JP2021099675A - 広域火災警報システム - Google Patents

広域火災警報システム Download PDF

Info

Publication number
JP2021099675A
JP2021099675A JP2019231290A JP2019231290A JP2021099675A JP 2021099675 A JP2021099675 A JP 2021099675A JP 2019231290 A JP2019231290 A JP 2019231290A JP 2019231290 A JP2019231290 A JP 2019231290A JP 2021099675 A JP2021099675 A JP 2021099675A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fire
alarm
dwelling
dwelling unit
interlocking signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019231290A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7441039B2 (ja
Inventor
賢昭 外村
Toshiaki Tonomura
賢昭 外村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hochiki Corp
Original Assignee
Hochiki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hochiki Corp filed Critical Hochiki Corp
Priority to JP2019231290A priority Critical patent/JP7441039B2/ja
Publication of JP2021099675A publication Critical patent/JP2021099675A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7441039B2 publication Critical patent/JP7441039B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】使用周波数を異ならせて信号衝突を回避する住戸のグループ分けを必要とすることなく、火災が発生した住戸を中心に制限された範囲の近隣住戸からの火災警報の出力を可能とする広域火災警報システムを提供する。【解決手段】監視対象地域の住戸に住警器を配置する。火災発生時には、火災発生住戸60の住警器の警報動作を中心として、時間の経過に伴い他の住戸62による第1ループの火災警報、住戸64による第2ループの火災警報のように警報動作が波紋状に広がるように火災連動信号を中継送信する。住警器は自住戸の周囲に隣接する他の住戸の複数の住警器が通信可能エリアに入るように火災連動信号を送信する。自住戸の周囲に隣接する他住戸の住警器には、相互に異なる中継遅延時間を設定し、波紋状に火災連動信号を中継送信する場合の信号衝突による通信エラーを抑制する。【選択図】図12

Description

本発明は、建物が密集した市街地で発生する飲食店や住宅の火災を監視して警報する広域火災警報システムに関する。
消防白書によれば、建物の焼損面積が33,000m2(1万坪)以上の火災を「大火」としているが、平常時の市街地延焼火災としての大火は、昭和51年(1976年)の酒田大火を最後に発生していない。
しかしながら、市街地の木造密集地域は、道路幅が狭く、老朽化した建物もあり、このため火災が発生した場合に消防車両や消防隊員が進入しにくく、更に、火災時の風向き等の気象条件が加わると、広域の市街地火災となる虞がある。
一方、近年にあっては、住宅における火災を検出して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。
このような住警器にあっては、住警器内にセンサ部と警報部を一体に備え、煙あるいは熱等により火災を検出すると火災警報を出すようにしており、住警器単体で火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
また、複数の住警器間で相互に通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報音が出力されると、他の住警器でも連動して火災警報音が出力されるようにした無線式連動型の住警器システムも実用化され、普及している。
しかし、このような従来の無線連動型の火災警報システムにあっては、ある住警器が他の住警器からの無線信号を受信する際に、同じ通信周波数を使用する複数の無線信号が同時に到来して信号衝突を起こす場合があり、信号衝突の発生頻度は警戒エリアに設置する住警器の台数が増加するほど高くなり、そのため1つの警戒エリアに設置できる住警器の台数が制約される。
この問題を解決するため、複数の住警器からなるグループを形成し、グループ毎に使用する通信周波数を異ならせ、更に、グループを形成するにあたって、信号衝突の頻度が高くならないよう住警器の最大台数を設定し、このように形成した複数のグループ間に中継器を配置して連動させるグループ連動を行う火災警報システムが知られている(特許文献2)。
このようにグループ毎に通信周波数を異ならせてグループ連動を行う火災警報システムにあっては、警戒エリア内で複数のグループを連動させることで全体の警報器連動台数を増やすことができ、グループが異なると警報器の通信周波数が異なるため、あるグループの警報器に当該グループ内の警報器からの信号と他のグループの警報器からの信号が同時に到来しても、信号衝突は発生せず、信号の送受信を確実に行うことができる。
グループ連動を行う火災警報システムは、火災報知設備の設置義務のない、床面積が3000平米未満の施設、例えば高齢者や知的障害者の家事支援などを行うグループホーム等に設置することで、信号衝突の問題を回避しつつグループホーム全体の警報器連動台数を必要にして十分な数に増やし、実質的に火災報知設備を設置したと同等の火災監視機能を低コストで提供可能としている。
このため木造密集地域となる市街地を対象に火災監視を行う広域火災警報システムにも、従来のグループ連動を行う火災警報システムを適用することが考えられる。これにより監視対象とする市街地等の住戸を、信号衝突の頻度が高くならないように制限したグループ構成可能な住警器の最大数、例えば15台に対応した15住戸単位にグループ分けを行って異なる通信周波数の住警器グループを形成し、更に、グループ間の連動を行うために火災連動信号の周波数変換を行う中継器をグループの間に設置することになる。
特開2010−33236号公報 特開2011−034373号公報
しかしながら、このような従来のグループ連動を行う火災警報システムを、市街地を対象とした広域火災警報システムに適用した場合、ある住戸の住警器が火災を検出して警報すると、同じグループ内の他の住戸の住警器及び他の全てのグループの住戸に配置した住警器から火災警報を出力させることができるが、広域火災警報システムで1住戸の火災に対し全グループの住戸の警報器、即ち監視対象地域となる全住戸の警報器から一斉に火災警報を出力させることは、火災が発生した住戸から相当離れた場所に位置する火災の緊急度が低いグループの住戸でも火災警報が出力され、火災警報の出力により不要な混乱を招く恐れがあり、また非火災報や誤報の場合には迷惑が拡大してしまう問題がある。
また、監視対象地域の住戸のグループ分けは、火災の相互監視という住民の合意が前提であり、町内会等の地域住民の近隣関係を十分に考慮して行う必要があり、地図情報等による一義的な住戸のグループ分けができないことから、住戸のグループ分けに多くの手間と時間がかかる問題もある。
本発明は、使用周波数を異ならせて信号衝突を回避する住戸のグループ分けを必要とすることなく、火災が発生した住戸を中心に制限された範囲の近隣住戸からの火災警報の出力を可能とする広域火災警報システムを提供することを目的とする。
(広域火災警報システム)
本発明は、広域火災警報システムにおいて、
監視対象地域に存在する複数の住戸の各々に警報器が配置され、
複数の警報器は、火災を検出した住戸の警報器の警報動作を中心として時間の経過に伴い他の住戸の警報器による警報動作が波紋状に広がるように火災連動信号を中継送信することを特徴とする。
(通信可能エリアと中継遅延時間)
警報器は、自住戸の周囲に隣接する他の住戸に設置された複数の警報器が通信可能エリアに入るように火災連動信号を送信し、
自住戸の警報器及び自住戸の周囲に隣接する他住戸に設置された複数の警報器には、火災連動信号を受信してから中継送信するまでの中継遅延時間が相互に異なるように設定される。
(中継遅延時間の設定)
監視対象地域に存在する住戸を、所定数の住戸単位の住戸グループに分割し、住戸グループの各住戸の警報器に、相互に異なる中継遅延時間が所定の順番に設定される。
(中継遅延時間の間引き設定)
住戸グループが所定数の住戸未満の場合、各住戸の警報器に、相互に異なる中継遅延時間が一部間引きされた所定の順番に設定される。
(中継制御)
警報器は、自住戸の火災を検出した場合に、火災連動信号に住戸に固有な住戸アドレス、送信回数を示すシーケンス番号、及び送信回数に応じて初期値0から1回ずつ増加する中継回数を含めた火災連動信号を所定の時間間隔で複数回送信し、
他の住警器から自己アドレスとは異なる前記住戸アドレスの火災連動信号を受信した場合に、中継回数が1以上のときは中継回数を1回減少した中継回数を含む火災連動信号を中継送信し、中継回数が零のときは火災連動信号を中継送信しない。
(同一シーケンス番号の受信時は中継送信なし)
警報器は、他の住警器から火災連動信号を受信した場合に、受信したシーケンス番号が既に受信したシーケンス番号と同じときは、火災連動信号を中継送信しない。
(住戸内の警報器連動と中継制御)
住戸内に複数の警報器が設置され、相互に火災連動信号を送受信して火災警報が連動される場合、他の警報器から自己アドレスとは異なる火災連動信号を受信したときは中継制御を行い、他の警報器から自己アドレスに一致する火災連動信号を受信したときは中継制御を行わない。
(警報停止連動信号と火災復旧連動信号の送信)
火災を検出した住戸の警報器で警報停止又は火災復旧が行われた場合、警報停止又は火災復旧動作が行われた住戸の警報器を中心として時間の経過に伴い他の住戸の警報器による警報停止又は火災復旧が波紋状に広がるように警報停止連動信号又は火災復旧連動信号を中継送信する。
(基本的な効果)
本発明は、広域火災警報システムにおいて、監視対象地域に存在する複数の住戸の各々に警報器が配置され、複数の警報器は、火災を検出した住戸の警報器の警報動作を中心として時間の経過に伴い他の住戸の警報器による警報動作が波紋状に広がるように火災連動信号を中継送信するようにしたため、所定数の住戸の警報器単位に使用周波数の異なるグループを形成して中継器によりグループ間を連動させるグループ連動を必要とすることなく、火災が発生した住戸の警報器を中心に、その外側を囲んで隣接する住戸の警報器、次のその外側を囲んで隣接する住戸の警報器というように、時間の経過に伴って火災発生住戸を中心に波紋が広がって行くように、火災による危険度の高い順番に住戸の警報器による警報動作を時間の経過に伴って拡大させて行くことができる。
例えば、最初は火災発生住戸の1台が火災警報を出力すると共に火災連動信号の送信により、火災の危険度が最も高い火災発生住戸を囲む8住戸の警報器が火災警報を出力し、火災を検知した警報器からの2回目の火災連動信号の送信により、最初に警報動作した8住戸の外側を囲む次に火災の危険度の高い16住戸の警報器が火災警報を出力し、火災を検知した警報器から火災連動信号の送信の繰り返しにより時間の経過に伴って火災警報が波紋のように広がっていく広域警報が行われる。
(通信可能エリアと中継遅延時間による効果)
また、警報器は、自住戸の周囲に隣接する他の住戸に設置された複数の警報器が通信可能エリアに入るように火災連動信号を送信し、自住戸の警報器及び自住戸の周囲に隣接する他住戸に設置された複数の警報器には、火災連動信号を受信してから中継送信するまでの中継遅延時間が相互に異なるように設定されるようにしたため、自住戸の警報器が送信した火災連動信号は少なくとも隣接する住戸の警報器で受信されて警報動作が行われるが、火災連動信号の中継送信は、次の火災連動信号の受信した場合に、異なる中継遅延時間後に行われることから、中継送信した火災連動信号の信号衝突による通信エラーが十分に抑制され、これにより火災発生住戸を中心に波紋が広がって行くように、住戸の警報器による警報動作が広域的に行われる。
(中継遅延時間の設定による効果)
また、監視対象地域に存在する住戸を、所定数例えば縦横3×3の9住戸単位の住戸グループに分割し、住戸グループの各住戸の警報器に、相互に異なる中継遅延時間が所定の順番に設定されるようにしたため、中継遅延時間を設定するための住戸のグループ分けは、監視対象地域の地図情報に基づき一義的に行うことができ、住戸のグループ分けによる中継遅延時間の設定が簡単且つ容易にできる。
(中継遅延時間の間引き設定による効果)
また、住戸グループが所定数例えば9住戸未満の場合、各住戸の警報器に、相互に異なる中継遅延時間が一部間引きされた所定の順番に設定されるようにしたため、実際の地図情報からは、縦横3×3の9住戸単位で住戸グループを形成しようとしても、場所によっては一部の住戸が存在しない場合があり、この場合には、存在する住戸に対応した中継遅延時間を設定し、存在しない住戸に対応した中継遅延時間は間引きして使用しないようにする。
(中継制御の効果)
また、警報器は、自住戸の火災を検出した場合に、火災連動信号に住戸に固有な住戸アドレス、送信回数を示すシーケンス番号、及び送信回数に応じて初期値0から1回ずつ増加する中継回数を含めた火災連動信号を所定の時間間隔で複数回送信し、他の住警器から自己アドレスとは異なる住戸アドレスの火災連動信号を受信した場合に、中継回数が1以上のときは中継回数を1回減少した中継回数を含む火災連動信号を中継送信し、中継回数が零のときは火災連動信号を中継送信しないようにしたため、火災発生住戸の警報器は、最初、シーケンス番号=1、中継回数=0を含む火災連動信号を送信し、これを受信した周囲に隣接した8住戸の警報器は、中継回数=0であることから中継送信は行わず、その結果、シーケンス番号=1の火災連動信号により火災発生住戸を囲む最大8住戸の警報器から火災警報が出力される。
続いて、火災発生住戸の警報器は、所定時間後に、シーケンス番号=2、中継回数=1を含む2回目の火災連動信号を送信し、これを受信した周囲に隣接した8住戸の警報器は、中継回数=1であることから、中継回数=1−1=0を含む火災連動信号を中継送信し、その結果、シーケンス番号=2の火災連動信号により火災発生住戸を囲む最大8住戸の外側を囲む最大16住戸の警報器から火災警報が出力される。これにより中継送信による信号衝突を可能な限り抑制しながら、火災発生住戸を中心に波紋が広がって行くように住戸の警報器による警報動作が行われる火災連動信号の中継送信を可能とする。
(同一シーケンス番号の受信時は中継送信なしによる効果)
警報器は、他の住警器から火災連動信号を受信した場合に、受信したシーケンス番号が既に受信したシーケンス番号と同じときは、火災連動信号を中継送信しないようにしたため、警報器が中継回数=1以上の火災連動信号を受信しても、受信したシーケンス番号が既に受信したシーケンス番号と同じ場合は中継送信を行わないことから、同じ火災連動信号を複数回受信しても、中継送信は最初の受信のときだけであり、火災連動信号の中継送信が多重的に行われることによる信号衝突を可能な限り抑制可能とする。
(住戸内の警報器連動と中継制御による効果)
また、住戸内に複数の警報器が設置され、相互に火災連動信号を送受信して火災警報が連動される場合、他の警報器から自己アドレスとは異なる火災連動信号を受信したときは中継制御を行い、他の警報器から自己アドレスに一致する火災連動信号を受信したときは中継制御を行わないようにしたため、住戸によっては、複数の住警器を設置して住戸内で火災警報の連動を行っている場合があり、この場合、自己の住戸アドレスとは異なる火災連動信号を受信した場合は、他住戸からの火災連動信号であることから中継送信制御を行うが、自己の住戸アドレスと同じ場合は、同一住戸内の他の警報器からの火災連動信号であることから、この場合は中継送信制御を行わず、住戸内に設置された複数の警報器が一斉に中継送信を行うことによる信号衝突を回避する。
(警報停止連動信号と火災復旧連動信号の送信による効果)
また、火災を検出した住戸の警報器で警報停止又は火災復旧が行われた場合、警報停止又は火災復旧動作が行われた住戸の警報器を中心として時間の経過に伴い他の住戸の警報器による警報停止又は火災復旧が波紋状に広がるように警報停止連動信号又は火災復旧連動信号を中継送信するようにしたため、火災発生住戸の警報器で警報停止又は火災復旧が行われて警報が停止されると、火災発生住戸の警報器を中心に、その外側を囲んで隣接する住戸の警報器、次のその外側を囲んで隣接する住戸の警報器というように、時間の経過に伴って火災発生住戸を中心に波紋が広がって行くように、警報器の警報停止又は火災復旧による警報停止動作が広域的に行われる。
住戸と住警器の配置を示した広域火災警報システムを示した説明図 広域火災警報システムの基本単位となる縦横3×3の9住戸で構成される住戸グループと住警器の配置を示した説明図 図2の住戸グループの住警器に設定される中継遅延時間を示したタイムチャート 図2に示す中央の住警器が火災を検出して火災連動信号を2回送信した場合の周囲8台の住警器による中継送信を示したタイムチャート 広域警報システムで用いる無線式連動型の住警器の実施形態を機能構成により示したブロック図 監視対象地域の中継遅延時間を設定する中継遅延マップを示した説明図 中継遅延マップを使用して基本的な住戸グループと火災発生住戸を中心に波紋状に広がる警報範囲を示した説明図 監視対象地域の住戸に対する図6の中継遅延マップに基づく中継遅延時間の設定を示した説明図 監視対処地域で火災が発生した住戸を示した説明図 図9の火災発生住戸の住警器から1回目の火災連動信号が送信された場合の周囲8住戸となる第1ループの警報動作を示した説明図 図10の第1ループの中の1住戸の警報器が火災連動信号を中継送信した場合に受信する周囲8住戸の警報器を示した説明図 図10に続いて火災発生住戸の住警器から2回目の火災連動信号が送信された場合の警報済みの第1ループの外側の16住戸となる第2ループの警報動作を示した説明図 監視対象地域で別の住戸で火災が発生した場合の第1ループ及び第2ループの火災警報動作を示した説明図 図3に示した住警器の制御動作を示したフローチャート 図14のステップS2における火災発報制御の詳細を示したフローチャート 図14のステップS4における連動受信制御の詳細を示したフローチャート
[広域火災警報システム]
(システムの概要)
図1は住戸と住警器の配置を示した広域火災警報システムを示した説明図である。図1に示すように、本実施形態の広域火災警報システムは、住宅や店舗が密集した市街地等の監視対象地域に存在する複数の住戸12の各々に設置された警報器として機能する無線連動型の住警器10により構成される。なお、図1にあっては、住警器10は住戸内に丸印により示しており、住警器10と住戸12の符号は1住戸についてのみ示し、他は省略している。
複数の住戸に設置された住警器10は、火災を検出した場合に火災警報を出力すると共に、火災連動信号を他の住戸の住警器に所定時間が経過するごとに予め定めた複数回送信することにより、火災を検出した住戸の警報器の警報動作を中心として時間の経過に伴い他の住戸の警報器による警報動作が波紋状に広がるように火災連動信号を中継送信する機能を備える。
(住戸グループの基本単位)
図2は広域火災警報システムの基本単位となる縦横3×3の9住戸で構成される住戸グループと住警器の配置を示した説明図である。
図2に示すように、本実施形態の広域火災警報システムにあっては、監視対象地域に存在する複数の住戸を、縦横3×3の9住戸単位の住戸グループに分割し、住戸グループの住戸12−1〜12−9に設置された住警器10−1〜10−9の各々には、住戸に固有な住戸アドレスと、相互に異なる中継遅延時間Td1〜Td9が所定の順番で設定されている。
また、住戸グループの住警器12−1〜12−9に設置された住警器10−1〜10−9は、自住戸の周囲に隣接する他の住戸に設置された複数の警報器が通信可能エリアに入るように火災、警報停止、火災復旧等の連動信号を送信する。このため、住警器10−1〜10−9は、自住戸に隣接する住戸を通信可能エリアとするように送信電力が設定されている。この送信電力の設定は、送信電力を大、中、小の3段階に分け、必要とする通信可能エリアが得られるように切替え設定する。なお、以下の説明では火災連動信号を主体に説明する。
また、住戸12−1〜12−9に設置された住警器10−1〜10−9は、他の住警器から火災連動信号を受信してから中継送信をするタイミングが重ならないようにするため、相互に異なる中継遅延時間Td1〜Td9を設定している。
ここで、住戸12−1〜12−8には1台の住警器10−1〜10−8が設置されているが、中央の住戸12−9には例えば部屋ごとに分けて例えば3台の住警器10−9が設置され、住戸内で連動警報を行うようにしている。
このように同じ住戸12−9内に複数台の住警器10−9が設置された場合、火災を検出した住警器10−9は住戸に固有な住戸アドレスを含めた火災連動信号を送信し、住戸内の他の住警器10−9は火災連動信号の住戸アドレスが自己の住戸アドレスに一致することから、この場合は住戸内の火災を示す火災連動警報を出力するが、他の住戸の住警器10−1〜10−8に対する中継送信は行わないようにする。
また、住戸12−9に設置された3台の住警器10−9は、他の住戸から中継を必要とする火災連動信号を受信した場合は、各々が火災連動信号を中継送信するが、相互に異なる中継遅延時間の設定により、中継送信のタイミングが重ならいないようにする。
なお、以下の説明は、各住戸に住警器10が一台設置されている場合を主体に説明する。
(中継送信による信号衝突の回避)
本実施形態にあっては、ある住戸の住警器が火災を検出した場合、火災を検出した住戸の住警器の警報動作を中心として時間の経過に伴い他の住戸の住警器による警報動作が波紋状に広がるように火災連動信号を中継送信する警報制御を行うが、これを実現するためには、複数の住警器が他の住戸からの火災連動信号を受信して中継送信する場合に、信号衝突を回避することが重要となる。
このような火災連動信号の中継送信による信号衝突を回避するため、図2に示した住戸グループの住警器10−1〜10−9には他の住警器からの火災連動信号を受信してから中継送信するまでの中継遅延時間Td1〜Td9が相互に異なるように設定されている。
また、住戸グループの住警器10−1〜10−9は、自住戸の火災を検出した場合に、住戸に固有な住戸アドレス、送信回数を示すシーケンス番号RN及び送信回数に応じて初期値0から1回ずつ増加する中継回数RNを含めた火災連動信号を所定の時間間隔で複数回送信する。
また、住戸グループの住警器10−1〜10−9は、自己の住戸アドレスと異なる住戸アドレスの火災連動信号を受信した場合、他の住警器から火災連動信号の受信と判別して中継送信制御を行う。この中継送信制御は、中継回数RNが1以上のときは、受信した中継回数RNを1回減少した中継回数(RN−1)を含む火災連動信号を中継送信し、中継回数RNがRN=0のときは火災連動信号を中継送信しない。
なお、以下の説明で、他の住戸から受信した火災連動信号とは、自己の住戸アドレスと異なる住戸アドレスの火災連動信号を受信したことを意味する。
更に、住戸グループの住警器10−1〜10−9は、他の住戸から火災連動信号を受信した場合に、受信したシーケンス番号SNが既に受信したシーケンス番号と同じときは、火災連動信号を中継送信しない。
このように住警器10−1〜10−9は、中継遅延時間の設定、中継回数RN、及びシーケンス番号SNに基づく中継制御により、中継送信する火災連動信号の信号衝突を極力回避する制御を行う。
(中継送信遅延時間)
図3は図2の住戸グループの住警器に設定される中継遅延時間を示したタイムチャートである。図3に示すように、住警器10−1〜10−9が時刻t0で他の住警器からの火災連動信号70の受信が終了すると、予め設定した相互に異なる中継遅延時間Td1〜Td9が経過した時刻t1〜t9のタイミングで火災連動信号72−1〜72−9を中継送信する。このように中継送信のタイミングが中継遅延時間Td1〜Td9に応じてずらされることで、信号衝突を回避することができる。
図4は図2に示す中央の住警器が火災を検出して火災連動信号を2回送信した場合の周囲8台の住警器による中継送信を示したタイムチャートであり、住警器10−9は送信Tを示し、住警器10−1〜10−8は受信Rと送信Tを示している。
図4に示すように、中央の住警器10−9が時刻t1で1回目の火災連動信号70を送信する。1回目の火災連動信号のシーケンス番号SNはSN=1、また中継回数RNはRN=0となる。
住警器10−9が送信した1回目の火災連動信号70は、周囲8台の住警器10−1〜10−8で受信されるが、中継回数RN=0であることから中継送信は行われない。
続いて、住警器10−9が時刻t2でシーケンス番号SN=2、中継回数RN=1とした2回目の火災連動信号70を送信し、これが周囲8台の住警器10−1〜10−8で受信される。2回目の火災連動信号の中継回数RN=1であることから住警器10−1〜10−8は中継制御を開始し、2回目の受信終了時刻t3から異なる中継遅延時間Td1〜Td8が経過した異なるタイミングで中継回数RNをRN=1−1=0とした火災連動信号を中継送信する。
更に、時刻t4で住警器10−9はシーケンス番号SN=3、中継回数RN=2とした3回目の火災連動信号70を送信することになる。
[住警器の構成]
図5は広域警報システムで用いる無線式連動型の住警器の実施形態を機能構成により示したブロック図である。
図5に示すように、住警器10はワンチップCPUとして知られたプロセッサ14を備え、プロセッサ14に対しては火災センサ部として機能する検煙部16、操作部として機能する警報停止スイッチ18、表示部として機能する駆動回路を含むLED20、音響報知部として機能する駆動回路を含むスピーカ22、及びアンテナ25を接続した通信部24を設けている。
プロセッサ14には、CPU26が設けられ、CPU26からのバス42に、制御ロジック28、ROM30、RAM32、AD変換ポート34、入力ポート36、出力ポート38、音声出力ポート40及び通信ポート44を接続している。なお、制御ロジック28はCPU26の制御処理に伴うバス制御などの各種のハードウェア機能を実現する。
AD変換ポート34には検煙部16が接続され、入力ポート36には警報停止スイッチ18が接続され、出力ポート38にはLED20が接続され、音声出力ポート40にはスピーカ22が接続され、通信ポート44には通信部24が接続されている。
検煙部16は、公知の散乱光式検煙構造をもち、所定周期で赤外LEDを用いた発光部を間欠的に発光駆動し、フォトダイオードなどの受光部で受光した散乱光の受光信号を増幅し、煙濃度検出信号を出力する。なお、検煙部16に代えて温度検出部を設ける場合もあり、温度検出部は、温度検出素子として例えばサーミスタを使用し、この場合、温度による抵抗値の変化に対応した電圧信号となる温度検出信号を出力する。
通信部24は、他の住警器との間で所定の通信プロトコルに従って火災等の連動信号を送受信する。この通信プロトコルは、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)に準拠し、キャリアセンスなしの通信が許容されている。
また通信部24には送信部と受信部が設けられているが、送信部に対しては、例えば内蔵した切替えスイッチの操作によりSTD−30の最大送信電力10mWを上限として、例えば大、中、小の3段階の送信電力の切替えを可能としており、自住戸に隣接した他住戸が通信可能エリアとなるように送信電力が調整できるようにしている。
CPU26にはプログラムの実行により実現される機能として、火災制御部46と中継制御部48の機能が設けられている。
(火災制御機能)
火災制御部46による火災警報制御は次のようになる。火災制御部46は、検煙部16から出力された煙濃度の検出信号をAD変換ポート34から読み込み、煙濃度がそのとき設定されている火災検出感度に対応した所定の閾値以上の場合に火災を検出し、自住戸火災を示す火災警報を出力させる制御を行う。
この場合の火災警報として、火災制御部46は、スピーカ22から例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった自住戸火災を示す警報音を繰り返し出力させると共に、LED20を例えば点灯して自住戸火災を示す警報表示を行なわせる。
火災制御部46は、火災警報を出力させた場合、自己の住戸アドレス、シーケンス番号SN=1、中継回数RN=0、コマンドを火災に設定した所定の通信プロトコルに従った形式の火災連動信号を生成し、通信部24に指示し、他の住戸の住警器へ火災連動信号を送信させる制御を行い、当該火災連動信号を受信した他の住戸の住警器で火災警報を出力させる。
また、火災制御部46は、検煙部16からの煙濃度検出信号による火災検出が継続している場合、最初の火災連動信号の送信から所定時間Tが経過する毎に、予め定めた複数回に達するまで、シーケンス番号SN及び中継回数RNを1つずつ増加させながら火災連動信号を繰り返し送信する制御を行う。
このように2回目以降の火災連動信号を送信する時間間隔は、火災発生住戸を中心に波紋状に広がっていく警報動作の広がり速度を決めることから、一定の時間間隔としても良いし、送信回数の増加に応じて時間間隔を長くするようにしても良い。
また、火災制御部46は、同じ住戸内の他の住警器が送信した同じ住戸アドレスの火災連動信号を受信した場合、警報中でなければ、スピーカ22から例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった他住戸火災を示す警報音を繰り返し出力させると共に、LED20を例えば明滅して住戸内の他の警報器の火災検出を示す警報を出力させる制御を行う。
また、火災制御部46は、住戸アドレスの異なる他の住戸の住警器が送信した火災連動信号を受信した場合、警報中でなければ、スピーカ22から例えば「ウーウー 別の住戸の火災警報器が作動しました 確認してください」といった他住戸火災を示す警報音を繰り返し出力させると共に、LED20を例えば点滅して他住戸火災を示す警報表示させる制御を行う。
この場合、他住戸の住戸アドレスに対応して住戸名を予め登録しておくことにより、例えば「ウーウー Aさん宅の火災警報器が作動しました 確認してください」といった他住戸火災を示す警報音を繰り返し出力させることもできる。
また、火災制御部46は、警報停止制御、火災復旧制御についても、火災連動制御の場合と同様に、警報停止連動信号及び火災復旧連動信号の送信を行う。
(中継制御機能)
中継制御部48による火災連動信号の中継制御は次のようになる。中継制御部48は、他の住戸から受信した火災連動信号に含まれる中継回数RNがRN=0の場合、受信した火災連動信号を中継送信しない制御を行う。
また、中継制御部48は、他の住戸から受信した火災連動信号に含まれる中継回数RNがRN=1以上の場合、受信した中継回数RNを1つ減らした中継回数(RN−1)とした火災連動信号を生成し、予め設定した所定の中継遅延時間Tdの経過後に中継送信する制御を行う。
また、中継制御部48は、前回受信した火災連動信号に含まれるシーケンス番号SNを記憶しており、新たに受信した火災連動信号のシーケンス番号SNが前回と同じ場合、受信した火災連動信号を中継送信しない制御を行う。
また、中継制御部48は、自住戸内の他の住警器から同じ住戸アドレスの火災連動信号を受信した場合は、受信した火災連動信号を中継送信しない制御を行う。
また、中継制御部48は、火災警報停止、火災復旧の連動信号についても、火災連動信号と同様な中継送信制御を行う。
[監視対象地域の住戸に対する送信遅延時間の設定]
図6は監視対象地域の中継遅延時間を設定する中継遅延マップを示した説明図、図7は中継遅延マップを使用して基本的な住戸グループと火災発生住戸を中心に波紋状に広がる警報動作を示した説明図である。
(中継遅延マップ)
図6に示すように、中継遅延マップ50は、監視対象地域の住戸を仮想的に2次元マトリクスで表現したものであり、矩形の住戸内には、住戸に設置された住警器に設定される中継遅延時間Tdを示す1〜9の遅延番号が示されている。ここで遅延番号1〜9は、例えば図3に示した中継送信遅延時間Td1〜Td9の各々を示している。
なお、中継遅延マップ50の縦横サイズは任意であり、また、マトリクスを構成する矩形のサイズは、監視対象地域の地図における住戸のサイスに概ね合わせたサイズとすることが望ましい。
中継遅延マップ50は、図7の左上隅に示すように、図2に示した縦横3×3の9住戸の住戸グループを基本単位とし、中央の住戸を囲む周囲8住戸について、例えば、左上隅を起点に右回り遅延番号1〜8を設定し、中央に遅延番号9を設定する。
続いて、遅延番号1〜9を設定した縦横3×3の住戸グループを基本単位として、水平及び垂直方向に配置することにより、図6に示した中継遅延マップ50が作成できる。
この中継遅延マップ50の特徴は、中心住戸をどこに選択しても、中心住戸の周囲を囲む8住戸の遅延番号は必ず異なった番号の配列となり、同じ番号が複数存在しないという特性を持つ。
例えば、中心の遅延番号5をみると、その周囲8住戸の遅延番号は(9−4−8−7−1−3−2−6)の並びとなる。また、中心の遅延番号7をみると、その周囲8住戸の遅延番号は(4−8−9−6−2−1−3−5)の並びとなる。
このような中継遅延マップ50の性質を利用すると、図7に示すように、遅延番号9の住戸の火災検出により住警器が1回目の火災連動信号(中継回数RN=0)を送信すると、その周囲8住戸の住警器が火災連動信号を受信して火災警報を出力する。この1回目の火災連動信号の送信による周囲8住戸の住警器による警報を第1ループの警報又は警報動作という。
続いて、同じ遅延番号9の住戸の住警器が2回目の火災連動信号(中継回数RN=1)の火災連動信号を送信すると、その周囲8住戸の住警器が火災連動信号を受信し、遅延番号(1−2−3−4−5−6−7−8)の順番に火災連動信号(中継回数RN=1−1=0)を中継送信し、その外側を囲む16住戸の警報器が火災警報を出力する。この周囲16住戸の住警器による火災警報を第2ループの警報又は警報動作という。
同様にして3回目の火災連動信号の送信では、第2ループ警報の外側を囲む24住戸の警報器による第3ループ警報が行われる。
即ち、火災を検出した住戸の住警器からの火災連動信号の送信の繰り返しに応じて、火災発生住戸を中心に火災警報が第1ループの警報、第2ループの警報、第3ループの警報というにように、外側に向かって波紋状に広がっていく警報動作が行われ、波紋状に警報動作の広がりは、火災を検出している住警器からの送信回数を決めることで任意に設定可能となる。
また、最初の火災が発生した住戸からの飛び火により別の住戸で火災となった場合には、新に火災となった住戸の住警器を中心に、外側に向かって波紋状に広がっていく警報動作が多重的に行われることになる。
[監視対象住戸に対する実際の中継遅延時間の設定]
図8は監視対象地域の住戸に対する図6の中継遅延マップに基づく中継遅延時間の設定を示した説明図であり、次の手順で設定する。
(1) 周囲が囲まれた任意の住戸を選択し、遅延番号9を設定する。
(2) 遅延番号9を中心として周囲を囲む8住戸に、左上隅を起点に右回りに遅延番号(1−2−3−4−5−6−7−8)を設定する。ここで、該当する住戸が存在しない場合は、番号を飛ばして空き番号とする。
(3) 次に遅延番号1〜9を設定した9住戸に対し、図上で上下左右の何れかに対し前記(1)(2)と同様に遅延番号1〜9を設定し、全ての住戸に遅延番号が設定させるまで、これを繰り返す。
このような監視対象地域の住戸に対する中継遅延マップ50に基づいた遅延番号の設定は、人為的な操作で行っても良いし、縦横3×3の9住戸をグループ化して異なる遅延番号1〜9を割り当てるプログラム制御で行っても良い。
[広域火災警報動作]
図9は監視対処地域で火災が発生した住戸を示した説明図、図10は図9の火災発生住戸の住警器から1回目の火災連動信号が送信された場合の周囲8住戸となる第1ループの警報動作を示した説明図、図11は図10の第1ループの中の1住戸の警報器が火災連動信号を中継送信した場合に受信する周囲8住戸の警報器を示した説明図、図12は図10に続いて火災発生住戸の住警器から2回目の火災連動信号が送信された場合の警報済みの第1ループの外側の16住戸となる第2ループの警報動作を示した説明図である。
図9に示すように、監視対象地域に存在する住戸60(以下「火災発生住戸」という)で火災が発生したとすると、火災発生住戸60に設置している遅延番号9で示す住警器が火災を検出し、シーケンス番号SN=1、中継番号RN=0を含む1回目の火災連動信号を送信する。
火災発生住戸60から送信された火災連動信号は、図10に示すように、火災発生住戸60の周囲に隣接して存在するハッチングで示す8棟の住戸62で受信され、第1ループの火災警報が一斉に出力される。
続いて、火災発生住戸60の住警器は所定時間経過後に、シーケンス番号SN=2、中継番号RN=1を含む2回目の火災連動信号を送信し、火災発生住戸60の周囲に隣接して存在するハッチングで示す8棟の住戸62で受信される。住戸62の住警器は、受信した中継回数RNがRN=1であることから、中継回数RNを1つ減らしたRN=1−1=0とした火災連動信号を中継送信する。
この場合、8棟の住戸62の住警器は、遅延番号1〜8に対応した中継遅延時間Td1〜Td8が経過した異なるタイミングで火災連動信号を中継送信する。
ここで、図11に示すように、住戸62の中の遅延番号3の住警器の中継送信に着目すると、遅延番号3の住警器からの火災連動信号は、その周囲を囲んでいる砂地で示す遅延番号(6−5−1−8−4−9−2)の7つの住戸64で受信され、火災警報が出されていない遅延番号(6−5−1−8)の4棟の住戸64で新たに火災警報が出力される。
このような火災連動信号の中継送信が図10に示した火災発生住戸60を囲んでいる8棟の住戸62で異なる中継遅延時間に従って順番に行われると、図12に示すように、8棟の住戸62の外側を囲んで存在する砂地で示す12棟の住戸64から、第2ループの火災警報が順次行われる。
更に、火災発生住戸60の住警器がシーケンス番号SN=3、中継番号RN=2を含む3回目の火災連動信号を送信すると、火災連動信号は住戸64を囲む外側の住戸の住警器まで中継送信され、第3ループの火災警報が行われることになる。
図13は監視対象地域の別の住戸60で火災が発生した場合であり、火災発生住戸60からの1回目の火災連動信号の送信により、その外側を囲む7棟の住戸62に設置された住警器が第1ループの火災警報を出力し、火災発生住戸60からの2回目の火災連動信号の送信により、7棟の住戸62の外側を囲む12棟の住戸64に設置された住警器が第2ループの火災警報を出力するようになる。
なお、住警器が送信する火災連動信号は、電波条件が様々であることから、必ずしも隣接した住戸の住警器のみで受信されるとは限らず、更に外側に隣接した住戸の住警器で受信される場合もあるが、火災発生住戸の住警器の警報動作を中心として時間の経過に伴い他の住戸の住警器による警報動作が波紋状に広がるように警報動作が行われる形態は必ず維持される。
[広域火災警報システムの制御動作]
(全体的な制御動作)
図14は図3に示した住警器の制御動作を示したフローチャートであり、住警器10のCPU26に設けられた火災制御部46及び中継制御部48による制御動作となる。
図14に示すように、住警器10の火災制御部46は、ステップS1で検煙部16の煙濃度検出信号から火災発報ありを検出するとステップS2に進み、火災発報制御を行う。また、火災制御部46はステップS3で他の住戸の住警器からの火災連動信号の受信を判別するとステップS4に進み、連動受信制御を行う。
また、火災制御部46は火災警報中にステップS5で警報停止スイッチ18による警報停止操作を検出すると、ステップS6に進んで警報停止を行った後に、ステップS7で警報停止連動信号を送信する。
また、 また、火災制御部46は火災警報中にステップS8で検煙部16からの煙濃度検出信号が所定の閾値以下に低下する火災復旧を判別すると、ステップS9に進んで警報停止を行った後に、ステップS10で火災復旧連動信号を送信する。
(火災発報制御)
図15は図3のステップS2における火災発報制御の詳細を示したフローチャートである。火災制御部46は図14のステップS1で火災発報を検出した場合に図15の火災発報制御に進み、ステップS11で自住戸内での火災発生を示す発生元火災警報を出力した後、ステップS12に進み、シーケンス番号SNを1回目の送信を示すSN=1とし、また、送信回数RNをRN=0の初期値とし、ステップS13でSN=1、RN=0、自己の住戸アドレス、コマンドを火災とした1回目の火災連動信号を送信する。
続いて、火災制御部46はステップS14で所定時間の経過を判別するとステップS15に進み、シーケンス番号SNが所定の最終値(最大送信回数)未満であればステップS16に進み、シーケンス番号SN及び中継回数RNを1つずつ増加させ、ステップS13でSN=2、RN=1、自己の住戸アドレス、コマンドを火災とした2回目の火災連動信号を送信し、ステップS15でシーケンス番号SNの差最終値への到達が判別されると図14の制御にリターンする。
(連動信号受信制御)
図16は図3のステップS4における連動受信制御の詳細を示したフローチャートである。火災制御部46は、図14のステップS3で他の住警器からの連動信号の受信を判別すると図16の連動信号受信制御に進み、ステップS21で受信した火災連動信号からシーケンス番号SN及び中継回数RNに加え、住戸アドレスとコマンドを取得する。
続いて、火災制御部46は、ステップS22に進んでコマンドが火災連動であることを判別するとステップS23に進み、連動警報中でないことを判別するとステップS24で受信した住戸アドレスが自己の住戸アドレスと比較し、一致を判別した場合はステップS25に進み、自住戸内の火災を示す火災連動警報を出力させ、不一致を判別した場合はステップS26進み、他住戸の火災を示す火災連動警報を出力させる。
火災制御部46は、ステップS22でコマンドが火災連動でないことを判別した場合はステップS27に進み、コマンドが火災警報連動停止又は火災復旧かを判別するとステップS28に進んで火災連動警報を停止する。この火災連動警報の停止は、後に住警器の動作を確認するため、音声メッセージの出力は停止し、警報表示は所定時間のあいだ残しておくようにしても良い。
続いて、中継制御部48が動作し、ステップS29で受信した住戸アドレスが他住戸の住戸アドレスであることを判別すると、ステップS30に進んでシーケンス番号SNが既に受信済か否か判別し、受信済でないことを判別するとステップS31に進んで中継回数RN=0か否か判別し、RN=0でないことを判別した場合は、ステップS32で中継回数RNを1つ減らし、ステップS33で予め設定された中継遅延時間Td後に、火災連動信号を中継送信する。
これに対しステップS29で受信住戸アドレスが自己アドレスに一致することを判別した場合、ステップS30でシーケンス番号SNが既に受信済みであることを判別した場合、ステップS31で中継回数RN=0を判別した場合にはステップS32,S33をスキップし、火災連動信号の中継送信は行わないようにしている。
[本発明の変形例]
(親子方式)
上記の実施形態は、住戸内に複数の警報器を設置する場合、親機/子機の区別が無くそれぞれの警報器が相互に通信するものであるが、親機と複数の子機を設け、親機に中継器の機能を持たせ、異なる住戸の親機同士の間で連動警報のための通信を行うようにしても良い。
(警報器)
上記の実施形態は、火災を検知して警報する住警器を例にとるものであったが、住警器以外の火災警報器、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器を配置した警報システムやそれら警報器を複合的に含むシステムについても同様に適用できる。
また、上記の実施形態は警報器にセンサ部と警報出力処理部を一体に設けた場合を例にとるが、他の実施形態として、センサ部と警報出力処理部を別体とした警報器であっても良い。
(その他)
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10,10−1〜10−9:住警器
12,12−1〜12−9,62,64:住戸
14:プロセッサ
16:検煙部
18:警報停止スイッチ
20:LED
22:スピーカ
24:通信部
26:CPU
28:制御ロジック
30:ROM
32:RAM
34:AD変換ポート
36:入力ポート
38:出力ポート
40:音声出力ポート
44:通信ポート
46:火災制御部
48:中継制御部
60:火災発生住戸

Claims (8)

  1. 監視対象地域に存在する複数の住戸の各々に警報器が配置され、
    前記複数の警報器は、火災を検出した住戸の警報器の警報動作を中心として時間の経過に伴い他の住戸の警報器による警報動作が波紋状に広がるように火災連動信号を中継送信することを特徴とする広域火災警報システム。
  2. 請求項1記載の広域火災警報システムに於いて、
    前記警報器は、自住戸の周囲に隣接する他の住戸に設置された複数の警報器が通信可能エリアに入るように前記火災連動信号を送信し、
    自住戸の前記警報器及び自住戸の周囲に隣接する他住戸に設置された前記複数の警報器には、前記火災連動信号を受信してから中継送信するまでの中継遅延時間が相互に異なるように設定されたことを特徴とする広域火災警報システム。
  3. 請求項2記載の広域火災警報システムに於いて、
    前記監視対象地域に存在する住戸を、所定数の住戸単位の住戸グループに分割し、前記住戸グループの各住戸の警報器に、相互に異なる前記中継遅延時間が所定の順番に設定されたことを特徴とする広域火災警報システム。
  4. 請求項3記載の広域火災警報システムに於いて、
    前記住戸グループが所定数の住戸未満の場合、各住戸の警報器に、相互に異なる前記中継遅延時間が一部間引きされた所定の順番に設定されたことを特徴とする広域火災警報システム。
  5. 請求項2記載の広域火災警報システムに於いて、
    前記警報器は、自住戸の火災を検出した場合に、前記火災連動信号に住戸に固有な住戸アドレス、送信回数を示すシーケンス番号、及び前記送信回数に応じて初期値0から1回ずつ増加する中継回数を含めた火災連動信号を所定の時間間隔で複数回送信し、
    他の住警器から自己アドレスとは異なる前記住戸アドレスの前記火災連動信号を受信した場合に、前記中継回数が1以上のときは前記中継回数を1回減少した中継回数を含む火災連動信号を中継送信し、前記中継回数が零のときは前記火災連動信号を中継送信しないことを特徴とする広域火災警報システム。
  6. 請求項2記載の広域火災警報システムに於いて、
    前記警報器は、他の住警器から前記火災連動信号を受信した場合に、受信したシーケンス番号が既に受信したシーケンス番号と同じときは、前記火災連動信号を中継送信しないことを特徴とする広域火災警報システム。
  7. 請求項1記載の広域火災警報システムに於いて、
    前記住戸内に複数の前記警報器が設置され、相互に火災連動信号を送受信して火災警報が連動される場合、他の警報器から自己アドレスとは異なる火災連動信号を受信したときは中継制御を行い、他の警報器から自己アドレスに一致する前記火災連動信号を受信したときは中継制御を行わないことを特徴とする広域火災警報システム。
  8. 請求項1記載の広域火災警報システムに於いて、
    火災を検出した住戸の警報器で警報停止又は火災復旧が行われた場合、前記警報停止又は火災復旧動作が行われた住戸の警報器を中心として時間の経過に伴い他の住戸の警報器による警報停止又は火災復旧が波紋状に広がるように警報停止連動信号又は火災復旧連動信号を中継送信することを特徴とする広域火災警報システム。
JP2019231290A 2019-12-23 2019-12-23 広域異常警報システム Active JP7441039B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019231290A JP7441039B2 (ja) 2019-12-23 2019-12-23 広域異常警報システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019231290A JP7441039B2 (ja) 2019-12-23 2019-12-23 広域異常警報システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021099675A true JP2021099675A (ja) 2021-07-01
JP7441039B2 JP7441039B2 (ja) 2024-02-29

Family

ID=76541986

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019231290A Active JP7441039B2 (ja) 2019-12-23 2019-12-23 広域異常警報システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7441039B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006319590A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Nec Engineering Ltd 地域警戒システム
JP2008009480A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Matsushita Electric Works Ltd 無線により連動警報するワイヤレス型火災警報器、及びワイヤレス型火災警報システム
JP2008181363A (ja) * 2007-01-25 2008-08-07 Funai Electric Co Ltd 報知機
JP2015087885A (ja) * 2013-10-30 2015-05-07 ホーチキ株式会社 警報システム及びその報知方法
JP2018160077A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 大阪瓦斯株式会社 警報システム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006319590A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Nec Engineering Ltd 地域警戒システム
JP2008009480A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Matsushita Electric Works Ltd 無線により連動警報するワイヤレス型火災警報器、及びワイヤレス型火災警報システム
JP2008181363A (ja) * 2007-01-25 2008-08-07 Funai Electric Co Ltd 報知機
JP2015087885A (ja) * 2013-10-30 2015-05-07 ホーチキ株式会社 警報システム及びその報知方法
JP2018160077A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 大阪瓦斯株式会社 警報システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP7441039B2 (ja) 2024-02-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5443636B2 (ja) 警報システム
JP6181967B2 (ja) 警報システム
JP6239819B2 (ja) 警報連携システム
JP6358644B2 (ja) 警報システム及びその報知方法
JP5249161B2 (ja) 警報器および警報システム
JP5221475B2 (ja) 中継器
JP2011034373A (ja) 警報システム、警報器及び中継器
JP2021099675A (ja) 広域火災警報システム
JP7010613B2 (ja) 警報システム
JP6820172B2 (ja) 警報システム
JP6944557B2 (ja) 警報システムの警報報知方法
JP2023105906A (ja) 広域火災警報システム
JP6890494B2 (ja) 警報システム
JP5457575B2 (ja) 中継器
JP5171581B2 (ja) 警報器
JP6491705B2 (ja) 警報システム
JP2019096353A (ja) 警報システム
JP5443635B2 (ja) 警報システム
JP2023105907A (ja) 広域火災警報システム
JP6473030B2 (ja) 警報システム
JP7477282B2 (ja) 警報システム
JP4067812B2 (ja) 小電力セキュリティシステム
JP7044490B2 (ja) 警報システム
JP6942019B2 (ja) 警報システム
WO2010050492A1 (ja) 火災警報システム及び火災警報装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7441039

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150