JP2006212470A - 溶解性有機物含有液の処理方法および処理装置 - Google Patents

溶解性有機物含有液の処理方法および処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】膜透水性不良や発泡、スカムの発生、粘性増加などを防ぎつつ溶解性有機物含有液を膜分離活性汚泥処理する方法およびその処理装置を提供すること。
【解決手段】溶解性有機物含有液を膜分離活性汚泥法にて処理するに際し、汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視しながら処理を行うことを特徴とする溶解性有機物含有液の処理方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、食品工場などから排出される多糖などを含有する産業廃水や生活排水など、溶解性有機物を含有する液体を膜分離活性汚泥法により処理するにあたって好適に採用することができる溶解性有機物含有液の処理方法および処理装置に関する。
廃水などの溶解性有機物含有液の処理に適用される処理方法としては、まず従来の活性汚泥法が挙げられる。しかし、微生物や微小動物からなる活性汚泥が有機物を分解する際、その過程で生物は増殖するため活性汚泥が増加する。この汚泥は後段に備えた沈殿槽などで固液分離を行い一部は生物処理槽に返送するが、一部は余剰汚泥として処理する必要がある。この余剰汚泥は、再利用も進められているが、今なお多くが産業廃棄物となり、脱水、焼却などの前処理後、埋め立てなどで廃棄されている。しかし脱水には大きな動力を消費する脱水機や乾燥機が必要であり、焼却には大量の熱エネルギーが必要である。また埋め立て処分場所が逼迫し、規制も強化されてきて、処分費用の高騰、更には大きな環境問題となっており、余剰汚泥の有効な減容化方法の開発が緊急課題となってきた。
この解決策の例として、活性汚泥を収容した曝気槽内に膜分離装置を設け、廃水を活性汚泥で好気的に分解するとともに膜分離装置にて固液分離する方法が提案されている。このような膜分離活性汚泥法によれば、膜分離によって活性汚泥を保持することにより汚泥濃度が増加し、これにより微生物あたりのえさとなる有機物量(汚泥負荷)が減少する。汚泥負荷の減少により、微生物の自己分解が促進されるとともに微生物が増殖にふり向けるエネルギーが不足し、結果として余剰汚泥の発生が減少する効果が得られるのである。
しかしながら、余剰汚泥の排出がさらに厳しく問題とされる場合においては、膜分離活性汚泥法をもってしてもなお、単なる活性汚泥法より少ないものの余剰汚泥が発生してしまう点が課題とされる場合もある。
これを解決する手段として、膜分離活性汚泥法では上記の通り汚泥負荷が低く保たれることにより余剰汚泥の発生が低減されることを利用して、従来の膜分離活性汚泥法に比べて汚泥引き抜き量をさらに減らし、汚泥負荷をさらに低く0.15kg−BOD/kg−VSS/day未満にし、余剰汚泥をより低減もしくは基本的に発生させず、かつ処理水質も良好な処理系を構築できる可能性が考えられる。これが実現できると、従来の膜分離活性汚泥法の大きな課題の一つである余剰汚泥の発生の点において、卓越した利点を有する処理系を確立できることとなる。しかし、こうした汚泥引き抜きを抑制し汚泥負荷の低い運転を継続すると、膜透水性不良や発泡、スカムの発生、粘性増加などを伴うトラブルが発生し安定的な運転を行うことができない場合が多く、こうしたトラブルの原因は全く不明である。
一方、活性汚泥法をはじめとする溶解性有機物含有液の生物学的処理においては、不安定性を予測・把握する様々な方法が提案されており、例えば溶存酸素や酸化還元電位、pH変動などをモニタリングする方法が知られている。特に近年では、有用な微生物の生育をモニタリングしその制御の一助にすることを目的とした技術が提案されている(特許文献1)。また、同様に、トラブル原因微生物の生育をモニタリングする技術も提案されており、例えば活性汚泥法における沈降性不良現象(糸状性バルキング)の原因の一つとされる糸状性細菌(「アイケルブームタイプ021N(Eikelboom Type021N)」細菌など)をモニタリングする方法が提案されている(特許文献2)。
しかし、こうした従来の方法は溶解性有機物含有液の全ての生物学的処理方法に適用できるものではなく、特に膜分離活性汚泥法においては適切でない場合が多い。これは、特許文献2に記載の方法も含め、一般に活性汚泥法はその処理方法ゆえ、汚泥の比重低下や圧密性低下などの沈降性不良対策を重視しなければならず、その対策として各種方法が開発されてきたのに対し、膜分離活性汚泥法では活性汚泥法とは異なり前述の膜透水性不良や発泡、スカムの発生、粘性増加など別の要素が大きな問題となるからである。それにも拘わらず、膜分離活性汚泥法に適切な不安定性予測・把握方法やその制御方法は十分に確立されていない。
一方、上記の汚泥引き抜きを抑制し汚泥負荷の低い運転の場合に限らず、従来の膜分離活性汚泥法における膜透水性不良や発泡、スカムの発生、粘性増加などを伴うトラブルを回避する方法としていくつかの手法が考案されている。例えば特許文献1および特許文献2には、汚泥混合液の粘性測定結果をもとに運転制御を行う方法が示されている。しかしながら、これらに記載の方法では、粘性が上昇してから運転条件を制御する、すなわち、実際に膜透水性に影響を与えるようになってから対処することになり、後追いの対処で十分な方法とは言えず、より早い段階でトラブルの発生を検知する方法が望まれる。また、特許文献3には、汚泥濃度を低く保ち汚泥負荷を高めた運転をする際に、生物処理工程を多段にし温度制御をすることで、膜透水性悪化を防ぐ方法が記載されている。しかしながら、これでは、膜分離活性汚泥法が本来有する上述の利点を活かすことができず、根本的な解決策とはいえない。
他方、本発明者らは、膜分離活性汚泥法において、フレクトバシラス系統群細菌の状態を監視しながら処理を行う運転方法を提案した(特許文献4)。この方法を用いると、上記トラブルを引き起こす原因となる特定の微生物を監視することができるので精度が高く、フレクトバシラス系統群細菌が汚泥混合液中に分散して存在するか否かに関わらずトラブルの発生を予測・検知することができる。しかし、本発明者らのこの方法をもってしてもなお、フレクトバシラス系統群細菌以外の微生物によってトラブルが引き起こされる場合には、トラブルの発生を予測・検知するには不十分である。
こうした状況から、膜分離活性汚泥法において、とりわけ従来の膜分離活性汚泥法に比べさらに汚泥負荷を低くし、余剰汚泥の発生をより低減もしくは基本的に発生させない膜分離活性汚泥法において、早い段階でトラブルを予測・検知し不可逆的な膜透水性悪化を一時的に回避するなど対策を講ずることができる手段を開発することは急務であった。
特開平7−75782号公報 特開平9−75938号公報 特開2003−53363号公報 特開2004−306026号公報
本発明は、従来技術における上記問題点を受けてなされたものであって、その目的は、膜透水性不良や発泡、スカムの発生、粘性増加などを防ぎつつ溶解性有機物含有液を膜分離活性汚泥処理する方法およびその処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(1) 溶解性有機物含有液を膜分離活性汚泥法にて処理するに際し、汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視しながら処理を行うことを特徴とする溶解性有機物含有液の処理方法。
(2) 汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視して処理条件を制御することを特徴とする(1)に記載の溶解性有機物含有液の処理方法。
(3) BOD汚泥負荷を0.15kg−BOD/kg−VSS/day未満にして運転することを特徴とする(1)または(2)に記載の溶解性有機物含有液の処理方法。
(4) 汚泥混合液中の遠心上清液もしくはフィルター濾液に存在するCFBグループ細菌の状態を監視することによって、汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態の監視を実現する、(1)〜(3)のいずれかに記載の溶解性有機物含有液の処理方法。
(5) 溶解性有機物含有液を活性汚泥により処理する生物反応槽と、汚泥混合液中を固液分離する分離膜と、汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視する監視手段とを備えている溶解性有機物含有液の処理装置。
(6) 監視手段の結果に基づいて処理条件を制御する制御手段とを備えている(5)に記載の溶解性有機物含有液の処理装置。
(7) 生物反応槽がBOD汚泥負荷を0.15kg−BOD/kg−VSS/day未満に保つ手段を有することを特徴とする(5)または(6)に記載の溶解性有機物含有液の処理装置。
(8) 監視手段が、遠心上清液もしくはフィルター濾液に存在するCFBグループ細菌の状態を監視することによって、汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視するものである、(5)〜(7)のいずれかに記載の溶解性有機物含有液の処理装置。
本発明によれば、膜分離活性汚泥法により溶解性有機物含有液を処理する際に、汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視しながら処理を行うので、早い段階で粘性増加、膜の目詰まりなどを予測、検知することが出来る。さらには、その監視結果をもとに処理条件を制御するので、早い段階で対策を講じることができ、膜透水性不良や発泡・スカムの発生など処理安定性を損なう様々な現象の発生を一時的に回避もしくは未然に防止することが出来る。また、高い精度で簡便に汚泥の性状を解析することが出来る。
以下、本発明を詳細かつ具体的に説明する。
本発明において、膜分離活性汚泥法とは、活性汚泥中の微生物により溶解性有機物含有液中の有機物や窒素・リンなど汚濁物質の除去を行い、清澄な処理液を得るにあたって膜分離を用いる方法のことをいう。膜分離方式は、浸漬膜方式、外部膜分離方式、回転平膜方式など特に問わない。
また、本発明において、CFBグループ細菌とは、分子系統分類学的に定義された細菌の分類群であって、バクテロイデス門(phylum Bacteroidetes)に分類される細菌群をさす。細菌の分類は、「バージィズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジー(Bergey’s Manual of Systematic Bacteriology)」(ジョージ・ギャリティ(George M. Garrity)ら編、第二版、シュプリンガー・フェアラーク(Springer−Verlag)、2002年、p.119−166)に準じ、これに応じた種々の系統分類学的分類サービスを利用することができる。
そして、CFBグループ細菌の状態とは、CFBグループ細菌の存在数や濃度、優占性、特性などを指す。
ここで、汚泥混合液中に分散して存在するとは、フロック内に存在しないことを指す。フロックとは、活性汚泥中の複数の微生物が細胞外高分子などを介して互いに結合した凝集体で、長径が10μm(ただし、径を規定する際、糸状性細菌はこれに含めない)を越えるものをさす。汚泥混合液中に分散して存在する細菌には、例えば、単独で遊離して生育している細菌や、数個の細菌が連鎖している細菌(双球菌や連鎖球菌)、フロックに結合していない糸状性細菌などが含まれ、光学顕微鏡観察によって確認することができる。
本発明においては、廃水などの溶解性有機物含有液が例えば図1に示す処理装置にて処理され、最終的に得られる清澄液は、河川等にそのまま放流することができる程度にまで溶解性有機物が分解処理されている。ここで処理される溶解性有機物含有液としては産業廃水や生活排水が挙げられ、食品工場などから排出される産業廃水に対してより好適に用いることができる。また、多糖を主成分とする溶解性有機物含有廃水に対してさらに好適に用いることができる。
図1に示す処理装置は、微生物を含有する汚泥を収容した生物反応槽1と、その生物反応槽1に原液を供給する原液ポンプ4と、生物処理された処理液を固液分離する膜分離装置2と、固液分離の際に分離液を吸引する吸引ポンプ3と、生物反応槽1内の汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視する監視手段7と、監視手段7による結果に基づいて処理条件を制御する処理条件制御装置8とを備えている。膜分離装置2は、生物反応槽1内の処理液に浸漬されており、その膜分離装置2の下方には、酸素を供給し好気処理を進行させるとともに膜面の洗浄を行う、ブロワー6に接続された曝気装置5が設けられている。また、生物反応槽1の下方には、必要に応じて余剰汚泥を引き抜く汚泥引き抜きポンプ13が設置されている。
生物反応槽1には、微生物を含有する汚泥が収容されており、この微生物が、有機物の分解菌、さらにはそれら微生物の分解菌として作用し、生物処理を行う。また、汚泥に含有される微生物は、細菌類、酵母およびカビを含む真菌類など、溶解性有機物などの分解に寄与するもので、土壌、堆肥、汚泥など、自然界から集積培養及び馴養によって取得される。またこの馴養液から分解に関与する主要な微生物群を単離して用いることも可能である。
生物反応槽1には、その他、微生物の生育に必要な成分が収容されていなければならない。そのため、例えば窒素、リン、カリウム、ナトリウム、マグネシウムその他の金属塩を、原液中に既に含まれている場合を除き、生物反応槽に添加する。
そして、生物反応槽1に設けられている膜分離装置2としては、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜などを用いて形成されたモジュールを用いることができる。経済性の観点からは、ろ過速度が高くコンパクト化が可能で、メンテナンスが容易である精密ろ過膜、限外ろ過膜を用いたモジュールが好ましい。膜の形状は平膜、中空糸膜等のものが用いられる。モジュールの形態も特に限定されないが、本実施態様においては省スペース化のため浸漬型の膜モジュールを使用している。なお、浸漬型の場合は、曝気装置や撹拌装置との組合せ、配置により、ファウリング物質がうまく除去できるような形状であることが好ましい。さらに、膜分離装置2におけるろ過方法としては、クロスフロー方式や全量ろ過方式があるが、クロスフロー方式を採用すれば膜面の汚れを取りながらろ過できる。
以下、分散菌をモニタリングする方法を示す。
生物反応槽1内の汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視する監視手段7としては、汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態を効率的に監視できるものであればよく、例えば顕微鏡付属画像記録手段とその画像解析手段による自動監視手段などを用いることができ、その際には汚泥混合液に対して蛍光染色を施した上で顕微鏡観察手段を用いることもできる。
しかし、その簡便性から、まず汚泥混合液中に分散して存在する微生物を効率よく収集した試料に対して、検出を行うのが望ましい。汚泥混合液中に分散して存在する微生物を効率よく収集した試料の例としては、遠心上清液やフィルター濾液などが考えられる。これは、分散して存在する微生物の大きさは汚泥のフロックよりも小さいため、遠心分離やフィルターろ過すると、分散して存在する微生物とそれ以外の微生物とを分離することができる。具体的には、分散して存在する微生物は、遠心分離の場合は上清に、フィルターろ過の場合はろ液に得られる。遠心上清液は、例えば汚泥混合液に3000×g(約29420m/s)、3分間の遠心分離を行うことによって得られ、フィルター濾液は、例えば孔径10μmのフィルターによりろ過することによって得られる。この他にも、濾紙や不織布、ガラスフィルターによってろ過することによって得られる。具体的には、遠心分離装置やろ過ユニットなどの固液分離手段を用いればよい。
次に、CFBグループ細菌をモニタリングする方法を示す。
上記の方法等を用いて得た試料に対する測定項目としては、CFBグループ細菌の状態を効率的に監視することができるものであれば特に問わない。監視方法としては、CFBグループ細菌は、選択培地による平板培養法などによって増殖させてモニタリングすることも可能であるが、たとえば次に説明するように、CFBグループ細菌の遺伝情報、RNA転写特性、蛋白質翻訳特性、生成物質特性などに基づいてその存在数や濃度、優占性、特性の経時的変化などを観察すると、精度が高く、効率的であるので好ましい。
具体的には、遺伝情報に基づいてモニタリングする場合には、蛍光顕微鏡、蛍光イメージスキャナ等の蛍光測定装置、核酸のハイブリダイゼーション検出装置、フローサイトメーター、サーマルサイクラーおよび電気泳動装置などを用いるとよい。また、RNA転写特性、蛋白質翻訳特性、発現蛋白質生成物質特性などの遺伝子発現特性に基づいてモニタリングする場合には、蛍光顕微鏡、フローサイトメーター、電気泳動装置、質量分析装置、画像解析装置、分光光度計、蛍光測定装置、発光量測定装置などを用いればよい。
CFBグループ細菌の存在数や濃度、優占性を遺伝情報に基づいてモニタリングする方法としては、染色体ゲノム全体のハイブリダイゼーション相同値による方法や、CFBグループ細菌に特異的な遺伝子配列に基づく方法があるが、簡単に効率的かつ実質的に確認できるという観点から後者のCFBグループ細菌に特異的な遺伝子配列に基づく方法に基づいてモニタリングすることが好ましい。特異的な遺伝子配列対象としては、16SリボソームRNA遺伝子、23SリボソームRNA遺伝子、gyrB遺伝子配列、リボソームRNA遺伝子間スペーサー領域などが挙げられる。また、モニタリングの対象としては、CFBグループ細菌の全部であっても一部であってもよく、さらに、CFBグループ細菌をモニタリングできるのであればその余の細菌を含んでいてもよい。
CFBグループ細菌の優占性をモニタリングする際には、例えば全原核生物や、全細菌、ある分類群の細菌の存在数をできるだけ反映するような測定を同時に行い、それらとの比率で優占性を算出するとよい。
特異的な遺伝子配列をモニタリングする方法としては、公知の手法を用いることができ、例えば遺伝子配列情報の中からCFBグループ細菌に特異的な領域を選択し、その遺伝子配列をもつオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション効率を利用する方法を用いることが好ましい。具体的には、蛍光物質やラジオアイソトープ、酵素学的レポーター分子、電気活性を持つインターカレーターなどを用いて、ドットハイブリダイゼーション法や、マイクロアレイ法、原位置ハイブリダイゼーション法などを用いることができ、必要に応じて、これらの方法にポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)等による遺伝子増幅を組み合わせることもできる。原位置ハイブリダイゼーション法としては、蛍光標識オリゴヌクレオチドもしくは蛍光標識ポリヌクレオチドを用いた蛍光原位置ハイブリダイゼーション法(FISH法)を用いることができる。なお、必要に応じてシグナルを増強してFISH法を実施すればよい。FISH法による検出方法としては、蛍光顕微鏡による方法でもフローサイトメーターを用いた方法でもよい。ドットハイブリダイゼーション法やマイクロアレイ法としては、CFBグループ細菌に特異的な遺伝子配列をもつオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドをメンブレンフィルターもしくは基盤状に固定し、これに検出対象の汚泥由来の核酸を蛍光物質などで標識したものをハイブリダイゼーションさせて行う方法などが挙げられる。
CFBグループ細菌に特異的な16SリボソームRNA遺伝子配列をもつオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション効率を利用する方法としては、CFBグループ細菌の核酸と特異的にハイブリダイズし得るDNAもしくはRNAプローブを用いればよい。例えば、DNAプローブ「CFB560」(ルイーズ・オサリヴァン(Louise A. O’Sullivan)他2名、アプライド・アンド・エンヴァイロメンタル・マイクロバイオロジー(Appl. Environ. Microbiol.)、2002年、68巻、p.201−210.)が挙げられる。ただ、当然このプローブ以外にも、CFBグループ細菌をハイブリダイゼーションによって検出できるよう設計されたものであれば用いることができる。
また、特異的な遺伝子配列をモニタリングする方法としては、CFBグループ細菌に特異的な遺伝子配列をもつプライマーDNAを用いたポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)を応用して検出・定量する方法もある。こうした方法としては例えば、CFBグループ細菌に特異的なプライマーセットを用いて、核酸の増幅をリアルタイムで検出しながら行う定量PCR法などが挙げられる。さらに、汚泥混合液に含まれる微生物のゲノムDNAを抽出し、原核生物一般、細菌一般あるいはさらに範囲の狭い分類系統群に特異的なプライマーセットを用いてPCR増幅を行い、電気泳動によりCFBグループ細菌の遺伝子配列を分別しモニタリングすることもできる。この電気泳動法としては変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)を用いることができる。
さらに、CFBグループ細菌のモニタリング方法としては、その遺伝子発現特性を利用することもできる。遺伝子発現特性とは、CFBグループ細菌ゲノムからのRNA転写特性、蛋白質翻訳特性および生成物質特性(たとえば発現蛋白質生成物質特性)などをいう。汚泥混合液中に分散して生育する細菌は、フロック内で生育するか分散して生育するかといった生育条件の違いにより、菌の性質が大きく変化する。そのため、CFBグループ細菌の性質変化を遺伝子発現特性で追跡することは膜分離活性汚泥法の運転安定性において非常に有用であり、遺伝子発現特性と発生トラブルとを関連づけてモニタリングすることによって、早い段階でより正確にトラブルを予測・検知し対策を講じることが可能となる。遺伝子発現特性の対象としては特に限定するものではなく、構成遺伝子、制御遺伝子を問わない。
RNA転写特性の対象としては、メッセンジャーRNAおよびリボソームRNAのいずれであってもよい。そして、これらRNA転写特性をモニタリングする手法としては様々な公知の方法をとることができ、例えば、メッセンジャーRNAの存在量をハイブリダイゼーションにより解析する方法や、画像解析装置を用いたDNAチップによる方法などが挙げられる。また、FISH法を用いることもできる。
また、蛋白質翻訳特性の対象蛋白質としては特に限定されるものではなく、たとえば形態変化誘導蛋白質や分散生育時発現タンパク質、細胞外ポリマー生成蛋白質などが挙げられる。蛋白質翻訳特性をモニタリングする方法としては、例えば2次元電気泳動法やウェスタンブロット、質量分析装置など様々な公知の蛋白質分析方法を用いることができる。
さらに、生成物質特性の対象としても特に限定するものではなく、例えば細胞外生成ポリマーや菌体内成分が挙げられる。細胞外生成ポリマーや菌体内成分をモニタリングする方法としては、例えば液体クロマトグラフィー装置やガスクロマトグラフィー装置、質量分析装置、分光光度計、蛍光測定装置、発光量測定装置などを用いた方法があり、抗体抗原反応を活用したイライザ法なども適用できる。
そして、監視手段7には、監視結果に基づいて処理条件を制御する処理条件制御装置8が接続されている。処理条件制御装置8は、特に限定されるものではないが、監視結果に基づく処理条件調整信号9を吸引ポンプ3等に発し、時間当たりの膜ろ過水量や吸引圧力の低減、膜ろ過の停止、膜ろ過運転時間の低減、溶解性有機物の流入量の低減もしくは停止、凝集剤の添加などを行う。
また、生物反応槽1の雰囲気をコントロールする処理条件調整信号10を発し、pHや温度、曝気量、攪拌条件の調整を行うこともできる。さらに、生物反応槽1に流入する溶解性有機物含有液の詳細条件をコントロールする処理条件調整信号11を発し、汚泥負荷量調整や溶解性有機物含有液に含まれる汚濁物質の種別調整、抗生物質等の薬品や特異的ウィルスの添加、オゾンや塩素などの酸化剤添加、起泡装置等により発生した泡の回収、窒素、リン、マグネシウムなどの成分や微量元素の添加量調整などを行うこともできる。そして、生物反応槽1における汚泥滞留時間を制御するため処理条件調整信号12を発し、汚泥引き抜き量を調整することもできる。さらに、これらの調整を通して水滞留時間を調整することもできる。
これらの方法を試行することを通じて、不可逆的な膜透水性悪化を一時的に回避したり、トラブル発生前の監視状況により近付くように制御する。なお、汚濁物質の種別調整とは、例えば別々の工程で排出された糖廃水と脂質廃水とを混合して生物処理する際に、糖廃水の投入を一時中断もしくは割合を減少させ、脂質廃水の投入割合を一時的に増加させるといった調整のことである。
これらの処理条件調整方法の中でも、時間当たりの膜ろ過水量や吸引圧力の低減、間欠ろ過方式への移行、間欠ろ過の際の膜ろ過運転時間の短縮、膜ろ過の停止、溶解性有機物の流入量の低減もしくは停止、流入負荷変動を調整する調整槽の調節、凝集剤の添加、曝気量・散気方法の変更、槽内の汚泥流動状態の改善などが好ましく、その中でも、時間当たりの膜ろ過水量や吸引圧力の低減、間欠ろ過の際の膜ろ過運転時間の短縮、膜ろ過の停止、槽内の汚泥流動状態の改善などがより好ましい。
このように構成された処理装置において、溶解性有機物含有液は次のように処理される。原液ポンプ4によって溶解性有機物含有液は生物反応槽1に供給され、生物反応槽1内の活性汚泥によって溶解性有機物が分解される。このとき、生物反応槽1は、ブロワー6に連結された曝気装置5によって酸素が供給されて好気性に保たれる。そして、汚泥混合液は膜分離装置2に供され、活性汚泥と清澄な処理液に分離される。清澄な処理液はたとえば河川等にそのまま放流され、活性汚泥は生物反応槽1内に残される。
ここで、本発明においては、時間あたりに処理させる溶解性有機物量によって汚泥引き抜き量を調整し、生物反応槽1内の汚泥負荷を0.15kg−BOD/kg−VSS/day未満にするのが好ましい。すなわち、汚泥引き抜き量を低減することで汚泥濃度を上昇させ、その結果として汚泥負荷を0.15kg−BOD/kg−VSS/day未満にするのである。汚泥負荷を0.15kg−BOD/kg−VSS/day未満にすることによって、従来の膜分離活性汚泥法に比べて余剰汚泥を低減もしくは基本的に発生させないという効果を得ることが出来るのである。このとき、汚泥負荷は「時間あたりに処理させる溶解性有機物量/微生物濃度(MLVSS)」であるので、時間あたりに処理させる溶解性有機物量に応じて適した汚泥引き抜き量を決定し汚泥濃度を調整することで、汚泥負荷は0.15kg−BOD/kg−VSS/day未満になる。よって、汚泥濃度自体を特に限定する必要はなく、時間あたりに処理させる溶解性有機物量に応じて適切な汚泥負荷となるよう、汚泥濃度は規定される。
汚泥負荷は、例えば汚泥性状、余剰汚泥を減少する必要性の大きさ、原水に含まれる溶解性有機成分の菌体変換率などの原水性状に応じて、さらに低く設定することも出来る。余剰汚泥の低減の観点から、さらに好ましくは0.10kg−BOD/kg−VSS/day未満、最も好ましくは0.08kg−BOD/kg−VSS/day未満に調整するとよい。なお、汚泥濃度が上昇することにより生じやすくなる浸漬膜上の過大な汚泥ケーク形成は、揺動や逆洗などの対策により改善することができる。
しかし、こうした低汚泥負荷運転を行うと特に、膜透水性悪化や発泡、スカムの発生、粘性増加などを伴うトラブルが発生することが多い。鋭意研究を進めた結果、その原因は定かではないが、これらのトラブルは汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態が関与していることを見出した。この課題に対応し、前記余剰汚泥を低減もしくは基本的に発生させないという効果との両立を図るため、本発明においては、監視手段7で汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視し、処理条件制御装置8により監視結果に基づく処理条件の調整を行う。汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌を監視することで、汚泥負荷を低くし余剰汚泥の発生を低減しつつ膜トラブルを早い段階で予測・検知することができ、種々の対策を講じることができる。
従来、MLSS濃度を下げることで汚泥負荷が高くなり、こうした条件でフロックを形成しない分散菌が問題になることは知られていたが(特許文献3)、分散菌の発生原因は高負荷であるというのが通説となっていた(滝口、「用水と廃水」、2000年、第42巻、第9号、p35−42)。しかしながら、本発明者らは、槽全体として汚泥負荷が非常に低いという点で、BODが豊富に存在する状況とは全く異なる状態においても、分散状の原核生物が発生し、それがトラブルの原因となっていることを見出し、かつそれらはCFBグループ細菌であることを解明した。すなわち、本発明は、従来知られていた分散性の微生物とは発生機序が異なる分散状の原核生物で、しかもCFBグループに属する細菌が、主として低汚泥負荷の状態でのトラブル要因となっていることを見出し、その知見に基づき、これらを監視することで、トラブルを早い段階で予測・検知し、種々の対策を講じることを可能にしたのである。
なお、CFBグループ細菌は分散して出現する時にトラブルが発生することから、分散状のCFBグループ細菌を監視することによって、汚泥全体のCFBグループ細菌を監視するよりも格段に精度よくトラブルにつながるシグナルをつかむことができる。これは、汚泥全体のCFBグループ細菌を検出した場合、フロック内にいる有用なCFBグループ細菌をも検出してしまうことになるため、実際にトラブルを引き起こす分散状のCFBグループ細菌のシグナルを見落としてしまうからである。CFBグループ細菌は一般に、多糖などの汚濁物質の分解や死菌の分解に寄与しているものが多いと言われ、膜分離活性汚泥法に有用である微生物が多く含まれている。本発明の方法を用いることによって、トラブルにつながるCFBグループ細菌を効率よく検出することができるのである。
一方、本発明者らが先に提案した、汚泥混合液中に存在する特定のトラブル関与微生物であるフレクトバシラス系統群細菌の状態を検出する方法は、実際にトラブルに関与する極限られた微生物群を検出対象とするため、精度が非常に高く、それゆえ分散して存在する微生物に検出対象をしぼって検出しなくても汚泥全体を対象に検出することができる。さらに汚泥全体を対象に検出できることによって、フレクトバシラス系統群細菌が分散せずにフロック内に存在している時からその動向を監視できる点で優れており、本発明とは別の効果が得られることから、フレクトバシラス系統群細菌など極限られた微生物群を検出する方法は、状況に応じて本発明の方法と使い分け、もしくは併用を行うとよい。
他方、本発明では、監視対象を分散して存在する微生物に絞った上で、監視微生物はフレクトバシラス系統群細菌ではなく、それらを含む分類群であるCFBグループ細菌を検出対象とする。
CFBグループ細菌を監視微生物とする理由は、CFBグループ細菌は上述したように膜分離活性汚泥法において有用な性質を通常有すると考えられているが、そのようなCFBグループ細菌の中でも分散生育する微生物はトラブルに関与しているとの知見による。具体的には、先に提案したフレクトバシラス系統群細菌のみならず、例えば配列番号1の塩基配列を16SリボソームRNA遺伝子に有する細菌や配列番号2の塩基配列を16SリボソームRNA遺伝子に有する細菌など、CFBグループの幅広い系統分類学的位置に位置する細菌がトラブルに関与している。分散生育したCFBグループ細菌がトラブルに関与する詳細なメカニズムは未だ不明であるが、CFBグループ細菌に特有なバイオサーファクタントや細胞外ポリマーが膜分離活性汚泥法のトラブルに関与している可能性が考えられる。次に、CFBグループ細菌全体を検出対象としたメリットについて述べる。検出対象をCFBグループ細菌中の限られた微生物群にした場合、感度が上がるメリットがあるものの、検出系をその分増やす必要が生じてしまう。一方、上記のように分散してトラブルを生じる細菌はCFBグループ細菌であるという発見に基づいてこれを活用すると、検出対象をCFBグループ細菌というように大くくりにすることが可能となり、検出系がより簡素になるメリットがある。実際、分散菌を検出対象とした場合においては、通常CFBグループ細菌を検出対象とすることで十分な精度が得られる。つまり、検出系の簡素化、コスト削減などの点を考慮した場合、検出精度上問題のない範囲で検出対象を広くとることが望まれ、その観点から最適の検出対象範囲を決定する必要がある。分散生育によりトラブルと関与する微生物は、上述のようにCFBグループに属しているので、CFBグループ細菌という範囲が好ましいということになる。つまり、効果が認められる範囲で、簡素化・コスト削減の観点から検出対象範囲をできるだけ広げる場合、その最大の検出対象範囲はCFBグループ細菌とするのがよいということがわかる。一方、本発明者らは、分散して存在する原核生物を監視する方法を提案しているが、この方法によっても本発明より劣るがある程度の精度が得られる。検出系の簡素化やコストの観点が問題となる場合は、この方法を採用することもできる。
<実施例1>
(1)孔径0.1μmのPVDF製精密ろ過平膜をモジュール化した膜分離装置を、有効容積30 Lの生物反応槽に浸漬したものを2系列用意し、BOD 1000ppmのデキストリン系人工廃水を膜分離活性汚泥法により処理した。MLSS濃度(混合液懸濁物質濃度)は汚泥を引き抜くことにより24.0g/Lで一定とし、生物反応槽における人工廃水の滞留時間は1日として処理を行った(BOD汚泥負荷:0.05kg−BOD/kg−VSS/day)。また、1週間にわたって定期的に、汚泥混合液に対して3000×g(約29420m/s)、3分間の遠心分離処理を施し、上清中に含まれるCFBグループ細菌をFISH法でモニタリングしたが、CFBグループ細菌は検知されなかった(10個/mL以下)。なお、FISH法は、DNAプローブ「CFB560」(ルイーズ・オサリヴァン(Louise A. O’Sullivan)他2名、アプライド・アンド・エンヴァイロメンタル・マイクロバイオロジー(Appl. Environ. Microbiol.)、2002年、68巻、p.201−210.)を用いてプローブ開発者らの文献に基づいて、上清の4%パラホルムアルデヒド固定サンプルに含まれるCFBグループ細菌に対して行った。また、DAPI(4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール二塩酸塩)による全菌染色およびDNAプローブ「EUB338」(ルドルフ・アマン(Rudolf I. Amman)他5名、アプライド・アンド・エンヴァイロメンタル・マイクロバイオロジー(Appl. Environ. Microbiol.)、1990年、56巻、p.1919−1925.)を用いたFISH法と、計算盤による全菌数測定を用いて、CFBグループ細菌の濃度を算出した。
(2)その後、生物反応槽に供給するデキストリン系人工廃水のBOD濃度を、6時間毎に交互に750ppmもしくは1250ppmにして生物処理を行い、BOD濃度変更後7日後にCFBグループ細菌をモニタリングした。その結果、生物処理槽内の汚泥混合液の汚泥濃度および粘性は変更前後を通じ一定であり、それぞれ24.0g/L、23 mPa・sであったが、FISH法によってCFBグループ細菌を約2×10個/mL検知した。
(3)分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視した結果、上記のようにその濃度が上昇したことから、これに対する制御手段として、2系列のうち一方の系列について負荷変動の抑制を行った。つまり、生物反応槽に流入するデキストリン系人工廃水のBOD濃度を再び1000ppmに戻し(系列A)、他方の系列については、生物反応槽に流入するデキストリン系人工廃水のBOD濃度をそのまま6時間毎に交互に750ppmもしくは1250ppmにして生物処理を行った(系列B)。その結果、3日後に系列Bの汚泥混合液の粘性が100mPa・sに増加しPVDF膜の原液側とろ過液側との差圧が上昇したのに対し、系列Aの粘性はほぼ変わらず25mPa・sであり、差圧の上昇も見られなかった。
FISH法により上清中に含まれるCFBグループ細菌をモニタリングしたところ、系列AではCFBグループ細菌が検出されなかった(10個/mL以下)一方で、系列BではCFBグループ細菌が約5×10個/mL検出された。
(4)このように汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌をモニタリングすることによって、粘性をモニタリングするより早く差圧上昇に見られる膜透水性悪化を予測することができ、適切に対応することで粘性増加や膜透水性不良を未然に防止することが出来た。
<実施例2>
(1)孔径0.1μmのPVDF製精密ろ過平膜をモジュール化した膜分離装置を、有効容積約1 Lの生物反応槽に浸漬したものを用意し、BOD 500ppmのデキストリン系人工廃水を膜分離活性汚泥法により処理した。生物反応槽における人工廃水の滞留時間は12時間として処理を行った結果、汚泥引き抜きなしでMLSS濃度は20g/Lで一定となっていた(BOD汚泥負荷:0.06kg−BOD/kg−VSS/day)。また、1週間にわたって定期的に、汚泥混合液の一部に対して3000×g(約29420m/s)、3分間の遠心分離処理を施し、上清中に含まれるCFBグループ細菌を実施例1と同様にFISH法でモニタリングしたが、CFBグループ細菌は検知されなかった(10個/mL以下)。
(2)膜分離活性汚泥処理をさらに2週間続行し、上清中に含まれるCFBグループ細菌をFISH法により測定した結果、CFBグループ細菌を約4×10個/mL検出した。一方、フレクトバシラス系統群細菌を検出するDNAプローブ「R−FL615」(カレル・シメック(Karel Simek)他7名、アプライド・アンド・エンヴァイロメンタル・マイクロバイオロジー(Appl. Environ. Microbiol.)、2001年、67巻、p.2723−2733.)を用いてFISH法により検出を試みた結果、フレクトバシラス系統群細菌は検出されなかった(10個/mL以下)。
(3)分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視した結果、上記のようにその濃度が上昇したことから、これに対する制御手段として流動性の確認・改善を行った。つまり、槽内の汚泥流動状況を点検したところ、槽の内壁に汚泥がへばりつき流動していない部分があった。そこで、へばりついた汚泥を剥がし流動可能な状態にした。その結果、その1週間後に遠心分離上清液のCFBグループ細菌をFISH法により測定したところ、CFBグループ細菌を検出しなかった(10個/mL以下)。
(4)膜分離活性汚泥処理をさらに2週間続行しても、膜ろ過性悪化などトラブルは発生しなかった。
(5)このように、汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌を監視することによって、膜透水性悪化を未然に防止することが出来た。
<実施例3>
(1)孔径0.1μmのPVDF製精密ろ過平膜をモジュール化した膜分離装置を、有効容積約8 Lの生物反応槽に浸漬したものを用意し、BOD 500ppmのデキストリン系人工廃水を膜分離活性汚泥法により処理した。生物反応槽における人工廃水の滞留時間は12時間として処理を行った結果、汚泥引き抜きなしでMLSS濃度は24g/Lで一定となっていた(BOD汚泥負荷:0.05kg−BOD/kg−VSS/day)。また、1週間にわたって定期的に、汚泥混合液の一部に対して3000×g(約29420m/s)、3分間の遠心分離処理を施し、上清中に含まれるCFBグループ細菌を実施例1と同様にFISH法でモニタリングしたが、CFBグループ細菌は検知されなかった(10個/mL以下)。
(2)膜分離活性汚泥処理をさらに3週間続行し、上清中に含まれるCFBグループ細菌をFISH法により測定した結果、CFBグループ細菌を検出した(約2×10個/mL)。分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視した結果、上記のようにその濃度が上昇した。原因は不明であったが、これに対する制御手段として、流入負荷の停止を行った。つまり、人工廃水の流入を一旦停止し、代わりに水道水を供給するフローに変更した。
(3)その結果、その1週間後に遠心分離上清液のCFBグループ細菌をFISH法により測定したところ、CFBグループ細菌を検出しなかった(10個/mL以下)。
(4)膜分離活性汚泥処理をさらに2週間続行しても、膜ろ過性悪化などトラブルは発生しなかった。
(5)このように、汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌を監視することによって、膜透水性悪化を未然に防止することが出来た。
<実施例4>
(1)孔径0.1μmのPVDF製精密ろ過平膜をモジュール化した膜分離装置を、有効容積約1 Lの生物反応槽に浸漬したものを用意し、BOD 500ppmのデキストリン系人工廃水を膜分離活性汚泥法により処理した。生物反応槽における人工廃水の滞留時間は12時間として処理を行った結果、汚泥引き抜きなしでMLSS濃度は20g/Lで一定となっていた(BOD汚泥負荷:0.06kg−BOD/kg−VSS/day)。また、1週間にわたって定期的に、汚泥混合液の顕微鏡観察を行った。
(2)膜分離活性汚泥処理をさらに1週間続行した結果、顕微鏡観察により分散して存在する原核生物が3×10個/mL認められた。ここで、実施例1と同様にFISH法によりCFBグループ細菌の検出を試みたところ、CFBグループ細菌は検出されなかった(10個/mL以下)。
(3)一方、上清ではなく汚泥全体を試料としてFISH法を行った場合は、汚泥中の微生物の少なくとも10%以上の数のCFBグループ細菌が検出された。
(4)膜分離活性汚泥処理をさらに2週間続行しても、膜ろ過性悪化などトラブルは発生しなかった。
本発明の一実施形態を示す処理装置の概略フロー図である。
符号の説明
1:生物反応槽
2:膜分離装置
3:吸引ポンプ
4:原液ポンプ
5:曝気装置
6:ブロワー
7:監視手段
8:処理条件制御装置
9〜12:処理条件調整信号
13:汚泥引き抜きポンプ

Claims (8)

  1. 溶解性有機物含有液を膜分離活性汚泥法にて処理するに際し、汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視しながら処理を行うことを特徴とする溶解性有機物含有液の処理方法。
  2. 汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視して処理条件を制御することを特徴とする請求項1に記載の溶解性有機物含有液の処理方法。
  3. BOD汚泥負荷を0.15kg−BOD/kg−VSS/day未満にして運転することを特徴とする請求項1または2に記載の溶解性有機物含有液の処理方法。
  4. 汚泥混合液の遠心上清液もしくはフィルター濾液に存在するCFBグループ細菌の状態を監視することによって、汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態の監視を実現する、請求項1〜3のいずれかに記載の溶解性有機物含有液の処理方法。
  5. 溶解性有機物含有液を活性汚泥により処理する生物反応槽と、汚泥混合液中を固液分離する分離膜と、汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視する監視手段とを備えている溶解性有機物含有液の処理装置。
  6. 監視手段の結果に基づいて処理条件を制御する制御手段とを備えている請求項5に記載の溶解性有機物含有液の処理装置。
  7. 生物反応槽がBOD汚泥負荷を0.15kg−BOD/kg−VSS/day未満に保つ手段を有することを特徴とする請求項5または6に記載の溶解性有機物含有液の処理装置。
  8. 監視手段が、遠心上清液もしくはフィルター濾液に存在するCFBグループ細菌の状態を監視することによって、汚泥混合液中に分散して存在するCFBグループ細菌の状態を監視するものである、請求項5〜7のいずれかに記載の溶解性有機物含有液の処理装置。
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