JP2021107509A - 皮脂捕捉用架橋ポリマー - Google Patents

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瑛治 一戸
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裕志 川向
志洋 宮崎
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志洋 宮崎
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智典 福地
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Abstract

【課題】従来の吸油剤よりも優れた皮脂捕捉性能を有する、皮脂捕捉用ポリマーを提供する。【解決手段】炭素数1以上10以下の炭化水素基含有基を有する単官能(メタ)アクリルアミドを由来とする構成単位(A)、及び、2個以上の重合性不飽和基を有する架橋性単量体を由来とする構成単位(B)を含む、皮脂捕捉用架橋ポリマー。【選択図】なし

Description

本発明は、皮脂捕捉用架橋ポリマーに関する。
ファンデーション等のメイクアップ用化粧料において、吸油剤として、酸化亜鉛、多孔質シリカ等の無機粉末や、メタクリル酸メチルクロスポリマー等の架橋ポリマーを配合することが知られている。これら吸油剤を配合することにより、化粧料の油性成分を保持するとともに、皮膚に適用した後に皮膚から分泌される皮脂を吸収し経時での化粧崩れを防止して、化粧持ちを向上させたり皮膚のテカリを抑えたりする試みがなされている。
吸油剤として、例えば特許文献1には、JIS K 6217−4法によって測定した吸油量が400ml/100gをこえ、窒素吸着等温線法により得た細孔分布曲線において、ΔVp/ΔlogRp値の最大値が250mm/nm・g以上であり、そのときの細孔ピーク半径が3nm以上であることを特徴とする非晶質シリカ粒子が開示されている。
特許文献2には、溶解度パラメーターが9以下の単量体を主成分としてなる分子中に1個の重合性不飽和基を有する単量体(A)および分子中に少なくとも1個の縮合性官能基(X)を有し且つ1個の重合性不飽和基を有する単量体(B)からなる単量体成分を重合してえられる重合体(I)を、縮合性官能基(X)と縮合し得る縮合性官能基(Y)を分子中に少なくとも2個有する架橋性縮合剤(C)により架橋することによって得られる共重合体(II)からなる膨潤性吸油剤が開示されている。
特許文献3には、溶解度パラメーターが9以下の単量体を主成分としてなる分子中に1個の重合性不飽和基を有する単量体成分(A)及び分子中に少なくとも2個の重合性不飽和基を有する架橋性単量体(B)からなる単量体混合物を重合して得られる、容積平均粒径が1.5μm未満で、かつ5μm以上の粒子の割合が全体の5重量%以下の膨潤性吸油剤の水分散体が開示されている。
特許文献4には、感触も優れる上に、高い吸油性を有する、(A)溶解度パラメータが8.8未満のモノマーが、全モノマー中60〜100質量%であるモノマー、及び(B)全モノマー100質量部に対して0.02〜15質量部の架橋剤を、W(水相)/O(油相)/W(水相)型乳化物中に存在させ、重合して得られる、多孔質ポリマー粒子が開示されている。
特開2005−53744号公報 特開平4−100539号公報 特開平8−3204号公報 特開2004−224906号公報
ファンデーション等のメイクアップ用化粧料に用いる吸油剤としては、皮膚に適用し長時間経過した後でも、化粧もちを向上させたり皮膚のテカリを抑えたりするために、より高い吸油性を有し、優れた皮脂捕捉性能を発現することが望まれている。
本発明の課題は、従来の吸油剤よりも優れた皮脂捕捉性能を有する、皮脂捕捉用架橋ポリマーを提供することにある。
本発明者らは、所定の構成単位を含む架橋ポリマーが、飛躍的に高い皮脂捕捉性能を発現することを見出した。
すなわち本発明は、下記[1]〜[4]に関する。
[1]炭素数1以上10以下の炭化水素基含有基を有する単官能(メタ)アクリルアミドを由来とする構成単位(A)、及び、2個以上の重合性不飽和基を有する架橋性単量体を由来とする構成単位(B)を含む、皮脂捕捉用架橋ポリマー。
[2]上記[1]の皮脂捕捉用架橋ポリマーを用いる、皮脂捕捉方法。
[3]上記[1]の皮脂捕捉用架橋ポリマーを含有する皮脂捕捉剤。
[4]上記[1]の皮脂捕捉用架橋ポリマー、又は上記[3]の皮脂捕捉剤を含有する化粧料。
本発明の皮脂捕捉用架橋ポリマーは、皮脂捕捉性能が高く、例えば、ファンデーション等のメイクアップ用化粧料をはじめとする皮膚化粧料への使用に有用である。
[皮脂捕捉用架橋ポリマー]
本発明の皮脂捕捉用架橋ポリマー(以下、単に「架橋ポリマー」ともいう)は、炭素数1以上10以下の炭化水素基含有基を有する単官能(メタ)アクリルアミドを由来とする構成単位(A)、及び、2個以上の重合性不飽和基を有する架橋性単量体を由来とする構成単位(B)を含む、皮脂捕捉用架橋ポリマーである。
本発明の架橋ポリマーは上記構成であることにより、優れた皮脂捕捉性能を有する。具体的には、自重の5倍以上、好ましくは10倍以上、より好ましくは15倍以上の吸油能を有する架橋ポリマーとなる。吸油対象となる油としては皮脂が挙げられ、その他、化粧料に含まれる油性薬効成分等に対しても吸着、保持効果を発揮する。
本明細書において「自重の5倍以上の吸油能を有する架橋ポリマー」とは、25℃環境下で、質量0.2gの架橋ポリマーに対し自重の5倍量である1gの油を混合し、48時間静置後に、油を吸収してゲル化した架橋ポリマーが流動しない状態となれば、自重の5倍以上の吸油能を有する架橋ポリマーであるものとする。上記油は、好ましくは疑似皮脂である、オレイン酸、トリグリセリド、及びスクアランの質量比2/3/3の混合物である。架橋ポリマーの吸油能は、具体的には実施例に記載の方法により評価できる。
本発明の架橋ポリマーが上記効果を奏する理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明の架橋ポリマーは、炭素数1以上10以下の炭化水素基含有基を有する単官能(メタ)アクリルアミドと、2個以上の重合性不飽和基を有する架橋性単量体とを反応させることで、皮脂を吸収し保持できる網目構造が形成されると考えられる。この網目構造が柔軟なネットワークを形成しており、自重の何倍もの皮脂を捕捉できると推定される。また、架橋ポリマー中の構成単位(A)が疎水性基である炭化水素基を有することから、安定に皮脂を吸着し保持できると考えられる。さらに、皮脂には脂肪酸が含まれているので、架橋ポリマー中の構成単位(A)中のアミド基と脂肪酸中のカルボキシ基とが相互作用し、これを起点として、皮脂がより吸着し保持されると推定される。
なお、本発明の作用メカニズムは上記のものに限定されるものではない。
<構成単位(A)>
本発明の架橋ポリマーは、構成単位(A)として、炭素数1以上10以下の炭化水素基含有基を有する単官能(メタ)アクリルアミドを由来とする構成単位を含む。
構成単位(A)における「炭素数1以上10以下の炭化水素基含有基を有する単官能(メタ)アクリルアミド」とは、(メタ)アクリルアミドの末端アミノ基に結合した1つ又は2つの水素原子が、1つ又は2つの炭素数1以上10以下の炭化水素基含有基に置換された、(メタ)アクリル基を1つのみ有する化合物を意味する。なお本明細書において「(メタ)アクリルアミド」とは、メタクリルアミド又はアクリルアミドを意味する。
皮脂捕捉性能の観点からは、末端アミノ基に結合した1つの水素原子が、1つの炭素数1以上10以下の炭化水素基含有基に置換された単官能(メタ)アクリルアミドであることが好ましい。
また「炭素数1以上10以下の炭化水素基含有基」とは、少なくとも1つの炭化水素基を含有する炭素数1以上10以下の基を意味し、例えば、エーテル基で分断されていてもよい、炭素数1以上10以下の炭化水素基が挙げられる。
上記炭化水素基含有基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシアルキル基等が挙げられる。これらの中でも、皮脂捕捉性能の観点から、アルキル基、アルケニル基、及びアルコキシアルキル基からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、アルキル基がより好ましい。
上記炭化水素基含有基の炭素数は、1以上10以下であって、皮脂捕捉性能の観点から、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上が更に好ましく、そして、9以下が好ましく、8以下がより好ましく、6以下が更に好ましい。
また、上記炭化水素基含有基の炭素数の合計は、1以上であって、皮脂捕捉性能の観点から、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上が更に好ましい。また、該炭素数の合計は20以下であればよく、10以下が好ましく、9以下がより好ましく、8以下が更に好ましく、6以下がより更に好ましい。
構成単位(A)を形成する、炭素数1以上10以下の炭化水素含有基を有する単官能(メタ)アクリルアミドの具体例としては、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、n−プロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、n−ブチル(メタ)アクリルアミド、イソブチル(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド、n−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、n−オクチル(メタ)アクリルアミド、2−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、n−デシル(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジn−プロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジn−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記の中でも、皮脂捕捉性能の観点から、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、n−プロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、n−ブチルアクリルアミド、イソブチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、n−ヘキシルアクリルアミド、n−オクチルアクリルアミド、2−エチルヘキシルアクリルアミド、n−デシルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、及びN−ブトキシメチルアクリルアミドからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
構成単位(A)としては、皮脂捕捉性能の観点から、下記式(I)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 2021107509

式中、Rは炭素数1以上10以下のアルキル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。
は、炭素数1以上10以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、皮脂捕捉性能の観点から、分岐鎖のアルキル基が好ましい。
の炭素数は、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上が更に好ましく、そして、10以下が好ましく、8以下がより好ましく、6以下が更に好ましい。
は、水素原子であることが好ましい。
式(I)で表される構成単位としては、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、n−プロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、n−ブチル(メタ)アクリルアミド、イソブチル(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド、n−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、n−オクチル(メタ)アクリルアミド、2−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、n−デシル(メタ)アクリルアミド等を由来とする構成単位が挙げられる。
上記の中でも、好ましくはメチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、n−プロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、n−ブチルアクリルアミド、イソブチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、及びn−ヘキシルアクリルアミドからなる群から選ばれる1種以上を由来とする構成単位であり、より好ましくはイソプロピルアクリルアミド、イソブチルアクリルアミド、及びt−ブチルアクリルアミドからなる群から選ばれる1種以上を由来とする構成単位であり、更に好ましくはt−ブチルアクリルアミドを由来とする構成単位である。
<構成単位(B)>
本発明の架橋ポリマーは、構成単位(B)として、2個以上の重合性不飽和基を有する架橋性単量体を由来とする構成単位を含む。本発明の架橋ポリマーは構成単位(B)を含むことにより、皮脂を吸収し保持できる網目構造が形成されると考えられる。
重合性不飽和基としては、アリル基、ビニル基、及び(メタ)アクリル基からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。構成単位(A)を形成する単量体との反応性の観点からは、ビニル基又は(メタ)アクリル基が好ましく、(メタ)アクリル基がより好ましい。なお本明細書において「(メタ)アクリル基」とは、メタクリル基又はアクリル基を意味する。
構成単位(B)の形成に用いられる、2個以上の重合性不飽和基を有する架橋性単量体としては、ポリアリル化合物、ポリビニル化合物、多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ポリアリル化合物としては、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン、トリアリルアミン、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルテレフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ポリ(メタ)アリロキシアルカン等が挙げられる。
ポリビニル化合物としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジアクリレートメタクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等の2官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3〜6官能の(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能(メタ)アクリルアミドとしては、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
その他、アリル(メタ)アクリレート等の、アリル基及び(メタ)アクリル基を有する化合物も架橋性単量体として用いることができる。
上記架橋性単量体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の中でも、構成単位(B)を形成する架橋性単量体としては、皮脂捕捉性能の観点から、ポリビニル化合物、多官能(メタ)アクリレート、及び多官能(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、皮脂捕捉性能の観点、及び構成単位(A)を形成する単量体との反応性の観点から、多官能(メタ)アクリレートがより好ましく、2官能(メタ)アクリレートが更に好ましい。
構成単位(B)としては、皮脂捕捉性能の観点から、下記式(II)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 2021107509

式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1以上10以下のアルキレン基を示す。
、Rは、皮脂捕捉性能の観点から、メチル基が好ましい。
の炭素数は、皮脂捕捉性能の観点から、2以上が好ましく、そして、8以下が好ましく、6以下がより好ましく、4以下が更に好ましい。
式(II)で表される構成単位としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及び1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上を由来とする構成単位が挙げられ、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、及び1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートからなる群から選ばれる1種以上を由来とする構成単位が好ましく、エチレングリコールジメタクリレート及び1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートからなる群から選ばれる1種以上を由来とする構成単位がより好ましい。
本発明の架橋ポリマー中の構成単位(A)と構成単位(B)との質量比[(A)/(B)]は、構成単位(A)中のアミド基により皮脂を効率よく捕捉する観点、及び、皮脂を吸収し保持できる柔軟な網目構造を形成する観点から、15以上が好ましく、20以上がより好ましく、25以上が更に好ましく、30以上がより更に好ましい。また、架橋により網目構造を形成して皮脂捕捉性能を向上させる観点から、60以下が好ましく、55以下がより好ましく、50以下が更に好ましく、45以下がより更に好ましい。
なお本明細書において、ポリマー中の構成単位の質量比とは、各構成単位を形成する単量体の質量比を意味する。例えば構成単位(A)と構成単位(B)との質量比[(A)/(B)]とは、構成単位(A)を形成する単量体の質量と、構成単位(B)を形成する単量体の質量との比である。
本発明の架橋ポリマー中の構成単位(A)及び構成単位(B)の合計含有量は、皮脂捕捉性能の観点から、架橋ポリマーを形成する全単量体を100質量%とした場合の、構成単位(A)及び構成単位(B)を形成する単量体の合計量として、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、80質量%以上がより更に好ましい。上限値は100質量%であってもよいが、後述する構成単位(C)を含む観点で、99質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましく、96質量%以下が更に好ましく、95質量%以下がより更に好ましい。
<構成単位(C)>
本発明の架橋ポリマーは、皮脂捕捉性能を向上させる観点から、更に下記式(III)で表される構成単位(C)を含むことが好ましい。
Figure 2021107509

式中、Rは炭素数1以上18以下のアルキル基又は炭素数4以上14以下のジメチルアミノアルキル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。
において、炭素数1以上18以下のアルキル基は、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよいが、皮脂捕捉性能向上の観点から、直鎖アルキル基が好ましい。該アルキル基の炭素数は、1以上18以下であって、皮脂捕捉性能向上の観点から、2以上が好ましく、そして、16以下が好ましく、14以下がより好ましく、12以下が更に好ましい。
において、炭素数4以上14以下のジメチルアミノアルキル基は、(CHN−R−(Rは炭素数2以上12以下のアルキレン基を示す。)で表される基である。Rで示されるアルキレン基は、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよいが、皮脂捕捉性能向上の観点から、直鎖アルキレン基が好ましい。
ジメチルアミノアルキル基の炭素数は、4以上14以下であって、皮脂捕捉性能向上の観点から、10以下が好ましく、6以下がより好ましく、5以下が更に好ましく、4以下がより更に好ましい。
構成単位(C)としては、例えば、アルキル基の炭素数が1以上18以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを由来とする構成単位、及び、ジメチルアミノアルキル基の炭素数が4以上14以下の(メタ)アクリル酸(ジメチルアミノ)アルキルエステルを由来とする構成単位が挙げられる。
アルキル基の炭素数が1以上18以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを由来とする構成単位の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル等を由来とする構成単位のうち1種又は2種以上が挙げられる。
上記の中でも、皮脂捕捉性能を向上させる観点から、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、及び(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシルからなる群から選ばれる1種以上を由来とする構成単位が好ましく、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、及び(メタ)アクリル酸n−ドデシルからなる群から選ばれる1種以上を由来とする構成単位がより好ましく、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、及びメタクリル酸n−ドデシルからなる群から選ばれる1種以上を由来とする構成単位が更に好ましい。
ジメチルアミノアルキル基の炭素数が4以上14以下の(メタ)アクリル酸(ジメチルアミノ)アルキルエステルを由来とする構成単位の具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノオクチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノデシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
上記の中でも、皮脂捕捉性能を向上させる観点から、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノヘキシル(メタ)アクリレート、及びジメチルアミノオクチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上を由来とする構成単位が好ましく、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、及びジメチルアミノブチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上を由来とする構成単位がより好ましく、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上を由来とする構成単位が更に好ましく、ジメチルアミノエチルアクリレート及びジメチルアミノエチルメタクリレートからなる群から選ばれる1種以上を由来とする構成単位がより更に好ましく、ジメチルアミノエチルアクリレートを由来とする構成単位がより更に好ましい。
本発明の架橋ポリマーが構成単位(C)を含む場合、本発明の架橋ポリマー中の構成単位(A)と構成単位(C)との質量比[(A)/(C)]は、皮脂捕捉性能向上の観点から、3以上が好ましく、3.3以上がより好ましく、3.5以上が更に好ましく、3.8以上がより更に好ましく、そして、100以下が好ましく、70以下がより好ましく、50以下が更に好ましく、20以下がより更に好ましい。
本発明の皮脂捕捉用架橋ポリマーは、前記構成単位(A)、構成単位(B)及び構成単位(C)以外の構成単位を、本発明の効果を損なわない範囲で含有してもよい。
但し、本発明の架橋ポリマー中の構成単位(A)、構成単位(B)及び構成単位(C)の合計含有量は、皮脂捕捉性能の観点から、架橋ポリマーを形成する全単量体を100質量%とした場合の、構成単位(A)、構成単位(B)及び構成単位(C)を形成する単量体の合計量として、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上がより更に好ましく、100質量%であってもよい。
本発明の架橋ポリマーは通常、固体であり、その形態としては、化粧料等に配合して皮脂捕捉性能を発現させる観点から、粉末であることが好ましい。該架橋ポリマーが粉末である場合、化粧料等に配合して皮脂捕捉性能を発現させる観点からは、該粉末の平均粒径は、好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上であり、皮脂捕捉性能及び取り扱い性の観点から、好ましくは15μm以下、より好ましくは9μm以下、更に好ましくは8μm以下、より更に好ましくは7μm以下、より更に好ましくは6μm以下である。
架橋ポリマーの平均粒径はレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置により測定されるメジアン径であり、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
(架橋ポリマーの製造方法)
本発明の架橋ポリマーは、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、及び乳化重合等の公知の重合方法を用いて製造することができる。上記の中でも、反応効率、重合のしやすさ、及び、粉末状態の架橋ポリマーを得る観点から、懸濁重合が好ましい。
懸濁重合は、例えば、前記各構成単位を形成する単量体、重合開始剤、及び有機溶媒を含む溶液(油相)と、分散剤及び水を含む溶液(水相)とを混合して懸濁液を調製した後、窒素置換を行い、該懸濁液を加熱撹拌することにより行うことができる。
重合に用いる有機溶媒としては、単量体及び重合開始剤を溶解させることが可能であって、且つ水と分離して油相を形成し得る、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒等が挙げられる。
重合に用いる分散剤としては、乳化能を有する分散剤が好ましく、例えば、水溶性のカチオン性分散剤、アニオン性分散剤、ノニオン性分散剤、及び、両性分散剤又は双極性分散剤が挙げられる。これらの中でも、アニオン性分散剤及びノニオン性分散剤からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、アニオン性分散剤がより好ましい。
反応形式としては、製造容易性の観点から、ラジカル重合反応であることが好ましい。
ラジカル重合反応に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤;2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤;等が挙げられる。懸濁重合を行う観点からは、油溶性の重合開始剤が好ましく、油溶性のアゾ系重合開始剤がより好ましい。
重合開始剤の使用量は、使用する単量体の種類及び濃度、開始剤の種類、重合温度等により適宜選択できるが、通常、使用する全単量体に対して好ましくは0.01質量%以上、10質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上、5質量%以下である。
重合温度は、溶媒及び重合開始剤の種類に応じて適宜選択でき、通常、40〜120℃の範囲で選択される。反応系内の単量体濃度は特に限定されないが、生産効率、反応制御の容易さの観点から、好ましくは1〜60質量%の範囲である。
重合後は有機溶媒を除去し、次いで凍結乾燥することで、粉末状の架橋ポリマーが得られる。
[皮脂の捕捉方法]
本発明はまた、前記皮脂捕捉用架橋ポリマーを用いる、皮脂の捕捉方法を提供する。前記本発明の架橋ポリマーは、自重の5倍以上、好ましくは10倍以上、より好ましくは15倍以上の吸油能を有し、特に皮脂の捕捉効果が高い。例えば該架橋ポリマーを皮膚に適用することで、皮膚上の皮脂を効率よく捕捉することができる。
架橋ポリマーの皮膚への適用方法としては、例えば、架橋ポリマーを含む粉末、溶液、又は分散液を皮膚に塗布し、次いで乾燥させて、皮膚上に架橋ポリマーを含む膜を形成する方法が挙げられる。あるいは、架橋ポリマーを後述する各種化粧料に配合し、皮膚に塗布する方法が挙げられる。
該方法の一例として、本発明の架橋ポリマーをファンデーション、化粧下地等の化粧料に配合し、皮膚に塗布すると、該架橋ポリマーの皮脂捕捉性能により、長時間経過後も化粧もちを向上させたり皮膚のテカリを抑えたりする効果が得られる。
[皮脂捕捉剤]
本発明の皮脂捕捉剤は、前記皮脂捕捉用架橋ポリマーを含有することを特徴とする。該皮脂捕捉剤は、本発明の架橋ポリマーを含有するため、特に皮脂の捕捉効果が高い。
皮脂捕捉剤中の前記架橋ポリマーの含有量は、皮脂捕捉性能の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってよい。
本発明の架橋ポリマー及び皮脂捕捉剤は皮脂捕捉性能が高く、皮脂捕捉性能の付与又は向上を目的とした各種用途に適用することができる。特に、皮脂捕捉性能の有効性の観点から、以下に記述する化粧料に適用することが好ましい。
[化粧料]
本発明の化粧料は、前記皮脂捕捉用架橋ポリマー又は皮脂捕捉剤を含有することを特徴とする。
当該化粧料としては、皮脂捕捉性能の有効性の観点から皮膚化粧料が好ましく、ファンデーション等のメイクアップ用化粧料の他、日焼け止め化粧料、化粧下地、乳液、美容液、クリーム等が挙げられる。
化粧料の製剤の剤型には特に制限はなく、例えば液体状、泡状、ペースト状、クリーム状、固形状等、任意の剤型とすることが可能である。
本発明の架橋ポリマー及び皮脂捕捉剤は優れた皮脂捕捉性能を有するため、例えば該架橋ポリマー又は皮脂捕捉剤をファンデーション等の化粧料に含有させると、化粧料を皮膚に塗布した後、化粧料中の該架橋ポリマー又は皮脂捕捉剤が皮脂を吸収及び保持して、長時間経過後も化粧もちの向上効果及び皮膚のテカリを抑制する効果等が得られる点で好ましい。
化粧料中の架橋ポリマー又は皮脂捕捉剤の含有量は特に制限されないが、皮脂捕捉効果により、長時間経過後も化粧もちの向上効果及び皮膚のテカリを抑制する効果等を得る観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、経済性の観点からは、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。なお本実施例において、各種測定及び評価は以下の方法により行った。
<平均粒径の測定>
架橋ポリマーの平均粒径(メジアン径:D50)は、(株)堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA−920」を用い、水を分散媒として、相対屈折率:1.200−0.000iとして測定した。
<疑似皮脂の調製>
オレイン酸(東京化成工業(株)製)、トリグリセリド(Crupure OL(オリーブ果実油)、クローダジャパン(株)製)、及びスクアラン(東京化成工業(株)製)を質量比2/3/3となるよう配合して混合し、疑似皮脂を調製した。疑似皮脂の酸価は50.5mgKOH/gであった。
<皮脂捕捉性能評価>
表1に記載の架橋ポリマー又は比較物質0.2g、及び、該架橋ポリマー又は比較物質に対し、表1に記載の質量倍に相当する量の疑似皮脂を20mLスクリュー管瓶(材質:硼珪酸ガラス、(株)マルエム製)内で室温(25℃)にて1時間混合し、48時間静置した。静置後のスクリュー管を90度倒し、1分以内に空気との界面が流動するか否かを目視にて確認した。流動する場合は、皮脂捕捉性能が不十分な状態で、当該倍率での皮脂捕捉性能がないと判断した。表1に記載の表現は下記を意味する。
G:流動しない
F:流動した
実施例1(架橋ポリマー1の製造及び評価)
下記に示す懸濁重合法によって架橋ポリマー1を製造した。
500mLビーカーにN−t−ブチルアクリルアミド(TBAA)98.00g、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)2.00g、及び酢酸エチル230.00gを入れ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の攪拌羽根を用いて攪拌しながら43℃まで昇温し、モノマーを溶解させ、均一にした。次に、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(「V−65B」、富士フイルム和光純薬(株)製、油溶性アゾ重合開始剤)1.00gを添加し、迅速に溶解させ、油相溶液を調製した。
次いで2Lビーカーにイオン交換水536.67g、分散剤であるN−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム(「NIKKOL SMT」、日光ケミカルズ(株)製)2.00gを入れ、43℃まで昇温し、ホモミキサー(「ROBOMICS」、プライミクス(株)製)を用いて、回転数3500rpmで1分間混合し、水相溶液を調製した。
前記水相溶液に油相溶液を全量添加し、ホモミキサーを用いて回転数6500rpmで5分間混合し、懸濁液を調製した。
反応槽となる2Lのガラス製セパラブルフラスコを43℃油浴で加熱しておき、反応槽に前記懸濁液を全量入れ、反応槽内を400hPaまで減圧し、30秒間保持し、窒素を吹き込み常圧まで戻す操作を5回繰り返し、窒素置換を行った。PTFE攪拌羽根を用いて懸濁液を攪拌しながら反応槽内を60℃まで昇温した後、60℃で5時間保持して重合を行った。その後70℃で1.5時間保持し熟成を行った。冷却後、エバポレーターを用いて酢酸エチルを除去し、凍結乾燥して、平均粒径(メジアン径)2μmの粉末状の架橋ポリマー1を得た。
得られた架橋ポリマー1を用いて、前記方法で皮脂捕捉性能評価を実施した。結果を表1に示す。
実施例2〜10(架橋ポリマー2〜10の製造及び評価)
表1に示す種類及び質量比のモノマーを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、平均粒径(メジアン径)2μmの粉末状の架橋ポリマー2〜10を製造し、皮脂捕捉性能評価を実施した。結果を表1に示す。
比較例1(非架橋ポリマー1の製造及び評価)
反応槽となる3Lのガラス製セパラブルフラスコに、TBAA 240.00g、酢酸エチル751.29gを入れ、PTFE攪拌羽根を用いて攪拌しながら45℃まで昇温し、均一にした。次に、300mL三ツ口フラスコに重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(「V−65B」、富士フイルム和光純薬(株)製)2.37g、酢酸エチル92.63gを入れ混合し、窒素バブリングにより脱気して開始剤溶液を調製した。また、TBAA 560.00g、酢酸エチル1753.01gを混合したモノマー溶液を調製した。
前記セパラブルフラスコに滴下ロートを取り付け、前記開始剤溶液を滴下ロート内に入れた。滴下ロートを含めて反応槽内を746.6hPaまで減圧し、30秒間保持し、窒素を吹き込み常圧まで戻す操作を3回繰り返し、窒素置換を行った。反応槽内を62℃まで昇温した後、前記開始剤溶液28.50g(全開始剤溶液の30%に相当)を30分間かけて反応槽へ滴下し、重合を開始した。その後、前記モノマー溶液及び開始剤溶液の全量を2時間かけて反応槽へ滴下し、滴下終了後、62℃で3時間保持した後、80℃まで昇温し、80℃を2時間保持することで重合及び熟成を行った。冷却後、アセトン約50Lにて再沈殿を行い精製し、真空下60℃で8時間減圧乾燥し、粉末状の非架橋ポリマー1を得た。
得られた非架橋ポリマー1を用いて、前記方法で皮脂捕捉性能評価を実施した。結果を表1に示す。
比較例2(非架橋ポリマー2の製造及び評価)
TBAAに代えてN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)を使用したこと以外は、比較例1と同様の方法で粉末状の非架橋ポリマー2を製造し、皮脂捕捉性能評価を実施した。結果を表1に示す。
比較例3〜5
架橋ポリマー1に替えて、表1に記載の比較物質(架橋ポリマー11〜12、多孔質シリカ粒子)を用いて、前記方法で皮脂捕捉性能評価を実施した。結果を表1に示す。
Figure 2021107509
表1に記載の成分は下記である。
TBAA:t−ブチルアクリルアミド(東京化成工業(株)製)
DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド(東京化成工業(株)製)
NBMAA:N−(ブトキシメチル)アクリルアミド(東京化成工業(株)製)
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート(「エチレングリコールジメタクリラート」、東京化成工業(株)製)
HGDMA:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(「1,6−ヘキサンジオールジメタクリラート」、東京化成工業(株)製)
EA:アクリル酸エチル(東京化成工業(株)製)
BA:アクリル酸n−ブチル(「アクリル酸ブチル」、東京化成工業(株)製)
MMA:メタクリル酸メチル(東京化成工業(株)製)
LMA:メタクリル酸ドデシル(東京化成工業(株)製)
DMAEA:N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート(「アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル」、東京化成工業(株)製)
架橋ポリマー11:「MAKIBEADS 150」、大東化成工業(株)製、球状メタクリル酸メチルクロスポリマー、多孔質、比表面積約150m/g
架橋ポリマー12:「マツモトマイクロスフェアー M−305」、松本油脂製薬(株)製、表面平滑球状メタクリル酸メチルクロスポリマー、粒径5〜20μm
多孔質シリカ粒子:「サンスフェア H−33」、AGCエスアイテック(株)製、平均粒径3μm、比表面積700m/g
表1に示すように、本発明の架橋ポリマーはいずれも自重の5倍以上の皮脂捕捉性能を有し、非架橋ポリマー単独(比較例1〜2)、及び、従来吸油剤として知られている比較物質(比較例3〜5)よりも優れた皮脂捕捉性能を有していることがわかる。
本発明の架橋ポリマーは、皮脂捕捉性能が高く、例えば、ファンデーション等のメイクアップ用化粧料をはじめとする皮膚化粧料への使用に好適である。

Claims (9)

  1. 炭素数1以上10以下の炭化水素基含有基を有する単官能(メタ)アクリルアミドを由来とする構成単位(A)、及び、2個以上の重合性不飽和基を有する架橋性単量体を由来とする構成単位(B)を含む、皮脂捕捉用架橋ポリマー。
  2. 前記構成単位(A)が下記式(I)で表される、請求項1に記載の皮脂捕捉用架橋ポリマー。
    Figure 2021107509

    式中、Rは炭素数1以上10以下のアルキル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。
  3. 前記構成単位(B)が下記式(II)で表される、請求項1又は2に記載の皮脂捕捉用架橋ポリマー。
    Figure 2021107509

    式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1以上10以下のアルキレン基を示す。
  4. 更に下記式(III)で表される構成単位(C)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮脂捕捉用架橋ポリマー。
    Figure 2021107509

    式中、Rは炭素数1以上18以下のアルキル基又は炭素数4以上14以下のジメチルアミノアルキル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。
  5. 自重の5倍以上の吸油能を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の皮脂捕捉用架橋ポリマー。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の皮脂捕捉用架橋ポリマーを用いる、皮脂の捕捉方法。
  7. 前記皮脂捕捉用架橋ポリマーを皮膚に適用する、請求項6に記載の皮脂の捕捉方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の皮脂捕捉用架橋ポリマーを含有する皮脂捕捉剤。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の皮脂捕捉用架橋ポリマー、又は請求項8の皮脂捕捉剤を含有する化粧料。
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