JP2021104941A - 薬物高含有量錠剤及びその製造方法 - Google Patents

薬物高含有量錠剤及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い含有量にもかかわらず、適度な錠剤硬度及び良好な薬物溶出性を有し、製造中に薬効成分への影響を受けない安定した薬効成分を含有する錠剤を提供し、このような錠剤を、高精度かつ高品質で容易に製造することができる製造方法を提供する。【解決手段】薬効成分と、結晶セルロースと、0.5質量%以下のステアリン酸マグネシウムとを含有する薬物高含有量錠剤であって、前記薬効成分の含有量が、錠剤質量の少なくとも60%以上を占めることを特徴とする薬物高含有量錠剤。【選択図】図2

Description

本発明は、薬物高含有量錠剤及びその製造方法に関する。
薬効成分の含有量が高い錠剤は成形性が難しく、その製造方法によって、製造中の薬効成分の安定性が損なわれることや、崩壊性と溶出性とのバランスが損なわれること等があった。
そのために、例えば、溶媒を用いて造粒した後、40℃以下の低温で乾燥に付すなどの製法が提案されている(例えば、特許文献1)。
WO2006/088816号
このような状況下、薬物高含有量錠剤における薬効成分の製造中の安定性と、崩壊性及び溶出性の適度なバランス等とを実現した錠剤が求められている。
本発明は、高い含有量にもかかわらず、適度な錠剤硬度及び良好な薬物溶出性を有し、製造中の影響(水和物の無水化等)を受けない安定した薬効成分を含有する錠剤を提供することと、このような錠剤を高品質で容易に製造する方法を提供することを目的とする。
本願は以下の発明を含む。
(1)薬効成分と、結晶セルロースと、0.5質量%以下のステアリン酸マグネシウムとを含有する薬物高含有量錠剤であって、
前記薬効成分の含有量が、錠剤質量の少なくとも60%以上を占めることを特徴とする薬物高含有量錠剤。
(2)前記薬効成分が、水和物の化合物である上記に記載の錠剤。
(3)前記結晶セルロースが、0.13g/cm3〜0.35g/cm3の嵩密度を有する上記に記載の錠剤。
(4)前記ステアリン酸マグネシウムが、0.1質量%〜0.5質量%で含有されている上記に記載の錠剤。
(5)さらにフィルムコーティングで被覆されている上記に記載の錠剤。
(6)トウモロコシデンプン、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、タルク、ヒプロメロース、酸化チタン及びマクロゴールからなる群から選ばれる1以上の成分がさらに含有されている上記に記載の錠剤。
(7)前記薬効成分が、酢酸亜鉛水和物である上記に記載の錠剤。
(8)60質量%以上の薬効成分と、結晶セルロースと、0.5質量%以下のステアリン酸マグネシウムとを含有する薬物高含有量錠剤の製造方法であって、
溶媒添加及び昇温の工程を経ることなく、直打法で錠剤を形成する薬物高含有量錠剤の製造方法。
(9)前記薬効成分が、酢酸亜鉛水和物である上記に記載の錠剤の製造方法。
本発明によれば、高い含有量にもかかわらず、適度な錠剤硬度及び良好な薬物溶出性を有する錠剤を提供することができる。また、このような錠剤を、製造中の薬効成分への影響を受けず、高精度かつ高品質で、容易に製造することができる製造方法を提供することができる。
本発明の錠剤におけるステアリン酸マグネシウムの含有量の増減による硬度の変化を測定したグラフである。 本発明の錠剤の溶出試験の結果を示すグラフである。
〔薬物高含有量錠剤〕
本願の錠剤は、薬効成分と、結晶セルロースと、0.5質量%以下のステアリン酸マグネシウムとを含有する薬物高含有量錠剤であって、薬効成分の含有量が、錠剤質量の少なくとも60質量%(w/w%)以上を占める薬物高含有量錠剤である。
このように、錠剤中の薬効成分が60質量%以上を占める場合においても、成形性が良好となり、打錠時にスティッキング及び/又はバインディング、錠剤内部にキャッピングとよばれるクラック等が発生することなく、適度な硬度を有した錠剤に成形することが可能となる。また、適度の硬度を有しながら、同時に、薬効成分を良好に溶出させることができる。
ここでの薬効成分としては、特に限定されず、サリチル酸ナトリウム、アスコルビン酸、サリチル酸コリン、アミノピリン、スルピリン、ロキソプロフェン・ナトリウム、塩酸チアラミド、メシル酸ジメトチアジン、ミグレニン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、クエン酸ペントキシベリン、dl−塩酸メチルエフェドリン、酒石酸アリメマジン、トラネキサム酸、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸ジフェンヒドラミン、プロメタジン、塩酸プロメタジン、塩酸トリプロリジン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸レナンピリジン、塩酸クロブチノール、塩酸クロフェダノール、塩酸L−エチルシステイン、塩酸L−メチルシステイン、塩酸エフェドリン、dl−塩酸エピネフリン、塩酸クロルプレナリン、硫酸オシルプレナリン、硫酸サルブタモール、クエン酸イソアミニル、クロペラスチン、L−アスパラギン酸カルシウム、ペンジルペニシリンカリウム、フェニルメチルペニシリンンカリウム、プロピシリンカリウム、オキサシリンナトリウム、クロキサシリンナトリウム、フルクロキサシリンナトリウム、ヘタシリンカリウム、塩酸レナンピシリン、塩酸ドキシサイクリン、塩酸リンコマイシン、アルクロフェナク、イブプロフェン、ケトプロフェン、メピリゾール、ブコローム、エモルファゾン、チアプロフェン酸、ナブメトン、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、生薬エキス末、スルピリン、塩酸メクリジン、塩酸トリプロリジン、リン酸コデイン、ロキソプロフェン・ナトリウム、オキシフェンブタゾン、クロフェゾン、クエン酸イソアミニル、塩酸トリメトキノール、L−アスパラギン酸カルシウム、オキサシリンナトリウム、クロキサシリンナトリウム、ジクロキサシリンナトリウム、アンモキシリン、フルクロキサシリンナトリウム、塩酸リンコマイシン等の付着性などが高いもの、
アズレンスルホン酸ナトリウム水和物、アモキシシリン水和物、アレンドロン酸ナトリウム水和物、アコチアミド塩酸塩水和物、アジスロマイシン水和物、アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物、アトルバスタチンカルシウム水和物、アドレノクロムモノアミノグアニジンメシル酸塩水和物、イバンドロン酸ナトリウム水和物、エグアレンナトリウム水和物、エデト酸カルシウム二ナトリウム水和物、エドキサバントシル酸塩水和物、エロビキシバット水和物、エンテカビル水和物、オキシコドン塩酸塩水和物、カナグリフロジン水和物、クエン酸第二鉄水和物、クロカプラミン塩酸塩水和物、サキサグリプチン水和物、酢酸亜鉛水和物、シタグリプチンリン酸塩水和物、シタフロキサシン水和物、シラザプリル水和物、ジラゼプ塩酸塩水和物、スルタミシリントシル酸塩水和物、タクロリムス水和物、ダコミチニブ水和物、炭酸ランタン水和物、チメピジウム臭化物水和物、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物、トスフロキサシントシル酸塩水和物、トスフロキサシントシル酸塩水和物、トホグリフロジン水和物、ドキシサイクリン塩酸塩水和物、ナルメフェン塩酸塩水和物、バルデナフィル塩酸塩水和物、パロキセチン塩酸塩水和物、ピコスルファートナトリウム水和物、ピペミド酸水和物、ファロペネムナトリウム水和物、プラミペキソール塩酸塩水和物、ベルベリン塩化物水和物、ペランパネル水和物、ホスアンプレナビルカルシウム水和物、ボスチニブ水和物、マザチコール塩酸塩水和物、ミノドロン酸水和物、メシル酸ガレノキサシン水和物、モサプリドクエン酸塩水和物、モルヒネ硫酸塩水和物、ラパチニブトシル酸塩水和物、リセドロン酸ナトリウム水和物、ルセオグリフロジン水和物、レボフロキサシン水和物等の水和物等が挙げられる。
なかでも、薬効成分としては、結晶水を有するもの及び/又は水和物が適している。水和物における水和水又は結晶水の数は、1つでもよいし、2及び3等の複数でもよい。薬効成分としては、特に、酢酸亜鉛水和物が好ましい。酢酸亜鉛水和物は、構造式が(H3C−CO22Zn・2H2Oであり、ウィルソン病及び低亜鉛血症の治療剤である。
錠剤中の薬効成分は、錠剤の質量を基準に60質量%以上含有される。より好ましくは、錠剤中の薬効成分は、錠剤の質量を基準に65質量%以上含有される。また、別の観点から、一回投与量が、1mg〜10000mgとなるように組成することができ、10mg〜1000mgとなるように組成することが好ましく、10mg〜100mgがより好ましく、20mg〜75mgがさらに好ましい。また、別の観点から、錠剤の質量を基準に65.05質量%以上含有することが好ましい。
例えば、薬効成分が、酢酸亜鉛水和物の場合、一回投与量が、10mg〜840mgとなるように組成することができ、10mg〜200mgが好ましく、10mg〜168mgがより好ましい。また、酢酸亜鉛水和物について亜鉛としての場合は、一回投与量が、25mg〜250mgが好ましく、25mg〜50mgがより好ましい。
本発明では、錠剤において、上述したように高含有量の薬効成分に加えて、結晶セルロースと、0.5質量%以下のステアリン酸マグネシウムとを含有する。
結晶セルロースは、通常、錠剤の賦形剤、結合剤、安定化剤、崩壊剤として用いられる添加物である。
本発明では、高含有量の薬効成分とともに結晶セルロースを用いることにより、錠剤の成形性を向上させる効果がある。よって、適度な錠剤硬度及び良好な薬物溶出性を有し、高い含有量にもかかわらず、安定した薬効成分を含有する錠剤を提供することができる。また、高含有量の薬効成分と添加物とを均一に混合することができ、薬効成分の含有量の錠剤ごとのばらつきの問題もない。
本発明に用いる結晶セルロースは、一般にパルプなどの繊維性植物から得られたα−セルロースを酸で部分的に解重合して精製したものを指し、医薬品製造の分野において粉末セルロースとは区別されるものを意味する。医薬品添加物として一般に使用されているものなど、本発明の効果を達成できるものであれば特に限定されるものではなく、いくつかの性質の異なる種類の結晶セルロースのうちの1種類を単独で用いてもよいし、2つ以上を用いてもよい。結晶セルロースは、市販品を用いることができる。なかでも、平均粒径が30μm以上のものが好ましく、45μm以上のものがより好ましい。嵩密度は、0.1g/cm3以上のものが好ましく、0.13g/cm3〜0.35g/cm3のものがより好ましく、0.21g/cm3〜0.29g/cm3のものがさらに好ましい。安息角は、50度以下のものが好ましく、42度〜49度のものがより好ましい。安息角は、一般的な方法、例えば、計測台の中心に、計測台の回り全体に粉末が溢れるまで粉末を落とし、分度器を用いて測った角度で表される。例えば、市販されている結晶セルロースとして、UF−711、KG−802(旭化成製)等が挙げられる。
本発明の錠剤において、結晶セルロースの含有量は、賦形剤等としての用途に用いられる範囲内で特に限定されるものではない。例えば、本発明の錠剤の質量を基準に、結晶セルロースの含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜28質量%がより好ましく、10質量%〜25質量%がさらに好ましい。また、別の観点から、錠剤中の薬効成分100質量部に対して、23質量部〜30質量部が挙げられ、24質量部〜29質量部が好ましく、25質量部〜28質量部がより好ましい。
ステアリン酸マグネシウムは、一般に滑沢剤等として用いられている添加物である。
本発明では、高含有量の薬効成分とともにステアリン酸マグネシウムを用いることにより、適度な錠剤硬度でありながら、安定した形状の錠剤に成形することができる。さらに、配合量調整により有効成分を好適な溶出性にすることができる。また、高含有量の薬効成分と添加物とを均一に混合することができ、薬効成分の含有量の錠剤ごとのばらつきを抑制することができる。
本発明の錠剤において、ステアリン酸マグネシウムの含有量は、滑沢剤等としての用途に用いられる範囲内で特に限定されるものではない。例えば、本発明の錠剤の質量を基準に、ステアリン酸マグネシウムの含有量は、0質量%より多ければよく、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。また、2.0質量%以下が好ましく、1.5質量%以下、1.0質量%以下がより好ましい。なかでも、0.1質量%〜0.5質量%の範囲であることがさらに好ましい。また、別の観点から、錠剤中の薬効成分100質量部に対して、0.05質量部〜2質量部が挙げられ、0.08質量部〜1.5質量部が好ましく、0.1質量部〜1.2質量部がより好ましい。
本発明の錠剤は、高含有量の薬効成分とともに、上述した効果に影響を与えない範囲で、上記以外の製剤分野において通常使用される他の添加剤を添加することができる。例えば、結合剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、潤滑剤、湿潤剤、界面活性剤、甘味剤、矯味剤、有機酸、着香剤・香料、着色剤、安定化剤、コーティング剤等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
結合剤としては、当該分野で通常用いられているもの、例えば、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチルコポリマー、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポビドン(ポリビニルピロリドン(PVP))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース、HPMC)、カルメロースナトリウム、ポリビニルアルコール、α化デンプン、寒天、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、グアールガム及びポリエチレンオキシド等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
なお、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチルコポリマーは、部分鹸化ポリビニルアルコールにアクリル酸とメタクリル酸メチルとを共重合した高分子化合物である。例えば、POVACOAT(登録商標)として市販されているものが挙げられる。ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーは、コリコート(登録商標)IRとして市販されているものが挙げられる。
結合剤の含有量は、錠剤の質量を基準に0.01質量%〜10質量%が挙げられ、0.1質量%〜6質量%が好ましい。
賦形剤としては、例えば、D−マンニトール、無水乳糖、乳糖水和物、精製白糖、白糖、ショ糖、果糖、フラクトオリゴ糖、ブドウ糖、マルトース、還元麦芽糖、粉糖、粉末飴、還元乳糖等の糖類、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール等の糖アルコール類、カオリン、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、デンプン(例えば、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン等の天然デンプン)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
賦形剤の含有量は、錠剤の質量を基準に10質量%〜40質量%が挙げられ、15質量%〜40質量%が好ましく、20質量%〜35質量%がより好ましい。
安定化剤としては、例えば、マクロゴール(例えば、平均分子量が200〜20000、特に6000が好ましい)、ステアリン酸、クエン酸トリエチル、カルナウバロウ等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
滑沢剤としては、前記のステアリン酸マグネシウム以外では、例えば、ステアリン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリル、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸亜鉛、タルク、カルナウバロウ、L−ロイシン、マクロゴール等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
滑沢剤の含有量は、錠剤の質量を基準に、0.01質量%〜5質量%が挙げられ、0.25質量%〜5質量%が好ましい。
崩壊剤としては、例えば、クロスポビドン、ポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、カルメロースカルシウム、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、タルク等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
崩壊剤の含有量は、錠剤の質量を基準に、1質量%〜25質量%が挙げられ、1質量%〜10質量%が好ましい。
着色剤としては、例えば、酸化チタン、カラメル、酸化鉄(黄又は黒)、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒色三二酸化鉄、天然又は合成有機色素又はレーキ等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。着色剤の含有量は、適宜設定することができる。
なかでも、トウモロコシデンプン、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、タルク、ヒプロメロース、酸化チタン及びマクロゴールからなる群から選ばれる1以上の成分がさらに含有されていることが好ましい。これらの各成分の含有量は、それぞれの作用等によって適宜調整することができる。例えば、本発明の錠剤の質量を基準に、トウモロコシデンプンは、1質量%〜10質量%が挙げられ、3質量%〜8質量%が好ましい。クロスポビドンは、0.1質量%〜10質量%が挙げられ、1質量%〜6質量%が好ましい。ヒドロキシプロピルセルロース、0.1質量%〜10質量%が挙げられ、1質量%〜6質量%が好ましい。タルクは、0.01質量%〜5質量%が挙げられ、0.01質量%〜4質量%が好ましい。ヒプロメロースは、0.01質量%〜20質量%が挙げられ、0.1質量%〜5質量%が好ましい。酸化チタンは、0.1質量%〜20質量%が挙げられる。マクロゴールは、0.1質量%〜5質量%が挙げられ、1質量%〜3質量%が好ましい。
本発明の錠剤は、素錠であってもよいし、外観の改善、防湿、防酸素、薬物の溶出速度調節(例えば、徐放性、腸溶性)、薬物の臭いや苦味マスキング等の目的で、フィルムコーティングで被覆されていてもよい。なかでも、薬効成分の味、色及び/又は臭気等をマスキングするためのフィルムコーティングが被覆されていることが好ましい。
コーティング剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ヒプロメロース等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
コーティング剤の含有量は、錠剤の質量を基準に、0.1質量%〜3質量%が挙げられる。
〔薬物高含有量錠剤の製造方法〕
本発明の錠剤は、溶媒添加及び昇温の工程を経ることなく、直打法で錠剤を形成する。このような溶媒添加及び昇温工程を経ることなく製造された錠剤は、高含有量で含有される薬効成分の製造中の安定性を図ることができる。それに加えて、崩壊性と溶出性とのバランス等を良好に維持することができ、高品質の錠剤を容易に製造することができる。ここでの昇温とは、例えば、40℃より高い温度、40℃以上又は35℃以上の温度が挙げられるが、本発明は、昇温の工程(乾燥工程)自体を経ることがない。
また、本発明の錠剤は、直打法で製造することができるので、湿式造粒法等他の製造法に比べ、安価なコストで製造することができる。
本発明の一実施形態では、まず、薬効成分、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウムのほか、上述した成分の1以上を添加し、それらを均一に混合する。混合は、V型混合機、W型混合機、コンテナミキサー、タンブラー混合機、撹拌混合機等、当該分野で公知の混合機等を用いて行うことができる。
その後、溶媒(水及び水溶液を含む)等の液体等を添加することなく、また、造粒することなく、よって、昇温による乾燥又は長時間の乾燥工程を経ることなく、直接混合物を、直打法又はセミ直打法等によって打錠して錠剤を形成する。
錠剤の形成には、当該分野で用いられている打錠機を用いて打錠することができる。打錠方法は、特に限定されるものではなく、例えば、単発式打錠機、ロータリー式打錠機等の当該分野において公知の打錠機を用いて、混合物を打錠する。打錠の際の打圧は、例えば、3kN以上であることが好ましく、5kN以上であることが好ましい。20kN以下であることが好ましく、15kN以下であることがより好ましい。なかでも、5kN〜9kNの範囲内の打圧とすることが好ましい。これによって、適度な硬度と、薬効成分の溶出性を確保することができる。得られた錠剤の硬度は、20N以上であることが好ましく、30N以上、35N以上であることがより好ましい。錠剤の「硬度」は、錠剤硬度計(例えば、Dr. Schleuniger Pharmatron製のMultiTest 50)により測定することができる。
本発明の錠剤は、割線、識別マーク等を付してもよい。錠剤は、円形錠、円形R錠、円形隅角錠、円形2段R錠、各種異形錠等いずれの形状でもよく、また分割錠としてもよい。錠剤のサイズは特に限定されるものではないが、例えば、厚み1.0mm〜5.0mmが挙げられ、直径は、5.0mm〜12.0mmが挙げられる。
実施例A
以下の各成分を表1の処方割合で秤量し、以下の方法によって錠剤を作製した。表1においては、ステアリン酸マグネシウムの量を0.1質量%〜1.0質量%の種々の処方量とした。結晶セルロース処方量は、ステアリン酸マグネシウムの処方割合増減に応じて調整した。
Figure 2021104941
まず、酢酸亜鉛二水和物、結晶セルロース(KG-802、旭化成製)及びその他の添加物を、処方割合通りに秤量し、サンプル管に入れて50回混合した。
得られた混合物を、小型ロータリー打錠機 Dott Bonapace(形式CPR-18 B-10)にて、打錠圧6kN〜8kNで打錠し、錠剤を得た。
各処方によって、得られた錠剤において打錠障害は認められなかった。つまり、錠剤の外観に曇り、表面の欠損はなく、また、各錠剤にクラックが発生したり、一部が剥離したりする現象は認められなかった。
さらに、得られた錠剤の硬度をそれぞれ測定した。硬度は、各錠剤(n=3又は4)の製造直後に、硬度計(Dr. Schleuniger Pharmatron製、MultiTest 50)によって測定した。これらの結果を、それぞれ表2及び図1に示す。
Figure 2021104941
表2及び図1から明らかなように、ステアリン酸マグネシウムの含有量を1.0質量%よりも少量とした場合、具体的には、0.5質量%以下とした場合に、適度の硬度が得られることが確認された。
実施例B
以下の各成分を表3の処方割合で秤量し、実施例Aと同様の方法によって錠剤を作製した。
Figure 2021104941
なお、比較例として、同じ処方で、以下のように、湿式造粒法によって錠剤を作成した。
原薬及び添加剤を秤量し、乳鉢に入れた。結合液に関しては別途、ヒドロキシプロピルセルロースを精製水で10質量%の濃度になるように調製した。次に、10質量%のヒドロキシプロピルセルロース水溶液を加えながら乳鉢混合し、棚乾燥にて35℃で72時間乾燥した。乾燥物を750μmの篩で篩過し、整粒を行った。整粒粉末にステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、小型ロータリー打錠機(Dott Bonapace、形式CPR-18 B-10)にて、打錠圧6kN〜8kNで打錠して錠剤を得た。
また、参考例として、市販の製剤(ノベルジン錠25mg、ノーベルファーマ製、フィルムコート錠)を準備した。
実施例B及び比較例の錠剤、さらに、市販品であるノベルジン錠25mgの溶出率を測定した。その結果を表4及び図2に示す。
Figure 2021104941
溶出率の測定は、日本薬局方一般試験法・溶出試験法パドル法に準じて、試験液として水(900mL)を用い、パドル法(50rpm)で行なった。各時間での試験液を、紫外可視吸光度測定法(波長600nmにおける吸光度AT(n)及びASを測定)により測定し、薬効成分の溶出率を算出した。
この結果、直打法によって得られた錠剤である本願発明の素錠は、市販品のフィルムコート錠と略同等の溶出結果を示した。
一方、溶媒添加及び乾燥時の昇温工程を経て、湿式造粒法を利用して得られた錠剤では、溶出率の低下が、認められた。
本発明の錠剤は、適度な錠剤硬度及び良好な薬物溶出性を有し、高い含有量にもかかわらず、安定した薬効成分を含有することが確認された。

Claims (9)

  1. 薬効成分と、結晶セルロースと、0.5質量%以下のステアリン酸マグネシウムとを含有する薬物高含有量錠剤であって、
    前記薬効成分の含有量が、錠剤質量の少なくとも60%以上を占めることを特徴とする薬物高含有量錠剤。
  2. 前記薬効成分が、水和物の化合物である請求項1に記載の錠剤。
  3. 前記結晶セルロースが、0.13g/cm3〜0.35g/cm3の嵩密度を有する請求項1又は2に記載の錠剤。
  4. 前記ステアリン酸マグネシウムが、0.1質量%〜0.5質量%で含有されている請求項1〜3のいずれか1つに記載の錠剤。
  5. さらにフィルムコーティングで被覆されている請求項1〜4のいずれか1つに記載の錠剤。
  6. トウモロコシデンプン、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、タルク、ヒプロメロース、酸化チタン及びマクロゴールからなる群から選ばれる1以上の成分がさらに含有されている請求項1〜5のいずれか1つに記載の錠剤。
  7. 前記薬効成分が、酢酸亜鉛水和物である請求項1〜6のいずれか1つに記載の錠剤。
  8. 60質量%以上の薬効成分と、結晶セルロースと、0.5質量%以下のステアリン酸マグネシウムとを含有する薬物高含有量錠剤の製造方法であって、
    溶媒添加及び昇温の工程を経ることなく、直打法で錠剤を形成する薬物高含有量錠剤の製造方法。
  9. 前記薬効成分が、酢酸亜鉛水和物である請求項8に記載の錠剤の製造方法。
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