JP2021108805A - 塞栓剤分散デバイス - Google Patents

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【課題】不必要な塞栓剤を発生させ難くなるとともに、作業時間を短縮し、かつ生体内での塞栓剤の効果を高めることができる塞栓剤分散デバイスを提供する。【解決手段】塞栓剤140が収容される第1のシリンジ100および液体が収容される第2のシリンジ110を接続可能な塞栓剤分散デバイス10であって、第1のシリンジ100を接続可能な第1の接続部20と、第2のシリンジ110を接続可能な第2の接続部40と、第1の接続部20と連通する第1のルーメン31と、第2の接続部40と連通する第2のルーメン51と、第1のルーメン31および第2のルーメン51が合流する混合ルーメン71と、を有し、第1のルーメン31の容積は、第2のルーメン51の容積より大きく、混合ルーメン71は、混合ルーメン71に突出して形成される少なくとも1つの混合促進部73を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、塞栓剤を投与するために液体に分散させるための塞栓剤分散デバイスに関する。
近年、がん細胞へ栄養を供給する動脈へ粒子状の塞栓剤を注入し、動脈の末梢血管を閉塞させてがん細胞への栄養の供給を妨げる動脈塞栓術が行われている。塞栓剤を高濃度で使用すると塞栓剤が凝集し、標的血管より手前の血管で塞栓してしまう恐れがあるため、塞栓開始時には濃度を薄くし、段階的に濃度の濃くして塞栓を行う。したがって、塞栓剤を使用する際には、通常、塞栓剤の分散する濃度を調整する必要がある。このために、例えば、塞栓剤を含むシリンジと、造影剤を含むシリンジを三方活栓で接続し、シリンジの押し引きを繰り返す、あるいはシリンジを静かに転回することで、塞栓剤と造影剤を均一に分散させることができる。そして、塞栓剤と造影剤を分散させた後、この塞栓剤と造影剤を含むシリンジと、生理食塩水で希釈した造影剤を含む別のシリンジを三方活栓で接続し、シリンジの押し引きを繰り返すことで、塞栓剤を造影剤に対してより低濃度で分散させることができる。術者によっては、上述の作業を数回繰り返すことで、徐々に分散濃度を低下させて、特定の濃度の塞栓剤の分散液を得ることができる。
ところで、特許文献1には、流体を含むシリンジおよび空気を含むシリンジの押し子を同時に押して流体と空気を混合して、造影媒体を生成する装置が記載されている。
特開2012−101069号公報
上述のように、塞栓剤を含むシリンジと、造影剤を含むシリンジを三方活栓で接続し、シリンジの押し引きを繰り返すことで塞栓剤を分散させる際には、作業時間が長くなるとともに、不必要な塞栓剤が生じるため、医療経済的に望ましくない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、不必要な塞栓剤を発生させ難くなるとともに、作業時間を短縮し、かつ生体内での塞栓剤の効果を高めることができる塞栓剤分散デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る塞栓剤分散デバイスは、塞栓剤が収容される第1のシリンジおよび液体が収容される第2のシリンジを接続可能な塞栓剤分散デバイスであって、前記第1のシリンジの先筒を接続可能な第1の接続部と、前記第2のシリンジの先筒を接続可能な第2の接続部と、前記第1のシリンジおよび前記第2のシリンジの押し子を同時に押し込み可能な固定部と、前記第1の接続部と連通する第1のルーメンと、前記第2の接続部と連通する第2のルーメンと、前記第1のルーメンおよび前記第2のルーメンが合流する混合ルーメンが形成される混合部と、を有し、前記第1のルーメンの容積は、前記第2のルーメンの容積より大きく、前記混合部は、前記混合ルーメンに突出して形成される少なくとも1つの混合促進部を有する。
上記のように構成した塞栓剤分散デバイスは、第1のルーメンを通る塞栓剤が、第2のルーメンを通る液体よりもゆっくり合流部に到達しやすい。このため、固定部によって第1のシリンジおよび第2のシリンジから押し出される塞栓剤および流体は、混合部において混合促進部により混合が促進されて、時間経過とともに塞栓剤の液体に対する分散濃度が増加する。このため、本塞栓剤分散デバイスは、一回の押し込み操作によって、塞栓剤の分散濃度を徐々に上昇させつつ放出できる。これにより、塞栓剤分散デバイスは、不必要な塞栓剤を発生させ難くなるとともに、操作性が向上し、かつ生体内での塞栓剤の効果を高めることができる。
前記混合ルーメンの流路断面積は、前記第1のルーメンの流路断面積よりも大きく、かつ第2のルーメンの流路断面積よりも大きくてもよい。これにより、広い混合ルーメンで塞栓剤および液体が混ざりやすくなるとともに、塞栓剤の分散濃度を徐々に上昇させることができる。
塞栓剤分散デバイスは、混合部または当該混合部よりも先端側に、流路を開閉可能な活栓を有してもよい。これにより、活栓を閉じることで、第2の接続部から混合部を介して第1の接続部へ、流体を容易にプライミングできる。このため、塞栓剤分散デバイスの内部の空気を効果的に排出できる。
前記混合促進部は、柱状または板状に形成されてもよい。これにより、混合促進部は、塞栓剤と流体の流れを変化させつつ、両者を効果的に混合できる。このため、混合促進部は、短い流路で、塞栓剤を流体に対して均一に分散させることができる。
前記混合促進部は、回転体であってもよい。これにより、混合促進部は、回転しつつ塞栓剤と流体を効果的に混合できる。このため、混合促進部は、短い流路で、塞栓剤を流体に対して均一に分散させることができる。
前記混合促進部は、網状の部材であってもよい。これにより、混合促進部は、網状の部材の隙間に塞栓剤と流体を流通させて、両者を効果的に混合できる。このため、混合促進部は、短い流路で、塞栓剤を流体に対して均一に分散させることができる。
塞栓剤分散デバイスの他の態様は、塞栓剤が含まれる第1の収容体と、液体が含まれる第2の収容体と、前記第1の収容体と連通可能な第1のルーメンと、前記第2の収容体と連通可能な第2のルーメンと、前記第1のルーメンおよび前記第2のルーメンが合流する混合ルーメンが形成される混合部と、を有し、前記第1のルーメンの容積は、前記第2のルーメンの容積より大きく、前記混合部は、前記混合ルーメンに突出して形成される少なくとも1つの混合促進部を有してもよい。これにより、塞栓剤分散デバイスは、第1のルーメンを通る塞栓剤が、第2のルーメンを通る液体よりもゆっくり合流部に到達しやすい。このため、第1の収容体および第2の収容体から押し出される塞栓剤および流体は、混合部において混合促進部により混合が促進されて、時間経過とともに塞栓剤の液体に対する分散濃度が増加する。このため、本塞栓剤分散デバイスは、一回の押し込み操作によって、塞栓剤の分散濃度を徐々に上昇させつつ放出できる。これにより、塞栓剤分散デバイスは、不必要な塞栓剤を発生させ難くなるとともに、操作性が向上し、かつ生体内での塞栓剤の効果を高めることができる。
塞栓剤分散デバイスのさらに他の態様は、塞栓剤が含まれる複数の第1の収容体と、液体が含まれるとともに前記第1の収容体を収容する第2の収容体と、を有し、各々の前記第1の収容体は、前記第2の収容体の内部で別々に破壊可能であって前記塞栓剤を放出可能であってもよい。これにより、塞栓剤分散デバイスは、第1の収容体を破壊することで、第2の収容体の内部の液体に塞栓剤を容易に混合できる。そして、複数の第1の収容体が、別々に破壊可能であるため、第2の収容体の内部の塞栓剤の分散濃度を、徐々に上昇させつつ放出できる。したがって、塞栓剤分散デバイスは、不必要な塞栓剤を発生させ難くなるとともに、操作性が向上し、かつ生体内での塞栓剤の効果を高めることができる。
本実施形態に係る塞栓剤分散デバイスを示す平面図である。 本実施形態に係る塞栓剤分散デバイスを示す断面図である。 肝臓の病変部に塞栓剤を注入している状態を示す概略図である。 塞栓剤の分散濃度の時間変化を示すグラフである。 塞栓剤分散デバイスの変形例を示す断面図であり、(A)は第1の変形例、(B)は第2の変形例、(C)は第3の変形例、(D)は第4の変形例を示す。 塞栓剤分散デバイスの第5の変形例を示す平面図である。 塞栓剤分散デバイスの第6の変形例を示す平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法は、説明の都合上、誇張されて実際の寸法とは異なる場合がある。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施形態に係る塞栓剤分散デバイス10は、図1、2に示すように、塞栓剤140と液体を混合して、目的の治療部位に投与するための装置である。塞栓剤分散デバイス10は、塞栓剤140が収容される第1のシリンジ100(第1の収容体)および液体が収容される第2のシリンジ110(第2の収容体)を接続して使用される。
塞栓剤分散デバイス10は、第1の接続部20と、第1の接続チューブ30と、第2の接続部40と、第2の接続チューブ50と、固定部60と、混合部70と、放出部80とを有している。
第1の接続部20は、第1のシリンジ100の先筒101を接続可能な部位である。第1の接続部20は、第1のシリンジ100の先筒101を挿入することで、液密に先筒101を嵌合可能である。
第1の接続チューブ30は、第1の接続部20と混合部70を繋ぐチューブである。第1の接続チューブ30は、第1の接続部20と連通する第1のルーメン31が形成されている。
第2の接続部40は、第2のシリンジ110の先筒111を接続可能な部位である。第2の接続部40は、第2のシリンジ110の先筒111を挿入することで、液密に先筒111を嵌合可能である。
第2の接続チューブ50は、第2の接続部40と混合部70を繋ぐチューブである。第2の接続チューブ50は、第2の接続部40と連通する第2のルーメン51が形成されている。
第1のルーメン31の容積は、第2のルーメン51の容積より大きい。一例として、第1のルーメン31および第2のルーメン51の内径が同一であり、第1のルーメン31の延在方向の長さが、第2のルーメン51の延在方向の長さよりも長い。なお、第1のルーメン31の容積が、第2のルーメン51の容積より大きければ、第1のルーメン31および第2のルーメン51の内径および長さは、上述の例に限定されない。
混合部70は、第1の接続チューブ30および第2の接続チューブ50が接続されている。混合部70は、第1のルーメン31および第2のルーメン51と連通する混合ルーメン71と、活栓72とを有している。混合ルーメン71は、第1のルーメン31の流路断面積よりも大きな流路断面積を有している。さらに、混合ルーメン71は、第2のルーメン51の流路断面積よりも大きな流路断面積を有している。混合ルーメン71は、第1のルーメン31から供給される塞栓剤140と、第2のルーメン51から供給される流体の混合を促すための混合促進部73が形成されている。混合促進部73は、混合ルーメン71の対向する内壁面同士を繋ぐように柱状に形成される。柱状の混合促進部73の形状は、特に限定されないが、例えば、柱の軸心と直交する断面が円形、楕円形、多角形、またはこれらに属さない任意の形状である。
活栓72は、混合部70の先端側に配置されている。活栓72は、例えば三方活栓であるが、二方活栓であってもよい。活栓72は、混合ルーメン71、混合ルーメン71の先端側に設けられる放出ルーメン81、および混合ルーメン71と放出ルーメン81の間で側方へ開口する側方ルーメン74の全て連通しないように閉じたり、3つのうちのいずれか2つを選択的に連通するように開くことが可能である。なお、活栓72の位置は、特に限定されない。例えば、活栓72は、混合部70の途中や、混合部70の基端部に配置されてもよく、または放出部80に配置されてもよい。
放出部80は、混合部70にて混合した塞栓剤140と液体を放出する部位である。混合部70は、混合ルーメン71と連通する放出ルーメン81を有している。混合部70は、先端側へ延在し、先端に、放出ルーメン81が開口する放出口82が形成されている。放出口82は、例えばカテーテル等に接続可能である。
固定部60は、第1のシリンジ100の外筒102および第2のシリンジ110の外筒112を保持する保持部61と、第1のシリンジ100の押し子103および第2のシリンジ110の押し子113を一緒に押し込むことができる押圧部62とを有している。
第1のシリンジ100に収容される塞栓剤140は、微小な粒子上の物体である。第1のシリンジ100には、塞栓剤140とともに造影剤、生理食塩水、高粘度化合物、薬剤の少なくとも1つが含まれてもよい。
第2のシリンジ110に収容される液体は、液状であり、造影剤、生理食塩水、高粘度化合物、薬剤の少なくとも1つが含まれている。
塞栓剤140の構成材料は、特に限定されないが、例えばアクリル、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール・アクリル酸ナトリウム共重合体などである。塞栓剤140の直径は、例えば50〜1200μmである。塞栓剤140の形状は、特に限定されないが、例えば球体、円柱体や角柱体等の柱体、楕円体、平板等である。
造影剤の構成材料は、特に限定されないが、例えばヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルである。
高粘度化合物は、例えば、輸液などに用いられるものである。高粘度化合物は、例えば血漿増量剤である低分子デキストラン、ヒドロキシエチルデンプン、中心静脈に用いる脂肪乳剤、卵黄レシチン等を好適に使用できる。高粘度化合物は、例えば生理食塩水よりも高い粘度を有する。これにより、高粘度化合物は、塞栓剤140を均等に分散させて、塞栓剤140が沈殿することを抑制できる。
次に、本実施形態に係る塞栓剤分散デバイス10を用いて、肝臓がんの病変部201を治療する方法を説明する。
術者は、塞栓剤分散デバイス10の活栓72を閉じ、第2の接続部40に液体が収容された第2のシリンジ110を接続する。なお、第1の接続部20には、第1のシリンジ100は接続されていない。次に、術者は、第2のシリンジ110の押し子113を押し、液体を先筒111から第2の接続部40へ放出される。液体は、先筒111から第2の接続部40および第2のルーメン51を通って、混合部70へ流入する。なお、液体は、活栓72によって放出部80へ移動できないため、混合部70を満たした後、第1のルーメン31を通って第1の接続部20から抜ける。これにより、第1のルーメン31、第2のルーメン51および混合部70のプライミングが完了する。あるいは、活栓の72の開閉によりプライミングを完了してもよく、放出部80から生理食塩水を注入して、プライミング後に第1のシリンジ100と第2のシリンジ110をそれぞれ嵌合してもよい。
次に、術者は、第1の接続部20に第1のシリンジ100の先筒101を接続する。そして、第1のシリンジ100の押し子103と第2のシリンジ110の押し子113を、同時に押せるように固定部60に連結する。これにより、塞栓剤140を注入する前の塞栓剤分散デバイス10の準備が完了する。なお、この塞栓剤分散デバイス10の準備は、治療用カテーテル120の先端部を、血管内に挿入した後に行われてもよい。
次に、術者は、図示しないカテーテルを、腕や下肢の動脈から血管内へ挿入し、肝動脈200に到達させる。この後、カテーテルのハブからルーメンに、図3に示すように、カテーテルよりも長い治療用カテーテル120を挿入する。治療用カテーテル120は、たとえばマイクロカテーテルである。術者は、治療用カテーテル120を、カテーテルの先端から突出させて、肝動脈200へ挿入できる。治療用カテーテル120の先端部は、病変部201の近くであって、病変部201を栄養する肝動脈200内に配置される。
次に、術者は、治療用カテーテル120の基端部のハブに、塞栓剤分散デバイス10の放出口82を差し込んで連結する。なお、放出口82は、治療用カテーテル120のハブに直接連結されるのではなく、三方活栓72等を有するチューブを介して接続されてもよい。
次に、術者は、活栓72を操作し、混合ルーメン71を放出ルーメン81に連通させて、固定部60の押圧部62を先端側へ移動させる。これにより、押し子103と押し子113が先端側へ押圧される。このため、図2に示すように、第1のシリンジ100から放出された塞栓剤140が第1のルーメン31を混合部70へ向かって移動するとともに、第2のシリンジ110から放出された液体が第2のルーメン51を混合部70へ向かって移動する。このとき、第1のシリンジ100の押し子103と、第2のシリンジ110の押し子113は、同じ長さを移動する。そして、第2のルーメン51の容積は、第1のルーメン31の容積よりも大きい。このため、第1のルーメン31を移動する塞栓剤140は、第2のルーメン51を移動する液体よりも遅く混合部70へ到達する。
混合部70へ到達した塞栓剤140および液体は、混合ルーメン71内で混ざり合う。混合ルーメン71は、第1のルーメン31の流路断面積よりも大きく、かつ第2のルーメン51の流路断面積よりも大きな流路断面積を有している。これにより、広い混合ルーメン71で塞栓剤140および液体が混ざりやすいとともに、塞栓剤140の分散濃度を徐々に上昇させることができる。さらに、混合部70に形成される混合促進部73は、塞栓剤140と流体の流れを複雑に変化させて、両者を効果的に混合する。このため、混合促進部73は、短い流路で、塞栓剤140を流体に対して均一に分散させることができる。混合ルーメン71の内部は、先に液体によって満たされた状態から、徐々に塞栓剤140が流入される。このため、混合部70における塞栓剤140の分散濃度は、徐々に増加する。
混合部70において混合された塞栓剤140および液体は、活栓72を通って放出ルーメン81に入り、放出口82から治療用カテーテル120の内部へ放出される。放出口82から放出される塞栓剤140および液体からなる放出物における塞栓剤140の分散濃度は、図4に示すように、徐々に増加する。そして、治療用カテーテル120の内部へ放出される放出物は、図3に示すように、治療用カテーテル120の先端部の開口から、病変部201を栄養する肝動脈200内へ放出される。混合部70における塞栓剤140の分散濃度は、徐々に増加するため、肝動脈200内へ放出される放出物における塞栓剤140の分散濃度も、徐々に増加する。このため、血管内に多量の塞栓剤140がまとめて投与されることを制限できる。血管内に多量の塞栓剤140がまとめて投与されると、塞栓剤140が目的末梢の血管へ到達する手前の血管内で詰まりやすくなり、目的の血管へ塞栓剤140を到達させることが抑制される可能性がある。これに対し、本実施形態では、放出物における塞栓剤140の分散濃度が、投与の開始時には薄いため、塞栓剤140を到達させたい末梢の細い血管まで塞栓剤140を到達させることができる。そして、放出物における塞栓剤140の分散濃度が、徐々に高くなるため、末梢の細い血管を塞栓剤140で塞栓した後に、上流側に向かって徐々に太くなる血管に、塞栓剤140を効率よく塞栓できる。このため、血管の長さ方向の広い範囲が、塞栓剤140によって良好かつ効率的に塞栓される。これにより、塞栓剤140は、病変部201への栄養の供給を阻害し、病変部201のがん細胞を死滅または減少させることができる。塞栓剤140による血管の塞栓が完了した後、塞栓剤分散デバイス10からの塞栓剤140および液体の放出を停止させる。この後、生体から治療用カテーテル120およびカテーテルを抜去し、手技が完了する。
以上のように、本実施形態に係る塞栓剤分散デバイス10は、塞栓剤140が収容される第1のシリンジ100および液体が収容される第2のシリンジ110を接続可能な塞栓剤分散デバイス10であって、第1のシリンジ100の先筒101を接続可能な第1の接続部20と、第2のシリンジ110の先筒111を接続可能な第2の接続部40と、第1のシリンジ100および第2のシリンジ110の押し子103、113を同時に押し込み可能な固定部60と、第1の接続部20と連通する第1のルーメン31と、第2の接続部40と連通する第2のルーメン51と、第1のルーメン31および第2のルーメン51が合流する混合ルーメン71が形成される混合部70と、を有し、第1のルーメン31の容積は、第2のルーメン51の容積より大きく、混合部70は、混合ルーメン71に突出して形成される少なくとも1つの混合促進部73を有する。これにより、塞栓剤分散デバイス10は、第1のルーメン31を通る塞栓剤140が、第2のルーメン51を通る液体よりもゆっくり混合部70に到達しやすい。このため、固定部60によって第1のシリンジ100および第2のシリンジ110から押し出される塞栓剤140および流体は、混合部70において混合促進部73により混合が促進されて、時間経過とともに塞栓剤140の液体に対する分散濃度が増加する。このため、本塞栓剤分散デバイス10は、一回の押し込み操作によって、塞栓剤140の分散濃度を徐々に上昇させつつ放出できる。これにより、塞栓剤分散デバイス10は、不必要な塞栓剤140を発生させ難くなるとともに、作業時間を短縮し、かつ生体内での塞栓剤140の効果を高めることができる。
また、混合ルーメン71の流路断面積は、第1のルーメン31の流路断面積よりも大きく、かつ第2のルーメン51の流路断面積よりも大きい。これにより、広い混合ルーメン71で塞栓剤140および液体が混ざりやすくなるとともに、塞栓剤140の分散濃度を徐々に上昇させることができる。
また、塞栓剤分散デバイス10は、混合部70または当該混合部70よりも先端側に、流路を開閉可能な活栓72を有する。これにより、活栓72を閉じることで、第2の接続部40から混合部70を介して第1の接続部20へ、流体を容易にプライミングできる。このため、塞栓剤分散デバイス10の内部の空気を効果的に排出できる。
また、混合促進部73は、柱状に形成される。これにより、混合促進部73は、塞栓剤140と流体の流れを変化させつつ、両者を効果的に混合できる。このため、混合促進部73は、短い流路で、塞栓剤140を流体に対して均一に分散させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。病変部201は、肝臓がんに限定されず、例えば、動脈瘤、狭窄部等であってもよい。また、病変部201は、がん細胞に限定されず、例えば、筋腫、血管奇形、動脈硬化等であってもよい。
また、図5(A)に示す第1の変形例のように、混合促進部73は、板状に形成されてもよい。これにより、混合促進部73は、塞栓剤140と流体の流れを変化させつつ、両者を効果的に混合できる。このため、混合促進部73は、短い流路で、塞栓剤140を流体に対して均一に分散させることができる。
また、図5(B)に示す第2の変形例のように、混合促進部73は、回転可能なスクリュー形状の回転体であってもよい。混合促進部73である回転体は、例えばアルキメディアンスクリューの形状を有し、塞栓剤140および流体の流れ方向と略平行な回転軸を有している。混合促進部73は、塞栓剤140および液体から力を受けて回転する。これにより、混合促進部73は、塞栓剤140と流体の流れを変化させつつ、両者を効果的に混合できる。このため、混合促進部73は、短い流路で、塞栓剤140を流体に対して均一に分散させることができる。なお、スクリュー形状の混合促進部73は、モータ等の駆動源によって回転駆動されてもよい。あるいは、回転しないスクリュー体として、塞栓剤140と流体の流れを乱流化し、両者を混合してもよい。
また、図5(C)に示す第3の変形例のように、混合促進部73は、回転可能であるとともに噛み合う2つの歯車74(回転体)を有してもよい。混合促進部73である歯車74は、塞栓剤140および流体の流れ方向と略垂直な回転軸を有している。2つの歯車74は、噛み合っている部位に塞栓剤140および液体を受けるように配置される。したがって、2つの歯車74は、噛み合っている部位に、塞栓剤140および液体から力を受けて回転する。これにより、2つの歯車74は、塞栓剤140および液体の流れを噛み合う歯によって変化させつつ、両者を効果的に混合することができる。塞栓剤140および液体は、2つの歯車74の噛み合っている部位を通過し、放出ルーメン81に到達する。混合促進部73は、短い流路で、塞栓剤140を流体に対して均一に分散させることができる。なお、2つの歯車74のうちの少なくとも一方が、モータ等の駆動源によって回転駆動されてもよい。
また、図5(D)に示す第4の変形例のように、混合促進部73は、複数の貫通孔75が形成される網状の部材であってもよい。混合促進部73は、複数の貫通孔75に塞栓剤140および液体を流通させることで、塞栓剤140と流体の流れを変化させつつ、両者を効果的に混合できる。このため、混合促進部73は、短い流路で、塞栓剤140を流体に対して均一に分散させることができる。
また、図6に示す第5の変形例のように、塞栓剤分散デバイス300は、塞栓剤140を収容する第1の収容体301と、液体を収容する第2の収容体302と、第1の収容体301および第2の収容体302を加圧する加圧バッグ303とを有してもよい。第1の収容体301は、第1のルーメン31が形成される第1の接続チューブ30に、第1の接続部20によって接続可能である。第2の収容体302は、第2のルーメン51が形成される第2の接続チューブ50に、第2の接続部40によって接続可能である。第1の収容体301および第2の収容体302は、合成ゴム、天然ゴム、エラストマー等の柔軟な材料によりバルーン状に形成される。
加圧バッグ303は、内部に流体が供給されて拡張する拡張部305と、拡張部305へ流体を供給する供給部306とを有している。供給部306は、例えば送気球である。加圧バッグ303は、第1の収容体301と第2の収容体302を収容できる。供給部306から流体が供給される拡張部305は、第1の収容体301および第2の収容体302を押圧する。これにより、第1の収容体301から塞栓剤140が第1のルーメン31へ放出され、第2の収容体302から液体が第2のルーメン51へ放出される。この後の塞栓剤140および液体の作用は、前述の実施形態と同様である。なお、第1の収容体301は、第2の収容体302よりも硬くてもよい。この場合、第1の収容体301から放出される塞栓剤140は、第2の収容体302から放出される液体よりも少ない。これにより、塞栓剤分散デバイス300は、混合部70における塞栓剤140の分散濃度をゆっくり増加させて、放出口82から放出できる。この場合、第1のルーメン31の容積は、第2のルーメン51よりも大きくなくてもよい。また、第1の接続部20は設けられずに、第1の接続チューブ30が第1の収容体301に直接的に接続されてもよい。また、第2の接続部40は設けられずに、第2の接続チューブ50が第2の収容体302に直接的に接続されてもよい。
以上のように、第5の変形例に係る塞栓剤分散デバイス300は、塞栓剤140が含まれる第1の収容体301と、液体が含まれる第2の収容体302と、第1の収容体301と連通可能な第1のルーメン31と、第2の収容体302と連通可能な第2のルーメン51と、第1のルーメン31および第2のルーメン51が合流する混合ルーメン71が形成される混合部70と、を有し、第1のルーメン31の容積は、第2のルーメン51の容積より大きく、混合部70は、混合ルーメン71に突出して形成される少なくとも1つの混合促進部73を有する。これにより、塞栓剤分散デバイス300は、第1のルーメン31を通る塞栓剤140が、第2のルーメン51を通る液体よりもゆっくり混合部70に到達しやすい。このため、第1の収容体301および第2の収容体302から押し出される塞栓剤140および流体は、混合部70において混合促進部73により混合が促進されて、時間経過とともに塞栓剤140の液体に対する分散濃度が増加する。このため、本塞栓剤分散デバイス300は、一回の押し込み操作によって、塞栓剤140の分散濃度を徐々に上昇させつつ放出できる。これにより、塞栓剤分散デバイス300は、不必要な塞栓剤140を発生させ難くなるとともに、操作性が向上し、かつ生体内での塞栓剤140の効果を高めることができる。
また、図7に示す第6の変形例のように、塞栓剤分散デバイス400は、液体を収容する輸液バッグ402(第2の収容体)と、輸液バッグ402の内部に配置されて塞栓剤140を収容する複数の小バッグ401(第1の収容体)とを有してもよい。輸液バッグ402は、チューブ403および放出部80を介して、治療用カテーテル120に接続可能である。小バッグ401は、輸液バッグ402の外部から手で潰すことができる。小バッグ401を輸液バッグ402の内部で潰すように破壊することで、輸液バッグ402の内部における塞栓剤140の分散濃度を増加させることができる。したがって、小バッグ401を順次潰すことで、輸液バッグ402の内部における塞栓剤140の分散濃度を順次増加させて、放出口82から放出できる。
以上のように、第6の変形例に係る塞栓剤分散デバイス400は、塞栓剤140が含まれる複数の小バッグ401(第1の収容体)と、液体が含まれるとともに小バッグ401を収容する輸液バッグ402(第2の収容体)と、を有し、各々の小バッグ401は、輸液バッグ402の内部で別々に破壊可能であって塞栓剤140を放出可能である。これにより、塞栓剤分散デバイス400は、小バッグ401を破壊することで、輸液バッグ402の内部の液体に塞栓剤140を容易に混合できる。そして、複数の小バッグ401が、別々に破壊可能であるため、輸液バッグ402の内部の塞栓剤140の分散濃度を、徐々に上昇させつつ放出できる。このため、塞栓剤分散デバイス400は、不必要な塞栓剤140を発生させ難くなるとともに、操作性が向上し、かつ生体内での塞栓剤140の効果を高めることができる。
10、300、400 塞栓剤分散デバイス
20 第1の接続部
30 第1の接続チューブ
31 第1のルーメン
40 第2の接続部
50 第2の接続チューブ
51 第2のルーメン
60 固定部
70 混合部
71 混合ルーメン
72 活栓
73 混合促進部
74 歯車
80 放出部
82 放出口
100 第1のシリンジ
110 第2のシリンジ
140 塞栓剤
301 第1の収容体
302 第2の収容体
402 輸液バッグ(第2の収容体)
401 小バッグ(第1の収容体)

Claims (8)

  1. 塞栓剤が収容される第1のシリンジおよび液体が収容される第2のシリンジを接続可能な塞栓剤分散デバイスであって、
    前記第1のシリンジの先筒を接続可能な第1の接続部と、
    前記第2のシリンジの先筒を接続可能な第2の接続部と、
    前記第1のシリンジおよび前記第2のシリンジの押し子を同時に押し込み可能な固定部と、
    前記第1の接続部と連通する第1のルーメンと、
    前記第2の接続部と連通する第2のルーメンと、
    前記第1のルーメンおよび前記第2のルーメンが合流する混合ルーメンが形成される混合部と、を有し、
    前記第1のルーメンの容積は、前記第2のルーメンの容積より大きく、
    前記混合部は、前記混合ルーメンに突出して形成される少なくとも1つの混合促進部を有する塞栓剤分散デバイス。
  2. また、前記混合ルーメンの流路断面積は、前記第1のルーメンの流路断面積よりも大きく、かつ第2のルーメンの流路断面積よりも大きい請求項1に記載の塞栓剤分散デバイス。
  3. 前記混合部または当該混合部よりも先端側に、流路を開閉可能な活栓を有する請求項1または2に記載の塞栓剤分散デバイス。
  4. 前記混合促進部は、柱状または板状に形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の塞栓剤分散デバイス。
  5. 前記混合促進部は、回転体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の塞栓剤分散デバイス。
  6. 前記混合促進部は、網状部材である請求項1〜3のいずれか1項に記載の塞栓剤分散デバイス。
  7. 塞栓剤が含まれる第1の収容体と、
    液体が含まれる第2の収容体と、
    前記第1の収容体と連通可能な第1のルーメンと、
    前記第2の収容体と連通可能な第2のルーメンと、
    前記第1のルーメンおよび前記第2のルーメンが合流する混合ルーメンが形成される混合部と、を有し、
    前記第1のルーメンの容積は、前記第2のルーメンの容積より大きく、
    前記混合部は、前記混合ルーメンに突出して形成される少なくとも1つの混合促進部を有する塞栓剤分散デバイス。
  8. 塞栓剤が含まれる複数の第1の収容体と、
    液体が含まれるとともに前記第1の収容体を収容する第2の収容体と、を有し、
    各々の前記第1の収容体は、前記第2の収容体の内部で別々に破壊可能であって前記塞栓剤を放出可能である塞栓剤分散デバイス。
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