JP2021101152A - 燃焼器及びガスタービン - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、燃焼振動を抑制するために、複数のメイン予混合ノズルのうち、一部のメイン予混合ノズルから供給する燃料量を少なくする技術が提案されている。この特許文献1の技術によれば、少ない燃料量を供給した希薄予混合気の火炎を、燃料濃度を薄くしていない予混合気の火炎と比較して、長火炎とすることが可能となっている。
特許文献2には、燃焼振動を抑制するために、一部のメインノズルの楕円延長管の出口形状を、他のメインノズルの出口形状と異ならせて、着火位置をずらす技術が提案されている。この特許文献2の技術によれば、内筒内の狭い領域に発熱が集中することを防止して燃焼振動を抑制できる。
特許文献3には、窒素酸化物の発生を抑制するために、冷却空気が混入したとしても軸方向において火炎面が均一になるように予混合気の燃料濃度をノズルの中心軸周りに変化させる技術が記載されている。
特許文献2に記載のメインバーナーは、全てのメインノズルからの予混合気が同一位置で着火、燃焼することを防止できるものの、やはり、燃焼器全体の燃料濃度分布のバラつきが大きくなり過ぎて、窒素酸化物(NOx)が増加してしまう可能性が有る。
その一方で、特許文献1,2において、窒素酸化物(NOx)を抑制しようとして燃料濃度分布のバラつきを小さくしようとすると、燃焼振動が増大する可能性が有る。
また、特許文献3のようにして窒素酸化物(NOx)を低減しようとすると、燃焼振動が増大してしまう可能性が有る。
この発明の第一態様によれば、燃焼器は、周方向に間隔をあけて複数配置されたメインバーナーを備え、前記メインバーナーは、混合気を生成する第一メインバーナーと、前記第一メインバーナーよりも燃料濃度が不均一な混合気を生成する第二メインバーナーと、を備え、前記第一メインバーナーと前記第二メインバーナーとは、周方向の全周に渡って非周期的な配置パターンで配置され、前記第二メインバーナーは、前記混合気の燃料濃度を、メインノズルを中心とした周方向で、前記第一メインバーナーよりも不均一とし、前記第二メインバーナーは、前記メインノズルを中心とした周方向の第一側に配置されて燃料を吐出する第一燃料吐出孔と、前記第一側とは反対側となる前記メインノズルを中心とした周方向の第二側に配置されて前記燃料を吐出する第二燃料吐出孔と、を備え、前記第一燃料吐出孔と前記第二燃料吐出孔とは、燃焼器軸線を中心とした周方向に分かれて配置され、前記第一メインバーナーと前記第二メインバーナーとが、周方向の全周に渡って非周期的な配置パターンで配置されている。
この発明の第七の態様によれば、ガスタービンは、第一から第六のいずれか一態様に係る燃焼器を備える。
次に、この発明の第一実施形態における燃焼器及びガスタービンを図面に基づき説明する。
図1は、この発明の第一実施形態におけるガスタービンの概略構成を示す図である。 図1に示すように、ガスタービン1は、圧縮機2と、燃焼器3と、タービン4と、を備えている。
圧縮機2は、空気Aを圧縮して圧縮空気を生成する。燃焼器3は、燃料Fを圧縮機2で生成した圧縮空気中で燃焼させて高温高圧の燃焼ガスを生成する。タービン4は、燃焼器3により生成された燃焼ガスにより駆動され、燃焼ガスのエネルギーを回転エネルギーに変換する。
圧縮機ロータ6とタービンロータ8は、直列に配置されて回転軸線Arを中心に回転する。タービンロータ8と圧縮機ロータ6とは一体に連結されており、これら圧縮機ロータ6とタービンロータ8とによってガスタービンロータ10が構成されている。このガスタービンロータ10には、例えば、発電機GENのロータが連結されている。
図2に示すように、燃焼器3は、燃焼筒(又は尾筒)13と、燃料噴射器14Aとを備えている。燃焼筒13は、その内部で燃料Fを燃焼させて、この燃料Fの燃焼により生成される燃焼ガスをタービン4に送る。燃料噴射器14Aは、燃焼筒13内に燃料F及び圧縮空気Aを噴出する。
パイロットバーナー15は、燃焼器軸線Ac上に配置され、燃料を拡散燃焼させる。このパイロットバーナー15は、パイロットノズル18と、パイロットバーナー筒19と、パイロットスワラ(図示せず)と、を備えている。
メインノズル23は、燃焼器軸線Acと平行に延びている。これらメインノズル23は、内部に燃料が流れる燃料流路(図示せず)を備えている。
図4に示すように、第一メインバーナー16Aのメインスワラ25は、それぞれ燃料吐出部26,27を備えている。
図6に示すように、燃料噴射器14Aは、燃焼器軸線Acを中心とした周方向で連続して並ぶ五つの第一メインバーナー16Aと、同じく周方向で連続して並ぶ三つの第二メインバーナー16Bとを備えている。
また、ノズル中心軸P3を中心とした周方向で、第二メインバーナー16Bによる火炎の形状を第一メインバーナー16Aによる火炎に対して僅かに変化させることができる。
図7は、この発明の第一実施形態の変形例における図6に相当する正面図である。
上述した第一実施形態の燃料噴射器14Aにおいては、第一グループG1と第二グループG2とが燃焼器軸線Acを中心とした径方向にそれぞれ分かれて配置される場合について説明した。しかし、第二メインバーナー16Bにおける第一グループG1と第二グループG2との配置は、第一実施形態で例示した配置に限られない。
例えば、図7に示す燃料噴射器14Aaように、第二メインバーナー16Bは、第一グループG1と第二グループG2とが、燃焼器軸線Acを中心とした周方向でそれぞれ分かれて配置されていても良い。
次に、この発明の第二実施形態を図面に基づき説明する。この第二実施形態は、上述した第一実施形態に対してメインバーナーの配置パターンを変化させたものである。そのため、上述した第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
図8は、この発明の第二実施形態における図6に相当する図である。
図8に示すように、この第二実施形態における燃料噴射器14Bは、上述した第一実施形態の燃料噴射器14Aと同様に、複数のメインバーナー16として第一メインバーナー16Aと、第二メインバーナー16Bと、を備えている。これら第一メインバーナー16Aと第二メインバーナー16Bとは、第一実施形態で説明したように、燃料濃度の分布が異なる点を除いて同一の構成となっている。
さらに、燃料噴射器14Bは、第一メインバーナー16Aと第二メインバーナー16Bとが、燃焼器軸線Acを中心とした周方向で非対称な配置パターン(回転対称ではない配置パターン)で配置されている。
次に、この発明の第三実施形態を図面に基づき説明する。この第三実施形態は、第二実施形態と同様に、上述した第一実施形態に対してメインバーナーの配置パターンを変化させたものである。そのため、上述した第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
図9に示すように、この第三実施形態における燃料噴射器14Cは、上述した第一実施形態の燃料噴射器14Aと同様に、複数のメインバーナー16として第一メインバーナー16Aと、第二メインバーナー16Bと、を備えている。これら第一メインバーナー16Aと第二メインバーナー16Bとは、第一実施形態で説明したように、燃料濃度の分布が異なる点を除いて同一の構成となっている。
なお、この第三実施形態における第二メインバーナー16Bも、第一、第二実施形態と同様に、第一グループG1と第二グループG2との配置は図9に示す配置に限られるものではない。
次に、この発明の第四実施形態を図面に基づき説明する。この第四実施形態は、メインバーナー16Bにおける第一グループG1の燃料噴射量と第二グループG2の燃料噴射量を異ならせる構成のみが上述した第一実施形態と相違する。そのため、上述した第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
図10に示すように、この第四実施形態におけるメインバーナー16Bは、メインノズル23が、互いに独立した第一燃料供給系統F1と、第二燃料供給系統F2と、を備えている。メインバーナー16Bは、第一燃料供給系統F1に連通し第一グループG1に属する燃料吐出孔32と、第二燃料供給系統F2に連通し第二グループG2に属する燃料吐出孔32とを備えている。
第一実施形態から第四実施形態においては、それぞれ第一メインバーナー16Bと第二メインバーナー16Bとの配置パターンを異なるものとしたが、上述した以外の配置パターンであっても良い。第一メインバーナー16Bと第二メインバーナー16Bとの両方を備えていればよく、例えば、以下の表に示すケース1からケース22までの配置パターンとしても良い。以下の表において、最も左側の列に記載された数字「1」から「22」がケースであり、各列における最も上に記載した「1」から「8」の数字は、上述した各実施形態の周方向におけるメインバーナー16の位置「1」から「8」に対応している。また、最も右側の列は、一つの燃料噴射器における第二メインバーナー16Bの「本数」である。さらに、上記の表の各ケースにおいて、第一メインバーナー16Aが配置されている場合に「0」、第二メインバーナー16Bが配置されている場合に「1」としている。なお、メインバーナー16の配置パターンについては、以下の表のものに限られず、以下の表の配置パターンを、周方向に回転させた配置パターンであっても良い。
ここで、ケース「1」は、第二実施形態の配置パターンをノズル中心軸P3周りに回転させた配置パターンであり、これらは実質的に同一の結果が得られた。また、ケース「6」も、第一実施形態の配置パターンをノズル中心軸P3周りに回転させた配置パターンでありこれらは実質的に同一の結果が得られた。ケース「22」は、第三実施形態と同じ配置パターンである。ここでは、これらケース「1」、ケース「6」、ケース「22」の三パターンを代表的な実施例として説明する。
上記の表にはない、燃料噴射器14A〜14Cが備えるメインバーナー16の全てが、第一メインバーナー16Bの場合を比較例1、及び、メインバーナー16の全てが第二メインバーナーの場合を比較例2とした。
ケース「1」、ケース「6」、ケース「22」、比較例1および比較例2について、圧力と周波数をパラメータに、燃焼振動による圧力変動のシミュレーション計算を行った。 シミュレーション結果を比較した結果、ケース「1」、「6」、「22」において、それぞれ比較例1,2よりも燃焼振動が低減される傾向が確認された。
これらケース「1」、「6」、「22」は、何れも、第一メインバーナー16Aと第二メインバーナー16Bとの両方を備えている。特に、ケース「6」において、燃焼振動の低減が顕著となった。
つまり、第一メインバーナー16Aと第二メインバーナー16Bとの両方を備える配置パターンと、燃焼振動の低減との間に相関があることが確認された。
各実施形態においては、第一メインバーナー16Aにおける周方向の燃料濃度が実質的に均一となる場合について説明した。しかし、第一メインバーナー16Aにおける周方向の燃料濃度のバラつきは、第二メインバーナー16Bよりも少なければよく、燃料濃度が均一な場合に限られない。
2 圧縮機
3 燃焼器
4 タービン
6 圧縮機ロータ
7 圧縮機ケーシング
8 タービンロータ
9 タービンケーシング
10 タービンロータ
11 ビンケーシング
13 燃焼筒
14A,14Aa,14B,14C,14D 燃料噴射器
15 パイロットバーナー
16 メインバーナー
16A,16B メインバーナー
17 バーナー保持筒
18 パイロットノズル
18a 噴射孔
19 パイロットバーナー筒
21 本体部
22 コーン部
23 メインノズル
24 インバーナー筒
25 メインスワラ
25a 圧力面
25b 負圧面
26,27,30,31 燃料吐出部
28,32 燃料吐出孔
A 圧縮空気
Ac 燃焼器軸線
Ar 回転軸線
Da 軸線方向
F 燃料
F1 第一燃料供給系統
F2 第二燃料供給系統
G1 第一グループ
G2 第二グループ
GEN 発電機
P3 ノズル中心軸
S1 第一の範囲
S2 第二の範囲
Claims (7)
- 周方向に間隔をあけて複数配置されたメインバーナーを備え、
前記メインバーナーは、
混合気を生成する第一メインバーナーと、
前記第一メインバーナーよりも燃料濃度が不均一な混合気を生成する第二メインバーナーと、を備え、
前記第一メインバーナーと前記第二メインバーナーとは、周方向の全周に渡って非周期的な配置パターンで配置され、
前記第二メインバーナーは、前記混合気の燃料濃度を、メインノズルを中心とした周方向で、前記第一メインバーナーよりも不均一とし、
前記第二メインバーナーは、
前記メインノズルを中心とした周方向の第一側に配置されて燃料を吐出する第一燃料吐出孔と、
前記第一側とは反対側となる前記メインノズルを中心とした周方向の第二側に配置されて前記燃料を吐出する第二燃料吐出孔と、を備え、
前記第一燃料吐出孔と前記第二燃料吐出孔とは、燃焼器軸線を中心とした径方向で内側と外側とに分かれるように配置され、
前記第一メインバーナーと前記第二メインバーナーとが、周方向の全周に渡って非周期的な配置パターンで配置されている燃焼器。 - 周方向に間隔をあけて複数配置されたメインバーナーを備え、
前記メインバーナーは、
混合気を生成する第一メインバーナーと、
前記第一メインバーナーよりも燃料濃度が不均一な混合気を生成する第二メインバーナーと、を備え、
前記第一メインバーナーと前記第二メインバーナーとは、周方向の全周に渡って非周期的な配置パターンで配置され、
前記第二メインバーナーは、前記混合気の燃料濃度を、メインノズルを中心とした周方向で、前記第一メインバーナーよりも不均一とし、
前記第二メインバーナーは、
前記メインノズルを中心とした周方向の第一側に配置されて燃料を吐出する第一燃料吐出孔と、
前記第一側とは反対側となる前記メインノズルを中心とした周方向の第二側に配置されて前記燃料を吐出する第二燃料吐出孔と、を備え、
前記第一燃料吐出孔と前記第二燃料吐出孔とは、燃焼器軸線を中心とした周方向に分かれて配置され、
前記第一メインバーナーと前記第二メインバーナーとが、周方向の全周に渡って非周期的な配置パターンで配置されている燃焼器。 - 周方向に間隔をあけて複数配置されたメインバーナーを備え、
前記メインバーナーは、
混合気を生成する第一メインバーナーと、
前記第一メインバーナーよりも燃料濃度が不均一な混合気を生成する複数の第二メインバーナーと、を備え、
前記第一メインバーナーと前記第二メインバーナーとは、周方向の全周に渡って非周期的な配置パターンで配置され、
前記第二メインバーナーは、前記混合気の燃料濃度を、メインノズルを中心とした周方向で、前記第一メインバーナーよりも不均一とし、
前記第二メインバーナーは、
前記メインノズルを中心とした周方向の第一側に配置されて燃料を吐出する第一燃料吐出孔と、
前記第一側とは反対側となる前記メインノズルを中心とした周方向の第二側に配置されて前記燃料を吐出する第二燃料吐出孔と、を備え、
前記第一燃料吐出孔と前記第二燃料吐出孔とは、燃焼器軸線を中心とした径方向で内側と外側とに分かれるように配置され、
前記メインバーナーは、複数の前記第二メインバーナーとして、
前記第一燃料吐出孔が燃焼器軸線を中心とした径方向の内側に配置された第二メインバーナーと、
前記第一燃料吐出孔が燃焼器軸線を中心とした径方向の外側に配置された第二メインバーナーと、の両方を含み、
前記第一メインバーナーと前記第二メインバーナーとが、周方向の全周に渡って非周期的な配置パターンで配置されている燃焼器。 - 周方向に間隔をあけて複数配置されたメインバーナーを備え、
前記メインバーナーは、
混合気を生成する第一メインバーナーと、
前記第一メインバーナーよりも燃料濃度が不均一な混合気を生成する複数の第二メインバーナーと、を備え、
前記第一メインバーナーと前記第二メインバーナーとは、周方向の全周に渡って非周期的な配置パターンで配置され、
前記第二メインバーナーは、前記混合気の燃料濃度を、メインノズルを中心とした周方向で、前記第一メインバーナーよりも不均一とし、
前記メインバーナーは、複数の前記第二メインバーナーとして、
前記メインノズルを中心とした径方向の第一側に配置されて燃料を吐出する第一燃料吐出孔と、前記メインノズルを中心とした径方向の第一側とは反対側となる前記メインノズルを中心とした径方向の第二側に配置されて前記燃料を吐出する第二燃料吐出孔と、を有する第二メインバーナーと、
前記メインノズルを中心とした周方向の第一側に配置されて燃料を吐出する第一燃料吐出孔と、前記メインノズルを中心とした周方向の第一側とは反対側となる前記メインノズルを中心とした周方向の第二側に配置されて前記燃料を吐出する第二燃料吐出孔と、を有する第二メインバーナーと、を含み、
前記第一メインバーナーと前記第二メインバーナーとが、周方向の全周に渡って非周期的な配置パターンで配置されている燃焼器。 - 前記第二燃料吐出孔は、前記第一燃料吐出孔よりも大きい孔径を有する請求項1から4の何れか一項に記載の燃焼器。
- 前記第一燃料吐出孔に前記燃料を供給する第一燃料供給系統と、
前記第一燃料供給系統とは異なる圧力で前記第二燃料吐出孔に前記燃料を供給する第二燃料供給系統と、を備える請求項1から5の何れか一項に記載の燃焼器。 - 請求項1から6の何れか一項に記載の燃焼器を備えるガスタービン。
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