JP2021107212A - 車両の車外保護装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、車外の人についての保護は、これにより十分であるとは必ずしも言えない可能性がある。
しかも、本発明の袋体は、袋体の内面に設けられる凹凸形成部材と、袋体が展開した状態において袋体の内部において掛け渡されるように、凹凸形成部材に接続されるテザーと、を有する。そして、凹凸形成部材は、袋体が最大にまたはその前後の状態に展開した状態においてテザーに作用するテンションにより袋体の表面と交差する方向に延在する。これにより、展開した袋体の表面には、たとえば凹凸形成部材により、凹凸が生じ得る。展開した袋体に対して当たる車外の人は、展開した袋体の上でその表面の凹凸により、袋体に引っかかるような作用を受けて、展開した袋体の上から落ち難くなる。仮にたとえば袋体がその良好な展開性能などを確保するために表面摩擦が高くないナイロンその他の樹脂繊維により形成されていたとしても、その袋体の上から車外の人が落ち難くなる。これにより、展開した袋体により車体への直接的な衝突を回避させた車外の人が、展開した袋体の位置から移動してしまうことを抑制できる。
図1は、本発明の実施形態に係る自動車1の説明図である。
図1(A)は、自動車1の上面図である。図1(B)は、自動車1の左側面図である。
図1には、自動車1とともに、自動車1の外にいる車外の人として歩行者が図示されている。自動車1の外には、この他にもたとえばサイクリスト、ライダー、などが存在することがある。
そして、自動車1は、その前を横切ろうとする人と衝突する可能性がある。
図1の自動車1は、車両の一例である。自動車1は、車体2、を有する。車体2の乗員室3の前には、フロントガラス4が設けられる。フロントガラス4より前の車体2の前部には、ボンネットフード5が開閉可能に設けられる。
図2の車外保護装置10は、ステレオカメラ11、赤外線カメラ12、LiDAR13、加速度センサ14、通信装置15、GPS受信機16、車外エアバッグ装置17、および、これらが接続される制御部18、を有する。これら車外保護装置10の各センサおよび各装置は、不図示の車ネットワークにより、制御部18としてのCPUに接続されてよい。
赤外線カメラ12は、たとえばステレオカメラ11と同様に車室の前部において前向きに配置される。赤外線カメラ12は、車外の人などを撮像した赤外線画像を撮像する。
LiDAR13は、たとえば車体2の前部において前向きに配置される。LiDAR13は、前方へ向かって光を照射し、車体2の前方の車外の人による反射光に基づいて、被写体の方向、距離、速度などを取得する。
加速度センサ14は、車体2に設けられる。加速度センサ14に作用する加速度を検出する。車体2が人などの移動体に当たると、加速度センサ14は、通常の走行では生じないような大きな加速度を検出する。この場合、加速度センサ14は、衝突検出を出力してよい。この場合、加速度センサ14は、車体2と他の動体との接触を予測または検出する衝突検出部として機能する。
通信装置15は、無線通信により他の移動体、たとえば他の自動車1や歩行者の他の通信装置15、道路沿いに配置される基地局、などと通信する。通信装置15は、他の通信装置15から、他の移動体の現在位置、移動方向、移動速度などを取得してよい。
GPS受信機16は、GPS衛星などから電波を受信し、自動車1の現在位置、移動速度、などを取得する。
なお、たとえば自動車1の現在位置といった情報は、GPS以外のGNSS受信機による情報や、携帯電話機による情報によるものでもよい。
制御部18は、たとえば自動車1が走行している場合、図3の車外保護制御を繰り返し実行する。制御部18は、たとえば周期的に、または自動車1が新たな情報を取得する度に、図3の車外保護制御を実行してよい。ここで、自動車1が取得する新たな情報には、上述した自動車1の進路上を移動しまたは進路へ向けて移動しようとする歩行者、サイクリスト、ライダーなどの情報であってよいが、これに限定されなくてよい。制御部18は、新たな情報を取得することに基づいて、図3の処理を開始してよい。
しかしながら、車外の人についての保護は、これにより十分であるとは必ずしも言えない可能性がある。
たとえば、展開した袋体21により車体2への直接的な衝突を回避させた後、その車外の人が、展開した袋体21の上から移動してボンネットフード5から落ちてしまう可能性が考えられる。車外の人が自動車1の横へ落ちた場合には、隣接する車線を走行する他の自動車1などに二次衝突してしまう可能性がある。
図4には、車外の歩行者と、歩行者と衝突した第一の自動車30と、第一の自動車30の横を通過しようとしている第二の自動車31とが図示されている。
このように、自動車1の車外保護装置10では、車外の人についての保護についてさらなる改善を図ることが望ましい。
車外エアバッグ装置17において、インフレータ20は、車体2の前面に設けられている。袋体21は、車体2の前面から後方へ向けて展開する形状に形成されている。車体2の前面から後方へ向けて展開した袋体21は、ボンネットフード5の上に展開する。
また、図5の車外エアバッグ装置17は、袋体21の内部に、複数の凹凸形成部材22と、複数のテザー23と、を有する。
凹凸形成部材22は、略棒形状を有する。凹凸形成部材22は、袋体21の内面に取り付けて設けられる。略棒形状の凹凸形成部材22の先端は、袋体21を貫通して袋体21の外へ突出する。
そして、図5(B)の模式的な展開状態において示すように、袋体21が最大に展開した状態におけるテザー23の固定位置から凹凸形成部材22についての袋体21への取付位置までの距離Lは、凹凸形成部材22の長さldと、テザー23についての一端から他端までの長さltとの和より短い。
テザー23は、袋体21が展開した状態において、袋体21の内部において車体2と凹凸形成部材22との間に掛け渡される。袋体21が最大に展開した状態において、テザー23は、凹凸形成部材22にテンションを加える。
凹凸形成部材22は、図6の点線に示すように、袋体21が最大に展開している状態でテザー23に作用するテンションにより、袋体21に凸部を形成する。袋体21の表面と交差する方向へ延在する姿勢に維持される複数の凹凸形成部材22により、袋体21の表面は、凹凸になる。袋体21は、ナイロンなどの展開性を考慮した素材により、高圧に耐えるように凹凸のない滑らかな局面で展開するように形成されているにもかかわらず、最大に展開した状態においてエアバッグとしての表面は、凹凸になる。
図7(A)は、衝突前の車外エアバッグ装置17の袋体21の展開状態である。袋体21は、車体2の前部から展開を開始して、ボンネットフード5の上に展開する。ボンネットフード5の上に展開した袋体21の上面には、複数の凹凸形成部材22が配列されている。
複数の凹凸形成部材22は、それぞれに接続されているテザー23により、図5および図6に示すように袋体21が最大に展開している状態では、袋体21の上面と交差する方向に延在している。この場合、袋体21の上面では複数の凹凸形成部材22の先端が突出するようになり、袋体21の上面は凹凸な表面となる。
図7(B)は、衝突により車外の人が図7(A)の袋体21の上に倒れ込んだ状態である。
図7(C)は、図7(B)の衝突後の状態である。
しかも、本実施形態の袋体21は、袋体21についての他の動体と接触する部分の内面に取り付けて設けられる複数の凹凸形成部材22と、袋体21が展開した状態において袋体21の内部において掛け渡されるように、複数の凹凸形成部材22のそれぞれに接続される複数のテザー23と、を有する。そして、凹凸形成部材22は、袋体21が最大に展開した状態においてその展開によりまたは加重によりテザー23に作用するテンションにより袋体21の表面に凸部を形成するように立つ。これにより、展開した袋体21の表面には、たとえば表面と交差する方向に延在した状態となる複数の凹凸形成部材22により、凹凸ができる。展開した袋体21に対して当たる車外の人は、展開した袋体21の表面の凹凸により、後方へ移動しようとする際に袋体21に引っかかるような作用を受けて、展開した袋体21の上から落ち難くなる。
仮にたとえば袋体21がその良好な展開性能などを確保するために表面摩擦が高くないナイロンその他の樹脂繊維により形成されていたとしても、その上から車外の人が落ち難くなる。これにより、展開した袋体21により車体2への直接的な衝突を回避させた車外の人が、展開した袋体21の上から移動してしまうことを抑制できる。
また、袋体21がその展開を開始してから図5のように最大に展開するまでの期間において、テザー23は凹凸形成部材22へテンションを作用させない。袋体21の展開は、凹凸形成部材22やテザー23により阻害され難い。袋体21は、テザー23や凹凸形成部材22の影響を受けることなく、それらが無い場合と同様にスムースに瞬時的に所望の形状へ展開することができる。
図8には、点線で示す袋体21の最大展開状態と、一点鎖線で示す袋体21に対して車外の人の荷重が作用している状態とが示されている。そして、凹凸形成部材22には、最大に展開した後の少ししぼんだ袋体21に対して車外の人の荷重が作用することにより、テザー23のテンションが作用している。このような場合でも、展開した袋体21の表面には、袋体21の表面と交差する方向に延在する状態となる複数の凹凸形成部材22により凹凸ができる。少ししぼんだ袋体21の上に乗る車外の人の身体には、後方へ移動しようとする際に袋体21に引っかかるような作用を受けて、展開した袋体21の上から落ち難くなる。
上述した実施形態の凹凸形成部材22が略棒形状であるのに対し、図9の凹凸形成部材22は略板形状である。そして、略板形状の凹凸形成部材22は、図6に示すように、その先端が袋体21から突出するように、袋体21を貫通して袋体21の内面に取り付けられる。このような略板形状の凹凸形成部材22は、複数で袋体21の上面に配置される。そして、展開したまたはその前後の袋体21においてテザー23のテンションが作用することにより、略板形状の凹凸形成部材22は、袋体21の表面と交差する方向に延在するようになる。袋体21の上に乗る車外の人の身体には、後方へ移動しようとする際に袋体21に引っかかるような作用を受けて、展開した袋体21の上から落ち難くなる。
図10において、袋体21の内面にバンド部24が貼り付けられている。そして、凹凸形成部材22の中央部分は、バンド部24により挟まれることにより、袋体21の内面に取り付けられる。凹凸形成部材22の両端部分は、バンド部24から自動車1の前後方向へ突出し、その一方の突出部分にテザー23が接続される。図10では、凹凸形成部材22についてのバンド部24から自動車1の前側へ突出している部分に、テザー23が接続されている。
このように凹凸形成部材22を、袋体21の内面に取り付けても、テザー23のテンションが作用することにより、凹凸形成部材22は、袋体21の表面と交差する方向に延在するようになる。凹凸形成部材22についてのテザー23が接続されている突出部分とは反対側である他端側の突出部分は、袋体21を押し上げる。これにより、展開している袋体21の表面は、凹凸になる。
袋体21に倒れ込んだ車外の人の身体には、後方へ移動しようとする際に袋体21に引っかかるような作用を受けて、展開した袋体21の上から落ち難くなる。
なお、図10では凹凸形成部材22は、バンド部24と袋体21の内面との間に挟み込まれているが、凹凸形成部材22は、接着剤などにより、袋体21の内面に取り付けられてもよい。
次に、本発明の第二実施形態に係る自動車1の車外保護装置10について説明する。本実施形態では、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を使用して図示および説明を省略する。以下の説明では、主に上述した実施形態との相違点について説明する。
図11(A)には、本実施形態に係る車外エアバッグ装置17と、車外の人とが図示されている。
複数の凹凸形成部材22についての袋体21の面に対する角度が大きくなると、袋体21へ倒れ込んだ車外の人の身体は、袋体21の表面に突出している複数の凹凸形成部材22の先端により引っかかり易くなる。袋体21へ倒れ込んだ車外の人の身体は、袋体21の上でより移動し難くなり、ボンネットフード5の上により留まり易くなる。
次に、本発明の第三実施形態に係る自動車1の車外保護装置10について説明する。本実施形態では、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を使用して図示および説明を省略する。以下の説明では、主に上述した実施形態との相違点について説明する。
複数の凹凸形成部材22についての袋体21の面に対する角度が大きくなると、袋体21へ倒れ込んだ車外の人の身体は、袋体21の表面に突出している複数の凹凸形成部材22の先端により引っかかり易くなる。袋体21へ倒れ込んだ車外の人の身体は、袋体21の上でより移動し難くなり、ボンネットフード5の上により留まり易くなる。
次に、本発明の第四実施形態に係る自動車1の車外保護装置10について説明する。本実施形態では、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を使用して図示および説明を省略する。以下の説明では、主に上述した実施形態との相違点について説明する。
車外エアバッグ装置17において、袋体21は、車体2の前面から後方へ向けて展開する形状に形成されている。車体2の前面から後方へ向けて展開した袋体21は、ボンネットフード5の上に展開する。
また、車外エアバッグ装置17は、袋体21の内部に、複数の凹凸形成部材22と、複数のテザー23と、を有する。図5には、1組の凹凸形成部材22とテザー23とが代表して図示されている。
凹凸形成部材22は、略棒形状を有する。凹凸形成部材22は、袋体21の内面に取り付けて設けられる。略棒形状の凹凸形成部材22の先端は、袋体21を貫通して袋体21の外へ突出してよい。
そして、図13(A)の模式的な展開状態において示すように、袋体21が最大に展開した状態におけるテザー23の固定位置から凹凸形成部材22についての袋体21への取付位置までの距離Lは、凹凸形成部材22の長さldと、テザー23についての一端から他端までの長さltとの和より長い。
テザー23は、袋体21が展開した状態において、袋体21の内部において車体2と凹凸形成部材22との間に掛け渡される。
その後、袋体21が最大に展開すると、凹凸形成部材22の先端は、図13(B)に示すように、袋体21の外面から内側へ埋没した状態となる。
凹凸形成部材22の先端は、最大に展開する袋体21に対して車外の人が倒れ込んで、袋体21が押しつぶされることにより、図13(C)に示すように、テザー23のテンションが作用したまま袋体21の表面に突出する。
袋体21へ倒れ込んだ車外の人の身体は、袋体21の上を移動する際に、袋体21の表面に突出するようになった複数の凹凸形成部材22の先端に引っかかり易くなる。袋体21へ倒れ込んだ車外の人の身体は、袋体21の上でより移動し難くなり、ボンネットフード5の上により留まり易くなる。
いずれにしても、袋体21が展開している最中に、袋体21の上面に設けられる複数の凹凸形成部材22が複数のテザー23のテンションにより袋体21の表面と交差する方向に延在することができるように、複数の凹凸形成部材22とテザー23とは接続すればよい。
Claims (9)
- 車両の車体の外面に重ねて展開される袋体、および前記袋体を展開するインフレータ、を有する車外エアバッグ装置、を有し、
前記袋体は、
前記袋体の内面に設けられる凹凸形成部材と、
前記袋体が展開した状態において前記袋体の内部において掛け渡されるように、前記凹凸形成部材に接続されるテザーと、を有し、
前記凹凸形成部材は、前記袋体が展開した状態において前記テザーに作用するテンションにより前記袋体の表面に凸部を形成する、
車両の車外保護装置。 - 前記凹凸形成部材は、前記袋体を貫通するように設けられ、前記袋体の内側に突出する内側部分に前記テザーの一端が接続される、
請求項1記載の、車両の車外保護装置。 - 前記凹凸形成部材は、中央部分が前記袋体の内面に取り付けられ、前記中央部分から前記車両の前側へ向かって突出する突出部分に前記テザーの一端が接続される、
請求項1または2記載の、車両の車外保護装置。 - 前記凹凸形成部材と一端が接続される前記テザーは、他端が前記車体または前記袋体に固定され、
前記袋体が最大に展開した状態における前記テザーの固定位置から前記凹凸形成部材についての前記袋体への取付位置までの距離は、前記凹凸形成部材の長さと、前記テザーについての一端から他端までの長さとの和より短い、
請求項1から3のいずれか一項記載の、車両の車外保護装置。 - 前記凹凸形成部材と一端が接続される前記テザーは、他端が固定され、
前記袋体が最大に展開した状態における前記テザーの固定位置から前記凹凸形成部材についての前記袋体への取付位置までの距離は、前記凹凸形成部材の長さと、前記テザーについての一端から他端までの長さとの和より長い、
請求項1から3のいずれか一項記載の、車両の車外保護装置。 - 前記凹凸形成部材と一端が接続される前記テザーの他端は、前記車体に固定される、
請求項1から5のいずれか一項記載の、車両の車外保護装置。 - 前記凹凸形成部材と一端が接続される前記テザーの他端は、前記袋体の内面についての前記凹凸形成部材から離間する位置に固定される、
請求項1から5のいずれか一項記載の、車両の車外保護装置。 - 前記袋体には、前記テザーを通すためのバンド部が設けられ、
前記テザーは、前記バンド部を通して、一端が前記凹凸形成部材に接続され、他端が固定される、
請求項1から7のいずれか一項記載の、車両の車外保護装置。 - 前記袋体は、ナイロンその他の樹脂繊維により形成される、
請求項1から8のいずれか一項記載の、車両の車外保護装置。
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