JP6705333B2 - 熱回収システム - Google Patents

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本発明は、循環ラインを流通する高温熱媒体と冷却水の間で熱交換を行う熱回収システムに関する。
従来から、冷却対象の高温流体と冷却水の間で熱交換を行うことにより、高温流体を冷却するとともに冷却水を加熱する熱回収システムが知られている。この種の技術を開示するものとして例えば特許文献1や特許文献2がある。特許文献1には、蒸気利用機器からの高温のドレンを給水タンクへ回収しつつ、給油式空気圧縮機の圧縮熱を、給水タンクに送られるボイラ給水(冷却水)との熱交換により回収して、ボイラ給水の昇温ならびに圧縮機の潤滑油の冷却を図る技術が開示されている。特許文献2には、給油式空気圧縮機の圧縮熱を回収する熱回収システムとして、オイルクーラ(油冷却器)に送られる潤滑油(高温流体)と、給水タンクに送られるボイラ給水(冷却水)と、の間で熱交換を行う構成が開示されている。特許文献1,2の熱回収システムでは、圧縮機の稼働中に、圧縮機と熱交換器の間で潤滑油を循環させながら、潤滑油の冷却と熱回収を行っている。
特開2010−38383号公報 特開2012−87664号公報
ところで、給油式空気圧縮機における潤滑油の循環は、スクリュー式圧縮機構やスクロール式圧縮機構などの機械的なポンプ作用によるものであるため、圧縮機の稼動が停止されると、熱交換器では潤滑油(高温流体)の流通が止まってしまう。このとき、熱源である圧縮機の停止に併せて冷却水の供給を止めてしまうと、熱交換器内部に滞留する冷却水が熱交換器内部に残存する高温の潤滑油で過熱されることがある。
冷却水は、通常、水道水や工業用水を用いるため、塩化物イオンや硫酸イオンなどの陰イオンや、残留塩素などの酸化性物質が、腐食性物質として含まれていることが多い。ボイラ給水を冷却水とする場合も同様の水質傾向である。そのため、耐食性を考慮した金属材料、例えば、ステンレス材などが熱交換器に使用されているものの、腐食性物質は高温になるほど金属材料の腐食を促進するので、熱交換器の耐用年数が不安定になりやすい。更に、熱交換器内に滞留している冷却水が過熱され続けると、伝熱面の表面などで局所的な沸騰が起こることもある。そうすると、腐食性物質が濃縮されることになり、金属材料の腐食がより進行してしまうことになる。高耐食性の金属材料としてチタン材を使用した熱交換器を用いることも考えられるが、チタン材自体は高価であり、熱回収のメリットが出にくい現場では、設備費用の償却に時間が掛かってしまうので適用が難しかった。
本発明は、高温流体によって熱交換器内部に滞留する冷却水が過熱され、熱交換器の内部が腐食される事態を効果的に防止できる熱回収システムを提供することを目的とする。
本発明は、高温流体と腐食性物質を含む冷却水との間で熱交換を行って冷却水を加熱する熱交換器と、高温流体の流通及び冷却水の流通を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、高温流体の流通が停止した後も、前記熱交換器を通過した冷却水の温度が前記熱交換器の高温腐食を抑制可能な所定温度を下回るまで冷却水の流通を継続する熱回収システムに関する。
冷却水は、例えば、腐食性物質として塩化物イオン及び/又は硫酸イオンを含む淡水である。また、冷却水は、例えば、腐食性物質として残留塩素を含む淡水である。
前記熱交換器の高温腐食を抑制可能な所定温度は、50℃以下の温度であることが好ましい。
前記制御部は、高温流体の流通が停止すると、設定時間を経過するまで冷却水の流通を継続することが好ましい。
前記熱回収システムは、前記熱交換器から流出する冷却水の温度を検出する温度検出部を更に備え、前記制御部は、高温流体の流通が停止すると、前記温度検出部の検出温度を監視し、所定温度を下回るまで冷却水の流通を継続することが好ましい。
本発明によれば、高温流体によって熱交換器内部に滞留する冷却水が過熱され、熱交換器の内部が腐食される事態を効果的に防止できる熱回収システムを提供できる。
本発明の第1実施形態に係る熱回収システムの構成を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係る熱回収システムの構成を模式的に示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る熱回収システム1の構成を模式的に示す図である。第1実施形態の熱回収システム1は、圧縮機ユニット10と、熱回収ユニット20と、冷却水給水ポンプ21と、制御部90と、を主要な構成として備える。熱回収システム1は、圧縮機ユニット10で生じる圧縮熱を熱回収ユニット20で回収することにより蒸気ボイラ4への給水W1(冷却水)を加熱する。
また、熱回収システム1は、給水タンク5への給水制御や圧縮空気A1の供給又は停止等、各種の制御を行う制御部90を備える。制御部90は、各構成と電気的に接続されるコンピュータである。次に、各構成について説明する。
〔圧縮機ユニット10〕
圧縮機ユニット10は、外気を吸入・断熱圧縮して圧縮空気A1を生成するためのユニットである。図1に示すように、圧縮機ユニット10は、圧縮機11と、蒸気エンジン12と、蒸気容量制御弁13と、逆止弁14と、オイルセパレータ15と、を主要な構成要素として備える。これらの構成要素は、一つの筐体内に収められ、パッケージ化されている。
圧縮機ユニット10の構成要素について説明する。
圧縮機11は、空気圧縮機構としてスクリュー機構(図示省略)を有し、圧縮空気A1の生成過程で潤滑油H1をスクリュー機構内に導入することにより、空気圧縮機構の冷却、即ち圧縮熱の除去を行う給油式(油冷却式、油潤滑式とも呼ばれる)である。なお、空気圧縮機構は、スクロール機構、ロータリー機構等種々の機構を採用できる。
蒸気エンジン12は、圧縮機11を駆動する駆動源である。蒸気エンジン12には、蒸気を供給する給蒸ラインL1と蒸気を排出する排蒸ラインL2が接続される。また、本実施形態では、軸漏れ蒸気を排出するための軸漏れ蒸気ラインL6が更に接続される。
蒸気容量制御弁13は、給蒸ラインL1に配置される。蒸気容量制御弁13の開閉及び開度の変更により、蒸気エンジン12の駆動、停止、出力が調節される。また、逆止弁14は、排蒸ラインL2に配置される。なお、圧縮機11の駆動源は、蒸気駆動式に限らず、電気駆動式のモータ等種々の駆動源を採用できる。
オイルセパレータ15は、圧縮機11から吐出された圧縮空気A1に含まれる潤滑油H1の分離器である。
圧縮機11には、圧縮空気A1を送出するための送気ラインL3が接続されている。送気ラインL3には、上流から順にオイルセパレータ15、及びエアクーラ22(アフタークーラとも呼ばれる)が配置される。圧縮機11から吐出された圧縮空気A1は、送気ラインL3を通じてオイルセパレータ15で潤滑油H1が分離された後、後述する熱回収ユニット20のエアクーラ22へ送られる。送気ラインL3におけるエアクーラ22の下流側には、エアドライヤ(図示省略)が配置されている。圧縮空気A1は、このエアドライヤによって水分が除去された後、圧縮空気利用機器(図示省略)へ送られる。
オイルセパレータ15には、分離・回収された潤滑油H1を圧縮機11に再導入するための循環ラインL4が接続されている。循環ラインL4には、上流から順にオイルクーラ23、及び三方弁16が配置される。三方弁16の残りポートには、オイルクーラ23をバイパスさせて潤滑油H1を流通させるバイパスラインL5が接続されている。
〔熱回収ユニット20〕
図1に示すように、給水ラインL10には、上流側から順に、エアクーラ22、オイルクーラ23、ドレン熱交換器24、電動弁25、及び温度センサ26が熱回収ユニット20の構成要素として配置される。本実施形態の熱回収ユニット20は、これらの構成要素を一つの筐体内に収めてパッケージ化されている。これによって既設の圧縮機ユニット10に対しても後付けが可能である。具体的には、オイルセパレータ15から延びる送気ラインL3は、エアクーラ22に至る途中で圧縮機ユニット10の外部に引き出され、熱回収ユニット20の内部で適宜の位置に配設されたのちに、再び圧縮機ユニット10の内部に戻されている。一方、オイルセパレータ15から延びる循環ラインL4は、オイルクーラ23に至る途中で圧縮機ユニット10の外部に引き出され、熱回収ユニット20の内部で適宜の位置に配設されたのちに、再び圧縮機ユニット10の内部に戻されている。
エアクーラ22は、圧縮空気A1(高温流体)と給水W1(冷却水)の間で熱交換を行う熱交換器である。エアクーラ22では、給水W1が加熱されるとともに圧縮空気A1が冷却される。
オイルクーラ23は、潤滑油H1(高温流体)と給水W1(冷却水)の間で熱交換を行う熱交換器である。オイルクーラ23では、エアクーラ22で加熱された給水W1が加熱されるとともに潤滑油H1が冷却される。
ドレン熱交換器24は、軸封漏れ蒸気(高温流体)と給水W1(冷却水)の間で熱交換を行う熱交換器である。ドレン熱交換器24では、オイルクーラ23で加熱された給水W1が加熱されるとともに、軸封漏れ蒸気が冷却されて低温の凝縮水となる。なお、軸封漏れ蒸気は、高温の蒸気凝縮水(ドレン)を含むことがある。
本実施形態では、エアクーラ22、オイルクーラ23及びドレン熱交換器24が直列接続されており、これらの熱交換器によって給水W1が複数回加熱されることになる。即ち、熱回収ユニット20は、高温流体である圧縮空気A1、潤滑油H1及び軸封漏れ蒸気から熱回収を行って給水ラインL10を流れる給水W1(冷却水)を加熱する。
電動弁25は、開度を変更可能な比例制御弁である。本実施形態の電動弁25は、複数配置される熱交換器のうち、最も下流側に位置するドレン熱交換器24の更に下流側に配置されている。
温度センサ26は、電動弁25の下流側で給水W1の温度を検出する。エアクーラ22、オイルクーラ23及びドレン熱交換器24で順次加熱された給水W1の温度が温度センサ26によって検出される。
〔冷却水給水ポンプ21〕
冷却水給水ポンプ21は、給水ラインL10を通じて供給源(図示省略)から送られてきた給水W1(冷却水)に対して圧力を付与する。本実施形態の冷却水給水ポンプ21は、制御部90によって定圧運転されている。
本実施形態の供給源から供給される給水W1は、水道水や工業用水等、腐食性物質を含有する淡水である。給水W1に含有される腐食性物資としては、塩化物イオン、硫酸イオン、残留塩素などが挙げられる。これらの腐食性物質は、単独で、或いは並存して含有され得る。なお、ボイラ給水用途の給水W1の場合、熱回収ユニット20の上流側で硬水軟化装置により硬度成分(カルシウムイオン及びマグネシウムイオン)が除去されるが、給水W1には腐食性物質がそのまま残留する。
〔蒸気ボイラ4及び付帯設備〕
給水ラインL10を通じて送られる給水W1は、給水タンク5に貯留された後、蒸気ボイラ4に送られる。本実施形態の給水タンク5には、給水ラインL10の他に補給水ラインL11が接続されており、補給水ラインL11からも補給水が供給される。また、所定以上の水を外部に排出するためのオーバーフローラインL12が接続される。
本実施形態では、補給水ラインL11には補給水弁51が配置されており、補給水弁51の開閉により給水タンク5への補給水の供給、停止が切り替えられる。給水タンク5には水位検出器52が配置されており、水位検出器52の検出信号に基づき補給水弁51を制御することにより、給水タンク5の水位が適切な範囲に維持される。
給水タンク5に貯留された水は、ボイラ給水ラインL15を通じて蒸気ボイラ4に送られる。ボイラ給水ラインL15には、給水ポンプ55及び逆止弁56が配置される。給水タンク5に貯留されている給水W1は、給水ポンプ55の駆動により蒸気ボイラ4に送られる。蒸気ボイラ4では、ボイラ給水ラインL15を通じて送られた給水W1を加熱して蒸気を発生させる。発生した蒸気は、蒸気使用設備(図示省略)に供給される。
〔制御部90による運転制御の例〕
制御部90は、蒸気ボイラ4の運転中に圧縮機ユニット10及び熱回収ユニット20の起動信号を受信すると、冷却水給水ポンプ21を駆動する。次に、熱回収ユニット20の電動弁25を開状態にして給水W1を流通させる。温度センサ26の検出温度が目標温度になるように、電動弁25の弁開度を調節する。弁開度の調節によってエアクーラ22、オイルクーラ23及びドレン熱交換器24に送る給水流量が調節される。
本実施形態では、エアクーラ22、オイルクーラ23及びドレン熱交換器24の下流側に配置される電動弁25によって給水ラインL10の流路が絞られることにより、電動弁25の上流側に位置するエアクーラ22、オイルクーラ23及びドレン熱交換器24の内部を流れる給水W1に圧力が付与される。エアクーラ22、オイルクーラ23及びドレン熱交換器24内部を流れる給水W1の圧力が上昇することにより、溶存酸素等の溶存気体が遊離しにくい状況を生み出し、腐食原因となる気泡の滞留を防止する圧力付与部として機能する。なお、気泡の滞留は、水流の停滞を招く原因になりやすく、水流の停滞は、腐食性物質による金属の腐食を引き起こす原因になりやすい。そのため、本実施形態では、気泡の滞留が起こらないように操作している。
制御部90は、給水W1を流通させるとともに、圧縮機ユニット10の蒸気容量制御弁13を開状態に制御して蒸気エンジン12を駆動する。制御部90は、圧縮機ユニット10及び熱回収ユニット20の運転中、圧縮空気の使用量に応じて圧縮機11のロード/アンロード制御を行う。圧縮空気の使用量は、例えば、圧縮空気を貯留するレシーバータンク(図示省略)内の圧力を基準に判断することができる。
圧縮機11が作動することにより、潤滑油H1が循環ラインL4を循環する。より具体的には、圧縮機11によって吐出される圧縮空気A1がオイルセパレータ15に送られ、該オイルセパレータ15で圧縮空気A1から潤滑油H1が分離される。オイルセパレータ15で分離された潤滑油H1は、循環ラインL4を通じてオイルクーラ23に送られ、給水W1と熱交換を行った後、圧縮機11に戻される。本実施形態では、低温の潤滑油H1がバイパスラインL5を通じてオイルクーラ23を通らずに圧縮機11に戻る場合もあるが、何れの経路を通る場合でも、オイルセパレータ15で分離された潤滑油H1は圧縮機11に戻ることになる。このように、圧縮機11の作動中は、潤滑油H1は循環ラインL4を通じて循環する。
〔制御部90による停止制御の例〕
制御部90は、圧縮機ユニット10及び熱回収ユニット20の停止信号を受信すると、圧縮機ユニット10の蒸気容量制御弁13を閉状態にして蒸気エンジン12の駆動を停止する。これに伴って潤滑油H1の循環も停止する。
制御部90は、圧縮機ユニット10が停止すると、電動弁25の開状態を維持した状態で温度センサ26の検出温度を監視する腐食防止制御を開始する。腐食防止制御では、圧縮機ユニット10の停止信号を受信する前の電動弁25の弁開度が保持されるとともに、温度センサ26の検出温度を監視する。
腐食防止制御では、制御部90は、監視中の給水W1の温度が所定温度を下回るまで給水W1の流通を継続する。所定温度は、熱回収用の各熱交換器22,23,24の高温腐食防止の観点から設定される温度である。本実施形態の制御部90は、各熱交換器22,23,24を通った後の給水W1の温度が所定温度以下になれば、高温流体である圧縮空気A1、潤滑油H1及び軸封漏れ蒸気の温度が十分に低下して、各熱交換器22,23,24の内部で給水W1が過熱されない状態になっていると判断する。
所定温度は、給水過熱が引き起こす熱交換器の高温腐食(高温状態における腐食性物質の腐食促進作用)を抑制可能な温度として設定される。この所定温度は、給水中の腐食性物質の種類や濃度(平均値や実測値)、熱交換器の構造(プレート式、シェル&チューブ式等)、熱交換器の材質などの熱交換器の使用条件を反映した予備的な腐食実験データに基づいて決定するのが好ましい。例えば、熱交換器が応力腐食割れ耐性に優れる材料で形成されている場合には、所定温度を90℃以下に設定するのが好ましく、交換器が応力腐食割れ耐性に乏しい材料で形成されている場合には、50℃以下に設定するのが好ましい。本実施形態では、所定温度として50℃以下の温度が設定されている。
なお、所定温度は、固定値とすることもできるし、圧縮機11の停止ごとに変わる変動値とすることもできる。所定温度を変動値とする場合、次のように設定するとよい。
〔例1〕圧縮機11の停止時点の潤滑油H1の温度(例えば、オイルセパレータ15で分離後の油温)を基点温度として、この基点温度から一定値を減じた温度を所定温度とする。例えば、圧縮機11の停止時点の油温が80〜90℃の範囲にあったとすると、この温度から40℃低い40〜50℃の範囲で所定温度を設定する。
〔例2〕圧縮機11の停止時点の未加温の給水W1の温度(例えば、エアクーラ22に流入前の水温)を基点温度として、この基点温度から一定値を加えた温度を所定温度とする。例えば、圧縮機11の停止時点の水温が15〜35℃の範囲にあったとすると、この温度よりも15℃高い30〜50℃の範囲で所定温度を設定する。
制御部90は、監視中の給水W1の温度が所定温度まで低下すると電動弁25を閉状態にし、給水W1の流通を停止する。給水W1の温度が所定温度(50℃以下の温度)に下がるまで、冷却水の流通が継続されることにより、各熱交換器22,23,24の内部に残存する高温流体(圧縮空気A1、潤滑油H1及び軸封漏れ蒸気)も冷却される。本実施形態では、圧縮機ユニット10の動作時の電動弁25の弁開度が保持されることにより、給水W1が運転時と同様に連続的に送り込まれるので、高温流体を効果的に冷却することができる。従って、各熱交換器22,23,24の内部に留まる冷却水が高温流体によって過熱され、高温腐食が発生しやすい状況になる事態を確実に防止できる。
腐食防止制御中も流通し続ける給水W1は、給水タンク5に貯留された後、蒸気ボイラ4に送られる。蒸気ボイラ4の運転中は給水W1が使用され、蒸気ボイラ4の負荷が大きくなって水の使用量が大きくなり、下限設定値(給水開始水位)を検出すると、補給水弁51を開いて給水タンク5への給水を行う。
以上説明した第1実施形態の熱回収システム1によれば、以下のような効果を奏する。
即ち、第1実施形態の熱回収システム1は、高温流体(圧縮空気A1、潤滑油H1及び軸封漏れ蒸気)と腐食性物質を含む冷却水(給水W1)の間で熱交換を行って冷却水を加熱する熱交換器22,23,24と、高温流体の流通及び冷却水の流通を制御する制御部90と、を備え、制御部90は、高温流体の流通が停止した後も、熱交換器22,23,24を通過した冷却水の温度が熱交換器22,23,24の高温腐食を抑制可能な所定温度を下回るまで給水W1の流通を継続する。
これにより、圧縮機11の停止後も継続して流通する冷却水によって高温流体が充分に冷却されるので、熱交換器22,23,24の内部の過熱による高温腐食を確実に防止できる。
本実施形態の冷却水(給水W1)は、腐食性物質として塩化物イオン及び/又は硫酸イオンを含む淡水であるか、腐食性物質として残留塩素を含む淡水である。
これにより、腐食性物質を含む冷却水を使用する場合であっても、所定温度に低下するまで冷却水の流通を継続することによって熱交換器22,23,24の高温腐食を防止できる。
本実施形態では、熱交換器22,23,24の高温腐食を抑制可能な所定温度が50℃以下に設定される。
これにより、熱交換器22,23,24の高温腐食が確実に抑制される温度まで高温流体を十分に冷却した状態で、冷却水を停止させることができる。
本実施形態の熱回収システム1は、熱交換器22,23,24から流出する冷却水(給水W1)の温度を検出する温度センサ26を更に備え、制御部90は、高温流体の流通が停止すると、温度センサ26の検出温度を監視し、所定温度を下回るまで冷却水の流通を継続する。
これにより、温度センサ26の検出温度に基づいて冷却水が十分に冷却されたか否かを判定することができるので、熱交換器22,23,24は、熱的に保護された状態で常に停止されることになる。その結果、熱交換器22,23,24の破損が防止され、長期間に亘って使用することができる。
以上、第1実施形態の熱回収システム1による腐食防止制御を説明したが、冷却水としての給水W1を所定温度まで下げる方法としては、温度センサ26の検出温度に基づいて判断する以外の方法を採用することができる。次に、温度センサ26の検出温度に基づいて判断する以外の方法で高温流体の流通停止後に給水W1が所定温度まで下がったか否かを判断する第1実施形態の変形例について説明する。
変形例の制御部90は、高温流体(圧縮空気A1、潤滑油H1及び軸封漏れ蒸気)の流通停止後に給水W1が所定温度以下になったことを判断する基準として予め設定される設定時間を用いる。即ち、制御部90は、高温流体の流通が停止すると、設定時間を経過するまで給水W1の流通を継続する。
この構成によっても、高温流体が十分に冷却されたか否かを判定することができるので、熱交換器22,23,24は、熱的に保護された状態で常に停止されることになる。また、判定基準が時間となるので腐食防止を実現するための制御をシンプルに構成することができる。
設定時間は、高温流体の温度を所定温度以下まで冷却できる十分な時間である。設定時間は、実験データに基づいて設定される時間であってもよいし、圧縮機ユニット10の運転履歴データ(例えば、第1実施形態における圧縮機11の停止から給水停止までに要した時間の最大値など)に基づいて設定されるものであってもよい。高温腐食のリスクを確実に低減するという観点では、給水W1の温度を低下させておく方が良いため、設定時間は長めに設定されることが好ましい。なお、設定時間を長く設定する場合、温度センサ26の検出温度の低下に連動して、段階的に電動弁25の弁開度を絞るようにしてもよい。
上述した第1実施形態では、給油式圧縮機に適用される熱回収システムを例として説明したが、オイルフリー式圧縮機に適用される熱回収システムにおいても本発明を適用することができる。例えば、本出願人による特願2014−212163号に記載した熱回収システムにおいて、熱回収用熱交換器に対する圧縮空気(高温流体)の流通をバイパスさせた後、熱回収用熱交換器を通過した冷却水の温度が熱回収用熱交換器の高温腐食を抑制可能な所定温度を下回るまで冷却水の流通を継続させることができる。一般的にオイルフリー式圧縮機で製造される圧縮空気は、給油式圧縮機で製造される圧縮空気に比べて高温であるために熱交換器の高温腐食をより誘発しやすいが、本発明の腐食抑制制御を採用することにより、効果的に熱交換器の高温腐食を抑制することが可能になる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。上記実施形態では、圧縮機に適用される熱回収システムを例として説明してきたが、上記実施形態の構成に限定されず、本発明は他の用途にも適用することができる。
<第2実施形態>
次に、蒸気ボイラ4の給水W1を加熱するシステムに本発明を適用した第2実施形態の熱回収システム301について説明する。図2は、本発明の第2実施形態に係る熱回収システム301の構成を模式的に示す図である。
図2に示すように、第2実施形態の熱回収システム301は、ボイラに給水される給水W1を蒸気圧縮式のヒートポンプ302で加熱する給水加熱システムである。熱回収システム1は、ヒートポンプ302と、軟水器313と、廃熱回収器330と、制御部390と、を備える。
第2実施形態のヒートポンプ302は、冷媒圧縮機310と、凝縮器303と、過冷却器304と、膨張弁305と、蒸発器306と、を備える。圧縮機310、凝縮器303、膨張弁305、及び蒸発器306は、冷媒循環ラインL310によって順次環状に接続されている。
冷媒圧縮機310は、駆動源としてのモータ311を有しており、フロンガス等のガス状の冷媒を圧縮して高温高圧の冷媒(高温流体)H2にする。凝縮器303は、冷媒圧縮機310からの冷媒H2を凝縮液化する。過冷却器304は、凝縮器303から膨張弁305に送られる冷媒H2と、凝縮器303に送られる冷却水としての給水W1との間で熱交換を行って給水W1を加熱するとともに冷媒H2を冷却する。膨張弁305は、凝縮器303から過冷却器304を通じて送られた冷媒H2の圧力と温度とを低下させる。蒸発器306は、熱源水ラインL301を通じて送られてくる熱源水W3を熱源として膨張弁305から送られる冷媒H2を蒸発させる。
軟水器313は、補給水ラインL300を通じて蒸気ボイラ4の給水タンク5に送る給水W1を製造する。軟水器313には、図示しない原水ラインが接続され、補給水ラインL300には、給水弁315、廃熱回収器330、過冷却器304、凝縮器(熱交換器)303、及び給水温度センサ324が順次配置される。給水弁315は、制御部390に電気的に接続されており、制御部390によって給水制御される。
以上説明したように、第2実施形態の熱回収システム1は、蒸発器306では冷媒H2が外部の熱源水W3から熱を回収し、凝縮器303では冷媒H2の熱によって給水W1を加熱する。そして、第2実施形態では、制御部390は、ヒートポンプ302の停止信号を受信すると冷媒圧縮機310による冷媒H2の圧縮を停止し、冷媒H2の循環を停止するとともに、高温流体である冷媒H2の循環(流通)が停止してからも給水W1が継続して凝縮器303に流れるように腐食防止制御を行う。この構成においても、熱交換器としての凝縮器303の内部に残存する冷媒H2によって給水W1が過熱され、高温腐食のリスクが高まる事態を防止することができる。第2実施形態では、給水温度センサ324の検出温度が所定温度を下回るまで継続して給水W1を凝縮器303に流通させる。
なお、第2実施形態では、給水温度センサ324の検出温度に基づいて腐食防止制御を行っているが、第1実施形態の変形例と同様に、設定時間に基づいて腐食防止制御を行う構成としてもよい。
上記実施形態では、電動弁25を利用して給水量を調節しているが、インバータによる周波数制御によって給水ポンプの回転数を変更して給水W1の送出量を調節する構成としてもよい。
このように、本発明は、空気圧縮機やヒートポンプ等、高温流体を熱交換器に流通させる種々の熱回収システムに適用することができる。
1 熱回収システム
22 エアクーラ(熱交換器)
23 オイルクーラ(熱交換器)
24 ドレン熱交換器(熱交換器)
26 温度センサ(温度検出部)
90 制御部
301 熱回収システム
303 凝縮器(熱交換器)
390 制御部
H1 潤滑油(高温熱媒体)
H2 熱媒体(高温熱媒体)
L4 循環ライン(循環ライン)
L310 ヒートポンプ循環ライン(循環ライン)
W1 給水(冷却水)

Claims (6)

  1. 高温流体と腐食性物質を含む冷却水との間で熱交換を行って冷却水を加熱する熱交換器と、
    高温流体の流通及び冷却水の流通を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    高温流体の流通が停止した後も、前記熱交換器を通過した冷却水の温度が前記熱交換器の高温腐食を抑制可能な所定温度を下回るまで冷却水の流通を継続する熱回収システム。
  2. 冷却水は、腐食性物質として塩化物イオン及び/又は硫酸イオンを含む淡水である請求項1に記載の熱回収システム。
  3. 冷却水は、腐食性物質として残留塩素を含む淡水である請求項1に記載の熱回収システム。
  4. 前記熱交換器の高温腐食を抑制可能な所定温度は、50℃以下の温度である請求項1〜3のいずれかに記載の熱回収システム。
  5. 前記制御部は、
    高温流体の流通が停止すると、設定時間を経過するまで冷却水の流通を継続する請求項1〜4のいずれかに記載の熱回収システム。
  6. 前記熱交換器から流出する冷却水の温度を検出する温度検出部を更に備え、
    前記制御部は、
    高温流体の流通が停止すると、前記温度検出部の検出温度を監視し、所定温度を下回るまで冷却水の流通を継続する請求項1〜4のいずれかに記載の熱回収システム。
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