JP2021109883A - 貝殻粉末を用いた粒状酸土矯正剤及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】貝殻粉末を主原料とした場合であっても容易に飛散しない程度に粒状化された粒状酸土矯正剤及びその製造方法を提供する。【解決手段】粒状酸土矯正剤は、タッピング処理終了後の嵩密度が0.5g/ml〜1.3g/mlの範囲内、又は安息角が55°〜80°の範囲内 となるように分級された貝殻粉末と、分級された貝殻粉末を凝集させるバインダーと、を含む。粒状酸土矯正剤の各造粒体の粒径は、約1mm〜約30mmの範囲内である。貝殻粉末は、ホタテ貝殻を粉砕した粉末であってもよく、バインダーは、廃糖蜜液であってもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、貝殻粉末を用いた粒状酸土矯正剤及びその製造方法に関する。
酸性土壌を改良するための酸土矯正剤が知られている。酸土矯正剤は、炭酸カルシウムを主成分とし、酸性土壌のpH(Potential of Hydrogen)を矯正するために用いられている。貝殻は、その主成分が炭酸カルシウムであり、同じく炭酸カルシウムを主成分とする石灰に比べて安価に入手できるため、貝殻を利用した粉末状の酸土矯正剤が実用化されている。例えば、特許文献1には、ホタテ、カキ、シジミ等の貝殻の粉末を含有する土壌改良材(酸土矯正剤)が開示されている。
特開2004−300237号公報
特許文献1の酸土矯正剤では、貝殻を粉末状にしているため、土壌に散布したとしても風等の影響で容易に他の場所に飛散してしまい、土壌に効率的に散布しにくいという問題がある。そこで、貝殻粉末を風等の影響で容易に飛散しない程度に粒状化することが考えられる。しかし、貝殻は、天然由来の材料であるため、造粒に適した均一な粉末を得ることができず、これまで貝殻粉末の粒状化は技術的に困難であるとされてきた。
本発明は、このような背景に基づいてなされたものであり、貝殻粉末を主原料とした場合であっても容易に飛散しない程度に粒状化された粒状酸土矯正剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る粒状酸土矯正剤は、
タッピング処理終了後の嵩密度が0.5g/ml〜1.3g/mlの範囲内、又は安息角が55°〜80°の範囲内となるように分級された貝殻粉末と、分級された貝殻粉末を凝集させるバインダーと、を含む粒状酸土矯正剤であって、
粒状酸土矯正剤の各造粒体の粒径は、約1mm〜約30mmの範囲内である。
貝殻粉末は、ホタテ貝殻を粉砕した粉末であり、
バインダーは、廃糖蜜液であってもよい。
各造粒体の含水率は、乾量基準で1.0%〜7.5%の範囲内であってもよい。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る粒状酸土矯正剤の製造方法は、
粉砕された貝殻粉末からタッピング処理終了後の嵩密度が0.5g/ml〜1.3g/mlの範囲内、又は安息角が55°〜80°の範囲内である貝殻粉末を分級する分級工程と、
前記分級工程で分級された貝殻粉末にバインダーを添加し、貝殻粉末を回転する容器内で転動させることにより貝殻粉末から造粒体を形成する造粒工程と、
前記造粒工程で形成された造粒体を乾燥させる乾燥工程と、
を含む。
貝殻粉末は、ホタテ貝殻を粉砕した粉末であり、
バインダーは、廃糖蜜液であってもよい。
廃糖蜜液は、密度が1.175g/cm以上であるか、固体成分量が40g/100ml以上であってもよい。
前記分級工程では、粉砕された貝殻粉末を100メッシュかそれ以上に目の細かいふるいに通すか、風力分級によりふるい分けることにより、貝殻粉末を分級してもよい。
前記造粒工程における貝殻粉末とバインダーとの混合物の水分量は、23.1vol.%〜28.6vol.%の範囲内であってもよい。
前記乾燥工程では、前記造粒工程で形成された造粒体の含水率を乾量基準で1.0%〜7.5%の範囲内まで低下させるように造粒体を乾燥してもよい。
本発明によれば、貝殻粉末を主原料とした場合であっても容易に飛散しない程度に粒状化された粒状酸土矯正剤及びその製造方法を提供できる。
本発明の実施の形態に係る転動造粒機の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る粒状酸土矯正剤の製造方法の流れを示すフローチャートである。 (a)は、実施例1における風力分級により得られる粉砕粉末の粒度分布を示すグラフであり、(b)は、実施例1における風力分級粉末のSEM(Scanning Electron Microscope)画像を示す図である。 (a)〜(d)は、実施例1における各条件を満たすホタテ貝殻粉末を用いた転動造粒の結果を示す図である。 実施例2における廃糖蜜液の固体成分量と密度との関係を示すグラフである。 (a)〜(c)は、実施例2における各条件を満たす廃糖蜜液を用いた転動造粒の結果を示す図である。 (a)〜(g)は、実施例3における各水分量の原料粉末及びバインダーの混合物を用いた転動造粒の結果を示す図である。 実施例4における各回転数における造粒体の粒度分布を示すグラフである。 実施例5における荷重試験装置の構成を示す断面図である。 実施例5における造粒体の圧壊率と乾量基準の含水率との関係を示すグラフである。 実施例6における乾量基準の含水率と乾燥時間との関係を示すグラフである。 実施例7における火山灰土の表層及び内部30cmにおけるpH値の経時的変化を示したグラフである。 実施例8におけるリグニン添加量による造粒体の粒度分布への影響を示すグラフである。 (a)〜(e)は、実施例8における単独の造粒体に対して荷重負荷試験を実施した結果を示すグラフである。 実施例8における単独の造粒体、粒子層に対する荷重負荷試験をそれぞれ実施した場合の造粒体の圧壊率を示す図である。
以下、本発明に係る粒状酸土矯正剤の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面では、同一又は同等の部分に同一の符号を付す。
粒状酸土矯正剤は、貝殻粉末を凝集して作製される粒状の酸土矯正剤である。粒状酸土矯正剤は、公知の造粒法、例えば、転動造粒法を用いて作製される造粒体である。転動造粒法では、回転しているパン等の造粒容器内に原料粉末を投入し、その後原料粉末に水又はバインダーを添加することで、原料粉末を構成する粒子の圧密により造粒が進行する。転動造粒法で造粒された造粒体は、表面が滑らかで、球状又はそれに類似する形状を有している。造粒直後の造粒体は、水又はバインダーが添加されているため、幾らかの湿り気を帯びており、容易に圧壊するが、乾燥させることで造粒体に強度を持たせることができる。
図1は、実施の形態に係る転動造粒機10の構成を示す図である。転動造粒機10は、原料粉末に水又はバインダーが添加された原料粉末を転動させることで転動造粒を行う装置である。転動造粒機10は、パン11と、モータ12と、回転軸13と、傾斜調整機構14と、を備える。
パン11は、内部に原料粉末を収容する容器であって、モータ12の回転に合わせて原料粉末を転動させる。パン11は、水平面に対して傾斜した状態で回転可能に設置されている。パン11の直径は、例えば、100cm〜300cm程度である。
モータ12は、回転軸13を介してパン11に接続され、パン11を図1の一点鎖線で示す回転軸周りに所定の回転数で回転させる。パン11の回転数は、造粒される造粒体の粒度分布に影響を与える。パン11の回転数は、原料粉末の粒径、バインダーの密度、パン11の内径及び傾き、転動造粒機10が設置された環境の温度及び湿度等を考慮して設定される。
パン11の直径が大きいほど原料粉末の造粒に最適な回転数は小さくなる。パン11の直径が30cm程度であれば、パン11の回転数は、例えば、20rpm〜40rpmの範囲内であり、パン11の直径が300cm程度であれば、パン11の回転数は、例えば、1rpm〜30rpmの範囲内である。
回転軸13は、パン11とモータ12とに接続され、モータ12の回転をパン11に伝達する。傾斜調整機構14は、パン11の傾斜角を調整可能とするようにパン11を支持するモータ12を旋回可能に支持する。パン11の傾斜角は、パン11の底面と水平面とのなす角であり、原料粉末の粒径、バインダーの密度、パン11の内径及び回転数、転動造粒機10が設置された環境の温度及び湿度等を考慮して設定される。パン11の直径が30cm程度であれば、パン11の傾斜角は、60°程度である。
以上が、転動造粒機10の構成である。
原料粉末は、貝殻をミル等で粉砕した粉末(粉砕粉末)から得られる。貝殻は、炭酸カルシウムと主成分とする貝殻、例えば、ホタテ、カキ、アサリ、シジミ、ハマグリ等の貝殻であるが、好ましくはホタテ貝殻である。粉砕粉末は、大小様々な粒子及び破片を含んでおり、形状も細長い破片状のものから粒状のものまで多種多様である。
上記の粉砕粉末を分級することにより原料粉末(分級粉末)を得ることができる。造粒を可能にする分級粉末は、粒径の最大値、嵩密度、安息角により特定される。粒径の最大値、嵩密度及び安息角は、互いに相関関係を有するため、造粒を可能にする分級粉末を特定するにはいずれかのパラメータを規定すればよい。嵩密度は、粉末の細かさを評価する指標であり、粉体を入れた容器の体積を容器に入れられた粉体の重量で割ることで算出される。安息角は、粉末同士のくっつきやすさ、流動性を評価する指標であり、平板上に粉末を落として形成された円錐状の粉末の山の斜面と水平面とのなす角で示される。なお、実施の形態における嵩密度は、容器内に自然に積もらせた粉体の嵩密度ではなく、容器内に収容された粉体をタッピング処理した後の嵩密度である。
貝殻粉末の造粒を可能にするためには、分級粉末の粒径の最大値は、約149μm以下であり、その嵩密度は、1.3g/ml以下であり、又はその安息角は55°以上であればよい。粉砕粉末の分級操作等を考慮すると、現実には、分級粉末の嵩密度は、0.5g/ml〜1.3g/mlの範囲内であるか、安息角が55°〜80°の範囲内であることが好ましい。さらに言えば、分級粉末の安息角は、60°〜80°の範囲内であることがより好ましい。この条件を満たす貝殻粉末であれば、貝殻粉末の粒子が大小様々な粒子及び破片を含み、形状も細長い破片状のものから粒状のものまで多種多様であったとしても、貝殻粉末の転動造粒が可能である。
上記の条件を満たす分級粉末は、100メッシュ以上の目の細かいふるいを用いたふるい分けを行うか、風力分級を行うことで得られる。100メッシュのふるいは、1インチ(25.4mm)の間にあるワイヤの数が100本であり、ワイヤ同士の間隔(目開き)が149μmである。また、風力分級は、ロータ等の回転により粉末に遠心力を加えることで粉砕粉末を分級する手法である。
バインダーは、造粒促進材とも呼ばれ、原料粉末を造粒する際に原料粉末の凝集を促進する材料である。バインダーは、転動造粒において原料粉末の表面を濡らすことで粒子同士が凝集するのに重要な役割を果たす。バインダーは、好ましくは、廃糖蜜液であるが、他のバインダー、例えば、リグニンスルホン酸(リグニン)、デンプン、こんにゃく粉等であってもよい。廃糖蜜液は、サトウキビ、てん菜等から砂糖を製造する際に発生し、例えば、40%〜60%程度の糖分、無機物、粗タンパク質等の有機物等が含まれる黒褐色の液体である。
造粒が可能な廃糖蜜液の特性は、密度、固体成分量、糖蜜含有量のいずれか一つで特定できる。造粒が可能な廃糖蜜液の密度は、約1.175g/cm以上であるか、その固体成分量は、約40g/100ml以上であるか、その糖蜜含有量は、約8.7wt.%以上である。均一な粒径の造粒体を得るには、廃糖蜜液の密度は、約1.175g/cm〜約1.250g/cmの範囲内か、廃糖蜜液の固体成分量は、約40g/100ml〜約65g/100mlの範囲内か、廃糖蜜液の糖蜜含有量は、約8.7wt.%〜約13.4wt.%の範囲内に設定されることが好ましい。
造粒体の粒径は、各地の農協等により規定された規格に合わせて設定する。造粒体の粒径は、土壌におけるpH矯正作用の持続時間に影響を与えるため、できるだけ均一であることが好ましい。造粒体の粒径は、土壌に散布された場合であっても飛散しない程度の大きさであり、例えば、約1mm〜約30mmの範囲内であり、好ましくは、約1mm〜約10mmの範囲内であり、より好ましくは約1mm〜約5mmの範囲内であり、さらに好ましくは2mm〜4mmの範囲内である。
粒状酸土矯正剤を構成する各造粒体は、上述したようにある程度の大きさを有するため、風等により飛散してしまう恐れがないだけでなく、粉体の酸土矯正剤に比べて酸度矯正能力が持続する。このため、酸性土壌に粒状酸土矯正剤を散布する頻度を抑制できる。
造粒前の分級粉末の水分量は、分級粉末の造粒が可能となるように設定される。造粒が可能な分級粉末の水分量は、約23.1vol.%以上であるが、均一な粒径の造粒体を作製するには、約23.1vol.%〜約28.6vol.%の範囲内に設定することが好ましい。分級粉末の水分量は、分級粉末に添加するバインダー又は水の量を調整することで調整できる。
造粒後の造粒体の含水率は、造粒体が詰められた袋が倉庫等で重ねて保管されたとしても、造粒体が圧壊されない程度の強度を有するように設定される。含水率は、転動造粒により作製された造粒体を乾燥させる時間や乾燥させる温度を調整することにより調整する。造粒体の含水率は、乾量基準で約7.5%以下であり、好ましくは約5.0%以下であればよいが、乾燥工程で現実的に達成可能な範囲で考慮すると、例えば、乾量基準で約1.0%〜約7.5%の範囲内であり、好ましくは約1.0%〜約5.0%の範囲内である。
次に、図2のフローチャートを参照して、実施の形態に係る転動造粒機10を用いて行われる粒状酸土矯正剤の製造方法の一例を説明する。まず、ローラミル等の破砕機を用いて貝殻を粉末状に粉砕する(ステップS1)。
次に、ステップS1で粉砕された粉砕粉末を分級することで分級粉末を得る(ステップS2)。具体的には、粉砕された粉砕粉末を100メッシュのふるいに通すか、粉砕された粉砕粉末に対して風力分級を行うことで、造粒に適した分級粉末を得ることができる。
次に、転動造粒機10のモータ12を作動させることでパン11を所定の回転数で回転させる(ステップS3)。例えば、パン11の直径が30cmで、パン11の傾斜角が60°の場合において、造粒体の粒径を1mm〜4mmの範囲内に収めるには、回転数を20rpmに設定すればよい。
次に、ステップS2で分級された分級粉末をステップS3で回転させられたパン11内に投入する(ステップS4)。
次に、ステップS4で投入されたパン11内の分級粉末にバインダーを噴霧等の手法で添加する(ステップS5)。バインダーとしては、例えば、廃糖蜜液が好適である。ステップS5では、分級粉末にバインダーを少しずつ、例えば所定間隔で同一の量を添加してもよく、一度に添加してもよい。
次に、ステップS5でバインダーが添加された分級粉末を転動させることにより分級粉末の造粒が完了したかどうかを判定する(ステップS6)。分級粉末を転動させる時間の目安は、例えば、約5分〜約30分の範囲内である。
分級粉末の造粒が完了した場合(ステップS6;Yes)、パン11の回転を停止させる(ステップS7)。他方、分級粉末の造粒が完了していない場合(ステップS6;No)、パン11の回転を継続させる。
ステップS7の処理の終了後、パン11から分級粉末から形成された造粒体を取り出し、最適含水量となるまで乾燥させ(ステップS8)、処理を終了する。乾燥方法は、自然乾燥であってもよく、送気乾燥であってもよい。乾燥装置を用いた送気乾燥であれば、例えば、乾燥装置からの送気温度を約40℃〜約90℃の範囲内に設定してもよい。また、乾燥時間は、約30分〜約90分の範囲内であってもよい。
以上が、バッチ操作による粒状酸土矯正剤の製造方法の流れである。
以上説明したように、実施の形態に係る粒状酸土矯正剤は、嵩密度が0.5g/ml〜1.3g/mlの範囲内、又は安息角が55°〜80°の範囲内となるように分級された貝殻粉末と、分級された貝殻粉末を凝集させるバインダーと、を含む粒状酸土矯正剤であって、粒状酸土矯正剤の各造粒体の粒径は、約1mm〜約30mmの範囲内である。このため、貝殻粉末を主原料とした粒状酸土矯正剤であっても容易に飛散することなく、土壌に効率的に散布できる。
実施の形態に係る粒状酸土矯正剤の製造方法は、貝殻を粉砕することで得られた貝殻粉末から、嵩密度が0.5g/ml〜1.3g/mlの範囲内、又は安息角が55°〜80°の範囲内である貝殻粉末を分級する分級工程と、分級工程で分級された貝殻粉末にバインダーを添加して容器内で転動させることにより貝殻粉末から造粒体を形成する造粒工程と、造粒工程で形成された造粒体を乾燥させる乾燥工程と、を含む。このため、貝殻粉末を主原料とした場合であっても容易に飛散しない程度に粒状化した粒状酸土矯正剤を製造することができる。
本発明は上記実施の形態に限られず、以下に述べる変形も可能である。
(変形例)
上記実施の形態では、粒状酸土矯正剤は貝殻粉末とバインダーから構成されていたが、本発明はこれに限られない。土壌の改良や植物の生育に有用な他の物質、例えば、リン酸、カリウム、マグネシウム等を含んでもよい。
上記実施の形態では、転動造粒機の容器として円錐形のパン11を用いていたが、本発明はこれに限られない。例えば、パン11は、皿形、円筒形、パラボラアンテナ型であってもよい。また、転動造粒機としてはパン型造粒機に限られず、例えば、ドラム型造粒機、振動造粒機であってもよい。
上記実施の形態では、転動造粒法を用いて貝殻粉末を造粒していたが、本発明はこれに限られない。例えば、押出造粒法、流動層造粒法等を用いて貝殻粉末を造粒してもよい。
上記実施の形態では、モータ12を駆動してパン11を回転軸の周りに回転させてから分級粉末をパン11に投入していたが、本発明はこれに限られない。例えば、分級粉末をパン11に投入してからパン11を回転させてもよい。また、分級粉末をパン11に投入してバインダーを添加してから、パン11を回転させてもよい。
上記実施の形態では、バッチ操作で貝殻から粒状酸土矯正剤を製造していたが、本発明はこれに限られない。例えば、貝殻から粒状酸土矯正剤を大量に効率よく製造するために連続操作を採用してもよい。連続操作では、まず、粉砕された貝殻粉末を分級する分級工程を実行し、次に、分級粉末とバインダーとを混合する混合工程を実行し、次に、分級粉末とバインダーとの混合物をパン11へ投入し、パン11で造粒体を造粒し、パン11で造粒された造粒体を回収する工程を繰り返す連続造粒工程を実行し、連続造粒工程で回収された造粒体を乾燥させる乾燥工程と、を含んでもよい。連続造粒工程では、造粒体がパン11から回収されると、混合工程で混合させた所定量の混合物をパン11に投入するようにしてもよい。
上記実施の形態では、貝殻をミル等で粉砕してから粉砕粉末を分級していたが、本発明はこれに限られない。例えば、水産加工場等で予め粉砕された貝殻を入手し、その後、入手した貝殻粉末に対して分級操作を行ってもよい。
上記実施の形態は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の趣旨を逸脱しない範囲でさまざまな実施の形態が可能である。各実施の形態や変形例で記載した構成要素は自由に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した発明と均等な発明も本発明に含まれる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、ホタテ貝殻粉末を様々な条件で分級し、それぞれに対して転動造粒法による造粒を試みることで、ホタテ貝殻粉末の造粒を可能にする原料粉末の条件を調べた。原料粉末の転動造粒では、原料粉末の形状と大きさが造粒の可否に大きな影響を与えるが、原料粉末の成分はそれほど影響を与えない。そこで、ホタテ貝殻を粉砕した粉砕粉末を分級して造粒する場合を例として以下の実験を行った。
まず、ホタテ貝殻をミル等で粉砕し、粗粒を含む粉砕粉末を得た。その後、粉砕粉末の一部を取り出して各種の条件で粉砕粉末の分級を行うことで分級粉末を得た。ホタテ貝殻粉末の分級は、28メッシュ、48メッシュ、100メッシュの各ふるいによるふるい分け、風力分級のいずれかである。28メッシュ、48メッシュ、100メッシュのふるいは、それぞれ目開きが590μm、297μm、149μmであり、ふるいを通された粉末は、粒径の最大値がふるいの目開きとほぼ等しくなる。
図3(a)は、実施例1における風力分級により得られる粉砕粉末の粒度分布を示すグラフであり、図3(b)は、実施例1における風力分級粉末のSEM画像を示す図である。風力分級粉末では、図3(a)に示すように粉末の最大粒度は約10μmであった。また、図3(b)のSEM画像から理解できるように、分級粉末にも大小様々な粒子や破片が含まれ、その形状も粒状から細長い破片まで多種多様であった。
各条件で分級された分級粉末毎に、分級粉末を容器に収容してタッピング処理を行った後に嵩密度を測定し、転動造粒法による造粒を試みた。また、比較のため、分級操作なしの粉砕粉末についても嵩密度を測定し、転動造粒法による造粒を試みた。さらに、分級操作なしの粉砕粉末、28メッシュのふるいを用いた分級粉末、100メッシュのふるいを用いた分級粉末については安息角も測定した。
図4(a)〜図4(d)は、実施例1における各条件を満たすホタテ貝殻粉末を用いた転動造粒の結果を示す図である。図4(a)は、粗粒を含む粉砕粉末、図4(b)は、28メッシュのふるいによる分級粉末、図4(c)は、100メッシュのふるいによる分級粉末、図4(d)は、風力分級粉末をそれぞれ用いた場合の結果である。
粗粒を含む粉砕粉末では、嵩密度は1.6g/ml、安息角は37°であり、転動造粒法による造粒は不可であった。28メッシュのふるいによる分級粉末では、嵩密度は1.4g/ml、安息角は51°であり、造粒は不可であった。48メッシュのふるいによる分級粉末では、嵩密度は1.4g/mlであり、造粒は不可であった。他方、100メッシュのふるいによる分級粉末では、嵩密度は1.3g/ml、安息角は60°であり、造粒は可能であった。また、風力分級粉末では、嵩密度は1.1μmであり、造粒が可能であった。したがって、転動造粒法による造粒が可能な原料粉末はホタテ貝殻の粉砕粉末を100メッシュ以上の目の細かいふるいに通すか、風力分級を行うことで得られた分級粉末であることが理解できる。
(実施例2)
実施例2では、密度、固体成分量、糖蜜含有量が異なる廃糖蜜液を用いて転動造粒法による造粒を試みることで、ホタテ貝殻粉末の効率的な造粒を可能にするバインダーの条件を調べた。原料粉末としてホタテ貝殻粉末126g(容積100cm)、バインダーとして廃糖蜜液30mlを用いた。
図5は、実施例2における廃糖蜜液の固体成分量と密度との関係を示すグラフである。廃糖蜜液の密度と固体成分量とは、図5に示すように互いに相関関係を有する。同様に、廃糖蜜液の固体成分量と糖蜜含有量とは、互いに相関関係を有する。それで、廃糖蜜液の密度、固体成分量及び糖蜜含有量のいずれか一つが特定されれば、他の二つも特定される。
図6(a)は、密度が1.250g/cm以上の廃糖蜜液を用いた転動造粒の結果を示す図であり、図6(b)は、密度が1.175〜1.250g/cmの廃糖蜜液を用いた転動造粒の結果を示す図であり、図6(c)は、密度が1.175g/cm以下の廃糖蜜液を用いた転動造粒の結果を示す図である。
廃糖蜜液の密度が1.250g/cm以上(固体成分量65g/100ml以上、糖蜜含有量13.4wt.%以上)の場合、得られた造粒体は大きさが不均一であった。廃糖蜜液の密度が1.175〜1.250g/cm(固体成分量40〜65g/100ml、糖蜜含有量8.7〜13.4wt.%)の場合、得られた造粒体は大きさが均一であった。廃糖蜜液の密度が1.175g/cm以下(固体成分量40g/100ml以下、糖蜜含有量8.7wt.%以下)の場合、十分な造粒がなされず多くの粉末が残されていた。以上から、効率的な造粒が可能な廃糖蜜液は、密度が1.175g/cm以上、固体成分量40g/100ml以上、又は糖蜜含有量8.7wt.%以上であることが理解できる。
(実施例3)
実施例3では、原料粉末及びバインダーの混合物の水分量を変化させて転動造粒法による造粒を試みることで、ホタテ貝殻粉末の造粒を可能にする水分量の条件を調べた。
原料粉末及びバインダーの混合物の水分量は、それぞれ9.1vol.%、16.7vol.%、20.0vol.%、23.1vol.%、25.9vol.%、28.6vol.%、33.3vol.%とした。原料粉末及びバインダーの混合物の水分量は、バインダーの成分や量を調整することで調整した。
図7(a)〜図7(g)は、実施例3における各水分量の混合物を用いた転動造粒の結果を示す図である。混合物の水分量は、図7(a)から図7(g)に向けて順に、9.1vol.%、16.7vol.%、20.0vol.%、23.1vol.%、25.9vol.%、28.6vol.%、33.3vol.%である。
混合物の水分量が9.1vol.%、16.7vol.%、20.0vol.%の場合、十分な造粒がなされずパン内に多くの粉末が残されていた。他方、混合物の水分量が23.1vol.%、25.9vol.%、28.6vol.%、33.3vol.%の場合、パン内にほとんど粉末が残されておらず、十分な造粒が可能であった。以上から、十分な造粒が可能な原料粉末及びバインダーの混合物の水分量は、23.1vol.%以上であることが理解できる。水分量の増加が造粒体の強度を低下させることを考慮すれば、混合物の水分量は、好ましくは、23.1vol.%〜28.6vol.%の範囲内である。
(実施例4)
実施例4では、転動造粒機10のパン11の回転数を変化させ、パン11の回転数と造粒体の粒度分布との関係を調べた。転動造粒機10は、内径30cmのパン11を有し、パン11の傾斜角は60°である。パン11の回転数は、20rpm、30rpm、40rpmとした。
図8は、実施例4における各回転数における造粒体の粒度分布を示すグラフである。回転数が20rpmの場合では、造粒体の粒度は約1mm〜約5mmの範囲に分布した。回転数が30rpmの場合では、造粒体の粒度は約2mm〜約7mmの範囲に分布した。回転数が40rpmの場合では、造粒体の粒度は約3mm〜約9mmの範囲に分布した。以上から、パン11の回転数を増加させると造粒体の粒度が大きくなることが理解できる。
(実施例5)
実施例5では、乾燥後の造粒体の最適含水率を得るために、荷重試験装置を用いて造粒体に対する荷重試験を実施した。
図9は、実施例5における荷重試験装置20の構成を示す断面図である。荷重試験装置20は、層状に並べた造粒体Pに対して所定の荷重を印加する装置である。造粒体Pを層状に並べて所定の荷重を印加することで、造粒体Pが袋詰めされ、倉庫等で重ねて保管された場合に、どの程度、造粒体Pが圧壊するかを把握できる。
荷重試験装置20は、造粒体Pを層状に収容可能な円筒形状の容器21と、容器21を受け入れ可能な相補的な形状を有し、容器21内に収容された造粒体Pを一軸方向に押圧する押圧治具22と、押圧治具22が固定され、押圧治具22を造粒体Pに向けて加圧する加圧機構23と、を備える。
実施例5の荷重試験では、容器21内に造粒体Pを投入して層状にならし、押圧治具22を造粒体Pの層に向けて押し込んで加圧し、造粒体Pが圧壊した個数をカウントした。袋詰めされた造粒体Pに印加される荷重を考慮して、1.8mあたり10.0tの荷重を造粒体Pに印加した。その後、造粒体Pの圧壊率(=圧壊個数/収容個数)を算出した。
図10は、実施例5における造粒体Pの圧壊率と乾量基準の含水率との関係を示すグラフである。含水率が乾量基準で約5.5%以下であれば、圧壊率はほぼゼロであったが、約7.5%以上を上回ると、圧壊率が急激に増加した。以上から、造粒体Pを袋詰めして保管するのに必要な強度を造粒体Pに持たせるには、含水率が乾量基準で少なくとも約7.5%以下であり、好ましくは約5.0%以下でなければならないことが理解できる。
(実施例6)
実施例6では、造粒体における乾量基準の含水率と造粒後の乾燥時間との関係を調べた。環境温度を変化させて所望の含水率を得るのに必要な乾燥時間を測定した。環境温度は、423K、448K、473Kのいずれかであった。
図11は、実施例6における乾量基準の含水率と乾燥時間との関係を示すグラフである。乾燥後の造粒体の含水率を乾量基準で7.5%以下にするには、473Kで少なくとも約30分以上、448Kで少なくとも約50分以上、423Kで少なくとも約90分以上乾燥させる必要がある。以上から、造粒体の乾燥時間を短縮するには、乾燥時の環境温度を上昇させればよいことが理解できる。なお、図11からは、造粒体を長時間乾燥させたとしても、造粒体の含水率は乾量基準で約1.0%までしか下がらないことも理解できる。
(実施例7)
実施例7では、ホタテ貝殻粉末を含む造粒体(粒状化試料)を実際に土壌に散布し、粒状化試料による酸土矯正能力を評価した。
まず、箱形容器の内部にホタテ貝殻粉末を含む造粒体を混合した火山灰土を30cmの高さで敷き詰め、降水量1mmに相当する水を毎日上方から散布した。そして、毎日、表層の火山灰土、表面から深さ30cmにある火山灰土をそれぞれ20gずつ採取し、50mlの水と一緒にシェーカーで30分間振とうさせた。その後、振とうされた各溶液の上澄みを採取し、各上澄み液のpH値を測定した。比較のため、ブランク状態の火山灰土、粉末状試料を散布した火山灰土についても同様の手法でpH値を測定した。
図12は、実施例7における火山灰土の表層及び内部30cmにおけるpH値の経時的変化を示したグラフである。粒状化試料又は粉末状試料を散布した場合は、いずれもブランク状態の場合とは異なり、土壌のpH値が7.0以上に改良された。粉末状試料を散布した場合では、土壌の表層及び内部30cmのいずれにおいても、散布から7、8日目を経過するとpH値が徐々に低下した。他方、粒状化試料を散布した場合では、土壌の表層及び内部30cmのいずれにおいても、散布から25日目を経過してもpH値が7.0以上に維持された。以上から、ホタテ貝殻粉末を含む造粒体はホタテ貝殻粉末を含む粉末に比べて酸性土壌を持続的に矯正でき、結果として散布回数を抑制できることが理解できる。
(実施例8)
実施例8では、バインダーとしてリグニンを用いて転動造粒法によるホタテ貝殻粉末の造粒を試み、造粒体の粒度分布と強度とを調べた。ホタテ貝殻粉末に添加するリグニンは、密度0.82g/ml以上又は固体成分濃度48.6%以上の原液を水で6倍以下に希釈したものである。リグニン添加量は、それぞれ固体成分量で1wt.%、2wt.%、3wt.%、4wt.%とした。
転動造粒機10には、パン11内でホタテ貝殻粉末の凝集を促進する邪魔板を配置した。邪魔板は、パン11の外部に固定され、ホタテ貝殻粉末をすくい上げるように先端部がパン11の底面部に接触する矩形状の板である。パン11の底面部を上方から回転軸方向に観察した場合に、回転軸を原点とし、右向きを0°とする極座標において、邪魔板の先端部が90°の位置でパン11の底面部に接触するように邪魔板を配置した。パン11の回転数は40rpm、パン11の設置角度は60°とした。また、造粒時間は6分であった。
図13は、リグニン添加量による造粒体の粒度分布への影響を示すグラフである。バインダーとしてリグニンを添加した場合でも、廃糖蜜液の場合と同様に転動造粒法によりホタテ貝殻粉末の造粒体を得ることができた。図13に示すように、ホタテ貝殻粉末に対するリグニンの添加量が変化しても、造粒体の粒度分布はほとんど変化せず、造粒体の粒度分布は約2mm〜約6mmの範囲内であった。したがって、バインダーとしてリグニンを用いることで、リグニン添加量に関わらず、土壌への散布に適したホタテ貝殻粉末の造粒体を得ることができる。
次に、リグニンを含有する造粒体の強度を把握するために、リグニンを添加した造粒体に対して荷重負荷試験を実施した。荷重負荷試験としては、単独の造粒体(一粒子)に対して行う荷重を負荷する場合と、実施例5と同一の条件で造粒体の粒子層に対して荷重を負荷する場合と、をそれぞれ実施した。造粒体のリグニン添加量は、それぞれ固体成分量で1wt.%、2wt.%、3wt.%、4wt.%、5wt.%である。
図14(a)〜図14(e)は、それぞれ単独の造粒体に対して荷重負荷試験を実施した結果を示すグラフである。リグニン添加量が固体成分量で1wt.%の場合では、粒径測定の時点で圧壊した造粒体の割合(圧壊率)は、約18%であったが、リグニン添加量が固体成分量でそれぞれ2wt.%、3wt.%、4wt.%、5wt.%の場合では、造粒体の圧壊率は、それぞれ6.7%、1.1%、0.2%、0.4%であった。したがって、リグニン添加量が増えることで、造粒体単独での圧壊強度が増加する傾向があることが理解できる。また、図14(a)〜図14(e)のグラフからは、リグニン添加量に関わらず、造粒体の粒径が増加することで造粒体の圧壊強度も増加することが理解できる。
図15は、単独の造粒体、粒子層に対する荷重負荷試験をそれぞれ実施した場合の造粒体の圧壊率を示す図である。図15からは、バインダーとしてリグニンを用いる場合、造粒体が詰められた袋が倉庫等で重ねて保管されたとしても、造粒体が圧壊されない程度の強度を有するには、リグニン添加量を固体成分量で4wt.%以上にする必要があることが理解できる。
10 転動造粒機
11 パン
12 モータ
13 回転軸
14 傾斜調整機構
20 荷重試験装置
21 容器
22 押圧治具
23 加圧機構

上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る粒状酸土矯正剤は、
貝殻を粉砕して得られる貝殻粉末であって、タッピング処理終了後の嵩密度が0.5g/ml〜1.3g/mlの範囲内、又は安息角が55°〜80°の範囲内となるように分級された貝殻粉末と、分級された貝殻粉末を凝集させるバインダーと、を含む粒状酸土矯正剤であって、
粒状酸土矯正剤の各造粒体の粒径は、1mm〜30mmの範囲内である。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る粒状酸土矯正剤の製造方法は、
貝殻を粉砕して得られた貝殻粉末からタッピング処理終了後の嵩密度が0.5g/ml〜1.3g/mlの範囲内、又は安息角が55°〜80°の範囲内である貝殻粉末を分級する分級工程と、
前記分級工程で分級された貝殻粉末にバインダーを添加し、貝殻粉末を回転する容器内で転動させることにより貝殻粉末から造粒体を形成する造粒工程と、
前記造粒工程で形成された造粒体を乾燥させる乾燥工程と、
を含む。

Claims (9)

  1. タッピング処理終了後の嵩密度が0.5g/ml〜1.3g/mlの範囲内、又は安息角が55°〜80°の範囲内となるように分級された貝殻粉末と、分級された貝殻粉末を凝集させるバインダーと、を含む粒状酸土矯正剤であって、
    粒状酸土矯正剤の各造粒体の粒径は、約1mm〜約30mmの範囲内である、
    粒状酸土矯正剤。
  2. 貝殻粉末は、ホタテ貝殻を粉砕した粉末であり、
    バインダーは、廃糖蜜液である、
    請求項1に記載の粒状酸土矯正剤。
  3. 各造粒体の含水率は、乾量基準で1.0%〜7.5%の範囲内である、
    請求項1又は2に記載の粒状酸土矯正剤。
  4. 粉砕された貝殻粉末からタッピング処理終了後の嵩密度が0.5g/ml〜1.3g/mlの範囲内、又は安息角が55°〜80°の範囲内である貝殻粉末を分級する分級工程と、
    前記分級工程で分級された貝殻粉末にバインダーを添加し、貝殻粉末を回転する容器内で転動させることにより貝殻粉末から造粒体を形成する造粒工程と、
    前記造粒工程で形成された造粒体を乾燥させる乾燥工程と、
    を含む粒状酸土矯正剤の製造方法。
  5. 貝殻粉末は、ホタテ貝殻を粉砕した粉末であり、
    バインダーは、廃糖蜜液である、
    請求項4に記載の粒状酸土矯正剤の製造方法。
  6. 廃糖蜜液は、密度が1.175g/cm以上であるか、固体成分量が40g/100ml以上である、
    請求項5に記載の粒状酸土矯正剤の製造方法。
  7. 前記分級工程では、粉砕された貝殻粉末を100メッシュかそれ以上に目の細かいふるいに通すか、風力分級によりふるい分けることにより、貝殻粉末を分級する、
    請求項4から6のいずれか1項に記載の粒状酸土矯正剤の製造方法。
  8. 前記造粒工程における貝殻粉末とバインダーとの混合物の水分量は、23.1vol.%〜28.6vol.%の範囲内である、
    請求項4から7のいずれか1項に記載の粒状酸土矯正剤の製造方法。
  9. 前記乾燥工程では、前記造粒工程で形成された造粒体の含水率を乾量基準で1.0%〜7.5%の範囲内まで低下させるように造粒体を乾燥する、
    請求項4から8のいずれか1項に記載の粒状酸土矯正剤の製造方法。
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