JP2021102279A - 液体収容体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保持部材が液体収容袋に固定されることにより液体収容袋の立体形状が変形しにくい液体収容体及びその液体収容体の製造方法を提供する。【解決手段】液体消費装置に装着される液体収容体であって、複数のフィルムを貼り合わせることによって立体形状を構成する複数の面を備える液体収容袋と、液体収容袋の複数の面の1つである第1面の少なくとも一部を取り囲む部位に、少なくとも第1面の幅方向にわたって配置された保持部材と、保持部材を、保持部材が配置された部位に、固定する固定部と、を備え、部位に配置された保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状に、液体収容袋のフィルムの一部が形成されており、固定部は、保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状のフィルム同士またはフィルムと保持部材とが溶着された部位である。【選択図】図3
Description
本開示は、液体収容体及びその製造方法に関する。
液体消費装置の一態様として、液体のインクを吐出して印刷処理を実行するインクジェットプリンターが知られている。インクジェットプリンターには、インクを収容する液体収容容器であるインクカートリッジが備えられる。インクカートリッジには、インクを収容するための、可撓性を有し谷折り状に折れ曲がるマチ部が形成されている液体収容袋と、液体収容袋を収容するためのケースと、を備えたものがある。特許文献1には、マチ部の形状に沿った形状を有する保持部材(以下、スペーサーともいう)を、粘着テープを用いて液体収容袋に固定することで、液体収容袋の形状を保持する技術が開示されている。
粘着テープを用いて保持部材を固定する手法は、液体収容体の形状の変更などに柔軟に対応できる点で優れるが、液体収容体の量産性を高めるという観点で、更なる改良が求められた。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、液体消費装置に装着される液体収容体が提供される。この液体収容体によれば、複数のフィルムを貼り合わせることによって立体形状を構成する複数の面を備える液体収容袋と、前記液体収容袋の前記複数の面の1つである第1面の少なくとも一部を取り囲む部位に、少なくとも前記第1面の幅方向にわたって配置された保持部材と、前記保持部材を、前記保持部材が配置された前記部位に、固定する固定部と、を備え、前記部位に配置された前記保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状に、前記液体収容袋の前記フィルムの一部が形成されており、前記固定部は、前記保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状の前記フィルム同士または前記フィルムと前記保持部材とが溶着された部位である。
(1)本開示の一形態によれば、液体消費装置に装着される液体収容体が提供される。この液体収容体によれば、複数のフィルムを貼り合わせることによって立体形状を構成する複数の面を備える液体収容袋と、前記液体収容袋の前記複数の面の1つである第1面の少なくとも一部を取り囲む部位に、少なくとも前記第1面の幅方向にわたって配置された保持部材と、前記保持部材を、前記保持部材が配置された前記部位に、固定する固定部と、を備え、前記部位に配置された前記保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状に、前記液体収容袋の前記フィルムの一部が形成されており、前記固定部は、前記保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状の前記フィルム同士または前記フィルムと前記保持部材とが溶着された部位である。
(2)本開示の他の形態によれば、液体消費装置に装着される液体収容体の製造方法が提供される。この液体収容体の製造方法は、フィルムを貼り合わせることによって立体形状を構成する複数の面を備える液体収容袋を用意し、前記液体収容袋の前記複数の面の1つである第1面の形状の変形を抑制する保持部材を、前記第1面の少なくとも一部を取り囲む部位で、かつ前記液体収容袋の前記フィルムの一部により、前記保持部材の外面の少なくとも一部を覆う位置に配置し、前記保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状の前記フィルム同士または前記フィルムと前記保持部材とを溶着して、前記保持部材を前記液体収容袋の前記第1面に固定する。
A.第1実施形態の構成
図1は、カートリッジ30の外観斜視図である。図2は、カートリッジ30の分解斜視図である。カートリッジ30は、直方体形状を有している。カートリッジ30は、長手方向の一端に供給口が形成されている。供給口が形成された端部を前端とし、長手方向に沿った反対側の端部を後端とする。以下の説明では、カートリッジ30の長手方向に沿った方向を前後方向(Y軸方向)と呼ぶ。具体的には、Y軸の矢印が向いている方向が後側であり、逆側が前側である。また、前後方向であるY軸方向に直交し、カートリッジ30の幅の方向を、X軸方向と呼ぶ。このX軸方向は、左右方向とも言う。具体的には、X軸の矢印が向いている方向が右側であり、逆側が左側である。更に、Y軸方向、X軸方向に交差する方向をZ軸方向と呼ぶ。Z軸方向は、カートリッジ30の使用時において、重力方向に平行な方向である。Z軸方向を、上下方向とも呼ぶ。具体的には、Z軸の矢印が向いている側が上側であり、逆側が下側である。このX軸、Y軸、Z軸方向を、各図に示した。
図1は、カートリッジ30の外観斜視図である。図2は、カートリッジ30の分解斜視図である。カートリッジ30は、直方体形状を有している。カートリッジ30は、長手方向の一端に供給口が形成されている。供給口が形成された端部を前端とし、長手方向に沿った反対側の端部を後端とする。以下の説明では、カートリッジ30の長手方向に沿った方向を前後方向(Y軸方向)と呼ぶ。具体的には、Y軸の矢印が向いている方向が後側であり、逆側が前側である。また、前後方向であるY軸方向に直交し、カートリッジ30の幅の方向を、X軸方向と呼ぶ。このX軸方向は、左右方向とも言う。具体的には、X軸の矢印が向いている方向が右側であり、逆側が左側である。更に、Y軸方向、X軸方向に交差する方向をZ軸方向と呼ぶ。Z軸方向は、カートリッジ30の使用時において、重力方向に平行な方向である。Z軸方向を、上下方向とも呼ぶ。具体的には、Z軸の矢印が向いている側が上側であり、逆側が下側である。このX軸、Y軸、Z軸方向を、各図に示した。
カートリッジ30は、液体消費装置に装着される。図1と図2に示すように、カートリッジ30は、外殻31と、外殻31に収容され、内部に液体を収容した液体収容体60とからなる。液体収容体60には、液体導出部611が形成されている。外殻31は、分離可能な左右2つのケース40とケース50を合体することで形成される。カートリッジ30を製造する場合には、外殻31の左側のケース40の内部に液体収容体60を収め、その際、ケース40の前端に形成された開口部に、液体収容体60の液体導出部611を装着する。こうすることで、液体導出部611は、開口部から突出した状態で固定される。その後、右側のケース50を、ケース40に嵌め合わせることで、外殻31を形成する。本実施形態では、ケース40とケース50との嵌め合わせは、端部に形成された爪と溝により実現しているが、接着剤を用いた接着などで両者を固定してもよい。
液体収容体60は、液体収容袋61と、2つの保持部材70と、を有する。液体収容袋61は、内部に液体を収容するための収容空間612を形成する。本実施形態では、液体収容袋61に収容される液体は、インクである。液体収容袋61は、インク以外の薬液、油、飲料水など、インク以外の液体を収容してもよい。液体収容袋61は、可撓性を有し、内部のインクが消費されるに伴って容積が減少する。液体収容体60の長手方向は、カートリッジ30の長手方向と一致する。また、液体収容体60の幅方向は、カートリッジ30の幅方向と一致する。液体収容袋61及び保持部材70についても、カートリッジ30に使用された状態において、同様の方向で呼ぶ。
液体導出部611の前方の端部には、上述した液体導出部611が設けられている。液体導出部611は、内部にインクが流通可能な筒状部材である。液体導出部611は、収容空間612に接続されている。液体導出部611内には、内部の流路を開閉するための弁機構が配置されている。インクは、プリンターの液体導入針に接続されると弁機構が開弁状態となり、液体収容袋61のインクを外部に供給可能となる。この状態で液体消費装置によって吸引されることで、液体収容袋61のインクは液体導出部611を通って液体導入針に供給される。保持部材70については後述する。
図3は、液体収容体60を説明するための斜視図である。液体収容体60は、複数のフィルムである第1フィルム62、第2フィルム63、第3フィルム64、第4フィルム65によって形成されたガセットタイプの袋体である。第1フィルム62から第4フィルム65は、それぞれ矩形状の形状を有している。
液体収容袋61は、これら第1フィルム62から第4フィルム65を貼り合わせ、更に第2フィルム63と第3フィルム64とが接合される一端に液体導出部611を設けることにより形成される。各フィルムが貼り合わされた状態で、液体収容袋61は、前後方向に尖った略直方体形状となる。各フィルムは可撓性に富むため、その形状は収容したインク量などによっても変化し、一定としない。このため、以下の説明において、第1フィルム62が形成する面を、液体収容袋61の立体形状の第1面66と呼ぶ。他のフィルムについても同様に、第2フィルム63が形成する面を第2面67、第3フィルム64が形成する面を第3面68、第4フィルム65が形成する面を第4面69、と呼ぶ。なお、液体収容袋61は、略直方体形状とみなせば6つの面が存在するが、Y軸方向の両端は、三角柱形状に形成されていること、また、液体収容袋61の形状の変化が問題となるのはX軸方向であることから、Y軸方向の両端部の側面は、それぞれ第2面67と第3面68に含まれているものとして、以下説明する。
第1フィルム62と第4フィルム65は、上下方向において対向している。第1フィルム62が上側に、第4フィルム65が下側に位置する。第1フィルム62と第4フィルム65のそれぞれは、第2フィルム63及び第3フィルム64に接続されている。
ここで、第1フィルム62と第4フィルム65の幅方向とは、カートリッジ30の幅方向と平行な方向をいう。また、第1フィルム62と第4フィルム65の長手方向とは、液体導出部611が設けられた端部から、反対側の端部に向かう方向をいう。第1フィルム62には、長手方向に沿って第1折り目621が形成されている。第1折り目621は、第1フィルム62の幅方向の中央に形成されている。第1折り目621は、第1フィルム62の長手方向について、第1フィルム62の一端から他端に亘って形成されている。
第4フィルム65には、長手方向に沿って第2折り目651が形成されている。第2折り目651は、第4フィルム65の幅方向の中央に形成されている。第2折り目651は、第4フィルム65の長手方向について、第4フィルム65の一端から他端に亘って形成されている。
第2フィルム63と第3フィルム64とはそれぞれ、液体収容袋61の側面である第2面67と第3面68を形成する。第2フィルム63と第3フィルム64は左右方向において対向する。第2フィルム63が右側に、第3フィルム64が左側に位置する。第2フィルム63と第3フィルム64のそれぞれは、第1フィルム62と第4フィルム65のそれぞれよりも、表面積が大きい。
各フィルムは、少なくとも2層構造を備える。本実施形態では、外側に位置する、2つの層の一方である第1層の材質は、ポリエチレンテレフタラートである。また、他方である第2層の材質は、ポリエチレンである。各フィルムは、第2層が内側になるように組み合わされ、それぞれの端部を互いに熱溶着することで立体形状を構成している。各フィルムは、3層以上であってもよいが、その場合でも、フィルムの両側に存在する最外層を、それぞれ第1層、第2層と呼ぶ。なお、収容空間612と接する側を内側と呼び、逆側を外側と呼ぶ。各フィルムの貼り合わせは、主に各フィルムの第2層を融解することにより行う。層構造については、後述する。
第1フィルム62から第4フィルム65の周縁部は、重なった他の第1フィルム62から第4フィルム65の周縁部と熱溶着することで接続されている。具体的には、第1フィルム62の周縁部は、上側に折り曲げられて、第2フィルム63と第3フィルム64の周縁部と熱溶着される。また、第4フィルム65の周縁部は、下側に折り曲げられて、第2フィルム63と第3フィルム64の周縁部と熱溶着される。第2フィルム63と第3フィルム64とは、前後端において、互いに熱溶着されている。
第2フィルム63は、保持部材70を固定する固定部として機能する溶着部631、溶着部632、溶着部633、溶着部634を有する。説明上、区別しない場合には、溶着部630として説明する。溶着部630は、後述する第2フィルム端部635に配される部位である。
同様に、第3フィルム64は、保持部材70を固定する固定部として機能する溶着部641、溶着部642、溶着部643、溶着部644を有する。説明上、区別しない場合には、溶着部640を用いて説明する。溶着部640は、後述する第3フィルム端部645に配される部位である。
液体導出部611は、基端部側が第2フィルム63と第3フィルム64とに挟まれた状態で、第2フィルム63と第3フィルム64とに熱溶着されている。収容空間612のインクが、液体導出部611を介して外部に供給されて消費されるに従って、第1折り目621と第2折り目651に沿って第1フィルム62及び第4フィルム65が内側に折り込まれていく。これにより、第2フィルム63と第3フィルム64とが互いに近づいて液体収容袋61の容積が減少する。
保持部材70は、1つの液体収容袋61に対して上下2つ用いられる。上下2つの保持部材70は同一の形状を有している。説明上、区別する場合には、第1面66に配置される側を第1保持部材71と呼ぶ。また、第4面69に配置される側を、第2保持部材72と呼ぶ。両者を区別しない場合には、単に保持部材70として説明する。
保持部材70は、合成樹脂性の板状の部材であり、その平面形状は、第1面66や第4面69の形状に対応している。具体的には、保持部材70は、Y軸方向に長い六角形状を有しており、Y軸方向に対して左右対称、X軸方向に対して前後対称の形状を有している。保持部材70は、六角形状の上面73、下面74と、を備える。さらに、保持部材70は、外周を形成する側面のうち、第2フィルム63及び第3フィルム64の上端部に対応した第1側面75、第2フィルム63及び第3フィルム64の上端部に対応した第2側面76と、を備える。上面73から第2側面76は、保持部材70の外面を構成する。保持部材70の厚みはd1である。また、保持部材70の幅、つまりX軸方向の長さは寸法d2である。寸法d2は、第1面66と第4面69の内寸と同等である。
第1保持部材71は、第1フィルム62が構成する第1面66を取り囲む部位に、第1面66の幅方向にわたって配置されている。具体的には、第1保持部材71は、第1面66を取り囲むように、第2フィルム63と第3フィルム64の上端が形成される部位に収容される。また、第2保持部材72は、第4フィルム65が構成する第4面69の取り囲む部位に、第4面69の幅方向にわたって配置されている。具体的には、第2保持部材72は、第4面69を取り囲むように、第2フィルム63と第3フィルム64の下端が形成される部位に収容される。本実施形態では第1面66および第4面69の幅方向はX軸方向としたが、Y軸方向を幅方向として保持部材70を構成してもよい。
第1面66と第4面69に保持部材70が配置されることによって、収容空間612のインクが外部に供給される際に、第1フィルム62と第4フィルム65が反復してX軸方向及びZ軸方向に変位することを抑制することができる。これにより、第1フィルム62と第4フィルム65の部材の疲労破壊を防ぐことができる。
保持部材70が収容される箇所の、各フィルムの層構造80について、図4を用いて説明する。図4は、液体収容袋61の溶着部631と溶着部641の中心を通る、IV−IV線を含む、X−Z平面に沿った端面図である。理解の便を図って、各フィルムの寸法を誇張して示している。既に説明したように、各フィルムは外側がポリエチレンテレフタラートからなる第1層81、内側がポリエチレンからなる第2層82となるように、溶着されている。
第2フィルム63は、第2フィルム63の第2層82を内側にして、第1フィルム62の第1フィルム端部622と、熱溶着によって接合される。第3フィルム64は、第3フィルム64の第2層82を内側にして、第1フィルム62の第1フィルム端部623と熱溶着によって接合される。第4フィルム65に対して、第2フィルム63と第3フィルム64は、第1フィルム62と同様に、熱溶着によって接合される。これにより、第2面67と第3面68が構成される。
第2フィルム63は、第1フィルム端部622と接合された部位において、層構造80が露出した第2フィルム端部635を有する。また、第3フィルム64は、第1フィルム端部623と接合された部位において、層構造80が露出した第3フィルム端部645を有する。第2フィルム端部635と第3フィルム端部645の寸法d3は、保持部材70の厚みd1と同じである。
第2フィルム端部635と第3フィルム端部645と同じように、第2フィルム63及び第3フィルム64は、第4フィルム65と接合された部位において、露出した端部を有する。
図5は、保持部材70が液体収容袋61に配置された状態を示す斜視図である。図5では、熱溶着による保持部材70と液体収容袋61の固定がまだなされていないものとして説明する。第1保持部材71が第1面66に配置された状態においては、第1保持部材71の外面のうち、下面74と、第1側面75と、第2側面76の外面を覆う形状に、第1フィルム62と第2フィルム63と第3フィルム64が形成されている。同じように、第2保持部材72が第4面69に配置された状態において、第2保持部材72の外面のうち、下面74と、第1側面75と、第2側面76の外面を覆う形状に、第2フィルム63と第3フィルム64と第4フィルム65が形成されている。
第1面66に配置した第1保持部材71と、液体収容袋61の固定は、以下のように行われる。図6は、図4に対応し、第1保持部材71が固定された状態を示す説明図である。第1保持部材71が第1面66に配置された状態において、第2フィルム端部635に配される溶着部631の第2層82と、第1保持部材71の第1側面75とが、熱器具90によって熱溶着される。また、第3フィルム端部645に配される溶着部641の第2層82と、第1保持部材71の第2側面76とが、熱器具90によって熱溶着される。
溶着部631以外の溶着部630及び、溶着部641以外の溶着部640も、溶着部631と溶着部641と同じように保持部材70と熱溶着される。具体的には、溶着部632と、第1保持部材71の第1側面75及び、溶着部642と、第1保持部材の第2側面76とが、熱溶着される。
熱器具90の、各フィルムと接する部位の温度は、ポリエチレンナフタレートの融解温度よりも低く、ポリエチレンの融解温度よりも高い温度とされる。なお、溶着は、レーザー溶着によってなされてもよい。
以上のように、液体収容袋61の第1面66と第4面69に、幅方向にわたって保持部材70が配置される。また、液体収容袋61を構成する第2フィルム63及び第3フィルム64と、保持部材70との熱溶着により、保持部材70が、液体収容袋61の第1面66又は第4面69を取り囲む位置に固定される。このため、保持部材70によって、第1面66と第4面69に存在する第1フィルム62及び第4フィルム65の形状の変形を抑制することができる。これにより、保持部材70によって液体収容袋61の立体形状が変形しにくい液体収容体60を容易に製造できる。
保持部材70と第2フィルム63と第3フィルム64とを、直接、熱溶着するので、第2フィルム63と第3フィルム64に対する保持部材70の位置を確定させることができる。また、フィルムを2層構造とし、第2層82の熱溶着を、第1層81の融解温度よりも低い温度で行うため、熱溶着の容易さと、フィルムの強度の確保とを、両立させることができる。さらに、粘着テープを用いることなく、保持部材70を液体収容袋61に固定することができる。そのため、液体収容体60の製造において、製造を簡略化することができ、製造に必要な部品の数を減らすことができる。
B.第2実施形態の構成
図7は、第2実施形態の保持部材70Aが固定される前の状態を説明した図である。また、図8は、図4に対応し、第1保持部材71Aが固定される前の状態を説明した端面図である。第2実施形態では、カートリッジ30内に、液体収容袋61Aと保持部材70Aが収容されているという基本的構造は第1実施形態と同一である。第2実施形態では、第1実施形態と、保持部材70Aの固定の手法が異なる。以下、相違点を中心に説明する。第1実施形態と対応する部材には、サフィックスAを付けて示す。第1実施形態と同一の部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7は、第2実施形態の保持部材70Aが固定される前の状態を説明した図である。また、図8は、図4に対応し、第1保持部材71Aが固定される前の状態を説明した端面図である。第2実施形態では、カートリッジ30内に、液体収容袋61Aと保持部材70Aが収容されているという基本的構造は第1実施形態と同一である。第2実施形態では、第1実施形態と、保持部材70Aの固定の手法が異なる。以下、相違点を中心に説明する。第1実施形態と対応する部材には、サフィックスAを付けて示す。第1実施形態と同一の部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態では、保持部材70の第1側面75と第2側面76を、第2フィルム63と第3フィルム64の第2層82と熱溶着させていた。第2実施形態では、保持部材70Aの上面73Aが、第2フィルム63Aの第2層82及び第3フィルム64Aの第2層82と熱溶着される点で、第1実施形態と異なる。また、第2実施形態では、保持部材70Aと、第2フィルム63A及び第3フィルム64Aの形状が、第1実施形態と異なる。
図7に示すように、第2フィルム63Aは、接合部63dと、接合部63eを有する。第3フィルム64Aは、接合部64dと、接合部64eを有する。各接合部については、後述する。第2フィルム63Aの形状と、第3フィルム64Aの形状は、同一である。
また、保持部材70Aは、第1凹部77と第2凹部78を有している。第1凹部77と第2凹部78は、保持部材70Aの上面73Aに設けられ、保持部材70Aの内側に向かって窪んでいる形状を有している。第1凹部77と第2凹部78は、保持部材70Aの長手方向に離間して設けられている。第1凹部77と第2凹部78の幅、つまりY軸方向における寸法は、各接合部の幅、つまりY軸方向における寸法よりも大きい。保持部材70Aの各部の寸法は、第1実施形態における保持部材70の各部の寸法と同じである。
図8において、第1凹部77の厚みについては図示を省略している。基本的に、各フィルムは第1実施形態と同様に熱溶着され、第1面66、第4面69にマチのある袋形状を形成する。
図8に示すように、保持部材70Aを固定する固定部として機能する接合部63dは、第2フィルム63Aの上端の一部から延出された部位である。接合部63dの延出の寸法e1は、保持部材70Aの幅方向の寸法d2の、3分の2程度である。接合部63eと接合部64d、及び接合部64eは、接合部63dと同じ機能を有する。
図9は、保持部材70Aの固定が完了した状態を説明する図である。図7の状態から、第1凹部77に向かって接合部63dが折り畳まれると、接合部63dが第1凹部77と重なり、熱溶着により固定される。
図10は、図6に対応し、第1保持部材71Aが固定された状態を説明する図である。図10に示すように、第1保持部材71Aは、接合部63dが第1凹部77と重なった状態において、接合部63dに存在する第2層82と、第1保持部材71Aの上面73Aの第1凹部77とが熱溶着されることによって、固定される。なお、熱溶着の方法は、第1実施形態と同じである。
第2実施形態によれば、保持部材70Aに第1凹部77及び第2凹部78が設けられており、接合部63dと接合部64dを、第1凹部77と第2凹部78と熱溶着することで、第2フィルム63Aと第3フィルム64Aと、第1保持部材71Aが接合される。これにより、第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する上、以下の効果を奏する。第2実施形態では、第1実施形態と比べて、第1フィルム62が形成する第1面66から、液体収容袋61Aの端部までの距離Fを小さくすることができる。この結果、同じ高さの液体収容袋61に収容するインクの収容量を増加することができる。
C.第3実施形態の構成
図11は、第3実施形態の保持部材70Aが固定される前の状態を説明した図である。第3実施形態では、カートリッジ30内に、液体収容袋61Bと保持部材70Aが収容されているという基本的構造は上記実施形態と同一である。第3実施形態では、上記実施形態と、保持部材70Aの固定の手法が異なる。以下、相違点を中心に説明する。上記実施形態と対応する部材には、サフィックスBを付けて示す。上記実施形態と同一の部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図11は、第3実施形態の保持部材70Aが固定される前の状態を説明した図である。第3実施形態では、カートリッジ30内に、液体収容袋61Bと保持部材70Aが収容されているという基本的構造は上記実施形態と同一である。第3実施形態では、上記実施形態と、保持部材70Aの固定の手法が異なる。以下、相違点を中心に説明する。上記実施形態と対応する部材には、サフィックスBを付けて示す。上記実施形態と同一の部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
第3実施形態では、第2フィルム63Bと第3フィルム64Bの第2層82同士が熱溶着する点で、上記実施形態と異なる。また、第3実施形態では、第2フィルム63B及び第3フィルム64Bの形状が、上記実施形態と異なる。
図11に示すように、第2フィルム63Bは、延長部63fと、延長部63gと、延長部63hと、延長部63iを有する。第3フィルムは、延長部64fと、延長部64gと、延長部64hと、延長部64iを有する。各接合部については後述する。第2フィルム63Bの形状と、第3フィルム64Bの形状は、同一である。
図12は、図4に対応し、第1保持部材71Aが固定される前の状態を説明した図である。図12と後述する図14において、第1凹部77の厚みについては図示を省略している。基本的に、各フィルムは第1実施形態と同様に熱溶着され、第1面66と第4面69、及び第1面66の幅方向の両側の第2面67B及び第3面68Bを構成し、第1面66、第4面69にマチのある袋形状を形成する。
保持部材70Aを固定する固定部として機能する部位である延長部63fは、第1フィルム62と接合された部位から延出された部位である。延長部63fの延出の寸法f1は、保持部材70Aの幅方向の寸法d2と同程度である。延長部64fは、第1フィルム62と接合された部位から延出された部位である。延長部64fの延出の寸法f2は、延長部63fの延出の寸法f1と同じである。その他の延長部63gと64g、63hと64h、63iと64iも、延長部63fと64fと同じ機能を有する。
図13は、保持部材70Aの固定が完了した状態を説明する図である。第1保持部材71Aが第1面66に配置された状態において、図11の状態から、延長部63fと延長部64fが、第1凹部77に沿うように折り畳まれる。
図14は、図6に対応し、第1保持部材71Aが固定された状態を説明する図である。図14において、第1凹部77の厚みについては図示を省略している。図14に示すように、延長部63fの第1凹部77に沿わない部分は、延長部64fの第1凹部77に沿わない部分と接する。この状態で、延長部63fと延長部64fとが熱溶着される。同じように、延長部63fと延長部64f以外の延長部63iと延長部64iが、熱溶着によって接合される。具体的には、延長部63gと延長部64gとが接合される。なお、熱溶着の方法は、第1実施形態と同じである。
第3実施形態によれば、第1保持部材71Aを第1面66に配置した状態で、第2フィルム63Bの延長部63fと延長部63gの部位の第2層82と、第3フィルム64Bの延長部64fと延長部64gの部位の第2層82を、熱溶着によって接合する。この結果、第1保持部材71Aとフィルムを熱溶着することなく、フィルムの第2層82同士を熱溶着することにより、第1保持部材71Aを液体収容袋61Bに固定することができる。また、第2保持部材72Aについても第1保持部材71Aと同じように、液体収容袋61Bに固定される。これにより、保持部材70Aと第2層82との熱溶着の可否を考慮することなく、保持部材70Aを第1面66に固定することができる。そのため、保持部材70Aや各フィルムの素材の選択の幅を広げることができる。
D.第4実施形態の構成
図15は、第4実施形態の保持部材70Aが固定される前の状態を説明した図である。第4実施形態では、カートリッジ30内に、液体収容袋61Cと保持部材70Aが収容されているという基本的構造は上記実施形態と同一である。第4実施形態では、上記実施形態と、保持部材70Aの固定の手法が異なる。以下、相違点を中心に説明する。上記実施形態と対応する部材には、サフィックスCを付けて示す。上記実施形態と同一の部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図15は、第4実施形態の保持部材70Aが固定される前の状態を説明した図である。第4実施形態では、カートリッジ30内に、液体収容袋61Cと保持部材70Aが収容されているという基本的構造は上記実施形態と同一である。第4実施形態では、上記実施形態と、保持部材70Aの固定の手法が異なる。以下、相違点を中心に説明する。上記実施形態と対応する部材には、サフィックスCを付けて示す。上記実施形態と同一の部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
第4実施形態では、第1フィルム62Cと第2フィルム63Cの第2層82同士が熱溶着する点で、上記実施形態と異なる。また、第4実施形態では、第1フィルム62C、第2フィルム63C及び第4フィルム65Cの形状が、上記実施形態と異なる。基本的に、各フィルムは第1実施形態と同様に熱溶着され、第1面66C、第4面69Cにマチのある袋形状を形成する。
図15に示すように、第1フィルム62Cは、Y軸方向に離間する第1延長部62j、62kを有する。また、第4フィルム65Cは、Y軸方向に離間する第1延長部65l、65mを有する。第2フィルム63Cは、第2延長部63j、63k、63l、63mを有する。第2延長部63jは、左右方向について第1延長部62jとは逆側から露出する、第2フィルム63Cの部位である。他の第2延長部63k、63l、63mについても同様である。
図16は、図4に対応し、第1保持部材71Aが固定される前の状態を説明した端面図である。図16と後述する図18において、第1凹部77の厚みについては図示を省略している。第1延長部62jは、第2フィルム63Cと接合された第1フィルム端部622Cとは逆側の端部である第1フィルム端部623Cから延出された部位である。第1延長部62jの延出の寸法g1は、保持部材70Aの幅方向の寸法d2の3分の2程度である。
第2延長部63jは、第1延長部62jとは反対側から延出された部位である。第2延長部63jの延出の寸法g2は、保持部材70Aの幅方向の寸法d2の4分の3程度である。第1延長部62jと第2延長部63jは、第1延長部62jと第2延長部63jが熱溶着によって接合された際に、保持部材70Aを固定する固定部として機能する部位である。その他の第1延長部62k、65l、65mと、第2延長部63k、63l、63mも、第1延長部62jと第2延長部63jと同じ機能を有する。
図17は、保持部材70Aの固定が完了した状態を説明する図である。図18は、図6に対応し、第1保持部材71Aが固定された状態を説明する図である。図18に示すように、第1保持部材71Aが第1面66Cに配置された状態において、図15の状態から、第1延長部62jが、第1層81が第1凹部77に沿うように折り畳まれる。第1延長部62jが折り畳まれた状態で、第1延長部62jの第2層82と、第2延長部63jの第2層82とが向き合うように重ね合わされて、熱溶着により接合される。その他の第1延長部62k、65l、65mも、第2延長部63k、63l、63mと熱溶着により接合される。なお、熱溶着の方法は、第1実施形態と同じである。
第4実施形態においては、第1延長部62jの第2層82と、第2延長部63jの第2層82が熱溶着される。また、第1延長部62kの第2層82と、第2延長部63kの第2層82が熱溶着される。これにより、第1保持部材71Aの第1凹部77が、第1延長部62jと、第1延長部62jの反対側から伸びる第2延長部63jによって覆われる。同様に、第1保持部材71Aの第2凹部78が、第1延長部62kと、第1延長部62kの反対側から伸びる第2延長部63kによって覆われる。
これにより、第4実施形態においては、第3実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、保持部材70Aと第2層82との熱溶着の可否を考慮することなく、保持部材70Aを第1面66Cと第4面69Cに固定することができる。そのため、保持部材やフィルムの素材の選択の幅を広げることができる。さらに、2つのフィルムの第2層82同士を重ねて溶着するため、容易に製造することができる。
E.液体収容体60の製造方法
図19は、液体収容体60の製造方法を示す工程図である。なお、以下で示す製造方法は、上記実施形態のいずれにも適用可能である。
図19は、液体収容体60の製造方法を示す工程図である。なお、以下で示す製造方法は、上記実施形態のいずれにも適用可能である。
ステップS10では、4枚のフィルムである第1フィルム62、第2フィルム63、第3フィルム64、第4フィルム65が張り合わされる。これによって、立体形状を構成する、4つの面である第1面66、第2面67、第3面68、第4面69を備える液体収容袋61が用意される。
ステップS20では、保持部材70が、4つの面の1つである第1面66を取り囲む部位に配置される。このときに、第1フィルム62ないし第4フィルム65のうちの一部により、保持部材70の外面の一部が覆われるように、保持部材70は配置される。
ステップS30では、保持部材70が第1面66に配置された状態で、保持部材70の外面の一部を覆う形状のフィルムと、保持部材70が熱溶着される。これにより、保持部材70が、第1面66に固定される。
この製造方法によれば、第1面66に配置された保持部材70を、第1面66に固定することができる。このため、保持部材70によって、液体収容袋61の立体形状が変形しにくい液体収容体60を製造することができる。また、粘着テープを用いることなく、保持部材70とフィルムを固定することができる。そのため、液体収容体60の製造において、製造を簡略化することができ、製造に必要な部品の数を減らすことができる。
F.他の実施形態
(F1)上記実施形態では、層構造80の第1層81はポリエチレンテレフタラートによって形成され、第2層82はポリエチレンによって形成されている。しかし、例えば、第1層がポリエチレンテレフタラートによって形成され、第2層がポリプロピレンなど他の素材によって形成されていてもよい。また、第1層がポリプロピレンなど他の素材によって形成され、第2層がポリエチレンによって形成されるなど、第1層と第2層に他の素材を採用することができる。
(F1)上記実施形態では、層構造80の第1層81はポリエチレンテレフタラートによって形成され、第2層82はポリエチレンによって形成されている。しかし、例えば、第1層がポリエチレンテレフタラートによって形成され、第2層がポリプロピレンなど他の素材によって形成されていてもよい。また、第1層がポリプロピレンなど他の素材によって形成され、第2層がポリエチレンによって形成されるなど、第1層と第2層に他の素材を採用することができる。
(F2)上記実施形態では、各フィルムは、熱溶着されることによって接続されている。しかし、例えば各フィルムは、接着剤や超音波溶着など、他の方法により接続されてもよい。
(F3)上記実施形態では、保持部材70は、第1フィルム62と第4フィルム65が構成する第1面66と第4面69を取り囲む部位に、第1面66と第4面69の幅方向にわたって配置されている。しかし、保持部材は、幅方向にわたっていれば、第1面と第4面の一部を覆う形状でもよい。また、保持部材70は、全体が板状の部材としたが、軽量化のために、少なくとも溶着ができるように周縁を残して、内側の一部の肉厚を減少させた形状としてもよい。
(F4)上記実施形態では、第1保持部材71が第1面66に配置された状態においては、第1保持部材71の外面のうち、下面74と、第1側面75と、第2側面76の外面を覆う形状に、第1フィルム62と第2フィルム63と第3フィルム64が形成されている。しかし、保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状に、各フィルムの一部が形成されていてもよい。
(F5)上記実施形態では、第2保持部材72が第4面69に配置された状態において、第2保持部材72の外面のうち、下面74と、第1側面75と、第2側面76の外面を覆う形状に、第2フィルム63と第3フィルム64と第4フィルム65が形成されている。しかし、保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状に、各フィルムの一部が形成されていてもよい。
(F6)上記第2実施形態ないし第4実施形態では、保持部材70Aに第1凹部77と第2凹部78が設けられている。しかし、例えば保持部材には、第1凹部と第2凹部と同じ機能と形状を有する凹部が2つ以上設けられていてもよい。また、保持部材には、第1凹部と第2凹部を含む、凹部が設けられないなど、他の形状を採用することができる。
(F7)上記第2実施形態では、接合部63dの延出の寸法e1は、保持部材70Aの幅方向の寸法d2の、3分の2程度である。しかし、例えば接合部の延出の寸法は、保持部材の幅方向の寸法の半分程度であるなど、他の寸法を採用することができる。
(F8)上記第2実施形態では、第2フィルム63Aは、接合部63dと、接合部63eを有し、第3フィルム64Aは、接合部64dと、接合部64eを有する。しかし、例えば第2フィルムと第3フィルムはそれぞれ1つずつの接合部を有していてもよく、また、それぞれ3つ以上の接合部を有するなど、他の形状を採用することができる。
(F9)上記第3実施形態では、第2フィルム63Bは、延長部63fと、延長部63gと、延長部63hと、延長部63iと、を有し、第3フィルム64Bは、延長部64fと、延長部64gと、延長部64hと延長部64iと、を有する。しかし、例えば第2フィルムと第3フィルムはそれぞれ1つずつの延長部を有していてもよく、また、それぞれ3つ以上の延長部を有するなど、他の形状を採用することができる。
(F10)上記第3実施形態では、寸法f1は寸法d2と同程度であり、寸法f1と寸法f2は同じである。しかし、例えば寸法f1と寸法f2は同じ寸法でなくてもよく、寸法f1と寸法f2を合わせた大きさが、寸法d2よりも大きいことが好ましい。
(F11)上記第4実施形態では、第1フィルム62Cは、第1延長部62jと、第1延長部62kを有し、また、第4フィルム65Cは、第1延長部65lと、第1延長部65mを有する。さらに、第2フィルム63Cは、第2延長部63jと、第2延長部63kと、第2延長部63lと、第2延長部63mを有する。しかし、例えば第1フィルムと第4フィルムはそれぞれ1つの第1延長部を有し、第2フィルムは2つの第2延長部を有していてもよい。さらに、第1フィルムと第4フィルムがそれぞれ3つ以上の第1延長部を有し、第2フィルムが6つ以上の第2延長部を有するなど、他の形状を採用することができる。
(F12)上記第4実施形態では、第1延長部62jの延出の寸法g1は、保持部材70Aの幅方向の寸法d2の3分の2程度である。また、第2延長部63jの延出の寸法g2は、保持部材70Aの幅方向の寸法d2の4分の3程度である。しかし、例えば寸法g1と寸法g2の大きさは、それぞれ寸法d2の大きさと同程度でもよく、第1延長部と第2延長部が重ねられることが好ましい。
(F13)上記液体収容体60の製造方法では、保持部材70が、4つの面の1つである第1面66を取り囲む部位に配置され、第1フィルム62ないし第4フィルム65のうちの一部により、保持部材70の外面の一部が覆われるように、保持部材70は配置される。しかし、保持部材は第1面の少なくとも一部を取り囲む部位で、保持部材の外面の少なくとも一部を覆うように配置されてもよい。
(F14)上記液体収容体60の製造方法では、保持部材70の外面の一部を覆う形状のフィルムと、保持部材70が熱溶着される。しかし、ステップS30では、第1フィルムないし第4フィルムのうちの、保持部材の外面の一部を覆うフィルム同士が熱溶着されてもよい。
(F15)複数個所で熱溶着する際、第1実施形態から第4実施形態を組み合わせてもよく、また、溶着する部位を別々の溶着構造としてもよい。
G.他の形態
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。例えば、本実施形態中においてはフィルムと保持部材とを熱溶着した構成について説明したが、超音波溶着など、他の溶着方法を採用してもよい。
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。例えば、本実施形態中においてはフィルムと保持部材とを熱溶着した構成について説明したが、超音波溶着など、他の溶着方法を採用してもよい。
(1)本開示の一形態によれば、液体消費装置に装着される液体収容体が提供される。この液体収容体は、液体消費装置に装着される液体収容体であって、複数のフィルムを貼り合わせることによって立体形状を構成する複数の面を備える液体収容袋と、前記液体収容袋の前記複数の面の1つである第1面の少なくとも一部を取り囲む部位に、少なくとも前記第1面の幅方向にわたって配置された保持部材と、前記保持部材を、前記保持部材が配置された前記部位に、固定する固定部と、を備え、前記部位に配置された前記保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状に、前記液体収容袋の前記フィルムの一部が形成されており、前記固定部は、前記保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状の前記フィルム同士または前記フィルムと前記保持部材とが溶着された部位である。この形態の液体収容体によれば、保持部材によって液体収容袋の立体形状が変形しにくい液体収容体を容易に製造できる。
(2)上記形態の液体収容体において、前記フィルムは、一方の外層として第1層を備え、他方の外層として前記第1層よりも融点が低い第2層を備え、前記固定部においては、前記フィルムの前記第2層同士または前記第2層と前記保持部材とが、熱溶着されてもよい。この形態の液体収容体によれば、フィルムを2層構造としているので、熱溶着の容易さと、フィルムの強度の確保とを、両立させることができる。
(3)上記形態の液体収容体において、前記複数のフィルムのうちの一つである第1フィルムが前記第1面を構成し、前記第1フィルムと異なる第2フィルムが前記第1面の端部と前記第2層を内側にして接合されて前記立体形状の他の面である第2面を構成し、前記第2フィルムは、前記第1フィルムと接合された部位において、前記第2層が露出した端部を有し、前記固定部は、前記保持部材が前記第1面に配置された状態において、前記第2フィルムの前記露出した第2層が前記保持部材の側面と熱溶着された部位であってもよい。この形態の液体収容体によれば、保持部材と第2フィルムとを、直接、熱溶着するので、第2フィルムに対する保持部材の位置を確定させることができる。
(4)上記形態の液体収容体において、前記複数のフィルムのうちの一つである第1フィルムが前記第1面を構成し、前記第1フィルムと異なる第2フィルムが前記第1面の端部と前記第2層を内側にして接合されて前記立体形状の他の面である第2面を構成し、前記第2フィルムは、前記第1フィルムと接合された部位から前記保持部材の幅方向に予め定められた長さの接合部を有し、前記固定部は、前記保持部材が前記第1面に配置された状態において、前記第2フィルムの前記接合部に存在する前記第2層が前記保持部材の上面と熱溶着された部位であってもよい。この形態の液体収容体によれば、保持部材の側面と第2フィルムとを熱溶着する形態と比べて、第1フィルムが形成する第1面から、液体収容袋の端部までの距離を小さくすることができる。この結果、同じ高さの液体収容袋に収容する液体の収容量を増加することができる。
(5)上記形態の液体収容体において、前記複数のフィルムのうちの一つである第1フィルムが前記第1面を構成し、前記第1フィルムと異なる第2フィルムと第3フィルムが前記第2層を内側にして前記第1面の端部と接合され、前記立体形状の他の面であって、前記第1面の前記幅方向の両側の第2面及び第3面を構成し、前記第2フィルムと第3フィルムは、前記第1フィルムと接合された部位から前記保持部材の幅方向にそれぞれ予め定められた長さを有する延長部を備え、前記固定部は、前記保持部材が前記第1面に配置された状態において、前記第2フィルムと第3フィルムの前記延長部における前記第2層同士が熱溶着された部位であってもよい。この形態の液体収容体によれば、保持部材と第2層の熱溶着の可否を考慮することなく、保持部材を第1面に固定することができる。そのため、保持部材とフィルムの素材の選択の幅を広げることができる。
(6)上記形態の液体収容体において、前記複数のフィルムのうちの一つである第1フィルムが前記第2層を内側にして前記第1面を構成し、前記第1フィルムと異なる第2フィルムが前記第2層を内側にして前記第1フィルムの端部と接合されて前記立体形状の他の面である第2面を構成し、前記第1フィルムは、前記第2フィルムと接合された端部とは逆側の端部から前記保持部材の幅方向に第1の長さを有する第1延長部を備え、前記第2フィルムは、前記第1面における前記第1延長部とは反対側から前記保持部材の幅方向に第2の長さを有する第2延長部を備え、前記固定部は、前記保持部材が前記第1面に配置された状態において、前記第1フィルムの前記第1延長部に存在する第2層と前記第2フィルムの前記第2延長部に存在する第2層とが向き合うように重ね合わされて、熱溶着された部位であってもよい。この形態の液体収容体によれば、保持部材と第2層との熱溶着の可否を考慮することなく、保持部材を第1面に固定することができる。そのため、保持部材やフィルムの素材の選択の幅を広げることができる。さらに、2つのフィルムを重ねて溶着するため、容易に製造することができる。
(7)本開示の他の形態によれば、液体消費装置に装着される液体収容体の製造方法が提供される。この液体収容体の製造方法は、フィルムを貼り合わせることによって立体形状を構成する複数の面を備える液体収容袋を用意し、前記液体収容袋の前記複数の面の1つである第1面の形状の変形を抑制する保持部材を、前記第1面の少なくとも一部を取り囲む部位で、かつ前記液体収容袋の前記フィルムの一部により、前記保持部材の外面の少なくとも一部を覆う位置に配置し、前記保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状の前記フィルム同士または前記フィルムと前記保持部材とを溶着して、前記保持部材を前記液体収容袋の前記第1面に固定する。この形態の、液体収容体の製造方法によれば、保持部材によって液体収容袋の立体形状が変形しにくい液体収容体を容易に製造できる。
30…カートリッジ、31…外殻、40、50…ケース、60、60A、60B、60C…液体収容体、61、61A、61B、61C…液体収容袋、62、62C…第1フィルム、63、63A、63B、63C…第2フィルム、64、64A、64B…第3フィルム、65、65C…第4フィルム、66、66C…第1面、67、67A、67B、67C……第2面、68、68A、68B…第3面、69、69C…第4面、611…液体導出部、612…収容空間、621…第1折り目、651…第2折り目、622、622C、623、623C…第1フィルム端部、635…第2フィルム端部、645…第3フィルム端部、630、631、632、633、634、640、641、642、643、644…溶着部、63d、63e、64d、64e…接合部、63f、63g、63h、63i、64f、64g、64h、64i、…延長部、62j、62k、65l、65m…第1延長部、63j、63k、63l、63m…第2延長部、70、70A…保持部材、71、71A…第1保持部材、72、72A…第2保持部材、73、73A…上面、74…下面、75…第1側面、76…第2側面、77…第1凹部、78…第2凹部、80…層構造、81…第1層、82…第2層、90…熱器具
Claims (7)
- 液体消費装置に装着される液体収容体であって、
複数のフィルムを貼り合わせることによって立体形状を構成する複数の面を備える液体収容袋と、
前記液体収容袋の前記複数の面の1つである第1面の少なくとも一部を取り囲む部位に、少なくとも前記第1面の幅方向にわたって配置された保持部材と、
前記保持部材を、前記保持部材が配置された前記部位に、固定する固定部と、
を備え、
前記部位に配置された前記保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状に、前記液体収容袋の前記フィルムの一部が形成されており、
前記固定部は、前記保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状の前記フィルム同士または前記フィルムと前記保持部材とが溶着された部位である、液体収容体。 - 請求項1に記載の液体収容体であって、
前記フィルムは、一方の外層として第1層を備え、他方の外層として前記第1層よりも融点が低い第2層を備え、
前記固定部においては、前記フィルムの前記第2層同士または前記第2層と前記保持部材とが、熱溶着される、
液体収容体。 - 請求項2記載の液体収容体であって、
前記複数のフィルムのうちの一つである第1フィルムが前記第1面を構成し、前記第1フィルムと異なる第2フィルムが前記第1面の端部と前記第2層を内側にして接合されて前記立体形状の他の面である第2面を構成し、
前記第2フィルムは、前記第1フィルムと接合された部位において、前記第2層が露出した端部を有し、
前記固定部は、前記保持部材が前記第1面に配置された状態において、前記第2フィルムの前記露出した第2層が前記保持部材の側面と熱溶着された部位である、
液体収容体。 - 請求項2に記載の液体収容体であって、
前記複数のフィルムのうちの一つである第1フィルムが前記第1面を構成し、前記第1フィルムと異なる第2フィルムが前記第1面の端部と前記第2層を内側にして接合されて前記立体形状の他の面である第2面を構成し、
前記第2フィルムは、前記第1フィルムと接合された部位から前記保持部材の幅方向に予め定められた長さの接合部を有し、
前記固定部は、前記保持部材が前記第1面に配置された状態において、前記第2フィルムの前記接合部に存在する前記第2層が前記保持部材の上面と熱溶着された部位である、
液体収容体。 - 請求項2に記載の液体収容体であって、
前記複数のフィルムのうちの一つである第1フィルムが前記第1面を構成し、前記第1フィルムと異なる第2フィルムと第3フィルムが前記第2層を内側にして前記第1面の端部と接合され、前記立体形状の他の面であって、前記第1面の前記幅方向の両側の第2面及び第3面を構成し、
前記第2フィルムと第3フィルムは、前記第1フィルムと接合された部位から前記保持部材の幅方向にそれぞれ予め定められた長さを有する延長部を備え、
前記固定部は、前記保持部材が前記第1面に配置された状態において、前記第2フィルムと第3フィルムの前記延長部における前記第2層同士が熱溶着された部位である、
液体収容体。 - 請求項2に記載の液体収容体であって、
前記複数のフィルムのうちの一つである第1フィルムが前記第2層を内側にして前記第1面を構成し、前記第1フィルムと異なる第2フィルムが前記第2層を内側にして前記第1フィルムの端部と接合されて前記立体形状の他の面である第2面を構成し、
前記第1フィルムは、前記第2フィルムと接合された端部とは逆側の端部から前記保持部材の幅方向に第1の長さを有する第1延長部を備え、
前記第2フィルムは、前記第1面における前記第1延長部とは反対側から前記保持部材の幅方向に第2の長さを有する第2延長部を備え、
前記固定部は、前記保持部材が前記第1面に配置された状態において、前記第1フィルムの前記第1延長部に存在する第2層と前記第2フィルムの前記第2延長部に存在する第2層とが向き合うように重ね合わされて、熱溶着された部位である、
液体収容体。 - 液体消費装置に装着される液体収容体の製造方法であって、
フィルムを貼り合わせることによって立体形状を構成する複数の面を備える液体収容袋を用意し、
前記液体収容袋の前記複数の面の1つである第1面の形状の変形を抑制する保持部材を、前記第1面の少なくとも一部を取り囲む部位で、かつ前記液体収容袋の前記フィルムの一部により、前記保持部材の外面の少なくとも一部を覆う位置に配置し、
前記保持部材の外面の少なくとも一部を覆う形状の前記フィルム同士または前記フィルムと前記保持部材とを溶着して、前記保持部材を前記液体収容袋の前記第1面に固定する、
液体収容体の製造方法。
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