JP2021107211A - 車両の車外保護装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、車外の人についての保護は、これにより十分であるとは必ずしも言えない可能性がある。
しかも、フードの上に重なるように展開している第一袋体の車幅方向の側部では、第二袋体が、第一袋体より遅れて展開する。ここで、第二袋体は、たとえば第一袋体が最大に展開した後に展開し始めてよい。これにより、フードの上へ向けて倒れ込んで第一袋体により衝撃を吸収された車外の人が第一袋体の上で滑って移動しようとしても、遅れて展開している第二袋体によりその移動が阻止され得る。フードの上に倒れ込んだ後に、車外の人が第一袋体の上から車幅方向へ向かって滑って車体の左右へ落ちることが起き難くなる。
これに対して、仮にたとえば、フードを覆うように第一袋体のみを展開した場合には、それにより衝撃を吸収された後において、車外の人が、車体の左右へ落ちる可能性がある。また、第一袋体の側部にそれと同時に展開する第二袋体を設けたとしても、この場合には第二袋体が第一袋体と時間差を生じることなく略同時に展開して収縮することになる。
衝撃吸収のために収縮し始めている第一袋体と同様に収縮し始めている第二袋体は、衝撃が吸収された後に車幅方向へ向かって滑ろうとする車外の人に対して、それを阻止する効果を十分に発揮できない可能性がある。
図1(A)は、自動車1の上面図である。図1(B)は、自動車1の左側面図である。
図1には、自動車1とともに、自動車1の外にいる車外の人として歩行者が図示されている。自動車1の外には、この他にもたとえばサイクリスト、ライダー、などが存在することがある。これらの車外の人は、走行する自動車1の前を横切るように横断したりすることがある。そして、自動車1は、その前を横切ろうとする人と衝突する可能性がある。
図1の自動車1は、車両の一例である。自動車1は、車体2、を有する。車体2の乗員室3の前には、フロントガラス4が設けられる。フロントガラス4より前の車体2の前部には、ボンネットフード5が開閉可能に設けられる。
図2の車外保護装置10は、ステレオカメラ11、赤外線カメラ12、LiDAR13、加速度センサ14、通信装置15、GPS受信機16、車外エアバッグ装置17、および、これらが接続される制御部18、を有する。これら車外保護装置10の各センサおよび各装置は、不図示の車ネットワークにより、制御部18としてのCPUに接続されてよい。
赤外線カメラ12は、たとえばステレオカメラ11と同様に車室の前部において前向きに配置される。赤外線カメラ12は、車外の人などを撮像した赤外線画像を撮像する。
LiDAR13は、たとえば車体2の前部において前向きに配置される。LiDAR13は、前方へ向かって光を照射し、車体2の前方の車外の人による反射光に基づいて、被写体の方向、距離、速度などを取得する。
加速度センサ14は、車体2に設けられる。加速度センサ14に作用する加速度を検出する。車体2が人などの移動体に当たると、加速度センサ14は、通常の走行では生じないような大きな加速度を検出する。この場合、加速度センサ14は、衝突検出を出力してよい。この場合、加速度センサ14は、車体2と他の動体との衝突を予測または検出する衝突検出部として機能する。
通信装置15は、無線通信により他の移動体、たとえば他の自動車1や歩行者の他の通信装置15、道路沿いに配置される基地局、などと通信する。通信装置15は、他の通信装置15から、他の移動体の現在位置、移動方向、移動速度などを取得してよい。
GPS受信機16は、GPS衛星などから電波を受信し、自動車1の現在位置、移動速度、などを取得する。
なお、たとえば自動車1の現在位置といった情報は、GPS以外のGNSS受信機による情報や、携帯電話機による情報によるものでもよい。
制御部18は、たとえば自動車1が走行している場合、図3の車外保護制御を繰り返し実行する。制御部18は、たとえば周期的に、または自動車1が新たな情報を取得する度に、図3の車外保護制御を実行してよい。ここで、自動車1が取得する新たな情報には、上述した自動車1の進路上を移動しまたは進路へ向けて移動しようとする歩行者、サイクリスト、ライダーなどの情報であってよいが、これに限定されなくてよい。制御部18は、新たな情報を取得することに基づいて、図3の処理を開始してよい。
しかしながら、車外の人についての保護は、これにより十分であるとは必ずしも言えない可能性がある。
たとえば、展開した主袋体21により車体2への直接的な衝突を回避させた後、その車外の人が、展開した主袋体21の上から移動してボンネットフード5から落ちてしまう可能性が考えられる。車外の人が自動車1の横へ落ちた場合には、隣接する車線を走行する他の自動車1などに二次衝突してしまう可能性がある。
図4には、車外の歩行者と、歩行者と衝突した第一の自動車30と、第一の自動車30の横を通過しようとしている第二の自動車31とが図示されている。
この場合において、車幅方向への動きが大きい場合、衝突した歩行者は、ボンネットフード5の上から、第一の自動車30の横へ落下する可能性がある。第二の自動車31が、第一の自動車30の横を通過しようとしている場合、落下した歩行者はさらに第二の自動車31に当たる可能性がある。
このように、自動車1の車外保護装置10では、車外の人についての保護についてさらなる改善を図ることが望ましい。
図5(A)は、展開前の車外エアバッグ装置17の主要構成を側方から見た説明図である。
図5(B)は、主袋体21が展開した状態の車外エアバッグ装置17を上方から見た説明図である。
図5(C)は、サブ袋体22が展開した状態の車外エアバッグ装置17を上方から見た説明図である。
ここで、たとえば連通弁23は、サブ袋体22および主袋体21を貫通する穴と、この穴に対してたとえば主袋体21側から重ねられた布体と、で構成されてよい。布体は、サブ袋体22または主袋体21の一部として設けてよい。この場合、布体が穴と密着するように重なることにより、連通弁23が閉じ、布体が穴から離れることにより、連通弁23が開く。また、テザー24は、穴と密着するように重なる布体とサブ袋体22または主袋体21とを縫い合わせるように設けられることにより、連通弁23に対して弁を閉じるように接続されてよい。
また、テザー24は、サブ袋体22および主袋体21を貫通する穴の周囲の布体を寄せて絞るように、たとえばサブ袋体22または主袋体21を寄せて絞るように、縫い合わせてもよい。
図6(A)は、図5(B)と同様に、衝突前の状態に対応する。
図6(B)は、図5(C)と同様に、衝突後の状態に対応する。
この場合、車外の人は、まず、図6(A)に示すようにボンネットフード5の上中央に展開されている主袋体21の上に乗る。その後、車外の人は、主袋体21の上で、斜め後方へ向かって移動し始める。主袋体21の上に乗った人の荷重により、連通弁23が開き、主袋体21の左右においてサブ袋体22が展開する。このため、主袋体21の上で斜め後方へ向かって移動しようとする車外の人は、図6(B)に示すように、サブ袋体22に当たり、車幅方向へ移動し難くなる。その結果、車外の人は、ボンネットフード5から落ち難くなる。
図7(A)は、主袋体21が最大に展開している状態である。この状態では、車外の人の荷重は、主袋体21に作用していない。
また、折り返されているテザー24の全長は、主袋体21が最大に展開している状態での、連通弁23との接続位置からリング部25での折り返し位置までの距離L1と、リング部25での折り返し位置から主袋体21の上面中央との接続位置までの距離L2との総和に相当する長さとなっている。テザー24の全長は、距離L1と距離L2との総和より少し長くしてもよい。
最大に展開した主袋体21に車外の人の荷重が作用すると、主袋体21は、図中に点線で示す最大に展開した状態での形状から変形する。車外の人の荷重が基本的に後向きに作用するため、主袋体21は後方へ引かれるように変形する。特に、車外の人の荷重が直接的に作用する主袋体21の上面中央の部分は、後方へ移動する。これにより、最大展開状態においてテンションがかかっているテザー24は、他端が後方へ移動するため、一端が連通弁23から外れる。これにより、連通弁23が開き、主袋体21とサブ袋体22とが連通する。最大に展開している主袋体21に対して作用する車外の人の荷重により、主袋体21の高圧ガスは、未展開のサブ袋体22へ流れ込む。主袋体21において排気弁が設けられているとしても、主袋体21の高圧ガスの一部は、未展開のサブ袋体22へ流れ込む。これにより、サブ袋体22は、展開する。
車外の人の荷重が作用し続けることにより、主袋体21の収縮が進み、サブ袋体22は大きく展開する。その結果、サブ袋体22の上縁は、収縮した主袋体21の上面より、上側へ高く突出する。したがって、収縮した主袋体21の上面の上で車幅方向へ移動しようとする車外の人は、図6(B)にも示すように、大きく展開したサブ袋体22に当たって移動が止まる。これにより、車外の人は、ボンネットフード5の上から脱落しなくなる。
図8の横軸は時間である。縦軸は、主袋体の内圧である。
主袋体21は、車外の人との衝突が検出されたり予測されたりすることにより展開を開始し、その後に最大に膨らんだ状態に展開する。
車外の人は、展開している主袋体21、好ましくは図8に示すように最大に膨らんだ状態の主袋体21に対して倒れ込む。これにより、倒れ込んだ車外の人の加重が、展開している主袋体21に作用し始める。主袋体21では、最大に展開した後や、車外の人の加重が作用した後、不図示の排気弁からガスの一部を放出してよい。また、本実施形態では、たとえば最大に膨らんだ状態の主袋体21の上に車外の人が乗ったり後方へ移動したりしようとすることにより、主袋体21は、収縮を伴って変形して、車外の人に作用する衝撃を吸収する。
また、主袋体21が変形することにより、テザー24が連通弁23から外れて、連通弁23が開く。これにより、主袋体21の高圧ガスの一部が、サブ袋体22へ流入する。サブ袋体22は、展開する。サブ袋体22は、収縮した主袋体21より高い高さで、主袋体21の側部に沿って展開する。これにより、主袋体21の上の車外の人が、車幅方向への移動成分を含むように後斜め方向へ移動しようとしても、展開しているサブ袋体22によりその移動を阻止することが可能となる。
車外の人が倒れ込む前に、主袋体21は最大の圧力により展開した状態になり易くなる。
しかも、ボンネットフード5の上に重なるように展開している主袋体21の車幅方向の側部では、サブ袋体22が、主袋体21より遅れて展開する。ここで、サブ袋体22は、基本的に主袋体21が展開を開始した後に展開すればよく、たとえば主袋体21が最大に展開して収縮し始めた後に展開し始めてよい。これにより、ボンネットフード5の上へ向けて倒れ込んで主袋体21により衝撃を吸収された車外の人が主袋体21の上で滑って移動しようとしても、遅れて展開しているサブ袋体22によりその移動が阻止され得る。ボンネットフード5の上に倒れ込んだ後に、車外の人が主袋体21の上から車幅方向へ向かって滑って車体2の左右へ落ちることが起き難くなる。
これに対して、仮にたとえば、主袋体21のみを展開した場合には、それにより衝撃を吸収された後において、車外の人が、車体2の左右へ落ちる可能性がある。また、主袋体21の側部にそれと同時に展開するサブ袋体22を設けたとしても、この場合にはサブ袋体22が主袋体21と時間差を生じることなく略同時に展開して収縮することになる。衝撃吸収のために収縮し始めている主袋体21と同様に収縮し始めているサブ袋体22は、衝撃が吸収された後に車幅方向へ向かって滑ろうとする車外の人に対して、それを阻止する効果を十分に発揮できない可能性がある。
この他にもたとえば連通弁23は、制御部18の電子的な制御により、開閉が制御されてもよい。この場合、制御部18は、主袋体21のインフレータ20を作動させた後に、閉じている連通弁23を開けばよい。
また、サブ袋体22は、主袋体21とは別のインフレータにより展開するようにしてもよい。この場合、制御部18は、主袋体21のインフレータ20を作動させた後に、サブ袋体22のインフレータ20を作動させればよい。
ただし、制御部18が、主袋体21の展開のためのインフレータ20の制御とは別に、他の制御を実施する場合には、これらのタイミング制御が重要である。特に、最大に展開している主袋体21に対して乗員の荷重が作用し始めた後の適切なタイミングにおいてサブ袋体22を展開するためには、主袋体21の展開タイミングとは無関係に生じ得る車外の人についての主袋体21への倒れ込みのタイミングを正確に予想する必要がある。上述した実施形態では、その倒れ込みそのものの作用を利用しているため、これらのタイミングを良好に調整することができる。
この他にもたとえば、主袋体21は、図1に示すようにボンネットフード5と同等の幅で形成してもよい。この場合、サブ袋体22は、たとえば主袋体21の車幅方向の側部の上に設ければよい。これにより、サブ袋体22は、主袋体21の側部において展開することができる。サブ袋体22は、収縮し始めた主袋体21より上へ突出するように展開することができる。
図9(A)では、図5において左右に分けて設けられている二本のテザー24が、一本化されている。一本化されたテザー24は、その中央が、主袋体21の上面中央に取り付けられ、両端が左右の連通弁23に接続される。また、図5の左右二本のテザー24と同様に、主袋体21の前部に設けられるリング部25おいて折り返されている。
図9(B)では、左右個別に設けられるテザー24の他端は、主袋体21の前部に接続される。テザー24は、展開している主袋体21の前部と連通弁23との間で直線状となるように折り返しなしで設けられても、主袋体21の上面や下面において折り返されて設けられてもよい。
これらのようなテザー24の張り方であっても、主袋体21が車外の人の加重により後方へ変形することにより、テザー24が連通弁23から外れて、連通弁23を開くことが可能である。
この他にもたとえば、テザー24は、縫い合わせをすべてほどくように外れなくてもよい。縫い合わせの一部がほどける場合でも、テザー24により閉じられていた連通弁23は開くことができる。 この他にもたとえば、テザー24が引き切れることにより、テザー24により閉じられていた連通弁23が開いてもよい。
この他にもたとえば、テザー24が引かれることにより、閉じている連通弁23を形成するように重ねられている複数の基布がずれたり、離れたりするようにしてもよい。
Claims (6)
- 車両の車体のフードの上に重なるように前記車体の前部から後へ向けて展開する第一袋体、および前記第一袋体を展開するインフレータ、を有する車外エアバッグ装置、を有し、
前記車外エアバッグ装置は、前記第一袋体の車幅方向の側部から、前記第一袋体より遅れて展開する第二袋体、を有する、
車両の車外保護装置。 - 前記第二袋体は、前記第一袋体が最大に展開した後に展開し始める、
請求項1記載の車両の車外保護装置。 - 前記第二袋体は、前記第一袋体と接続されて、前記第一袋体を通じて前記インフレータの高圧ガスが流入することにより展開する、
請求項1または2記載の車両の車外保護装置。 - 前記第二袋体は、連通弁により前記第一袋体と通じ、前記連通弁は、前記第一袋体が展開を開始した後に開く、
請求項1から3のいずれか一項記載の車両の車外保護装置。 - 一端が閉じている前記連通弁に接続されるとともに、他端が前記第一袋体の上面に接続されるテザーと、
前記第一袋体の前面に設けられるリング部と、を有し、
前記テザーは、前記リング部を通して設けられることにより前記第一袋体の内部において折り返して、前記第一袋体の内側に設けられ、
前記テザーが引かれることにより、閉じている前記連通弁が開く、
請求項3または4記載の車両の車外保護装置。 - 前記テザーは、前記一端についての前記連通弁との接続位置と、前記他端についての前記第一袋体の上面との接続位置との距離より長い、
請求項5記載の車両の車外保護装置。
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Cited By (2)
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WO2022009920A1 (ja) | 2020-07-07 | 2022-01-13 | 国立研究開発法人国立がん研究センター | 臓器保護部材 |
US11702031B2 (en) * | 2020-09-25 | 2023-07-18 | Subaru Corporation | Exterior protection apparatus for vehicle |
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2020
- 2020-10-06 JP JP2020168801A patent/JP2021107211A/ja active Pending
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WO2022009920A1 (ja) | 2020-07-07 | 2022-01-13 | 国立研究開発法人国立がん研究センター | 臓器保護部材 |
US11702031B2 (en) * | 2020-09-25 | 2023-07-18 | Subaru Corporation | Exterior protection apparatus for vehicle |
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