JP2021103225A - アゾ粉体組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、静電気の影響を受けにくい光配向材料用粉末組成物を提供し、かつ、塗布工程、光配向処理工程で得られる光配向膜の液晶材料に対する配向力や配向感度が、温度や湿度の影響を受けにくい、生産性の優れた光配向材料を提供する。【解決手段】液晶材料に対する配向能を有するアゾ化合物、及び、沸点が80〜250℃の溶剤を含み、前記アゾ化合物と前期溶剤の質量比率が98/2〜75/25であることを特徴とするアゾ粉体組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、光配向膜に用いられるアゾ粉末組成物、及び、前記アゾ粉末組成物を用いた光配向材料、光配向膜、該光配向膜を構成要素とする光学素子、表示素子に関する。
液晶配向を制御することは、近年の液晶デバイスの重要課題の一つである。液晶配向は通常、適切に処理された境界基板によってもたらされ、基板の素材と、工程との両方が、液晶配向に影響を与える。
近年の液晶デバイス産業において主に用いられている処理工程は、ラビングである。ラビングは、十分に高品質で、平面的且つプレチルト角の低い配向を提供する。しかし、ラビング技術は、帯電、粉塵発生、微細な配向不均一性等幾つかの問題点が知られており、これらの欠点は、主に、配向表面にブラシが直接機械的接触をすることにより引き起こされる。その上、ラビング技術を用いた場合、パターン化された配向、および、適切なプレチルト角を有する安定な液晶配向を達成することが非常に困難である。
ラビングの本質的な課題を打開するために、多くの新しい配向技術が開発された。それらの中では、いわゆる光配向法が特に有望である。光配向法は、紫外線、電子線等の活性エネルギー線の照射の後に、液晶を配向させる。このような光配向膜となり得るものとしては、アゾベンゼン誘導体のように光異性化反応をする化合物、シンナメート、クマリン、カルコン等の光二量化反応を生じる部位を有する化合物(特許文献1、2参照)やポリイミドなど異方的な光分解を生じる化合物がある。(特許文献1、2)
通常、この光は直線的に偏光されているが、場合によっては、楕円偏光の光、または、配向層に斜めに向かう非偏光の光の照射であっても、良好な配向が達成される。光配向技術は、配向層との直接の機械的接触を防ぐことで、機械的損傷と帯電を最小限にし、優れた配向均一性と、液晶配向の制御およびパターン化した配向を容易に提供する。
一方、光配向膜は、通常前記光配向膜となりうる化合物を溶剤に溶解させる工程、前記溶液を基板に塗布する工程、前記溶液中に含まれる溶剤を熱や風等で留去する工程、紫外線、電子線等の活性エネルギー線を照射する工程を経ることにより得られる。特にアゾベンゼン誘導体のような光異性化反応を有する化合物は、化合物自体が着色しているため、比較的濃度の低い溶液を用いることが多い。ところが、前記化合物は、一般的に室温付近では粉体であるが、前記粉体を秤量する際に静電気が発生しやすいため、前記粉体が溶解させる容器の外側に付着、かつ、秤量に用いている天秤の秤量皿に飛散しやすく、精度よく溶液の濃度を調整することが困難であった。また、配向膜はその膜厚が一般的に数nm〜100nm程度であるため、塗布や乾燥によって、得られるモルフォルジー、塗膜状態が大きく変化する傾向がある。そのため、前記工程で得られる光配向膜の液晶材料に対する配向力や配向感度は、紫外線、電子線等の活性エネルギー線を照射する光配向処理工程において、温度や湿度に影響を受けやすく、前記環境影響を受けにくい光配向材料が望まれていた。
特開7−138308号公報 特開2002−250924号公報
したがって、本発明が解決しようとする課題は、静電気の影響を受けにくい光配向材料用粉末組成物を提供し、かつ、塗布工程、光配向処理工程で得られる光配向膜の液晶材料に対する配向力や配向感度が、温度や湿度の影響を受けにくい、生産性の優れた光配向材料を提供することにある。
前記課題を達成するために、本願発明者らは、鋭意検討した結果、光配向能を有するアゾ化合物が想定以上の溶剤を含有しても粉末状態で得られることを見出し、さらに溶剤とアゾ化合物の比率について詳細検討した結果、アゾ化合物と溶剤がある一定比率であれば、粉末状態で安定に保存できることを確認し、本願発明に至った。
即ち、本発明は、液晶材料に対する配向能を有するアゾ化合物、及び、沸点が80〜250℃の溶剤を含み、前記アゾ化合物と前期溶剤の質量比率が98/2〜75/25であることを特徴とするアゾ粉体組成物に関する。
本発明は、更に、前記アゾ粉末組成物を用いた光配向材料に関する。
本発明は、更に、前記光配向材料を基板上に形成し光硬化させた光配向膜に関する。
本発明は、更に、前記光配向膜と、該配向膜上に液晶材料とを有する光学素子に関する。
本発明によれば、静電気の影響を受けにくい光配向材料用粉末組成物を提供でき、また、塗布工程、光配向処理工程で得られる光配向膜の液晶材料に対する配向力や配向感度が、温度や湿度の影響を受けにくい、生産性の優れた光配向材料を提供できる。
本発明のアゾ粉末組成物を使用することで、精度よく秤量することができ、かつ、温度や湿度のような環境影響を受けにくく、生産性に優れた光配向膜が得られる。
本発明のアゾ粉組成物、及び、それを用いた、光配向材料、光配向膜、光学素子、表示素子の実施について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をよく理解させるために具体的な例として説明するものであり、特に限定のない限り、本発明を限定するものではない。
<アゾ粉体組成物>
本発明のアゾ粉末組成物は、液晶化合物に対して光配向能を有するアゾ化合物と一定の溶剤を含む粉体組成物である。ここでいう粉体組成物とは、外観上室温、即ち、凡そ10〜30℃程度の温度範囲では、粉末状態であることを示している。取扱い上の観点から、前記アゾ化合物と沸点が80〜250℃の溶剤の質量比率は98/2〜75/25の範囲であることが好ましく、97/3〜80/20の範囲であることがより好ましく、96/4〜85/15の範囲であることが特に好ましく、95/5〜90/10の範囲であることがさらに好ましい。
以下、各成分について具体的に説明する。
(アゾ化合物)
本発明の粉体組成物として使用するアゾ化合物は、光配向材料として使用し、光配向膜とした際に液晶材料を一様に配向させる機能を有していればよく、公知慣例のアゾ化合物であってもよい。また、2種類以上の前記アゾ化合物を用いることもできる。
中でも本発明の粉体組成物として使用するアゾ化合物は、下記一般式(1)で表されるアゾ化合物
Figure 2021103225

(式中、P及びPは、各々独立して、ヒドロキシ基、又は重合性官能基を表し、XはPがヒドロキシ基の場合、単結合を表し、Pが重合性官能基の場合、−(A−B−で表される連結基を表し、Xは、Pがヒドロキシ基の場合、単結合を表し、Pが重合性官能基の場合、−(B−A−で表される連結基を表す。
A、A、及び、Aは単結合、あるいは少なくとも環構造を1つ以上有する2価の基を表し、B、及び、Bは、各々独立して単結合、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−OCH−、−CHO−、−CH=CH−、−N=N−、−C≡C−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO―、−CH=CHCOO−、又は、−CH=CH−OCO−を表す。m及びnは各々独立して0〜4の整数を表す。但し、m又はnが2以上のとき、複数あるA、B、A及びBは同じであっても異なっていても良い。Sp、及び、Spは、各々独立して単結合、又は炭素数1〜18の直鎖状アルキレン基を表し(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、または重合性官能基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−CH(OH)−、CH(COOH)、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い。炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキル基、又は−CONR(ただしR及びRは、各々独立して水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホニルオキシ基若しくはそのアルカリ金属塩基 アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、又は(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基、及びマレイミド基からなる群から選ばれる重合性官能基を表す。
Aは、単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−OCH−、−CHO−、−CH=CH−、−N=N−、−C≡C−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−又は置換基を有してもよいπ電子数が10以上30以下である2価の有機基を表す。)
前記一般式(1)で表されるアゾ化合物において、P及びPが重合性官能基の場合、下記式(P−1)〜式(P−20)
Figure 2021103225
が好ましく、あるいは、ヒドロキシ基が好ましい。これらの基のうち、液晶材料に対する配向能の観点からは、式(P−1)、式(P−2)、式(P−4)、式(P−5)、式(P−6)、式(P−7)、式(P−9)、式(P−15)、または、ヒドロキシ基が好ましく、式(P−1)、式(P−4)、式(P−7)、式(P−15)またはヒドロキシ基がより好ましい。
一般式(1)で表されるアゾ化合物において、A、A、及び、Aで表される環構造を1つ以上有する2価の基は、単結合、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジチオフェン−2,6−ジイル基、または、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジセレノフェン−2,6−ジイル基が好ましい。これらの基のうち、液晶材料に対する配向能の観点から、単結合、1,4−フェニレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,4−シクロヘキシレン基が好ましく、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基がより好ましい。
一般式(1)で表されるアゾ化合物において、B、及び、Bは、液晶材料に対する配向能の観点から、単結合、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−OCH−、−CHO−、−CH=CH−、−N=N−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CHCOO−、又は、−CH=CH−OCO−が好ましく、単結合、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、及び、−CH=CHCOO−、又は、−CH=CH−OCO−がより好ましい。
一般式(1)で表されるアゾ化合物において、m及びnは各々独立して0〜2の整数が好ましく、0〜1の整数がより好ましい。
一般式(1)で表されるアゾ化合物において、Sp、及び、Spは、単結合、又は炭素数1〜12の直鎖状アルキレン基が好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基がより好ましい。なお、該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、または重合性官能基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−CH(OH)−、CH(COOH)、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−、又は−C≡C−により置き換えられていても良い。
一般式(1)で表されるアゾ化合物において、R、R、R、Rは、光配向材料として基材等へ塗布した際の均一な塗布性の観点から、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル基若しくはそのアルカリ金属塩基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化メトキシ基、−OR(但し、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数3〜6のシクロアルキル基、又は炭素原子数1〜6の低級アルコキシ基で置換された炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)、炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキル基、又は−CONR(ただしR及びRは、各々独立して水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す)、またはヒドロキシ基が好ましく、水素、カルボキシル基若しくはそのアルカリ金属塩基、ハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキル基、又は−CONR(ただしR及びRは、各々独立して水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す)がより好ましい。
また、R、R、R、Rの位置については、下記構造式に表す置換位置、
Figure 2021103225
あるいは、下記構造式に表す置換位置、
Figure 2021103225
であることが好ましい。
一般式(1)で表されるアゾ化合物において、R、Rは、光配向材料として基材等へ塗布した際の均一な塗布性の観点から、水素、フッ素、塩素、アルコキシカルボニル基、スルホニルオキシ基若しくはそのアルカリ金属塩基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、又は(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましく、水素、アルコキシカルボニル基、スルホニルオキシ基若しくはそのアルカリ金属塩基、カルバモイル基、または、スルファモイル基がより好ましい。また、液晶材料に対する配向能の観点から、R、Rの位置は、下記構造式に表す置換位置
Figure 2021103225
であることが好ましい。
一般式(1)で表されるアゾ化合物として具体的には、下記式(1b)
Figure 2021103225
(表中におけるP、P、Sp、Sp、X、X、R〜R、Aは、前記式(1)で定義した意味と同じ意味を表す。R1〜R6の置換位置は式(1b)で表される位置番号である。)
における具体例である化合物No.1−1〜化合物No.1−83が挙げられる。
[化合物No.1−1〜化合物No.1−42の例]
先ず、化合物No.1−1〜化合物No.1−42の例としては、下記一般式における下記表1の組み合わせのものが挙げられる。(表中のR1、R2、R3、R4、R5、R6におけるハイフン(−)の左側の数字は下記一般式における置換位置を表す。)
Figure 2021103225
Figure 2021103225
[化合物No.1−43〜化合物No.1−83の例]
次に、化合物No.1−43〜化合物No.1−83の例としては、下記一般式における下記表2の組み合わせのものが挙げられる。(表中のR1、R2、R3、R4、R5、R6におけるハイフン(−)の左側の数字は下記一般式における置換位置を表す。)
Figure 2021103225
Figure 2021103225
(本発明のアゾ化合物の製造方法)
前記式(1)で表されるアゾ化合物は、後述のスキームに代表されるような、公知の方法で合成することが出来る。例えば、式(2)で表されるベンジジン誘導体と亜硝酸ナトリウムとのジアゾ化反応により、式( 3 ) で表されるジアゾニウム塩を合成する。次いで前工程で得られたジアゾニウム塩混合物を式(4)で表されるフェノール誘導体と反応させて、両末端にヒドロキシル基を有す式( 5 ) で表されるアゾ化合物を得ることができる。
必要に応じて、式(5 )で表されるアゾ化合物のヒドロキシル基に、公知の方法により、例えば、式(6)で表される重合性官能基を有する化合物などを反応させることにより、式(7)で表されるような、重合性官能基を有するアゾ化合物を得ることが可能である。
Figure 2021103225
本発明のアゾ粉体組成物は、アゾ化合物の合成後、再結晶を行う際に用いる溶剤の種類、溶解させる温度、再結晶を行うための貧溶剤、再結晶を行う温度、時間、得られた再結晶物を乾燥させる圧力、温度、時間、さらには、乾燥後の加湿処理等によって、制御することが可能となる。
具体的には、前記アゾ化合物を良溶剤である極性溶剤に20℃〜80℃程度の温度で溶解させ、溶解したその温度を保持した状態で前記極性溶剤より極性の低い溶剤を貧溶剤として再結晶を行うことが好ましい。さらには前記の再結晶を繰り返し行うか、もしくは、前記の再沈殿で使用した良溶剤とは異なる良溶剤に同様の温度範囲で得られた再沈殿物を溶解させ、溶解したその温度を保持、あるいは溶解した温度よりも+20℃程度加温した状態で再結晶を行うことが好ましい。前記再結晶は数回繰り返して行うこともできる。また、前記再結晶に要する時間は、使用する容器や装置の諸条件によって異なってくる。
得られた再結晶物は、ウェットケーキの状態であることが多いので、再結晶物がどのような状態であるかによって乾燥条件が異なるが、全般的には0.1MPa〜1kPa程度の圧力、20℃〜90℃程度の温度で行うのが好ましい。時間は、再結晶物がウェットケーキ状である場合には、長めに再結晶物が粉末に近い場合は、短めが好ましい。また、使用する乾燥機は、汎用の熱風乾燥機、真空乾燥機、振動乾燥機、攪拌乾燥機等が挙げられる。
得られたアゾ粉体組成物のX線回折測定の回折ピークから前記粉体組成物の結晶子の大きさを計算すると、本発明の粉体組成物中の溶剤比率が増加するといくつかの結晶子が大きくなることが確認できる。また、アゾ化合物分子由来の回折ピークが減少していることから、前記結果は、単純にアゾ化合物同士が分子間で隣接しているのではなく、アゾ化合物分子とアゾ化合物分子の間に溶剤が一定の割合で存在していることを示唆している。この現象が、本発明のアゾ粉体組成物が一定の溶剤を含んでも粉体として存在し得る理由であるといえる。
一方、アゾ粉体組成物が粉体形態から若干液状形態に近づくと新たなピークが出現することから、アゾ化合物分子が溶剤に溶解することによって、異なる結晶形が生成するといえる。前記状態になると、部分的に固化したような状態となり、粉体状態よりも取扱いが難しくなる。
(溶剤)
本発明のアゾ粉体組成物に使用される溶剤は、及び、本発明の光配向材料として使用する溶剤は、液晶材料に対する配向能を有するアゾ化合物、特に式(1)で表されるアゾ化合物を溶解する溶剤、もしくは、前記アゾ化合物と親和する化合物であれば特に限定はないが、沸点が80〜250℃の溶剤が好ましい。
そのような溶剤として具体的には、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸3−ブトキシメチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニルアセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系溶剤、ジイソブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、アニソール等のエーテル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等のアミド系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶剤、ジメチルスルホオキシド及び水が挙げられる。
これらのなかでも、酢酸3−ブトキシメチル、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、n−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコール、プロピレングリコール、及び水が好ましく、水が特に好ましい。
(光配向材料)
本発明の光配向材料は、前記アゾ粉体組成物、前記アゾ粉体組成物で示した溶剤、必要に応じて添加剤を含有したものである。本発明の光配向材料に含まれる前記アゾ組成物の質量比率は、液晶材料を配向させるために必要な最低限の光配向処理(配向感度)を適切に制御する観点から、0.1〜10.0質量%が好ましく、0.2〜5.0質量%がより好ましく、0.25質量%〜3.0質量%が特に好ましい。
(添加剤)
本発明の光配向材料は、膜厚の均一な光配向膜を得るため、あるいは、良好な耐光性、耐溶剤性、耐熱性等を得るため、または配向膜にさらなる機能を付与するために汎用の添加剤を使用することもできる。例えば、レベリング剤、チキソ剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、抗酸化剤、表面処理剤、重合性モノマー、重合開始剤、液晶材料、液晶性モノマー、二色性色素、ナノ粒子、発光性ナノ粒子、ゲル化剤、等の添加剤を液晶材料の配向能を著しく低下させない程度添加することができる。
以下に代表的な添加剤を具体的に示す。
<レベリング剤>
本発明の光配向材料は、必要に応じてレベリング剤を含有することができる。前記レベリング剤としては、アルキルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルリン酸塩、フルオロアルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレン誘導体、フルオロアルキルエチレンオキシド誘導体、ポリエチレングリコール誘導体、アルキルアンモニウム塩、フルオロアルキルアンモニウム塩類等公知慣用のレベリング剤が挙げられる。具体的には「メガファックF−444」、「メガファックF−477」、「メガファックF−553」、「メガファックF−554」、「メガファックF−560」、「メガファックF−561」、「メガファックF−563」、「メガファックF−565」、「メガファックR−40」、「メガファックR−41」、「メガファックR−94」、「メガファックRS−72−K」、「メガファックRS−75」、「メガファックRS−76−E」、「メガファックRS−76−NS」、「メガファックDS−21」(以上、DIC株式会社製)、「フタージェント100」、「フタージェント300」、「フタージェント251」、「フタージェント215M」、「フタージェント212M」、「フタージェント730FL」、「フタージェント710FL」、「フタージェント750LL」、(以上、株式会社ネオス製)、「BYK−310」、「BYK−315」、「BYK−320」、「BYK−354」、「BYK−UV3510」、「BYK−UV3570」、「BYK−Silclean3700」(以上、BYK株式会社製)、「TEGO Flow425」、「TEGO Flow ATF2」、「TEGO Flow ZFS460」、「TEGO Glide100」、「TEGO Glide410」、「TEGO Twin4200」、「TEGO Wet KL245」、「TEGO Wet260」、「TEGO Wet270」、「TEGO Wet500」、(以上、エボニック・インダストリーズ株式会社製)、「L−7001」、「L−7002」、「8032ADDITIVE」、「57ADDTIVE」、「L−7064」、「FZ−2110」、「FZ−2105」、「67ADDTIVE」、「8616ADDTIVE」(以上、東レ・ダウシリコーン株式会社製)、「KP−323」、「KP−327」、「KP−369」、「KP−625」(以上、信越化学工業株式会社製)等の例を挙げることができる。
レベリング剤を含有する場合の添加量は、本発明の光配向材料用いる、本発明のアゾ粉体組成物に対して、0.005〜2.0質量%であることが好ましく、0.01〜0.5質量%であることがより好ましい。
<帯電防止剤>
本発明の光配向材料は、必要に応じて帯電防止剤を含有することができる。前記帯電防止剤としては、スルホン酸塩基またはリン酸塩基を分子内に少なくとも1種類以上有する高分子化合物、4級アンモニウム塩を有する化合物、重合性基を有する界面活性剤等、公知慣用のものが挙げられる。
<赤外線吸収剤>
本発明の光配向材料は、必要に応じて赤外線吸収剤を含有することができる。前記赤外線吸収剤としては、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフトキノン化合物、ジチオール化合物、ジインモニウム化合物、アゾ化合物、アルミニウム塩等が挙げられる。具体的には、ジインモニウム塩タイプの「NIR−IM1」、アルミニウム塩タイプの「NIR−AM1」(以上、ナガセケムテック株式会社製)、「カレンズIR−T」、「カレンズIR−13F」(以上、昭和電工株式会社製)、「YKR−2200」、「YKR−2100」(以上、山本化成株式会社製)、「IRA908」、「IRA931」、「IRA955」、「IRA1034」(以上、INDECO株式会社)等が挙げられる。
<重合性モノマー>
本発明の光配向材料は、必要に応じて重合性モノマーを含有することができる。前記重合性モノマーとしては、本発明のアゾ粉体組成物に用いられるアゾ化合物よりも分子量が小さいものが好ましい。具体的には、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエトキシ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H−ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルりん酸、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イロプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のモノ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクロイルオキシプロピルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、等のジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、等のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、オリゴマー型の(メタ)アクリレート、各種ウレタンアクリレート、各種マクロモノマー、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、等のエポキシ化合物、マレイミド等が挙げられる。これらは単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
重合性モノマーを含有する場合の添加量は、本発明の光配向材料用いる、本発明のアゾ粉体組成物に対して、1〜200質量%であることが好ましく、5〜100質量%であることがより好ましい。
<重合開始剤>
本発明の光配向材料は、必要に応じて重合開始剤を含有することができる。前記重合開始剤は、公知慣用のものを使用することができるが、光配向材料を用いた光配向膜の重合を光照射によって行う場合は光重合開始剤を、加熱によって行う場合は熱重合開始剤を用いる。
光重合開始剤は、具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン「オムニラッド184」、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン「オムニラッド1173」、2−メチル−1−[(メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプロパン−1「オムニラッド907」、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン「オムニラッドBDK」、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン「オムニラッド369」)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリノ−フェニル)ブタン−1−オン「オムニラッド379」、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルフォスフィンオキサイド「オムニラッドTPO」、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニル−フォスフィンオキサイド「オムニラッド819」(IGM Resins株式会社製)、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)],エタノン「イルガキュアOXE01」)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)「イルガキュアOXE02」、「イルガキュアOXE04」(BASF株式会社製)、「アデカアークルズNCI−831」、「アデカアークルズNCI−930」、「アデカアークルズN−1919」(ADEKA社製)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワ−ドプレキンソップ社製「カンタキュア−ITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物、「エサキュア ONE」、「エサキュアKIP150」、「エサキュアKIP160」、「エサキュア1001M」、「エサキュアA198」、「エサキュアKIP IT」、「エサキュアKTO46」、「エサキュアTZT」(lamberti株式会社製)、「スピードキュアBMS」、「スピードキュアPBZ」、「ベンゾフェノン」(LAMBSON社製)等が挙げられる。さらに、光カチオン開始剤としては、光酸発生剤を用いることができる。光酸発生剤としてはジアゾジスルホン系化合物、トリフェニルスルホニウム系化合物、フェニルスルホン系化合物、スルフォニルピリジン系化合物、トリアジン系化合物及びジフェニルヨードニウム化合物などが挙げられる。
また、熱重合開始剤は具体的には、例えば、メチルアセトアセテイトパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカーボネイト、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、メチルエチルケトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、p−ペンタハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネイト、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾニトリル化合物、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオン−アミヂン)ジハイドロクロライド等のアゾアミヂン化合物、2,2’アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾアミド化合物、2,2’アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアルキルアゾ化合物等が挙げられる。
重合開始剤の含有量は前記光配向材料の重合成分の合計量に対して、0.1〜10質量が好ましく、1〜6質量%が特に好ましい。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
<液晶性モノマー>
本発明の光配向材料は、必要に応じて液晶性モノマーを含有することができる。前記液晶モノマーは、メソゲン骨格を有する重合性モノマーであればよく、前記液晶性モノマー単独では、液晶性を示さなくてもよい。
例えば、Handbook of Liquid Crystals(D.Demus,J.W.Goodby,G.W.Gray,H.W.Spiess,V.Vill編集、Wiley−VCH社発行,1998年)、季刊化学総説No.22、液晶の化学(日本化学会編,1994年)、あるいは、特開平7−294735号公報、特開平8−3111号公報、特開平8−29618号公報、特開平11−80090号公報、特開平11−116538号公報、特開平11−148079号公報、等に記載されているような、1,4−フェニレン基1,4−シクロヘキレン基等の構造が複数繋がったメソゲンと呼ばれる剛直な部位と、ビニル基、アクリル基、(メタ)アクリル基といった重合性官能基を2つ以上有する棒状重合性液晶化合物、あるいは特開2004−2373号公報、特開2004−99446号公報に記載されているようなマレイミド基を有する2つ以上の重合性基を有する棒状重合性液晶化合物が挙げられる。
具体的には、式(11)〜(17)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021103225
上記式中、P11〜P74は各々独立して重合性基を表し、S11〜S72は各々独立してスペーサー基を又は単結合を表すが、S11〜S72が複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良く、X11〜X72は各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、X11〜X72が複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良く(ただし、各P−(S−X)−結合には−O−O−を含まない。)、MG11〜MG71は各々独立してメソゲン性基を表し、R11、及び、R31は各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、シアノ基、ニトロ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基、又は、炭素原子数1から20のアルキル基を表すが、当該アルキル基は直鎖状であっても分岐状であっても良く、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、当該アルキル基中の1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は−C≡C−によって置換されても良く、
m1〜m7、n2〜n7、l4〜l6、k6は各々独立して0から5の整数を表す。
上記S11〜S72で表されるスペーサー基は、炭素原子数1〜18のアルキレン基を表し、該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、または重合性官能基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH基又は隣接していない2つ以上のCH基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−CH(OH)−、CH(COOH)、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−−C≡C−、或いは式(S−1)、又は式(S−2)
Figure 2021103225
により置き換えられていても良い。これらのスペーサー基のうち、配向性の観点から、炭素原子数2〜8の直鎖アルキレン基、フッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基、アルキレン基の一部が−O−で置き換えられた炭素原子数5〜14の直鎖、あるいは分岐アルキレン基、アルキレン基の一部が−COO−、もしくは−OCO−で置き換えられた炭素数5〜14の直鎖、あるいは分岐アルキレン基が好ましい。
また、P11〜P74で表される重合性基は、下記式(P−1)〜式(P−20)
Figure 2021103225
が好ましく、これらの重合性基のうち、重合性および保存安定性を高める観点から、式(P−1)、式(P−2)、式(P−7)、式(P−12)、又は式(P−13)が好ましく、式(P−1)、式(P−7)、式(P−12)がより好ましい。
MG21〜MG71で表されるメソゲン性基は、下記式(18−a)
Figure 2021103225
(式中、A81、A82は各々独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、これらの基は無置換又は1つ以上の上記Lによって置換されても良いが、A81及び/又はA82が複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く、
81及びZ82は各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CHCH−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、Z81及び/又はZ82が複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く、M81は1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフチレン−1,4−ジイル基、ナフチレン−1,5−ジイル基、ナフチレン−1,6−ジイル基、ナフチレン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジチオフェン−2,6−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジセレノフェン−2,6−ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]チオフェン−2,7−ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,7−ジイル基、又はフルオレン−2,7−ジイル基から選ばれる基を表すが、これらの基は無置換又は1つ以上のLによって置換されても良く、Lはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、j81及びj82は各々独立して0から5の整数を表すが、j81+j82は1から5の整数を表す。)で表される。)で表される基を表す。
式(11)〜式(17)で表される液晶性モノマーとして、具体的には、下記式(11−1)〜(11−15)、(12−1)〜(12−17)、(13−1)〜(13−8)、(14−1)〜(14−14)、(15−1)〜(15−11)、(16−1)〜(16−11)(17−1)〜(17−11)で表される液晶モノマーが挙げられる。
Figure 2021103225

Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
上記式中、m11、n11はそれぞれ独立して1〜10の整数を表し、R及びR113は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、シアノ基、ニトロ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基、又は、1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い。
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
(式中、m及びnはそれぞれ独立して1〜18の整数を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。)
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
(式中、m及びnはそれぞれ独立して1〜10の整数を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。)
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
(式中、nはそれぞれ独立して1〜10の整数を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。)
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
(式中、k、l、m及びnはそれぞれ独立して1〜10の整数を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。)
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
Figure 2021103225
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。)
液晶性モノマーを含有する場合の添加量は、本発明の光配向材料用いる、本発明のアゾ粉体組成物に対して、1〜200質量%であることが好ましく、5〜100質量%であることがより好ましい。
<ナノ粒子>
本発明の光配向材料は、必要に応じてナノ粒子を含有することができる。ここでいうナノ粒子とは、1次粒子径が凡そ1〜100nm程度の粒子を指す。前記ナノ粒子としては、アルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タルク、クレイ、マイカ、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、ガラス繊維等の無機質充填材、銀粉、銅粉などの金属粉末や窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ガリウム、炭化ケイ素、マグネシア(酸化アルミニウム)、シリカ、結晶性シリカ(酸化ケイ素)、溶融シリカ(酸化ケイ素)、通称量子ドットと呼ばれている化合物半導体、ペロブスカイト結晶、または、有機材料のカプセル粒子等が挙げられる。
(光配向膜)
本発明の光配向膜は、基板上に公知慣用の方法で塗布あるいは印刷し、乾燥後光配向処理を行うことによって得られる。
(基版)
本発明の光配向膜、光学素子、表示素子を得るための基板は、液晶表示素子、有機発光表示素子、その他表示素子、光学部品、着色剤、マーキング、印刷物や光学フィルムに通常使用する基材であって、本発明の光配向材料の塗布後の乾燥時における加熱に耐えうる耐熱性を有する材料であれば、特に制限はない。そのような基板としては、ガラス、金属、セラミックス、プラスチックや紙等の有機材料が挙げられる。特に基材が有機材料の場合、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ナイロン又はポリスチレン等が挙げられる。中でもポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロース誘導体、ポリアリレート、ポリカーボネート等のプラスチックが好ましい。基板の形状としては、平板の他、曲面を有するものであっても良い。これらの基板は、必要に応じて、電極層、反射防止機能、反射機能を有していてもよい。
光配向材料の塗布性や基板と光配向膜との接着性向上のために、これらの基板の表面処理を行っても良い。表面処理として、オゾン処理、プラズマ処理などが挙げられる。また、光の透過率や反射率を調節するために、基板表面に有機薄膜、無機酸化物薄膜や金属薄膜等を蒸着など方法によって設けても良い。
(塗布)
本発明の光配向膜を得るための塗布法としては、アプリケーター法、バーコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、フレキソコーティング法、インクジェット法、ダイコーティング法、キャップコーティング法、ディップコーティング法、スリットコーティング法、スプレーコーティング法等、公知慣用の方法を行うことができる。光配向材料を前記基板に塗布後、乾燥させて光配向膜用塗膜を得る。
(作製環境)
本発明の光配向膜を得るための環境は、人が通常室内で作業を行う環境であればよいが、できるだけエアコンや加湿器、除湿器等によって温度や湿度が制御された室内、及び、クリーンルームのような除塵された室内が好ましい。具体的には、温度は18℃〜28℃、湿度は30〜70質量%が好ましい。
(光配向処理)
前記方法により得た光配向膜用塗膜に、異方性を有する光を照射(以下、光配向処理と略す)して、光配向材料からなる層に光照射して液晶配向能を生じさせた層(光配向膜)を作成する。光配向処理で使用する、異方性を有する光としては、直線偏光や楕円偏光等の偏光、もしくは基材面に対して斜めの方向から非偏光があげられる。偏光は直線偏光、楕円偏光のいずれでも良いが、効率よく光配向を行うためには、消光比の高い直線偏光を使用することが好ましい。また、光照射装置において偏光を得るためには偏光フィルタ等を使用する必要があるので、膜面に照射される光強度が減少するといった欠点があるが、膜面に対して斜め方向から非偏光を照射する方法では、照射装置に偏光フィルタ等を必要とせず、大きな照射強度が得られ、光配向のための照射時間を短縮することができるという利点がある。このときの非偏光の入射角は基材法線に対して10°〜80°の範囲が好ましく、照射面における照射エネルギ−の均一性、得られるプレチルト角、配向効率等を考慮すると、20°〜60°の範囲が更に好ましく、45°が最も好ましい。
照射する光は、使用する化合物の光配向性基が吸収を有する波長領域の光であれば良い。例えば光配向性基がアゾベンゼン構造を有する場合は、アゾベンゼンのπ→π*遷移による強い吸収がある、波長330〜500nmの範囲の紫外線が特に好ましい。照射光の光源としては、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、KrF、ArF等の紫外光レ−ザ-等が挙げられる。本発明においては光配向性基がアゾベンゼン構造であるので、365nmの紫外線の発光強度が特に大きい超高圧水銀ランプを有効に使用することができる。
前記光源からの光を偏光フィルタやグラントムソン、グランテ−ラ−等の偏光プリズム、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素や二色性色素を吸着させて延伸したフィルム、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸してヨウ素や二色性染料あるいは、二色性色素を吸着させたフィルム、二色性染料を含有する水溶液を基板上に塗布して偏光層を形成したフィルム等の偏光フィルム、ワイヤーグリッド偏光板等を通すことで紫外線の直線偏光を得ることができる。
また、偏光、非偏光のいずれを使用する場合でも、照射する光は、ほぼ平行光であることが特に好ましい。
また、偏光を照射する際に、フォトマスクを使用すれば、光配向膜にパターン状に2以上の異なった方向に液晶配向能を生じさせることができる。具体的には、本発明の光配向膜用組成物を塗布乾燥した後に、基材にフォトマスクを被せて全面に偏光もしくは非偏光を照射し、パターン状に露光部分に液晶配向能を与える。必要に応じてこれを複数回繰り返すことで、複数方向に液晶配向能を生じさせることができる。
さらに場合によっては、前記光異性化工程の後に光配向膜を冷却することもできる。冷却方法としては、光異性化した光配向膜用塗膜が冷却されればよく、例えば、コールドプレート、チャンバー、低温恒温器等、公知慣用の冷却装置で基材ごと冷却を行う。
冷却条件としては、冷却温度が20℃で1分以上であるが、冷却温度が20℃よりも低い場合は、その限りではない。冷却温度としては、使用する溶剤の融点以上であればよいが、通常−40℃〜20℃の範囲が好ましい。液晶配向機能が向上した、より安定な光配向膜を得るには10℃以下が好ましく、冷却時間としては5分以上が好ましい。さらに冷却時間を短縮させるには冷却温度は5℃以下が好ましい。
また、結露防止のため、冷却をする際に乾燥空気や窒素、アルゴン雰囲気下で行ってもよいし、乾燥空気や窒素等を基材に吹きかけながら冷却してもよい。
(光配向膜の重合)
本発明で得られる光配向膜を予め重合させる場合は、光配向処理後、重合を行う。この場合は、重合開始剤を添加しておくことが好ましい。重合方法は光照射又は熱でよいが、光照射で行う場合は、光配向膜の配向能を低下させないようにアゾベンゼン骨格が持つ吸収帯以外の波長で行われることが好ましいとされる。このような光は、具体的には320nm以下の紫外光であるが、320nm以下の紫外光により光配向膜及び重合性液晶組成物が分解などを引き起こす場合は、320nm以上の紫外光で重合処理を行ったほうが好ましい場合もある。
320nm以上の紫外光によって、既に得られたアゾベンゼン骨格の配向が乱されないようにするためには、通常は、アゾベンゼン骨格が有する光の吸収帯とは異なる光吸収波長帯域を持つ光重合開始剤を使用するのが好ましい。また、通常の光重合開始剤の吸収帯よりも長波長の光を吸収し、重合開始剤へのエネルギー移動を起こすことによって重合反応を誘起する化合物を混合しても良い。これらにより、光配向操作で固定されている光配向膜用組成物の配向状態を乱さずに、重合させることができる。一方、重合のための光を光配向操作と同じ方向から照射する場合や、アゾベンゼン骨格の吸収遷移モーメントと直交する偏波面を有する偏光照射を行えば、得られた配向状態を乱す恐れがないので、任意の波長を使用することができる。
例えば、光配向材料に光重合開始剤を添加しておき光配向材料を配向させるような光を照射すると、光配向と光重合を同時に行うことができる。また、光配向を重合阻害をおこすような雰囲気、例えば空気中で行うことにより、光配向のみ行い、その後、雰囲気を重合阻害を及ぼさない、例えば、窒素中に変更することにより、光重合を開始させることもできる。この場合は、光配向の時の照射量を調整し、重合阻害の雰囲気で光配向を行っているうちに、すべての光重合開始剤を消費しないようにすることが好ましい。
一方、熱による重合の場合は、80〜250℃で行うのが好ましく、80〜160が好ましい。この場合は、熱重合開始剤を添加しておくのが好ましい。
(光学素子)
本発明の光学素子は、前記方法で得られた光配向膜層を基板上に形成し、2つの基板間に該光配向層が接するように液晶材料を挟持させることにより、TFT、STN、二色性色素を含有するゲストホスト型表示素子など各種の液晶表示素子として使用することができる。また、前記光配向膜層上に有機半導体材料を積層した半導体素子としても使用できる。更に、前記液晶材料として重合性の液晶組成物、液晶性ポリマー等を用いることにより、位相差フィルム、波長板、偏光フィルム、レンズ等など各種の光学フィルムとして用いることができる。
例えば、本発明の光学素子の一つである位相差フィルムや波長板は、前記方法で得た光配向膜層に重合性の液晶組成物を積層し、前記光配向膜により配向させた状態で光照射もしくは加熱により重合させて得ることができる。
具体的な方法としては、例えば、下記(方法1)〜(方法3)の方法が挙げられる。
(方法1)
基板上に、前記光配向材料の塗膜を作成する工程1と、前記光配向材料の塗膜上に重合性液晶組成物塗膜を作成する工程2と、異方性を有する光を照射して、光配向材料を含む層及び液晶分子を配向させながら重合性液晶組成物を重合させる工程3を、この順に行う製造方法。
該方法においては、異方性を有する光を1度照射するだけで、光配向工程と重合とを同
時に行うことができるので、効率的である。
(方法2)
基板上に、前記光配向材料の塗膜を作成する工程1と、前記光配向材料の塗膜に異方性を有する光を照射して光配向膜層を得る工程2と、前記光配向膜層上に重合性の液晶組成物塗膜を作成する工程3と、熱又は光により重合性液晶組成物を重合させる工程4を、この順に行う製造方法。
該方法においては、前記光配向材料の塗膜に直接光を照射するので、よりオーダーパラメーターの高い、即ち、液晶配向能の高い光配向膜を得ることができる。
(方法3)
基材上に、前記光配向材料の塗膜を作成する工程1と、前記光配向材料の塗膜に異方性を有する光を照射して光配向膜層を得る工程2と、光配向膜中に重合性基がある場合、熱又は光により重合させる工程3と、前記光配向膜上に重合性の液晶組成物塗膜を作成する工程4と、熱又は光により重合性液晶組成物を重合させる工程5を、この順に行う製造方法。
該方法においては、機械的、あるいは化学的強度に優れた光配向膜が得られ、光配向膜
を形成した基板を積み重ねたり巻き取ったりするプロセスが含まれる場合には好適である
。また、光配向の工程を光重合の工程とは分けて行うので配向規制力の制御が容易である
重合性の液晶組成物を塗布する工程の前に光配向膜が他の基板等や装置などの物体に接することがないようなプロセスでは、(方法1)又は(方法2)が、重合操作が一度で済み簡便であり好ましく、(方法2)が、配向に優れた光学異方体が簡便に得られるのでさらに好ましい。一方、重合性の液晶組成物を塗布する工程の前に、基板の堆積あるいは巻き取りにより光配向膜が他の基板等や装置などの物体に接する可能性がある場合には光配向膜の構造を固定化するために(方法3)を選択することが好ましい。
得られた位相差フィルムや波長板は、耐溶剤特性や耐熱性の安定化のために、加熱エージング処理することもできる。この場合、前記重合した液晶組成物膜のガラス転移点以上で加熱することが好ましい。通常は、50〜300℃が好ましく、80〜240℃がさらに好ましい、100〜220℃がさらに好ましい。
本発明の光学素子は、用途に応じて基板から剥離して単体で使用する場合、基板から剥離せずにそのまま使用する場合がある。特に、他の部材を汚染し難いので、被積層基板として使用したり、他の基板に貼り合わせて使用したりするときに有用である。場合によっては、数層にわたり積層することもできる。その場合は前記工程を複数繰り返せばよい。
(重合性の液晶組成物)
本発明の光学素子において、本発明の光配向材料から形成される光配向層によって配向が制御される重合性の液晶組成物は、液晶性モノマー、重合開始剤、溶剤、必要に応じて、レベリング剤、配向制御剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、(重合性)キラル化合物等の添加剤を含有するものが挙げられる。
ここで用いる液晶性モノマーとしては、前記した光配向材料として用いることのできる液晶性モノマーがいずれも使用でき、前記式(11)〜(17)で表される化合物をいずれも好適に用いることができる。
(液晶表示素子)
また、液晶表示素子として使用する場合、該液晶表示素子は、前記方法で得られた光配向膜層に前記位相差フィルムを用いた光学補償フィルムや光学補償層、あるいは、液晶材料のような表示材料を配向させるための配向膜等として使用することができる。
例えば、本発明の液晶表示素子の一例を以下に示す。
少なくとも二つの基材に液晶媒体層、TFT駆動回路、ブラックマトリックス層、カラーフィルター層、スペーサー、液晶媒体層に相応の電極回路が最低限狭持されており、通常、光学補償層、偏光板層、タッチパネル層は二つの基材の外側に配置されるが、場合によっては、光学補償層、オーバーコート層、偏光板層、タッチパネル用の電極層が二つの基材内に狭持されてもよい。
液晶表示素子の配向モードとしては、TNモード、VAモード、IPSモード、FFSモード、OCBモード等があるが、光学補償フィルムや光学補償層で用いられる場合には、配向モードに相応する位相差を有するフィルムを作成することができる。液晶材料用の配向膜で用いられる場合には、重合性基を有する光配向材料、あるいは光配向材料と重合性基を有する液晶性組成物の混合物を使用することが好ましい。また、液晶材料中にも混合することが可能であり、液晶媒体と液晶性化合物との比率により、応答速度やコントラスト等、各種の特性を向上させる効果がある。
例えば、本発明の表示素子の一例として、有機発光表示素子について示す。
本発明の光学素子の一つである位相差フィルム、及び、偏光フィルムを本発明の有機発光表示素子に使用することができる。位相差フィルムの場合は、本発明の光配向膜と重合性の液晶組成物の重合体との積層体、偏光フィルムの場合は、本発明の光配向膜と二色性色素との積層体、あるいは、光配向膜と二色性色素を含有する重合性の液晶組成物の重合体との積層体となっている。使用形態としては、前記重合により得られた位相差フィルムと偏光板と組み合わせることにより、有機発光表示素子の反射防止フィルムとして使用することができる。反射防止フィルムとして使用する場合、偏光フィルムの偏光軸と位相差フィルムの遅相軸のなす角度は45°程度が好ましい。偏光フィルムと前記位相差フィルムは、接着剤や粘着剤等で貼り合わせてもよい。また、偏光フィルム上に本発明の光配向膜を直接積層してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(アゾ粉末組成物aの調整)
2,2’−ベンジジンジスルホン酸50gに水635g、水酸化ナトリウム9.7gを加え、0〜5℃に保ちながら亜硝酸ナトリウム16.7g、及び、86.7mlの塩酸を少しずつ滴下し、さらに15質量%のアミド硫酸水溶液を添加し、1時間反応させてジアゾニウム塩を調製した。次にサリチル酸35.1gを824gの4質量%水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、これに前記ジアゾニウム塩混合物を徐々に滴下した。2時間反応後、塩酸水溶液でpHを調整し、20質量%食塩水を加え、室温でしばらく攪拌して生じた沈殿を濾別して粗生成物を得た。この粗生成物は、減圧下乾燥後、N,N−ジメチルホルムアミド400mlに溶解して不溶物を濾別し、次いでアセトン1500mlで再沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、水205gに溶解させた。得られた水溶液を加温後、イソプロパノール650gを滴下して得られた結晶をろ過し、橙色の固体を得た。さらに真空下、80℃で8時間乾燥することにより、下記構造式で表されるアゾ化合物1−7
Figure 2021103225

を含むアゾ粉末組成物a38.4gを得た。
次いで、得られたアゾ粉末組成物中の溶剤含有量を以下の方法で測定した。
アゾ粉末組成物a5.0gをアルミ皿に秤量し、加熱乾燥式水分計MS−70(エーアンドディ社製)の温度を200℃に設定した後、アゾ粉末組成物aが入ったアルミ皿を前記水分計にセットして、重量減少がなくなるまで加熱を継続した。乾燥後の重量から溶剤含有量を計算した結果、溶剤含有量は3.4質量%であった。
(光配向膜用組成物(1)の調整)
アゾ粉末組成物a1部をN−メチル−2−ピロリドン50部に溶解させた。得られた溶液に2−ブトキシエタノール50部を加え、光配向膜用組成物Aを得た。この際、アゾ粉末組成物a秤量時の粉末飛散は見られなかった。なお、秤量時の環境は、温度22℃。湿度50質量%R.H.であった。次に得られた光配向膜用組成物Aを0.20μmのメンブランフィルターでろ過し、光配向膜用組成物(1)を得た。
(重合性液晶組成物(1))
Figure 2021103225
(I−1)
Figure 2021103225
(I−2)
Figure 2021103225
(I−3)

式(I−1)で表される化合物40部、式(I−2)で表される化合物40部、式(I−3)で表される化合物20部、p−メトキシフェノール(MEHQ)0.1部、流動パラフィン0.2部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)300部に加えた後、60℃に加温、撹拌して溶解させ、溶解が確認された後、室温に戻し、Omnirad907(IGM社製)5部を加えて、さらに撹拌を行い、溶液を得た。溶液は、透明で均一であった。得られた溶液を0.20μmのメンブランフィルターでろ過し、実施例1等に用いる重合性液晶組成物(1)を得た。
(光学異方体の作製)
光配向膜用組成物(1)をガラス基板にスピンコート法を用いて塗布乾燥し、塗膜を得た。次に超高圧水銀ランプに偏光フィルターを介して、直線偏光でかつ平行光を、基材に対して垂直方向から照射し、実施例1の光配向膜を得た。照射量は200mJ/cm(照射強度:20mW/cm)であった。前記一連の工程時の温度は23℃、湿度は35質量%R.H.であった。
次に、前記重合性液晶組成物(1)をスピンコート法で塗布し、80℃で2分乾燥した。得られた塗布膜を室温で1分間放置した後、高圧水銀ランプを用いて、30mW/cmの強度で30秒間紫外線を照射して実施例1の光学異方体を得た。得られた光学異方体を以下の基準に従って評価したところ、目視では欠陥が全くなく、偏光顕微鏡観察でも欠陥が全くなかった。なお、下記基準において〇が最も配向性に優れており、×は多くの配向欠陥があることを示すことを意図する。
(配向性)
○:目視では欠陥が全くなく、偏光顕微鏡観察でも欠陥が全くない。
△:目視では欠陥はないが、偏光顕微鏡観察で全体的に無配向部分が存在している。
×:目視で一部欠陥が生じており、偏光顕微鏡観察でも全体的に無配向部分が存在している。
さらに光学異方体を得る前記一連の工程実施時の湿度を50質量%R.H.、65質量%R.H.にしても40質量%R.H.の時と同様に得られた光学異方体は目視では欠陥が全くなく、偏光顕微鏡観察でも欠陥が全くなかった。
(重合性液晶組成物(2))
Figure 2021103225
(I−4)
Figure 2021103225
(I−5)

式(I−4)で表される化合物50部、式(I−5)で表される化合物50部、p−メトキシフェノール(MEHQ)0.1部、流動パラフィン0.2部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)300部に加えた後、60℃に加温、撹拌して溶解させ、溶解が確認された後、室温に戻し、Omnirad907(IGM社製)5部を加えて、さらに撹拌を行い、溶液を得た。溶液は、透明で均一であった。得られた溶液を0.20μmのメンブランフィルターでろ過し、実施例1等に用いる重合性液晶組成物(2)を得た。
(光学異方体の作製)
光配向膜用組成物(1)をガラス基板にスピンコート法を用いて塗布乾燥し、塗膜を得た。次に超高圧水銀ランプに偏光フィルターを介して、直線偏光でかつ平行光を、基材に対して垂直方向から照射し、実施例1の光配向膜を得た。照射量は200mJ/cm(照射強度:20mW/cm)であった。前記一連の工程時の温度は23℃、湿度は35質量%R.H.であった。
次に、前記重合性液晶組成物(2)をスピンコート法で塗布し、80℃で2分乾燥した。得られた塗布膜を室温で1分間放置した後、高圧水銀ランプを用いて、30mW/cmの強度で30秒間紫外線を照射して実施例1の光学異方体を得た。得られた光学異方体を以下の基準に従って評価したところ、目視では欠陥が全くなく、偏光顕微鏡観察でも欠陥が全くなかった。
(実施例2〜6)
(アゾ粉末組成物bの調整)
2,2’−ベンジジンジスルホン酸50gに水635g、水酸化ナトリウム9.7gを加え、0〜5℃に保ちながら亜硝酸ナトリウム16.7g、及び、86.7mlの塩酸を少しずつ滴下し、さらに15質量%のアミド硫酸水溶液を添加し、1時間反応させてジアゾニウム塩を調製した。次にサリチル酸35.1gを824gの4質量%水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、これに前記ジアゾニウム塩混合物を徐々に滴下した。2時間反応後、塩酸水溶液でpHを調整し、20質量%食塩水を加え、室温でしばらく攪拌して生じた沈殿を濾別して粗生成物を得た。この粗生成物は、減圧下乾燥後、N,N−ジメチルホルムアミド400mlに溶解して不溶物を濾別し、次いでアセトン1500mlで再沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、水200gに溶解させる。得られた水溶液を加温後、イソプロパノール650gを滴下して得られた結晶をろ過し、橙色の固体を得た。さらに真空下、25℃で8時間乾燥することにより、下記構造式で表されるアゾ化合物1−7
Figure 2021103225
を含むアゾ粉末組成物b 39.2gを得た。得られたアゾ粉末組成物bの溶剤含有量は、6.9質量%であった。
(アゾ粉末組成物cの調整)
2,2’−ベンジジンジスルホン酸50gに水635g、水酸化ナトリウム9.7gを加え、0〜5℃に保ちながら亜硝酸ナトリウム16.7g、及び、86.7mlの塩酸を少しずつ滴下し、さらに15質量%のアミド硫酸水溶液を添加し、1時間反応させてジアゾニウム塩を調製した。次にサリチル酸35.1gを824gの4質量%水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、これに前記ジアゾニウム塩混合物を徐々に滴下した。2時間反応後、塩酸水溶液でpHを調整し、20質量%食塩水を加え、室温でしばらく攪拌して生じた沈殿を濾別して粗生成物を得た。この粗生成物は、減圧下乾燥後、N−メチル−2−ピロリドン400mlに溶解して不溶物を濾別し、次いでアセトン1500mlで再沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、水200gに溶解させる。得られた水溶液を加温後、イソプロパノール650gを滴下して得られた結晶をろ過し、橙色の固体を得た。さらに真空下、25℃で8時間乾燥することにより、下記構造式で表されるアゾ化合物1−7
Figure 2021103225
を含むアゾ粉末組成物c39.6gを得た。得られたアゾ粉末組成物cの溶剤含有量は、10.3質量%であった。
(アゾ粉末組成物dの調整)
2,2’−ベンジジンジスルホン酸50gに水635g、水酸化ナトリウム9.7gを加え、0〜5℃に保ちながら亜硝酸ナトリウム16.7g、及び、86.7mlの塩酸を少しずつ滴下し、さらに15質量%のアミド硫酸水溶液を添加し、1時間反応させてジアゾニウム塩を調製した。次にサリチル酸35.1gを824gの4質量%水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、これに前記ジアゾニウム塩混合物を徐々に滴下した。2時間反応後、塩酸水溶液でpHを調整し、20質量%食塩水を加え、室温でしばらく攪拌して生じた沈殿を濾別して粗生成物を得た。この粗生成物は、減圧下乾燥後、N,N−ジメチルホルムアミド400mlに溶解して50℃に加温した後、同温度で不溶物を濾別し、次いでアセトン1500mlで再沈殿させ、得られた沈殿物を濾別し、橙色の固体を得た。さらに真空下、25℃で8時間乾燥することにより、下記構造式で表されるアゾ化合物1−7
Figure 2021103225

を含むアゾ粉末組成物d 41.8gを得た。得られたアゾ粉末組成物dの溶剤含有量は、21.6質量%であった。
(アゾ粉末組成物eの調整)
2,2’−ベンジジンジスルホン酸51.7gを3.3質量%(w/v)水酸化ナトリウム水溶液750mlに溶解し、0〜5℃で撹拌した。この温度を保ちつつ、水650mlに溶解した亜硝酸ナトリウム22.8gを加え、次いで8N塩酸水溶液225mlをゆっくり滴下した。滴下終了後、反応液温度を保ちつつ3時間撹拌を続け、ジアゾニウム塩を調整した。次にo−トリフルオロメチルフェノール48.7gを3.3質量%(w/v)水酸化ナトリウム水溶液1500mlに溶解し、0〜5℃に冷却し、撹拌しつつ上記方法で得られたジアゾニウム塩混合物を徐々に滴下した。滴下終了後、反応液温度を保ちつつ一晩撹拌を続けた。反応液に、塩化ナトリウム750gを加え、室温でしばらく撹拌し、生じた沈殿を濾別して粗生成物を得た。得られた粗生成物は減圧下乾燥後、熱したアセトンで洗浄し、61gのアゾ化合物を得た。次いでエタノールと酢酸エチルの混合溶剤より再結晶を行った。
アゾ化合物20g、4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸17.4g、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩13.0gをN,N−ジメチルホルムアミド20mlに溶解し、氷浴で冷却しながら撹拌し、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン2.3gをN,N−ジメチルホルムアミド40mlに溶かした溶液をゆっくり加えた。氷浴をはずし、室温で3時間撹拌後、反応液を氷−1N塩酸水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層は水、飽和炭酸水素ナトリウム水、次いで飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層をろ過し、濾液を減圧下濃縮して得られた残部をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ジクロロメタン/メタノール/酢酸=40/1/1〜20/1/1)で精製し、目的物を含むフラクションを集め、水、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水で洗浄後、溶剤を減圧下留去した。残部をn−ヘキサンで洗浄して得られたアゾ化合物を真空下、25℃で8時間乾燥することにより、下記構造式で表されるアゾ化合物(1−61)
Figure 2021103225


を含むアゾ粉末組成物e16gを得た。得られたアゾ粉末組成物eの溶剤含有量は5.5質量%であった
(アゾ粉末組成物fの調整)
2,2’−ベンジジンジスルホン酸30.0gを3.3質量%(w/v)水酸化ナトリウム水溶液420mlに溶解し、0〜5℃で撹拌した。この温度を保ちつつ、水360mlに溶解した亜硝酸ナトリウム12.6gを加え、次いで8N塩酸水溶液131mlをゆっくり滴下した。滴下終了後、反応液温度を保ちつつ3時間撹拌を続け、ジアゾニウム塩を調製した。次に2−ヒドロキシメチルフェノール21.6gを3.3質量%(w/v)水酸化ナトリウム水溶液900mlに溶解し、0〜5℃に冷却し、撹拌しつつ上記方法で得られたジアゾニウム塩混合物を徐々に滴下した。滴下終了後、反応液温度を保ちつつ一晩撹拌を続けた。反応液に、塩化ナトリウム500gを加え、次いで濃塩酸を加えてpH1に調整し、室温でしばらく撹拌した。生じた沈殿を濾別して粗生成物を得た。得られた粗生成物は減圧下乾燥後、熱したアセトンで洗浄し、次いで50℃に加熱したN,N−ジメチルホルムアミド100mlに溶解して不溶物を濾別し、濾液を減圧下留去した。更に濃縮残部を加熱したテトラヒドロフランで洗浄した後、真空下25℃で8時間乾燥することにより、下記構造式で表されるアゾ化合物(1−2)
Figure 2021103225

を含むアゾ粉末組成物f 46gを得た。得られたアゾ粉末組成物fの溶剤含有量は6.1質量%であった。
[光配向膜用組成物の調整]
得られたアゾ粉末組成物b〜fをアゾ粉末組成物aと同様にして、光配向膜用組成物B〜Fを得た。いずれの場合も秤量時の粉末飛散は見られなかった。
また、得られた光配向膜用組成物B〜Fを用いて、光配向膜用組成物Aと同様の方法で光学異方体を得た。いずれの場合も目視では欠陥が全くなく、偏光顕微鏡観察でも欠陥が全くなかった。
得られた結果を表1〜2にまとめて示す。
(比較例1)
(アゾ粉末組成物gの調整)
2,2’−ベンジジンジスルホン酸50gに水635g、水酸化ナトリウム9.7gを加え、0〜5℃に保ちながら亜硝酸ナトリウム16.7g、及び、86.7mlの塩酸を少しずつ滴下し、さらに15質量%のアミド硫酸水溶液を添加し、1時間反応させてジアゾニウム塩を調製した。次にサリチル酸35.1gを824gの4質量%水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、これに前記ジアゾニウム塩混合物を徐々に滴下した。2時間反応後、塩酸水溶液でpHを調整し、20質量%食塩水を加え、室温でしばらく攪拌して生じた沈殿を濾別して粗生成物を得た。この粗生成物をアセトンで洗浄し、エタノールと水の混合溶剤で再結晶させた後、真空下80℃で8時間乾燥することにより、25gのアゾ粉末組成物gを得た。得られたアゾ粉末組成物gの溶剤含有量は1.9質量%であった。
得られたアゾ粉末組成物gをアゾ粉末組成物aと同様にして、光配向膜用組成物Gを得た。しかしながら、秤量時に粉末の飛散が見られたた。
また、得られた光配向膜用組成物Gを用いて、光配向膜用組成物Aと同様の方法で光学異方体を得た。しかしながら、重合性液晶組成物(1)を用いた場合には、23℃、35質量%R.H.の環境下では配向欠陥が発生し、重合性液晶組成物(2)を用いた場合には、23℃、35質量%R.H.の環境下、及び、23℃、50質量%R.H.の環境下で配向欠陥が発生した。
(比較例2)
2,2’−ベンジジンジスルホン酸50gに水635g、水酸化ナトリウム9.7gを加え、0〜5℃に保ちながら亜硝酸ナトリウム16.7g、及び、86.7mlの塩酸を少しずつ滴下し、さらに15質量%のアミド硫酸水溶液を添加し、1時間反応させてジアゾニウム塩を調製した。次にサリチル酸35.1gを824gの4質量%水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、これに前記ジアゾニウム塩混合物を徐々に滴下した。2時間反応後、塩酸水溶液でpHを調整し、20質量%食塩水を加え、室温でしばらく攪拌して生じた沈殿を濾別して粗生成物を得た。この粗生成物をアセトンで洗浄し、エタノールと水の混合溶剤で再結晶させた後、常圧下25℃で4時間放置したが、粉末は得られなかった。
Figure 2021103225
Figure 2021103225
(実施例7)
(アゾ粉末組成物hの調整)
アゾ粉末組成物a20gを80℃80質量%R.H.の恒温恒湿装置に24時間放置することにより、アゾ粉末組成物h22gを得た。得られたアゾ粉末組成物hの溶剤含有量は、12.5質量%であった。
得られたアゾ粉末組成物hをアゾ粉末組成物aと同様にして、光配向膜用組成物Hを得た。いずれの環境下の場合も秤量時の粉末飛散は見られなかった。
また、得られた光配向膜用組成物Hを用いて、光配向膜用組成物Aと同様の方法で光学異方体を得た。いずれの環境下で得られた光学異方体も目視では欠陥が全くなく、偏光顕微鏡観察でも欠陥が全くなかった。
(実施例7〜13)
表3に示す比率で光配向膜組成物H〜Nを得た。得られた光配向膜用組成物H〜Nを用いて、光配向膜用組成物Aと同様の方法で光学異方体を得た。いずれの環境下で得られた光学異方体も目視では欠陥が全くなく、偏光顕微鏡観察でも欠陥が全くなかった。
なお、表中の構成成分は以下のとおりである。
モノマー(A):1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物
モノマー(B):
Figure 2021103225
Omnirad907(IGM社製)
Figure 2021103225
Figure 2021103225

Claims (5)

  1. 液晶材料に対する配向能を有するアゾ化合物、及び、沸点が80〜250℃の溶剤を含み、前記アゾ化合物と前期溶剤の質量比率が98/2〜75/25であることを特徴とするアゾ粉体組成物。
  2. 液晶材料に対する配向能を有するアゾ化合物が、下記一般式(1)で表されるアゾ化合物である、請求項1に記載のアゾ粉体組成物。
    Figure 2021103225

    (式中、P及びPは、各々独立して、ヒドロキシ基、又は重合性官能基を表し、XはPがヒドロキシ基の場合、単結合を表し、Pが重合性官能基の場合、−(A−B−で表される連結基を表し、Xは、Pがヒドロキシ基の場合、単結合を表し、Pが重合性官能基の場合、−(B−A−で表される連結基を表す。
    A、A、及び、Aは単結合、あるいは少なくとも環構造を1つ以上有する2価の基を表し、B、及び、Bは、各々独立して単結合、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−OCH−、−CHO−、−CH=CH−、−N=N−、−C≡C−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO―、−CH=CHCOO−、又は、−CH=CH−OCO−を表す。m及びnは各々独立して0〜4の整数を表す。但し、m又はnが2以上のとき、複数あるA、B、A及びBは同じであっても異なっていても良い。Sp、及び、Spは、各々独立して単結合、又は炭素数1〜18の直鎖状アルキレン基を表し(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、または重合性官能基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−CH(OH)−、CH(COOH)、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い。炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキル基、又は−CONR(ただしR及びRは、各々独立して水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホニルオキシ基若しくはそのアルカリ金属塩基 アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、又は(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基、及びマレイミド基からなる群から選ばれる重合性官能基を表す。
    Aは、単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−OCH−、−CHO−、−CH=CH−、−N=N−、−C≡C−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−又は置換基を有してもよいπ電子数が10以上30以下である2価の有機基を表す。)
  3. 請求項2のアゾ粉末組成物を用いた光配向材料。
  4. 請求項3の光配向材料を基板上に形成し光硬化させた光配向膜。
  5. 請求項4に記載の光配向膜と、該配向膜上に液晶材料とを有する光学素子。
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WO2006003893A1 (ja) * 2004-06-30 2006-01-12 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. アゾ化合物、及びそれを用いた光配向膜用組成物、並びに光配向膜の製造方法

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