JP2021103057A - 熱交換器およびその外包ラミネート材 - Google Patents

熱交換器およびその外包ラミネート材 Download PDF

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Abstract

【課題】効率良く簡単に製作できる熱交換器を提供する。【解決手段】本発明は、外包体1内にインナーフィン2が設けられた熱交換器を対象とする。外包体1が、金属製の伝熱層51の内面側に樹脂製の熱融着層52が設けられ、かつ伝熱層51の外面側に樹脂製の保護層53が設けられた外包ラミネート材L1によって構成される。外包ラミネート材L1の熱融着層52および保護層53の少なくともいずれか一方に、熱伝導性添加剤が含有されている。【選択図】図1

Description

この発明は、金属製の伝熱層に樹脂製の熱融着層が積層されたラミネートシート等のラミネート材を用いて製作される熱交換器およびその外包ラミネート材に関する。
スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の電子機器における小型高性能化に伴い、電子機器のCPU回りの発熱対策も重要となり、機種によっては水冷式冷却器やヒートパイプを組み込んで、CPU等の電子部品に対する熱負荷を軽減するとともに、筐体内に熱をこもらせないようにして、熱による悪影響を回避する技術が従来より提案されている。
また電気自動車やハイブリッド車に搭載される電池モジュールは、充電と放電とを繰り返し行うために電池パックの発熱が大きくなる。このため電池モジュールにおいても上記の電子機器と同様に、水冷式冷却器やヒートパイプを組み込んで、熱による悪影響を回避する技術が提案されている。
さらにシリコンカーバイト(SiC)製等のパワーモジュールも発熱対策として冷却板やヒートシンクを組み付ける等の対策が提案されている。
ところで、上記のスマートフォンやパーソナルコンピュータのような電子機器では筐体が薄く、その薄い筐体内における限られたスペースに多数の電子部品や冷却器が組み込まれるため、冷却器自体も薄型のものが用いられることになる。
従来において、小型の電子機器に組み込まれるヒートパイプ等の薄型の冷却器は一般的に、アルミニウム等の伝熱性が高い金属を加工して得られた複数の金属加工部品をろう付けや拡散接合等で接合することにより製作するようにしている(特許文献1〜3等)。
特開2015−59693号公報 特開2015−141002号公報 特開2016−189415号公報
しかしながら、上記従来の小型電子機器用冷却器は、各構成部品が、鋳造や鍛造等の塑性加工や、切削等の除去加工等の金属加工(機械加工)によって製作されているが、このような金属加工は、面倒で制約も厳しいため、薄型化に限界があり、現行以上に薄型化を図ることが困難であるという課題があった。
また従来の小型電子機器用冷却器は、各構成部品を接合する際に難易度の高いろう付けや拡散接合等の金属加工(金属間接合)を用いて製作する必要があり、製作が困難であるばかりか、生産効率が低下してコストも増大するという課題があった。
その上さらに、従来の冷却器は、制約のある金属加工を用いて製作しているため、形状や大きさを簡単に変更することができず、設計の自由度に乏しく、汎用性に欠けるという課題も抱えている。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、十分な薄型化を図ることができるとともに、設計の自由度が高く汎用性に優れる上さらに、効率良く簡単に製作できてコストも削減することができる熱交換器およびその外包ラミネート材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]入口および出口が設けられた外包体と、前記外包体内に設けられ、かつ凹凸部を有するインナーフィンとを備え、前記入口から流入した熱交換媒体が前記外包体内のインナーフィン設置部を通って前記出口から流出するようにした熱交換器であって、
前記外包体が、金属製の伝熱層の内面側に樹脂製の熱融着層が設けられ、かつ前記伝熱層の外面側に樹脂製の保護層が設けられた外包ラミネート材によって構成され、
前記外包ラミネート材の前記熱融着層および前記保護層の少なくともいずれか一方に、熱伝導性添加剤が含有されていることを特徴とする熱交換器。
[2]前記外包ラミネート材における前記伝熱層、前記熱融着層および前記保護層の各層間に設けられた接着剤層のうち、少なくともいずれかの接着剤層に、熱伝導性添加剤が含有されている前項1に記載の熱交換器。
[3]前記インナーフィンが、金属製の伝熱層の両面側の樹脂製の熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成され、
前記インナーフィンの凹凸部の熱融着層と、前記外包体の熱融着層とが接合一体化され、
前記内芯ラミネート材の前記両側の熱融着層の少なくともいずれか一方に、熱伝導性添加剤が含有されている前項1または2に記載の熱交換器。
[4]前記内芯ラミネート材における前記伝熱層および前記両側の熱融着層の各層間に設けられた接着剤層のうち、少なくともいずれかの接着剤層に、熱伝導性添加剤が含有されている前項3に記載の熱交換器。
[5]前記外包体は、前記インナーフィンを介して重ね合わされた2枚の前記外包ラミネート材の外周縁部同士が接合一体化されて形成されている前項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換器。
[6]前記外包体は、中間領域に設けられ凹陥部に前記インナーフィンが収容されるトレイ部材と、そのトレイ部材における前記凹陥部の開口部を閉塞するカバー部材とを備えている前項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換器。
[7]入口および出口が設けられた外包体と、前記外包体内に設けられ、かつ凹凸部を有するインナーフィンとを備え、前記入口から流入した熱交換媒体が前記外包体内のインナーフィン設置部を通って前記出口から流出するようにした熱交換器における前記外包体を形成するための外包ラミネート材であって、
金属製の伝熱層と、
前記伝熱層の内面側に設けられた樹脂製の熱融着層と、
前記伝熱層の外面側に設けられた樹脂製の保護層とを備え、
前記熱融着層および前記保護層の少なくともいずれか一方に、熱伝導性添加剤が含有されていることを特徴とすることを特徴とする熱交換器の外包ラミネート材。
[8]
前記伝熱層、前記熱融着層および前記保護層の各層間に設けられた接着剤層のうち、少なくともいずれかの接着剤層に、熱伝導性添加剤が含有されている前項7に記載の熱交換器の外包ラミネート材。
発明[1]の熱交換器によれば、外包体を構成する外包ラミネート材の一方の樹脂層に熱伝導性添加剤が含有されているため、外包体の熱伝導性を向上させることができる。このため、外包体内を循環する熱交換媒体と、外包体の外面に接触する冷却対象部材との間の熱交換効率を向上させることができ、高い熱交換性能を得ることができる。また本発明の熱交換器においては、ラミネート材や樹脂成形品を熱融着して製作するものであるため、面倒な金属加工を用いる必要がなく、効率良く簡単に製作できてコストを削減できるとともに、十分な薄型化を図ることができる。さらに本発明の熱交換器において、外包体としてのラミネート材やインナーフィンはその形状や大きさを簡単に変更できるため、設計の自由度が増して、汎用性を向上させることができる。
発明[2]〜[6]の熱交換器によれば、上記一方の樹脂層以外の層にも熱伝導性添加剤が含有されているため、熱交換効率をより一層向上させることができ、熱交換性能をより一層向上させることができる。
発明[7][8]の熱交換器の外包ラミネート材によれば、所定の層に熱伝導性添加剤が含有されているため、この外包ラミネート材を用いて熱交換器を製作することによって、上記発明の熱交換器と同様の効果を奏する熱交換器を確実に製作することができる。
図1はこの発明の第1実施形態である熱交換器を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は図(a)のB−B線断面に相当する側面断面図、図(c)は図(a)のC−C線断面に相当する正面断面図である。 図2は図1(c)の一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す正面断面図である。 図3はこの発明の第2実施形態である熱交換器を示す斜視図である。 図4は第2実施形態の熱交換器を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は図(a)のB−B線断面に相当する側面断面図である。 図5は第2実施形態の熱交換器を分解して示す斜視図である。
<第1実施形態>
図1はこの発明の第1実施形態である熱交換器を示す図である。以下の説明においては発明の理解を容易にするため、図1(a)の上下方向を「前後方向」として説明し、さらに図1(c)の上下方向を「上下方向(厚さ方向)」として説明する。
図1に示すように、本第1実施形態の熱交換器は、伝熱パネルや伝熱チューブ等として用いられるものであり、ケーシング(容器)としての袋状の外包体1と、外包体1の内部に収容されるインナーフィン(内芯材)2とを備え、外包体1の前端および後端に、出入口16,16が設けられている。
外包体1は、柔軟性および可撓性を有するラミネートシートである外包ラミネート材L1によって構成されている。
図2に示すように外包ラミネート材L1は、金属(金属箔)製の伝熱層51と、その伝熱層51の一面(内面)に接着剤層55を介して積層された熱融着性の樹脂フィルムないし熱融着性の樹脂シート製の熱融着層52と、伝熱層51の他面(外面)に接着剤層55を介して積層された耐熱性の樹脂フィルムないし耐熱性の樹脂シート製の保護層(耐熱層)53とを備えている。なお本実施形態において、「箔」という用語は、フィルム、薄板、シートも含む意味で用いられている。
そして本実施形態の外包体1は、後述するように矩形状に形成された2枚の外包ラミネート材L1、L1が上下に重ね合わされて、外周縁部の熱融着層52同士が熱接着(熱融着)によって接合一体化されることにより、袋状に形成されている。
また外包体1における出入口16,16にはジョイントパイプ33,33が設けられる。本実施形態においてジョイントパイプ33,33は例えば、合成樹脂の一体成形品によって構成されており、その少なくとも表面の樹脂が熱融着層として構成されるものである。
このジョイントパイプ33,33は、外包体1を構成する2枚の外包ラミネート材L1の前端部間および後端部間に挟み込まれるように配置されて、各ジョイントパイプ33,33の外周面(熱融着層)が、それに対応する外包ラミネート材L1の熱融着層52に熱融着によって接合一体化されている。これによりジョイントパイプ33,33が外包体1の出入口16,16の位置において外包体1の前端部および後端部を貫通した状態で外包体1に固定されている。この状態では、ジョイントパイプ33,33の外周面全域と外包ラミネート材L1の熱融着層52との間は熱融着によって封止されている。さらに各ジョイントパイプ33,33の一端側は外包体1の外部に配置されるとともに、他端側は外包体1の内部に配置されており、冷媒等の熱交換媒体を一方のジョイントパイプ33を介して外包体1の内部に導入できるとともに、外包体1の内部の熱交換媒体を他方のジョイントパイプ33を介して外部に導出できるようになっている。
ここで本実施形態においては、一対の出入口16,16のうち、一方の出入口16が入口として構成され、他方の出入口16が出口として構成されている。
外包ラミネート材L1における伝熱層51としては、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔、ニッケルメッキ加工した銅箔、ニッケルと銅箔からなるクラッドメタル等を好適に用いることができる。なお本実施形態において、「銅」「アルミニウム」「ニッケル」「チタン」という用語は、それらの合金も含む意味で用いられている。
伝熱層51は、集熱層とも称されるものであり、厚みが8μm〜300μmのものを用いるのが良く、より好ましくは60μm〜200μmのものを用いるのが良い。
また伝熱層51は、化成処理等の表面処理を施しておくことにより、伝熱層51の腐食防止や、樹脂との接着性の向上など、より一層耐久性を向上させることができる。
化成処理は、例えば次のような処理を施す。即ち、脱脂処理を行った金属箔の表面に、下記の1)〜3)のうちのいずれかの水溶液を塗工した後、乾燥することにより、化成処理を施す。
1)リン酸と、クロム酸と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
2)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
3)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
上記化成皮膜は、クロム付着量(片面当たり)として0.1mg/m〜50mg/mに設定するのが好ましく、特に2mg/m〜20mg/mに設定するのがより一層好ましい。
熱融着層52としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。中でも特に、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)によって構成されるフィルムないしシートを用いるのが好ましい。
なお、熱融着層52としては、厚みが20μm〜5000μmのものを用いるのが良く、より好ましくは30μm〜80μmのものを用いるのが良い。
また保護層53としては、耐熱性樹脂であるポリエステル樹脂(PET)、ポリアミド樹脂(ONY)等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。
さらに保護層53としては、厚みが6μm〜100μmのものを用いるのが良く、より好ましくは6μm〜40μmのものを用いるのが良い。
また外包ラミネート材L1を構成する伝熱層51、熱融着層52および保護層53の各間を接着するための接着剤層55を構成する接着剤としては、2液硬化型ウレタン系接着剤、オレフィン系接着剤等を好適に用いることができる。接着剤層55の厚みは1μm〜10μmに設定するのが良く、より好ましくは2μm〜7μmに設定するのが良い。
なお本実施形態においては、外包体1を構成するラミネート材L1として、3層構造のシートを用いるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、4層以上の構造のシートを用いるようにしても良い。例えば保護層と伝熱層との間に他の層を介在させたり、伝熱層と熱融着層との間に他の層を介在したりして、4層以上の構造のシートを採用するようにしても良い。
図1および図2に示すように外包体1の内部に収容されるインナーフィン2は、柔軟性ないし可撓性を有するラミネートシートである内芯ラミネート材L2によって構成されている。
内芯ラミネート材L2は、金属箔製の伝熱層61と、伝熱層61の両面に接着剤層65を介してそれぞれ積層された樹脂フィルムないし樹脂シート製の熱融着層62,62とを備えている。
内芯ラミネート材L2における伝熱層61としては、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔、ニッケルメッキ加工した銅箔、ニッケルと銅箔からなるクラッドメタル等を好適に用いることができる。
伝熱層61は、厚みが8μm〜300μmのものを用いるのが良く、より好ましくは60μm〜200μmのものを用いるのが良い。
熱融着層62としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。中でも特に、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)によって構成されるフィルムないしシートを用いるのが好ましい。
熱融着層62としては、厚みが20μm〜5000μmのものを用いるのが良く、より好ましくは30μm〜80μmのものを用いるのが良い。
また内芯ラミネート材L2を構成する伝熱層61および両側の熱融着層62の各間を接着するための接着剤層65を構成する接着剤としては、2液硬化型ウレタン系接着剤、オレフィン系接着剤等を好適に用いることができる。接着剤層65の厚みは1μm〜10μmに設定するのが良く、より好ましくは2μm〜7μmに設定するのが良い。
なお本実施形態においては、インナーフィン2を構成する内芯ラミネート材L2として、3層構造のシートを用いるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、4層以上の構造のシートを用いるようにしても良い。例えば熱融着層と伝熱層との間に他の層を介在させることによって、4層以上の構造のシートを採用するようにしても良い。
またインナーフィン2の加工方法は、切削加工、射出成型、シート成形(真空成形、圧空成形等)の他、コルゲート加工やエンボス加工を用いることができる。なお言うまでもなく、インナーフィン2の加工方法は限定されるものではない。
インナーフィン2は、円弧状の凹部25および凸部26が交互に連続して形成された一般的な波形状(正弦波形状)、いわゆるアナログ信号波形に形成されている。
また本実施形態において、インナーフィン2のフィン高さHfを0.1mm〜50mmに設定するのが好ましい。
ジョイントパイプ33は、外包ラミネート材L1や内芯ラミネート材L2の熱融着層52,62と同種の樹脂、すなわちポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、またはそれらの変性樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等によって構成されている。本実施形態においてジョイントパイプ33は例えば、射出成型等によって形成することができる。
この第1実施形態の熱交換器の製造手順は特に限定されるものではないが例えば、一方(下側)の外包ラミネート材L1の中間領域に、インナーフィン2を設置し、さらに外包ラミネート材L1の外周縁部における前端縁部および後端縁部にジョイントパイプ33,33を設置する。
続いて他方(上側)の外包ラミネート材L1を、インナーフィン2およびジョイントパイプ33,33を覆うようにして、下側の外包ラミネート材L1上に配置する。こうして上下の外包ラミネート材L1の外周縁部における互いの熱融着層52同士を重ね合わせて、その重ね合わせ部を一対の加熱シール型によって挟み込みながら加熱して、当該重ね合わせ部の熱融着層52同士を熱融着して接合一体化する(外包体融着工程)。なおジョイントパイプ33,33の部分は、ジョイントパイプ33,33の外周面を上下の外包ラミネート材L1の外周縁部における熱融着層52に熱融着して接合一体化する。
さらに外包体1の一対の外包ラミネート材L1,L1の中間領域(フィン設置位置)を上下一対の加熱板によって挟み込みながら加熱する。これによりインナーフィン2の山頂部および谷底部の熱融着層62を、一対のラミネート材L1の熱融着層52に熱融着により接合一体化する(フィン融着工程)。
こうして本実施形態の熱交換器が製造される。なお本実施形態において外包体融着工程と、フィン融着工程とを別々に行っても良いし、同時に行っても良い。
融着工程(溶着工程)において、溶着温度は、140℃〜250℃に設定するのが良く、より好ましくは、160℃〜200℃に設定するのが良い。さらに溶着圧力は、0.1MPa〜0.5MPaに設定するのが良く、より好ましくは0.15MPa〜0.4MPaに設定するのが良い。さらに溶着時間は、2秒〜10秒に設定するのが良く、より好ましくは、3秒〜7秒に設定するのが良い。
この実施形態の熱交換器においては、一方のジョイントパイプ33から冷却液等の熱交換媒体を外包体1内に流入させて、他方のジョイントパイプ33から流出させることにより、冷却液を外包体1内に循環させるとともに、循環する冷却液と、外包体1の外表面に接触させた熱交換対象部材との間で熱交換させて、熱交換対象部材を冷却するものである。
本実施形態の熱交換器は、その使用形態は特に限定されるものではなく、1つだけで使用することもできるし、2つ以上で使用することもできる。1つでの使用は、既述した通り、熱交換器の上下面に熱交換対象部材を接触させて使用するものである。2つで使用する場合には、例えば2つの熱交換器によって熱交換対象部材を挟み込むように配置して使用することができる。さらに2つ以上で使用する場合、熱交換器と熱交換対象部材とを交互に重ね合わせるように配置して使用することもできる。
なおインナーフィン2は、その山筋方向および谷筋方向がトレイ部材10の前後方向に一致するように配置される。これにより、インナーフィン2の山筋部および谷筋部によって形成されるトンネル部および溝部が、熱交換流路として構成されている。この熱交換流路は、外包体1の前後方向に沿うように配置され、かつ幅方向(左右方向)に並列に複数配置されており、熱交換媒体(熱媒体)が各熱交換流路を通って均等に分散しながら外包体1の前後方向一端側から他端側に向けてスムーズに流通できるように構成されている。
ここで本実施形態の熱交換器においては、外包ラミネート材L1の熱融着層52、保護層53および接着剤層55と、内芯ラミネート材L2の熱融着層62および接着剤層65には適宜、熱伝導性添加剤が含有されている。
本実施形態で使用される熱伝導性添加剤としては、熱伝導率が10W/m・k以上のものを用いるのが好ましい。具体的には、カーボン系添加剤(グラファイト、鱗片状黒鉛、人造黒鉛、ケッチンブラック)、無機系元素の酸化物(シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム)、無機系元素の窒化物(窒化ホウ素、窒化アルミニウム)、無機系元素の炭化物(炭化ケイ素等)、金属粉(銀粉、銅粉、アルミニウム粉)等を好適に用いることができる。
また、熱交換媒体に水系媒体が使用されるときは、水系媒体との接触に起因する水系環境での腐食を考慮すると、各層52,53,62,55,65に添加する熱伝導性添加剤としては、カーボン系添加剤、無機系元素の酸化物添加剤を用いるのが良い。
熱伝導性添加剤の平均粒子径としては、添加する各層の厚さを考慮して、適した平均粒子径のものを選択するのが良い。
例えば熱融着層52,62,保護層53等の樹脂層に添加する場合には、樹脂層52,53,62の厚さよりも小さい平均粒子径のものが添加可能であり、樹脂フィルムへ添加する場合は、平均粒子径20μm以下のものが好ましい。
また接着剤層55,62に添加する場合には、接着剤層の厚さよりも小さい平均粒子径のものが添加可能であり、ドライラミネート接着剤層へ添加する場合は、平均粒子径5μm以下のものが望ましい。
熱伝導性添加剤の添加量は、添加量が多い程、熱抵抗低減効果が期待できるが、添加量が多過ぎると、樹脂層の機械的性質が低下したり、接着剤層の接着性に悪影響を与える可能性があるので、樹脂層や接着剤層の基本性能に大きな影響を与えない範囲で添加するのが好ましい。
熱伝導性添加剤の具体的な添加量としては、保護層53に添加する場合には、添加量を3wt%〜50wt%に設定するのが良く、より好ましくは5wt%〜40wt%に設定するのが良い
熱融着層52,62に添加する場合には、添加量を3wt%〜50wt%に設定するのが良く、より好ましくは5wt%〜40wt%に設定するのが良い。
接着剤層55,65に添加する場合には、添加量を0.5wt%〜30wt%に設定するのが良く、より好ましくは1wt%〜20wt%に設定するのが良い。
熱伝導性添加剤を添加するに際しては、ポリマーであるプラスチックや樹脂に混合し、樹脂と添加剤を練り込んだペレットを作製し、その後、このペレットを用いて樹脂フィルムないしシートに成膜した方が、添加剤の分散状態が良い樹脂フィルムないしシートを得ることができる。
ペレットを作製する加工は、一般的に混練またはコンパウンディングと称されており、この混練り方法として、以下の3つの方法(1)〜(3)が多く用いられている。
(1)ロールを使う方法
ゴムで多用される方法の一つであり、二つの回転させているロールの間にゴムをシート状にして押しつぶしながら、添加剤を投入して練りこんでいく方法である。
(2)ニーダーを使う方法
ゴムで使用される他、樹脂でもPPやPVCで使用されており、加圧ニーダーを使って、添加剤と母材となる材料を混練し、飴状に溶けたものを取り出し、これを押し出し機でペレット状態にする方法である。こうして形成されたペレットはその中で添加剤と樹脂が混ざり合っている。
(3)押し出し機を使う方法
専用の連続混練機を使うもので、ホッパーから樹脂材料と添加剤をまぜて投入し、機械の中で混ぜ合わされ先端から出てきた細長い飴状のものをカットしてペレット状態にする方法である。投入口となるホッパーは、添加剤側と、樹脂側とで別々になっている場合もある。大量生産が前提となる場面で良く使用されている。
なお本発明においては、外包ラミネート材L1の熱融着層52および保護層53のうち少なくともいずれか一方の樹脂層に、熱伝導性添加剤が添加されていれば良く、より好ましくは、他方の樹脂層、内芯ラミネート材L2の熱融着層62,62、接着剤層55,65に、熱伝導性添加剤が添加されているのが良い。
以上のように本第1実施形態の熱交換器によれば、外包体1を構成する外包ラミネート材L1の一方の樹脂層に熱伝導性添加剤を添加しているため、外包体1の熱伝導性を向上させることができる。このため、外包体1内を循環する熱交換媒体と、外包体1の外面に接触する冷却対象部材との間の熱交換効率を向上させることができ、高い熱交換性能を得ることができる。
さらに本実施形態の熱交換器において、外包ラミネート材L1の他方の樹脂層や、接着剤層55、内芯ラミネート材L2の樹脂層62および接着剤層65に適宜熱伝導性添加剤を添加する場合には、外包体1やインナーフィン2の熱伝導性をより一層向上させることができるため、より一層高い熱交換性能を得ることができる。
また本実施形態の熱交換器によれば、構成部材としての外包体1、インナーフィン2およびヘッダー3が合成樹脂を基に製作されているため、各構成部材を適宜熱融着するだけで簡単に製作することができる。このため本実施形態の熱交換器は、ろう付け接合等の難易度が高くて面倒な接合加工によって製作する従来の金属製の熱交換器に比べて、コストの削減および生産性の向上を図ることができる。
さらに本実施形態の熱交換器は、金属の塑性加工や切削加工等の面倒かつ制約のある金属加工を用いる場合と異なり、より一層生産効率の向上およびコストの削減を図ることができる。
また本実施形態の熱交換器は、薄型のラミネート材L1を貼り合わせて形成するものであるため、十分な薄肉化および軽量化を確実に図ることができる。
また本実施形態の熱交換器によれば、外包体1の内部にインナーフィン2を配置して、外包体1の内部に冷媒流通用空間(熱交換流路)を確保するものであるため、内圧および外圧のいずれの圧力に対しても高い強度を確保でき、動作信頼性を向上させることができる。
さらに本実施形態の熱交換器は、外包体1がラミネート材L1であるため、熱交換器自体の形状や大きさを簡単に変更できるとともに、既述した通り、厚みや強度、熱交換性能等も簡単に変更できるので、熱交換器取付位置等に合わせて適切な構成に簡単に仕上げることができ、設計の自由度が増し、汎用性も向上させることができる。
<第2実施形態>
図3〜図5はこの発明の第2実施形態である熱交換器を示す図である。これらの図に示すように、本第2実施形態の熱交換器は、ケーシング(容器)としての外包体1と、外包体1の内部に収容されるインナーフィン(内芯材)2と、外包体1の両端部内に収容される一対(両側)のヘッダー(ジョイント部材)3,3とを備えている。
外包体1は、平面視矩形状のトレイ部材10と、平面視矩形状のカバー部材15とによって構成されている。
トレイ部材10は、外包ラミネート材L1の成形品によって構成されており、外周縁部を除く中間領域全域が下方に深絞り成形や、押出成型等の冷間成形の手法を用いて凹陥形成されて、平面視矩形状の凹陥部11が形成されるとともに、凹陥部11の開口縁部外周に外方に突出するフランジ部12が一体に形成されている。
またカバー部材15は、トレイ部材10における凹陥部11の前後両端部に対応して一対の出入口16,16が形成されている。言うまでもなく本実施形態においては、一対の出入口16のうち、一方の出入口16が入口として構成され、他方の出入口16が出口として構成されている。
トレイ部材10およびカバー部材15は、上記第1実施形態と同様の外包ラミネート材L1によって構成されている。
さらに第2実施形態において、外包体1の中空部(凹陥部)11内に収容されるインナーフィン2は、上記第1実施形態と同様の内芯ラミネート材L2によって構成されており、同様の形状を有している。
このインナーフィン2が、トレイ部材10の凹陥部11内に収容される。この場合、インナーフィン2は、トレイ部材10の凹陥部11における前後両端部を除いた中間部に収容される。さらにインナーフィン2は、その山筋方向および谷筋方向がトレイ部材10の前後方向(図5の左右方向)に一致するように配置される。これにより、インナーフィン2の山筋部および谷筋部によって形成されるトンネル部および溝部が、熱交換流路として構成されている。この熱交換流路は、トレイ部材10の前後方向に沿うように配置され、かつ幅方向(左右方向)に並列に複数配置されており、熱交換媒体(熱媒体)が各熱交換流路を通って均等に分散しながら外包体1の前後方向一端側から他端側に向けてスムーズに流通できるように構成されている。
一方図4および図5に示すように、外包体1の両端部に配置される一対のヘッダー3,3は、合成樹脂の成形品によって構成されている。
ヘッダー3を構成する樹脂としては、上記第1実施形態のジョイントパイプ33を構成する樹脂と同種の樹脂が用いられている。
ヘッダー3は、一側面に開口部32を有する箱状の取付箱部31と、取付箱部31の上壁に設けられたパイプ部33とを備えている。パイプ部33は取付箱部31内に連通しており、パイプ部33の内部と取付箱部31の内部との間で熱交換媒体が往来できるように構成されている。
このヘッダー3の取付箱部31がトレイ部材10の凹陥部11におけるインナーフィン2の両側に配置される。さらにヘッダー3のパイプ部33が上向き配置されるとともに、取付箱部31の開口部32が内側に向けて、つまりインナーフィン2に対向して配置される。
こうしてヘッダー3,3をトレイ部材10内に収容して、カバー部材15をトレイ部材10にその開口部を閉塞するように配置する。この場合、カバー部材15の出入口16内に、ヘッダー3,3の上向きのパイプ部33,33を挿通配置する。
こうして仮組された熱交換器を上記実施形態と同様に加熱することによって、接触し合う部材同士を熱融着して接合一体化する。
すなわち、外包体1におけるトレイ部材10のフランジ部12と、カバー部材15の外周縁部との重ね合わせ部分を、上下一対の加熱シール型によって挟み込みながら加熱する(外包体融着工程)。これにより、トレイ部材10のフランジ部12と、カバー部材15の外周縁部との熱融着層52同士を熱融着(熱接着)して、外包体1の中空部を気密ないし液密状態に封止する。
続いて、外周縁部を熱溶着した外包体1の中間領域(下壁111および上壁151)を上下一対の加熱板によって挟み込みながら加熱する。これにより、インナーフィン2の山頂部および谷底部の熱融着層62と、トレイ部材10の底壁111およびカバー部材15の中間領域(上壁)151の熱融着層52とを熱接着(熱融着)により接合一体化して、液密ないし気密状態に封止する(フィン融着工程)。さらにこのフィン融着工程においては、ヘッダー3,3の取付箱部31,31の外周面と、それに対応するトレイ部材10およびカバー部材15の熱融着層52とを熱融着(熱接着)により接合一体化して、液密ないし気密状態に封止する。
なお本実施形態においても外包体融着工程と、フィン融着工程とを別々に行っても良いし、同時に行っても良い。
こうして組み付けられた熱交換器は、外包体1における両端部の上壁(カバー部材15)からヘッダー3,3のパイプ部33,33が上方に突出するように配置されている。
この第2実施形態の熱交換器においても、上記第1実施形態の熱交換器と同様、外包体1を構成する外包ラミネート材L1の樹脂層52,53や接着剤層55(図2参照)、さらに内芯ラミネート材L2の樹脂層62や接着剤層65(図2参照)に適宜熱伝導性添加剤が含有されている。
この第2実施形態の熱交換器においては、一方のヘッダー3のパイプ部33から冷却液等の熱交換媒体を外包体1内に流入させて、インナーフィン2の部分を通過させた後、他方のヘッダー3のパイプ部33から流出させることにより、冷却液を外包体1内に循環させるとともに、その循環する冷却液と、外包体1の外表面に接触させた熱交換対象部材との間で熱交換させて、熱交換対象部材を冷却するものである。
この第2実施形態の熱交換器において、他の構成は上記第1実施形態の熱交換器と実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一符号を付して重複説明は省略する。
以上の構成の第2実施形態の熱交換器においても、上記第1実施形態の熱交換器と同様の効果を得ることができる。
1.外包ラミネート材L1および内芯ラミネート材L2の準備
<比較例1>
外包ラミネート材:PET12/接着剤/AL120/接着剤/LLDPE40
内芯ラミネート材:LLDPE40/接着剤/AL120/接着剤/LLPPE40
比較例1の外包ラミネート材L1および内芯ラミネート材L2として、ラミネート材L1,L2のいずれの層にも、熱伝導性添加剤が含有されていないものを準備した。
すなわち、外包ラミネート材L1は、厚さ120μmのAl箔からなる伝熱層51と、その伝熱層51の内面側に接着剤層55を介して積層され、かつ厚さ40μmのLLDPEフィルムからなる熱融着層52と、伝熱層51の外面側に接着剤層55を介して積層され、かつ厚さ12μmのPETフィルムからなる保護層53とを備えている。
内芯ラミネート材L2は、厚さ120μmのAl箔からなる伝熱層61と、その伝熱層61の両面側に接着剤層55を介して積層され、かつ厚さ40μmのLLDPEフィルムからなる熱融着層62とを備えている。
<実施例1>
外包ラミネート材:PET12(ALO 30%)/接着剤/AL120/接着剤/LLDPE40(ALO 40%)
内芯ラミネート材:LLDPE40/接着剤/AL120/接着剤/LLPPE40
実施例1の外包ラミネート材L1として、熱融着層52および保護層53に熱伝導性添加剤が含有されたものを準備した。
すなわち外包ラミネート材L1における熱融着層52のLLDPEとして、熱伝導性添加剤であるアルミナ(Al)が40wt%含有したものを使用し、さらに保護層53のPETとして、熱伝導性添加剤であるアルミナ(Al)が30wt%含有したものを使用し、それ以外は上記比較例1と同様に、実施例1の外包ラミネート材L1および内芯ラミネート材L2を準備した。
なおアルミナの平均粒子径は1μm〜5μmである。
<実施例2>
外包ラミネート材:PET12(ALO 30%)/接着剤/AL120/接着剤/LLDPE40
内芯ラミネート材:LLDPE40/接着剤/AL120/接着剤/LLDPE40
実施例2の外包ラミネート材L1として、保護層53に熱伝導性添加剤が含有されたものを準備した。
すなわち外包ラミネーL1における保護層53のPETとして、熱伝導性添加剤であるアルミナ(Al)が30wt%含有したものを使用し、それ以外は上記比較例1と同様に、実施例2の外包ラミネート材L1および内芯ラミネート材L2を準備した。
なおアルミナの平均粒子径は1μm〜5μmである。
<実施例3>
外包ラミネート材:PET12(ALO 30%)/接着剤(ALN 5%)/AL120/接着剤(ALN 5%)/LLDPE40(ALO 40%)
内芯ラミネート材:LLDPE40/接着剤/AL120/接着剤/LLDPE40
実施例3の外包ラミネート材L1として、熱融着層52、保護層53および両接着剤層55,55に熱伝導性添加剤が含有されたものを準備した。
すなわち外包ラミネート材L1における伝熱層51の両側の接着剤層55,55として、熱伝導性添加剤である窒化アルミニウム(AlN)が5wt%含有したものを使用し、それ以外は上記実施例1と同様に、実施例3の外包ラミネート材L1および内芯ラミネート材L2を準備した。
なおアルミナの平均粒子径は1μm〜5μm、窒化アルミニウムの平均粒子径は1μm〜2μmである。
<実施例4>
外包ラミネート材:PET12(ALO 30%)/接着剤(ALN 5%)/AL120/接着剤(ALN 5%)/LLDPE40(ALO 40%)
内芯ラミネート材:LLDPE40(ALO 40%)/接着剤/AL120/接着剤/ LLDPE40(ALO 40%)
実施例4の外包ラミネート材L1として、熱融着層52、保護層53および両接着剤層55,55に熱伝導性添加剤が含有され、さらに内芯ラミネート材L2として、両熱融着層62,62に熱伝導性添加剤が含有されたものを準備した。
すなわち内芯ラミネート材L2における両側の熱融着層62,62として、熱伝導性添加剤であるアルミナ(Al)が40wt%含有したものを使用し、それ以外は上記実施例3と同様に、実施例4の外包ラミネート材L1および内芯ラミネート材L2を準備した。
なおアルミナの平均粒子径は1μm〜5μm、窒化アルミニウムの平均粒子径は1μm〜2μmである。
<実施例5>
外包ラミネート材:PET12(ALO 30%)/接着剤(グラファイト 5%)/AL120/接着剤(グラファイト 5%)/LLDPE40(ALO 40%)
内芯ラミネート材:LLDPE40(ALO 40%)/接着剤(グラファイト5%)/AL120/接着剤(グラファイト 5%)/ LLDPE40(ALO 40%)
実施例5の外包ラミネート材L1および内芯ラミネート材L2として、全ての樹脂層52,53,62,62および全ての接着剤層55,55,65,65に熱伝導性添加剤が含有されたものを準備した。
すなわち外包ラミネート材L1および内芯ラミネート材L2における両側の接着剤層55,55,65,65として、熱伝導性添加剤であるグラファイトが5wt%含有したものを使用し、それ以外は上記実施例4と同様に、実施例5の外包ラミネート材L1および内芯ラミネート材L2を準備した。
なおアルミナの平均粒子径は1μm〜5μm、グラファイトの平均粒子径は1μm〜5μmである。
<実施例6>
外包ラミネート材:PET12(SiO 30%)/接着剤(ALN 5%)/AL120/接着剤(ALN 5%)/LLDPE40(SiO 40%)
内芯ラミネート材:LLDPE40(SiO 40%)/接着剤(ALN 5%)/AL120/接着剤(ALN 5%)/LLDPE40(SiO 40%)
実施例6の外包ラミネート材L1および内芯ラミネート材L2として、全ての樹脂層52,53,62,62および全ての接着剤層55,55,65,65に熱伝導性添加剤が含有されたものを準備した。
すなわち実施例5のアルミナ(Al)に代えてシリカ(SiO)を使用し、実施例5のグラファイトに代えて窒化アルミニウム(AlN)を使用し、それ以外は上記実施例5と同様に、実施例6の外包ラミネート材L1および内芯ラミネート材L2を準備した。
なおシリカの平均粒子径は1μm〜5μm、窒化アルミニウムの平均粒子径は1μm〜2μmである。
<実施例7>
外包ラミネート材:PET12(グラファイト 30%)/接着剤(ALN 5%)/AL120/接着剤(ALN 5%)/LLDPE40(グラファイト 40%)
内芯ラミネート材:LLDPE40(グラファイト 40%)/接着剤(ALN 5%)/AL120/接着剤(ALN 5%)/LLDPE40(グラファイト 40%)
実施例7の外包ラミネート材L1および内芯ラミネート材L2として、全ての樹脂層52,53,62,62および全ての接着剤層55,55,65,65に熱伝導性添加剤が含有されたものを準備した。
すなわち実施例6のシリカ(SiO)に代えてグラファイトを使用し、それ以外は上記実施例6と同様に、実施例7の外包ラミネート材L1および内芯ラミネート材L2を準備した。
なおグラファイトの平均粒子径は1μm〜5μm、窒化アルミニウムの平均粒子径は1μm〜2μmである。
2.熱交換器の作製
(1)トレイ部材10およびカバー部材15の作製
図3〜図5に示す第2実施形態に対応するトレイ部材10およびカバー部材を作製した。すなわち上記実施例および比較例の各外包ラミネート材L1に対し深絞り成形を行って、深さ4mm×幅90mm×長さ140mmの凹陥部11を有し、凹陥部11の開口縁部全周に幅10mmのフランジ部12が形成されたトレイ部材10を作製した。
上記各外包ラミネート材L1を長さ160mm×幅110mmにカットしてカバー部材15を作製した。
(2)インナーフィン2の作製
上記実施例および比較例の各内芯ラミネート材L2に対しコルゲート加工を行って、高さ4.2mm×幅90mm×長さ100mmの波形のインナーフィン2を作製した(図4および図5参照)。
(3)ヘッダー3の作製
図4および図5に示すように長さ90mm×横20mm×高さ4mmの取付箱部31に、内径φ10mm、外径φ12mm、長さ3mmのパイプ部33が一体に形成されたヘッダー3を射出成型によって作製した。
(4)部品の組み立ておよび接合
トレイ部材10の凹陥部11における両端部にヘッダー3,3を、各パイプ部33が上方に向くようにして収容した。さらに凹陥部11内におけるヘッダー3,3間にインナーフィン2を収容した。
トレイ部材10の凹陥部11を上から閉塞するようにカバー部材15を配置した。この際、カバー部材15の出入口16,16に、ヘッダー3,3のパイプ部33,33を挿通してカバー部材15の上方に突出させた。
こうして非接合状態の熱交換器仮組品を作製し、その仮組品をヒートシール機によって、180℃×0.3MPa×7秒の熱融着条件で熱融着処理を行い、各部品間を熱接着(熱融着)することにより、上記比較例1および実施例1〜7のラミネート材L1,L2に対応する比較例1および実施例1〜7の熱交換器をそれぞれ作製した。
3.熱交換性能の評価
アルミニウムブロックで作製した模擬セル(縦90mm×横100mm×厚さ20mm)を恒温槽で80℃に加熱し、その加熱した模擬セルを、比較例1および実施例1〜7の熱交換器の上(カバー部材15の中間領域上)に載置した。その状態で、各熱交換器に対し、冷媒として水温21℃の水道水を流量0.3L/minで循環させて模擬セルを冷却した。そして比較例1および実施例1〜7の各熱交換器毎に、模擬セルにおける上面中央温度を所定の経過時間毎に測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2021103057
表1から明らかなように、本発明に関連した実施例1〜7の熱交換器は、比較例1の熱交換器よりも、模擬セルの温度を早く低下させることができ、冷却性能(熱交換効率)が高いものであった。さらに実施例1〜7の中でも、熱伝導性添加剤を添加する部位(層)が多くなるほど、冷却性能が向上しているのが判る。
この発明の熱交換器は、スマートフォンやパーソナルコンピュータのCPU回り、電池回りの発熱対策、液晶テレビ、有機ELテレビ、プラズマテレビのディスプレイ回りの発熱対策、自動車のパワーモジュール回り、電池回りの発熱対策に用いられる冷却器(冷却装置)の他、床暖房、除雪に用いられる加熱器(加熱装置)として利用することができる。
1:外包体
10:トレイ部材
11:凹陥部
15:カバー部材
16:出入口(入口、出口)
2:インナーフィン
51:伝熱層
52:熱融着層
53:保護層
55:接着剤層
61:伝熱層
62:熱融着層
65:接着剤層
L1:外包ラミネート材
L2:内芯ラミネート材

Claims (8)

  1. 入口および出口が設けられた外包体と、前記外包体内に設けられ、かつ凹凸部を有するインナーフィンとを備え、前記入口から流入した熱交換媒体が前記外包体内のインナーフィン設置部を通って前記出口から流出するようにした熱交換器であって、
    前記外包体が、金属製の伝熱層の内面側に樹脂製の熱融着層が設けられ、かつ前記伝熱層の外面側に樹脂製の保護層が設けられた外包ラミネート材によって構成され、
    前記外包ラミネート材の前記熱融着層および前記保護層の少なくともいずれか一方に、熱伝導性添加剤が含有されていることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記外包ラミネート材における前記伝熱層、前記熱融着層および前記保護層の各層間に設けられた接着剤層のうち、少なくともいずれかの接着剤層に、熱伝導性添加剤が含有されている請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記インナーフィンが、金属製の伝熱層の両面側の樹脂製の熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成され、
    前記インナーフィンの凹凸部の熱融着層と、前記外包体の熱融着層とが接合一体化され、
    前記内芯ラミネート材の前記両側の熱融着層の少なくともいずれか一方に、熱伝導性添加剤が含有されている請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. 前記内芯ラミネート材における前記伝熱層および前記両側の熱融着層の各層間に設けられた接着剤層のうち、少なくともいずれかの接着剤層に、熱伝導性添加剤が含有されている請求項3に記載の熱交換器。
  5. 前記外包体は、前記インナーフィンを介して重ね合わされた2枚の前記外包ラミネート材の外周縁部同士が接合一体化されて形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換器。
  6. 前記外包体は、中間領域に設けられ凹陥部に前記インナーフィンが収容されるトレイ部材と、そのトレイ部材における前記凹陥部の開口部を閉塞するカバー部材とを備えている請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換器。
  7. 入口および出口が設けられた外包体と、前記外包体内に設けられ、かつ凹凸部を有するインナーフィンとを備え、前記入口から流入した熱交換媒体が前記外包体内のインナーフィン設置部を通って前記出口から流出するようにした熱交換器における前記外包体を形成するための外包ラミネート材であって、
    金属製の伝熱層と、
    前記伝熱層の内面側に設けられた樹脂製の熱融着層と、
    前記伝熱層の外面側に設けられた樹脂製の保護層とを備え、
    前記熱融着層および前記保護層の少なくともいずれか一方に、熱伝導性添加剤が含有されていることを特徴とすることを特徴とする熱交換器の外包ラミネート材。
  8. 前記伝熱層、前記熱融着層および前記保護層の各層間に設けられた接着剤層のうち、少なくともいずれかの接着剤層に、熱伝導性添加剤が含有されている請求項7に記載の熱交換器の外包ラミネート材。
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