JP2021101476A - 熱伝導シート及び熱伝導シートの製造方法 - Google Patents

熱伝導シート及び熱伝導シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】仮固定の作業性に優れ、かつ熱抵抗が抑制された熱伝導シート及びその製造方法を提供する。【解決手段】熱伝導シートは、熱伝導性粒子及び有機高分子化合物を含む基材シート1と、基材シート1の少なくとも一方の表面上に局在する粘着成分10と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、熱伝導シート及び熱伝導シートの製造方法に関する。
近年、多層配線板、半導体パッケージ等の電子部品装置における配線の密度又は電子部品の搭載密度の増大、半導体素子の高集積化などを背景に、単位面積あたりの発熱量が大きくなる傾向にある。このため、電子部品装置で発生した熱を効率よく放散することが望まれるようになっている。
電子部品装置で発生した熱を効率よく放散する方法としては、電子部品装置(発熱体)とアルミニウム、銅等の金属部材(放熱体)とを、熱伝導部材を間に挟んで貼り付ける方法が一般的に採用されている。熱伝導部材としては、熱伝導グリース、熱伝導シート等が用いられている。放熱体を発熱体に貼り付ける際の作業性の観点からは熱伝導シートの方が熱伝導グリースよりも優れているが、従来の熱伝導シートの熱伝導性には改善の余地があった。
熱伝導シートの熱伝導性を向上させる目的で、バインダ樹脂等のマトリックス材料中に、熱伝導性の大きい黒鉛粉末、窒化ホウ素等の粒子を配合した熱伝導性複合材料組成物及びその成形加工品が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、熱伝導性の材料をマトリックス材料中で、シート面に対して垂直方向に配向させ、膜厚方向への熱伝導性を向上させた熱伝導シートが記載されている。特許文献2には、ゲル状物質に分散された炭素繊維が、シート面に対して垂直に配向した構造を有する熱伝導シートが記載されている。特許文献3には、鱗片状、楕球状又は棒状である熱伝導性粒子がシートの膜厚方向に対して斜めに配向した構造を有する熱伝導シートが記載されている。
特開2002−26202号公報 特開2005−82721号公報 特開2010−114421号公報
特許文献1及び特許文献2に記載されている熱伝導シートは、熱伝導性粒子が表面に露出するため、シート表面の粘着性(タック性)が低く、発熱体と放熱体との間に挟んで実装する工程において、仮固定しにくく、作業性に改善の余地があった。
特許文献3に記載されている熱伝導シートは、熱伝導性粒子を熱伝導シートの膜厚方向に対して斜めに配向させることで、表面に粘着性(タック性)を発現させ、熱伝導シートを仮固定する際の作業性を向上させている。しかしながら、特許文献3に記載の熱伝導シートも作業性に更なる改善の余地がある。
さらに、熱伝導シートは仮固定の作業性に加え、良好な熱伝導性も有している必要がある。従って、表面の粘着性を上げつつも、表面での熱抵抗の上昇が抑制された熱伝導シートが求められている。
本発明は上記事情に鑑み、仮固定の作業性に優れ、かつ熱抵抗が抑制された熱伝導シート及びその製造方法を提供する。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>熱伝導性粒子及び有機高分子化合物を含む基材シートと、前記基材シートの少なくとも一方の表面上に局在する粘着成分と、を有する熱伝導シート。
<2>前記熱伝導性粒子が鱗片状粒子、楕球状粒子及び棒状粒子からなる群より選択される少なくとも1つである、<1>に記載の熱伝導シート。
<3>前記熱伝導性粒子が黒鉛粒子を含む、<1>又は<2>に記載の熱伝導シート。
<4>前記粘着成分が存在する粘着成分領域の平均厚みが1.5μm以下である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の熱伝導シート。
<5>熱伝導性粒子及び有機高分子化合物を含む基材シートの少なくとも一方の表面上に、粘着成分が局在するように前記粘着成分を付与する工程を含む、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の熱伝導シートの製造方法。
本発明によれば、仮固定の作業性に優れ、かつ熱抵抗が抑制された熱伝導シート及びその製造方法が提供される。
本発明の一実施態様に係る熱伝導シートの概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の含有率は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本明細書において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本明細書において「積層」との語は、二以上の層(シート)を積み重ねることを意味し、二以上の層(シート)は結合されていてもよく、着脱可能であってもよい。
<熱伝導シート>
本実施形態の熱伝導シートは、熱伝導性粒子及び有機高分子化合物を含む基材シートと、前記基材シートの少なくとも一方の表面上に局在する粘着成分と、を有する。
上記熱伝導シートは、熱伝導性粒子及び有機高分子化合物を含む基材シートの少なくとも一方の表面上に粘着成分が存在することで、表面の粘着性(タック性)に優れていると考えられる。さらに、粘着成分が局在することで、熱抵抗が低く抑えられていると考えられる。
本明細書において「粘着成分が局在する」とは、基材シートの表面に対向する方向から基材シート表面を観察したときに、基材シートの表面上に粘着成分が存在しかつ粘着成分が存在しない領域で囲まれた領域(以下、粘着成分領域とも称する)が複数存在し、かつ当該複数の粘着成分領域が基材シートの表面上に間隔を空けて配置されている状態を意味する。
図1に、基材シート1の表面に粘着成分10が局在している様子を模式的に示す。図1に示すように、粘着成分10が存在しかつ粘着成分10が存在しない領域で囲まれた粘着成分領域が、基材シート1の表面上に間隔を空けて複数配置されている。
個々の粘着成分領域の形状は特に制限されない。例えば、基材シートの表面に対向する方向から粘着成分領域を観察したときの形状がドット状、線状、不定形状等であってよい。また、個々の粘着成分領域の大きさ(基材シートとの接触部分の大きさ)は特に制限されない。
熱抵抗を低く抑える観点からは、粘着成分領域の平均厚みは1.5μm以下であることが好ましく、0.2μm〜1.5μmであることがより好ましく、0.5μm〜1.0μmであることが更に好ましく、0.6μm〜0.8μmであることが特に好ましい。
粘着成分領域の平均厚みが0.2μm以上であると、表面の粘着性(タック性)が充分に得られる傾向にある。粘着成分領域の平均厚みが1.5μm以下であると、熱抵抗が充分に低く抑えられる傾向にある。
粘着成分領域の平均厚みは、任意に選択した10個の粘着成分領域の個々の厚みの数平均値とする。粘着成分領域の個々の厚みは、当該粘着成分領域の高さ(基材シートに付与された粘着成分の外周面(外気と接する面)に存在する点から基材シートの表面に引いた垂線の長さの最大値)とする。例えば、基材シートの面方向に対して垂直に切断して得た断面を観察することで測定することができる。
粘着成分領域の厚みは、上述のように実際に粘着成分を付与した基材シートに基づいて測定しても、粘着成分を基材シートに付与する条件と同様の条件で別の基材(シリコン基板等)に粘着成分を付与し、これに基づいて測定してもよい。
粘着成分の種類は特に制限されず、熱伝導シートに所望の粘着性を付与できるものから選択できる。
具体的には、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等を主要な原料成分とする、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(所謂アクリルゴム)、ポリジメチルシロキサン構造を主構造に有する高分子化合物(所謂シリコーン樹脂)、ポリイソプレン構造を主構造に有する高分子化合物(所謂イソプレンゴム及び天然ゴム)、クロロプレンを主要な原料成分とした高分子化合物(所謂クロロプレンゴム)、ポリブタジエン構造を主構造に有する高分子化合物(所謂ブタジエンゴム)などが挙げられる。これらの高分子化合物は、一般に「ゴム」と総称される柔軟性を有する有機高分子化合物である。粘着成分は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(熱伝導性粒子)
熱伝導性粒子は、熱伝導シートとして所望の性能が達成できる程度の熱伝導性を有するものであれば特に制限されない。具体的には、窒化ホウ素粒子、黒鉛粒子、炭素粒子等が挙げられ、中でも黒鉛粒子が好ましい。熱伝導性粒子は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
熱伝導性粒子は、鱗片状粒子、楕球状粒子及び棒状粒子からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
熱伝導シートの熱伝導率は、基材シートの一方の面から他方の面まで貫通する熱伝導性粒子が多く含まれているほど高くなる傾向にある。従って、熱伝導性粒子の長軸(粒子の長さがもっとも長くなる部分)の長さが、基材シートの厚みよりも長い形状及び大きさの熱伝導性粒子を原料として選択することが好ましい。
原料としての熱伝導性粒子の大きさは特に制限されず、基材シートの厚み等によって選択できる。例えば、長軸の長さの平均値が250μm以上である熱伝導性粒子、長軸の長さの平均値が500μm〜1000μmである熱伝導性粒子、及び長軸の長さの平均値が1500μm〜2000μmである熱伝導性粒子からなる群より選択される少なくとも1つを選択し、原料として用いることができる。
基材シート中の熱伝導性粒子の含有率は、特に制限されない。例えば、基材シートの全体積の10体積%〜50体積%であることが好ましく、30体積%〜45体積%であることがより好ましい。
(有機高分子化合物)
有機高分子化合物の種類は、特に制限されない。熱伝導性シートに良好な柔軟性と、発熱体及び放熱体に対する良好な密着性と、を付与する観点からは、Tg(ガラス転移温度)が50℃以下である有機高分子化合物が好ましく、Tgが−70℃〜20℃である有機高分子化合物がより好ましく、Tgが−60℃〜0℃である有機高分子化合物が更に好ましい。
有機高分子化合物として具体的には、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等を主要な原料成分とした、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物(所謂アクリルゴム)、ポリジメチルシロキサン構造を主構造に有する高分子化合物(所謂シリコーン樹脂)、ポリイソプレン構造を主構造に有する高分子化合物(所謂イソプレンゴム、及び天然ゴム)、クロロプレンを主要な原料成分とした高分子化合物(所謂クロロプレンゴム)、ポリブタジエン構造を主構造に有する高分子化合物(所謂ブタジエンゴム)などが挙げられる。これらの高分子化合物は、一般に「ゴム」と総称される柔軟性を有する有機高分子化合物である。有機高分子化合物は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
熱伝導シートの柔軟性、化学的安定性、加工性、粘着性の制御しやすさ、原料価格等の観点からは、上記の有機高分子化合物の中でもポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物が好ましく、アクリル酸ブチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルのうちいずれか一方又は両方を共重合成分として含み、かつこれらの共重合成分中の比率が、共重合成分全体の50質量%以上であるポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物がより好ましい。
熱伝導シートに長期間の密着保持性と強度を付与する観点からは、柔軟性を損なわない範囲で、有機高分子化合物に架橋構造を含ませてもよい。有機高分子化合物に架橋構造を含ませる方法は、特に制限されない。例えば、水酸基を有するポリマーに、複数のイソシアネート基を持つ化合物を反応させる方法が挙げられる。
有機高分子化合物の含有率は、特に制限されない。例えば、基材シートの全体積の10体積%〜70体積%であることが好ましく、20体積%〜50体積%であることがより好ましい。
(難燃剤)
基材シートは、難燃剤を含有してもよい。難燃剤の種類は特に限定されず、赤リン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤等が挙げられる。難燃剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
赤リン系難燃剤としては、純粋な赤リン粉末の他に、安全性と安定性を高める目的で種々のコーティングを施したもの、マスターバッチになっているもの等が挙げられる。具体的には、燐化学工業株式会社製の商品名:ノーバレッド、ノーバエクセル、ノーバクエル、ノーバペレット等が挙げられる。
リン酸エステル系難燃剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート等の脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジル−2,6−キシレニルホスフェート、トリス(t−ブチル化フェニル)ホスフェート、トリス(イソプロピル化フェニル)ホスフェート、リン酸トリアリールイソプロピル化物等の芳香族リン酸エステル;レゾルシノールビスジフェニルホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビスジキシレニルホスフェート等の芳香族縮合リン酸エステル;などが挙げられる。
柔軟性及びタック性と、難燃性との両立しやすさの観点からは、難燃剤はリン酸エステル系難燃剤であることが好ましく、凝固点が15℃以下であり、沸点が120℃以上である液状物としてのリン酸エステル系化合物であることがより好ましい。
凝固点が15℃以下であり、沸点が120℃以上である液状物としてのリン酸エステル系難燃剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−2,6−キシレニルホスフェート、レゾルシノールビスジフェニルホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)等が挙げられる。
基材シートが難燃剤を含む場合、その含有率は特に制限されない。例えば、基材シートの全体積の5体積%〜50体積%であることが好ましく、10体積%〜40体積%であることがより好ましい。難燃剤の含有率が5体積%以上であると充分な難燃性が発現される傾向にあり、40体積%以下であると充分なシート強度が得られる傾向にある。
(他の成分)
基材シートは、必要に応じてウレタンアクリレート等の靭性改良剤;酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の吸湿剤;シランカップリング剤、チタンカップリング剤、酸無水物等の接着力向上剤;ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の濡れ向上剤;シリコーン油等の消泡剤;無機イオン交換体等のイオントラップ剤;などを含んでもよい。
<熱伝導シートの製造方法>
本実施形態の熱伝導シートの製造方法は、熱伝導性粒子と、有機高分子化合物と、を含む基材シートの少なくとも一方の表面上に、粘着成分が局在するように前記粘着成分を付与する工程(粘着成分付与工程)を含む。
基材シートの少なくとも片面上に粘着成分を付与する方法は特に制限されず、スプレー法、印刷法、インクジェット法等の公知の方法から選択できる。簡便かつ効率的に所望の粘着成分領域を形成する観点からは、スプレー法が好ましい。
基材シートに粘着成分を付与するにあたり、粘着成分を有機溶媒等で希釈してもよい。粘着成分を希釈する場合の倍率は特に制限されず、粘着成分の種類等に応じて選択できる。
熱伝導シートの製造方法はさらに、基材シートを製造する工程を含んでもよい。以下、基材シートの製造工程の一実施態様について説明する。
ある実施態様では、基材シートの製造は、熱伝導性粒子と有機高分子化合物、及び必要に応じてその他の成分を混合して混錬物を得る工程(混錬工程)と、得られた混錬物をシート状に成形して1次シートを作製する工程(1次シート作製工程)と、1次シートを複数枚重ねて積層体を得る工程(積層工程)と、積層体をスライスして基材シートを得る工程(スライス工程)とをこの順に行う。必要に応じて、基材シートを圧縮する工程(ロールプレス工程)を行ってもよい。
混錬工程では、熱伝導性粒子と有機高分子化合物、及び必要に応じてその他の成分を混合して混錬物を得る。混錬物に含まれる熱伝導性粒子の大きさは、スライス工程で得られる基材シートの厚みを考慮して選択することが好ましい。混錬の方法は特に制限されず、一般的な装置を用いて行うことができる。例えば、2本ロール又はニーダーを用いて行うことができる。
1次シート作製工程では、混練物をシート状に成形する。成形は、例えば、混練物を押しつぶすことで行うことができる。混練物を押しつぶす方法は特に制限されず、一般的な装置を用いて行うことができる。例えば、平板プレス又はメタルロールを用いて行うことができる。成形の際の温度条件は、有機高分子化合物の脆性化を抑制する観点からは150℃以下とすることが好ましく、有機高分子化合物の軟化を促進する観点からは25℃以上とすることが好ましい。1次シートの厚みは特に制限されず、薄いほど好ましい。例えば、0.2mm〜1.0mmの範囲内とすることが好ましい。
積層工程では、所定の大きさに切断した1次シートを複数枚重ねて積層体を得る。積層する方法は特に制限されない。積層体を得た後は、1次シート同士を密着させるために圧縮してもよい。圧縮する方法は特に制限されず、一般的な装置を用いて行うことができる。例えば、平板プレス又はメタルロールを用いて行うことができる。積層体を圧縮する場合の圧縮量は特に制限されない。例えば、圧縮前の積層体の厚みの3%〜20%であることが好ましい。
スライス工程では、積層体をスライスして基材シートを得る。スライスする方法は特に制限されず、一般的な方法で行うことができる。具体的には、マルチブレード法、レーザー加工法、ウォータージェット法、ナイフ加工法等が挙げられる。基材シートの厚みを一定に保ちやすく、切りくずの発生が少ない点では、ナイフ加工法が好ましい。
スライスする際の切断具は特に制限されない。例えば、スリットを有する平滑な盤面と、このスリット部より突出した刃部と、を有するカンナの部位を有するスライス部材であって、基材シートの所望の厚みに応じて、スリット部からの前記刃部の突出長さが調節可能である切断具は、得られる基材シートの表面近傍の熱伝導性粒子の配向を乱し難く、基材シートの厚みが薄くてもスライスを行いやすいために好適である。
積層体のスライスは、積層体の主面の法線の方向に沿って行うことで、基材シートがその厚み方向に沿って垂直に又は斜めに配向した熱伝導性粒子を含むようにすることができる。
以下、本実施形態を実施例により具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
<熱伝導シートの作製>
(1)混錬工程
下記の材料を含む組成物を加圧ニーダーを用いて混錬し、混錬物を得た。混錬条件は、組成物の質量が3.5kgであり、温度100℃で40分間とした。
熱伝導性粒子として、鱗片状の黒鉛粒子(長軸の長さが500μm〜1000μm)を使用した。黒鉛粒子の含有率は、組成物の全体積の45体積%とした。
有機高分子化合物として、アクリル酸ブチルが、その共重合成分中の76質量%であるポリ(メタ)アクリル酸エステル系高分子化合物を使用した。有機高分子化合物の含有率は、組成物の全体積の30体積%とした。
難燃剤として、リン酸エステル系難燃剤であるビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)を使用した。難燃剤の含有率は、組成物の全体積の25体積%とした。
(2)1次シート作製工程
得られた混練物を、油圧プレスにより圧縮し、更に、80℃のメタルロールを数回通して、1.0mm厚の1次シートを作製した。
(3)積層工程
得られた1次シートを、50mm×200mmの大きさに切断したものを複数用意した。これらを、高さが50mmになるまで積層した。更に油圧プレスを用いて、0.1MPa以下の圧力で加圧して圧縮して積層体を得た。
(4)スライス工程
得られた積層体を、その主面の法線の方向に沿った方向に、カンナと同様の機構を持った装置を用いてスライスした。スライスは、得られる基材シートの厚みが0.25mmになるように刃の突出量を調整し、積層体の温度を10℃、加工速度を54mm/分、刃自体の先端角度を32°とした条件で行った。
(5)粘着成分付与工程
スライスして得られた基材シートの片面に、粘着成分としてアクリルゴムの10質量%溶液をスプレー法により付与し、粘着成分領域を形成した。ここで、スプレー法により付与する粘着成分の量を変更することで、実施例1〜3の熱伝導シートを作製した。得られた熱伝導シートの粘着成分領域の平均厚み(μm)を測定した結果を表1に示す。比較例の熱伝導シートには、粘着成分を付与しなかった。
<粘着性の評価>
熱伝導シートの粘着性の評価は、タック力(g)を測定することにより行った。具体的には、プローブ試験装置を使用し、測定条件は、温度:23℃、プローブ直径:5mm、プローブ接触面積:19.6mm、プローブ荷重:50g、押付け時間:1秒で行った。
<熱抵抗の評価>
熱伝導シートの熱抵抗の評価は、トランジスタを熱源とする方法で測定した値により行った。具体的には、熱伝導シートを1cm×1.5cmの大きさにカットして試験シートを作製し、これを発熱体としてのトランジスタ(2SC2233)と、放熱体としてのアルミニウム放熱ブロックとの間に挟み、0.5MPaの圧力でトランジスタを加圧して電流を通じた。トランジスタの温度:T1(℃)と、放熱ブロックの温度:T2(℃)を測定し、測定値と印加電力:W1(W)から、次式(1)によって熱抵抗:X(℃/W)を算出した。熱抵抗改善率は比較例との比率で、マイナスの数値は熱抵抗が比較例より劣ることを意味する。
X=(T1−T2)/W1 ・・・ 式(1)
Figure 2021101476

表1の結果に示されるように、粘着成分領域の平均厚みが0.6μmである実施例1の熱伝導シートは、粘着成分領域を形成していない比較例の熱伝導シートに比べ、タック力が上昇していた。さらに、比較例の熱伝導シートに比べて熱抵抗も改善していた。
粘着成分領域の平均厚みが1.5μmである実施例2の熱伝導シートは、粘着成分領域を形成していない比較例の熱伝導シートに比べ、タック力が上昇していた。さらに、比較例の熱伝導シートと同程度の熱抵抗であった。
粘着成分領域の平均厚みが3μmである実施例3の熱伝導シートは、粘着成分領域を形成していない比較例の熱伝導シートに比べ、タック力が上昇していた。なお、実施例3の熱伝導シートは比較例の熱伝導シートに比べて熱抵抗が悪化しているが、実用上は支障のない範囲と判断できる。
1…基材シート、10…粘着成分

Claims (5)

  1. 熱伝導性粒子及び有機高分子化合物含む基材シートと、前記基材シートの少なくとも一方の表面上に局在する粘着成分と、を有する熱伝導シート。
  2. 前記熱伝導性粒子が鱗片状粒子、楕球状粒子及び棒状粒子からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の熱伝導シート。
  3. 前記熱伝導性粒子が黒鉛粒子を含む、請求項1又は請求項2に記載の熱伝導シート。
  4. 前記粘着成分が存在する粘着成分領域の平均厚みが1.5μm以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の熱伝導シート。
  5. 熱伝導性粒子及び有機高分子化合物を含む基材シートの少なくとも一方の表面上に、粘着成分が局在するように前記粘着成分を付与する工程を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の熱伝導シートの製造方法。
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