JP2021104563A - スペーサ押さえ治具 - Google Patents

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【課題】スペーサに通されたねじを取り外す際にスペーサがねじに追従して移動するのを抑制可能なスペーサ押さえ治具を提供する。【解決手段】スペーサ押さえ治具は、加圧部、ばね部及び可動部を有する。加圧部は、内腔を有し、内腔にドライバーの本体が通されてドライバーの先端部がねじの頭部に接触する状態とされた際に、一端がねじの頭部の周囲においてブッシュ部に当接するように構成される。ばね部は、弾性変形させると、当該弾性変形に伴って生じる弾性力で加圧部をブッシュ部側に向かって付勢するように構成される。可動部は、外力を加えると、加圧部に対して相対的に変位して、ばね部を弾性変形させるように構成される。【選択図】図1

Description

本開示は、スペーサ押さえ治具に関する。
筒状に構成された本体部の一端にブッシュ部が設けられたプリント基板取付用スペーサが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
実開昭57−157195号公報
例えばメンテナンス作業において、スペーサに通されたねじをドライバーで回して取り外そうとする際、ねじの頭部がブッシュ部に食い込んだ状態にあると、ねじとスペーサが一体的に回転することがある。この場合、例えば、ねじがシャーシのねじ穴に螺合していると、ねじが緩んで軸方向へ移動する際に、スペーサもねじに追従して軸方向へ移動する。その結果、シャーシから離れる方向へ移動するスペーサによってプリント基板が押圧されるため、プリント基板に余計な負荷がかかるおそれがある。
本開示の一局面においては、スペーサに通されたねじを取り外す際にスペーサがねじに追従して移動するのを抑制可能なスペーサ押さえ治具を提供することが望ましい。
本開示の一局面におけるスペーサ押さえ治具は、第1部材、第2部材、スペーサ及びねじを有する構造物からドライバーを使ってねじを取り外す際に、スペーサの変位を抑制するために使用されるスペーサ押さえ治具である。
第2部材は貫通孔を有する。スペーサは、第1部材と第2部材との間に挟み込まれて第1部材と第2部材との間に空隙を確保する本体部と、貫通孔内へ挿し込まれるブッシュ部とを有し、ブッシュ部及び本体部を貫通する位置には、ねじの軸部が通される挿通穴が設けられている。ねじの軸部は、挿通穴へブッシュ部側の開口から挿し込まれて当該軸部の一部が本体部側の開口から突出し、その突出部分が第1部材に設けられた取付孔に螺合するか当該取付孔を挟んでスペーサとは反対側に配置されたナットと螺合することにより、スペーサが第1部材に対して固定されている。ブッシュ部が貫通孔内へ挿し込まれることにより、第2部材がスペーサに対して固定されている。
スペーサ押さえ治具は、加圧部、ばね部及び可動部を有する。加圧部は、内腔を有し、内腔にドライバーの本体が通されてドライバーの先端部がねじの頭部に接触する状態とされた際に、一端がねじの頭部の周囲においてブッシュ部に当接するように構成される。ばね部は、弾性変形させると、当該弾性変形に伴って生じる弾性力で加圧部をブッシュ部側に向かって付勢するように構成される。可動部は、外力を加えると、加圧部に対して相対的に変位して、ばね部を弾性変形させるように構成される。
このように構成されたスペーサ押さえ治具によれば、可動部に外力を加えてばね部を弾性変形させると、ばね部によって加圧部がブッシュ部側に向かって付勢される。加圧部の内腔にはドライバーの本体が通されてドライバーの先端部をねじの頭部に接触させることができる。この状態で、加圧部の一端は、ねじの頭部の周囲においてブッシュ部に当接して、ブッシュ部を押圧する。そのため、この状態でドライバーを使ってねじを回せば、ブッシュ部がねじに追従する方向へ移動するのを抑制できる。したがって、第1部材から離れる方向へねじが移動しても、スペーサが第1部材から離れる方向へ移動するのを抑制でき、第2部材に余計な負荷がかかるのを抑制することができる。
なお、本開示のスペーサ押さえ治具は、以下のような構成を備えていてもよい。
(A)可動部は、ドライバーの先端部がねじの頭部に接触する状態とされた際に、可動部の一端に接触するドライバーの握り部から外力を受けるように構成されていてもよい。
(B)可動部は、ドライバーの先端部がねじの頭部に接触する状態で、可動部を把持した作業者が可動部に対して加える外力を受けるように構成されていてもよい。
(C)加圧部及び可動部は、双方とも筒状に構成されて、いずれか一方の一部が他方の内周側に挿入されている状態を維持可能な範囲内で相対的に変位するように構成されていてもよい。
図1Aは第1実施形態のスペーサ押さえ治具の正面図である。図1Bは図1A中にIB−IB線で示した箇所の断面図である。 図2Aは第1部材、第2部材、スペーサ及びねじを有する構造物の正面図である。図2Bは図2A中にIIC−IIC線で示した箇所の断面図である。 図3Aは第1実施形態のスペーサ押さえ治具の使用方法を説明するための第1の説明図である。図3Bは第1実施形態のスペーサ押さえ治具の使用方法を説明するための第2の説明図である。図3Cは第1実施形態のスペーサ押さえ治具の使用方法を説明するための第3の説明図である。 図4Aは第2実施形態のスペーサ押さえ治具の正面図である。図4Bは図4A中にIVB−IVB線で示した箇所の断面図である。 図5Aは第2実施形態のスペーサ押さえ治具の使用方法を説明するための第1の説明図である。図5Bは第2実施形態のスペーサ押さえ治具の使用方法を説明するための第2の説明図である。図5Cは第2実施形態のスペーサ押さえ治具の使用方法を説明するための第3の説明図である。
次に、上述のスペーサ押さえ治具について、例示的な実施形態を挙げて説明する。
[第1実施形態]
図1A及び図1Bに示すスペーサ押さえ治具1は、図2A及び図2Bに示すような、第1部材51(本実施形態では一例として板金を例示。)、第2部材52(本実施形態では一例として電子回路基板を例示。)、スペーサ53及びねじ54を有する構造物から、ねじ54を取り外す際に使用される治具である。
スペーサ53は、本体部531及びブッシュ部532を有する。本体部531及びブッシュ部532は、樹脂材料によって一体成形されている。本体部531は、第1部材51と第2部材52との間に挟み込まれて第1部材51と第2部材52との間に空隙を確保する部分である。ブッシュ部532は、第2部材52に設けられた貫通孔内へ挿し込まれる部分である。ブッシュ部532の外周には複数の抜止凸部533が設けられている。抜止凸部533は、第2部材52に引っ掛かることにより、ブッシュ部532が第2部材52の貫通穴から抜けるのを抑制している。
ブッシュ部532及び本体部531を貫通する位置には、ねじ54の軸部が通される挿通穴が設けられている。ねじ54の軸部は、挿通穴へブッシュ部532側の開口から挿し込まれて当該軸部の一部が本体部531側の開口から突出し、その突出部分が第1部材51に設けられた取付孔に螺合している。なお、ねじ54の軸部は、取付孔を挟んでスペーサ53とは反対側に配置されたナットと螺合するように構成されていてもよい。
スペーサ押さえ治具1は、図1A及び図1Bに示すように、加圧部11、ばね部13及び可動部15を有する。本実施形態の場合、可動部15は、2つの部品151,152で構成されている。加圧部11及び可動部15は、双方とも筒状に構成されている。加圧部11の上部は可動部15の下部内周側に挿入され、この状態を維持したまま、加圧部11及び可動部15は軸方向(図1B中に示す中心線A1に沿う方向。)へ相対的に変位可能に構成されている。可動部15を加圧部11に対して相対的に図中でいう下方へと変位させると、ばね部13は加圧部11と可動部15との間で圧縮されて弾性変形する。
次に、スペーサ押さえ治具1の使用方法について説明する。スペーサ押さえ治具1を使用する際には、図3Aに示すように、加圧部11の下端がねじ54の頭部の周囲においてブッシュ部532に当接するような位置にスペーサ押さえ治具1が配置される。また、加圧部11の内腔にはドライバー61の本体611が通される。図3Aに示す状態では、可動部15の下端は位置L1にあり、この状態では、ドライバー61の先端部612はねじ54の上端がある位置S1よりも上方にある。
ドライバー61を操作する作業者がドライバー61の握り部613を持ってドライバー61をねじ54側へと押しつけると、ドライバー61の握り部613は可動部15の上端を押圧し、可動部15は下方へと変位する。可動部15は、ドライバー61の先端部612がねじ54の頭部に接触する状態となるまで変位して、図3Bに示す状態になる。可動部15の変位量を可動部15の下端で見ると、可動部15の下端は位置L1から位置L2まで変位する。
可動部15が図3Bに示す位置に変位すると、加圧部11と可動部15との間でばね部13が圧縮されて弾性変形する。ばね部13には弾性力が生じ、加圧部11を下方へと押圧する。これにより、加圧部11の下端は、ねじ54の頭部の周囲においてスペーサ53(より詳しくはブッシュ部532。)を押圧する状態になる。
この状態において、作業者がドライバー61を回してねじ54を緩めると、ねじ54は第1部材51から外れる方向(図中でいう上方。)へ移動し、例えば図3Cに示すような位置まで変位する。ねじ54の変位量をねじ54の上端で見ると、ねじ54の上端は位置S1から位置S2まで上昇する。このとき、ドライバー61はねじ54とともに上昇し、ドライバー61の握り部613も上昇する。ドライバー61の握り部613が上昇すると、ばね部13によって上向きに付勢されている可動部15も上昇する。可動部15の変位量を可動部15の上端で見ると、可動部15の上端は位置U1から位置U2まで変位する。
可動部15の上端が位置U1から位置U2まで変位するまでの期間は、ばね部13が圧縮された状態にあり、加圧部11の下端でスペーサ53の上端を押圧する状態が維持される。そのため、ねじ54が上方へと変位しても、スペーサ53がねじ54に追従して上昇するのを抑制することができる。したがって、第1部材51から離れる方向へねじ54が移動しても、スペーサ53が第1部材51から離れる方向へ移動するのを抑制でき、第2部材52に余計な負荷がかかるのを抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態との相違点を中心に詳述する。第1実施形態と第2実施形態とで機能的に対応する構成要素には、共通の符号を伏すことにして、その詳細な説明を省略する。
図4A及び図4Bに示すスペーサ押さえ治具2は、図4A及び図4Bに示すように、加圧部11、ばね部13及び可動部15を有する。本実施形態の場合、加圧部11は、3つの部品111,112,113で構成されている。加圧部11は上下両端間にある部分が可動部15の内周側に挿入され、この状態を維持したまま、加圧部11及び可動部15は軸方向(図4B中に示す中心線A2に沿う方向。)へ相対的に変位可能に構成されている。可動部15を加圧部11に対して相対的に図中でいう下方へと変位させると、ばね部13は加圧部11と可動部15との間で圧縮されて弾性変形する。
次に、スペーサ押さえ治具2の使用方法について説明する。スペーサ押さえ治具2を使用する際には、図5Aに示すように、加圧部11の下端がねじ54の頭部の周囲においてブッシュ部532に当接するような位置にスペーサ押さえ治具2が配置される。また、加圧部11の内腔にはドライバー61の本体611が通される。図5Aに示す状態では、可動部15の下端は位置L3にあり、この状態では、ドライバー61の先端部612はねじ54の上端がある位置S3よりも上方にある。
第2実施形態の場合、作業者は可動部15を持って可動部15をねじ54側へと押しつける。これにより、可動部15は、例えば図5Bに示す位置へと変位する。可動部15の変位量を可動部15の下端で見ると、可動部15の下端は位置L3から位置L4まで変位する。
可動部15が図5Bに示す位置に変位すると、加圧部11と可動部15との間でばね部13が圧縮されて弾性変形する。ばね部13には弾性力が生じ、加圧部11を下方へと押圧する。これにより、加圧部11の下端は、ねじ54の頭部の周囲においてスペーサ53(より詳しくはブッシュ部532。)を押圧する状態になる。
この状態において、作業者がドライバー61を回してねじ54を緩めると、ねじ54は第1部材51から外れる方向(図中でいう上方。)へ移動し、例えば図5Cに示すような位置まで変位する。ねじ54の変位量をねじ54の上端で見ると、ねじ54の上端は位置S3から位置S4まで上昇する。このとき、ドライバー61はねじ54とともに上昇し、ドライバー61の握り部613も上昇する。ただし、第2実施形態の場合は、作業者が可動部15を下方へと変位させているので、第1実施形態とは異なり、ドライバー61の握り部613が上昇しても、可動部15が変位することはない。
作業者が可動部15を下方へと変位させている間は、ばね部13が圧縮された状態にあり、加圧部11の下端でスペーサ53の上端を押圧する状態が維持される。そのため、ねじ54が上方へと変位しても、スペーサ53がねじ54に追従して上昇するのを抑制することができる。したがって、第1部材51から離れる方向へねじ54が移動しても、スペーサ53が第1部材51から離れる方向へ移動するのを抑制でき、第2部材52に余計な負荷がかかるのを抑制することができる。
[他の実施形態]
以上、スペーサ押さえ治具について、例示的な実施形態を挙げて説明したが、上述の実施形態は本開示の一態様として例示されるものにすぎない。すなわち、本開示は、上述の例示的な実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、第1部材の一例として板金を例示し、第2部材の一例として電子回路基板を例示したが、第1部材が電子回路基板で、第2部材が板金であってもよい。また、第1部材及び第2部材の双方が電子回路基板であってもよいし、第1部材及び第2部材の双方が板金であってもよい。あるいは、第1部材及び第2部材の双方又はいずれか一方が板金及び電子回路基板以外の部材であってもよい。
なお、上記実施形態で例示した1つの構成要素によって実現される複数の機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した1つの構成要素によって実現される1つの機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した複数の構成要素によって実現される複数の機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。上記実施形態で例示した構成の一部を省略してもよい。上記実施形態のうち、1つの実施形態で例示した構成の少なくとも一部を、当該1つの実施形態以外の上記実施形態で例示した構成に対して付加又は置換してもよい。
1,2…スペーサ押さえ治具、11…加圧部、13…ばね部、15…可動部、51…第1部材、52…第2部材、53…スペーサ、531…本体部、532…ブッシュ部、533…抜止凸部、54…ねじ、61…ドライバー、611…本体、612…先端部、613…握り部。

Claims (4)

  1. 第1部材、第2部材、スペーサ及びねじを有する構造物からドライバーを使って前記ねじを取り外す際に、前記スペーサの変位を抑制するために使用されるスペーサ押さえ治具であって、
    前記第2部材は貫通孔を有し、前記スペーサは、前記第1部材と前記第2部材との間に挟み込まれて前記第1部材と前記第2部材との間に空隙を確保する本体部と、前記貫通孔内へ挿し込まれるブッシュ部とを有し、前記ブッシュ部及び前記本体部を貫通する位置には、前記ねじの軸部が通される挿通穴が設けられ、前記ねじの軸部は、前記挿通穴へ前記ブッシュ部側の開口から挿し込まれて当該軸部の一部が前記本体部側の開口から突出し、その突出部分が前記第1部材に設けられた取付孔に螺合するか当該取付孔を挟んで前記スペーサとは反対側に配置されたナットと螺合することにより、前記スペーサが前記第1部材に対して固定され、前記ブッシュ部が前記貫通孔内へ挿し込まれることにより、前記第2部材が前記スペーサに対して固定されており、
    前記スペーサ押さえ治具は、加圧部、ばね部及び可動部を有し、
    前記加圧部は、内腔を有し、前記内腔に前記ドライバーの本体が通されて前記ドライバーの先端部が前記ねじの頭部に接触する状態とされた際に、一端が前記ねじの頭部の周囲において前記ブッシュ部に当接するように構成され、
    前記ばね部は、弾性変形させると、当該弾性変形に伴って生じる弾性力で前記加圧部を前記ブッシュ部側に向かって付勢するように構成され、
    前記可動部は、外力を加えると、前記加圧部に対して相対的に変位して、前記ばね部を弾性変形させるように構成される、
    スペーサ押さえ治具。
  2. 請求項1に記載のスペーサ押さえ治具であって、
    前記可動部は、前記ドライバーの先端部が前記ねじの頭部に接触する状態とされた際に、前記可動部の一端に接触する前記ドライバーの握り部から前記外力を受けるように構成されている、
    スペーサ押さえ治具。
  3. 請求項1に記載のスペーサ押さえ治具であって、
    前記可動部は、前記ドライバーの先端部が前記ねじの頭部に接触する状態で、前記可動部を把持した作業者が前記可動部に対して加える前記外力を受けるように構成されている、
    スペーサ押さえ治具。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のスペーサ押さえ治具であって、
    前記加圧部及び前記可動部は、双方とも筒状に構成されて、いずれか一方の一部が他方の内周側に挿入されている状態を維持可能な範囲内で相対的に変位するように構成されている、
    スペーサ押さえ治具。
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