JP2021107049A - 濃縮装置及び濃縮装置の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大量のサンプルを連続的に濃縮することが可能な濃縮装置、及び濃縮装置の運転方法を提供する。【解決手段】サンプル容器11を加温する恒温液槽12と、サンプル容器11で蒸発した気体を導入して凝縮する第1凝縮器15、及び第2凝縮器16と、サンプル容器11と、2つの凝縮器のうちの一方を連通させる八方弁23を備える。更に、各凝縮器15、16を冷却する冷却器18と、サンプル容器11内を減圧する減圧ポンプ17と、サンプルを蓄積するサンプルタンク22と、八方弁、恒温液槽、冷却器、減圧ポンプの駆動を制御する制御器31を備える。制御器31は、八方弁23により、第1凝縮器15、及び第2凝縮器16のうちの一方を選択する。サンプル容器11より放出される溶媒の蒸気を、いずれかの凝縮器に導入し、冷却して回収する。サンプル容器11内のサンプルが減少した際には、サンプルタンク22からサンプル容器11内へサンプルを補充する。【選択図】図1

Description

本発明は、濃縮装置及びその運転方法に係り、特に、濃縮対象となるサンプルを連続的に濃縮する技術に関する。
従来より、サンプル(濃縮対象となる溶液)に含まれる特定の溶媒を除去するために、濃縮装置(エバポレータということもある)が用いられている。濃縮装置では、ナスフラスコなどのサンプル容器にサンプルを導入し、該サンプル容器を減圧した状態で加温された水或いは油が充填された恒温液槽内に挿入し、加温する。しばらく時間が経過すると、サンプル容器に導入されたサンプルの温度が上昇する。サンプルの温度が溶媒の沸点に達すると、この溶媒は蒸発するので、サンプルから不要な溶媒を除去し、ひいてはサンプルを濃縮することができる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来における濃縮装置では、サンプル容器内に導入したサンプル(例えば、1リットルのサンプル)の濃縮が終了すると、次の処理に移行する際に、ユーザがサンプル容器内に新たなサンプルを補充する作業、及び、回収された溶媒を廃液タンクに放出する作業が必要となる。このため、大量のサンプルを濃縮する際には、ユーザが濃縮装置に立ち会って監視する必要があり、ユーザによる多くの労力を要し、更には濃縮作業に長時間を要するという問題があった。
特開2014−498号公報
上述したように、従来における濃縮装置では、大量のサンプルを連続して濃縮する際には、ユーザがサンプルの補充、溶媒の回収などの作業を実施する必要があり、ユーザによる多くの労力が必要となり、且つ、濃縮作業に長時間を要するという問題があった。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、大量のサンプルを連続的に濃縮することが可能な濃縮装置、及び濃縮装置の運転方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る濃縮装置は、サンプルに含まれる除去対象の溶媒を蒸発させて、前記サンプルを濃縮する濃縮装置であって、前記サンプルが導入されたサンプル容器を加温する加温器と、前記サンプル容器内で蒸発した溶媒を導入して凝縮する第1凝縮器及び第2凝縮器と、前記サンプル容器と、前記第1凝縮器及び第2凝縮器のいずれか一方を連通させる切替器と、前記第1凝縮器、及び第2凝縮器を冷却する冷却器と、前記サンプル容器内を減圧する減圧ポンプと、前記サンプルを蓄積するサンプルタンクと、前記切替器、前記加温器、前記冷却器、及び前記減圧ポンプの駆動を制御する制御器と、を備え、前記制御器は、前記切替器を操作して、前記サンプル容器内で蒸発した溶媒を前記第1凝縮器及び前記第2凝縮器の各凝縮器に交互に導入して凝縮させ、前記サンプル容器内のサンプルが所定の下限値を下回った際には、前記サンプルタンクから前記サンプル容器内へ前記サンプルを補充することにより、前記サンプルタンク内に蓄積されたサンプルを連続的に濃縮することを特徴とする。
また、本発明に係る濃縮装置の運転方法は、サンプルに含まれる除去対象の溶媒を蒸発させて、前記サンプルを濃縮する濃縮装置の運転方法であって、前記サンプルが導入されたサンプル容器を加温して、前記溶媒を蒸発させるステップと、前記サンプル容器内で蒸発した溶媒を第1凝縮器及び第2凝縮器の各凝縮器に交互に導入するステップと、前記第1凝縮器及び第2凝縮器を冷却して、前記蒸発した溶媒を凝縮させるステップと、前記サンプル容器内のサンプルが所定の下限値を下回った際に、前記サンプルを蓄積するサンプルタンクから前記サンプル容器内へ前記サンプルを補充するステップと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、大量のサンプルを連続的に濃縮することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態に係る濃縮装置の構成を模式的に示す説明図である。 図2は、八方弁のスイッチ部を「α」側としたときの、流体の流れを示す説明図である。 図3は、八方弁のスイッチ部を「β」側としたときの、流体の流れを示す説明図である。 図4Aは、第1実施形態に係る濃縮装置の処理動作を示すフローチャートの、第1の分図である。 図4Bは、第1実施形態に係る濃縮装置の処理動作を示すフローチャートの、第2の分図である。 図5は、第1実施形態に係る濃縮装置の、八方弁の動作を示すフローチャートである。 図6Aは、第1実施形態に係る濃縮装置の処理動作を示すフローチャートの、第1の分図である。 図6Bは、第1実施形態に係る濃縮装置の処理動作を示すフローチャートの、第2の分図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る濃縮装置の構成を示す説明図である。
図1に示すように、本実施形態に係る濃縮装置101は、サンプル容器11と、恒温液槽12と、トラップ球13と、回転駆動部14と、第1凝縮器15と、第2凝縮器16と、減圧ポンプ17と、冷却器18と、を備えている。
また、濃縮装置101は、廃液タンク21と、サンプルタンク22と、八方弁23と、廃液タンク21に接続される三方弁24(回収弁)と、サンプルタンク22及び廃液タンク21に接続される三方弁25と、三方弁25に接続される電磁弁19と、昇降機構26と、を備えている。更に、濃縮装置101は、回転駆動部14、減圧ポンプ17、冷却器18、昇降機構26、八方弁23、各三方弁24、25、電磁弁19の駆動を制御し、且つ恒温液槽12の温度を制御する制御器31を備えている。
サンプル容器11は、例えばナスフラスコ、丸底フラスコ、三角フラスコ等であり、内部に濃縮対象となる溶液であるサンプルが充填される。サンプル内には、除去対象となる溶媒が含まれている。除去対象の溶媒として、例えば、酢酸エチル、エタノール、メタノール、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、ヘキサン等を挙げることができる。また、溶液中には単一の溶媒、或いは複数の溶媒が充填されることがある。
サンプル容器11には、容器内のサンプル量を検出する液量検出センサ11aが設けられている。更に、サンプル容器11の開口部近傍には、サンプル容器11内で蒸発した蒸気温度を検出する蒸気温度センサ28が設けられている。
恒温液槽12(「ウォータバス」、「オイルバス」ということもある)は、内部に水、油等の液体が充填されており、電熱線などのヒータにより加温して液体を所望の温度に調整することができる。恒温液槽12の内部にサンプル容器11を挿入した状態で、恒温液槽12内の液体温度を調整することにより、サンプル容器11を加温し、ひいてはサンプル容器11内に導入されているサンプルを加温することができる。
このため、サンプル中に含まれる除去対象の溶媒を蒸発(気化)させることができる。なお、恒温液槽12内の液体(水、油など)を加温する方式は、電熱線に限定されるものではなく、その他の方式を採用することも可能である。また、液体を使用せず、ヒータを用いて直接サンプル容器11を加温することも可能である。
恒温液槽12は、サンプルが導入されたサンプル容器11を加温する加温器としての機能を備えている。
恒温液槽12には、液体の温度を測定するための温度センサ12a(以下、「バス温度センサ12a」という)が設けられている。バス温度センサ12aの検出データは、制御器31に出力される。
トラップ球13は、サンプル容器11内において突沸が発生した際に、突沸により放出された液体を蓄積する。
回転駆動部14は、駆動用の減速モータ(図示省略)を備えており、サンプル容器11をその中心軸を回転軸として定速で回転させる。
第1凝縮器15、及び第2凝縮器16は、サンプル容器11内で蒸発した気体(溶媒の蒸気)を導入し、冷却器18より供給される冷却水にて内部が冷却されることにより、溶媒を液化させる。第1凝縮器15、及び第2凝縮器16は、八方弁23の操作により、択一的にサンプル容器11に連結される。即ち、八方弁23の操作により、サンプル容器11の開口部を第1凝縮器15、及び第2凝縮器16のいずれか一方に連通させて、サンプル容器11より放出される気体(溶媒の蒸気)をいずれか凝縮器に導入することができる。
第1凝縮器15には、液量を検出するための液量検出センサ15aが設けられ、第2凝縮器16についても同様に、液量を検出するための液量検出センサ16aが設けられている。これらの検出信号は、制御器31に出力される。
また、各凝縮器15、16の下方には、排出口が設けられている。第1凝縮器15の排出口は、配管42b、三方弁24、及び配管42cを経由して廃液タンク21に接続されている。第2凝縮器16の排出口は、配管42a、三方弁24、及び配管42cを経由して廃液タンク21に接続されている。
減圧ポンプ17は、制御器31の制御下で駆動し、第1凝縮器15、及び第2凝縮器16の圧力を減圧する。各凝縮器15、16は、八方弁23、回転駆動部14、トラップ球13を経由し、サンプル容器11に封密的に連通している。従って、第1、第2凝縮器15、16の内部を減圧することにより、サンプル容器11内を減圧することができる。このため、サンプル容器11内に充填されている溶媒の沸点を所定の範囲内で任意に設定することが可能である。
冷却器18(「チラー」ということもある)は、冷却水を蓄積する冷却水タンク(図示省略)を備えており、第1凝縮器15、及び第2凝縮器16の周囲に螺旋状に設置された螺旋配管27に冷却水を循環させることにより、第1凝縮器15、及び第2凝縮器16を冷却する。また、冷却器18には、冷却水の温度を測定する温度センサ18a(以下、「チラー温度センサ18a」という)が設けられている。チラー温度センサ18aで検出された温度データは、制御器31に出力される。
八方弁23(切替器)は、複数の配管41a、41b、41c、41d、41e、41f、41g、41h、41iと接続されており、各配管どうしの接続を切り替える。八方弁23は、2つの切替位置「α」、「β」を有するスイッチ部23aを備えており、制御器31の制御下で「α」または「β」のいずれか一方が選択されて、各配管の接続が切り替えられる。八方弁23の詳細な作動については、後述する。
サンプルタンク22は、濃縮の対象となるサンプルを蓄積するためのタンクであり、サンプル容器11内のサンプルが減少したときに、サンプル容器11内にサンプルを補充する。また、サンプルタンク22には、残量を検出するための残量センサ22aが設けられている。
廃液タンク21(回収タンク)は、第1凝縮器15、及び第2凝縮器16で液化した溶媒を蓄積する。
三方弁25は、3つの連結部を有しており、1つ目の連結部は、配管43aを介してサンプル容器11の開口部に接続されている。また、2つ目の連結部は、配管43bを介してサンプルタンク22に接続されている。3つ目の連結部は、配管43cを経由して廃液タンク21に接続されている。三方弁25は、制御器31の制御下で切り替えが制御される。三方弁25は、濃縮装置101の運転中には、サンプルタンク22側に接続されている。また、濃縮装置の運転を停止させ、サンプルタンク22、或いは廃液タンク21を洗浄する際には、三方弁25を切り替えてサンプルタンク22、或いは廃液タンク21に洗浄液を供給する。
三方弁24は、3つの連結部を有しており、1つ目の連結部は、配管42bを介して第1凝縮器15の排出口に接続され、2つ目の連結部は、配管42aを介して第2凝縮器16の排出口に接続されている。3つ目の連結部は、配管42cを介して廃液タンク21に接続されている。三方弁24は、制御器31の制御下で切り替えが制御される。
第1凝縮器15に蓄積された溶媒を廃液タンク21に導入する際には、配管42bと42cを連結させ、第2凝縮器16に蓄積された溶媒を廃液タンク21に導入する際には、配管42aと42cを連結させるように切り替える。
三方弁24は第1凝縮器15、及び第2凝縮器16のいずれか一方を廃液タンク21に連通させるように切り替える回収弁としての機能を備えている。
昇降機構26は、制御器31の制御下で恒温液槽12(加温器)を昇降させて、サンプル容器11の、恒温液槽12内への挿入、離脱を制御する。
制御器31(制御部)は、回転駆動部14、減圧ポンプ17、冷却器18の駆動を制御する。詳細には、制御器31は、濃縮装置101の作動時において、減圧ポンプ17を制御して第1凝縮器15、第2凝縮器16の圧力が所望の圧力(大気圧よりも低い圧力)となるように制御する。
制御器31はまた、冷却器18で循環させる冷却水の温度、及び循環水量を制御する。制御器31はまた、恒温液槽12内に充填されている液体の温度が所望の温度となるように制御する。制御器31はまた、八方弁23、各三方弁24、25の切り替え、及び昇降機構26の動作を制御する。
制御器31はまた、ユーザが各種データの入力操作を行う入力部(図示省略)、及び各種の情報を表示する表示部(図示省略)を備えている。或いは、入力部と表示部を兼用したタッチセンサ(図示省略)を備えている。
制御器31は、例えば、中央演算ユニット(CPU)や、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶手段からなる一体型のコンピュータとして構成することができる。
[八方弁23の説明]
次に、八方弁23の動作を図2、図3に示すフロー図を参照して説明する。図2は、スイッチ部23aを「α」としたときの、配管の接続及び流体の流れを示す説明図である。図2に示すように、スイッチ部23aが「α」とされた際には、配管41aと41hが接続され、配管41iと41fが接続される。また、配管41cと41eが接続され、配管41dと41bが接続される。配管41gは閉鎖される。
上記のように接続された状態において、減圧ポンプ17を作動させると、第1凝縮器15内の気体は、配管41i、41fを経由して吸引され、第1凝縮器15は減圧される。第1凝縮器15内が減圧されることにより、サンプル容器11内で蒸発した気体は、配管41a、41hを経由して第1凝縮器15内に導入される。また、減圧ポンプ17より出力される気体は、配管41c、41eを経由して第2凝縮器16内に導入され、更に、配管41d、41bを経由して外部へ放出される。
一方、図3は、スイッチ部23aを「β」としたときの、配管の接続及び流体の流れを示す説明図である。図3に示すように、スイッチ部23aが「β」とされた際には、配管41aと41dが接続され、配管41eと41cが接続される。また、配管41fと41iが接続され、配管41hと41gが接続される。配管41bは閉鎖される。
上記のように接続された状態において、減圧ポンプ17を作動させると、第2凝縮器16内の気体は、配管41e、41cを経由して吸引され、第2凝縮器16は減圧される。第2凝縮器16内が減圧されることにより、サンプル容器11内で蒸発した気体は、配管41a、41dを経由して第2凝縮器16内に導入される。また、減圧ポンプ17より出力される空気は、配管41f、41iを経由して第1凝縮器15内に導入され、更に、配管41h、41gを経由して外部へ放出される。
このように、八方弁23のスイッチ部23aを「α」または「β」に切り替えることにより、サンプル容器11内で蒸発した気体(蒸気化した溶媒)を、第1凝縮器15、及び第2凝縮器16のいずれか一方に導入させることが可能である。即ち、八方弁23は、サンプル容器11と、第1凝縮器15及び第2凝縮器16のいずれか一方を連通させる切替器としての機能を備えている。
そして、本実施形態では、サンプルタンク22内に蓄積されているサンプルを逐次サンプル容器11に供給し、且つ、サンプル容器11で蒸発した溶媒を、2つ凝縮器15、16の一方に切り替えて導入することにより、サンプルを連続して濃縮することを可能とする。
[第1実施形態の作用の説明]
次に、図4A、図4Bに示すフローチャートを参照して、第1実施形態に係る濃縮装置101の処理手順について説明する。初めに、図4Aに示すステップS11において、ユーザは手動操作にて八方弁23、及び各三方弁24、25を全て「閉」とする。
ステップS12において、ユーザは手動操作にて減圧ポンプ17を作動させる。
ステップS13において、減圧ポンプ17で到達可能な最低限の圧力を測定し、測定した圧力を到達圧力P0として制御器31の入力部(図示省略)より入力する。入力された到達圧力P0は、制御器31のメモリ等に記憶される。
ステップS14において、ユーザは濃縮装置101全体のリークテストを実施する。各配管や接合部において、リークが生じているか否かを目視、或いは専用の機器を用いて確認する。
リークが生じている場合には(S14;NG)、ステップS15において、ユーザはリークしている箇所をチェックし、修復する。
リークテストが完了した場合には(S14;OK)、濃縮装置101による濃縮処理を実施する。初めに、ステップS16において、制御器31は、冷却器18を駆動する。このときの冷却水の設定温度を「Tc1」とする。
ステップS17において、制御器31は、恒温液槽12を駆動する。このときの恒温液槽12内に充填される液体(水や油)の設定温度を「Tb1」とする。また、恒温液槽12の設定温度Tb1が冷却器18の設定温度Tc1よりも40℃だけ高くなるように設定する。即ち、Tb1=Tc1+40℃とする。
ステップS18において、制御器31は、濃縮対象となるサンプルから除去する溶媒を手動で設定する。除去対象の溶媒として、前述したように、酢酸エチル、エタノール、メタノール、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、ヘキサン等を挙げることができる。
ステップS19において、制御器31は、冷却水の設定温度Tc1が、ステップS18の処理で設定した溶媒の凝固点Tmよりも高いか否かを判断する。「Tc1>Tm」である場合には(S19;YES)、ステップS21に処理を進め、そうでなければ(S19;NO)、ステップS20に処理を進める。
ステップS20において、制御器31は、冷却水の設定温度Tc1が凝固点Tmよりも5℃だけ高い温度となるように設定する。その後、ステップS17に処理を戻す。即ち、冷却水の設定温度Tc1が溶媒の凝固点Tmよりも低い場合には、第1、第2凝縮器15、16で凝縮した溶媒が凍結する可能性がある。従って、これを回避するためにTc1=Tm+5℃となるように設定する。
ステップS21において、制御器31は、バス温度センサ12aで検出される温度(これを「バス温度Tb」とする)と、チラー温度センサ18aで検出される温度(これを「チラー温度Tc」とする)に基づき、バス温度Tbとチラー温度Tcとの差分が40℃以上であるか否かを判断する。「Tb−Tc>40℃」である場合には(S21;YES)、ステップS27に処理を進め、そうでなければ(S21;NO)、ステップS22に処理を進める。
ステップS22において、制御器31は、バス温度Tbがチラー温度Tcよりも40℃以上高くなるように恒温液槽12のヒータを制御する。
ステップS23において、制御器31は、バス温度Tbが恒温液槽12における最高加温温度Tdに達したか否かを判断する。最高加温温度Tdに達した場合には(S23;YES)、ステップS24に処理を進める。最高加温温度Tdに達しない場合には(S23;NO)、ステップS21に処理を戻す。
ステップS24において、制御器31は、チラー温度Tcがバス温度Tbよりも40℃以上低くなるように冷却器18を制御する。即ち、バス温度Tbが最高加温温度Tdに達しても「Tb−Tc>40℃」が達成されない場合には、チラー温度Tcを低下させる制御を行う。
ステップS25において、制御器31は、チラー温度Tcが冷却器18における最低冷却温度Teに達したか否かを判断する。最低冷却温度Teに達した場合には(S25;YES)、ステップS26に処理を進める。最低冷却温度Teに達しない場合には(S25;NO)、ステップS21に処理を戻す。
ステップS26において、制御器31は、表示部にてエラーメッセージを表示する。即ち、バス温度Tbを上昇させ、且つチラー温度Tcを低下させることにより、「Tb−Tc>40℃」が達成できない場合(S21でYES判定とならない場合)には、本処理を実行することができないので、表示部(図示省略)にエラーメッセージを表示して本処理を終了する。
一方、ステップS21でYES判定とされた場合には、ステップS27において、制御器31は、バス温度Tbよりも所定温度(本実施形態では、20℃とする)だけ低い温度を、除去対象の溶媒(これを溶媒Z1とする)の目標沸点T1として設定する。即ち、「目標沸点T1=Tb−20℃」として設定する。例えば、バス温度Tbが40℃である場合には、目標沸点T1=20℃に設定する。
ステップS28において、制御器31は、目標沸点T1が大気圧における沸点よりも低いか否かを判断する。「T1<大気圧沸点」である場合には(S28;YES)、図4Bに示すステップS29に処理を進め、そうでなければ(S28;NO)、ステップS26に処理を進める。
ステップS26において、前述したように、制御器31は、表示部にてエラーメッセージを表示する。即ち、目標沸点T1が大気圧における沸点よりも低くなければ、そもそも本実施形態に係る濃縮装置を使用する必要がないので、エラーメッセージを表示する。
一方、図4Bに示すステップS29において、制御器31は、周知の演算方法を用いて溶媒Z1の沸点を目標沸点T1とするための目標圧力P1を設定する。
ステップS30において、制御器31は、目標圧力P1とステップS13の処理で求めた減圧ポンプ17の到達圧力P0を比較する。「P1>P0」である場合、即ち、減圧ポンプ17の能力で目標圧力P1まで減圧できる場合には(S30;YES)、ステップS32に処理を進め、そうでなければ(S30;NO)、ステップS31に処理を進める。
ステップS31において、制御器31は、恒温液槽12のヒータを制御して、バス温度Tbを5℃だけ上昇させる。その後、ステップS27に処理を戻す。即ち、バス温度Tbが上昇すると、上述した「T1=Tb−20℃」の関係から、目標沸点T1が上昇し、ひいては、目標圧力P1を高めることができる。その結果、目標圧力P1を減圧ポンプ17の到達圧力P0よりも高くすることができる。即ち、「P1>P0」とすることができる。
ステップS32において、制御器31は、サンプルタンク22の残量センサ22aにてサンプルタンク22内のサンプル量がゼロであるか否か(枯渇しているか否か)を判断する。ゼロである場合には(S32;YES)、本処理を終了する。そうでなければ(S32;NO)、ステップS33に処理を進める。
ステップS33において、制御器31は、回転駆動部14を駆動させてサンプル容器11を回転させる。
ステップS34において、制御器31は、減圧ポンプ17を制御してサンプル容器11内の圧力を目標圧力P1に維持する。
ステップS35において、制御器31は、サンプルタンク22内に蓄積されているサンプルをサンプル容器11内に導入する。サンプル容器11内がマイナスの圧力となっているので、三方弁25を切り替えて、配管43aと43bを連結した状態で、電磁弁19を「開」とすることにより、サンプルタンク22内のサンプルを減圧吸引してサンプル容器11内に導入することができる。
ステップS36において、制御器31は、サンプル容器11内のサンプル量を検出する。具体的に制御器31は、サンプル容器11内のサンプル量が予め設定した下限値を下回ったか否か、及び、上限値を上回ったか否かを検出する。サンプル容器11内のサンプル量が下限値を下回った場合には、サンプル容器11内にサンプルを導入する。また、サンプル容器11内のサンプル量が上限値を上回った場合には、サンプルの導入を停止する。こうすることにより、サンプル容器11内に常時所定量のサンプルが存在することになる。
ステップS37において、制御器31は、サンプル容器11の圧力を目標圧力P1に維持する。更に、制御器31は、昇降機構26を制御して恒温液槽12を上昇させ、サンプル容器11を恒温液槽12に挿入し、サンプル容器11を加温する。
ステップS38において、蒸気温度センサ28で検出される蒸気温度Taを取得し、該蒸気温度Taが、目標沸点T1よりも若干高い温度「T1+p」(例えば、p=2℃)となると、溶媒Z1の留去を開始する。サンプル容器11内のサンプルに含まれる溶媒Z1が蒸発し、サンプルに含まれる除去対象の溶媒Z1を除去することができる。
上述したように、溶媒Z1の沸点がバス温度Tbよりも20℃だけ低い温度となるように設定されているので、サンプルに含まれる溶媒Z1を突沸させることなく、且つ安定的に蒸発させて各凝縮器15、16に送出することができる。
即ち、サンプル容器11内に導入されたサンプルから、除去対象の溶媒Z1を除去することにより、サンプル容器11内のサンプルを濃縮することができる。また、この処理と並行して、八方弁23の切替処理が行われる。八方弁23の切替処理は、図5を参照して後述する。
ステップS39において、制御器31は、バス温度センサ12aの検出データに基づき、バス温度Tbの温度の変動が、許容変動温度yの範囲内であるか否かを判定する。許容変動温度yの範囲内である場合には(S39;YES)、ステップS40に処理を進め、そうでなければ(S39;NO)、図4AのステップS21に処理を戻す。
即ち、バス温度Tbの変動が大きく、許容変動温度yの範囲を超えている場合には、ステップS21からの処理からの処理を繰り返して、バス温度Tbを再設定する。そして、溶媒Z1の沸点が再設定した目標沸点となるように、目標圧力P1を再設定する。
一方、バス温度Tbの温度変動が許容変動温度yの範囲内である場合には、溶媒Z1は安定して蒸発しているものと判断し、ステップS40に処理を進める。
ステップS40において、制御器31は、蒸気温度センサ28で検出される蒸気温度Taが、溶媒Z1の目標沸点T1よりも若干低い温度「T1−p」(例えば、p=2℃)となると、溶媒Z1の留去を終了する。
その後、ステップS32に処理を戻し、サンプルタンク22内のサンプル量がゼロとなった場合には、本処理を終了する。
次に、図5に示すフローチャートを参照して、八方弁23の切替処理について説明する。初めに、ステップS91において、制御器31は、八方弁23のスイッチ部23aを「α」側に設定する。従って、サンプル容器11より出力される溶媒Z1の蒸気は、第1凝縮器15に導入され、螺旋配管27を流れる冷却水により冷却されて凝縮し、第1凝縮器15内に蓄積される。
ステップS92において、制御器31は、三方弁24を第2凝縮器16側(β側)に切り替える。従って、第2凝縮器16に蓄積されている溶媒は、三方弁24を介して廃液タンク21に導入される。
ステップS93において、制御器31は、液量検出センサ15aの検出信号に基づき、第1凝縮器15の液量を検出する。
ステップS94において、制御器31は、第1凝縮器15内に蓄積された溶媒Z1の液量が予め設定した上限レベルに達したか否かを判断する。
上限レベルに達した場合には(S94;YES)、ステップS95において、制御器31は、八方弁23を切り替える。具体的に、スイッチ部23aを「α」側から「β」側に切り替える。
また、ステップS96において、制御器31は、三方弁24を切り替える。具体的に、三方弁を第2凝縮器16側(β側)から第1凝縮器15側(α側)に切り替える。従って、サンプル容器11より出力される溶媒Z1の蒸気は、第2凝縮器16に導入され、螺旋配管27を流れる冷却水により冷却されて凝縮し、第2凝縮器16内に蓄積される。また、第1凝縮器15に蓄積されている溶媒は、三方弁24を介して廃液タンク21に導入される。
その後、ステップS94からの処理を繰り返す。即ち、第1凝縮器15と、第2凝縮器16を交互に切り替えて、溶媒Z1を回収する。
[第1実施形態の効果の説明]
このようにして、第1実施形態に係る濃縮装置101では、減圧ポンプ17によりサンプル容器11内の圧力を制御して、除去対象となる溶媒Z1の沸点が、バス温度Tbよりも所定温度(例えば、20℃)だけ低い温度となるように設定している。従って、サンプル容器11が恒温液槽12内に挿入された際に、サンプルに含まれる溶媒Z1が突沸することを防止することができる。このため、サンプル中の内容物が外部に放出されるなどの問題の発生を防止することができ、安定的にサンプルを濃縮することが可能となる。
また、サンプル容器11内のサンプル量が低減すると、サンプルタンク22からサンプルが補充されるので、大量のサンプルの濃縮処理を連続的に実施することが可能となる。
また、サンプルタンク22内のサンプル量がゼロ、即ち、サンプルが枯渇した場合には、濃縮装置101の運転を停止させる。具体的に、恒温液槽12による加温を停止し、冷却器18及び減圧ポンプ17の作動を停止し、且つ、昇降機構26を作動させてサンプル容器11を恒温液槽12から離脱させる。従って、サンプルタンク22内のサンプルが枯渇した後に、各機器が作動し続けることを回避することができる。また、恒温液槽12内からサンプル容器11が離脱するので、運転の停止後にサンプル容器11内のサンプルが加温により分解されるなどの問題の発生を回避することができる。
更に、第1凝縮器15、及び第2凝縮器16を備えており、八方弁23を切り替えることにより、サンプル容器11より放出された溶媒の蒸気をいずれか一方に導入することができる。従って、一方の凝縮器(例えば、第1凝縮器15)に蓄積された溶媒が一定のレベルに達したときに、他方の凝縮器(例えば、第2凝縮器16)に切り替えて蒸気を導入するので、溶媒の蒸気を連続して凝縮させて回収することができる。
また、恒温液槽12のバス温度Tbと、冷却器18のチラー温度Tcとの差分が、40℃以上となるように、バス温度Tb、及びチラー温度Tcの少なくとも一方を制御する。このため、バス温度Tbとチラー温度Tcとの差分を確実に広げることができ、溶媒を効率よく蒸発させ、且つ凝縮することが可能となる。
更に、昇降機構26を制御してサンプル容器11を恒温液槽12内に挿入するので、サンプル容器を自動操作で加温することができる。
[第2実施形態の説明]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。装置構成は、前述した図1と同様であるので構成説明を省略する。第2実施形態では、サンプルに含まれる複数の溶媒を連続的に除去する。ここでは、溶媒Z1、Z2、Z3の3種類の溶媒を除去する例について説明する。
以下、図6A、図6Bに示すフローチャートを参照して、第2実施形態に係る濃縮装置の処理手順について説明する。
図6Aに示すステップS51〜S58の処理は、前述した図4Aに示したステップS11〜S18の処理と同一であるので、説明を省略する。
図6Aに示すステップS581において、制御器31は、溶媒の種類を示す変数xを「x=1」に設定する。
ステップS59において、制御器31は、冷却水の設定温度Tc1が、ステップS58の処理で設定した溶媒の凝固点Tmよりも高いか否かを判断する。「Tc1>Tm」である場合には(S59;YES)、ステップS61に処理を進め、そうでなければ(S59;NO)、ステップS60に処理を進める。
ステップS60において、制御器31は、冷却水の設定温度Tc1が凝固点Tmよりも5℃だけ高い温度となるように設定する。その後、ステップS57に処理を戻す。
ステップS61〜S66の処理は、図4Aに示したステップS21〜S26の処理と同一であるので説明を省略する。
ステップS67において、制御器31は、バス温度Tbよりも所定温度(本実施形態では、20℃とする)だけ低い温度を、除去対象の溶媒(これを溶媒Zxとする)の目標沸点Txとして設定する。なお、この時点では「x=1」とされているので、目標沸点TxはT1である。即ち、「目標沸点T1=Tb−20℃」として設定する。例えば、バス温度Tbが40℃である場合には、目標沸点T1=20℃に設定する。
ステップS68において、制御器31は、目標沸点Txが大気圧における沸点よりも低いか否かを判断する。「Tx<大気圧沸点」である場合には(S68;YES)、図6Bに示すステップS69に処理を進め、そうでなければ(S68;NO)、ステップS66に処理を進める。
ステップS66において、前述した図4AのステップS26と同様に、制御器31は、表示部にてエラーメッセージを表示する。
図6Bに示すステップS69において、制御器31は、溶媒Zx(初期的にはZ1)の沸点を目標沸点Tx(初期的にはT1)とするための目標圧力Px(初期的にはP1)を設定する。目標圧力Pxは周知の演算方法を採用して算出することができる。
ステップS70において、制御器31は、目標圧力PxとステップS53の処理で求めた減圧ポンプ17の到達圧力P0を比較する。「Px>P0」である場合、即ち、減圧ポンプ17の能力で目標圧力Pxまで減圧できる場合には(S70;YES)、ステップS72に処理を進め、そうでなければ(S70;NO)、ステップS71に処理を進める。
ステップS71において、制御器31は、恒温液槽12のヒータを制御して、バス温度Tbを上昇させる。その後、ステップS67に処理を戻す。即ち、バス温度Tbが上昇すると、上述した「Tx=Tb−20℃」の関係から、目標沸点Txが上昇し、ひいては、目標圧力Pxを高めることができる。その結果、目標圧力Pxを減圧ポンプ17の到達圧力P0よりも高くすることができる。即ち、「Px>P0」とすることができる。
ステップS72において、制御器31は、サンプルタンク22の残量センサ22aにてサンプルタンク22内のサンプル量がゼロであるか否かを判断する。ゼロである場合には(S72;YES)、本処理を終了する。そうでなければ(S72;NO)、ステップS73に処理を進める。
ステップS73において、制御器31は、回転駆動部14を駆動させてサンプル容器11を回転させる。
ステップS74において、制御器31は、減圧ポンプ17を制御して、サンプル容器11内の圧力を目標圧力Pxに維持する。
ステップS75において、制御器31は、サンプルタンク22内に蓄積されているサンプルをサンプル容器11内に導入する。サンプル容器11内がマイナスの圧力となっているので、三方弁25を切り替えることにより、サンプルタンク22内のサンプルを減圧吸引することができる。
ステップS76において、制御器31は、サンプル容器11内のサンプル量を検出する。具体的に制御器31は、サンプル容器11内のサンプル量が予め設定した下限値を下回ったか否か、及び、上限値を上回ったか否かを検出する。サンプル容器11内のサンプル量が下限値を下回った場合には、サンプル容器11内にサンプルを導入する。また、サンプル容器11内のサンプル量が上限値を上回った場合には、サンプルの導入を停止する。こうすることにより、サンプル容器11内に常時所定量のサンプルが存在することになる。
ステップS77において、制御器31は、サンプル容器11の圧力を目標圧力Pxに維持する。更に、制御器31は、昇降機構26を制御して恒温液槽12を上昇させ、サンプル容器11を恒温液槽12に挿入し、サンプル容器11を加温する。
ステップS78において、蒸気温度センサ28で検出される蒸気温度Taを取得し、該蒸気温度Taが、目標沸点Txよりも若干高い温度「Tx+p」となると、溶媒Zxの留去を開始する。サンプル容器11内のサンプルに含まれる溶媒Zxが蒸発し、サンプルに含まれる除去対象の溶媒Zxを除去することができる。
上述したように、溶媒Zxの沸点がバス温度Tbよりも20℃だけ低い温度となるように設定されているので、サンプルに含まれる溶媒Zxを突沸させることなく、且つ安定的に蒸発させて各凝縮器15、16に送出することができる。
即ち、サンプル容器11内に導入されたサンプルから、除去対象の溶媒Zxを除去することにより、サンプル容器11内のサンプルを濃縮することができる。また、この処理と並行して、八方弁23の切替処理が行われる。八方弁23の切替処理は、図5で説明した処理と同様である。
ステップS79において、制御器31は、バス温度センサ12aの検出データに基づき、バス温度Tbの温度の変動が、許容変動温度yの範囲内であるか否かを判定する。許容変動温度yの範囲内である場合には(S79;YES)、ステップS80に処理を進め、そうでなければ(S79;NO)、図6AのステップS67に処理を戻す。
即ち、バス温度Tbの変動が大きく、許容変動温度yの範囲を超えている場合には、ステップS61からの処理からの処理を繰り返して、バス温度Tbを再設定する。
一方、バス温度Tbの温度変動が許容変動温度yの範囲内である場合には、溶媒Zxは安定して蒸発しているものと判断し、ステップS80に処理を進める。
ステップS80において、制御器31は、蒸気温度センサ28で検出される蒸気温度Taが、溶媒Zxの目標沸点Txよりも若干低い温度「Tx−p」となると、溶媒Zxの留去を終了する。
ステップS81において、制御器31は、x=3であるか否かを判断する。x=3である場合には(S81;YES)、ステップS83に処理を進め、そうでなければ(S81;NO)、ステップS82に処理を進める。
ステップS82において、「x=x+1」とする。その後、図6Aに示すステップS61に処理を戻す。即ち、溶媒Z2、Z3を蒸発させる処理を行う。
ステップS83において、制御器31は、サンプルタンク22内のサンプル量がゼロであることを確認して、本処理を終了する。こうして、サンプル中に含まれる3種類の溶媒Z1、Z2、Z3を蒸発させて除去し、サンプルを濃縮することができるのである。
[第2実施形態の効果の説明]
このようにして、第2実施形態に係る濃縮装置では、前述した第1実施形態と同様に、サンプル内の溶媒を連続的に蒸発させてサンプルを濃縮することができる。また、蒸発した溶媒を連続的に回収することができる。
更に、サンプル内に含まれる複数の溶媒を連続的に蒸発させることができるので、大量のサンプルから複数の溶媒を回収してサンプルを濃縮する場合であっても、ユーザが濃縮装置に立ち会って監視する必要がなく、連続運転による濃縮が可能となる。
以上、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
11 サンプル容器
11a 液量検出センサ
12 恒温液槽
12a バス温度センサ
13 トラップ球
14 回転駆動部
15 第1凝縮器
15a 液量検出センサ
16 第2凝縮器
16a 液量検出センサ
17 減圧ポンプ
18 冷却器
18a チラー温度センサ
19 電磁弁
21 廃液タンク
22 サンプルタンク
22a 残量センサ
23 八方弁
23a スイッチ部
24、25 三方弁
26 昇降機構
27 螺旋配管
28 蒸気温度センサ
31 制御器
41a〜41i 配管
42a〜42c 配管
43a〜43c 配管
101 濃縮装置

Claims (6)

  1. サンプルに含まれる除去対象の溶媒を蒸発させて、前記サンプルを濃縮する濃縮装置であって、
    前記サンプルが導入されたサンプル容器を加温する加温器と、
    前記サンプル容器内で蒸発した溶媒を導入して凝縮する第1凝縮器及び第2凝縮器と、
    前記サンプル容器と、前記第1凝縮器及び第2凝縮器のいずれか一方を連通させる切替器と、
    前記第1凝縮器、及び第2凝縮器を冷却する冷却器と、
    前記サンプル容器内を減圧する減圧ポンプと、
    前記サンプルを蓄積するサンプルタンクと、
    前記切替器、前記加温器、前記冷却器、及び前記減圧ポンプの駆動を制御する制御器と、を備え、
    前記制御器は、前記切替器を操作して、前記サンプル容器内で蒸発した溶媒を前記第1凝縮器及び前記第2凝縮器の各凝縮器に交互に導入して凝縮させ、
    前記サンプル容器内のサンプルが所定の下限値を下回った際には、前記サンプルタンクから前記サンプル容器内へ前記サンプルを補充することにより、前記サンプルタンク内に蓄積されたサンプルを連続的に濃縮すること
    を特徴とする濃縮装置。
  2. 前記制御器は、前記減圧ポンプで前記サンプル容器内を減圧し、前記サンプルタンクに蓄積されているサンプルを減圧吸引により前記サンプル容器内に補充すること
    を特徴とする請求項1に記載の濃縮装置。
  3. 前記第1凝縮器で凝縮した溶媒、及び、前記第2凝縮器で凝縮した溶媒を回収する回収タンクと、
    前記第1凝縮器内の液量、及び前記第2凝縮器内の液量を検出する液量検出センサと、
    前記第1凝縮器及び第2凝縮器のいずれか一方を前記回収タンクに連通させるように切り替える回収弁と、を更に備え、
    前記制御器は、
    前記第1凝縮器及び第2凝縮器のうちの一方の凝縮器の液量が所定の上限値に達したときに、前記一方の凝縮器が前記回収タンクに連通するように前記回収弁を制御し、
    前記第1凝縮器及び第2凝縮器のうちの他方の凝縮器が前記サンプル容器に連通するように前記切替器を制御すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の濃縮装置。
  4. 前記加温器を昇降させて、前記サンプル容器の、前記加温器内への挿入、離脱を制御する昇降機構を更に備えたこと
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の濃縮装置。
  5. 前記サンプルタンク内のサンプルの残量を検出する残量センサ、を更に備え、
    前記制御器は、前記サンプルタンクのサンプルが枯渇した際には、運転を停止させること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の濃縮装置。
  6. サンプルに含まれる除去対象の溶媒を蒸発させて、前記サンプルを濃縮する濃縮装置の運転方法であって、
    前記サンプルが導入されたサンプル容器を加温して、前記溶媒を蒸発させるステップと、
    前記サンプル容器内で蒸発した溶媒を第1凝縮器及び第2凝縮器の各凝縮器に交互に導入するステップと、
    前記第1凝縮器及び第2凝縮器を冷却して、前記蒸発した溶媒を凝縮させるステップと、
    前記サンプル容器内のサンプルが所定の下限値を下回った際に、前記サンプルを蓄積するサンプルタンクから前記サンプル容器内へ前記サンプルを補充するステップと、
    を備えたことを特徴とする濃縮装置の運転方法。
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