JP2021099033A - 燃料制限ボルト用カバーおよび燃料制限ボルト用カバーを備える燃料制限装置 - Google Patents

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小山 秀行
Hideyuki Koyama
秀行 小山
莉菜 金子
Rina Kaneko
莉菜 金子
新吾 松延
Shingo Matsunobe
新吾 松延
陽 田中
Yo Tanaka
陽 田中
洋樹 尾曽
Hiroki Oso
洋樹 尾曽
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Abstract

【課題】ファンベルトなどのディーゼルエンジンの構成要素との干渉を回避しつつ、ディーゼルエンジンの高出力化を図ることができる燃料制限ボルト用カバーおよび燃料制限ボルト用カバーを備える燃料制限装置を提供すること。【解決手段】燃料制限ボルト用カバー11は、ディーゼルエンジンにおける燃料噴射量を制限する燃料制限ボルト10を覆うための燃料制限ボルト用カバー11であって、燃料制限ボルト10の頭部10Tの少なくとも一部を収容し、燃料制限ボルト10の頭部10Tが頭頂部11Tの内面11Vに干渉することを抑制する拡大内部空間11Rを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンにおいて燃料噴射量を制限する燃料制限ボルトを覆うための燃料制限ボルト用カバーおよび燃料制限ボルト用カバーを備える燃料制限装置に関する。
ディーゼルエンジン、例えば産業用ディーゼルエンジンでは、燃料噴射量を制限するための燃料制限ボルトが組付けられている。燃料制限ボルトの頭部には、燃料制限ボルトのネジ部からの油漏れを防ぐために、燃料制限ボルト用カバーとして袋ナットが取り付けられている。
燃料噴射量は、燃料制限ボルトの位置を調整することにより調整される。例えば、燃料制限ボルトの頭部の高さの位置を上げれば、燃料噴射量が増加する。これにより、ディーゼルエンジンの出力を高めることができる。これにより、ディーゼルエンジンは、搭載する車両等に応じて低出力から高出力までの広い範囲を同一のエンジンで賄うことができる。特許文献1には、この種の燃料制限ボルトが開示されている。
特開平8−128339公報
ところで、一般に用いられている燃料制限ボルト用カバーとしての袋ナットは、頂部が半球状を呈するタイプ(例えば「野球帽型」などと呼ばれる。)である。このため、燃料制限ボルト用カバーの内部空間が比較的狭く、ディーゼルエンジンの高出力化を図るために燃料制限ボルトの頭部の位置を上げると、燃料制限ボルトの頭部が、燃料制限ボルトの頭部を覆っている燃料制限ボルト用カバーの内部壁面に干渉するおそれがある。
そこで、燃料制限ボルトの頭部と燃料制限ボルト用カバーの内部壁面との互いの干渉を回避する手段の1つとして、燃料制限ボルト用カバーの高さの位置をさらに上げることが挙げられる。しかし、燃料制限ボルト用カバーの高さの位置がさらに上がると、燃料制限ボルト用カバーが、ディーゼルエンジンの構成要素の一例であるファンベルトと干渉するおそれがある。従って、燃料制限ボルトを覆う燃料制限ボルト用カバーの高さの位置を上げることは困難であり、ディーゼルエンジンの高出力化には限界がある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、ファンベルトなどのディーゼルエンジンの構成要素との干渉を回避しつつ、ディーゼルエンジンの高出力化を図ることができる燃料制限ボルト用カバーおよび燃料制限ボルト用カバーを備える燃料制限装置を提供することを目的とする。
前記課題は、ディーゼルエンジンの構成要素の付近に配置され、ディーゼルエンジンにおける燃料噴射量を制限する燃料制限ボルトを覆うための燃料制限ボルト用カバーであって、前記燃料制限ボルトの頭部の少なくとも一部を収容し、前記燃料制限ボルトの頭部が頭頂部の内面に干渉することを抑制する拡大内部空間を有することを特徴とする本発明に係る燃料制限ボルト用カバーにより解決される。
本発明に係る燃料制限ボルト用カバーによれば、拡大内部空間は、燃料制限ボルトの頭部の少なくとも一部を収容し、燃料制限ボルトの頭部が燃料制限ボルト用カバーの頭頂部の内面に干渉することを抑制する。そのため、燃料制限ボルトの頭部は、燃料制限ボルト用カバーの拡大内部空間を利用して、燃料制限ボルト用カバーの内面の近傍あるいは燃料制限ボルト用カバーの内面に接触するまで上昇することができる。言い換えれば、燃料噴射量の調整に使用できない隙間が燃料制限ボルト用カバーの内部に生ずることを抑えることができる。これにより、燃料制限ボルト用カバーの位置を維持しつつ、燃料制限ボルトの燃料噴射量を調整するための多くの移動量を、燃料制限ボルト用カバーの内部において確保することができる。従って、燃料制限ボルト用カバーとディーゼルエンジンの構成要素との干渉を回避しつつ、ディーゼルエンジンへの燃料噴射量を増やすことができ、ディーゼルエンジンの高出力化を図ることができる。
しかも、燃料制限ボルト用カバーがディーゼルエンジンの構成要素の付近に配置されていても、燃料制限ボルト用カバーとディーゼルエンジンの構成要素との干渉を回避しつつディーゼルエンジンの高出力化が可能になる。そのため、ディーゼルエンジンの構成要素の位置を変更するといった大幅な構造変更をせずに、ディーゼルエンジンのサイズを維持したままでディーゼルエンジンの高出力化を図ることができる。
本発明に係る燃料制限ボルト用カバーにおいて、好ましくは、前記拡大内部空間は、前記頭頂部の内面と、内周面に設けられ前記燃料制限ボルトの雄ネジ部に嵌まり合う雌ネジ部と、の間の角部の領域に形成されたことを特徴とする。
本発明に係る燃料制限ボルト用カバーによれば、拡大内部空間は、燃料制限ボルト用カバーの頭頂部の内面と、燃料制限ボルト用カバーの内周面に設けられ燃料制限ボルトの雄ネジ部に嵌まり合う雌ネジ部と、の間の角部の領域に形成されている。そのため、拡大内部空間は、燃料制限ボルトの頭部の周縁部を収容し、燃料制限ボルトの頭部が燃料制限ボルト用カバーの頭頂部の内面に干渉することをより確実に抑制することができる。
本発明に係る燃料制限ボルト用カバーにおいて、好ましくは、前記頭頂部は、平坦であることを特徴とする。
本発明に係る燃料制限ボルト用カバーによれば、燃料制限ボルト用カバーの頭頂部が平坦であるため、例えばディーゼルエンジンのメンテナンスとしてエンジン出力の再調整が行われる場合に、作業者等は、センターポンチ等の特殊工具を燃料制限ボルト用カバーに対して取り付け易い。このため、封印キャップ付きの量産型のディーゼルエンジンの再出力調整を容易に行うことができる。
本発明に係る燃料制限ボルト用カバーにおいて、好ましくは、前記構成要素は、ファンベルトであることを特徴とする。
本発明に係る燃料制限ボルト用カバーによれば、燃料制限ボルト用カバーがディーゼルエンジンのファンベルトの付近に配置されていても、燃料制限ボルト用カバーとファンベルトとの干渉を回避しつつディーゼルエンジンの高出力化が可能になる。そのため、ファンベルトの位置を変更するといった大幅な構造変更をせずに、ディーゼルエンジンのサイズを維持したままでディーゼルエンジンの高出力化を図ることができる。
前記課題は、ディーゼルエンジンの構成要素の付近に配置され、ディーゼルエンジンにおける燃料噴射量の制限をする燃料制限ボルトを覆うための燃料制限ボルト用カバーを備える燃料制限装置であって、前記燃料制限ボルト用カバーは、前記燃料制限ボルトの頭部の少なくとも一部を収容し、前記燃料制限ボルトの頭部が頭頂部の内面に干渉することを抑制する拡大内部空間を有することを特徴とする燃料制限ボルト用カバーを備える本発明に係る燃料制限装置により解決される。
本発明に係る燃料制限装置によれば、燃料制限ボルト用カバーの拡大内部空間は、燃料制限ボルトの頭部の少なくとも一部を収容し、燃料制限ボルトの頭部が燃料制限ボルト用カバーの頭頂部の内面に干渉することを抑制する。そのため、燃料制限ボルトの頭部は、燃料制限ボルト用カバーの拡大内部空間を利用して、燃料制限ボルト用カバーの内面の近傍あるいは燃料制限ボルト用カバーの内面に接触するまで上昇することができる。言い換えれば、燃料噴射量の調整に使用できない隙間が燃料制限ボルト用カバーの内部に生ずることを抑えることができる。これにより、燃料制限ボルト用カバーの位置を維持しつつ、燃料制限ボルトの燃料噴射量を調整するための多くの移動量を、燃料制限ボルト用カバーの内部において確保することができる。従って、燃料制限ボルト用カバーとディーゼルエンジンの構成要素との干渉を回避しつつ、ディーゼルエンジンへの燃料噴射量を増やすことができ、ディーゼルエンジンの高出力化を図ることができる。
しかも、燃料制限ボルト用カバーがディーゼルエンジンの構成要素の付近に配置されていても、燃料制限ボルト用カバーとディーゼルエンジンの構成要素との干渉を回避しつつディーゼルエンジンの高出力化が可能になる。そのため、ディーゼルエンジンの構成要素の位置を変更するといった大幅な構造変更をせずに、ディーゼルエンジンのサイズを維持したままでディーゼルエンジンの高出力化を図ることができる。
本発明によれば、ファンベルトなどのディーゼルエンジンの構成要素との干渉を回避しつつ、ディーゼルエンジンの高出力化を図ることができる燃料制限ボルト用カバーおよび燃料制限ボルト用カバーを備える燃料制限装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る燃料制限ボルト用カバーを備えるディーゼルエンジンの燃料制限装置の好ましい構造例を示す正面図である。 図1に示す燃料制限装置が搭載されているディーゼルエンジンの例を示す図である。 比較例に係る燃料制限ボルト用カバーを備えるディーゼルエンジンの燃料制限装置を示す正面図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
<ディーゼルエンジン100>
図1は、本発明の実施形態に係る燃料制限ボルト用カバーを備えるディーゼルエンジンの燃料制限装置の好ましい構造例を示している。
図2は、図1に示す燃料制限装置が搭載されているディーゼルエンジンの例を示している。
図1に示す燃料制限装置1は、図2に示す例えば小型の産業用のディーゼルエンジン100に搭載されている。ディーゼルエンジン100は、例えばターボチャージ101を備える高出力な3気筒エンジンであり、建設機械、農業機械、芝刈り機等に搭載される。
<燃料制限装置1>
図1に示す燃料制限装置1は、図2に示すディーゼルエンジン100の特質上、空気過剰下において燃料噴射ポンプの最大燃料噴射量を制限することにより、エンジンの最大出力の調整を行う。燃料噴射ポンプの最大燃料噴射量は、ディーゼルエンジン100の出力だけでなく、NOxやパティキュレート等の排気ガス中に含まれる大気汚染物質の排出量にも影響を与える。従って、燃料制限装置1による最大燃料噴射量の制限は、ディーゼルエンジンの性能上重要な要素の1つである。また、燃料制限装置1は、ディーゼルエンジン100が所定の最大燃料噴射量に調整された状態に維持されていることを保証する必要がある。図1に示す燃料制限装置1は、例えば図1に示す燃料噴射ポンプのハウジング2に設けられている。燃料噴射ポンプのハウジング2は、図2に示すディーゼルエンジン100に搭載されている。
次に、図1を参照して、燃料制限装置1の機械的な構造の一例を説明する。但し、燃料制限装置1の構造は、図1に示す構造例に限定されるものではなく、種々の構造を任意に採用できる。燃料制限装置1は、燃料制限ボルト10と、燃料制限ボルト用カバー11と、スプリング力入力レバー12と、ガバナ力入力レバー13と、調量ラックピン14と、ガバナスプリング15と、調整レバー16と、スプリング17と、を有する。
<燃料制限ボルト10>
燃料制限ボルト10は、雄ネジ部10Bと、工具をはめ込む溝部(スリット)10Cと、先端部10Dと、を有する。燃料制限ボルト10の雄ネジ部10Bは、ハウジング2の雌ネジ部2Bに嵌まり合っている。溝部10Cは、燃料制限ボルト10の頭部10Tに設けられている。先端部10Dは、燃料制限ボルト10の下端部において例えば半球状に形成されている。例えば、作業者等は、ドライバ等の工具の先端部を溝部10Cに挿入して燃料制限ボルト10を回転することにより、燃料制限ボルト10の高さ位置の調整を行うことができる。すなわち、作業者等は、ドライバ等の工具を用いて燃料制限ボルト10を回転することにより、燃料制限ボルト10の高さの位置をZ1方向に沿って下げたり、Z2方向に沿って上げたりすることができる。これにより、燃料制限ボルト10の先端部10DのZ方向に関する高さの位置を調整することができる。
<燃料制限ボルト用カバー11>
燃料制限ボルト用カバー11は、好ましくは円筒状のいわゆるシルクハット型の袋ナットである。燃料制限ボルト用カバー11は、燃料制限ボルト10を覆うことで燃料制限ボルト10からの油漏れ等を防止したり、燃料制限ボルト10の改変操作を防止したりするために封印キャップとしての役割を果たす。燃料制限ボルト用カバー11の頭頂部(上端)11Tは、平坦である。燃料制限ボルト用カバー11は、燃料制限ボルト10の頭部10Tの溝部10Cと、雄ネジ部10Bと、の少なくとも一部分を覆って保護する。燃料制限ボルト用カバー11の雌ネジ部11Sは、燃料制限ボルト用カバー11の内周面に設けられ、燃料制限ボルト10の雄ネジ部10Bに嵌まり合っている。
燃料制限ボルト用カバー11は、燃料制限ボルト用カバー11の内部において拡大内部空間11Rを有する。拡大内部空間11Rは、頭頂部11Tの内面11Vと、雌ネジ部11Sと、の間の角部の領域SSである。拡大内部空間11Rの形成のために、頭頂部11Tの内面11Vは、平坦に形成されている。そして、頭頂部11Tの内面11Vは、雌ネジ部11Sに略直角に接続されている。このようにして、拡大内部空間11Rが、頭頂部11Tの内面11Vと、雌ネジ部11Sと、の間の角部の領域SSに形成されている。拡大内部空間11Rは、燃料制限ボルト10の頭部10Tの少なくとも一部を収容し、燃料制限ボルト10の頭部10Tが燃料制限ボルト用カバー11の頭頂部11Tの内面11Vに干渉することを抑制する。具体的には、拡大内部空間11Rは、燃料制限ボルト10の頭部10Tの周縁部を収容する。そのため、燃料制限ボルト10の頭部10Tは、燃料制限ボルト用カバー11の拡大内部空間11Rに位置するまで上昇することができる。つまり、本実施形態に係る燃料制限ボルト用カバー11では、頭頂部が半球状の袋ナットの場合に比べて、燃料制限ボルト10がZ2方向に移動できる範囲が広がる。
図1に例示する状態では、一例として、燃料制限ボルト10の頭部10Tの高さの位置は、Z2方向において最も高い位置にある。このため、頭部10Tの上面は、燃料制限ボルト用カバー11の内面11Vに接触している。この状態では、燃焼噴射量は最大になる。一方で、燃料制限ボルト10の頭部10Tの高さの位置がZ1方向に下がると、燃焼噴射量は減少する。なお、燃料制限ボルト10の頭部10Tの高さの位置がZ2方向において最も高い位置にある場合に、頭部10Tの上面は、必ずしも燃料制限ボルト用カバー11の内面11Vに接触しなくともよく、燃料制限ボルト用カバー11の内面11Vよりも僅かに低い位置にあってもよい。
<燃料制限装置1の他の構成要素>
図1に示すように、スプリング力入力レバー12の一端部には、当接部20が設けられている。スプリング力入力レバー12の他端部には、連結部21が設けられている。ガバナスプリング15が、スプリング力入力レバー12の一端部と、調整レバー16と、の間に取り付けられている。当接部20は、ガバナスプリング15の付勢力により、燃料制限ボルト10の半球型の先端部10Dに突き当てられている。ガバナ力入力レバー13の一端部には、燃料噴射ポンプの調量ラックピン14が嵌っている。ガバナ力入力レバー13の他端部は、ガバナ軸22に連結されている。ガバナ軸22は、ハウジング2の壁部2Jにおいて、C1方向とC2方向とに沿ってスライド可能に支持されている。ガバナ力入力レバー13の中間部は、スプリング力入力レバー12の連結部21に連結されている。
ガバナ力入力レバー13の一端部側には、トルクアップ装置23が設けられている。トルクアップ装置23は、スプリング力入力レバー12に突き当てられている。スプリング17は、ハウジング2の壁部2Kと、ガバナ力入力レバー13の一端部と、の間に取り付けられている。
上述した燃料制限装置1の構造例では、燃料制限ボルト10の先端部10DがZ1方向に下がると、スプリング力入力レバー12の当接部20がB2方向に押される。そうすると、ガバナ力入力レバー13がスプリング力入力レバー12に連動し、ガバナ軸22は、C2方向にスライドする。これにより、定格負荷運転時での燃料噴射ポンプの燃料噴射量は、燃料制限ボルト10の先端部10DがZ1方向に下がった分だけ制限されて、減少する。
一方で、燃料制限ボルト10の先端部10DがZ2方向に上がると、スプリング力入力レバー12の当接部20がガバナスプリング15の付勢力によりB1方向に持ち上げられる。そうすると、ガバナ力入力レバー13がスプリング力入力レバー12に連動し、ガバナ軸22は、C1方向にスライドする。これにより、定格負荷運転時での燃料噴射ポンプの燃料噴射量は、燃料制限ボルト10の先端部10DがZ2方向に上がった分だけ制限が解除されて、増加する。
このように、燃料制限ボルト10の先端部10DがZ1方向またはZ2方向に進退する際の先端部10Dの位置に応じて、スプリング力入力レバー12の燃料増量方向への揺動操作が制限される。これにより、定格負荷運転時での燃料噴射ポンプの燃料噴射量が制限される。
図1に示すように、燃料制限ボルト用カバー11の頭頂部11Tは、ファンベルト120の近傍に位置されている。ファンベルト120は、図2に示すディーゼルエンジン100の冷却ファンプーリ131と、ダイナモプーリ132と、駆動プーリ133と、に掛けられている。図2に示すディーゼルエンジン100が動作していると、ファンベルト120は、燃料制限ボルト用カバー11の近傍で高速移動する。
<比較例の袋ナット200>
図3は、比較例に係る燃料制限ボルト用カバーを備えるディーゼルエンジンの燃料制限装置を示す正面図である。
図3に示す袋ナット200は、比較例に係る燃料制限ボルト用カバーの一例である。図3に示す比較例の袋ナット200の頭頂部201は、半球状あるいは野球帽型にZ2方向に突出している。つまり、比較例の袋ナット200は、図1に関して前述したような拡大内部空間11Rを有していない。比較例の袋ナット200が燃料制限ボルト10に取り付けられている場合において、燃料制限ボルト10がZ2方向に上がると、半球状の頭頂部201の内面202の形状が半球面であるので、燃料制限ボルト10の頭部10Tは、袋ナット200の内面202と干渉してしまう。
このため、図3に示すように、燃料制限ボルト10の頭部10Tと袋ナット200の内面202との干渉を回避しつつ、燃料制限ボルト10の頭部10TをZ2方向に最も上げた状態にすると、袋ナット200の内面202と、燃料制限ボルト10の頭部10Tと、の間には、燃料制限ボルト10のZ2方向への移動には利用できない無駄な隙間Lが生じてしまう。従って、比較例の袋ナット200が使用されると、本発明の実施形態の図1に示す燃料制限ボルト用カバー11が使用される場合に比べて、燃料制限ボルト10をZ2方向に調整する範囲が小さくなってしまう。従って、定格負荷運転時での燃料噴射ポンプの燃料噴射量を増加するための調整量が制限されてしまい、ディーゼルエンジンの高出力化に限界がある。
また、燃料制限ボルト10の頭部10Tと袋ナット200の内面202との干渉を回避しつつ、燃料制限ボルト10の頭部10TをZ2方向に上げるために、袋ナット200の位置をZ2方向に上げると、袋ナット200の頭頂部201がファンベルト120と干渉してしまう。このため、袋ナット200の頭頂部201とファンベルト120との干渉を回避すると、本発明の実施形態の図1に示す燃料制限ボルト用カバー11が使用される場合に比べて、燃料制限ボルト10をZ方向に調整する範囲が、さらに小さくなる。従って、定格負荷運転時での燃料噴射ポンプの燃料噴射量の調整量がさらに制限されてしまい、ディーゼルエンジン100の高出力化の妨げとなってしまう。
<燃料制限ボルト用カバー11の作用効果>
これに対して、本実施形態に係る燃料制限ボルト用カバー11は、拡大内部空間11Rを有する。拡大内部空間11Rは、燃料制限ボルト10の頭部10Tの少なくとも一部を収容し、燃料制限ボルト10の頭部10Tが燃料制限ボルト用カバー11の頭頂部11Tの内面11Vに干渉することを抑制する。具体的には、拡大内部空間11Rは、燃料制限ボルト10の頭部10Tの周縁部を収容する。図1に示す本発明の実施形態の燃料制限ボルト用カバー11が使用されることにより、図3に示す袋ナット200における燃料噴射量の調整に使用できない隙間Lが生ずることを抑えることができる。すなわち、燃料制限ボルト10の頭部10Tは、燃料制限ボルト用カバー11の拡大内部空間11Rを利用して、燃料制限ボルト用カバー11の内面11Vの近傍あるいは燃料制限ボルト用カバー11の内面11Vに接触するまで上昇することができる。
比較例の袋ナット200が使用される場合に比べて、燃料制限ボルト10の頭部10Tが燃料制限ボルト用カバー11の内面11VにおいてZ2方向に移動できる拡張長さの範囲は、例えば約0.2mm〜0.7mm程度である。従って、本実施形態に係る燃料制限ボルト用カバー11では、燃料制限ボルト用カバー11の位置を維持しつつ、この調整拡張長さの分だけ、燃料噴射量を増加できる調整量(移動量)を、燃料制限ボルト用カバー11の内部において確保することができる。そのため、燃料制限ボルト用カバー11とファンベルト120との干渉を回避しつつ、ディーゼルエンジン100への燃料噴射量を増やすことができ、ディーゼルエンジン100の高出力化が可能になる。
しかも、本発明の実施形態では、燃料制限ボルト用カバー11とファンベルト120との干渉を回避しつつディーゼルエンジン100の高出力化が可能になるため、図2に示すディーゼルエンジン100において、ファンベルト120の位置を変更するといった大幅な構造変更をせずに、ディーゼルエンジン100のサイズを維持したままでディーゼルエンジン100の高出力化が可能である。
また、燃料制限ボルト用カバー11は、燃料制限ボルト10を覆っていることで、油漏れを防ぐことができる。しかも、図2に示すディーゼルエンジン100のメンテナンスとしてエンジン出力の再調整が行われる場合に、作業者等は、燃料制限ボルト10から封印キャップとしての燃料制限ボルト用カバー11を外す必要がある。この際に、燃料制限ボルト用カバー11の頭頂部11Tが平坦であり半球型ではないので、作業者等は、センターポンチ等の特殊工具を燃料制限ボルト用カバー11に対して取り付け易い。このため、封印キャップ付きの量産型のディーゼルエンジン100の再出力調整を容易に行うことができる。
また、言い換えれば、本実施形態に係る燃料制限ボルト用カバー11によれば、拡大内部空間11Rが燃料制限ボルト10の頭部10Tの少なくとも一部(本実施形態では頭部10Tの周縁部)を収容できるため、燃料制限ボルト10の高さの位置を維持しつつ、燃料制限ボルト用カバー11の頭頂部11Tの高さ位置を下げることができる。これにより、ディーゼルエンジン100の出力を維持しつつ、燃料制限ボルト用カバー11とファンベルト120との干渉をより確実に回避することができるとともに、燃料制限装置1の小型化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。例えば、ディーゼルエンジンにおいて燃料制限ボルト用カバーに干渉しそうな構成要素としては、本実施形態の説明ではファンベルトを挙げた。但し、ディーゼルエンジンにおいて燃料制限ボルト用カバーに干渉しそうな構成要素は、これに限らず、吸入空気の配管、オイルの配管、電気配線、過給機等であっても良い。
1:燃料制限装置、 2:ハウジング、 2B:雌ネジ部、 2J、2K:壁部、 10:燃料制限ボルト、 10B:雄ネジ部、 10C:溝部、 10D:先端部、 10T:頭部、 11:燃料制限ボルト用カバー、 11R:拡大内部空間、 11S:雌ネジ部、 11T:頭頂部、 11V:内面、 12:スプリング力入力レバー、 13:ガバナ力入力レバー、 14:調量ラックピン、 15:ガバナスプリング、 16:調整レバー、 17:スプリング、 20:当接部、 21:連結部、 22:ガバナ軸、 23:トルクアップ装置、 100:ディーゼルエンジン、 101:ターボチャージ、 120:ファンベルト、 131:冷却ファンプーリ、 132:ダイナモプーリ、 133:駆動プーリ、 200:袋ナット、 201:頭頂部、 202:内面、 L:隙間、 SS:領域

Claims (5)

  1. ディーゼルエンジンの構成要素の付近に配置され、ディーゼルエンジンにおける燃料噴射量を制限する燃料制限ボルトを覆うための燃料制限ボルト用カバーであって、
    前記燃料制限ボルトの頭部の少なくとも一部を収容し、前記燃料制限ボルトの頭部が頭頂部の内面に干渉することを抑制する拡大内部空間を有することを特徴とする燃料制限ボルト用カバー。
  2. 前記拡大内部空間は、前記頭頂部の内面と、内周面に設けられ前記燃料制限ボルトの雄ネジ部に嵌まり合う雌ネジ部と、の間の角部の領域に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の燃料制限ボルト用カバー。
  3. 前記頭頂部は、平坦であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料制限ボルト用カバー。
  4. 前記構成要素は、ファンベルトであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料制限ボルト用カバー。
  5. ディーゼルエンジンの構成要素の付近に配置され、ディーゼルエンジンにおける燃料噴射量の制限をする燃料制限ボルトを覆うための燃料制限ボルト用カバーを備える燃料制限装置であって、
    前記燃料制限ボルト用カバーは、前記燃料制限ボルトの頭部の少なくとも一部を収容し、前記燃料制限ボルトの頭部が頭頂部の内面に干渉することを抑制する拡大内部空間を有することを特徴とする燃料制限ボルト用カバーを備える燃料制限装置。

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