JP2021104492A - 有機物濃度測定方法および有機物濃度測定設備 - Google Patents

有機物濃度測定方法および有機物濃度測定設備 Download PDF

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Abstract

【課題】汚泥中に含まれる有機物濃度を短時間で自動的に測定することができる有機物濃度測定方法を提供する。【解決手段】膜分離活性汚泥法でろ過される汚泥2中に含まれる有機物濃度を測定する有機物濃度測定方法であって、汚泥2をウェッジワイヤースクリーン20でろ過して、汚泥2のMLSSを500mg/L以下に低減させるMLSS低減工程と、MLSS低減工程後の汚泥2中の有機物濃度を分光光度計13を用いて測定する測定工程とを有するものである。【選択図】図1

Description

本発明は、膜分離活性汚泥法でろ過される汚泥中に含まれる有機物濃度を測定する有機物濃度測定方法および有機物濃度測定設備に関する。
従来、膜分離活性汚泥法で下水等を処理する設備では、汚泥中に含まれる溶解性有機物の濃度が膜ろ過の主要な影響因子であり、溶解性有機物の濃度が低いと、膜閉塞が発生し難く、溶解性有機物の濃度が高くなると、膜閉塞が発生し易くなる。
このため、従来、汚泥中に含まれる溶解性有機物の濃度を以下のような方法で測定している。
膜分離活性汚泥法でろ過される汚泥を膜分離槽から採取し、遠心分離機を用いて分離したり或いはフィルターを用いてろ過し、採取した汚泥中のSSを低減する。その後、採取した汚泥の有機物濃度(TOC測定,COD測定等)を測定する。
尚、下記特許文献1には、活性汚泥処理で用いられる曝気槽内の被測定液のCOD、DO等の水質を測定する水質測定装置が記載されている。
特許第4533238号
しかしながら上記の従来形式では、汚泥を膜分離槽から採取した後、採取した汚泥中のSSを低減し、汚泥の有機物濃度を測定するため、測定結果を得るまでに長時間を要し、大幅な時間遅れが生じた。これにより、有機物濃度の測定値と実際(リアルタイム)の膜分離槽内の汚泥中の有機物濃度とに食い違いが生じ、有機物濃度の測定値を膜分離装置の運転制御等に十分に反映することができないといった問題がある。
また、膜分離活性汚泥法でろ過される汚泥のMLSSは、通常、約10000mg/L程度であり、このような高いMLSSを有する汚泥の有機物濃度を自動的に測定するのは困難であった。
本発明は、汚泥中に含まれる有機物濃度を短時間で自動的に正確に測定することができる有機物濃度測定方法および有機物濃度測定設備を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明は、膜分離活性汚泥法でろ過される汚泥中に含まれる有機物濃度を測定する有機物濃度測定方法であって、
汚泥をウェッジワイヤースクリーンでろ過して、汚泥のMLSSを500mg/L以下に低減させるMLSS低減工程と、
MLSS低減工程後の汚泥中の有機物濃度を分光光度計を用いて測定する測定工程とを有するものである。
これによると、MLSS低減工程において、汚泥のMLSSを500mg/L以下に低下させているため、その後の測定工程において、分光光度計を用いて汚泥中の有機物濃度を測定する際、MLSSが分光光度計の吸光度のベースラインを押し上げることはなく、ノイズの少ない正確な測定値が得られる。これにより、汚泥中に含まれる有機物濃度を自動的に正確に測定することができる。
また、MLSS低減工程において、汚泥をウェッジワイヤースクリーンでろ過するため、測定後、ウェッジワイヤースクリーンを容易に洗浄することができる。
本第2発明における有機物濃度測定方法は、測定工程後にウェッジワイヤースクリーンを逆洗する逆洗工程を有するものである。
これによると、ウェッジワイヤースクリーンを逆洗することにより、ウェッジワイヤースクリーンの目詰まりを防止し、有機物濃度の測定精度を確保することができる。
本第3発明における有機物濃度測定方法は、ウェッジワイヤースクリーンの目開きが5〜20μmであるものである。
これによると、ウェッジワイヤースクリーンの目開きが20μmを超えると、MLSSの除去率が低下し、汚泥のMLSSを500mg/L以下に低減することが困難になる。また、ウェッジワイヤースクリーンの目開きが5μm未満であると、汚泥をウェッジワイヤースクリーンでろ過する際、大きなろ過動力が必要になる。また、ウェッジワイヤースクリーンが目詰まりし易く、ウェッジワイヤースクリーンの洗浄に手間と時間を要する。
このようなことから、ウェッジワイヤースクリーンの目開きを5〜20μmにすることで、汚泥のMLSSを500mg/L以下に低減することができるとともに、ろ過動力が小さくて済み、また、ウェッジワイヤースクリーンを短時間で洗浄することができる。
本第4発明における有機物濃度測定方法は、MLSS低減工程の所要時間を10分間以内にするものである。
これによると、時間が経過するに従って、汚泥中の微生物が有機物を捕捉又は吸着して取り込んでしまうため、MLSS低減工程に長時間を費やすと、汚泥中の有機物濃度が過少評価され、正確な有機物濃度を測定することが困難になる。このため、MLSS低減工程の所要時間を10分間以内にすることで、汚泥中の微生物に取り込まれる有機物の量が低減され、正確な有機物濃度を測定することができる。
本第5発明は、膜分離活性汚泥法でろ過される汚泥中に含まれる有機物濃度を測定する有機物濃度測定設備であって、
浸漬型膜分離装置を備えた処理槽内の汚泥をろ過して汚泥のMLSSを500mg/L以下に低減させるMLSS低減用ろ過装置と、
MLSS低減用ろ過装置でろ過された汚泥の有機物濃度を測定する分光光度計とを有しているものである。
これによると、MLSS低減用ろ過装置でろ過された汚泥のMLSSは500mg/L以下に低下しているため、MLSS低減用ろ過装置でろ過された汚泥の有機物濃度を分光光度計で測定することにより、MLSSが分光光度計の吸光度のベースラインを押し上げることはなく、ノイズの少ない正確な測定値が得られる。これにより、汚泥中に含まれる有機物濃度を自動的に正確に測定することができる。
本第6発明における有機物濃度測定設備は、MLSS低減用ろ過装置は目開きが5〜20μmであるウェッジワイヤースクリーンを有しているものである。
これによると、汚泥のMLSSを500mg/L以下に低減することができるとともに、ろ過動力が小さくて済み、また、ウェッジワイヤースクリーンを短時間で洗浄することができる。
本第7発明における有機物濃度測定設備は、MLSS低減用ろ過装置を逆洗する逆洗手段を有しているものである。
これによると、MLSS低減用ろ過装置を逆洗することにより、MLSS低減用ろ過装置の目詰まりを防止し、有機物濃度の測定精度を確保することができる。
本第8発明における有機物濃度測定設備は、分光光度計は測定される汚泥が流れるフローセルを有し、
逆洗手段はMLSS低減用ろ過装置と共に分光光度計のフローセルを逆洗するものである。
これによると、分光光度計のフローセル内の汚れが除去されるため、有機物濃度の測定精度を確保することができる。
以上のように本発明によると、汚泥中に含まれる有機物濃度を短時間で自動的に正確に測定することができる。
本発明の第1の実施の形態における有機物濃度測定方法を説明するための模式図であり、MLSS低減工程および測定工程を実施している様子を示す。 同、有機物濃度測定方法を説明するための模式図であり、逆洗工程において逆洗水を用いて逆洗している様子を示す。 同、有機物濃度測定方法を説明するための模式図であり、逆洗工程において空気を用いて逆洗している様子を示す。 同、有機物濃度測定方法を説明するための模式図であり、薬液洗浄工程を実施している様子を示す。 同、有機物濃度測定方法を説明するためのタイムテーブルである。 本発明の第2の実施の形態における有機物濃度測定方法を説明するための模式図であり、MLSS低減工程および測定工程を実施している様子を示す。 同、有機物濃度測定方法を説明するための模式図であり、逆洗工程において逆洗水を用いて逆洗している様子を示す。 同、有機物濃度測定方法を説明するための模式図であり、逆洗工程において空気を用いて逆洗している様子を示す。 同、有機物濃度測定方法を説明するための模式図であり、薬液洗浄工程を実施している様子を示す。
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図1に示すように、1は例えば下水処理場等に設置される汚泥タンク(処理槽の一例)であり、汚泥タンク1内には、汚泥2が貯留されているとともに、汚泥2を膜分離活性汚泥法でろ過するための浸漬型膜分離装置3が設置されている。尚、浸漬型膜分離装置3は、汚泥タンク1内の汚泥2に浸漬されており、ケース内に複数の平板状の膜カートリッジを収納し、膜カートリッジの下方に散気装置を備えたものである。
10は汚泥タンク1内の汚泥2中に含まれる溶解性有機物濃度を測定する有機物濃度測定設備である。有機物濃度測定設備10は、汚泥タンク1内の汚泥2をろ過して汚泥2のMLSSを500mg/L以下に低減させるMLSS低減用ろ過装置12と、MLSS低減用ろ過装置12でろ過された汚泥2の有機物濃度を測定する紫外可視分光光度計13と、逆洗手段14とを有している。
MLSS低減用ろ過装置12は、ハウジング19と、ハウジング19内に設けられた円筒状のスクリーンカートリッジ20とを有している。スクリーンカートリッジ20は目開きが5〜20μmのウェッジワイヤースクリーンを有している。尚、浸漬型膜分離装置3の膜カートリッジの膜シートの平均孔径は、スクリーンカートリッジ20の目開きよりも小さく、例えば約0.2μm程度である。
また、ハウジング19は、汚泥2が流入する流入口21と、スクリーンカートリッジ20を一次側(原液側)から二次側(ろ液側)へ通過した汚泥2(ろ過後の汚泥2)が流出する流出口22とを有している。
紫外可視分光光度計13は、測定対象である汚泥2が流れるフローセル23と、フローセル23内を流れる汚泥2に測定用の光26を照射するする光源24と、フローセル23内の汚泥2を透過した光27を受ける受光素子25等を有している。
汚泥タンク1とMLSS低減用ろ過装置12の流入口21との間には第1測定用流路28が設けられている。第1測定用流路28には、汚泥タンク1内の汚泥2をMLSS低減用ろ過装置12に送る第1ポンプ29と、第1測定用流路28を開閉する第1弁30とが設けられている。
MLSS低減用ろ過装置12の流出口22と紫外可視分光光度計13のフローセル23の入口との間には第2測定用流路32が設けられている。第2測定用流路32には、第2測定用流路32を開閉する第2弁33が設けられている。
また、紫外可視分光光度計13のフローセル23の出口と汚泥タンク1との間には第3戻り用流路35が設けられている。第3戻り用流路35には、第3戻り用流路35を開閉する第3弁36が設けられている。
図2〜図4に示すように、逆洗手段14は、洗浄水38を用いてMLSS低減用ろ過装置12のスクリーンカートリッジ20および紫外可視分光光度計13のフローセル23を逆洗する第1逆洗手段41と、空気39を用いてMLSS低減用ろ過装置12のスクリーンカートリッジ20を逆洗する第2逆洗手段42とを有している。
第1逆洗手段41は、洗浄水38を貯留する水タンク45と、洗浄用の薬液46(例えば、次亜塩素酸等)を貯留する薬液タンク47と、第3戻り用流路35に接続された第1逆洗用流路49と、第1逆洗用流路49から分岐して水タンク45に接続された水供給用流路50と、第1逆洗用流路49から分岐して薬液タンク47に接続された薬液供給用流路51と、第1逆洗用流路49に設けられた第2ポンプ52と、水供給用流路50に設けられた第4弁53と、薬液供給用流路51に設けられた第5弁54と、第1測定用流路28の途中から分岐して汚泥タンク1に接続される逆洗排出用流路55と、逆洗排出用流路55に設けられた第6弁56とを有している。
第2逆洗手段42は、エアコンプレッサー58と、エアコンプレッサー58と第2測定用流路32の途中とに接続された第2逆洗用流路59と、第2逆洗用流路59に設けられた第7弁60とを有している。
尚、第1および第2ポンプ29,52とエアコンプレッサー58と紫外可視分光光度計13との作動および作動停止ならびに各弁30,33,36,53,54,56,60の開閉等は、制御装置(図示省略)によって自動的に切り換えられる。
尚、各弁30,33,36,53,54,56,60については、白抜きで図示したものが開、黒塗りで図示したものが閉の状態を示す。
以下に、有機物濃度測定設備10を用いて汚泥タンク1内の汚泥2中に含まれる溶解性有機物濃度を測定する測定方法について説明する。
測定方法は、汚泥タンク1内の汚泥2をMLSS低減用ろ過装置12でろ過して、汚泥2のMLSSを500mg/L以下に低減させるMLSS低減工程Aと、MLSS低減工程A後の汚泥2中の溶解性有機物濃度を紫外可視分光光度計13を用いて測定する測定工程Bと、測定工程B後にMLSS低減用ろ過装置12を逆洗する逆洗工程Cとを有している。
すなわち、先ず、MLSS低減工程Aにおいては、図1に示すように、第1〜第3弁30,33,36を開にし、第4〜第7弁53,54,56,60を閉にし、第1ポンプ29を作動させ、第2ポンプ52を停止させる。これにより、汚泥タンク1内の汚泥2が、第1測定用流路28を通ってMLSS低減用ろ過装置12に供給され、MLSS低減用ろ過装置12のスクリーンカートリッジ20でろ過され、汚泥2のMLSSが500mg/L以下に低減される。
このようにしてMLSSが500mg/L以下に低減した汚泥2はMLSS低減用ろ過装置12から第2測定用流路32を通って紫外可視分光光度計13のフローセル23に供給される。尚、上記のようにMLSSが500mg/L以下に低減した場合、MLSS除去率が95%以上になる。
次に、測定工程Bにおいては、紫外可視分光光度計13のフローセル23内を流れている汚泥2に対して、光源24から測定用の光26を照射し、フローセル23内の汚泥2を透過した光27を受光素子25で受けることにより、汚泥2中に含まれる溶解性有機物濃度を測定する。尚、フローセル23から排出された汚泥2は第3戻り用流路35を通って汚泥タンク1内に戻される。
その後、逆洗工程Cにおいては、先ず、図2に示すように、第1ポンプ29を停止させ、第1,第3,第5,第7弁30,36,54,60を閉にし、第2,第4,第6弁33,53,56を開にし、第2ポンプ52を作動させる。
これにより、水タンク45内の洗浄水38が、水供給用流路50と第1逆洗用流路49と第3戻り用流路35とを通って、紫外可視分光光度計13のフローセル23内を逆流し、さらに、フローセル23内から第2測定用流路32を通り、流出口22からMLSS低減用ろ過装置12内に供給され、スクリーンカートリッジ20を二次側から一次側へ逆流し、MLSS低減用ろ過装置12の流入口21から排出され、逆洗排出用流路55を通って汚泥タンク1内に排出される。
これにより、紫外可視分光光度計13のフローセル23とMLSS低減用ろ過装置12のスクリーンカートリッジ20とが共に洗浄水38で逆洗される。
次に、図3に示すように、第1および第2ポンプ29,52を停止させ、第1〜第5弁30,33,36,53,54を閉にし、第6および第7弁56,60を開にし、エアコンプレッサー58を作動させる。
これにより、圧縮空気39が、エアコンプレッサー58から第2逆洗用流路59を通り、流出口22からMLSS低減用ろ過装置12内に供給され、スクリーンカートリッジ20を二次側から一次側へ逆流し、MLSS低減用ろ過装置12の流入口21から排出され、逆洗排出用流路55を通って汚泥タンク1内に排出される。
これにより、MLSS低減用ろ過装置12のスクリーンカートリッジ20が圧縮空気39で逆洗される。
上記のようなMLSS低減工程Aと測定工程Bと逆洗工程Cとを間欠的に(例えば1時間に1回の頻度で)繰り返して汚泥2中の溶解性有機物濃度を測定する。すなわち、図5に示すように、MLSS低減工程Aと測定工程Bと逆洗工程Cとを実施した後、第1および第2ポンプ29,52とエアコンプレッサー58と紫外可視分光光度計13とを停止して有機物濃度の測定を停止し、このような測定停止状態で所定時間63が経過した後、再びMLSS低減工程Aと測定工程Bと逆洗工程Cとを実施することを繰り返す。
この際、MLSS低減工程Aの所要時間を10分間以内にするのが好ましい。これは、汚泥タンク1内の汚泥2がMLSS低減用ろ過装置12を経て紫外可視分光光度計13に達するまで(紫外可視分光光度計13で測定されるまで)の時間を10分間以内にするということである。
以上のような測定方法によると、MLSS低減工程Aにおいて、汚泥2のMLSSを500mg/L以下に低下させているため、その後の測定工程Bにおいて、紫外可視分光光度計13を用いて汚泥2中の有機物濃度を測定する際、MLSSが紫外可視分光光度計13の吸光度のベースラインを押し上げることはなく、ノイズの少ない正確な測定値が得られる。これにより、汚泥2中に含まれる有機物濃度を自動的に正確に測定することができる。
また、MLSS低減用ろ過装置12のスクリーンカートリッジ20のウェッジワイヤースクリーンの目開きが20μmを超えると、MLSSの除去率が低下し、汚泥2のMLSSを500mg/L以下に低減することが困難になる。また、ウェッジワイヤースクリーンの目開きが5μm未満であると、汚泥2をスクリーンカートリッジ20でろ過する際、大きなろ過動力が必要になる。また、スクリーンカートリッジ20が目詰まりし易く、スクリーンカートリッジ20の洗浄に手間と時間を要する。
このようなことから、ウェッジワイヤースクリーンの目開きを5〜20μmにすることで、汚泥2のMLSSを500mg/L以下に低減することができるとともに、ろ過動力が小さくて済み、また、ウェッジワイヤースクリーンを短時間で洗浄することができる。
また、時間が経過するに従って、汚泥2中の微生物が有機物を捕捉又は吸着して取り込んでしまうため、MLSS低減工程Aに長時間を費やすと、汚泥2中の有機物濃度が過少評価され、正確な有機物濃度を測定することが困難になる。このため、MLSS低減工程Aの所要時間を10分間以内にすることで、汚泥2中の微生物に取り込まれる有機物の量が低減され、正確な有機物濃度を測定することができる。
また、逆洗工程Cにおいて、紫外可視分光光度計13のフローセル23とMLSS低減用ろ過装置12のスクリーンカートリッジ20とが共に逆洗されるため、フローセル23内の汚れ(し渣等)が除去されると共に、スクリーンカートリッジ20の目詰まりが防止され、有機物濃度の測定精度を確保することができる。
また、図4に示すように、薬液タンク47内の薬液46を用いて、以下のような薬液洗浄工程Dを行うことができる。
すなわち、第1ポンプ29を停止させ、第1,第3,第4,第7弁30,36,53,60を閉にし、第2,第5,第6弁33,54,56を開にし、第2ポンプ52を作動させる。
これにより、薬液タンク47内の薬液46が、薬液供給用流路51と第1逆洗用流路49と第3戻り用流路35とを通って、紫外可視分光光度計13のフローセル23内を逆流し、さらに、フローセル23内から第2測定用流路32を通り、流出口22からMLSS低減用ろ過装置12内に供給され、スクリーンカートリッジ20を二次側から一次側へ逆流し、MLSS低減用ろ過装置12の流入口21から排出され、逆洗排出用流路55を通って汚泥タンク1内に排出される。
これにより、紫外可視分光光度計13のフローセル23とMLSS低減用ろ過装置12のスクリーンカートリッジ20とが共に薬液46で逆洗されるため、スクリーンカートリッジ20やフローセル23内に付着したバイオフィルム等の汚れを除去することができる。尚、このような薬液洗浄工程Dは、定期的(例えば1日に一回の割合)で実施され、例えば、図5に示すように、いずれかの逆洗工程Cの代わりに薬液洗浄工程Dを行ってもよい。
上記第1の実施の形態では、逆洗工程Cにおいて、先ず、図2に示すように洗浄水38を用いてMLSS低減用ろ過装置12を逆洗し、次に、図3に示すように空気39を用いてMLSS低減用ろ過装置12を逆洗しているが、洗浄水38と空気39とを同時にMLSS低減用ろ過装置12に供給し、洗浄水38と空気39との混合流体を用いてMLSS低減用ろ過装置12を逆洗してもよい。
(第2の実施の形態)
以下に、第2の実施の形態について説明する。尚、先述した第1の実施の形態と同じ部材については同一の符号を付記して、詳細な説明を省略する。
第2の実施の形態では、図6に示すように、MLSS低減用ろ過装置12はハウジング19を備えておらず、スクリーンカートリッジ20が汚泥タンク1内の汚泥2中に浸漬されている。
スクリーンカートリッジ20の二次側には流出口22が形成されており、第2測定用流路32がスクリーンカートリッジ20の流出口22と紫外可視分光光度計13のフローセル23の入口との間に設けられている。第2測定用流路32には、MLSS低減用ろ過装置12のスクリーンカートリッジ20でろ過された汚泥2を紫外可視分光光度計13に送る第1ポンプ29と、第2測定用流路32を開閉する第2弁33とが設けられている。
以下に、有機物濃度測定設備10を用いて汚泥タンク1内の汚泥2中に含まれる溶解性有機物濃度を測定する測定方法について説明する。
先ず、MLSS低減工程Aにおいては、図6に示すように、第2および第3弁33,36を開にし、第4,第5,第7弁53,54,60を閉にし、第1ポンプ29を作動させ、第2ポンプ52を停止させる。これにより、汚泥タンク1内の汚泥2が、MLSS低減用ろ過装置12のスクリーンカートリッジ20でろ過され、スクリーンカートリッジ20の流出口22から第2測定用流路32を通って紫外可視分光光度計13のフローセル23に供給される。
次に、測定工程Bにおいては、紫外可視分光光度計13のフローセル23内を流れている汚泥2に対して、光源24から測定用の光26を照射し、フローセル23内の汚泥2を透過した光27を受光素子25で受けることにより、汚泥2中に含まれる溶解性有機物濃度を測定する。尚、フローセル23から排出された汚泥2は第3戻り用流路35を通って汚泥タンク1内に戻される。
その後、逆洗工程Cにおいては、先ず、図7に示すように、第1ポンプ29を停止させ、第3,第5,第7弁36,54,60を閉にし、第2,第4弁33,53を開にし、第2ポンプ52を作動させる。
これにより、水タンク45内の洗浄水38が、水供給用流路50と第1逆洗用流路49と第3戻り用流路35とを通って、紫外可視分光光度計13のフローセル23内を逆流し、さらに、フローセル23内から第2測定用流路32を通り、MLSS低減用ろ過装置12の流出口22からスクリーンカートリッジ20の二次側に供給され、スクリーンカートリッジ20を二次側から一次側へ逆流し、スクリーンカートリッジ20内から汚泥タンク1内に排出される。
これにより、紫外可視分光光度計13のフローセル23とMLSS低減用ろ過装置12のスクリーンカートリッジ20とが共に洗浄水38で逆洗される。
次に、図8に示すように、第1および第2ポンプ29,52を停止させ、第2〜第5弁33,36,53,54を閉にし、第7弁60を開にし、エアコンプレッサー58を作動させる。
これにより、圧縮空気39が、エアコンプレッサー58から第2逆洗用流路59と第2測定用流路32を通って、MLSS低減用ろ過装置12の流出口22からスクリーンカートリッジ20の二次側に供給され、スクリーンカートリッジ20を二次側から一次側へ逆流し、スクリーンカートリッジ20内から汚泥タンク1内に排出される。
これにより、MLSS低減用ろ過装置12のスクリーンカートリッジ20が圧縮空気39で逆洗される。
図5に示すように、上記のようなMLSS低減工程Aと測定工程Bと逆洗工程Cとを間欠的に(例えば1時間に1回の頻度で)繰り返して汚泥2中の溶解性有機物濃度を測定する。この際、MLSS低減工程Aの所要時間を10分間以内にするのが好ましい。
以上のような測定方法によると、先述した第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
また、図9に示すように、薬液タンク47内の薬液46を用いて、以下のような薬液洗浄工程Dを行うことができる。
すなわち、第1ポンプ29を停止させ、第3,第4,第7弁36,53,60を閉にし、第2および第5弁33,54を開にし、第2ポンプ52を作動させる。
これにより、薬液タンク47内の薬液46が、薬液供給用流路51と第1逆洗用流路49と第3戻り用流路35とを通って、紫外可視分光光度計13のフローセル23内を逆流し、さらに、フローセル23内から第2測定用流路32を通り、MLSS低減用ろ過装置12の流出口22からスクリーンカートリッジ20の二次側に供給され、スクリーンカートリッジ20を二次側から一次側へ逆流し、スクリーンカートリッジ20内から汚泥タンク1内に排出される。
これにより、先述した第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
上記第2の実施の形態では、逆洗工程Cにおいて、先ず、図7に示すように洗浄水38を用いてMLSS低減用ろ過装置12を逆洗し、次に、図8に示すように空気39を用いてMLSS低減用ろ過装置12を逆洗しているが、洗浄水38と空気39とを同時にMLSS低減用ろ過装置12に供給し、洗浄水38と空気39との混合流体を用いてMLSS低減用ろ過装置12を逆洗してもよい。
1 汚泥タンク(処理槽)
2 汚泥
3 浸漬型膜分離装置
10 有機物濃度測定設備
12 MLSS低減用ろ過装置
13 紫外可視分光光度計(分光光度計)
14 逆洗手段
20 スクリーンカートリッジ
23 フローセル
A MLSS低減工程
B 測定工程
C 逆洗工程

Claims (8)

  1. 膜分離活性汚泥法でろ過される汚泥中に含まれる有機物濃度を測定する有機物濃度測定方法であって、
    汚泥をウェッジワイヤースクリーンでろ過して、汚泥のMLSSを500mg/L以下に低減させるMLSS低減工程と、
    MLSS低減工程後の汚泥中の有機物濃度を分光光度計を用いて測定する測定工程とを有することを特徴とする有機物濃度測定方法。
  2. 測定工程後にウェッジワイヤースクリーンを逆洗する逆洗工程を有することを特徴とする請求項1に記載の有機物濃度測定方法。
  3. ウェッジワイヤースクリーンの目開きが5〜20μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機物濃度測定方法。
  4. MLSS低減工程の所要時間を10分間以内にすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の有機物濃度測定方法。
  5. 膜分離活性汚泥法でろ過される汚泥中に含まれる有機物濃度を測定する有機物濃度測定設備であって、
    浸漬型膜分離装置を備えた処理槽内の汚泥をろ過して汚泥のMLSSを500mg/L以下に低減させるMLSS低減用ろ過装置と、
    MLSS低減用ろ過装置でろ過された汚泥の有機物濃度を測定する分光光度計とを有していることを特徴とする有機物濃度測定設備。
  6. MLSS低減用ろ過装置は目開きが5〜20μmであるウェッジワイヤースクリーンを有していることを特徴とする請求項5に記載の有機物濃度測定設備。
  7. MLSS低減用ろ過装置を逆洗する逆洗手段を有していることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の有機物濃度測定設備。
  8. 分光光度計は測定される汚泥が流れるフローセルを有し、
    逆洗手段はMLSS低減用ろ過装置と共に分光光度計のフローセルを逆洗することを特徴とする請求項7に記載の有機物濃度測定設備。
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