JP2021107490A - 活性エネルギー線硬化性重合体組成物、それを用いた硬化膜、前記硬化膜を有する積層体、並びにこれらの製造方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性重合体組成物、それを用いた硬化膜、前記硬化膜を有する積層体、並びにこれらの製造方法 Download PDF

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Kazufumi Okumura
和史 奥村
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Yoshinobu Kibe
佳延 木部
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Abstract

【課題】表面硬度及び耐擦傷性に優れ、また、表面に傷が付いた場合でも自己修復性に優れており、さらに、熱処理を施しても変色しにくい硬化膜を形成することが可能な活性エネルギー線硬化性重合体組成物を提供する。【解決手段】(A)ポリイソシアネート系化合物と(B)ポリカーボネートポリオールを50モル%以上含有するポリオールと(C)エポキシ(メタ)アクリレートとの反応生成物であって、NCO基の総数に対するOH基の総数との合計の比が、OH基/NCO基=20/100〜95/100の範囲内にあるイソシアネート基末端プレポリマーと、(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する(C)以外のヒドロキシ(メタ)アクリレートと、の反応生成物であって、プレポリマーのNCO基の総数よりも(D)のOH基の方が多いポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性重合体組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート骨格を有するポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物、この組成物への活性エネルギー線の照射により得られる硬化膜、この硬化膜を有する積層体、並びにこれらの製造方法に関する。
活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、紫外線等の活性エネルギー線により短時間で重合し硬化する特性を持ち、一般的に透明性に優れ、硬化膜に強靭性、柔軟性、耐擦傷性、耐薬品性等の優れた特性を持たせることが可能である。この点から、プラスチックやガラスへのコーティング剤や、レンズの成型剤、封止剤、接着剤等の様々な分野に用いられている。
特開2010−107834号公報(特許文献1)には、1分子中に1つの水酸基と1つのアクリロイル基又はメタクリロイル基とを少なくとも有するエポキシアクリレート(a)と、ポリカーボネートジオール(b)とが、1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(c)を介して結合している光硬化性樹脂を含有する光硬化性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、この光硬化性樹脂組成物に紫外線を照射して得られる硬化膜は、熱処理を施しても変色しにくいものであったが、表面に傷が付いた場合の自己修復性に劣るものであった。
特開2004−35600号公報(特許文献2)には、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する有機イソシアネートとポリカーボネートジオール及びヒドロキシ変性(メタ)アクリレートとを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレート、酸無水物とポリカーボネートジオールとを反応させることによって得られるポリカーボネート含有ジカルボン酸とエポキシ変性(メタ)アクリレートとを反応させることによって得られるエポキシ(メタ)アクリレート、及び、活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機カルボン酸とポリカーボネートジオールとを反応させることによって得られるポリエステル(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化性組成物が開示されている。しかしながら、この活性エネルギー線硬化性組成物も、熱処理を施しても変色しにくいものであったが、表面硬度、耐擦傷性及び表面に傷が付いた場合の自己修復性に劣るものであった。
特開2016−199714号公報(特許文献3)には、特定の構造を有するポリカーボネートジオール、ポリイソシアネート及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含む原料の反応生成物であるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと活性エネルギー線反応性モノマーとを特定の割合で含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物が開示されている。しかしながら、この活性エネルギー線硬化性重合体組成物も、熱処理を施しても変色しにくいものであったが、表面に傷が付いた場合の自己修復性に劣るものであった。
特開2010−107834号公報 特開2004−35600号公報 特開2016−199714号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、表面硬度及び耐擦傷性に優れ、また、表面に傷が付いた場合でも自己修復性に優れており、さらに、熱処理を施しても変色しにくい硬化膜を形成することが可能な活性エネルギー線硬化性重合体組成物、このような硬化膜を有する積層体、及び、これらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリイソシアネート系化合物とポリカーボネートポリオールと水酸基を有する特定の構造のエポキシ(メタ)アクリレートとを反応させることによって得られるイソシアネート基末端プレポリマーと、1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、前記エポキシ(メタ)アクリレート以外のヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させることによって得られるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物を用いることによって、表面硬度及び耐擦傷性に優れ、また、表面に傷が付いた場合でも自己修復性に優れており、さらに、熱処理を施しても変色しにくい硬化膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、(A)ポリイソシアネート系化合物と(B)ポリカーボネートポリオールを50モル%以上含有するポリオールと(C)下記式(1):
R−X (1)
〔前記式中、Xは下記式(x1)又は(x2):
Figure 2021107490
(前記式中、Rは水素原子又はメチル基を表す)
で表される(メタ)アクリロイルオキシ基を有する基を表し、Rは炭素数1〜9の直鎖状又は分岐状の2価又は3価の炭化水素基及び下記式(r1)〜(r3):
Figure 2021107490
(前記式中、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、j及びkはオキシアルキレン基の繰返し数を表し、jは2〜10の整数であり、kは0又は1〜10の整数である)
で表されるオキシアルキレン基を有する基のうちのいずれかの基を表し、nは2又は3である。〕
で表されるエポキシ(メタ)アクリレートとの反応生成物であって、(i)前記(A)ポリイソシアネート系化合物のイソシアネート基(NCO基)の総数に対する、前記(B)ポリオールの水酸基(OH基)の総数と前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数との合計の比が、OH基/NCO基=20/100〜95/100の範囲内にあるイソシアネート基末端プレポリマーと、
(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート以外のヒドロキシ(メタ)アクリレートと、
の反応生成物であって、(ii)前記(A)ポリイソシアネート系化合物のイソシアネート基(NCO基)の総数に対する、前記(B)ポリオールの水酸基(OH基)の総数と前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数と前記(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数との合計の比が、OH基/NCO基=100/100以上であるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー
を含有することを特徴とするものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物においては、(iii)前記(B)ポリオールと前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの総量に対する前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートのモル比が、(C)/[(B)+(C)]=5/100〜95/100の範囲内にあることが好ましい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物においては、前記(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート以外のヒドロキシ(メタ)アクリレートを更に含有することが好ましい。
本発明の硬化膜は、前記本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物の活性エネルギー線硬化膜であり、本発明の積層体は、このような活性エネルギー線硬化膜からなる層を有するものである。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物の製造方法は、(A)ポリイソシアネート系化合物と(B)ポリカーボネートポリオールを50モル%以上含有するポリオールと(C)下記式(1):
R−X (1)
〔前記式中、Xは下記式(x1)又は(x2):
Figure 2021107490
(前記式中、Rは水素原子又はメチル基を表す)
で表される(メタ)アクリロイルオキシ基を有する基を表し、Rは、炭素数1〜9の直鎖状又は分岐状の2価又は3価の炭化水素基及び下記式(r1)〜(r3):
Figure 2021107490
(前記式中、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、j及びkはオキシアルキレン基の繰返し数を表し、jは2〜10の整数であり、kは0又は1〜10の整数である)
で表されるオキシアルキレン基を有する基のうちのいずれかの基を表し、nは2又は3である。〕
で表されるエポキシ(メタ)アクリレートとを、(i)前記(A)ポリイソシアネート系化合物のイソシアネート基(NCO基)の総数に対する、前記(B)ポリオールの水酸基(OH基)の総数と前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数との合計の比が、OH基/NCO基=20/100〜95/100の範囲内となる割合で、反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを得る工程と、
前記イソシアネート基末端プレポリマーと(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート以外のヒドロキシ(メタ)アクリレートとを、(ii)前記(A)ポリイソシアネート系化合物のイソシアネート基(NCO基)の総数に対する、前記(B)ポリオールの水酸基(OH基)の総数と前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数と前記(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数との合計の比が、OH基/NCO基=100/100以上となる割合で、反応させてポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを得る工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物の製造方法においては、前記(A)ポリイソシアネート系化合物と前記(B)ポリオールと前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートとを、(iii)前記(B)ポリオールと前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの総量に対する前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートのモル比が、(C)/[(B)+(C)]=5/100〜95/100の範囲内となる割合で、反応させることが好ましい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物の製造方法においては、前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと前記(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート以外のヒドロキシ(メタ)アクリレートとを混合する工程を更に含むことが好ましい。
本発明の硬化膜の製造方法は、前記方法により活性エネルギー線硬化性重合体組成物を製造する工程と、前記活性エネルギー線硬化性重合体組成物からなる塗膜を形成する工程と、前記活性エネルギー線硬化性重合体組成物からなる塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化膜を形成する工程とを含むことを特徴とする方法である。
本発明の積層体の製造方法は、基材上に、前記方法により前記活性エネルギー線硬化性重合体組成物の硬化膜からなる層を形成することを特徴とする方法である。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとはアクリレートとメタクリレートとの総称であり、アクリレート及びメタクリレートの一方又は両方を意味する。(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリル酸についても同様である。
本発明によれば、表面硬度及び耐擦傷性に優れ、また、表面に傷が付いた場合でも自己修復性に優れており、さらに、熱処理を施しても変色しにくい硬化膜を形成することが可能な活性エネルギー線硬化性重合体組成物、及びこのような硬化膜を有する積層体を得ることが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
<活性エネルギー線硬化性重合体組成物>
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、(A)ポリイソシアネート系化合物と(B)ポリカーボネートポリオールを50モル%以上含有するポリオールと(C)下記式(1):
R−X (1)
〔前記式中、Xは下記式(x1)又は(x2):
Figure 2021107490
(前記式中、Rは水素原子又はメチル基を表す)
で表される(メタ)アクリロイルオキシ基を有する基を表し、Rは炭素数1〜9の直鎖状又は分岐状の2価又は3価の炭化水素基及び下記式(r1)〜(r3):
Figure 2021107490
(前記式中、Rはアルキレン基を表し、j及びkはオキシアルキレン基の繰返し数を表し、jは2〜10の整数であり、kは0又は1〜10の整数である)
で表されるオキシアルキレン基を有する基のうちのいずれかの基を表し、nは2又は3である。〕
で表されるエポキシ(メタ)アクリレートとの反応生成物であって、(i)前記(A)ポリイソシアネート系化合物のイソシアネート基(NCO基)の総数に対する、前記(B)ポリオールの水酸基(OH基)の総数と前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数との合計の比が、OH基/NCO基=20/100〜95/100の範囲内にあるイソシアネート基末端プレポリマーと、
(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート以外のヒドロキシ(メタ)アクリレートと、
の反応生成物であって、(ii)前記(A)ポリイソシアネート系化合物のイソシアネート基(NCO基)の総数に対する、前記(B)ポリオールの水酸基(OH基)の総数と前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数と前記(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数との合計の比が、OH基/NCO基=100/100以上であるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー
を含有するものである。
〔イソシアネート基末端プレポリマー〕
前記イソシアネート基末端プレポリマーは、(A)ポリイソシアネート系化合物と(B)ポリカーボネートポリオールを50モル%以上含有するポリオールと(C)前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートとの反応生成物である。
(A)ポリイソシアネート系化合物
本発明に用いられる(A)ポリイソシアネート系化合物は、1分子中に2つ以上のイソシアネート基及びイソシアネート基を含む置換基の一方又は両方(「イソシアネート基類」とも言う)を有する化合物である。ポリイソシアネートは1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、1種のポリイソシアネートにおいて、イソシアネート基類は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
イソシアネート基を含む置換基としては、例えば、1つ以上のイソシアネート基を含む、炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、又はアルコキシル基が挙げられる。イソシアネート基を含む置換基としての前記アルキル基等の炭素数としては1〜3がより好ましい。
ポリイソシアネートの数平均分子量としては、活性エネルギー線硬化性重合体組成物を硬化して得られる硬化物としての強度と弾性率とのバランスの観点から、100以上が好ましく、150以上がより好ましく、また、1,000以下が好ましく、500以下がより好ましい。ポリイソシアネートの数平均分子量は、単独の単量体からなるポリイソシアネートの場合には化学式からの計算値、2種以上の単量体からなるポリイソシアネートの場合にはNCO%からの計算値によって求めることができる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、及びこれらの誘導体や変性体が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートは、脂肪族構造とそれに結合する2つ以上のイソシアネート基類とを有する化合物である。脂肪族ポリイソシアネートは、活性エネルギー線硬化性重合体組成物を硬化して得られる硬化物の耐候性を高め、かつ屈曲性を付与する観点から好ましい。脂肪族ポリイソシアネートにおける脂肪族構造としては特に限定はされないが、炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキレン基が好ましい。このような脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタン等の1分子中に3つ以上のイソシアネート基を有する脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
脂環族ポリイソシアネートは、脂環式構造とそれに結合する2以上のイソシアネート基類とを有する化合物である。脂環族ポリイソシアネートは、活性エネルギー線硬化性重合体組成物を硬化して得られる硬化物の機械的強度、耐汚染性を高める観点から好ましい。脂環族ポリイソシアネートにおける脂環式構造としては特に限定はされないが、炭素数3〜6のシクロアルキレン基が好ましい。このような脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:イソホロンジイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(別名:ジシクロヘキシルメタン−4,4‘―ジイソシアネート)、2,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−又は1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2,5−ビスイソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビスイソシアナトメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等の1分子中に3つ以上のイソシアネート基を有する脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。これらの中でも、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:イソホロンジイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(別名:ジシクロヘキシルメタン−4,4‘―ジイソシアネート)が好ましい。
芳香族ポリイソシアネートは、芳香族構造とそれに結合する2以上のイソシアネート基類とを有する化合物である。芳香族ポリイソシアネートにおける芳香族構造としては特に限定はされないが、炭素数6〜13の2価の芳香族基が好ましい。このような芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等の1分子中に3つ以上のイソシアネート基を有する芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。これらの中でも、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネートが好ましい。
前記ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、前記ポリイソシアネートのダイマー、トリマー等のイソシアヌレート環含有ポリイソシアネート;ビウレット結合を有するポリイソシアネート;アロファネート結合を有するポリイソシアネート;炭酸ガスと前記ポリイソシアネートとの反応により得られる2,4,6−オキサジアジントリオン環を有するポリイソシアネート;カルボジイミド結合を有するポリイソシアネート;ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが挙げられる。
前記ポリイソシアネートの変性体としては、例えば、前記ポリイソシアネートや前記ポリイソシアネートの誘導体と、ポリオール又はポリアミンとを、ポリイソシアネートのイソシアネート基が、ポリオールのヒドロキシル基又はポリアミンのアミノ基よりも過剰となるような当量比で反応させることによって得られるポリオール変性体やポリアミン変性体;メチルエチルケトンオキシム、ジメチルピラゾール、ジエチルマロネート、カプロラクタム、フェノール等で前記ポリイソシアネートのイソシアネート基を封鎖したブロックイソシアネートが挙げられる。
(B)ポリカーボネートポリオールを50モル%以上含有するポリオール
本発明に用いられる(B)ポリオールは、(BC)ポリカーボネートポリオールを50モル%以上(好ましくは70モル%)含有するものである。このような(BC)ポリカーボネートポリオールを含有するポリオールを用いることによって、表面硬度及び耐擦傷性に優れた硬化膜を得ることが可能となる。なお、本発明において、前記(B)ポリオールには、後述する(C)エポキシ(メタ)アクリレート及び(D)ヒドロキシ(メタ)アクリレートは含まれないものとする。
(BC)ポリカーボネートポリオール
本発明に用いられる(BC)ポリカーボネートポリオールは、2つ以上のカーボネート結合を介してポリオールに由来する炭化水素基が連結した高分子鎖と、この高分子鎖の両末端に結合した水酸基を2つ以上有する化合物である。ポリカーボネートポリオールは1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネートポリオールの数平均分子量としては、ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの粘度が低く扱いやすいという観点や硬化物の機械的強度の観点から、500以上5,000以下であるものが好ましい。
このようなポリカーボネートポリオールは、ポリオールと炭酸ジエステルやホスゲンとをエステル交換触媒を用いて反応させることによって製造することができる。
ポリオールとしては、例えば、脂肪族ジオール、脂環族ポリオール、ヒドロヘキシトールが挙げられる。ポリオールは1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
脂肪族ジオールは、脂肪族構造とそれに結合する2つの水酸基とを有する化合物である。脂肪族ジオールにおける脂肪族構造としては特に限定はされないが、炭素数1〜15の直鎖又は分岐のアルキレン基が好ましい。このような脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールが挙げられる。これらの中でも、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
脂環族ポリオールは、脂環式構造とそれに結合する2つ以上の水酸基とを有する化合物である。脂環族ポリオールにおける脂環式構造としては特に限定はされないが、炭素数3〜6のシクロアルキレン基が好ましい。このような脂環族ポリオールとしては、例えば、シクロヘキサンジメタノール、シクロプロパンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールFが挙げられる。
また、前記脂肪族ジオール及び前記脂環族ポリオールのほか、イソソルビド、イソマンニド、イソイディッド等のヒドロヘキシトール;トリシクロデカンジメタノールも前記ポリオールとして使用することができる。
炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート;ジエチレンカーボネート等のアルキレンカーボネートが挙げられる。
エステル交換触媒としては、一般にエステル交換能があるとされている金属の単体や、水酸化物や塩等の金属化合物が挙げられる。中でも、周期表1族金属、周期表2族金属の酢酸塩や炭酸塩、水酸化物が好ましく、周期表2族金属を用いる触媒がより好ましい。ポリカーボネートポリオール中には製造時に使用された触媒が残存することがあるが、その後のポリウレタン化反応を想定以上に促進したりする場合があり、触媒は残存しない方が好ましい。このような観点から、ポリカーボネートポリオール中に残存する触媒量としては、触媒金属換算の含有量として100質量ppm以下が好ましい。触媒の残存量の下限値は小さいほどよいが、製法の簡略化の観点から0.1質量ppm以上としてもよい。
(BP)その他のポリオール
前記(B)ポリオールに含まれる(BC)ポリカーボネートポリオール以外の(BP)その他のポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリオレフィンポリオールが挙げられる。
(C)エポキシ(メタ)アクリレート
本発明に用いられる(C)エポキシ(メタ)アクリレートは、下記式(1):
R−X (1)
で表される化合物である。
前記式(1)中のXは前記式(x1)又は(x2)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基を有する基を表す。前記式(1)中のnは、前記(C)エポキシ(メタ)アクリレート1分子中の前記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する基の数を表し、2又は3である。前記式(x1)及び(x2)中のRは水素原子又はメチル基を表す。
また、前記式(1)中のRは炭素数1〜9の直鎖状又は分岐状の2価又は3価の炭化水素基及び前記式(r1)〜(r3)で表されるオキシアルキレン基を有する基のうちのいずれかの基を表す。前記式(r1)〜(r3)中のRは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、j及びkはオキシアルキレン基の繰返し数を表し、jは2〜10の整数であり、kは0又は1〜10の整数である。
前記式(1)中のRが炭素数1〜9の直鎖状又は分岐状の2価又は3価の炭化水素基である(C)エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、グリセリントリグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。これらの中でも、得られる硬化膜が表面に傷が付いた場合でも自己修復性に優れているという観点から、前記式(1)中のRが炭素数1〜9の直鎖状の2価の炭化水素基又は炭素数3の3価の炭化水素基である(C)エポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。
前記式(1)中のRが前記式(r1)で表されるオキシアルキレン基を有する基である(C)エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。また、前記式(1)中のRが前記式(r2)で表されるオキシアルキレン基を有する基ある(C)エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。さらに、前記式(1)中のRが前記式(r3)で表されるオキシアルキレン基を有する基ある(C)エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。
これらの(C)エポキシ(メタ)アクリレートの中でも、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、グリセリントリグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物がより好ましい。
(イソシアネート基末端プレポリマー及びその製造方法)
前記イソシアネート基末端プレポリマーは、前記(A)ポリイソシアネート系化合物と前記(B)ポリオールと前記(C)エポキシ(メタ)アクリレートとを反応させることによって得られるものである。前記反応時の温度としては、60〜95℃が好ましく、70〜90℃がより好ましい。
前記反応においては、前記(A)ポリイソシアネート系化合物と前記(B)ポリオールと前記(C)エポキシ(メタ)アクリレートとを、(i)前記(A)ポリイソシアネート系化合物のイソシアネート基(NCO基)の総数に対する、前記(B)ポリオールの水酸基(OH基)の総数と前記(C)エポキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数との合計の比が、OH基/NCO基=20/100〜95/100(好ましくは40/100〜95/100、より好ましくは60/100〜90/100)の範囲内となる割合で反応させる。前記OH基/NCO基が前記範囲から逸脱すると、得られる硬化膜の表面に傷が付いた場合の自己修復性が低下する傾向にある。
また、前記反応においては、前記(A)ポリイソシアネート系化合物と前記(B)ポリオールと前記(C)エポキシ(メタ)アクリレートとを、(iii)前記(B)ポリオールと前記(C)エポキシ(メタ)アクリレートの総量に対する前記(C)エポキシ(メタ)アクリレートのモル比が、(C)/[(B)+(C)]=5/100〜95/100(より好ましくは30/100〜90/100、更に好ましくは40/100〜80/100)の範囲内となる割合で反応させることが好ましい。前記(C)/[(B)+(C)]が前記範囲から逸脱すると、得られる硬化膜の表面に傷が付いた場合の自己修復性が低下する傾向にある。
前記反応においては、必要に応じてウレタン反応触媒を用いてもよい。前記ウレタン反応触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N一エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等のアミン系触媒;トリメチルチンラウレート、ジブチルチンジラウレート等のスズ系触媒;チタン系、亜鉛系、ビスマス系化合物(例えば、ビスマストリス(2−エチルヘキサノアート))等の有機金属塩等に代表される公知のウレタン重合触媒が挙げられる。前記ウレタン反応触媒の配合量としては、得られるイソシアネート基末端プレポリマーの質量を基準として10〜10000ppmが好ましい。
また、前記反応においては、必要に応じて重合禁止剤を用いてもよい。前記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノエチルエーテル、ジブチルヒドロキシトルエン等のフェノール類;フェノチアジン、ジフェニルアミン等のアミン類;ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅塩;酢酸マンガン等のマンガン塩;ニトロ化合物;ニトロソ化合物等が挙げられる。これらの中でも、フェノール類が好ましい。前記重合禁止剤の配合量としては、得られるイソシアネート基末端プレポリマーの質量を基準として300〜3000ppmが好ましい。
さらに、前記反応は溶剤中で行ってもよい。このような溶剤としては、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、ノナン、オクタン、イソオクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン等の芳香族系炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、ジメチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、これらの溶剤のうち、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンが好ましい。
なお、前記(A)ポリイソシアネート、前記(B)ポリオール及び前記(C)エポキシ(メタ)アクリレートは、いずれも反応点が複数存在するものであり、このようなポリイソシアネートとポリオールとエポキシ(メタ)アクリレートとを反応させて得られる前記イソシアネート基末端プレポリマーの構造は複雑であり、一般式(構造)で直接表すことは不可能である。
〔ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー〕
本発明に用いられるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、前記イソシアネート基末端プレポリマーと前記(D)ヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応生成物である。
(D)ヒドロキシ(メタ)アクリレート
本発明に用いられる(D)ヒドロキシ(メタ)アクリレートは、1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート以外のヒドロキシ(メタ)アクリレートである。
このような(D)ヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記式(2):
Figure 2021107490
(前記式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、aはオキシアルキレン基の繰返し数を表し、1〜20の整数である)
で表されるヒドロキシ(メタ)アクリレート、1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、多価アルコールの(メタ)アクリレート化物、下記式(3):
Figure 2021107490
(前記式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、bは1〜10の整数であり、cは1〜25の整数である)
で表されるポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記式(2)で表されるヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、多価アルコールの(メタ)アクリレート化物としては、例えば、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、表面硬度に優れ、また、表面に傷が付いた場合でも自己修復性に優れた硬化膜が得られるという観点から、1分子中に3〜5つのアクリロイルオキシ基を有する(D)ヒドロキシ(メタ)アクリレートが好ましく、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートがより好ましい。
(ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー及びその製造方法)
前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、前記イソシアネート基末端プレポリマーと前記(D)ヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させることによって得られるものである。前記反応時の温度としては、60〜95℃が好ましく、70〜90℃がより好ましい。
前記反応においては、前記イソシアネート基末端プレポリマーと前記(D)ヒドロキシ(メタ)アクリレートとを、(ii)前記(A)ポリイソシアネート系化合物のイソシアネート基(NCO基)の総数に対する、前記(B)ポリオールの水酸基(OH基)の総数と前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数と前記(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数との合計の比が、OH基/NCO基=100/100以上となる割合で反応させる。前記OH基/NCO基が前記範囲から逸脱すると、得られる硬化膜の表面に傷が付いた場合の自己修復性が低下する傾向にある。
また、前記反応においては、必要に応じてウレタン反応触媒を用いてもよい。前記ウレタン反応触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N一エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等のアミン系触媒;トリメチルチンラウレート、ジブチルチンジラウレート等のスズ系触媒;チタン系、亜鉛系、ビスマス系化合物(例えば、ビスマストリス(2−エチルヘキサノアート))等の有機金属塩等に代表される公知のウレタン重合触媒が挙げられる。前記ウレタン反応触媒の配合量としては、得られるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの質量を基準として10〜10000ppmが好ましい。
さらに、前記反応においては、必要に応じて重合禁止剤を用いてもよい。前記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノエチルエーテル、ジブチルヒドロキシトルエン等のフェノール類;フェノチアジン、ジフェニルアミン等のアミン類;ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅塩;酢酸マンガン等のマンガン塩;ニトロ化合物;ニトロソ化合物等が挙げられる。これらの中でも、フェノール類が好ましい。前記重合禁止剤の配合量としては、得られるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの質量を基準として300〜3000ppmが好ましい。
また、前記反応は溶剤中で行ってもよい。このような溶剤としては、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、ノナン、オクタン、イソオクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン等の芳香族系炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、ジメチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、これらの溶剤のうち、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンが好ましい。
なお、前記イソシアネート基末端プレポリマー及び前記(D)ヒドロキシ(メタ)アクリレートは、いずれも反応点が複数存在するものであり、このようなイソシアネート基末端プレポリマーとヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させて得られる前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの構造は複雑であり、一般式(構造)で直接表すことは不可能である。
〔活性エネルギー線硬化性重合体組成物〕
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有するものである。このような活性エネルギー線硬化性重合体組成物には、溶剤が含まれていてもよい。このような溶剤としては、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、ノナン、オクタン、イソオクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン等の芳香族系炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、ジメチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、これらの溶剤のうち、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンが好ましい。このような溶剤の配合量としては、前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー100質量部に対して、1〜10000質量部が好ましく、10〜1000質量部がより好ましい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物には、耐擦傷性が向上するという観点から、前記(D)ヒドロキシ(メタ)アクリレートを配合することが好ましい。前記(D)ヒドロキシ(メタ)アクリレートの配合量としては、前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー100質量部に対して、1〜1000質量部が好ましく、10〜400質量部がより好ましい。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物には、本発明の効果が得られる範囲において、前記(C)エポキシ(メタ)アクリレート及び前記(D)ヒドロキシ(メタ)アクリレート以外の(e)その他の(メタ)アクリレート、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、光安定剤、紫外線吸収剤、触媒、熱重合開始剤、光重合開始剤、重合禁止剤、シリコーン消泡剤、レベリング剤、増粘剤、沈殿防止剤、垂れ防止剤、難燃剤、有機・無機顔料・染料の各種添加剤、添加助剤を配合してもよい。
前記(e)その他の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリウレタン(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレートといった脂肪族ジオールジアクリレート等の分子中に水酸基を有しない(メタ)アクリレートが挙げられる。このような(e)その他の(メタ)アクリレートの配合量としては、前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー100質量部に対して、1〜1000質量部が好ましく、10〜400質量部がより好ましい。
<硬化膜及び積層体>
本発明の硬化膜は、前記本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物の活性エネルギー線硬化膜であり、前記本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物からなる塗膜に活性エネルギー線を照射することによって形成することができる。このとき、活性エネルギー線を照射する前に、前記活性エネルギー線硬化性重合体組成物からなる塗膜に含まれる揮発性溶剤を除去することが好ましい。
前記活性エネルギー線硬化性重合体組成物からなる塗膜の形成方法としては、例えば、バーコーター法、アプリケーター法、カーテンフローコーター法、ロールコーター法、スプレー法、グラビアコーター法、コンマコーター法、リバースロールコーター法、リップコーター法、ダイコーター法、スロットダイコーター法、エアーナイフコーター法、ディップコーター法等の公知の方法を適用可能であるが、その中でもバーコーター法及びグラビアコーター法が好ましい。
前記活性エネルギー線としては、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等が挙げられる。装置コストや生産性の観点から、電子線又は紫外線を利用することが好ましく、光源としては、電子線照射装置、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、Arレーザー、He−Cdレーザー、固体レーザー、キセノンランプ、高周波誘導水銀ランプ、太陽光等が適している。
前記活性エネルギー線の照射量は、活性エネルギー線の種類に応じて適宜に選ぶことができ、例えば、電子線照射で硬化する場合には、その照射量としては1〜10Mradが好ましい。また、紫外線照射の場合は50〜1,000mJ/cmが好ましい。硬化時の雰囲気は、空気、窒素やアルゴン等の不活性ガスでもよい。また、フィルムやガラスと金属金型との間の密閉空間で照射してもよい。
本発明の硬化膜の膜厚としては、目的とされる用途に応じて適宜決められるが、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μmで以上が特に好ましく、また、200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下が特に好ましく、20μm以下が最も好ましい。膜厚が前記下限以上になると、三次元加工後の意匠性や機能性の発現が良好となり、また、前記上限以下になると、内部硬化性、三次元加工適性が良好となる。
また、本発明の積層体は、このような本発明の硬化膜からなる層を備えるものである。例えば、基材と、この基材上に配置された本発明の硬化膜からなる層を有する積層体が挙げられる。本発明の積層体においては、基材と本発明の硬化膜からなる層との間に、基材及び本発明の硬化膜以外の層が配置されていてもよいし、基材と本発明の硬化膜からなる層との積層体の外側に、基材及び本発明の硬化膜以外の層が配置されていてもよい。また、本発明の積層体は、基材や本発明の硬化膜からなる層を複数有していてもよい。
本発明の積層体の製造方法としては、基材上に、前記本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物からなる塗膜を形成し、この塗膜に前記活性エネルギー線を照射することによって、前記本発明の硬化膜からなる層を形成する方法であれば特に制限はなく、例えば、全ての層を未硬化の状態で積層した後に活性エネルギー線で硬化する方法、下層を活性エネルギー線で硬化或いは半硬化させた後に上層を塗布し、再度活性エネルギー線で硬化する方法、それぞれの層を離型フィルムやベースフィルムに塗布した後、未硬化或いは半硬化の状態で層同士を貼り合わせる方法等の公知の方法を適用可能であるが、層間の密着性を高める観点から、未硬化の状態で積層した後に活性エネルギー線で硬化する方法が好ましい。未硬化の状態で積層する方法としては、下層を塗布した後に上層を重ねて塗布する逐次塗布や、多重スリットから同時に二層以上の層を重ねて塗布する同時多層塗布等の公知の方法を適用可能であるが、この限りではない。
前記基材としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエステル等のポリオレフィン、ナイロン、ポリカーボネート、(メタ)アクリル樹脂等の種々のプラスチック、又は金属で形成された板等の種々の形状の物品が挙げられる。
<用途>
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、多様な特性を発現させることができ、エラストマー、塗料、繊維、接着剤、床材、シーラント、医療用材料、人工皮革、コーティング剤等に広く用いることができる。特に、人工皮革、合成皮革、接着剤、医療用材料、床材、コーティング剤等の用途に、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物を用いると、耐摩擦性、耐ブロッキング性に優れるため、引っ掻き等による傷がつきにくく、摩擦による劣化の少ないという良好な表面特性を付与することができる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、熱可塑性エラストマーとしての用途にも適用できる。例えば、食品、医療分野で用いる空圧機器、塗装装置、分析機器、理化学機器、定量ポンプ、水処理機器、産業用ロボット等におけるチューブやホース類、スパイラルチューブ、消防ホース等に使用できる。また、丸ベルト、Vべルト、平ベルト等のベルトとして、各種伝動機構、紡績機械、荷造り機器、印刷機械等に用いられる。また、履物のヒールトップや靴底、カップリング、パッキング、ポールジョイント、ブッシュ、歯車、ロール等の機器部品、スポーツ用品、レジャー用品、時計のベルト等に使用できる。さらに自動車部品としては、オイルストッパー、ギアボックス、スペーサー、シャーシー部品、内装品、タイヤチェーン代替品等が挙げられる。また、キーボードフィルム、自動車用フィルム等のフィルム、カールコード、ケーブルシース、ベロー、搬送ベルト、フレキシブルコンテナー、バインダー、合成皮革、ディピンイング製品、接着剤等に使用できる。
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、楽器、仏壇、家具、化粧合板、スポーツ用品等の木材製品に適用できる。また、自動車補修用にも使用できる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、例えば、プラスチックバンパー用塗料、ストリッパブルペイント、磁気テープ用コーティング剤、床タイル、床材、紙、木目印刷フィルム等のオーバープリントワニス、木材用ワニス、高加工用コイルコート、光ファイバー保護コーティング、ソルダーレジスト、金属印刷用トップコート、蒸着用ベースコート、食品缶用ホワイトコート等に適用できる。
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、接着剤として、食品包装、靴、履物、磁気テープバインダー、化粧紙、木材、構造部材、液晶パネル内部のOCR材料等に適用できる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、鉄、銅、アルミニウム、フェライト、メッキ鋼板等の金属材料、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂等の樹脂材料、ガラス、セラミック等の無機材料を効率良く接着することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、バインダーとして、磁気記録媒体、インキ、鋳物、焼成煉瓦、グラフト材、マイクロカプセル、粒状肥料、粒状農薬、ポリマーセメントモルタル、レジンモルタル、ゴムチップバインダー、再生フォーム、ガラス繊維サイジング等に使用可能である。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、繊維加工剤の成分として、防縮加工、防皺加工、撥水加工等に使用できる。
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、シーラント・コーキングとして、コンクリート打ち壁、誘発目地、サッシ周り、壁式PC目地、ALC目地、ボード類目地、複合ガラス用シーラント、断熱サッシシーラント、自動車用シーラント等に使用できる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、医療用材料としての使用が可能であり、血液適合材料として、チューブ、カテーテル、人工心臓、人工血管、人工弁等、また、使い捨て素材としてカテーテル、チューブ、バッグ、手術用手袋、人工腎臓ポッティング材料等に使用できる。
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、UV硬化型塗料、電子線硬化型塗料、フレキソ印刷版用の感光性樹脂組成物、光硬化型の光ファイバー被覆材組成物等の原料として用いることができる。
これらの中でも、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物、硬化膜及び積層体は、折り曲げ可能なフィルム等のフレキシブル材料にコーティング剤として使用することが好ましく、例えば、携帯電話、モニター、タブレット等のタッチパネル等の電子機器やメガネレンズ等の光学機器に有効に適用することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、これを硬化させて硬化膜とした場合、硬度に優れる硬化膜を与えることができ、該硬化膜を各種基材への被膜として用いることで表面保護性を付与することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた(A)ポリイソシアネート系化合物を表1に示す。
Figure 2021107490
また、実施例及び比較例で用いた(BC)ポリカーボネートポリオール及び(BP)その他のポリオールを表2に示す。
Figure 2021107490
さらに、実施例及び比較例で用いた(C)前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート及び(c’)その他の(メタ)アクリレートを表3に示す。
Figure 2021107490
なお、エチレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、及び1,10−デカンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物としては以下の方法により合成したものを用いた。
(合成例1)
撹拌機、温度計、還流冷却器、空気ガス導入管及び滴下ロートを備えた反応容器に、エチレングリコールジグリシジルエーテル(東京化成工業株式会社製)548.2質量部、付加反応触媒としてベンジルアンモニウム塩を系内の反応物(エチレングリコールジグリシジルエーテル及びアクリル酸)の総量に対して0.5質量%、及びラジカル重合禁止剤としてメチルヒドロキノンを系内の反応物(エチレングリコールジグリシジルエーテル及びアクリル酸)の総量に対して0.1質量%となるように添加した。次に、アクリル酸450.8質量部を滴下し、110℃でエポキシ当量が10000以上になるまで反応させて、エチレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物を得た。
(合成例2)
エチレングリコールジグリシジルエーテルの代わりに1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(東京化成工業株式会社製)584.8質量部を用い、アクリル酸の量を414.2質量部に変更し、エポキシ当量が11000以上になるまで反応させた以外は合成例1と同様にして、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物を得た。
(合成例3)
2000mlフラスコに、1,10−デカンジオール294質量部とn−ヘキサン427質量部とを仕込み、さらに、48%水酸化ナトリウム水溶液420質量部とエピクロルヒドリン595質量部とをそれぞれ30分間かけて連続的に滴下し、反応系中の水をヘキサンと共沸除去しながら、その間の反応温度を水とn−ヘキサンの共沸温度に保持して反応を進行させた。滴下終了後、反応混合物をn−ヘキサンの沸点に3時間保持して、反応を完結させた。反応終了後、反応混合物を濾過し、副生した塩化ナトリウムと過剰の水酸化ナトリウムを除去した。得られた濾液を水洗した後、未反応のエピクロルヒドリンと共沸溶剤を減圧下に留去し、淡黄色の液体として1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル360質量部を得た。
次に、エチレングリコールジグリシジルエーテルの代わりに前記1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル333.3質量部を用い、アクリル酸の量を166.7質量部に変更し、エポキシ当量が14000以上になるまで反応させた以外は合成例1と同様にして、1,10−デカンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物を得た。
また、実施例及び比較例で用いた(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート以外のヒドロキシ(メタ)アクリレート及び(e)その他の(メタ)アクリレートを表4に示す。
Figure 2021107490
(実施例1)
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素及び酸素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコにポリカーボネートポリオール(BC2)149.4質量部、エポキシ(メタ)アクリレート(C3)72.3質量部、メチルエチルケトン200質量部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル(ナカライテスク株式会社製「ヒドロキノンモノメチルエーテル」)0.3質量部を仕込み、これらを均一に混合した。得られた混合物にポリイソシアネート系化合物(A1)78.3質量部を添加し、50℃に加温した。その後、ウレタン反応触媒としてビスマストリス(2−エチルヘキサノアート)0.12質量部を加え、空気混合気体を吹き込みながら、70〜90℃に昇温し、下記方法により算出した反応率が97%以上になるまで反応を行った。
次に、得られたイソシアネート基末端プレポリマーを50℃まで降温し、ウレタン反応触媒としてビスマストリス(2−エチルヘキサノアート)0.12質量部を加えた後、空気混合気体を吹き込みながら、ヒドロキシ(メタ)アクリレート(D1)18.2質量部を滴下して、70〜90℃で反応させ、下記方法により算出した反応率が100%になるまで反応させた。
得られたポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを冷却した後、メチルエチルケトンを添加して、樹脂成分濃度が60質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
なお、ポリイソシアネート系化合物(A1)、ポリカーボネートポリオール(BC2)、エポキシ(メタ)アクリレート(C3)、及びヒドロキシ(メタ)アクリレート(D1)の量は、ポリイソシアネート系化合物(A1)に対して、ポリカーボネートポリオール(BC2)のモル比が25/100、エポキシ(メタ)アクリレート(C3)のモル比が50/100、ヒドロキシ(メタ)アクリレート(D1)のモル比が52.5/100となるように決定した。
<反応率の算出方法>
反応中の混合物0.2gを三角フラスコに採取し、0.1Nジブチルアミンを10ml添加して溶解させた。次いでブロモフェノールブルー液を数滴加え、0.1N塩酸エタノール溶液で滴定し、下記式:
NCO質量%=(a−b)×0.42×f/x
(式中、aはブランクとして0.1Nジブチルアミン10mlを0.1N塩酸エタノール溶液で滴定した量を示し、bは反応中の混合物を滴定した場合の0.1N塩酸エタノール液の滴定量を示し、fは0.1N塩酸エタノール液のファクターを示し、xはサンプリング量を示す)
により残存NCO質量%を求め、さらに、下記式:
反応率(%)=(d−c)/(d−e)×100
(式中、cは反応中の残存NCO質量%を示し、dは反応前のNCO質量%を示し、eは反応中のポリオールのOH基がNCO基に完全に反応したときの残存NCO質量%を示す)
により反応率を算出した。
(実施例2〜4)
ポリイソシアネート系化合物(A1)の代わりに表5に示すモル比となる量のポリイソシアネート系化合物(A2)〜(A4)のいずれかを用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂成分濃度が60質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
(実施例5〜9)
ポリカーボネートポリオール(BC2)の代わりに表5に示すモル比となる量のポリカーボネートポリオール(BC1)、(BC3)〜(BC6)のいずれかを用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂成分濃度が60質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
(実施例10)
ポリカーボネートポリオール(BC2)の量を表5に示すモル比となる量に変更し、表5に示すモル比となる量のその他のポリオール(BP2)を用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂成分濃度が60質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
(実施例11〜17)
エポキシ(メタ)アクリレート(C3)の代わりに表6に示すモル比となる量のエポキシ(メタ)アクリレート(C1)、(C2)、(C4)〜(C8)のいずれかを用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂成分濃度が60質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
(実施例18〜19)
ヒドロキシ(メタ)アクリレート(D1)の代わりに表6に示すモル比となる量のヒドロキシ(メタ)アクリレート(D2)又は(D3)を用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂成分濃度が60質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
(実施例20〜22)
ポリカーボネートポリオール(BC2)、エポキシ(メタ)アクリレート(C3)、及びヒドロキシ(メタ)アクリレート(D1)の量を表7に示すモル比となる量に変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂成分濃度が60質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
(実施例23〜26)
ポリカーボネートポリオール(BC2)及びエポキシ(メタ)アクリレート(C3)の量を表7に示すモル比となる量に変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂成分濃度が60質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
(実施例27)
実施例1と同様にして合成したポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー100質量部に対してヒドロキシ(メタ)アクリレート(D2)50質量部を添加して、樹脂成分濃度が50質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
(実施例28〜29)
ヒドロキシ(メタ)アクリレート(D2)の代わりに表8に示す量のその他の(メタ)アクリレート(e1)〜(e2)のいずれかを用いた以外は実施例27と同様にして、樹脂成分濃度が50質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
(比較例1)
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素及び酸素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコにポリカーボネートポリオール(BC2)197.9質量部、エポキシ(メタ)アクリレート(C3)50.3質量部、メチルエチルケトン200質量部を仕込み、これらを均一に混合した。得られた混合物に重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル(ナカライテスク株式会社製「ヒドロキノンモノメチルエーテル」)0.25質量部を添加し、50℃に加温した。その後、ウレタン反応触媒としてビスマストリス(2−エチルヘキサノアート)0.06質量部を加え、60℃に加温した。次いで、ポリイソシアネート系化合物(A1)51.8質量部を添加し、空気混合気体を吹き込みながら、70〜90℃に昇温し、実施例1に記載の方法により算出した反応率が100%になるまで反応させた。
得られたポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを冷却した後、ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー100質量部に対してヒドロキシ(メタ)アクリレート(D1)50質量部を添加し、さらに、メチルエチルケトンを添加して、樹脂成分濃度が60質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
(比較例2)
ポリカーボネートポリオール(BC2)を用いず、エポキシ(メタ)アクリレート(C3)の量を表9に示すモル比となる量に変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂成分濃度が60質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
(比較例3〜4)
ポリカーボネートポリオール(BC2)の代わりに表9に示すモル比となる量のその他のポリオール(BP1)又は(BP2)を用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂成分濃度が60質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
(比較例5)
エポキシ(メタ)アクリレート(C3)を用いず、ポリカーボネートポリオール(BC2)の量を表9に示すモル比となる量に変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂成分濃度が60質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
(比較例6〜8)
エポキシ(メタ)アクリレート(C3)の代わりに表9に示すモル比となる量のその他の(メタ)アクリレート(c’1)〜(c’3)のいずれかを用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂成分濃度が60質量%のポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
(比較例9)
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素及び酸素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコにメチルエチルケトン50質量部、ビウレット型ヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成株式会社製「デュラネート24A−100」、不揮発分:100%、NCO含有量:23.6%)44.9質量部、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(株式会社ダイセル製「プラクセルFA2D」)92質量部、ウレタン反応触媒としてビスマストリス(2−エチルヘキサノアート)0.02質量部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル(ナカライテスク株式会社製「ヒドロキノンモノメチルエーテル」)0.02質量部を混合し、70℃に5時間保持して反応させた。その後、メチルエチルケトン87質量部を添加して、固形分50質量%のウレタンアクリレートオリゴマー溶液(活性エネルギー線硬化性重合体組成物)を得た。
<硬化膜の作製>
透明ポリカーボネート樹脂板上に、実施例及び比較例で得られた各活性エネルギー線硬化性重合体組成物を硬化膜厚が20μmとなるように塗工し、熱風乾燥機を用いて60℃で10分間乾燥した。その後、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製「EYE GRANDAGE ECS−301」、光源:メタルハライド)を用い、500mJ/cmを照射し、硬化膜を作製した。
〔引っかき硬度(鉛筆法)〕
透明ポリカーボネート樹脂板上に作製した前記硬化膜について、JIS K5600−5−4:1999年に準じて鉛筆硬度を測定した。その結果を表5〜表9に示す。
〔傷の消失性〕
透明ポリカーボネート樹脂板上に作製した前記硬化膜の表面に、真鍮ブラシ(トラスコ中山株式会社製、品番TB−5008−10)を用いて擦過を3回繰り返して傷を付けた。その後、前記硬化膜表面に付けられた傷の消失を目視により観察し、下記基準で評価した。その結果を表5〜表9に示す。
5級:擦過終了後15時間以内に傷が消失した。
4級:擦過終了後30時間で傷が消失した。
3級:擦過終了から30時間経過後、ドライヤーで加温することにより、半分程度の傷が消失した。
2級:擦過終了から30時間経過後、ドライヤーで加温することにより、わずかに傷が消失した。
1級:擦過終了から30時間経過後、ドライヤーで加温しても、傷が深く、ほとんどの傷が消失せず、傷の修復は困難であった。
〔耐擦傷性〕
先ず、透明ポリカーボネート樹脂板上に作製した前記硬化膜のHaze値をヘーズメーター(GARDNER社製「micro−haze」)を用いて測定した。次に、前記硬化膜の表面に、スチールウール(グレード:#0000)を用いて100g/cmの負荷をかけながら往復10回のラビング処理を施した。ラビング処理後の前記硬化膜のHaze値をヘーズメーター(GARDNER社製「micro−haze」)を用いて測定した。ラビング処理前後のHaze値の差(ラビング処理後−ラビング処理前)を下記基準で評価した。その結果を表5〜表9に示す。
5級:Haze値の差<0.5。
4級:0.5≦Haze値の差<2.0。
3級:2.0≦Haze値の差<5.0。
2級:5.0≦Haze値の差<10.0。
1級:10.0≦Haze値の差。
<熱処理>
透明ポリカーボネート樹脂板上に作製した前記硬化膜に、送風付き乾燥機を用いて120℃で100時間の熱処理を施した。熱処理後の硬化膜の傷の消失性及び耐擦傷性を前記方法により評価した。また、熱処理後の硬化膜の変色性を下記の方法により評価した。その結果を表5〜表9に示す。
〔変色性〕
熱処理後の硬化膜のLab値を色彩色差計(ミノルタ株式会社製「CM−3700d」)を用いて測定し、色差ΔEを算出して下記基準で評価した。
5級:ΔE<3.0。
4級:3.0≦ΔE<5.0。
3級:5.0≦ΔE<8.0。
2級:8.0≦ΔE<15.0。
1級:15.0≦ΔE。
Figure 2021107490
Figure 2021107490
Figure 2021107490
Figure 2021107490
Figure 2021107490
表5〜表8に示したように、(A)ポリイソシアネート系化合物と(B)ポリカーボネートポリオールを50モル%以上含有するポリオールと(C)前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートとを特定の割合で反応させることによって得られるイソシアネート基末端プレポリマーに(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート以外のヒドロキシ(メタ)アクリレートを特定の割合で反応させることによって得られるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有する本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物(実施例1〜29)を用いて作製した硬化膜は、表面硬度及び耐擦傷性に優れ、また、表面に傷が付いた場合でも自己修復性に優れており、さらに、熱処理を施しても変色しにくいものであった。
一方、表8に示したように、前記(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート以外のヒドロキシ(メタ)アクリレートを反応させなかったポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物(比較例1)を用いて作製した硬化膜は、表面に傷が付いた場合の自己修復性に劣るものであった。
また、表9に示したように、前記(B)ポリオールを反応させなかったポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物(比較例2)を用いて作製した硬化膜は、表面に傷が付いた場合の自己修復性に劣るものであり、また、熱処理により変色するものであった。さらに、前記(B)ポリオールとして前記(BC)ポリカーボネートポリオールの代わりに(BP)その他のポリオールのみを反応させることによって得られるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物(比較例3〜4)を用いて作製した硬化膜は、耐擦傷性に劣るものであり、また、熱処理後の硬化膜は、表面に傷が付いた場合の自己修復性に劣るものであった。
さらに、表9に示したように、前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートを反応させなかったポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物(比較例5)を用いて作製した硬化膜は、表面硬度及び耐擦傷性に劣っており、表面に傷が付いた場合の自己修復性に劣るものであった。また、前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの代わりに(c’)その他の(メタ)アクリレートを反応させることによって得られるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物(比較例6〜8)を用いて作製した硬化膜は、表面に傷が付いた場合の自己修復性に劣るものであった。
以上説明したように、本発明によれば、活性エネルギー線の照射によって、表面硬度が高く、耐擦傷性にも優れており、また、表面に傷が付いた場合でも自己修復性に優れており、さらに、熱処理により変色しにくい硬化膜を得ることが可能となる。
したがって、本発明の活性エネルギー線硬化性重合体組成物は、電子機器や光学機器に用いられるフレキシブル材料のコーティング剤等として有用である。

Claims (10)

  1. (A)ポリイソシアネート系化合物と(B)ポリカーボネートポリオールを50モル%以上含有するポリオールと(C)下記式(1):
    R−X (1)
    〔前記式中、Xは下記式(x1)又は(x2):
    Figure 2021107490
    (前記式中、Rは水素原子又はメチル基を表す)
    で表される(メタ)アクリロイルオキシ基を有する基を表し、Rは炭素数1〜9の直鎖状又は分岐状の2価又は3価の炭化水素基及び下記式(r1)〜(r3):
    Figure 2021107490
    (前記式中、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、j及びkはオキシアルキレン基の繰返し数を表し、jは2〜10の整数であり、kは0又は1〜10の整数である)
    で表されるオキシアルキレン基を有する基のうちのいずれかの基を表し、nは2又は3である。〕
    で表されるエポキシ(メタ)アクリレートとの反応生成物であって、(i)前記(A)ポリイソシアネート系化合物のイソシアネート基(NCO基)の総数に対する、前記(B)ポリオールの水酸基(OH基)の総数と前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数との合計の比が、OH基/NCO基=20/100〜95/100の範囲内にあるイソシアネート基末端プレポリマーと、
    (D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート以外のヒドロキシ(メタ)アクリレートと、
    の反応生成物であって、(ii)前記(A)ポリイソシアネート系化合物のイソシアネート基(NCO基)の総数に対する、前記(B)ポリオールの水酸基(OH基)の総数と前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数と前記(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数との合計の比が、OH基/NCO基=100/100以上であるポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー
    を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
  2. (iii)前記(B)ポリオールと前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの総量に対する前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートのモル比が、(C)/[(B)+(C)]=5/100〜95/100の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
  3. 前記(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート以外のヒドロキシ(メタ)アクリレートを更に含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物の活性エネルギー線硬化膜。
  5. 請求項4に記載の活性エネルギー線硬化膜からなる層を有することを特徴とする積層体。
  6. (A)ポリイソシアネート系化合物と(B)ポリカーボネートポリオールを50モル%以上含有するポリオールと(C)下記式(1):
    R−X (1)
    〔前記式中、Xは下記式(x1)又は(x2):
    Figure 2021107490
    (前記式中、Rは水素原子又はメチル基を表す)
    で表される(メタ)アクリロイルオキシ基を有する基を表し、Rは、炭素数1〜9の直鎖状又は分岐状の2価又は3価の炭化水素基及び下記式(r1)〜(r3):
    Figure 2021107490
    (前記式中、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、j及びkはオキシアルキレン基の繰返し数を表し、jは2〜10の整数であり、kは0又は1〜10の整数である)
    で表されるオキシアルキレン基を有する基のうちのいずれかの基を表し、nは2又は3である。〕
    で表されるエポキシ(メタ)アクリレートとを、(i)前記(A)ポリイソシアネート系化合物のイソシアネート基(NCO基)の総数に対する、前記(B)ポリオールの水酸基(OH基)の総数と前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数との合計の比が、OH基/NCO基=20/100〜95/100の範囲内となる割合で、反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを得る工程と、
    前記イソシアネート基末端プレポリマーと(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート以外のヒドロキシ(メタ)アクリレートとを、(ii)前記(A)ポリイソシアネート系化合物のイソシアネート基(NCO基)の総数に対する、前記(B)ポリオールの水酸基(OH基)の総数と前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数と前記(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレートの水酸基(OH基)の総数との合計の比が、OH基/NCO基=100/100以上となる割合で、反応させてポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを得る工程と、
    を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化性重合体組成物の製造方法。
  7. 前記(A)ポリイソシアネート系化合物と前記(B)ポリオールと前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートとを、(iii)前記(B)ポリオールと前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの総量に対する前記(C)式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートのモル比が、(C)/[(B)+(C)]=5/100〜95/100の範囲内となる割合で、反応させることを特徴とする請求項6に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物の製造方法。
  8. 前記ポリウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと前記(D)1分子中に少なくとも1つの水酸基を有する、前記式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート以外のヒドロキシ(メタ)アクリレートとを混合する工程を更に含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物の製造方法。
  9. 請求項6〜8のうちのいずれか一項に記載の方法により活性エネルギー線硬化性重合体組成物を製造する工程と、
    前記活性エネルギー線硬化性重合体組成物からなる塗膜を形成する工程と、
    前記活性エネルギー線硬化性重合体組成物からなる塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化膜を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする硬化膜の製造方法。
  10. 基材上に、請求項9に記載の方法により前記活性エネルギー線硬化性重合体組成物の硬化膜からなる層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
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