JP2021110412A - 軸受装置及び信号処理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、軸受を使用する各種装置・機械に対する市場のニーズは、ますます高度化・多様化している。したがって重要な機械要素である軸受に対しても同様である。例えば、ロボットの関節部、工作機械スピンドル、風力発電機等に使用される軸受に対しては、より高度な作動制御を行うために、荷重だけでなく、軸受(回転軸)の回転角度の検出も期待されている。しかしながら、特許文献1には、磁歪型センサを用いて軸受の荷重を検出する技術は開示されているが、軸受(回転軸)の回転角度の検出する技術は開示されていない。
そこで、本発明は、応力集中を発生することなく、歪み検出を行うことができる軸受装置を提供することを目的とする。また、本発明は、歪み検出部を用いて回転軸の回転角度を検出できる信号処理装置を提供することを目的とする。
回転軸にアキシャル荷重が作用した場合に、外輪を保持する構造体に接触していない端面部分は、当該端面部分に垂直な方向に歪むことができる。歪み検出部は、当該端面部分に設けられているので、この歪みを検出することができる。外輪に孔を設けずに歪み検出部を設けたので、外輪には応力集中が発生しない。
前記複数の歪み検出部は、前記複数の転動体の周方向ピッチの1/nの間隔で設けられてもよい。nは、例えば、3以上の整数である。前記nが3の場合、前記複数の歪み検出部は、3つの歪み検出部である。前記nが4の場合、前記複数の歪み検出部は、例えば、2つまたは4つの歪み検出部である。
前記複数の歪み検出部の各々は、例えば、金属薄膜または半導体歪みゲージから構成される。金属薄膜は、例えば、Cr、Cr−N、CrAlB、CrAl、NiCr及びCrMnのいずれかを含む。
なお、本発明の範囲は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
図1は、本実施形態における軸受の回転角度を検出する信号処理システム1の全体図である。本実施形態では、軸受10に歪み検出部としての歪みゲージ20を取り付けて、軸受10の回転角度(回転軸12の回転角度)を検出する場合を説明する。歪みゲージ20は軸受10の回転角度を検出するので、軸受角度センサと称することもできる。軸受10は、例えば、ボールベアリングである。信号処理システム1の主な構成要素は、軸受10に取付けられた歪みゲージ20と、歪みゲージ20の出力信号を処理する信号処理装置33である。
軸受10の外輪16の右端面16aは、フランジ部28の内側面28aに当接しており、図1において右方向に変形することができない。軸受10の外輪16の外周面16bは、ハウジング30の円筒部26の内周面26aに当接しており、径方向外側に変形することができない。軸受10の外輪16の左端面16cは、ハウジング30に接触していないので、図1において左方向に変形することができる。より詳しくは、軸受10の外輪16の左端面16cは、左方向に凸及び凹に変形することができる。ハウジング30は、外輪16を保持する構造体であると言える。また、左端面16cは、ハウジング30(構造体)に非接触な部分と言える。
図2は、歪みゲージ20とその近傍の拡大図である。図1及び図2に示すように、歪みゲージ20は外輪16の左端面16cに取付けられている。よって、軸受10の外輪16の左端面16cが紙面左方向に凸に変形すると、歪みゲージ20も紙面左方向に凸に変形する。また、軸受10の外輪16の左端面16cが紙面右方向に凹に変形すると、歪みゲージ20も紙面右方向に凹に変形する。本実施形態では、歪みゲージ20は、外輪16の左端面16cに、接着剤により貼り付けられている。
図1に示すように、軸受10から離れた所に信号処理装置33が設けられている。信号処理装置33からはケーブル34が延びている。ケーブル34は、例えば、シールドケーブルである。図2に示すように、ケーブル34は、ケース32の穴32aを通って、ケース32の中に延びている。ケース32には、当該穴32aを塞ぐシール35が設けられている。ケーブル34はシール35を貫通して延びている。
あるいは、歪みゲージ20として、半導体歪みゲージを使用してもよい。半導体歪みゲージは、金属薄膜で構成した歪みゲージより、ゲージ率が高い。
図3に示すように、2つの歪みゲージ20A、20Bが、軸受10の外輪16の左端面16cに設けられている。本実施形態では、歪みゲージ20Aと20Bの間隔は、転動体18のピッチθの1/4である。各歪みゲージ20A、20Bは、外輪16の左端面16cに設けられて、当該左端面16cの凸変形に伴い、図3の紙面垂直方向に凸に変形することができ、当該左端面16cの凹変形に伴い、図3の紙面垂直方向に凹に変形することができる。図3において軸受10の内輪14と転動体18は、矢印Cで示すように、反時計回りに回転するとする。以下の記載では、歪みゲージ20Aを第1歪みゲージと称し、歪みゲージ20Bを第2歪みゲージと称する。
図1及び図4に示すように、回転軸12には左方向から回転中心軸J1方向に力Fが作用するとする。力Fの一部は、軸受10に対して、図4に示すように、アキシャル荷重AXとして作用する。
アキシャル荷重AXが作用している状態で、図3に示すように、転動体18が第1歪みゲージ20Aを通過すると、ハウジング30に拘束されていない外輪左端面16cが図4の左方向に凸に変形する。当該変形に伴い、第1歪みゲージ20Aも図4の左方向に凸に変形する。これを図3で説明すると、図3に示した第1歪みゲージ20Aが紙面垂直方向に凸に変形することになる。
転動体18が、さらにθ/4ピッチ反時計回りに進むと、第2歪みゲージ20Bが位置する外輪左端面16cと第2歪みゲージ20Bは、凸変形から元の状態に戻り、第1歪みゲージ20Aが位置する外輪左端面16cと第1歪みゲージ20Aは、紙面垂直方向に凹に変形する。このように、外輪左端面16cの表面変形は、θ/4毎に凸、平ら、凹、平らを繰り返し、第1歪みゲージ20A及び第2歪みゲージ20Bの各々も、同様な変形を繰り返す。
入力部44は、ボタン、スイッチ、タッチパネル等からなり、ユーザは入力部44を介して各種入力等を行う。ユーザは、信号処理装置33を操作する際に、入力部44を使用する。入力部44は、操作部と称することもできる。
記憶部46は、HDD、ROM、RAM、ICメモリカード等により構成され、制御部45が実行する制御プログラムや軸受10の回転角度を計算するためのアルゴリズム等の各種情報を記憶する。リサージュ曲線Rの生成や、軸受10の回転角度の計算は、記憶部46に記憶された制御プログラムを制御部45が実行することにより行われる。尚、本実施形態では、軸受10の回転角度を計算した後に、当該角度に基づいて、軸受10の回転速度(回転軸12の回転速度)を計算することもできる。
受信部48は、ケーブル34を介して、歪みゲージ20の出力信号を受け取る。
上記したように、本実施形態によれば、歪みゲージ20A、20Bの出力信号に基づいて、軸受10の回転角度(回転軸12の回転角度)を取得することができる。つまり、軸受10の回転角度は、回転角度センサを用いずに取得することができる。また、図5のリサージ曲線Rに基づいて、回転軸12の回転方向を特定することもできるし、回転軸12の回転速度を算出することもできる。
また、転動体の1ピッチθの中で、4つの歪みゲージをθ/4間隔で設けてもよい。4つの歪みゲージ20を設ける場合を、実施形態2として後述する。
さらに、図8に示すように、2つの歪みゲージ20A、20Bを転動体の1ピッチθの中でθ/4間隔で設けると共に、別の1ピッチθの中で、2つの歪みゲージ20Aa及び20Bbをθ/4間隔で設けてもよい。このようにすると、歪みゲージ20A、20Bが故障した際に、もう一対の歪みゲージ20Aa及び20Bbから得られる信号を用いて、軸受10の回転角度を検出することができる。
軸受10はボールベアリングではなく、円錐ころ軸受でもよい。また、回路基板38から信号処理装置33へ信号を伝達するために、ケーブル34により回路基板38を信号処理装置33に接続したが、回路基板38と信号処理装置33を無線で接続してもよい。
転動体の1ピッチθの中で、4つの歪みゲージをθ/4間隔で設ける場合を、実施形態2として説明する。実施形態1と同様な構成には同じ参照符号を付け、詳細な説明は省略する。
図9は実施形態2による軸受10と歪みゲージ20(20A、20B、20C、20D)を示す図である。実施形態1との相違点は、第2歪みゲージ20Bの左横に第3歪みゲージ20Cを設け、第3歪みゲージ20Cの左横に第4歪みゲージ20Dを設けたことである。第2歪みゲージ20Bと第3歪みゲージ20Cの間隔はθ/4であり、第3歪みゲージ20Cと第4歪みゲージ20Dの間隔もθ/4である。第3歪みゲージ20C及び第4歪みゲージ20Dは、軸12の外輪16の左端面16cに設けられている。
Claims (8)
- 回転軸の外周に固定される内輪と、
前記内輪の径方向外側に設けられた複数の転動体と、
前記転動体の径方向外側に設けられて、前記内輪との間に前記転動体を回転可能に挟持する外輪と、を備える軸受装置であって、
前記外輪は、前記回転軸の回転中心軸の方向に第1端面と、前記第1端面の反対側の端面となる第2端面を有し、前記第1端面と前記第2端面の少なくとも一方は、前記外輪を保持する構造体に非接触な部分を有し、
前記軸受装置は、前記構造体に非接触な部分に、前記回転軸の周方向に所定間隔をおいて設けられた複数の歪み検出部を備えることを特徴とする軸受装置。 - 回転軸の外周に固定される内輪と、
前記内輪の径方向外側に設けられた複数の転動体と、
前記転動体の径方向外側に設けられて、前記内輪との間に前記転動体を回転可能に挟持する外輪と、を備える軸受装置であって、
前記内輪は、前記回転軸の回転中心軸の方向に第1端面と、前記第1端面の反対側の端面となる第2端面を有し、前記第1端面と前記第2端面の少なくとも一方は、前記内輪を保持する構造体に非接触な部分を有し、
前記軸受装置は、前記構造体に非接触な部分に、前記回転軸の周方向に所定間隔をおいて設けられた複数の歪み検出部を備えることを特徴とする軸受装置。 - 前記複数の歪み検出部は、前記複数の転動体の周方向ピッチの1/nの間隔で設けられ、nは3以上の整数であることを特徴とする請求項1または2に記載の軸受装置。
- 前記nが4の場合、前記複数の歪み検出部は、2つの歪み検出部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の軸受装置。
- 前記nが4の場合、前記複数の歪み検出部は、4つの歪み検出部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の軸受装置。
- 前記複数の歪み検出部の各々は、金属薄膜または半導体歪みゲージからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の軸受装置。
- 前記複数の歪み検出部の各々が金属薄膜からなる場合、当該金属薄膜はCr、Cr−N、CrAlB、CrAl、NiCr及びCrMnのいずれかを含むことを特徴とする請求項6に記載の軸受装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の軸受装置に有線または無線で接続されて、前記軸受装置の複数の歪み検出部が検出する検出値を取得する取得部と、
前記取得部で取得した前記検出値に基づいて、前記回転軸の回転角度を算出する算出部と、
を備えることを特徴とする信号処理装置。
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