以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。なお、本明細書において、上下方向は、重力方向における上方向及び下方向に対応する。また、水平方向は、モジュール又は搬送装置の設置面に沿った方向であって、かつ上下方向に直交する方向に対応する。
[第1実施形態]
図1は、複数種類のモジュールから構成される搬送装置(例えば物品搬送用のコンベヤ装置)の構築に用いられる選択システム100を示している。当該選択システム100は、ユーザによる操作を受け付け、搬送装置を構成する複数種類のモジュールに対して共通して選択される共通物品と、共通物品に対応する複数種類のモジュールの中から選択される少なくとも一つのモジュールとを選択するために利用される。また、選択システム100は、サーバ装置の一例であるサーバ20を備えている。そして、選択システム100は、選択サーバとしてのサーバ20を備えたネットワークシステム、又はクライアントサーバシステムとして構成されている。サーバ20は、例えば複数のコンピュータとしてのサーバユニット21が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニット21によりサーバ20が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にサーバ20が構成されてもよい。
サーバ20は、クライアント端末40に対して、又はクライアント端末40のユーザに対して、物品の見積サービスを含む各種サービスを提供する。これらのサービスは、ネットワーク50を介してクライアント端末40に対して、サービスを利用するためのプログラム又はデータを配信する配信サービスと、クライアント端末40から受信したデータを保管する保管サービスとを含んでいる。配信サービスは、例えば、サーバ20がアップデート用のデータを配信するサービスである。
また、サーバ20は、ユーザが物品の価格を見積もるために必要な各種の手順を、クライアント端末40を介してユーザに案内する。すなわち、サーバ20は、クライアント端末40からのアクセスに応じて各種のウェブページをクライアント端末40の表示装置45に表示させるウェブサーバとして機能する。また、サーバ20は、ユーザによる注文又は発注に対応して、モジュールの手配、配送指示、及び購入代金の請求といった処理を実行してもよい。
ユーザのクライアント端末40は、ネットワーク接続が可能であるコンピュータ装置である。例えば、クライアント端末40は、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ41、及び携帯型タブレット端末装置42等を含む。その他に、携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置が、クライアント端末40に含まれる。クライアント端末40は、各種のコンピュータソフトウェアを実装することにより、サーバ20が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。また、クライアント端末40は、サーバ20に所定のネットワーク50を介して接続可能である。以下では、クライアント端末40がパーソナルコンピュータ41である場合について説明する。
ネットワーク50は、サーバ20に対してクライアント端末40をそれぞれ接続できるように構成されている。一例として、ネットワーク50は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成されている。具体的には、LAN(Local Area Network)52が、サーバ20とインターネット51とを接続している。そして、WAN(Wide Area Network)としてのインターネット51と、LAN52とが、ルータ53を介して接続されている。クライアント端末40も、インターネット51に接続されるように構成されている。サーバ20のサーバユニット21は、LAN52に代えて又は加えてインターネット51により、相互に接続されていてもよい。
[搬送装置]
図2から図10を参照して、搬送装置10について説明する。なお、図2は、搬送装置10を斜め上方から見た状態を示しており、説明の便宜上、複数のモジュールの一部に対しては参照符号を付していない。また、図3から図10は、搬送装置10を構成する各モジュールを斜め上方から見た状態を示している。具体的に、図3はパレットベース11を示しており、図4はフリーフローコンベヤ12を示しており、図5はリフタモジュール13を示している。また、図6はシフタモジュール14を示しており、図7は回転モジュール15を示している。また、図8はストッパモジュール16を示しており、図9は位置決めモジュール17を示しており、図10はセンサモジュール18を示している。
図2に示すように、搬送装置10は、共通物品の一例であるパレットベース11と、共通物品に対応する複数種類のモジュールの一例である駆動モジュールとを有している。駆動モジュールは、直接的又は間接的にパレットベース11を変位させる。一例として、駆動モジュールは、リフタモジュール13、シフタモジュール14、及び回転モジュール15を含んでいる。また、搬送装置10は、他のモジュールとして、フリーフローコンベヤ12、ストッパモジュール16、位置決めモジュール17、及びセンサモジュール18を有している。パレットベース11には、不図示の搬送物が載置され、搬送装置10によって搬送物ともにパレットベース11が搬送される。また、フリーフローコンベヤ12には、パレットベース11が載置され、パレットベース11をフリーフローコンベヤ12の延在方向である搬送方向に搬送する。また、リフタモジュール13は、パレットベース11が載置されるミニコンベヤ19を有しており、ミニコンベヤ19上のパレットベース11を上下方向に変位させる。
シフタモジュール14は、ミニコンベヤ19を有しており、ミニコンベヤ19上のパレットベース11を水平方向に変位させる。また、回転モジュール15は、ミニコンベヤ19を有しており、ミニコンベヤ19上のパレットベース11を上下方向に延在する軸を中心に回転させる。ストッパモジュール16は、フリーフローコンベヤ12に取り付けられており、搬送されてきたパレットベース11の移動を規制する。また、位置決めモジュール17は、フリーフローコンベヤ12に取り付けられており、パレットベース11の位置決めを行う。また、センサモジュール18は、フリーフローコンベヤ12に取り付けられており、パレットベース11又はパレットベース11上の搬送物を検出する。なお、ミニコンベヤ19は、リフタモジュール13、シフタモジュール14、及び回転モジュール15に対して共通して適用できる。
搬送ラインを構成する搬送装置10は、各モジュールを組み合わせることによって、ユーザが任意に構築できるという設計思想に従って設計される。これにより、ユーザ間における、使用目的の相違、又は平行移動、上下移動、及び回転等の搬送動作の相違に対して、共通のモジュールによって対処できる。そのため、ユーザは、より簡単に正しいモジュールを選択して、搬送装置10の設計及び設置を行うことができる。すなわち、搬送ラインの設計の自由度を高めるとともに、設計に要する時間を短縮できる。さらに、個々のモジュールの見積りを別途合算する必要がないため、容易且つ短時間で搬送装置10の見積りを行うことができる。
一例として、複数のフリーフローコンベヤ12は、上下方向又は左右方向に並ぶように配置できる。また、複数のフリーフローコンベヤ12は、搬送方向に接続されるように配置できる。さらに、複数のフリーフローコンベヤ12とリフタモジュール13とを組み合わせることによって、上下方向に並ぶ複数のフリーフローコンベヤ12間で搬送物を移動させることができる。また、複数のフリーフローコンベヤ12とシフタモジュール14とを組み合わせることによって、水平方向に並ぶ複数のフリーフローコンベヤ12間で搬送物を移動させることができる。加えて、複数のフリーフローコンベヤ12と回転モジュール15とを組み合わせることによって、互いに交差する方向に並ぶ複数のフリーフローコンベヤ12間で搬送物を移動させることができる。
図3に示すように、パレットベース11は、略矩形状の形状を有している。また、図3に示す天板標準タイプのパレットベース11の天板111には穴開け加工が施されており、複数の穴112が形成されている。また、搬送方向と交差する一対の辺のそれぞれには凹部113が形成されている。なお、パレットベース11には、天板111の中央に略矩形状の開口が形成された中空タイプと、天板111に穴開け加工が施されていない穴無しタイプとがある。また、パレットベース11には、一辺の長さが150mmであるタイプと、一辺の長さが200mmであるタイプとがある。さらに、パレットベース11には、裏側に底板が追加されていない底板標準タイプと、裏側に底板が追加されてる底板追加タイプとがある。なお、図3のパレットベース11は、底板標準タイプである。
図4に示すように、フリーフローコンベヤ12は、パレットベース11を搬送する回転帯である一対のチェーン126と、一対のチェーン126を駆動するモータ127とを有している。各チェーン126は、一対のチェーン126が回転することによりパレットベース11が搬送方向Aに沿って搬送される。さらに、一対のチェーン126の内側には、内側コンベヤガイド128が取り付けられている。フリーフローコンベヤ12には、搬送方向Aで見た状態において、モータ127が右側に取り付けられているモータ右側タイプと、モータ127が左側に取り付けられているモータ左側タイプとがある。さらに、フリーフローコンベヤ12には、搬送方向Aで見た状態において、内側コンベヤガイド128が右側に取り付けられているガイド右側タイプと、内側コンベヤガイド128が左側に取り付けられているガイド左側タイプとがある。なお、図4のフリーフローコンベヤ12は、モータ右側タイプであり、ガイド左側タイプである。
また、フリーフローコンベヤ12には、搬送方向Aで見た状態において、モータ127が手前側を向くように取り付けられてる内向きタイプと、モータ127が下側を向くように取り付けられてる下向きタイプと、モータ127が奥側を向くように取り付けられてる外向きタイプと、モータ127が上側を向くように取り付けられてる上向きタイプとがある。なお、図4のフリーフローコンベヤ12は、モータ内向きタイプである。一例として、フリーフローコンベヤ12の全長は、内側コンベヤガイド128を基準として380mmから5300mmの間で選択できる。代替的に、フリーフローコンベヤ12は、チェーン126に代えてエンドレスベルトを有していてもよい。
図5に示すように、リフタモジュール13は、リフタ本体131と、リフタ本体131から上下方向に延在するシリンダ132と、シリンダ132に沿って上昇又は下降されるミニコンベヤ19とを有している。また、リフタモジュール13は、ケーブルを収容するケーブルキャリア133を有している。リフタモジュール13には、シリンダ132が上方に向かって突出する上向きタイプと、シリンダ132が下方に向かって突出する下向きタイプとがある。なお、図5のリフタモジュール13は、上向きタイプである。
また、リフタモジュール13には、ミニコンベヤ19側から見た状態において、リフタ本体131が右側にありかつケーブルキャリア133が奥側にある第1タイプと、リフタ本体131が奥側にありかつケーブルキャリア133が右側にある第2タイプと、リフタ本体131が奥側にありかつケーブルキャリア133が左側にある第3タイプと、リフタ本体131が左側にありかつケーブルキャリア133が奥側にある第4タイプとがある。なお、図5のリフタモジュール13は、第2タイプである。一例として、リフタモジュール13の上昇又は下降のストロークは、160mmから600mmの間で選択できる。
ミニコンベヤ19は、パレットベース11を搬送する回転帯である一対のベルト191と、一対のベルト191を駆動するモータ192とを有している。さらに、一対のベルト191の内側には、内側ガイド193が取り付けられている。また、ミニコンベヤ19は、180度回転可能に取り付けられる。ミニコンベヤ19には、モータ192側から見た状態において、内側ガイド193が右側に取り付けられているガイド右側タイプと、内側ガイド193が左側に取り付けられているガイド左側タイプとがある。なお、図5のミニコンベヤ19は、ガイド左側タイプである。さらに、ミニコンベヤ19は、モータ192側から見た状態において奥側又は手前側にストッパを取り付けることができる。ストッパの取付タイプには、固定ストッパが取り付けられる固定ストッパタイプと、ストッパシリンダが取り付けられるストッパシリンダタイプと、アンチバックユニットが取り付けられるアンチバックユニットタイプと、ストッパを取り付けないタイプとがある。なお、ミニコンベヤ19は、ベルト191に代えてチェーンを有していてもよい。
図6に示すように、シフタモジュール14は、シフタ本体141と、シフタ本体141から水平方向に延在する延在部分142と、延在部分142に沿って水平方向に移動されるミニコンベヤ19とを有している。また、シフタモジュール14は、ケーブルを収容するケーブルキャリア143を有している。シフタモジュール14には、ミニコンベヤ19のモータ192側から見た状態において、ケーブルキャリア143が右側にあり、ケーブルの取出方向が右方向である取出方向右側タイプと、ケーブルキャリア143が左側にあり、ケーブルの取出方向が左方向である取出方向左側タイプとがある。なお、図6において、シフタモジュール14は取出方向右側タイプであり、ミニコンベヤ19はガイド右側タイプである。一例として、シフタモジュール14の水平移動のストロークは、190mmから1000mmの間で選択できる。
図7に示すように、回転モジュール15は、本体151と、本体151の上方において90度回転されるミニコンベヤ19とを有している。回転モジュール15には、ミニコンベヤ19のモータ192側から見た状態において、ミニコンベヤ19を右方向に回転させる右回転タイプと、ミニコンベヤ19を左方向に回転させる左回転タイプとがある。なお、図7において、ミニコンベヤ19はガイド左側タイプである。
図8に示すように、ストッパモジュール16は、ストッパ取付部161に螺合されるボルトによってフリーフローコンベヤ12に取り付けられる。例えば、ストッパモジュール16は、一対のチェーン126の間に取り付けられる。なお、説明の便宜上、フリーフローコンベヤ12は破線で示している。ストッパモジュール16には、搬送方向Aで見た状態において、ストッパモジュール16が右側に取り付けられる設置右側タイプと、ストッパモジュール16が左側に取り付けられる設置左側タイプとがある。なお、図8において、ストッパモジュール16は設置左側タイプである。
図9に示すように、位置決めモジュール17は、モジュール本体171を有しており、取付部(不図示)に螺合されるボルトによってフリーフローコンベヤ12に取り付けられる。例えば、モジュール本体171は、一対のチェーン126の間に取り付けられる。なお、説明の便宜上、フリーフローコンベヤ12は破線で示している。位置決めモジュール17には、搬送方向Aで見た状態において、位置決めモジュール17が右側に取り付けられる設置右側タイプと、位置決めモジュール17が左側に取り付けられる設置左側タイプとがある。なお、図9において、位置決めモジュール17は設置右側タイプである。
図10に示すように、センサモジュール18は、取付部181に螺合されるボルトによってフリーフローコンベヤ12に取り付けられる。例えば、光センサとして機能する二つのセンサモジュール18がペアとして使用される。また、それぞれのセンサモジュール18は、一対のチェーン126を挟んで互いに対向するように、各チェーン126の外側に取り付けられる。センサモジュール18には、センサ出力がPNP出力であるPタイプと、センサ出力がNPN出力であるNタイプとがある。さらに、センサモジュール18には、入光時に信号を出力する入光時ONタイプと、遮光時に信号を出力する遮光時OFFタイプとがある。
[制御系]
次に、図11を参照して、選択システム100の制御系の概略構成について説明する。サーバ20は、サーバ制御部22と、サーバメモリ23とを備えている。サーバ制御部22は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、プロセッサの動作に必要な内部メモリと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)であり、サーバメモリ23に記憶された制御プログラムに基づいて、装置全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。さらに、サーバ制御部22は、サーバメモリ23に記憶された選択プログラムPGに基づいて、モジュールの選択及びモジュールの見積りに伴う各種処理を実行する。
サーバメモリ23は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を含む。ただし、サーバメモリ23は、サーバ20の一部として設けられる例に限らず、サーバ20と協働するデータベースサーバとして設けられてもよい。本実施形態では、CPUが、ROM又はHDDに記憶されたプログラムに従って、種々の演算、制御、及び判別等の処理動作を実行する。
また、サーバメモリ23は、モジュールの特定と選択に利用される製品データ24を有している。そして、製品データ24は、搬送装置10を構成する共通物品に関するデータである共通物品データ25を含んでいる。また、製品データ24は、共通物品に対応する複数種類のモジュールに関するデータであるモジュール群データ26を含んでいる。一例として、共通物品は、所定のサイズを有するパレットベース11である。所定のサイズを有するパレットベース11を共通物品とすることによって、構成される搬送装置10が搬送するパレットベース11に基づいて各モジュールを選択できる。なお、搬送装置10を構成する複数種類のモジュールの一つであるパレットベース11についても、それに関するデータが、モジュール群データ26に含まれている。代替的に、共通物品は、フリーフローコンベヤ12であってもよい。
複数種類のモジュールは、例えば、パレットベース11、フリーフローコンベヤ12、リフタモジュール13、シフタモジュール14、回転モジュール15、ストッパモジュール16、位置決めモジュール17、及びセンサモジュール18を含んでいる。さらに、複数種類のモジュールは、固定ストッパ、ストッパシリンダ(ガイド付きシリンダ)、及びリリースシリンダ付きアンチバックユニット等の追加アクセサリが含まれていてもよい。共通物品は、一例として所定サイズを有する物品であるが、予め定められた材質、色、又は形状等の他の属性が付与された物品であってもよい。以下では、共通物品が所定サイズを有するパレットベース11である例について説明する。
共通物品データ25は、共通物品を特定するように設定されている物品特定情報27Aを含んでいる。一例として、物品特定情報27Aは、サイズ、力の伝達能力、歯数(減速比)、伝達機構の種類、又は支持機構の種類等の属性と、共通物品の型番(型式番号)と、名称との少なくとも一つを含んでいる。さらに、共通物品データ25は、共通物品を示す物品情報27Bを含んでいる。一例として、物品情報27Bは、共通物品を示す型番、画像、及び名称の少なくとも一つを含んでいる。
モジュール群データ26は、物品特定情報27Aと関連付けられている。また、モジュール群データ26は、ユーザが選択したモジュールを特定するように設定されているモジュール特定情報28Aを含んでいる。モジュール特定情報28Aは、共通物品とともに搬送装置10に適用可能な各モジュールを特定するように設定されている。一例として、モジュール特定情報28Aは、各モジュールの型番(型式番号)及び名称の少なくとも一つを含んでいる。また、モジュール群データ26は、ユーザによって選択されたモジュールの属性を特定するように設定されている属性特定情報29Aを含んでいる。属性特定情報29Aは、各モジュールに応じて選択されるモジュールの各属性を特定するするように設定されている。例えば、フリーフローコンベヤ12に対して選択される属性は、モータ127の設置位置、及びフリーフローコンベヤ12に適用可能なストッパの種類である。
また、モジュール群データ26は、特定された共通物品に対応するモジュールを示すモジュール情報28Bを含んでいる。一例として、モジュール情報28Bは、モジュールを示す型番、画像、及び名称の少なくとも一つを含んでいる。さらに、モジュール群データ26は、対応するモジュールの属性を示す属性情報29Bを含んでいる。一例として、属性情報29Bは、属性の内容を示す型番、画像、名称、及び文字列の少なくとも一つを含んでいる。また、モジュール群データ26は、モジュールの価格、モジュールの属性に応じた付加価格、ユーザによるモジュールの購入履歴、各属性の内容を示す情報等の、モジュールに関する任意の情報を含んでいる。
一例として、モジュールの属性は、サイズ、サイズの範囲、加工内容、追加部材の有無、材質、最大積載荷重、質量、ガイドの取付位置、モータの取付向き、製造メーカ、仕様、基準搬送速度、ケーブルキャリアの取付位置、ストッパの種類、シリンダの向き、変位の範囲、ケーブルの取出方向、構成部材の種類、追加オプションの種類、回転方向、付属品、出力種類、センサの制御論理、価格及びその他のモジュールに関連する情報に対応する。さらに、モジュールの属性は、例えばタイミングベルト、タイミング・プーリー・アイドラー、片持ちピン、回転軸、駆動軸、及びベアリングホルダ等の、モジュールに適用可能な物品又は追加アクセサリを示す情報に対応する。
図12のデータ構造に示すように、一例としての共通物品データ25は、物品特定情報27Aとして一辺150mmのサイズを有するパレットベース11である共通物品を特定する共通物品型番「CMB1515」を有している。これにより、共通部品の属性であるサイズに基づいて、共通部品を特定することができる。さらに、物品特定情報27Aを介して、共通部品の属性と複数種類のモジュールのモジュール群データ26とが関連付けられている。そのため、共通部品の属性に基づいて、モジュール群データ26を特定できる。また、モジュール群データ26は、各モジュールの型番をモジュール特定情報28Aとして含んでいる。図12の例では、パレットベース11のモジュール型番は「PB」であり、フリーフローコンベヤ12のモジュール型番は「FV」であり、リフタモジュール13のモジュール型番は「LF」である。また、モジュール群データ26においては、モジュールの名称がそれぞれモジュール型番に対応しており、モジュール型番PBには「パレットベース」が対応し、モジュール型番FVには「フリーフローコンベヤ」が対応し、モジュール型番LFには「リフタモジュール」が対応している。
図12の例において、パレットベース11の属性特定情報29Aは、追加底板が無いこと(すなわち「底板標準」であること)を特定する属性型番「SN」と、追加底板があること(すなわち「底板追加」であること)を特定する属性型番「SA」とを含んでいる。また、属性特定情報29Aは、天板111に穴が形成されていること(すなわち「天板標準」であること)を特定する属性型番「KH」と、天板111が中空に加工されていること(すなわち「天板中空」であること)を特定する属性型番「KT」と、天板111が加工されていないこと(すなわち「穴無し」であること)を特定する属性型番「KN」とを含んでいる。さらに、モジュール群データ26は、パレットベース11の属性の内容を示す情報として、最大積載荷重「2kg」と、パレットサイズ「150mm」を含んでいる。なお、モジュール群データ26は、パレットベース11の属性特定情報29A、又は属性の内容を示す情報として、材質等の他の情報をさらに含んでいてもよい。
また、フリーフローコンベヤ12の属性特定情報29Aは、モータ127の設置位置が左側であること(すなわち「モータ位置左側」であること)を特定する属性型番「ML」と、モータ127の設置位置が右側であること(すなわち「モータ位置右側」であること)を特定する属性型番「MR」とを含んでいる。また、属性特定情報29Aは、フリーフローコンベヤ12の全長が380mm〜5300mmの範囲で選択された長さであることを特定する属性型番「LA」と、当該長さを示す属性型番の変数部分(例えば数値「380」)とを含んでいる。なお、所定の長さが規定されている場合には、属性型番「LA」のみによって、フリーフローコンベヤ12の全長を特定してもよい。
また、リフタモジュール13の属性特定情報29Aは、シリンダ132が上方を向いていること(すなわち「シリンダ上向き」であること)を特定する属性型番「U」と、シリンダ132が下方を向いていること(すなわち「シリンダ下向き」であること)を特定する属性型番「L」とを含んでいる。また、属性特定情報29Aは、シリンダ132のストロークである上昇又は下降のストロークが160mm〜600mmの範囲で選択された長さであることを特定する属性型番「S」と、当該長さを示す属性型番の変数部分(例えば数値「160」)とを含んでいる。
同様に、モジュール群データ26は、共通物品に対応する他のモジュールを特定するモジュール特定情報28Aと、それに関連付けられた属性特定情報29Aをさらに含んでいてもよい。例えば、モジュール群データ26は、シフタモジュール14を特定するモジュール特定情報28Aと、それに関連付けられた属性特定情報29Aをさらに含んでいてもよい。また、他の物品特定情報27A、例えば一辺200mmのサイズを有するパレットベース11には、これに対応する複数種類のモジュールのモジュール群データ26が関連付けられている。
さらに、モジュール群データ26には、フリーフローコンベヤ12に適用可能な追加アクセサリであるモジュールを特定する属性特定情報29Aと、当該モジュールの属性を示す情報とが含まれている。追加アクセサリであるモジュールを特定する属性特定情報29Aは、ストッパモジュール16の型番「ST」と、位置決めモジュール17の型番「PD」とを含んでいる。同様に、モジュール群データ26には、フリーフローコンベヤ12に適用可能な追加アクセサリであるモジュールを特定する属性特定情報29Aとして、センサモジュール18の型番等の他の情報をさらに含んでいてもよい。また、他のモジュール、例えば、リフタモジュール13についても、リフタモジュール13に適用可能な追加アクセサリであるモジュールを特定する属性特定情報29Aが、同様にモジュール群データ26に含められている。
図11に示すように、サーバ制御部22は、取得手段の一例である取得部121、特定手段の一例である特定部122、提供手段の一例である提供部123、見積手段の一例である見積部124、及び作成手段の一例である作成部125を有している。そして、サーバメモリ23に記憶された選択プログラムPGは、コンピュータを、取得手段、特定手段、提供手段、見積手段、及び作成手段として機能させる。すなわち、サーバ制御部22は、コンピュータハードウエアとソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置として、取得部121、特定部122、提供部123、見積部124、及び作成部125を有している。なお、選択プログラムPGは、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体に記憶させることができる。
また、サーバ制御部22は、上記論理的装置以外にも、クライアント端末40の操作に応じてウェブページの表示の切り替え等を制御する不図示の論理的装置等を有している。また、サーバメモリ23は、ウェブページを表示するために用いられる画像データ、及び各型番、名称若しくは特徴等の情報を含むデータ等の不図示の各種のデータを記録している。また、サーバ制御部22には、所定の指令及びデータを入力するキーボード若しくは各種スイッチを含む不図示の操作部が、有線接続又は無線接続されている。さらに、サーバ制御部22には、サーバ装置の入力状態、設定状態、計測結果、及び各種情報を表示する不図示の表示部が、有線接続又は無線接続されている。なお、サーバ制御部22は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のクラウドサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。
取得部121は、ユーザが共通物品を選択すると、クライアント端末40から物品特定情報27Aを取得する。例えば、取得部121は、図13に示す共通物品選択画面130を介したユーザの入力に従って、クライアント端末40から物品特定情報27Aを取得する。図13においては、共通物品選択画面130に、共通物品のアイコン画像134と、共通物品の選択欄139とが設けられている。ユーザは、共通物品の選択欄139の中からパレットベース11のサイズとして、「150mm」と「200mm」のいずれかのサイズを入力する。例えば、取得部121は、ユーザが「150mm」を入力すると、150mmのサイズを有するパレットベース11を特定する物品特定情報27Aとして型番「CMB1515」を取得する。
代替的に、取得部121は、購入履歴等を参照して、過去にユーザが選択した共通物品を特定する物品特定情報27Aを自動的に取得してもよい。また、物品特定情報27Aは、クライアント端末40に記憶されていてもよい。さらに、ユーザは、物品特定情報27A(例えば、型番又は名称)をクライアント端末40から入力してもよい。この場合、取得部121は、クライアント端末40から物品特定情報27Aを取得する。
特定部122は、モジュール群データ26を、取得部121が取得した物品特定情報27Aに基づいて特定する。例えば、特定部122は、製品データ24を参照して、物品特定情報27Aである型番「CMB1515」に関連付けられたモジュール群データ26を特定する。
取得部121は、ユーザによる選択に先行して、共通物品を示す物品情報27Bをクライアント端末40へ提供する。図13の例において、提供部123は、物品情報27Bである共通物品のサイズを含む共通物品選択画面130を表示するウェブページを作成する。そして、提供部123は、クライアント端末40の表示装置45に共通物品選択画面130を表示させることによって、物品情報27Bを提供する。
また、提供部123は、特定されたモジュール群データ26の少なくとも一部を、クライアント端末40へ提供する。一例として、提供部123は、ユーザが共通物品を選択した場合、特定されたモジュール群データ26の少なくとも一部として、モジュールの名称を表示装置45に表示させる。代替的に、提供部123は、ユーザが共通物品を選択した場合、表示装置45に表示させているモジュール群データ26の中から、特定されたモジュール群データ26以外をグレーアウトで表示させてもよい。これにより、ユーザは、通常通りに表示されているモジュール群データ26を参照して、選択可能なモジュールを認識できる。
例えば、150mmのサイズを有するパレットベース11が選択された場合、提供部123は、図14に示すモジュール選択画面130Aを表示させる。そのために、提供部123は、型番「CMB1515」に関連付けられたモジュール群データ26に含まれる各モジュールの名称を表示するモジュール選択画面130Aを表示するウェブページを作成する。そして、提供部123は、クライアント端末40の表示装置45にモジュール選択画面130Aを表示させることによって、モジュール群データ26を提供する。モジュール選択画面130Aにおいては、各モジュールのアイコン画像134と、モジュールの属性の選択欄135Aとが設けられている。代替的に、提供部123は、電子メール等によりクライアント端末40へ送信することによって、モジュール群データ26を提供してもよい。
また、提供部123は、モジュール情報28Bをクライアント端末40へ提供する。図14の例において、提供部123は、モジュール情報28Bとして、各モジュールのアイコン画像134を表示するモジュール選択画面130Aを表示装置45に表示させている。これにより、ユーザは、選択可能なモジュールを認識できる。さらに、提供部123は、属性情報29Bを前記クライアント端末40へ提供する。図14の例において、提供部123は、属性情報29Bとして、属性の内容を示す文字列を含む属性の選択欄135Aを表示装置45に表示させている。これにより、ユーザは、選択可能なモジュールに適用可能な属性を認識できる。
ユーザは、属性の選択欄135Aの中から、所望のモジュールの属性を入力する。属性の入力は、属性の選択欄135Aの画像又はボタンをクリックする方法、入力欄に数字を入力する方法、及びプルダウン形式の入力欄から所望の値を入力する方法等がある。取得部121は、ユーザの入力に応じて、属性が入力されたモジュールに対応するモジュール特定情報28Aを取得する。さらに、取得部121は、属性特定情報29Aとして、属性を特定する属性型番を取得する。そして、取得部121は、ユーザが選択したモジュールに対応するモジュール特定情報28Aと属性特定情報29Aを取得する。
また、200mmのサイズを有するパレットベース11が選択された場合、提供部123は、図15に示すモジュール選択画面130Bを表示させる。そのために、提供部123は、当該パレットベース11を特定する物品特定情報27Aである型番「CMB2020」に関連付けられたモジュール群データ26に含まれる各モジュールの名称を表示するモジュール選択画面130Bを表示するウェブページを作成する。そして、提供部123は、クライアント端末40の表示装置45にモジュール選択画面130Bを表示させることによって、モジュール群データ26を提供する。モジュール選択画面130Bにおいては、各モジュールのアイコン画像134と、モジュールの属性の選択欄135Bとが設けられている。
見積部124は、搬送装置10の見積価格を算出してクライアント端末40へ提供する。具体的に、見積部124は、モジュール特定情報28Aによって特定されるモジュールの価格を取得する。例えば、モジュールの価格はモジュール特定情報28Aに関連付けられており、モジュール群データ26に含まれている。そして、見積部124は、モジュール群データ26を参照して、モジュールの価格を取得する。さらに、見積部124は、モジュールの価格に基づいて、搬送装置10の見積価格を算出する。例えば、見積部124は、取得したモジュールの価格が手数料等の他の料金に加算されるように、搬送装置10の見積価格を算出する。なお、モジュールの価格は、モジュール群データ26とは別に製品データ24に含まれていてもよい。
共通物品の価格は、モジュールの価格としてモジュール群データ26に含まれている。ただし、共通物品の価格は、モジュール群データ26とは別に製品データ24に含まれていてもよい。この場合、見積部124は、モジュールの価格に基づいて、さらに共通物品の価格を加算して搬送装置10の見積価格を算出する。さらに、見積部124は、属性特定情報29Aによって特定される付加価格を取得するとともに、モジュールの価格及び取得した付加価格に基づいて 搬送装置10の見積価格を算出する。当該付加価格は、属性を付加するために必要となるコストの価格である。例えば、見積部124は、取得したモジュールの価格及び付加価格が他の料金に加算されるように、搬送装置10の見積価格を算出する。なお、付加価格は、モジュール群データ26に含まれているが、製品データ24に含まれていてもよい。この場合、見積部124は、モジュールの価格に基づいて、さらに付加価格を加算して搬送装置10の見積価格を算出する。
見積部124は、算出後に、見積価格をクライアント端末40へ提供する。一例として、見積部124は、図16に示すような見積画面140を表示するウェブページを作成する。そして、見積部124は、クライアント端末40の表示装置45に見積画面140を表示させることによって、見積価格を提供する。見積画面140においては、モジュールツリー149が設けられており、モジュールツリー149と並ぶように各モジュールの価格を示す価格欄148Aが設けられている。さらに、価格欄148Aの下方には、搬送装置10の見積価格を示す見積価格欄144Aが設けられている。また、見積価格欄144Aにおいては、搬送装置10の見積価格と並ぶように、搬送装置10の納期「6日間」が表示されている。
図16の例では、見積価格欄144Aの下方に、見積もりの確定ボタン144Bが表示されており、ユーザが当該確定ボタン144Bを選択すると確定ボタン144Bの下方に合計金額、出荷日、及び出荷までに要する実働日の日数が表示される。このとき、見積部124は、各価格に購入数量を乗じて得られた金額と他の料金とを含む金額を、合計金額として見積画面140に表示させる。なお、見積部124は、モジュールの価格等に他の料金が含まれている場合、各価格に購入数量を乗じて得られた金額を、合計金額として見積画面140に表示させてもよい。また、確定ボタン144Bの下方には、印刷ボタン145が表示されており、ユーザが当該印刷ボタン145を選択すると見積結果を印刷できる。さらに、印刷ボタン145に並んで、注文リストの出力ボタン146と注文ボタン147とが表示されている。
ユーザが出力ボタン146を選択すると、注文リストの電子データを出力できる。また、ユーザが注文ボタン147を選択すると、見積部124は、注文を行うための注文画面(不図示)をクライアント端末40の表示装置45に表示させる。ユーザは、当該注文画面において、搬送装置10を注文できる。ユーザが搬送装置10を注文すると、見積部124は、各モジュールの製品型番(後述)と購入数量とをモジュールの加工業者に送信する発注処理を行う。さらに見積部124は、加工業者にモジュールの配送指示を送信する処理、及びユーザに購入代金を請求する処理を実行してもよい。代替的に、見積画面140においてユーザが注文ボタン147を選択すると、見積部124は、更なる操作画面を表示させずに特定された各モジュールの製品型番と購入数量とを加工業者に送信してもよい。
作成部125は、ユーザの選択に応じて、共通物品の共通物品型番と、モジュールのモジュール型番と、モジュールの属性の属性型番とを取得する。そして、作成部125は、取得した各型番に基づいて各モジュールの製品型番を作成し、見積画面140の型番欄148Bに表示させる。一例として、当該型番欄148Bは、それぞれのモジュールの価格欄148Aの下方に設けられている。例えば、パレットベース11の製品型番「CMB1515−PB−KH−SN」を作成する場合、作成部125は、共通物品型番「CMB1515」、モジュール型番「PB」、及び属性型番「KH」並びに「SN」を取得する。そして、作成部125は、各型番がサーバメモリ23に記憶された所定の規則に従って並ぶように、製品型番を作成する。代替的に、作成部125は、ユーザが入力した各型番を取得して製品型番を作成してもよい。さらに、作成部125は、製品データ24を参照して、ユーザの入力に応じて特定される各型番を取得して製品型番を作成してもよい。この場合、物品特定情報27Aは共通物品型番と関連付けられており、モジュール特定情報28Aはモジュール型番と関連付けられており、属性特定情報29Aは属性型番と関連付けられている。
また、作成部125は、作成した製品型番を、ユーザのクライアント端末40へ提供する。すなわち、上述したように、作成部125は、作成した製品型番を、クライアント端末40の表示装置45に表示させる。なお、同一の属性型番は、仕様の異同を除いて共通する属性に対して共通に設定できる。例えば、ガイド位置が左側である属性型番「GL」は、リフタモジュール13と、シフタモジュール14のいずれに対しても共通に設定できる。ただし、仕様の異同を除いて共通する属性に対して、異なる属性型番を設定してもよい。
また、属性型番は、変数部分を含んでいてもよい。図16に示す例では、フリーフローコンベヤ12の全長「380mm」が入力された場合、作成部125は、変数部分を含む属性型番として、全長の長さを示す変数部分「380」をさらに取得する。そして、作成部125は、共通物品型番「CMB1515」、モジュール型番「FV」、属性型番「GL」、「LA」並びに「380」を並べて、製品型番「CMB1515−FV−GL−LA380」を作成する。なお、変数部分は、ユーザが入力した数値を反映させてもよく、ユーザが入力した数値に対応する所定の記号を反映させてもよい。
[クライアント端末]
続いて、図11を参照して、クライアント端末40について説明する。クライアント端末40は、クライアント端末40を制御する端末制御部43と、制御プログラムを記憶した端末メモリ44とを備えている。当該端末制御部43は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータである。また、クライアント端末40は、表示装置45及び入力装置46を備えている。
一例として、端末制御部43のプロセッサは、例えばCPU、又はMPUであり、端末メモリ44に記憶された制御プログラムに基づいて、装置全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。また、端末メモリ44は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM、HDD及びSSD等の記憶装置を含む。本実施形態では、CPUが、ROM又はHDDに記憶された制御プログラムに従って、種々の演算、制御、及び判別等の処理動作を実行する。また、端末制御部43は、CD、DVD、CFカード、及びUSBメモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のクラウドサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。
端末メモリ44は、ハードディスク及び半導体記憶装置等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体)を含んだ外部記憶装置である。さらに、端末メモリ44は、制御プログラムに加えて、ウェブブラウザ等の各種プログラムを記憶している。
入力装置46は、キーボード、テンキー及びタッチパネル等であり、ユーザは入力装置46を用いて共通物品及びモジュールの選択、属性の選択又は入力を行う。また、表示装置45は、端末制御部43と一体又は別体のディスプレイ、モニタ、又はタッチパネルである。サーバ20からモジュールの名称、型番、及びアイコン画像等を受信すると、表示装置45がこれらを表示する。さらに、表示装置45は、共通物品選択画面130、モジュール選択画面130A、モジュール選択画面130B、見積画面140及び注文画面等のウェブページを表示させる。ユーザは、表示装置45に表示されたウェブページに従って搬送装置10を注文する。
[処理フロー]
続いて、図17を参照して、本実施形態における処理について説明する。当該処理は、共通物品選択画面130の表示から発注処理までに行われる各処理を含む。まず、提供部123は、共通物品を示す物品情報27Bをクライアント端末40へ提供するために、共通物品選択画面130をクライアント端末40の表示装置45に表示させる(S101)。ユーザが、所望の共通物品、例えば150mmのサイズを有するパレットベース11を選択すると、取得部121は、共通物品に対応する物品特定情報27Aを取得する(S102)。そして、特定部122は、取得部121によって取得された物品特定情報27Aに基づいてモジュール群データ26を特定する(S103)。
提供部123は、特定部122によって特定されたモジュール群データ26の少なくとも一部を、クライアント端末40へ提供する。具体的に、提供部123は、特定されたモジュール群データ26の一部、例えばモジュール群に含まれる各モジュールの名称が表示させるように、表示装置45にモジュール選択画面130Aを表示させる(S104)。同時に、提供部123は、モジュール情報28Bをクライアント端末40へ提供する。例えば、提供部123は、モジュール情報28Bとして、各モジュールのアイコン画像134をモジュール選択画面130Aにおいて表示させる。
さらに、提供部123は、属性情報29Bをクライアント端末40へ提供する。例えば、提供部123は、属性情報29Bとして、属性の内容を示す文字列を含む属性の選択欄135Aをモジュール選択画面130Aにおいて表示させる。そして、ユーザは、選択欄135Aの中から、所望のモジュールの属性を入力する。続いて、取得部121は、ユーザの入力に応じて、属性が入力されたモジュールに対応するモジュール特定情報28Aを取得する(S105)。さらに、取得部121は、当該モジュールの属性特定情報29Aを取得する(S105)。
作成部125は、取得部121が取得した物品特定情報27A、モジュール特定情報28A、及び属性特定情報29Aに基づいて、共通物品型番、モジュール型番、及び属性型番を取得する。そして、作成部125は、各型番に基づいて、モジュールの製品型番を作成する(S106)。その後、作成部125は、作成した製品型番を、見積画面140の型番欄148Bに表示させる(S107)。ユーザによる入力が完了すると、見積部124は、搬送装置10の見積価格を算出して、クライアント端末40へ提供する。具体的に、見積部124は、見積価格が表示されるように、表示装置45に見積画面140を表示させる(S108)。
そして、ユーザが注文ボタン147を選択すると、見積部124は、注文を行うための注文画面を表示装置45に表示させる。その後、ユーザが搬送装置10を注文すると(S109でYES)、見積部124は発注処理を行う(S110)。ユーザが注文しない場合(S109でNO)、見積部124はユーザが注文するまで処理を繰り返す。
以上説明した第1実施形態によれば、ユーザが所望の搬送装置10を構成する共通物品を選択すると、当該搬送装置10に適用可能なモジュールがクライアント端末40に提供される。そのため、ユーザは、所望の搬送装置10を構成するためのモジュールを特定して選択するための情報を得ることができる。その結果、ユーザは、短時間で正確なモジュールを選択でき、モジュールの選択に要する時間を短縮できる。さらに、モジュールに関する知識が無いユーザであっても、提供された情報を利用して正確なモジュールを選択できる。
[詳細説明]
以下、図18から図20Bを参照して、コンベヤユニットであるフリーフローコンベヤ12を詳細に説明する。図18は、フリーフローコンベヤ12のモータ127とは反対側の端部と、フリーフローコンベヤ12と並んで配置されたミニコンベヤ19とを示している。図19は、フリーフローコンベヤ12のモータ127とは反対側の端部の一部破断図である。図20A,Bは、コイルスプリング228の収縮時から伸長時の間における、可動支持部226の動作を説明する概略説明図である。なお、フリーフローコンベヤ12の搬送方向に沿った両側は、同様の構造を有している。そのため、以下ではフリーフローコンベヤ12の一方の側について説明し、他方の側の説明は省略する。
パレットベース11を搬送する複数種類のモジュールのそれぞれには、追加アクセサリであるモジュールを取り付けるための取付部材が取り付けられる取付構造部が設けられている。そして、性質が異なる複数のモジュール同士、例えば、チェーン式のモジュールと、タイミングベルト式のモジュールとにおいて、搬送面に対する取付構造部の位置は共通化されている。この取付構造部について、以下に説明する。
図18に示すように、フリーフローコンベヤ12は、内部機構を覆うフレーム221を有している。当該フレーム221は、フリーフローコンベヤ12の両端部に位置する先端部分と、先端部分同士の間の中間部分とを含んでいる。なお、両部分は一体であっても別体であってもよいが、図18においては両部分が別体に構成されている。そして、フレーム221には、追加アクセサリを取り付けるために、取付部材であるフレームナット(不図示)が取り付けられる取付構造部である取付溝222が形成されている。取付溝222は、搬送方向Aと平行に延在しており、中間部分の全長に渡って延在している。また、取付溝222は、開口部分と、開口部分よりも大きい中空部分とを有しており、開口部分と中空部分とは連通している。代替的に、取付構造部は、フレーム221に形成された長穴であってもよい。
例えば、図18に示すように、追加アクセサリとしてセンサモジュール18を取り付ける場合、取付溝222にはフレームナットが挿入される。そして、フレームナットとセンサモジュール18の取付部181とに螺合されるボルトによって、センサモジュール18がフレーム221に取り付けられる。
また、ミニコンベヤ19は、内部機構を覆うフレーム294を有している。そして、フレーム294には、追加アクセサリを取り付けるために、フレームナット(不図示)が取り付けられる取付構造部である取付溝295が形成されている。取付溝295は、搬送方向Aと平行に延在しており、フレーム294の全長に渡って延在している。また、取付溝295は、開口部分と、開口部分よりも大きい中空部分とを有しており、開口部分と中空部分とは連通している。代替的に、取付構造部は、フレーム294に形成された長穴であってもよい。
そして、フリーフローコンベヤ12に形成された取付溝222の搬送面に対する位置と、ミニコンベヤ19に形成された取付溝295の搬送面に対する位置とは、共通化されている。すなわち、取付溝222から搬送面までの距離D1と、取付溝295から搬送面までの距離D2とは、同じ長さに設定されている。これにより、性質が異なる複数のモジュール同士であっても、追加アクセサリが取り付けられるフレームナットの位置を共通化できる。そのため、性質が異なる複数のモジュール同士が、追加アクセサリを共用できる。例えば、図18においては、チェーン式のフリーフローコンベヤ12と、タイミングベルト式のミニコンベヤ19とに、同一のセンサモジュール18を取り付けることができる。その結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、フリーフローコンベヤ12は、他のモジュールに対するパレットベース11の受け渡しを補助する補助ローラ223を有している。当該補助ローラ223は、チェーン126の外周の外側において、チェーン126による搬送面と略一致する搬送面が画定されるような位置に配置されている。同様に、ミニコンベヤ19は、他のモジュールに対するパレットベース11の受け渡しを補助する補助ローラ296を有している。当該補助ローラ296は、ベルト191の外周の外側において、ベルト191による搬送面と略一致する搬送面が画定されるような位置に配置されている。これにより、チェーン126又はベルト191の巻き付け半径が大きい場合であっても、パレットベース11及びパレットベース11上の搬送物を、他のモジュールに対してスムーズに受け渡すことができる。
さらに、フリーフローコンベヤ12のフレーム221には、補助ローラ223の下方に退避部224が形成されている。当該退避部224は、フレーム221の内方に向かって凹むように形成されている。そして、退避部224においては、フレーム221の外面が上下方向に湾曲して延在している。これにより、補助ローラ223を配置した場合であっても、他のモジュールとの接触を抑制するスペースを設けることができる。そのため、フリーフローコンベヤ12を設置する場合に、設置位置の周辺への影響を抑制できる。また、フリーフローコンベヤ12は、退避部224の上方において、フレーム221が張り出す特徴的な形状を有する。そのため、フリーフローコンベヤ12の美観性を高めることができる。
図19に示すように、フリーフローコンベヤ12は、チェーン126を支持する固定支持部225及び可動支持部226を有している。また、フリーフローコンベヤ12は、チェーン126が掛け回されるアイドラーローラ227と、アイドラーローラ227を付勢する付勢部材であるコイルスプリング228とを有している。さらに、図20A,Bに示すように、フリーフローコンベヤ12は、アイドラーローラ227の回転軸を軸支するとともに、コイルスプリング228によって付勢される可動部229を有している。なお、図20A,Bにおいては、可動部229と重なる可動支持部226の一部を破線で示している。
コイルスプリング228は、チェーン126にテンションを付加するために、剛性を有する可動部229を介してアイドラーローラ227を付勢している。また、可動支持部226は、可動部229に固定されている。そのため、可動支持部226は、可動部229がコイルスプリング228の伸長及び収縮に伴って移動すると、可動部229とともに移動する。すなわち、図20Aに示すように、コイルスプリング228が収縮すると、可動支持部226は内方に移動する。このとき、チェーン126は、主に固定支持部225によって支持される。一方、図20Bに示すように、コイルスプリング228が伸長すると、可動支持部226は外方に移動する。そして、可動支持部226は、固定支持部225よりも外方に突出する。このとき、チェーン126は、固定支持部225及び可動支持部226によって支持される。これにより、フリーフローコンベヤ12において、搬送物の荷重を支持できる支持可能範囲がより広がる。
すなわち、チェーン126にテンションを付加するために、アイドラーローラ227のみを移動させる場合、可動支持部226が設けられていない領域においては荷重を支持することができない。そのため、当該領域においては、図20Bの矢印Cで示す方向にチェーン126の落ち込みが発生してしまう。その結果、搬送物の荷重を支持できない支持不能領域が発生してしまう。これに対して、可動支持部226を設けた場合には、コイルスプリング228の伸長に伴って可動支持部226が突出する。そのため、支持不能領域の発生を抑制して、搬送物の荷重を支持できる支持可能範囲がより広がる。これにより、チェーン126のテンションの調整と、搬送物の荷重の支持とを両立できる。
続いて、図21を参照して、パレットベース11を詳細に説明する。図21は、パレットベース11から天板111を取り外した状態を示している。パレットベース11は、パレットベース11同士の接触を抑制するため、又はパレットベース11同士の衝突時の衝撃を軽減するために、磁性体である第1磁石214Aと、第1磁石214Aとは逆の極性の磁性を帯びた磁性体である第2磁石214Bとを有している。さらに、パレットベース11は、一方の凹部113の両側において、第1磁石214Aを収容する収容部215Aを有している。また、パレットベース11は、他方の凹部113の両側において、第2磁石214Bを収容する収容部215Bを有している。
収容部215Aと収容部215Bとは、搬送方向側とその反対側とに形成されている。そのため、並んで搬送されている二つのパレットベース11においては、一方のパレットベース11の第1磁石214Aが収容された側が、他方のパレットベース11の第2磁石214Bが収容された側と対向する。そして、第1磁石214Aと第2磁石214Bとが反発する結果、接触を抑制すること又は衝突時の衝撃を軽減することができる。なお、第1磁石214Aと第2磁石214Bの形状は、任意に設定でき、例えば、円筒状の形状であってもよい。
以上、実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
例えば、取得部121、特定部122、提供部123、見積部124、及び作成部125の少なくとも一つは、サーバ制御部22以外のコンピュータ、例えばサーバ制御部22と協働する外部サーバに設けられていてもよい。一例として、見積部124が外部サーバに設けられている場合、見積部124は、サーバ20を介してクライアント端末40へ見積価格を提供してもよい。また、作成部125が端末制御部43に設けられている場合、作成部125はクライアント端末40において製品型番を作成してもよい。
また、共通物品に対応する複数種類のモジュールは、共通物品が特定されることによって特定されるモジュールであればよい。例えば、複数種類のモジュールは、共通物品とともに用いられるモジュールであってもよい。または、複数種類のモジュールは、共通物品とともにユーザが購入するモジュール、例えば搬送装置10の組立用モジュールであってもよい。