JP2016053349A - 回転機械の振動制御方法、回転機械システム、制御装置および回転機械 - Google Patents

回転機械の振動制御方法、回転機械システム、制御装置および回転機械 Download PDF

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Abstract

【課題】回転機械においてロータが高速に回転する場合でも振動を軽減させられるようにする。【解決手段】回転軸を中心に回転するロータと、前記ロータの外周に設けられたステータと、前記ステータの内部に設けられ、前記ロータに対向して配置された加熱装置と、を備える回転機械の振動抑制方法でにおいて、センサにより前記ロータの振動を検出し、検出された前記振動に基づき、前記ロータの振動周期に応じた周期で、前記加熱装置で前記ロータを加熱するための位相及び加熱量を算出し、算出された位相及び加熱量に基づき、前記加熱装置により前記ロータを加熱して変形させる。【選択図】図2

Description

本発明は、回転機械の振動制御方法、回転機械システム、制御装置および回転機械に関する。
タービンやコンプレッサなど、回転機械の振動制御に関連して幾つかの技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、励磁コイルを収容するコア部とクラッチロータとを間隙を介して配置するとともに、該励磁コイルに電力を供給して該クラッチロータを圧縮機駆動軸に連結する圧縮機の構造が記載されている。この圧縮機の構造においては、コア部を圧縮機用ハウジングに弾性部材を介して振動自在に取付けるとともに、該圧縮機用ハウジングに機械振動を検知する振動センサを設け、該振動センサの検知信号に基づき該機械振動と逆方向に前記コア部が振動するよう該励磁コイルに電力を供給する制御手段を設ける、圧縮機の制振構造が記載されている。
特許文献1では、このような構成により、機械振動を確実に減衰することができる、とされている。
実開平4−13845号公報
回転機械のロータを高速で回転させる場合、ロータにおける重量分布のアンバランスなどの要因により、ロータの単位時間あたりの回転数の変化につれて振動振幅が変化する場合がある。振動振幅が大きくなると、ロータと静止部品との接触、あるいは、軸受け損傷などにより、回転機械の運転継続が不可能になる場合がある。
ここで、回転機械の振動を軽減するために、回転機械の運転前に、ロータに重りを付けるなどしてロータにおける重量分布のバランスをとる方法がある。しかしながら、回転機械の運転前にロータにおける重量分布のバランスをとった場合でも、例えば運転中にロータに水滴が付着して局所的に冷却されるなどにより振動振幅が変化する場合がある。
また、特許文献1に記載の技術など、人為的に振動を発生させることで振動を打ち消す技術を、ロータが高速に回転する回転機械に適用するためには、ロータを回転の位相に応じて短周期で高精度に振動させる必要がある。しかしながら、ロータの慣性力により、ロータを短周期で振動させるためには大きな力が必要となる。このため、人為的に振動を発生させることで振動を打ち消す技術を、ロータが高速に回転する回転機械に適用することは技術的に困難である。
本発明は、ロータが高速に回転する場合でも振動を軽減させることのできる、回転機械の振動制御方法、回転機械システム、制御装置および回転機械を提供する。
本発明の第1の態様によれば、回転機械の振動制御方法は、回転軸を中心に回転するロータと、前記ロータの外周に設けられたステータと、前記ステータの内部に設けられ、前記ロータに対向して配置された加熱装置と、を備える回転機械の振動抑制方法であって、センサにより前記ロータの振動を検出し、検出された前記振動に基づき、前記ロータの振動周期に応じた周期で、前記加熱装置で前記ロータを加熱するための位相及び加熱量を算出し、算出された位相及び加熱量に基づき、前記加熱装置により前記ロータを加熱して変形させる。
前記センサは、前記ロータの振動の振幅および位相を測定するようにしてもよい。
前記加熱装置は、誘導加熱コイルを備えるようにしてもよい。
前記加熱装置は、レーザ加熱装置を備えるようにしてもよい。
本発明の第2の態様によれば、回転機械システムは、回転軸を中心に回転するロータと、前記ロータの外周に設けられたステータと、前記ステータの内部に設けられ、前記ロータに対向して配置された加熱装置と、前記ロータの振動を検出するセンサと、検出された前記振動に基づき、前記ロータの振動周期に応じた周期で、前記加熱装置で前記ロータを加熱するための位相及び加熱量を算出する演算部と、算出された位相及び加熱量に基づき、前記加熱装置による前記ロータの加熱を制御する加熱制御部と、を備える。
本発明の第3の態様によれば、制御装置は、回転軸を中心に回転するロータと、前記ロータの外周に設けられたステータと、前記ステータの内部に設けられ、前記ロータに対向して配置された加熱装置と、前記ロータの振動を検出するセンサと、を備える回転機械を制御する制御装置であって、検出された前記振動に基づき、前記ロータの振動周期に応じた周期で、前記加熱装置で前記ロータを加熱するための位相及び加熱量を算出する演算部と、算出された位相及び加熱量に基づき、前記加熱装置による前記ロータの加熱を制御する加熱制御部と、を備える。
本発明の第4の態様によれば、回転機械は、回転軸を中心に回転するロータと、前記ロータの外周に設けられたステータと、前記ステータの内部に設けられ、前記ロータに対向して配置された加熱装置と、前記ロータの振動を検出するセンサと、を備え、前記加熱装置は、検出された前記振動に基づいて算出された位相及び加熱量に基づき、前記ロータの振動周期に応じた周期で前記ロータを加熱して変形させる。
上記した回転機械の振動制御方法、回転機械システム、制御装置および回転機械によれば、ロータが高速に回転する場合でも振動を軽減させることができる。
本発明の一実施形態における回転機械の概略構造の例を示す説明図である。 同実施形態における回転機械システムの機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態における回転機械の運転レンジの例を示す説明図である。 同実施形態におけるロータに水滴が付着する位置の例を示す説明図である。 同実施形態におけるロータの冷却による弾性変形の例を示す説明図である。 同実施形態におけるロータの冷却による塑性変形の例を示す説明図である。 同実施形態における誘導加熱コイルの設置位置の例を示す説明図である。 同実施形態におけるロータの加熱による弾性変形の例を示す説明図である。 同実施形態におけるロータの加熱による塑性変形の例を示す説明図である。 同実施形態におけるロータの振動の振幅および位相の例を示す説明図である。 同実施形態における回転機械システムがロータの振動を軽減させる処理手順の例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態における回転機械の概略構造の例を示す説明図である。回転機械100は、例えばタービンまたはコンプレッサなど、ロータが例えばロータの端部にて軸受に支持されて回転する回転機械である。図1では、回転機械100の例として抽気タービンの概略構造を示している。
図1において、回転機械100は、ロータ110とステータ120とを含んで構成され、ロータ110は軸111と、動翼112とを含んで構成されている。また、ロータ110の外周にステータ120が設けられており、ステータ120は、軸受121にてロータ110を支持している。また、ステータ120は、仕切り板122を含んで構成されている。
ロータ110は、ロータ110自らの長手方向の回転軸を中心に回転する。
ステータ120は、ロータ110の外周に設けられる。特に、ステータ120は、軸受121にてロータ110を回転可能に支持する。
図2は、回転機械システム1の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、回転機械システム1は、回転機械100と、制御装置200とを備える。また、図2では、回転機械100の備える各部のうち、センサ130と、加熱装置140とが記載されている。センサ130は、振動計131と位相トリガー132とを備える。加熱装置140は、誘導加熱コイル141を備える。制御装置200は、演算部210と、加熱制御部220とを備える。
センサ130は、振動計131と位相トリガー132とを含んで構成され、ロータ110の振動を検出する。具体的には、センサ130は、振動計131にてロータ110の振動振幅(振動の大きさ)を検出し、位相トリガー132にて振動振幅の位相(ロータ110の回転角度における位置)を検出する。これにより、センサ130は、ロータ110の1周のうち振動が最も大きくなる回転角度および当該回転角度における振動の大きさを検出する。ここでいう振動は、ステータ120に対するロータ110の位置の変化である。また、ここでいう位相は、ロータ110の回転角度である。
なお、振動計131はロータ110の振動の大きさを測定可能なものであればよく、様々な方式のものを用いることができる。例えば、振動計131がロータに固定して設置され、振動計131からロータまでの距離の変位を測定するようにしてもよい。
また、位相トリガー132はロータ110の回転角度を測定可能なものであればよく、様々な方式のものを用いることができる。例えば、位相トリガー132が、ロータ110の回転角度を直接測定するようにしてもよいし、ロータ110の回転速度を測定して積分することで回転角度を求めるようにしてもよい。
加熱装置140は、ステータ120の内部に設けられ、ロータ110に対向して配置されて、ロータ110を部分的に加熱する。具体的には、加熱装置140は誘導加熱コイル141を備え、ロータ110のうち、加熱制御部220に指示される位相の部分を、誘導加熱コイル141に高周波電流を流して電磁誘導にて加熱する。すなわち、加熱装置140は、誘導加熱コイル141に高周波電流を流して磁界を発生させ、当該磁界によりロータ110に渦電流を発生させることでロータ110を加熱する。
但し、加熱装置140がロータ110を加熱する方法は、誘導加熱コイルを用いる方法に限らない。例えば、加熱装置140がレーザ加熱装置を備えるようにしてもよい。ここでいうレーザ加熱装置は、加熱対象物にレーザ光を照射することでレーザ光を照射された部分を加熱する装置である。
制御装置200は、加熱装置140を制御して、ロータ110を部分的に加熱させる。制御装置200は、例えばコンピュータを用いて構成される。
演算部210は、センサ130が検出するロータ110の振動に基づき、ロータ110の振動周期に応じた周期で、加熱装置140でロータ110を加熱するための位相及び加熱量を算出する。
加熱制御部220は、演算部210が算出した位相及び加熱量に基づき、加熱装置140によりロータ110を加熱して振動を抑制する。
次に、図3〜図6を参照して、回転機械100の振動について説明する。まず、図3を参照して回転機械100の運転レンジについて説明し、図4〜図6を参照して、回転機械100の運転中における振動の変化について説明する。
図3は、回転機械100の運転レンジの例を示す説明図である。ここでいう運転レンジR11は、回転機械100が起動を完了して通常運転の動作を行うときのロータ110の回転速度(単位時間あたりの回転数)の範囲である。
図3に示すグラフは、ロータ110の回転速度と振動振幅との関係の例を示しており、横軸は回転速度を示し、縦軸は振動振幅を示す。また、点P11は、回転機械100の1次固有値モードを示し、点P12は、回転機械100の2次固有値モードを示している。1次固有値モード、2次固有値モードは、それぞれ1次固有振動数、2次固有振動数で振動する状態を示しており、いずれもロータ110の振動振幅が大きくなる。
回転機械100は、これら固有値モードを避ける回転速度で運転するよう設計されており、これにより、ロータ110の振動振幅の抑制が図られている。なお、図3では、回転機械100が2次固有値モードよりも高い回転速度を運転レンジR11とする例を示しているが、回転機械100の運転レンジはこれに限らず、固有値モードを避ける回転速度に設定されていればよい。例えば、回転機械100の運転レンジが、1次固有値モードの回転速度より大きく2次固有値モードの回転速度よりも小さい範囲に設定されていてもよい。
図4は、ロータ110に水滴が付着する位置の例を示す説明図である。同図において、ロータ110の点P21の位置に水滴が付着している。
ここで、回転機械100の運転中にロータ110に水滴が付着することは予定されていない。例えば上流からのドレンキャリーオーバーなど何らかの理由でロータ110の一部に水滴が付着すると、運転時においてロータ110が高温になっていることから、ロータ110が変形して振動振幅が増大する場合がある。特に、ロータ110の回転における位相に関して部分的に水滴が付着することで、ロータ110が変形しロータ110の振動が変化することが考えられる。
図5は、ロータ110の冷却による弾性変形の例を示す説明図である。同図は、点P21の位置に水滴が付着した場合に、水滴の付着した位置がくぼむようにロータ110が折れ曲がる弾性変形を示している。図5において、水滴が付着した点P21の部分が局所的に冷却されて収縮し、当該収縮により点P21の側がくぼむようにロータ110が一時的に折れ曲がる変形が生じている。
図6は、ロータ110の冷却による塑性変形の例を示す説明図である。同図は、点P21の位置に水滴が付着した場合に、水滴の付着した位置が出っ張るようにロータ110が折れ曲がる塑性変形を示している。
図5の例において点P21の部分が収縮した際、当該点P21の部分の組織と周囲の組織とが互いに引っ張りあう。その際の張力が降伏点を超える場合、ロータ110に塑性変形が生じる。ロータ110への加熱などにより点P21の部分の温度が周囲の温度と同様になると、点P21の部分の収縮は解消され、塑性変形によるロータ110の変形が表れる。塑性変形では、点P21の側が出っ張るようにロータ110が変形している。
次に、図7〜図11を参照して、誘導加熱コイル141でロータ110を加熱することによる振動制御について説明する。まず、図7を参照して誘導加熱コイル141の設置位置について説明し、図8〜図9を参照して、誘導加熱コイル141でロータ110を加熱することによるロータ110の変形について説明する。また、図10を参照してロータ110振動の変化について説明する。そして、図11を参照して、回転機械システム1がロータ110の振動を制御する動作について説明する。
図7は、誘導加熱コイル141の設置位置の例を示す説明図である。同図の例では、2つの誘導加熱コイル141が、2つの軸受121の間に、ロータ110に対向して設けられている。但し、誘導加熱コイル141の数は同図に示す2つに限らず1つ以上であればよい。
また、誘導加熱コイル141の設置位置は、ロータ110を変形可能な様々な位置とすることができる。ロータ110の振動を変化させ易くする観点からは、誘導加熱コイル141が、2つの軸受121の間の中心に比較的近い位置に設置されることが好ましい。例えば、2つの誘導加熱コイル141が用いられる場合、図7の例のように、2つの軸受121各々から、距離D11、距離D12だけ他方の軸受の側に寄った位置に誘導加熱コイル141を設置する。距離D11および距離D12は、いずれも、例えばロータ110の構造およびステータ120の構造等に基づいて任意に設定可能である。また、図1の例の場合、誘導加熱コイル141は、例えば軸111に対向するように仕切り板122に取り付けられるなど、軸111に近い位置に取り付けられる。これにより、誘導加熱コイル141に電流を流すことで、ロータ110の軸111を加熱することができる。
また、図7においてセンサ130の設置位置の例が示されている。センサ130の設置位置は、ロータ110の振動の振幅および位相を検出可能な位置であればよい。
図8は、ロータ110の加熱による弾性変形の例を示す説明図である。同図は、誘導加熱コイル141が点P31の部分および点P32の部分を加熱した場合に、加熱された部分が出っ張るようにロータ110が折れ曲がる弾性変形を示している。回転機械100の運転中に、加熱装置140が、加熱制御部220の制御に従って、ロータ110の回転に応じて誘導加熱コイル141の電流の入(on)、切(off)を繰り返すことで、ロータ110の、ある位相の部分のみを加熱することができる。
図8の例では、点P31および点P32の位置が誘導加熱コイル141に対向する位置となる位相で、加熱制御部220が誘導加熱コイル141に電流を流すことで、当該位相の部分のみを加熱している。その結果、点P31の付近および点P32の付近が熱せられて膨張し、点P31および点P32の側が出っ張るようにロータ110が一時的に変形している。例えば図6の例のようにロータ110が変形している場合、出っ張っている点P21と反対側の位相の部分を加熱して出っ張らすように弾性変形させることで、ロータ110の回転軸からのずれを小さくしてロータ110の振動振幅を軽減させることができる。
図8を参照して説明したように、ロータ110を加熱して弾性変形させることで、ロータ110の振動振幅を軽減させることができる。あるいは、ロータ110を加熱して、塑性変形によるロータにおける重量分布のアンバランスを軽減させるような塑性変形をさせることで、ロータ110の振動振幅を軽減させるようにしてもよい。
図9は、ロータ110の加熱による塑性変形の例を示す説明図である。同図は、誘導加熱コイル141が点P31の部分および点P32の部分を加熱した場合に、加熱された部分がくぼむようにロータ110が折れ曲がる塑性変形を示している。
図8の例において点P31の部分および点P32の部分が膨張した際、当該点P31の部分、点P32の部分が、それぞれ周囲の部分と互いに押し合う。その際の押す力が降伏点を超える場合、ロータ110に塑性変形が生じる。誘導加熱コイル141によるロータ110の加熱をやめて点P31の部分および点P32の部分の温度が周囲の温度と同様になると、点P31の部分の膨張、点P32の部分の膨張のいずれも解消され、塑性変形によるロータ110の変形が表れる。塑性変形では、点P31および点P32の側がくぼむようにロータ110が変形している。
例えば図6の例のようにロータ110が変形している場合、出っ張っている点P21と同じ位相の部分を加熱してくぼませるように弾性変形させることで、ロータ110の回転軸からのずれを小さくしてロータ110の振動振幅を軽減させることができる。
図10は、ロータ110の振動の振幅および位相の例を示す説明図である。同図において、点xは、誘導加熱コイル141によるロータ110の加熱を行っていない状態での、ロータ110の振動の位相および振幅の例を示している。なお、以下では、誘導加熱コイル141によるロータ110の加熱を行っていない状態でのロータ110の振動を、ロータ110の初期振動と称する。
ロータ110の初期振動の振幅をrとし、当該振幅を示す位相をθとすると、点xの座標は、極座標表示にて(r,θ)と表される。また、ベクトルbは、点xから原点Oへと向かうベクトルである。この原点Oは、ロータ110の振動振幅0を示している。そこで、ロータ110の初期振動に対してベクトルbだけ変化させ、ロータ110の振動を原点Oにて示される振動とする(あるいは、当該振動に近づける)ことが望ましい。以下では、ロータ110の振動を原点Oにて示される振動に変化させるベクトルを修正ベクトルと称する。
また、点xは、誘導加熱コイル141にて試験的にロータ110を加熱した状態での、ロータ110の振動の例を示している。点xの座標は、極座標表示にて(r,θ)と表される。また、ベクトルaは、点xから点xへと向かうベクトルである。このベクトルaは、ロータ110への加熱による初期振動からのロータ110の振動の変化を示している。以下では、ロータ110への加熱による振動の変化を示すベクトルを影響ベクトルと称する。
ここで、演算部210は、試験的にロータ110を加熱する前後の振動の変化の大きさに基づいて、ロータ110の振動を軽減させるために誘導加熱コイル141に流す電流の大きさを算出する。
例えば、振動の変化の大きさが誘導加熱コイル141の電流の大きさに比例する場合、演算部210は、点xにて示される状態での誘導加熱コイル141の電流をベクトルaの大きさで除算してベクトルbの大きさを乗算する。これにより、演算部210は、ロータ110の振動を点xの状態からベクトルbだけ変化させるために誘導加熱コイル141に流す電流の大きさを算出する。
また、演算部210は、試験的にロータ110を加熱する前後の振動の位相の変化に基づいて、ロータ110の振動を軽減させるために誘導加熱コイル141に電流を流すタイミングを算出する。図10の例の場合、点xにて示される状態では、位相0度(°)に対して角θ’だけ遅らせたタイミングで誘導加熱コイル141に電流を流している。ロータ110の振動を点xの状態からベクトルbだけ変化させるためには、さらに角θ’’だけ遅らせたタイミングで誘導加熱コイル141に電流を流す必要がある。そこで、演算部210は、ロータ110の振動を軽減させるために誘導加熱コイル141に電流を流すタイミングを、位相0度に対して角θ’+θ’’だけ遅らせたタイミングに決定する。
このように、誘導加熱コイル141に試験的に電流を流したときの誘導加熱コイル141の振動の変化に基づいて、ロータ110の振動を軽減させるために誘導加熱コイル141に流すべき電流の大きさおよび位相が求まることが期待される。
図11は、回転機械システム1がロータ110の振動を軽減させる処理手順の例を示すフローチャートである。
同図の処理において、センサ130が、ロータ110の振動の振幅および位相を測定する(ステップS101)。ステップS101でセンサ130が測定する振動は、図10の例では点xにて示される初期振動に相当する。
次に、加熱装置140が、位相φとなるロータ110の回転角度にて誘導加熱コイル141に電流iを試験的に流してロータ110を加熱する(ステップS102)。
そして、センサ130が、ステップS102での加熱による変化後のロータ110の振動の振幅および位相を測定する(ステップS103)。ステップS103でセンサ130が測定する振動は、図10の例では点xにて示される振動に相当する。
次に、演算部210は、ステップS101で測定されたロータ110の振動、および、ステップS103で測定されたロータ110の振動に基づいて、影響ベクトルを算出する(ステップS104)。ステップS104で演算部210が算出する影響ベクトルは、図10の例ではベクトルaに相当する。図10の例の場合、演算部210は、式(1)に基づいてベクトルaを修正ベクトルとして算出する。
ここで、tan−1は、アークタンジェント(Arctangent)を表す。
さらに、演算部210は、ステップS104で得られた影響ベクトルに基づいて、修正ベクトルを算出する(ステップS105)。ステップS105で演算部210が算出する修正ベクトルは、図10の例ではベクトルbに相当する。
なお、図8を参照して説明したようにロータ110の弾性変形にて振動を軽減させる場合、演算部210は、ステップS101で測定されたロータ110の振動からの修正ベクトルを算出する。例えば図10の場合、演算部210は、ベクトルb=(r,θ+180°)を修正ベクトルとして算出する。
一方、図9を参照して説明したようにロータ110の塑性変形にて振動を軽減させる場合、演算部210は、ステップS103で測定されたロータ110の振動からの修正ベクトルを算出する。例えば図10の場合、演算部210は、点xから原点Oへ向かうベクトル(r,θ+180°)を修正ベクトルとして算出する。
次に、加熱装置140が、ステップS105で得られた修正ベクトルに対応する電流iおよび位相φにて誘導加熱コイル141に電流を流してロータ110を加熱する(ステップS106)。つまり、加熱装置140は、位相φとなるロータの回転角度になる毎に、誘導加熱コイル141を用いてロータ110を加熱する処理を繰り返す。
ステップS106の後、図11の処理を終了する。
なお、回転機械システム1が、ステップS101で測定される振動振幅が所定の閾値以下となるまで図11の処理を繰り返すようにしてもよい。これにより、図11の処理のいずれかのステップで誤差が生じる場合など、1回の図11の処理において得られる振動の軽減効果が比較的小さい場合でも、より大きな振動軽減効果を得られる。
以上のように、演算部210は、センサ130が検出したロータ110の振動に基づき、ロータ110の振動周期に応じた周期で、加熱装置140でロータ110を加熱するための位相及び加熱量を算出する。そして、加熱制御部220は、演算部210が算出した位相及び加熱量に基づき、加熱装置140によりロータ110を加熱して変形させる。
このように、加熱装置140がロータ110のうち、ある位相の部分を局所的に加熱して変形させることで、ロータ110を、回転軸からのずれを軽減させるように変形させることができる。これにより、ロータ110の振動を軽減させることができる。
また、センサ130は、ロータ110の振動の振幅および位相を測定する。これにより、演算部210は、ロータ110の振動、および、当該振動の変化を極座標表示にて表現することができる。ロータ110の振動、および、当該振動の変化を極座標表示にて表現することで、センサ130は、比較的容易に修正ベクトルの大きさおよび位相を算出することができる。
また、加熱装置140は、誘導加熱コイル141を備える。
これにより、加熱装置140は、ロータ110のうち、ある位相の部分を局所的に加熱して変形させることができる。
あるいは、加熱装置140が、誘導加熱コイル141に代えて、あるいは加えて、レーザ加熱装置を備えるようにしてもよい。
これにより、加熱装置140は、ロータ110のうち、ある位相の部分を局所的に加熱して変形させることができる。
なお、制御装置200の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1 回転機械システム
100 回転機械
110 ロータ
120 ステータ
121 軸受
130 センサ
131 振動計
132 位相トリガー
140 加熱装置
141 誘導加熱コイル
200 制御装置
210 演算部
220 加熱制御部

Claims (7)

  1. 回転軸を中心に回転するロータと、
    前記ロータの外周に設けられたステータと、
    前記ステータの内部に設けられ、前記ロータに対向して配置された加熱装置と、
    を備える回転機械の振動抑制方法であって、
    センサにより前記ロータの振動を検出し、
    検出された前記振動に基づき、前記ロータの振動周期に応じた周期で、前記加熱装置で前記ロータを加熱するための位相及び加熱量を算出し、
    算出された位相及び加熱量に基づき、前記加熱装置により前記ロータを加熱して変形させる、
    回転機械の振動制御方法。
  2. 前記センサは、前記ロータの振動の振幅および位相を測定する、請求項1に記載の、回転機械の振動制御方法。
  3. 前記加熱装置は、誘導加熱コイルを備える、 請求項1または請求項2に記載の、回転機械の振動制御方法。
  4. 前記加熱装置は、レーザ加熱装置を備える、 請求項1または請求項2に記載の、回転機械の振動制御方法。
  5. 回転軸を中心に回転するロータと、
    前記ロータの外周に設けられたステータと、
    前記ステータの内部に設けられ、前記ロータに対向して配置された加熱装置と、
    前記ロータの振動を検出するセンサと、
    検出された前記振動に基づき、前記ロータの振動周期に応じた周期で、前記加熱装置で前記ロータを加熱するための位相及び加熱量を算出する演算部と、
    算出された位相及び加熱量に基づき、前記加熱装置による前記ロータの加熱を制御する加熱制御部と、
    を備える回転機械システム。
  6. 回転軸を中心に回転するロータと、
    前記ロータの外周に設けられたステータと、
    前記ステータの内部に設けられ、前記ロータに対向して配置された加熱装置と、
    前記ロータの振動を検出するセンサと、
    を備える回転機械を制御する制御装置であって、
    検出された前記振動に基づき、前記ロータの振動周期に応じた周期で、前記加熱装置で前記ロータを加熱するための位相及び加熱量を算出する演算部と、
    算出された位相及び加熱量に基づき、前記加熱装置による前記ロータの加熱を制御する加熱制御部と、
    を備える制御装置。
  7. 回転軸を中心に回転するロータと、
    前記ロータの外周に設けられたステータと、
    前記ステータの内部に設けられ、前記ロータに対向して配置された加熱装置と、
    前記ロータの振動を検出するセンサと、
    を備え、
    前記加熱装置は、検出された前記振動に基づいて算出された位相及び加熱量に基づき、前記ロータの振動周期に応じた周期で前記ロータを加熱して変形させる、
    回転機械。
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