JP2021100022A - ウェハの加工方法および基板の製造方法 - Google Patents

ウェハの加工方法および基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ウェハの外周部を加工する際に破砕層の発生を抑制できる、ウェハの加工方法および基板の製造方法を提供する。【解決手段】第1の面1aに電子回路3が形成されたウェハ1に対してドライエッチングを行って、第1の面1aからウェハ1の厚さ方向に掘り込まれた食刻部8をウェハ1の外周部に形成するドライエッチング工程と、ウェハ1を、第1の面1aと反対側の第2の面1bから研削する研削工程と、を含み、食刻部8の深さL1は、研削工程の後に残されたウェハ1の厚さL2よりも大きい。【選択図】図2

Description

本発明はウェハの加工方法および基板の製造方法に関する。
液体吐出ヘッド等に用いられる基板は、通常、大面積のウェハに孔部や電子回路(例えばICやLSI等)を形成した後に、所定の基板のサイズに切断することにより製造される。特許文献1に記載の発明では、ウェハの一方の面に高速回転外周刃を当接させて、ウェハの外周部を所定の深さまで切削する。その後に、ウェハの他方の面(高速回転外周刃を当接させた面と反対側の面)から研削を行って、ウェハを所定の板厚になるまで薄くする。この時、高速回転外周刃によるウェハの一方の面からの切削深さ(所定の切削深さ)を、他方の面からの研削により薄くされた後のウェハの板厚(所定の板厚)よりも大きく設定する。他方の面からの研削によって、ウェハの面取り加工部を含む外周部を切除することができる。
特開2000−173961号公報
特許文献1に記載された方法では、ウェハの外周面を高速回転外周刃により機械的に切削するため、切削面に破砕層と呼ばれるダメージ層が発生する。この破砕層が、ウェハの破損を引き起こす要因となる可能性がある。特に、孔部や電子回路が形成されたウェハを50μm〜150μm程度の板厚になるまで薄くすると、ウェハの強度が低くなるのに加えて、ウェハの切削面において破砕層の占める割合が大きくなる。その結果、ウェハまたはウェハから切り出された基板が、搬送時などに治具や他物体と接触すると、破砕層に起因する割れや欠けなどの破損が生じ易いという顕著な問題が発生している。
そこで、本発明の目的は、ウェハの外周部を加工する際に破砕層の発生を抑制できる、ウェハの加工方法および基板の製造方法を提供することにある。
本発明のウェハの加工方法は、第1の面に電子回路が形成されたウェハに対してドライエッチングを行って、第1の面からウェハの厚さ方向に掘り込まれた食刻部をウェハの外周部に形成するドライエッチング工程と、ウェハを、第1の面と反対側の第2の面から研削する研削工程と、を含み、食刻部の深さは、研削工程の後に残されたウェハの厚さよりも大きいことを特徴とする。
本発明によると、ウェハの外周部を加工する際に破砕層の発生を抑制できる。
本発明における加工対象であるウェハの一例を示す平面図と、一部の拡大図と、断面図である。 本発明の第1の実施形態のウェハの加工方法の各工程を順番に示す断面図である。 図2に示すウェハの加工方法の研磨工程を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態のウェハの加工方法の要部の各工程を順番に示す断面図である。 本発明におけるもう1つの加工対象であるウェハの一例を示す平面図と、一部の拡大図である。 本発明の第3の実施形態のウェハの加工方法の要部の各工程を順番に示す断面図である。 本発明の第4の実施形態のウェハの加工方法の要部の各工程を順番に示す断面図である。 本発明の第5の実施形態のウェハの加工方法の要部の各工程を順番に示す断面図である。 本発明の第6の実施形態のウェハの加工方法の要部の工程を示す断面図と、その一部の拡大図と、完成した基板の断面図と、その一部の拡大図である。 図9に示す加工方法のエッチング工程を説明するための拡大断面図である。 本発明の第6の実施形態のウェハの加工方法の変形例の要部の工程を示す断面図と、完成した基板の断面図と、その一部の拡大図である。 本発明の第6の実施形態のウェハの加工方法のもう1つの変形例の要部の工程を示す断面図と、完成した基板の断面図と、その一部の拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明の基板の加工方法における加工対象であるウェハ1の構造について説明する。図1(a)は、ウェハ1の平面図である。図1(b)は、図1(a)のA部分の拡大図である。図1(c)は、図1(a)のB−B線断面図である。図1(d)は、図1(c)のC部分の拡大図である。ウェハ1は、シリコン等の半導体材料からなり、600μm〜800μm程度の厚さLを有する円板状の半導体ウェハである。図1(c),(d)に示すように、ウェハ1の外周部2は、面取り加工(ベベル加工)されて曲面状になった面取り加工部を含む。図1(a),(b)に示すように、ウェハ1の一方の面1aの複数の個所に、半導体素子(例えばIC)や金属配線などを含む電子回路3がそれぞれ形成されている。ウェハ1を仮想的な格子状の分割線4に沿って分割することによって、電子回路3を含む矩形状の基板5(図1(b)参照)が複数個得られる。格子状の分割線4は、実際に形成されるわけではなく、1つの基板5に含まれる電子回路3ごとに区分するように、仮想的に設定される。この基板5は、例えば液体吐出ヘッドの一部を構成する。
ウェハ1は、電子回路3が形成された後であって分割線4に沿って分割される前に、外周部2が切除されるとともに、所定の板厚(例えば50μm〜150μm程度)になるまで薄くされる。外周部2は、このウェハ1から形成される複数の基板5のうちの最外端に位置する基板5の形成位置よりもさらに外周側に位置する部分である。一般的には、外周部2は、ウェハ1の外周縁からの距離が概ね5mm以内の領域である。本発明では、このウェハ1の外周部2、すなわちウェハ1の外周縁からの距離が5mm以内の領域が切り取られる。この加工方法について以下に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態のウェハ1の加工方法について、図1〜3を参照して説明する。図2(a)〜(g)は、本実施形態において、ウェハ1の図1(d)に示されている部分を加工する各工程を順番に示す断面図である。図3は、ウェハ1を所望の板厚にするための研磨工程を示す説明図である。
本実施形態では、まず、図1(a)〜(d)に示すように、シリコンからなるウェハ1の複数個所に、基板5を構成する電子回路3をそれぞれ形成する。便宜上、電子回路3が形成されている面(一方の面)をウェハ1の第1の面1aと称し、電子回路3が形成された面の反対側の面(他方の面)をウェハ1の第2の面1bと称する。図2(a)に示すようにウェハ1の第1の面1aと第2の面1bの両方に、エッチング時のパターニングと電子回路3の保護のために、レジスト層6を形成する。レジスト層6は、フォトリソグラフィ法で使用される一般的なポジ型のフォトレジスト材料をスピン塗布することなどによって形成することができる。
図2(b)に示すように、レジスト層6をパターニングして、ウェハ1の第1の面1aにおいて、面取り加工部を含む外周部2を露出させる。このようにレジスト層6が部分的に除去されることによってウェハ1が露出した部分を、ウェハ露出部7と称する。レジスト層6の除去(パターニング)は、一般的に知られているフォトリソグラフィ法によって行われる。図2(b)では、簡略化のために、ウェハ1の外周部2の一部のみが示されているが、実際にはウェハ1の外周部2の全周においてレジスト層6が除去され、ウェハ露出部7が生じている。ただし、レジスト層6がウェハ1の全周に亘って満遍なく除去される工程に限定されず、ウェハ露出部7が、例えばノッチ箇所において分断されて不連続になっていても構わない。
次に、図2(c)に示すように、ウェハ1の第1の面1aに対してドライエッチングが施される。この時、レジスト層6がマスクとして機能するため、レジスト層6が形成された部分以外の領域(ウェハ露出部7)においてウェハ1がドライエッチングされ、食刻部8が形成される。食刻部8は、ウェハ1の第1の面1aからウェハ1の厚さ方向に掘り込まれている。ドライエッチングによる食刻部8の深さ(食刻深さ)L1が、ウェハ1の厚さL(図1(d)参照)よりも小さく、最終的な完成品の基板5の板厚(所定の板厚)L2(図2(g)参照)よりも大きくなるように、ドライエッチングの継続時間が設定される。本実施形態では、ウェハ1の第1の面1aに垂直に食刻部8が形成され、外周部2の断面においてL字形の段差が生じている。食刻部8は、ウェハ1の外周部2に形成され、L字形であって、エッチングされた部分の側面が底面に対して垂直であることが好ましい。そのため、異方性ドライエッチングを行うことが好ましく、特にボッシュプロセスが好適である。ただし、食刻部8はこの形状に限られず、外周部2の断面においてV字形やU字形である溝形状や、複数の段差を有する形状などであってもよい。これらの形状の食刻部8は、円板状のウェハ1の外周部2に沿って形成されている。食刻部8は、ノッチ箇所で分断されて不連続になっていてもよいが、ウェハ1の外周部2の全周に亘って環状に形成されると、ウェハ1の全体にわたって均等な加工が施されるので好ましい。
次に、図2(d)に示すようにレジスト層6を剥離する。具体的には、レジスト層6が形成されたウェハ1を不図示のレジスト剥離液に浸漬することで、レジスト層6をウェハ1から剥離することができる。レジスト剥離液としては、使用するポジ型のフォトレジスト材料に適した一般的なレジスト剥離液を使用することができる。また、ドライエッチング工程でボッシュプロセスを用いた場合には、フロロカーボン系の堆積膜(図示せず)がエッチング面に形成されている。この堆積膜も、一般的なドライエッチング残渣剥離液を用いてレジスト層6とともに剥離される。
次に、図2(e)に示すように、ウェハ1の第1の面1aに保護テープ9を貼り付ける。保護テープ9としては、後述するウェハ1の第2の面1bの研削時の電子回路3の保護や、ウェハ1に加わる押圧力の緩和の機能を有するバックグラインドテープ(例えば一般的な研削用保護テープ)が好適に用いられる。続いて、ウェハ1の第2の面1bから、例えば図3に示すような研削装置10を用いて研削する。研削範囲は、ウェハ1の第2の面1bの全面である。研削方向は図2(e)に矢印Kで示されており、所望の研削量は図2(e)のD−D線で示されている。言い換えると、D−D線は、研削の後に残されたウェハ1の厚さ、すなわち最終的な完成品の基板5の板厚(所定の板厚)L2を示している。図3に示す研削装置10は、チャックテーブル11と、チャックテーブル11上の吸着ステージ12と、チャックテーブル11および吸着ステージ12から離れて位置する研削ホイール13とを有する。研削ホイール13は、図3に模式的に示す回転および移動機構21を備えており、チャックテーブル11も、図示しない回転および移動機構を備えている。ウェハ1の研削工程では、まず、ウェハ1の第1の面1a(保護テープ9が貼り付けられた面)を、負圧吸着などの方法でチャックテーブル11上の吸着ステージ12上に保持する。チャックテーブル11を研削ホイール13の下方に移動させる。チャックテーブル11と研削ホイール13とを、図3の矢印で示すようにそれぞれ回転させる。そして、純水等の研削液を供給しながら、研削ホイール13を下降させてウェハ1に当接させて押圧する。ウェハ1の研削量の制御は、研削ホイール13の下降量をハイトゲージなどで測定し、ウェハ1が所定の板厚L2になったところで研削ホイール13の下降を停止することで行う。こうして、ウェハ1の第2の面1bから図2(e)のD−D線で示す位置まで研削を行って、研削動作を終了する。なお、先に行ったドライエッチングの食刻深さL1(例えば70μm)は、研削後のウェハ1の板厚L2(例えば50μm)よりも大きくなるように設定されている。従って、図2(f)に示すように、研削によって食刻部8のL字形状は消滅する。ウェハ1の第2の面1bの全面を研削することで、面取り加工部を含む外周部2を容易に除去でき、研削面1cは全面に亘ってほぼ平坦な面になる。ただし、このウェハ1の研削面1cには破砕層が形成され、破砕層がウェハ1の割れの要因となるおそれがある。そこで、一般的な化学機械研磨処理を行える化学機械研磨装置(不図示)を用いてウェハ1の研削面1cに化学機械研磨処理を施すことにより、ウェハ1の破損の要因となるおそれのある破砕層を除去できる。研磨の目的はウェハ1をさらに薄化するためのものではなく、ウェハ1の板厚L2(例えば50μm)をほとんど変化させない。そのため、図面においては、研磨後の面も研磨前と同一の符号1cで表している。図2(g)に示すように、保護テープ9を剥離して、薄化されたウェハ1が作製される。その後、図1(a)に示す分割線4に沿ってウェハ1を切断して分割し、多数の基板5を得る。
以上説明したように、本実施形態に係る基板の加工方法では、薄化したウェハ1の側面は、ドライエッチングにより加工された食刻部8の内周面からなり、機械的な切削加工が施された面とは異なり、破砕層が形成されにくい。そして、本実施形態では、薄化された後のウェハ1の外周縁がナイフエッジ状にならない。その結果、破砕層に起因したチッピング等の微小な割れや欠けが発生せず、薄化したウェハ1から複数の基板5を得ることができる。そして、基板5の搬送時等に破損する可能性を低くすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図4を参照して説明する。第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する場合がある。図4(a)〜(e)は、本実施形態において、ウェハ1を加工する各工程のうち、第1の実施形態と異なる工程を順番に示す断面図である。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、ウェハ1の第1の面1aに電子回路3を形成した後に、レジスト層6を形成してパターニングする。本実施形態では、レジスト層6のパターニングにより生じるウェハ露出部14(図4(a)参照)は、平面形状がウェハ1の外周縁に沿う円形状であり、幅が細い。次に、図4(b)に示すように、ドライエッチングを行って食刻部15を形成する。ドライエッチングとしては、例えばボッシュプロセスを含む異方性ドライエッチングを用いる。本実施形態の食刻部15は、円板状のウェハ1の外周縁から一定の距離の位置に形成された、平面形状が円形で細く深い溝である。そのため、ドライエッチング工程が簡略化できる。第1の実施形態と同様に、ドライエッチングによる食刻部15の深さ(食刻深さ)L1は、ウェハ1の厚さLよりも小さく、かつ最終的な完成品の基板5の板厚(所定の板厚)L2よりも大きくなるように、ドライエッチングの継続時間が設定される。
その後に、図4(c)に示すようにレジスト層6とボッシュプロセスによる堆積膜(図示せず)とを除去し、図4(d)に示すようにウェハ1の第1の面1aに保護テープ9を貼り付ける。この時に、保護テープ9は、ウェハ1の電子回路3が形成されている部分から外周部2に至るまで貼り付けることが好ましい。続いて、ウェハ1の第2の面1bを、例えば図3に示すような研削装置10を用いて研削する。研削方向は図4(d)に矢印Kで示されており、所望の研削量は図4(d)のD−D線で示されている。先に行ったドライエッチングの食刻深さL1(例えば70μm)が、研削後のウェハ1の板厚L2(例えば50μm)よりも大きくなるように、図4(d)のD−D線で示す位置まで研削を行う。この研削により、図4(e)に示すように、ウェハ1の面取り加工部を含む外周部2、すなわち食刻部15よりも外周側に位置する部分が切り離される。ただし、切り離された外周部2も、保護テープ9によって残りの部分(食刻部15の内周側に位置する部分)とともに保持されている。それから、ウェハ1の研削面1cに化学機械研磨処理を施して、破砕層を除去する。研磨は、保護テープ9に保持されている外周部2に対しても行う。保護テープ9を剥離すると、図2(g)に示す構成と同様に、外周部2から切り離された薄化したウェハ1が得られる。その後、分割線4(図1(a)参照)に沿ってウェハ1を切断して分割し、多数の基板5(図1(b)参照)を得る。
本実施形態によると、第1の実施形態と同様な効果に加えて、ウェハ1の面取り加工部を含む外周部2を残したまま、第2の面1bの研削を実施できる。研削のためにウェハ1を移動させる際などに、研削装置10や治具等と接触する可能性がある部分は、主に外周部2である。電子回路3が形成された部分など、最終的な完成品の基板5になる部分は、研削装置10や治具等と接触する可能性が低く、チッピングが生じにくい。本実施形態では、保護テープ9に保持される外周部2によって、最終的な完成品の基板5における割れや欠けなどを抑制できる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、図5,6を参照して説明する。第1,2の実施形態と同様の部分については説明を省略する場合がある。図5(a)は本実施形態のウェハ1の平面図であり、図5(b)は、図5(a)のA部分の拡大図である。図6(a)〜(f)は、本実施形態において、ウェハ1を加工する各工程のうち、第1,2の実施形態と異なる工程を順番に示す断面図である。
本実施形態では、図5(a),(b)に示すように、電子回路3とともに孔部16が形成された基板5を形成する。電子回路3と孔部16とを有する基板5は、例えば、インクジェットプリンターなどの液体吐出装置用の基板や、マイクロマシーン技術を用いた圧力センサ用の基板などである。これらの基板5の孔部16は、例えば液体供給路として用いられる。本実施形態では、ウェハ1の面取り加工部を含む外周部2の加工と、孔部16の形成とを同時に行う。
具体的には、第1,2の実施形態と同様に、ウェハ1の第1の面1aに電子回路3を形成した後に、レジスト層6を形成してパターニングする。本実施形態のレジスト層のパターニングでは、図6(a)に示すように、第1の実施形態と同様なウェハ露出部7と、孔部16に対応する円孔状のウェハ露出部17とを形成する。そして、図6(b)に示すように、ドライエッチングを行って食刻部8と孔部16とを形成する。孔部16は、食刻部15よりも内周側の位置に形成する。ドライエッチングは、例えばボッシュプロセスを含む異方性ドライエッチングである。本実施形態の食刻部8は、第1の実施形態と同様に外周部2の断面においてL字形の段差を有する形状である。孔部16は、食刻部8と同じドライエッチング工程で、食刻部の深さL1と同程度の深さL3に形成される。そして、食刻部8の深さ(食刻深さ)L1と孔部16の深さL3は、ウェハ1の厚さLよりも小さく、かつ最終的な完成品の基板5の板厚(所定の板厚)L2よりも大きい。
その後に、図6(c)に示すようにレジスト層6とボッシュプロセスによる堆積膜(図示せず)とを除去し、図6(d)に示すようにウェハ1の第1の面1aに保護テープ9を貼り付ける。それから、ウェハ1の第2の面1bを、例えば図3に示すような研削装置10を用いて研削する。研削方向は図6(d)に矢印Kで示されており、所望の研削量は図6(d)のD−D線で示されている。先に行ったドライエッチングの食刻深さL1(例えば70μm)が、研削後のウェハ1の板厚L2(例えば50μm)よりも大きくなるように、図6(d)のD−D線で示す位置まで研削を行う(図6(e)参照)。続いて、ウェハ1の研削面1cに化学機械研磨処理を施して、破砕層を除去する。保護テープ9を剥離して、図6(f)に示すように、薄化したウェハ1を得る。その後、分割線4(図5(a)参照)に沿ってウェハ1を切断して分割し、多数の基板5(図5(b)参照)を得る。
本実施形態によると、第1の実施形態と同様な効果に加えて、食刻部8の形成と同時に、例えば液体供給路として用いられる孔部16を形成でき、工程の簡略化や製造コストの低減に寄与するという効果が得られる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について、図7を参照して説明する。第1〜3の実施形態と同様の部分については説明を省略する場合がある。図7(a)〜(e)は、本実施形態において、ウェハ1を加工する各工程のうち、第1〜3の実施形態と異なる工程を順番に示す断面図である。本実施形態では、第3の実施形態と同様に、電子回路3とともに孔部16が形成された基板5を形成する。そして、第2の実施形態と同様に、本実施形態の食刻部15は、平面形状が円形である細く深い溝である。
具体的には、第1〜3の実施形態と同様に、ウェハ1の第1の面1aに電子回路3を形成した後に、レジスト層6を形成してパターニングする。それにより、図7(a)に示すように、第2の実施形態と同様にウェハ1の外周縁に沿う細長いウェハ露出部14と、孔部16に対応する円孔状のウェハ露出部17とを形成する。そして、図7(b)に示すように、ドライエッチング(例えばボッシュプロセスを含む異方性ドライエッチング)を行って食刻部15と孔部16とを形成する。本実施形態の食刻部15は、第2の実施形態と同様に細く深い溝状である。孔部16は、食刻部15と同じドライエッチング工程で、実質的に同じ深さL1に形成される。食刻部15および孔部16の深さ(食刻深さ)L1は、ウェハ1の厚さLよりも小さく、かつ最終的な完成品の基板5の板厚(所定の板厚)L2よりも大きい。
その後に、図7(c)に示すようにレジスト層6とボッシュプロセスによる堆積膜(図示せず)とを除去し、図7(d)に示すようにウェハ1の第1の面1aに保護テープ9を貼り付ける。保護テープ9は、ウェハ1の電子回路3が形成されている部分から外周部2に至るまで貼り付ける。それから、ウェハ1の第2の面1bを、例えば図3に示すような研削装置10を用いて研削する。研削方向は図7(d)に矢印Kで示されており、所望の研削量は図7(d)のD−D線で示されている。先に行ったドライエッチングの食刻深さL1(例えば70μm)が、研削後のウェハ1の板厚L2(例えば50μm)よりも大きくなるように、図7(d)のD−D線で示す位置まで研削を行う(図7(e)参照)。それから、ウェハ1の研削面1cに化学機械研磨処理を施して、破砕層を除去する。保護テープ9を剥離して、図6(f)に示すウェハ1と同様な、外周部2から切り離された薄化したウェハ1を得る。その後、分割線4(図5(a)参照)に沿ってウェハ1を切断して分割し、多数の基板5(図5(b)参照)を得る。
本実施形態によると、第1の実施形態と同様な効果に加えて、第2の実施形態と同様に最終的な完成品の基板5における割れや欠けなどを抑制できるという効果が得られる。さらに、第3の実施形態と同様に工程の簡略化や製造コストの低減に寄与するという効果が得られる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について、図8を参照して説明する。第1〜4の実施形態と同様の部分については説明を省略する場合がある。図8(a)は、本実施形態において、ウェハ1に食刻部15および孔部16を形成した状態を示す断面図である。図8(b)は、研削および研磨の後のウェハ1の断面図である。本実施形態では、第3,4の実施形態と同様に電子回路3とともに孔部16が形成された基板5を形成する。孔部16は、基板5の第1の面1aから形成されて基板5を貫通しない有底孔である。
本実施形態でも、第1〜4の実施形態と同様に、ウェハ1の第1の面1aに電子回路3を形成し、レジスト層6を形成してパターニングして、細長い溝状のウェハ露出部14と円孔状のウェハ露出部17とを形成する。図8(a)に示すように、ボッシュプロセスを含む異方性ドライエッチングを行って、平面形状が円形である細く深い溝状の食刻部15と、孔部16とを形成する。本実施形態の食刻部15の深さL1と孔部16の深さL3とは異なっている。食刻部15の深さL1は、ウェハ1の厚さLよりも小さく、孔部16の深さL3よりも大きく、かつ最終的な完成品の基板5の板厚(所定の板厚)L2よりも大きい。一方、孔部16の深さL3は、最終的な完成品の基板5の板厚(所定の板厚)L2よりも小さい。
その後に、レジスト層6と堆積膜とを除去し、ウェハ1の第1の面1aに保護テープ9を貼り付ける。そして、ウェハ1の第2の面1bを研削する。研削後のウェハ1の板厚L2が、先に行ったドライエッチングにより形成された食刻部15の深さL1よりも大きく、かつ孔部16の深さL3よりも小さくなるように、研削を行う。食刻部15が第1の面1aからウェハ1を貫通し、孔部16が第1の面1aからウェハ1を貫通せずに研削面1cの手前で終端するように、研削面1cが孔部16の溝底部に到達する前に研削を終了する。それから、ウェハ1の研削面1cを研磨して、破砕層を除去する。保護テープ9を剥離して、図8(b)に示すように外周部2から切り離れた薄化したウェハ1を得る。その後、分割線4(図5(a)参照)に沿ってウェハ1を切断して分割し、多数の基板5(図5(b)参照)を得る。
このように、本実施形態では、基板5の側面を構成する食刻部15と同時にドライエッチングで形成される孔部16の形状および深さを調節することができる。本実施形態の孔部16は、基板5を貫通する貫通孔ではなく、基板5の厚さ方向の内部で終端する有底孔である。食刻部15の開口面積を孔部16の開口面積よりも大きくすることで、このように孔部16よりも食刻部15の方が深い構成を容易に実現できる。開口面積の大きさは、レジスト層6のパターニングによって各ウェハ露出部の大きさを変えることで調節できる。従って、食刻部15や孔部16の深さの調節を、特別な作業を追加することなく容易に実現できる。なお、複数の孔部16を有する構成において、一部の孔部16を貫通孔にして他の孔部16を有底孔にすることもできる。その場合にも、貫通孔となる孔部16の開口面積の大きさと、有底孔となる孔部16の開口面積の大きさとを異ならせればよい。
このように、本実施形態によると、第1〜4の実施形態と同様な効果に加えて、基板5の側面の加工と同時に、液体流路等として用いられる有底孔を形成できるという効果がある。さらに、本実施形態を応用すると、基板5内に、例えば液体供給口として用いられる貫通孔である孔部16と、例えば液体流路として用いられる有底孔である孔部16とを同時に形成でき、基板5の加工の自由度が向上する。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態について、図9,10を参照して説明する。第1〜5の実施形態と同様の部分については説明を省略する場合がある。図9(a1)は、本実施形態において、ウェハ1に食刻部15および孔部16を形成した状態を示す断面図である。図9(a2),(a3)は、図9(a1)に示す食刻部15の両端部(E部分およびF部分)のそれぞれの拡大図である。図9(b1)は、本実施形態の基板5の完成状態の断面図である。図9(b2),(b3)は、図9(b1)に示す基板5の、食刻部15からなる側面の両端部(E部分およびF部分)のそれぞれの拡大図である。図10は、本実施形態のエッチング工程を説明するための拡大断面図である。本実施形態では、第3〜5の実施形態と同様に、電子回路3とともに孔部16が形成された基板5を形成し、側面および孔部の端部の一部に面取り部分18,19を形成している。
具体的には、図7〜8に示す第4〜5の実施形態と同様に、ウェハ1の第1の面1aに電子回路3を形成した後に、レジスト層6を形成してパターニングし、ウェハ露出部14,17を形成する。そして、図9(a1)に示すように、ボッシュプロセスを含む異方性ドライエッチングを行って食刻部15と孔部16とを形成する。本実施形態の食刻部15は、第2,4,5の実施形態と同様に、平面形状が円形である細く深い溝状である。孔部16は、食刻部15と同じドライエッチング工程で形成される。ボッシュプロセスでは、SFガスによるエッチング処理と、Cによるパッシベーション処理を交互に行う。それによって、シリコンからなるウェハ1に、高アスペクト比の異方性エッチングを施すことができる。ボッシュプロセスにより形成された食刻部15および孔部16の内周面には、図10に示すようなスキャロップ構造と呼ばれる貝殻状の凹凸形状が形成される。図10に示す各寸法(スキャロップ高さH、スキャロップ幅D、スキャロップ径R)は、エッチング処理とパッシベーション処理との時間比で制御可能である。
本実施形態では、図9(a1),(a2)に示すように、ドライエッチングにより形成される食刻部15の、ウェハ1の第1の面における開口端部の近傍において、スキャロップ幅Dを、第1の面1aに向かうにつれて段階的に大きくする。それにより、ウェハ1の第1の面1aから第2の面1b側に向かってスキャロップ径Rが段階的に小さくなるテーパー状の傾斜面(面取り部分)18が形成される。このような形状の傾斜面18を形成するために、エッチング処理とパッシベーション処理の時間比を制御して、開口端部に近づくにつれてスキャロップ幅Dが段階的に大きくなるように異方性ドライエッチングを行う。これにより、テーパー状の傾斜面18が容易に形成できる。その後に、フッ素系ガスと酸素系ガスとの混合ガスによる等方エッチングを行って、図示しないが、テーパー状の傾斜面18を含む内周面を滑らかな面にしてもよい。
一方、図9(a1),(a3)に示すように、溝状の食刻部15の深さ方向の最深部である底部であって、研削後にウェハ1の第1の面1aと反対側の面になる位置に、丸型フラスコのような球状凹部20を形成する。この球状凹部20を形成するために、ボッシュプロセスによって有底の溝状の孔部を形成した後に、パッシベーション処理により厚膜のパッシベーション膜を有底の溝状の孔部の内面全体に形成する。そして、異方性の高いエッチングを行って、孔部の底部に位置するパッシベーション膜を除去し、次いでXeFによる等方エッチングを施して、溝底部におけるエッチング箇所である球状凹部20を形成する。
以上説明した溝状の食刻部15の開口端部側の傾斜面18の形成と同様な方法で、図9(a1)に示すように孔部16にも開口端部側の傾斜面18を形成する。また、本実施形態では必ずしも必要ではないが、溝状の食刻部15の溝底部の球状凹部20の形成と同時に、孔部16の溝底部の球状凹部20が形成される。なお、図9に示す例では、食刻部15の深さ(食刻深さ)L1と孔部16の深さL3はいずれも、ウェハ1の厚さLよりも小さく、かつ最終的な完成品の基板5の板厚(所定の板厚)L2よりも大きい。そして、孔部16の深さL3は食刻部15の深さ(食刻深さ)L1よりも大きい。
ウェハ1に、傾斜面18(図9(a2)参照)および球状凹部20(図9(a3)参照)をそれぞれ有する食刻部15と孔部16とを形成したら、第1〜5の実施形態と同様にレジスト層6と堆積膜とを除去する。そして、ウェハ1の第1の面1aに保護テープ9を貼り付けて、ウェハ1の第2の面1bを研削する。先に行ったドライエッチングの食刻深さL1,L3が、研削後のウェハ1の板厚よりも大きくなるように研削を行う。研削は、ウェハ1の厚さ方向において、ウェハ1の研削面が食刻部15の球状凹部20を通る位置であって、孔部16の球状凹部20よりも第1の面1aに近い位置(D−D線で図示)に到達するまで行う。その結果、食刻部15の溝底部の球状凹部20が中間部分で切断され、図9(b1),(b3)に示す面取り部分19が形成される。一方、孔部16の深さL3は食刻部15の深さL1よりも大きく、球状凹部20ではなく孔部16の直線的に延びる部分で切断される。すなわち、孔部16の溝底部の球状凹部20が形成された部分は研削により除去される。従って、本実施形態では、食刻部15は、図9(b2)に示す第1の面1a側の傾斜面(面取り部分)18と、図9(b3)に示す、球状凹部20の一部からなる研削面1c側の面取り部分19とを有している。しかし、孔部16は、第1の面1a側の傾斜面(面取り部分)18を有しているが、研削面1c側には面取り部分を有していない。ウェハ1の第2の面1bの研削が完了したら、この研削面1cを研磨して破砕層を除去する。保護テープ9を剥離して、外周部2から切り離された薄化したウェハ1を得る。その後、分割線4(図1(a)参照)に沿ってウェハ1を切断して分割し、多数の基板5(図9(b1)参照)を得る。
本実施形態では、薄化されたウェハ1の外周縁に、ドライエッチングによって面取り部分18,19を形成している。そのため、本実施形態では、第1〜5の実施形態と同様な効果に加えて、面取り部分18,19を形成することによって、ウェハ1の外周縁におけるチッピングをより確実に抑制でき、薄化されたウェハ1の割れや欠けなどを抑制する信頼性が高い。ただし、第1の面1a側の面取り部分18と、研削面1c側の面取り部分19のいずれか一方が形成されているだけでも、ウェハ1の割れや欠けを抑制するために有効である。
次に、本実施形態の変形例について、図11を参照して説明する。前述した説明と重複する部分については説明を省略する場合がある。図11(a)は、本変形例において、ウェハ1に食刻部15および孔部16を形成した状態を示す断面図である。図11(b1)は、本変形例の基板5の完成状態の断面図である。図11(b2)は、図11(b1)に示す基板5の食刻部15からなる側面の一端部(F部分)の面取り部分19の拡大図である。図11(b3)は、図11(b1)に示す基板5の孔部16の一端部(G部分)の拡大図である。本変形例の基板5には、第1の面1a側に面取り部分18を有しておらず研削面1c側に面取り部分19を有している食刻部15と、両側部に面取り部分を有していない孔部16とが形成されている。
本変形例では、図11(a)に示すように、第6の実施形態と同様な方法で、ドライエッチングにより形成した食刻部15の深さL1と孔部の深さL3とを異ならせている。具体的には、食刻部の深さL1よりも孔部16の深さL3が大きく、深さL1,L3はいずれも、ウェハ1の厚さLよりも小さく、かつ最終的な完成品の基板5の板厚(所定の板厚)L2よりも大きい。そして、第6の実施形態と同様に、溝状の食刻部15の深さ方向の最深部である底部であって、研削後にウェハ1の第1の面と反対側の面になる位置に球状凹部20を形成する。孔部16にも、食刻部15と同様に、溝底部の球状凹部20が形成される。前述したように、食刻部15の深さL1と孔部16の深さL3は異なるため、食刻部15の球状凹部20と、孔部16の球状凹部20とは、厚さ方向における位置が異なる。ただし、食刻部15と孔部16のいずれにも、第1の面1aの開口端部に面取り部分18を形成しない。
このように球状凹部20をそれぞれ有する食刻部15と孔部16とが形成されたウェハ1の第2の面1bを、先に行ったドライエッチングの食刻深さL1,L3が研削後のウェハ1の板厚よりも大きくなるように研削する。研削は、ウェハ1の厚さ方向において、ウェハ1の研削面が食刻部15の球状凹部20を通る位置であって、孔部16の球状凹部20よりも第1の面1aに近い位置(D−D線で図示)に到達するまで行う。その結果、食刻部15の溝底部の球状凹部20が中間部分で切断され、図11(b1),(b2)に示すように面取り部分19が形成される。一方、孔部16の深さL3は食刻部15の深さL1よりも大きく、球状凹部20ではなく孔部16の直線的に延びる部分で切断され、球状凹部20が形成された部分は研削により除去される。従って、図11(b3)に示すように、孔部16には面取り部分が形成されない。すなわち、本変形例では、食刻部15は、図11(b2)に示す、球状凹部20の一部からなる研削面1c側の面取り部分19を有しているが、孔部16は面取り部分を有していない。このようにウェハ1の第2の面1bの研削が完了したら、研削面1cを研磨して破砕層を除去する。
本変形例では、薄化されたウェハ1の外周縁に、ドライエッチングによって面取り部分19を形成している。そのため、本変形例では、第6の実施形態と同様な効果が得られる。ただし、必要性に鑑みてウェハ1の第1の面1a側において側面及び孔部16に面取り部分を形成していないので、工程が簡単になっている。孔部16の、第1の面1a側の端部には面取り部分が形成されていないので、例えば液体供給口として用いられる貫通孔である孔部16同士の位置合わせが精度良く容易に行える。その結果、例えばこの基板5が他の部材に接合される位置における液体漏れを抑制することができる。球状凹部20を形成することにより、研削面1c側の面取り部分19を容易に精度良く形成することができる。そして、この球状凹部20は、パッシベーション処理(堆積膜の形成)と、異方性の高いエッチングによる堆積膜の除去と、等方エッチングとによって容易に形成できる。
次に、本実施形態の他の変形例について、図12を参照して説明する。前述した説明と重複する部分については説明を省略する場合がある。図12(a)は、本変形例において、ウェハ1に食刻部15および孔部16を形成した状態を示す断面図である。図12(b1)は、本変形例の基板5の完成状態の断面図である。図12(b2)は、図12(b1)に示す基板5の食刻部15からなる側面の一端部(F部分)の面取り部分19の拡大図である。図12(b3)は、図12(b1)に示す基板5の孔部16の一端部(G部分)の面取り部分19の拡大図である。本変形例では、基板5の食刻部15と孔部16はいずれも、第1の面1a側に面取り部分18を有しておらず、研削面1c側に面取り部分19を有している。
本変形例では、図12(a)に示すように、ドライエッチングにより形成した食刻部15の深さL1と孔部16の深さL1とが一致している。この深さL1は、ウェハ1の厚さLよりも小さく、かつ最終的な完成品の基板5の板厚(所定の板厚)L2よりも大きい。ウェハ1の第1の面1aにおける食刻部15の開口面積と孔部16の開口面積とは概ね一致している。第6の実施形態と同様に、溝状の食刻部15と孔部16の深さ方向の最深部である底部であって、研削後にウェハ1の第1の面と反対側の面になる位置に球状凹部20をそれぞれ形成する。
このように球状凹部20をそれぞれ有する食刻部15と孔部16とが形成されたウェハ1の第2の面1bを、先に行ったドライエッチングの食刻深さL1が研削後のウェハ1の板厚L2よりも大きくなるように研削する。研削は、ウェハ1の厚さ方向において、ウェハ1の研削面が食刻部15の球状凹部20と孔部16の球状凹部20とを通る位置(D−D線で図示)に到達するまで行う。その結果、食刻部15と孔部16の溝底部の球状凹部20が中間部分で切断され、図12(b1)〜(b3)に示すように面取り部分19が形成される。すなわち、本変形例では、食刻部15と孔部16はいずれも、図12(b2),(b3)に示す、球状凹部20の一部からなる研削面1c側の面取り部分19を有している。このようにウェハ1の第2の面1bの研削が完了したら、研削面1cを研磨して破砕層を除去する。
本変形例では、食刻部15と孔部16の一方の端部には面取り部分18を形成せず、他方の端部には面取り部分19を形成している。従って、食刻部15と孔部16が他方の端部においてチッピング等の破損を生じることを抑えている。それに対し、食刻部15と孔部16の一方の端部には破損が生じにくいと思われる場合に、本変形例のように他方の端部に面取り部分を形成しないことで、工程の煩雑化を抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態では、基板5の側面(食刻部15)の両端部および孔部16の両端部において選択的に面取り部分18,19を形成することができる。従って、工程の煩雑化を最小限に抑えながら、特に破損するおそれが大きい部位にのみ面取り部分を形成して、効果的な破損抑制を行うことができる。
(本発明の用途および効果)
本発明によると、主にウェハ1の外周部2を加工する際に、加工面に破砕層が生じることを抑えられる。その結果、ウェハ1のチッピング等に起因する割れや欠けなどの破損の可能性を低減することができる。また、外周部2の加工と同時に、孔部16の形成を行うことができ、作業効率が良好である。そして、基板5の側面を構成する食刻部15や孔部16の開口面積を調節することで、それらを任意の深さに形成することができる。それにより、食刻部15や孔部16を異なる深さに形成することができる。従って、孔部16を貫通孔として形成することも、有底孔として形成することもできる。貫通孔と有底孔とを混在させる構成にすることもでき、それによって作業が煩雑になることはほとんどない。また、食刻部15の内周面から構成される側面や孔部16に容易に面取り部分18,19を形成することができる。しかも、前述したように食刻部15や孔部16の深さを調節することによって、基板5の側面の両端部および孔部16の両端部のうちの任意の端部にのみ面取り部分を形成し、その他の端部には面取り部分を形成しない構成にすることも容易にできる。
前述した第1〜6の実施形態のそれぞれの構成を任意に組み合わせて基板5を製造することも可能である。また、第1〜6の実施形態において、形成された食刻部8,15および孔部16に、例えばフッ素系ガスと酸素系ガスとの混合ガスによる等方エッチングを行って、内周面を滑らかな面にすることも可能である。その場合、各図面に示されている貝殻状の凹凸形状(スキャロップ構造)が削られて平滑な面になる。
本発明に係る製造方法で製造した基板の用途の一例として、液体吐出ヘッドの素子基板が挙げられる。図示しないが、液体吐出ヘッドの素子基板は、液体を吐出する吐出口と、吐出口に連通するとともにエネルギー発生素子を内包した圧力室と、圧力室に液体供給路等を備えている。本発明に係る方法で製造した基板5を素子基板として用いると、エネルギー発生素子を含む電子回路3が形成できるとともに、液体供給路や圧力室や吐出口を容易に精度良く形成することができ、液体の漏れの抑制などの効果を奏する。
1 ウェハ
1a 第1の面
1b 第2の面
3 電子回路
8,15 食刻部
L1 食刻部の深さ
L2 研削工程の後に残されたウェハの厚さ

Claims (18)

  1. 第1の面に電子回路が形成されたウェハに対してドライエッチングを行って、前記第1の面から前記ウェハの厚さ方向に掘り込まれた食刻部を前記ウェハの外周部に形成するドライエッチング工程と、前記ウェハを、前記第1の面と反対側の第2の面から研削する研削工程と、を含み、
    前記食刻部の深さは、前記研削工程の後に残された前記ウェハの厚さよりも大きいことを特徴とする、ウェハの加工方法。
  2. 前記ウェハは円板状であり、前記食刻部は前記ウェハの外周部に沿って全周に亘って形成される、請求項1に記載のウェハの加工方法。
  3. 前記研削工程において、前記ウェハの前記第2の面の全面を研削する、請求項2に記載のウェハの加工方法。
  4. 前記研削工程の後に、前記ウェハの研削面を研磨する研磨工程をさらに含む、請求項3に記載のウェハの加工方法。
  5. 前記食刻部は、前記ウェハの外周縁から一定の距離の位置に形成された溝である、請求項1から4のいずれか1項に記載のウェハの加工方法。
  6. 前記研削工程において、前記ウェハの、前記食刻部よりも外周側に位置する部分が切り離される、請求項5に記載のウェハの加工方法。
  7. 前記研削工程において切り離された、前記ウェハの前記食刻部よりも外周側に位置する部分が、前記食刻部の内周側に位置する部分とともに、保護テープによって保持された状態で取り扱われる、請求項6に記載のウェハの加工方法。
  8. 前記ウェハの前記第1の面において、前記食刻部の開口端部にテーパー状の傾斜面を形成する、請求項1から7のいずれか1項に記載のウェハの加工方法。
  9. 前記食刻部の前記テーパー状の傾斜面は、ドライエッチングのボッシュプロセスにより形成されたスキャロップ構造のスキャロップ径を段階的に小さくする加工により形成されている、請求項8に記載にウェハの加工方法。
  10. 前記食刻部の、前記ウェハの前記第1の面における開口端部と反対側の端部に、球状凹部を形成し、
    前記研削工程は、前記ウェハの厚さ方向において、前記ウェハの研削面が前記食刻部の前記球状凹部を通る位置に到達するまで行う、請求項1から9のいずれか1項に記載のウェハの加工方法。
  11. 前記食刻部の前記球状凹部は、ドライエッチング工程により形成された前記食刻部に堆積膜を形成し、さらに等方エッチングを施すことによって形成されている、請求項10に記載のウェハの加工方法。
  12. 前記ドライエッチング工程において、前記食刻部と同時に、前記ウェハの、前記食刻部よりも内周側の位置に孔部を形成する、請求項1から11のいずれか1項に記載のウェハの加工方法。
  13. 前記ウェハの前記第1の面において、前記孔部の開口端部にテーパー状の傾斜面を形成する、請求項12に記載のウェハの加工方法。
  14. 前記孔部の前記テーパー状の傾斜面は、ドライエッチングのボッシュプロセスにより形成されたスキャロップ構造のスキャロップ径を段階的に小さくする加工により形成されている、請求項13に記載にウェハの加工方法。
  15. 前記孔部の、前記ウェハの前記第1の面における開口端部と反対側の端部に、球状凹部を形成し、
    前記研削工程は、前記ウェハの厚さ方向において、前記ウェハの研削面が前記球状凹部を通る位置または前記球状凹部よりも前記第1の面に近い位置に到達するまで行う、請求項12から14のいずれか1項に記載のウェハの加工方法。
  16. 前記孔部の前記球状凹部は、ドライエッチング工程により形成された前記孔部に堆積膜を形成し、さらに等方エッチングを施すことによって形成されている、請求項15に記載のウェハの加工方法。
  17. 前記孔部は有底孔である、請求項12から16のいずれか1項に記載のウェハの加工方法。
  18. 請求項1から17のいずれか1項に記載のウェハの加工方法の各工程と、
    前記ウェハの加工方法の各工程の後に、前記ウェハを切断することにより、前記電子回路を有する基板を形成する工程をさらに含むことを特徴とする、基板の製造方法。
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