一方端である接続部2aは、風箱1Aに接続されている。導入管2の図示しない他方端は、前記図示しないガス供給源に接続されている。導入管2と風箱1Aとは連通しており、導入管2を流れるガスが風箱1Aに供給される。導入管2は、普通鋼で形成されている。
風箱1Aは、導入管2から供給されるガスを細管群3Aに分配供給する中空の部材である。風箱1Aは、風箱1Aの上部に風箱上面1a、風箱1Aの側部に風箱側面1b、風箱1Aの下部に風箱下面1cを有している。風箱下面1cには、導入管2の接続部2aが固定されている。また、風箱上面1aには、細管群3Aが固定されている。風箱1Aは、普通鋼で形成されている。
細管群3Aは、風箱1A内のガスをマルチホールプラグ10Aの上部まで導く中空の複数の細管31を有している。複数の細管31は、直線状に形成されている中空管である。
図1は、マルチホールプラグ10Aの上面図であり、複数の細管31の配置が示されている。複数の細管31は、マルチホールプラグ10Aの長手方向に垂直な断面において、四角形を画定する各辺上、及びその内部とに配置されており、全体として四角形状に配列されている。配列形状は四角形以外でもよい。例えば、円形、または、五角形、六角形のような四角形以外の多角形でもよい。何れの場合にも、複数の細管31は、円形の輪郭線と輪郭線で画定された円の内部、または多角形の各辺上と、各辺で画定された多角形の内部とに配置される。
複数の細管31は、一方端に固定部3a、及び他方端に開口部3bをそれぞれ有している。複数の細管31は、固定部3aが風箱上面1aに溶接されて、それぞれ固定されている。複数の細管31は、風箱上面1aに固定されているそれぞれの固定部3aから、上端の開口部3bまで、鉛直上方にまっすぐ伸びて配置されている。
各々の細管31の内径は1mm〜4mm、肉厚は0.5mm〜2mm(片側分)であることが望ましい。この理由については、次のとおりである。細管31の内径が1mm未満であると、使用中に閉塞が生じて、溶融金属への十分なガス供給ができなくなる可能性がある。また、内径が4mmを超えると、溶鋼静圧によって細管31内に溶融金属が流れ込み、溶融金属のマルチホールプラグ10Aからの漏洩を引き起こす可能性がある。
複数の細管31は、その用途から高い耐熱性を必要とする。加えて、曲げ加工されることから、耐熱性、及び塑性に優れる各種のステンレス鋼、または耐熱鋼により形成されることが最も望ましい。
第1耐火物4は、細管31のそれぞれの開口部3bを除き、細管31を埋設して形成されている。第1耐火物4は、細管31を保護する部材である。第1耐火物4は、耐食性と耐スポーリング性のバランスが優れた材質で形成されている。例えば、MgO−C質、Al203−C質、Al203−MgO質、Al203−Spinel質等、市販されている各種組成のものから、使用条件に適した組成の材料が選択される。第1耐火物4は、好ましくは、カーボン含有量が10%〜30%のMgO−Cれんがで形成される。
第2耐火物7は、箱風1Aの風箱側面1b、及び風箱下面1cを保護する部材である。第2耐火物7は、図2に示されているように、風箱1Aの風箱側面1b、及び風箱下面1cを覆って形成されている。風箱1Aの周囲に施工する第2耐火物7の施工厚みは、片側5mm以上、好ましくは片側10mm以上設けることが望ましい。施工厚みが片側5mm未満になると、養生時、乾燥時、または衝撃を受けた際に亀裂や剥離を生じる可能性が高いためである。また、厚いほど、風箱1Aは、浸炭、及び熱の影響を受けにくくなる。
第2耐火物7は、カーボンを含まないノンカーボン質の耐火物組成物である。カーボンを含む耐火物は風箱の浸炭の原因となるため、基本的に許容しない。ただし、バインダー、及び添加物の残炭、あるいは少量の不可避不純物に由来する3%未満のカーボンは風箱1Aへの影響もほとんどないため許容し得る。
また、第2耐火物7は、耐火度がSK28以上の耐火物である。マルチホールプラグ10Aと、ブロック体5との間の目地に浸入する溶鋼、及びスラグはごく少量であるものの、精錬時の炉内温度は1600℃を超える温度となっている。そのため、耐火度がSK28未満だと、目地に侵入した溶鋼やスラグの熱で、第2耐火物7が溶解する可能性があるためである。なお、第2耐火物7は好ましくはSK34以上であることが望ましい。耐火度がSK34以上であれば、溶鋼やスラグの温度がさらに高温の場合でも十分な耐火性が発揮される。
第2耐火物7の材質について、ノンカーボン質で耐火度がSK28以上であれば、種々の組成の耐火物が使用できる。例えば、高珪酸質、シャモット質、アルミナ質、マグネシア質、アルミナ-マグネシア質、アルミナ−スピネル質、等が使用できる。
第2耐火物7の施工方法について、風箱1Aを被覆できれば本発明の効果が発揮されるため、風箱1Aを被覆できる施工方法であれば、どのような施工方法でも採用可能である。また、第1耐火物4についても同様に、複数の細管31を埋設して形成できる施工方法であれば、どのような施工方法でも採用可能である。第2耐火物7を施工可能な方法は、例えば、定形れんがを加工する方法、プレキャストブロックをはめ込む方法、プラスチック耐火物を現場にて手作業で施工する方法、枠を作って不定形耐火物を流し込んで形成する方法、等である。
第1耐火物4、及び第2耐火物7の製造方法について、例えば、混合混練工程、成形工程、及び、加熱工程により、次のように行われる。
まず、混合混練工程では、配合された原料を一括あるいは分割して、混合機、または混練機により混合、及び混練する。一般的に、原料の混練には、容器固定型では、ローラー式のSWP、及びシンプソンミキサー、ブレード式のハイスピードミキサー、加圧式のハイスピードミキサー、及びヘンシェルミキサー、加圧ニーダーと呼ばれる混練機が使用される。また、容器駆動型では、ローラー式のMKP、ウェットパン、及び、コナーミキサー、ブレード式のアイリッヒミキサー、ボルテックスミキサーなどの混練機が使用される。また、これら混練機に、加圧減圧制御装置、及び/または温度制御装置(加温、冷却、または保温)等を付加する場合もある。混合時間、または混練時間は、原料の種類、配合量、バインダーの種類、温度(室温、原料とバインダーの温度)、混練機の種類や大きさによって異なり、通常数分から数時間である。
混合混練工程の次は、成形工程である。混練物の機械成形には、静圧式プレスである、衝撃圧プレスのフリクションプレス、スクリュープレス、ハイドロスクリュープレス等の油圧プレス、トッグルプレス等が使用される。または、振動プレス式、CIPと呼ばれている成形機、等によって成形することができる。これら成形機には真空脱気装置、及び/または温度制御装置(加温と冷却、または保温)等を付加する場合もある。プレス成形機による成形圧力や締め回数は、成形される煉瓦の大きさ、原料の種類、配合量、バインダーの種類、温度(室温、原料やバインダー)、成形機の種類や大きさ、によって異なるが、成形圧力は通常0.2t〜3.0tであり、締め回数は1回〜数十回である。また、この成形物は、不定形耐火物を流し込んで成形することも可能であり、混練後数分から数時間かけて施工される。施工の際には、必要に応じてバイブレーターまたは振動テーブルを用いて加振し、より緻密な施工体とすることが可能である。
成形工程の次は、加熱工程である。成形体は、揮発分の除去と強度発現を促すために熱処理されて、乾燥される。成形後に熱処理することにより、施工に耐え得る強度を発現できる。およそ500℃以下の加熱の場合には、熱風循環式の乾燥加熱炉を使用する。また、それ以上の温度の場合には、電気加熱式、ガス加熱式、オイル加熱式等のバッチ式単独窯、例えばシャトルキルンやカーベルキルンや、連続式のトンネル窯などが最適である。十分に温度調整可能で均質加熱ができる加熱炉であれば、どのような形式のものでも使用できる。なお、加熱による乾燥は、第1耐火物4と、第2耐火物7とを一緒に行うことも可能である。また、材料の違いや形状・大きさの違いにより、別々に行うことも可能である。
また、本発明である、風箱側面1bと風箱下面1cとが耐火度SK28以上のノンカーボン耐火物である第2耐火物7で覆われている構造は、細管、風箱の溶接、及び風箱の周囲への耐火物の配設には何ら影響を与えないため、マルチホールプラグ10Aと、ブロック体5とを一体的に成形した一体型マルチホールプラグにも適用可能である。
さらに、本発明は、炉へのマルチホールプラグ10Aの据え付けに関しても影響を与えないため、鉄皮側からマルチホールプラグ10Aをセットする外挿式の炉、または炉内側から所定の位置に据え付ける内挿式の炉の何れにも、それぞれの現場の要求に応じた適切な方法で施工が可能である。
さらに、本発明は、炉へのマルチホールプラグ10Aの据え付けに関しても影響を与えないため、鉄皮側からマルチホールプラグ10Aをセットする外挿式の炉、または炉内側から所定の位置に据え付ける内挿式の炉の何れにも、それぞれの現場の要求に応じた適切な方法で施工が可能である。
<ノンカーボン耐火物のラボ試験結果>
風箱1Aを被覆する第2耐火物7をラボで試験した試験結果を表1に示す。化学組成は、ノンカーボン耐火物を構成する材料の組み合わせを示している。耐火度はJIS R 2204に基づいて評価した各耐火物の耐火度である。侵食試験装置には高周波誘導炉を用いた。溶鋼の上にC/S(塩基度)=1.0の合成スラグ200gを投入し、ノンカーボン耐火物の溶鋼及びスラグそれぞれに対する耐食性を評価した。試験条件は1600℃で15分間、及び、1700℃で15分間の2水準で行った。試験結果を○、△、×の3水準で評価した。○はほとんど侵食が見られなかったもの、△は侵食が使用上問題にならない程度であったもの、×は侵食が大きすぎて不適格と思われるものである。
風箱1Aを被覆する第2耐火物7をラボで試験した試験結果を表1に示す。化学組成は、ノンカーボン耐火物を構成する材料の組み合わせを示している。耐火度はJIS R 2204に基づいて評価した各耐火物の耐火度である。侵食試験装置には高周波誘導炉を用いた。溶鋼の上にC/S(塩基度)=1.0の合成スラグ200gを投入し、ノンカーボン耐火物の溶鋼及びスラグそれぞれに対する耐食性を評価した。試験条件は1600℃で15分間、及び、1700℃で15分間の2水準で行った。試験結果を○、△、×の3水準で評価した。○はほとんど侵食が見られなかったもの、△は侵食が使用上問題にならない程度であったもの、×は侵食が大きすぎて不適格と思われるものである。
試験結果について、耐火度がSK28以上のノンカーボン耐火物の実施例1〜9は、いずれも損傷軽微で問題ない結果であった。また、不適格であったのは、耐火度がSK28未満の比較例1及び2であった。耐用性は耐火度との相関が見られた。
本発明により風箱をノンカーボン質の耐火物組成物で被覆することで溶鋼やスラグの浸入による風箱の損傷が抑制されるとともに風箱の浸炭が抑制された。従来技術で製造したマルチホールプラグがしばしば風箱の損傷でガスリークを起こす中、本発明品は風箱の損傷によるガスリークは皆無であり、10年以上の長期にわたり継続使用されている。
なお、表1に示されている第2耐火物7の実施例1〜9の各組成は、実施の形態1のマルチホールプラグ10Aだけでなく、以下に説明されている実施の形態2〜5のマルチホールプラグ10B〜10Eにも用いられる。
本発明により風箱をノンカーボン質の耐火物組成物で被覆することで溶鋼やスラグの浸入による風箱の損傷が抑制されるとともに風箱の浸炭が抑制された。従来技術で製造したマルチホールプラグがしばしば風箱の損傷でガスリークを起こす中、本発明品は風箱の損傷によるガスリークは皆無であり、10年以上の長期にわたり継続使用されている。
なお、表1に示されている第2耐火物7の実施例1〜9の各組成は、実施の形態1のマルチホールプラグ10Aだけでなく、以下に説明されている実施の形態2〜5のマルチホールプラグ10B〜10Eにも用いられる。
<実施の形態2>
続いて、本発明の実施の形態2に係る、マルチホールプラグ10Bについて説明する。実施の形態2は、実施の形態1に対し、風箱1Bの上下寸法が異なり、風箱側面1bと風箱下面1cとだけでなく、風箱上面1aも第2耐火物7で覆われていることが異なっている。その他は同じである。なお、実施の形態2以降の実施の形態について、実施の形態1と同じ部材については、同じ符号を用い、異なる点のみ説明する。
続いて、本発明の実施の形態2に係る、マルチホールプラグ10Bについて説明する。実施の形態2は、実施の形態1に対し、風箱1Bの上下寸法が異なり、風箱側面1bと風箱下面1cとだけでなく、風箱上面1aも第2耐火物7で覆われていることが異なっている。その他は同じである。なお、実施の形態2以降の実施の形態について、実施の形態1と同じ部材については、同じ符号を用い、異なる点のみ説明する。
図3には、細管群3Bを備えるマルチホールプラグ10Bの、図2に相当する断面図が示されている。図3からわかるように、風箱1Bは、実施の形態1に対し、上下方向寸法が小さい。そうすることで、風箱上面1aも第2耐火物7で覆われている。すなわち、風箱1Bは、風箱上面1a、風箱側面1b、及び風箱下面1cの全ての外面が第2耐火物7で覆われている。また、風箱1Bの上下方向寸法が実施の形態1に対し短くなっている分、複数の細管131が長くされている。そして、風箱上面1aと、複数の細管131の風箱1Bとの接続部であるそれぞれの固定部3aは、第2耐火物7で覆われている。
風箱1Bの風箱上面1a、風箱側面1b、及び風箱下面1cの全体が第2耐火物7により覆われていることで、風箱1Bの浸炭がより抑制され、風箱1Bの損傷が抑制されて耐用がより長くされている。
<実施の形態3>
続いて、本発明の実施の形態3に係る、マルチホールプラグ10Cについて説明する。実施の形態3は、実施の形態1に対し、風箱1Cの上下方向寸法、及び水平方向寸法が小さい。それにより、風箱側面1bと風箱下面1cとだけでなく、風箱上面1aも第2耐火物7で覆われるとともに、風箱側面1bを覆う第2耐火物7の水平方向における厚さが厚くされている。風箱1Cの上下方向寸法が実施の形態1に対し短くなっている分、複数の細管131が長く形成されている。また、風箱1Cの水平方向寸法が小さくされていることに対応して、複数の配管231〜247のうち、必要に応じて、それぞれの固定部3a付近に曲がり部が設けられている。その他は同じである。
続いて、本発明の実施の形態3に係る、マルチホールプラグ10Cについて説明する。実施の形態3は、実施の形態1に対し、風箱1Cの上下方向寸法、及び水平方向寸法が小さい。それにより、風箱側面1bと風箱下面1cとだけでなく、風箱上面1aも第2耐火物7で覆われるとともに、風箱側面1bを覆う第2耐火物7の水平方向における厚さが厚くされている。風箱1Cの上下方向寸法が実施の形態1に対し短くなっている分、複数の細管131が長く形成されている。また、風箱1Cの水平方向寸法が小さくされていることに対応して、複数の配管231〜247のうち、必要に応じて、それぞれの固定部3a付近に曲がり部が設けられている。その他は同じである。
図4にはマルチホールプラグ10Cの上面における細管群3Cの配置図、図5には、細管群3Cを備えるマルチホールプラグ10Cの、図2に相当する断面図が示されている。複数の配管231〜247は、マルチホールプラグ10Cの長手方向に垂直な断面において、四角形を画定する各辺上、及びその内側に配置されている。上述のように、細管群3Cには、それぞれの固定部3a付近に曲がり部が設けられている複数の細管231〜246と、中央に配置されているまっすぐな細管247との合計17本の細管が含まれている。四角形を画定する各辺上には、1つの頂点に配置されている細管231から反時計回りに細管232から細管242が配置され、すぐその内側には細管243から細管246、さらにその内側に細管247が配置されている。
曲がり部が設けられている16本の細管231〜246は、それらの両端部の固定部3aと開口部3bとの間において、固定部3a周辺に、それぞれ2つの曲がり部が設けられている。複数の細管231〜246に設けられている2つの曲がり部とは、第1曲がり部3cと、第2曲がり部3dとである。第1曲がり部3cと、第2曲がり部3dとは、折れ部である。または、第1曲がり部3cと、第2曲がり部3dは、滑らかに湾曲する湾曲部であってもよい。または、第1曲がり部3cと、第2曲がり部3dは、何れか一方が折れ部、何れか他方が湾曲部であってもよい。第1曲がり部3cと、第2曲がり部3dとを折れ部にするか湾曲部にするかは、細管に曲がり部を形成する塑性加工、細管を鋳造する場合の鋳造時に形成する加工方法、等の加工方法の都合や、配管配列の間隔確保などの理由により決定される。すなわち、それぞれの細管の第1曲がり部3cと、第2曲がり部3dとは、個々に決定され、直管を加工して曲がり部を設けてもよいし、曲がり部を有する形状の細管を鋳造してもよい。
複数の細管231〜246は、それぞれの固定部3aのすぐ上に設けられている第1曲がり部3cにおいて、マルチホールプラグ10Cの長手方向中心軸に対して外側に曲がっており、第2曲がり部3dにおいて、マルチホールプラグ10Cの長手方向中心軸に並行となるように再度曲がっている。中央の1本の細管247は曲がり部を含まないまっすぐな細管のすぐ周囲に配置されている細管243〜246の第1曲がり部3cと、第2曲がり部3dとは、曲がりが小さい。細管243〜246の外周に配置されている細管231〜242は、曲がりが大きい。そのような構造により、小さい面積の風箱上面1aへの複数の細管231〜247の取り付けと、マルチホールプラグ10C内での複数の細管231〜247の配置とを両立させている。なお、それぞれの細管231〜246に曲がり部が2つずつ設けられている実施例を説明したが、それぞれの細管231〜246に3つ以上設けられていてもよい。
風箱1Cの水平方向寸法が小さくされ、小型化されていることで、風箱1Cの風箱側面1bを覆っている第2耐火物7の水平方向厚さが厚くされている。それによって、風箱1Cの側面からの溶鋼やスラグの浸入による影響がより少なくなり、風箱1Cの浸炭が抑制され、風箱1Cの損傷が抑制されてより長い耐用が可能とされている。
<実施の形態4>
続いて、本発明の実施の形態4に係る、マルチホールプラグ10Dについて説明する。実施の形態4は、実施の形態1に対し、風箱1Dの水平方向寸法が小さくされており、それにより、風箱側面1bを覆う第2耐火物7の水平方向における厚さが厚くされている。また、複数の配管231〜247のほとんどには、曲がり部が設けられている。その他は同じである。
続いて、本発明の実施の形態4に係る、マルチホールプラグ10Dについて説明する。実施の形態4は、実施の形態1に対し、風箱1Dの水平方向寸法が小さくされており、それにより、風箱側面1bを覆う第2耐火物7の水平方向における厚さが厚くされている。また、複数の配管231〜247のほとんどには、曲がり部が設けられている。その他は同じである。
図6には、複数の細管331〜347を含む細管群3Dを備えるマルチホールプラグ10Dの、図2に相当する断面図が示されている。なお、複数の細管331〜347の配置は、実施の形態1、及び実施の形態3に準じている。すなわち、17本の細管331〜347は、マルチホールプラグ10Dの長手方向に垂直な断面において、四角形を画定する各辺上、及びその内側に配置されている。また、複数の細管331〜347の個々の配置は、図示は省略するが、実施の形態3の図4における複数の細管231〜247の配置とそれぞれ同じである。すなわち、細管331は細管231、細管332は細管232、…、細管347は細管247のそれぞれの配置と同じである。
複数の細管331〜347は、1つの曲がり部3eを含む16本の細管331〜346と、まっすぐな細管347との合計17本の細管331〜347を有している。16本の細管331〜346は、それぞれの固定部3aと開口部3bとの間において、1つの曲がり部が設けられている。複数の細管331〜346に設けられている1つの曲がり部とは、第3曲がり部3eである。第3曲がり部3eは、直線状の細管の1点で曲がっている形状の折れ部である。または、第3曲がり部3eは、1点で曲がっている形状ではなく、滑らかに湾曲するR形状である湾曲部であってもよい。曲がり部3eを折れ部にするか湾曲部にするかは、細管に曲がり部を形成する塑性加工、細管を鋳造する場合の鋳造時に形成する加工方法、等の加工方法の都合や、配管配列の間隔確保などの理由により決定される。すなわち、それぞれの細管の第3曲がり部3eは、直管を加工して曲がり部を設けてもよいし、曲がり部を有する形状の細管を鋳造してもよい。
それぞれの固定部3aが風箱上面1aに固定されている複数の細管231〜246は、風箱上面1aに対する垂直線に対し、それぞれ所定の角度を有して固定されている。中央の1本の細管347は曲がり部を含まないまっすぐな細管であり、風箱上面1aに垂直に固定されている。中央の細管347のすぐ周囲に配置されている細管343〜細管346は、風箱上面1aに対する垂直線に対しそれぞれ外側に向けて少し角度を有して、固定されている。細管343〜細管346の外側の細管331〜細管342は、風箱上面1aに対する垂直線に対しそれぞれ外側に向けて、細管343〜細管346より大きい角度を有して、固定されている。複数の細管331〜346は、中央部分に第3曲がり部3eをそれぞれ有しており、第3曲がり部3eで曲げられていることにより、第3曲がり部3eより上の部分は、マルチホールプラグ10Dの長手方向中心軸に対し平行に延びている。
上記構造により、小さい面積の風箱上面1aへの複数の細管331〜347の取り付けと、マルチホールプラグ10D内での複数の細管331〜347の配置とを両立させている。なお、それぞれの細管331〜346に曲がり部が1つずつ設けられている実施例を説明したが、それぞれの細管331〜346に曲がり部が設けられていなくてもよい。すなわち、曲がり部がない直管に形成された複数の細管231〜246が、風箱上面1aに固定され、マルチホールプラグ10Dの長手方向中心軸に対し、上端の開口部3bが外側に向けてそれぞれ所定の角度を有して固定されていてもよい。
風箱1Dの水平方向寸法が小さくされ、小型化されていることで、風箱1Dの風箱側面1bを覆っている第2耐火物7の水平方向厚さが厚くされている。それによって、風箱1Dの側面からの溶鋼やスラグの浸入による影響がより少なくなり、風箱1Dの浸炭が抑制され、風箱1Dの損傷が抑制されてより長い耐用が可能とされている。
<実施の形態5>
続いて、本発明の実施の形態5に係る、複数の配管431〜447を有する細管群10Eを備えるマルチホールプラグ10Eについて説明する。実施の形態5は、実施の形態1に対し、風箱1Dの水平方向寸法が小さくされており、それにより、風箱側面1bを覆う第2耐火物7の水平方向における厚さが厚くされている。また、細管群3Eは、曲がり部が設けられている細管を含んでいる。その他は同じである。
続いて、本発明の実施の形態5に係る、複数の配管431〜447を有する細管群10Eを備えるマルチホールプラグ10Eについて説明する。実施の形態5は、実施の形態1に対し、風箱1Dの水平方向寸法が小さくされており、それにより、風箱側面1bを覆う第2耐火物7の水平方向における厚さが厚くされている。また、細管群3Eは、曲がり部が設けられている細管を含んでいる。その他は同じである。
図7には、複数の配管431〜447を有する細管群3Eを備えるマルチホールプラグ10Eの、図2に相当する断面図が示されている。なお、複数の細管431〜447の配置は、実施の形態1、及び実施の形態3に準じている。すなわち、17本の細管431〜447は、マルチホールプラグ10Eの長手方向に垂直な断面において、四角形を画定する各辺上、及びその内側に配置されている。また、複数の細管431〜447の個々の配置について、図示は省略するが、実施の形態3の図4における複数の細管231〜247の配置とそれぞれ同じである。すなわち、細管431は細管231、細管432は細管232、…、細管447は細管247のそれぞれの配置と同じである。
複数の細管431〜447は、1つの曲がり部3eを含む12本の細管431〜442と、ジグザグ部3fを含む4本の細管343〜346と、まっすぐな1本の細管347との合計17本の細管431〜447を有している。12本の細管331〜342は、それぞれの固定部3aと開口部3bとの間において、1つの曲がり部が設けられている。複数の細管331〜342に設けられている1つの曲がり部とは、第3曲がり部3eである。第3曲がり部3eは、折れ部である。または、第3曲がり部3eは、滑らかに湾曲するR形状である湾曲部であってもよい。
ジグザグ部3fは、図7に示されているように、直線状の細管の連続した複数個所において、細管が内向き及び外向きに小刻みに繰り返し曲げられて形成されている曲がり部である。ジグザグ部3fは、複数の細管のうち、中心の446と、最外周の12本との間に配置された4本の細管443〜446の中間部と上端部との間に形成されている。各々のジグザグ部3fは、第1耐火物4に覆われている。また、ジグザグ部3fは、折れ部ではなく、各々の曲がり箇所が滑らかに湾曲するR形状である湾曲部であってもよい。第1耐火物4内にジグザグ部3fが存在することで、第1耐火物4に亀裂、等が発生した時にも、第1耐火物4を保持することができ、その結果、マルチホールプラグ10Eの寿命を延ばすことができる。
曲がり部3eとジグザグ部3fとを折れ部にするか湾曲部にするかは、細管に曲がり部を形成する塑性加工、細管を鋳造する場合の鋳造時に形成する加工方法、等の加工方法の都合や、配管配列の間隔確保などの理由により決定される。すなわち、それぞれの細管の第3曲がり部3e、及びジグザグ部3fは、直管を加工して第3曲がり部3e、またはジグザグ部3fを設けてもよいし、第3曲がり部3e、またはジグザグ部3fを有する形状の細管を鋳造してもよい。
それぞれの固定部3aが風箱上面1aに固定されている複数の細管431〜446は、風箱上面1aに対する垂直線に対し、それぞれ所定の角度を有して固定されている。中央の1本の細管447は曲がり部を含まないまっすぐな細管であり、風箱上面1aに垂直に固定されている。中央の細管447のすぐ周囲に配置されている細管443〜細管446は、風箱上面1aに対する垂直線に対しそれぞれ外側に向けて少し角度を有して、固定されている。細管443〜細管446の外側の細管431〜細管442は、風箱上面1aに対する垂直線に対しそれぞれ外側に向けて、細管443〜細管446より大きい角度を有して、固定されている。細管443〜細管446は、各々の中央部分から上端である各々の開口部3bの周辺まで、ジグザグ部3fをそれぞれ有している。ジグザグ部3fは、図7に示されているように、細管443〜細管446が内向き及び外向きに小刻みに折れ曲がって形成されている部分である。また、最外周に配置されている12本の細管431〜細管442は、中央部に第3曲がり部3eをそれぞれ有している。風箱上面1aから角度を有して上方に延びて固定されている複数の細管431〜細管442は、第3曲がり部3eで曲げられていることにより、第3曲がり部3eより上の部分は、風箱上面1aに対する垂直線に対し平行に延びている。
上記構造により、小さい面積の風箱上面1aへの複数の細管431〜447の取り付けと、マルチホールプラグ10D内での複数の細管431〜447の配置とを両立させている。また、ジグザグ部3fを設けることで、第1耐火物4等のマルチホールプラグ10Eに亀裂が生じても、第1耐火物4等の剥離、または脱落が容易に起こらないようにすることができ、長寿命のマルチホールプラグ10Dを備えた底吹きプラグを提供できる。
なお、細管431〜442に第3曲がり部3eが設けられ、細管443〜446にジグザグ部3fがそれぞれ設けられている実施例を説明したが、上記以外の第3曲がり部3eとジグザグ部3fとの細管への配置でもよい。すなわち、複数の細管431〜447のそれぞれが、第3曲がり部3e、及び/またはジグザグ部3fを有していてもよい。例えば、中央の細管447がジグザグ部3fを有し、その他の細管431〜446が第3曲がり部3eを有していてもよい。
本発明に係るマルチホールプラグ10Aは、導入管2と、風箱1Aと、配管群3Aと、配管群3Aを埋設して形成されている第1耐火物4と、風箱1Aの少なくとも一部を覆って形成されている第2耐火物7と、を備え、第2耐火物7は耐火度がSK28以上のノンカーボン耐火物であり、風箱側面1bと風箱下面1cとは、第2耐火物7で覆われているマルチホールプラグである。
したがって、目地から浸入した溶融金属やスラグによる風箱の溶解、及びカーボン含有れんがによる風箱への浸炭と脆化を解決し、耐用や機能を損なうことなく安定して使用できる長寿命のマルチホールプラグを備えた底吹きプラグを得ることができる。
1A〜1F 風箱、1a 風箱上面、1b 風箱側面、1c 風箱下面、2 導入管、2a 接続部、3A〜3F 細管群、3a 固定部、3b 開口部、3c 第1曲がり部、3d 第2曲がり部、3e 第3曲がり部、3f ジグザグ部、4 第1耐火物、7 第2耐火物、31,131,231〜247,331〜347,431〜447 細管。
Claims (4)
- 一方端に接続部を有し、溶融金属を撹拌するガスが流れる導入管と、
前記接続部が接続され、風箱上面と風箱側面と風箱下面とを有し、内部が中空に形成されている風箱と、
一方端に固定部と、他方端に開口部とを有し、前記風箱の内部と連通した状態で各々の固定部が風箱に固定されている中空の複数の細管を有する配管群と、
前記複数の細管の少なくとも一部を埋設して形成されている第1耐火物と、
前記風箱の少なくとも一部を覆って形成されている第2耐火物と、を備えるマルチホールプラグであって、
前記第2耐火物は耐火度がSK28以上のノンカーボン耐火物であり、前記風箱側面と前記風箱下面とは、前記第2耐火物で覆われているマルチホールプラグ。 - 前記風箱上面が前記第2耐火物で覆われている、請求項1に記載のマルチホールプラグ。
- 前記配管群には、1つ以上の曲がり部を設けられている細管が少なくとも1つ含まれており、前記1つ以上の曲がり部は前記第2耐火物に覆われている請求項1または2の何れか一項に記載されたマルチホールプラグ。
- 前記配管群には、1つ以上のジグザグ部を設けられている細管が少なくとも1つ含まれており、前記1つ以上のジグザグ部は前記第1耐火物に覆われている請求項1〜3の何れか一項に記載されたマルチホールプラグ。
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2020
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