JP2021098916A - 通気可変性織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、汎用的な繊維素材を用いた通気可変性織物を提供することを目的とする。【解決手段】ポリアミド繊維を用いた通気可変性織物であって、JIS−L1096:2010通気性A法(フラジール形法)で測定した100%湿潤時の通気度Aと、絶乾時(90℃×1hr)の通気度Bとの差(A−B)が3.0cc/cm2・sec以上である、通気可変性織物。【選択図】 なし

Description

本発明は、通気可変性織物に関するものである。
従来から織物の通気性を大きく向上させる手段として、織物組織による密度の制御や、特定溶剤に対して溶解する糸条を部分的に使用して製織し、染色性加工工程中においてその糸条を溶解させて、意図的に空隙を作る方法(特許文献1参照)が提案されている。かかる方法を用いることにより、衣服内の熱気や湿気を、系外へ効果的に放出することが可能となっている。
また、着用時において、湿気および水分の変化に迅速に対応し、かつ可逆的に通気度を変化させる方法としてコンジュゲート繊維素材が用いられている。コンジュゲート繊維素材は、激しい運動時の発汗などによる湿気や汗を吸収することにより、織編目が拡大し通気性が増加する。そのため、衣服内の蒸れ感やべとつき感を解消し、快適性を高めることができることが知られている(特許文献2参照)。
特許第5714811号公報 国際公開第2006/062061号
しかしながら、特許文献1に記載の衣服は、空隙を有することにより衣服内の熱気や湿気を放出することはできるが、熱気や湿気の変化に応じて通気性を変化させるものではない。すなわち、通気可変性を有するものではない。
また、特許文献2に記載のコンジュゲート繊維素材は、異なる2成分のポリマーを使用する必要があることや、サイドバイサイド型、芯鞘、多層積層型等の特殊な繊維構造を有することで通気性を変化させるため、繊維素材や構造に制限があるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、汎用的な繊維素材を用いた通気可変性織物を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、以下の構成を有する。すなわち、本発明の通気可変性織物は、ポリアミド繊維を用いた通気可変性織物であって、JIS−L1096:2010通気性A法(フラジール形法)で測定した100%湿潤時の通気度Aと、絶乾時(90℃×1hr)の通気度Bとの差(A−B)が3.0cc/cm・sec以上である。
本発明によれば、汎用的な繊維素材を用いた通気可変性織物を得ることができる。
本発明の通気可変性織物は、ポリアミド繊維を用いた通気可変性織物であって、JIS−L1096:2010通気性A法(フラジール形法)で測定した100%湿潤時の通気度Aと、絶乾時(90℃×1hr)の通気度Bとの差(A−B)が3.0cc/cm・sec以上である。なお、本発明において通気可変性織物とは、安静時、すなわち生地が乾燥状態では通気性を抑えているため、高い保温性を付与することが可能となり、逆に運動時などの発汗状態、すなわち生地が水分を吸収する状態では通気性が一時的に高まり、衣服内の熱気を系外に排出することができる織物を指す。
本発明におけるポリアミド繊維の例としては、特に限定されないが、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、及びこれらのポリアミド繊維2種以上の組合せなどが挙げられる。
本発明の通気可変性織物は、JIS−L1096:2010通気性A法(フラジール形法)で測定した100%湿潤時の通気度Aと、絶乾時(90℃×1hr)の通気度Bとの差が3.0cc/cm・sec以上である。差が3.0cc/cm・sec以上であることにより、運動時等に衣服内にこもった熱気や湿気を十分に排出することができ、かつ、安静時に高い保温性を得ることができる。なお、本発明において、100%湿潤時とは、生地重量に対し、同量の水分を生地が保持している状態のことをいう。その湿潤方法は特に限定しないが、生地を水の中に含侵させ、生地全体を均等に湿潤状態にした後、吊り干し、マングルや脱水機等で水分をコントロールすることが好ましい。また、本発明における絶乾時とは、生地を恒温槽内にて90℃×1hr乾燥させた後の状態のことをいう。
本発明の通気可変性織物は、JIS−L1096:2010通気性A法(フラジール形法)で測定した、100%湿潤させ、20℃×65%RHにて10分放置した後の通気度と、絶乾時(90℃×1hr)の通気度の差が3.0cc/cm・sec以上であることが好ましい。かかる通気度の差が3.0cc/cm・sec以上であることにより、通気可変織物の湿潤度が100%から低下してもある程度の通気性を保つため、衣服内にこもった熱気や湿気をより効率的に排出することができる。
本発明の通気可変性織物は、JIS−L1096:2010記載のA法(フラジール形法)で測定した100%湿潤時の通気度Aが30〜200cc/cm・secであることが好ましい。この通気度Aは、例えば、溶解する繊維を用いる場合の該繊維の繊度や、織物表面から裏面に貫通した穴を有する場合の該穴の大きさを適宜調整することにより達成することができる。
本発明の通気可変性織物は、30℃×90%RHにおける吸湿率MR90と20℃×65%RHにおける吸湿率MR65との差(MR90−MR65)である吸湿率差(ΔMR)が2.5%以上であることが好ましい。吸湿率差(ΔMR)を2.5%以上とすることにより、衣服内のこもった熱気や湿気をより効率的に排出することができる。
本発明の通気可変性織物は、その製造過程において、タテ糸の一部及びヨコ糸の一部に同一の溶剤で溶解する繊維を用いることが好ましい。「タテ糸の一部及びヨコ糸の一部に同一の溶剤で溶解する繊維を用いる」とは、タテ糸の一部とヨコ糸の一部に溶解性の繊維を用い、かつ、タテ糸の一部に用いる繊維とヨコ糸の一部に用いる繊維とが同一の溶媒で溶解することをいう。ここで、タテ糸またはヨコ糸の「一部」とは、複数本のタテ糸またはヨコ糸のうちの1本以上、タテ糸またはヨコ糸の全数未満の糸を表す。複数のタテ糸のうちの一部のタテ糸と、複数のヨコ糸のうちの一部のヨコ糸とが、同一の溶剤により溶解する性質を有することにより、その溶剤を用いてそれらタテ糸、ヨコ糸を溶解することで、その交絡部に貫通した穴を形成することができる。
本発明において、タテ糸の一部とヨコ糸の一部に用いられ、溶剤で溶解される繊維としては、例えば、ポリビニルアルコール系繊維などの水溶性繊維、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびメトオキシポリオキシエチレングリコールなどの第3成分が共重合されたポリエステル系繊維や、ポリ乳酸系繊維などの易アルカリ溶解性繊維などを用いることができる。
また、これらの繊維を単独あるいは2種以上の複合物として使用することもできる。これらの繊維を単独で使用する場合は、2本以上を配列、引き揃え、合糸および合撚などの形態にすることによって用いることができる。
溶解される繊維からなる糸条の総繊度は、溶解しない繊維からなる糸条と繊度をあわせることが好ましい。タテ糸において異なる総繊度の糸条を用いると、製経ビームにおいて凹凸が生じ綺麗に巻き取れない点や、織機上のタテ糸張力管理が困難な場合がある。そのため、可能な限り両者の総繊度を合わせることが好ましいが、生産上問題無ければ、溶解される繊維からなる糸条の総繊度は、あらゆる繊度のものを用いることができる。
本発明の通気可変性織物において、通気可変性織物を表面から裏面に貫通する穴の合計面積が、通気可変性織物中0.1面積%以上存在することが好ましい。合計面積が0.1面積%以上であると、良好な通気性やストレッチ性が得られやすくなる。
本発明の通気可変性織物は、繊維表面から裏面に貫通した穴が1つ以上存在していることが好ましい。かかる穴が1つ以上存在することにより、通気性やストレッチ性、引き裂き強力などの物性に優れた織物が得られやすくなる。
穴が4つ以上存在するときは、穴と穴を結ぶ直線が四角形状の格子柄を形成することが好ましい。格子柄を形成することにより、引き裂き強力などの物性に優れた織物が得られやすくなる。かかる格子柄を形成する方法としては、例えば、溶解しないタテ糸とヨコ糸からなる織物に、一定の間隔で溶剤により溶解するタテ糸とヨコ糸を2本ずつ配列させ溶解することにより、そのタテ糸とヨコ糸の交絡部分が4点あるため、その繊度に応じた繊維表面から裏面に貫通した穴が4点形成され、穴と穴を結ぶ直線が四角形状の格子柄にすることができる。
また織物表面から裏面に貫通した穴の大きさは、5×10−3mm以上、1mm
下であることが好ましい。5×10−3mmより小さいと通気性やストレッチ性に劣る傾向があり、1mmより大きいと通気性やストレッチ性には優れるが、防透け性や引裂強力などの物性に劣る場合がある。より好ましくは、2×10−2mm以上、8×10−1mm以下である。
本発明の通気可変性織物は、絶乾時(90℃×1hr)において、表面から裏面に貫通したタテヨコ比(タテ:ヨコ)1:3〜3:1の穴が開いていることが好ましい。穴のタテヨコ比が1:3〜3:1の比率であることにより、一般に衣料品として使用される場合、生地端ほつれや、滑脱抵抗値等の物性値に優れる傾向がある。また、外観においても生地目寄れが発生しにくくなる場合がある。穴のタテヨコ比は、安定した生地の設計をしやすいという観点から、より好ましくは1:2〜2:1の比率である。
本発明の通気可変性織物は、絶乾時(90℃×1hr)における前記穴の少なくとも1辺の長さが0.2mm以上0.5mm以下であることが好ましい。一辺の長さが0.2mm以上であれば通気性に優れる傾向にある。また、一辺の長さが0.5mm以下であると、紫外線遮蔽性、滑脱抵抗力および生地端ほつれなどの物性に優れやすい。1辺の長さは、より好ましくは0.25mm以上0.45mm以下である。上記の穴の大きさ、穴のタテヨコ比および1辺の長さは、例えば、溶剤で溶解される繊維の繊度や設計による配列を検討することにより制御することが可能である。
本発明の通気可変性織物において、カバーファクター(以下、CF値という場合がある)が2000〜4000であることが好ましい。CF値が上記範囲であることにより、上述の通気度Aと通気度Bとの差(A−B)を3.0cc/cm・sec以上にしやすくなる。CF値は、2500〜3000であることがより好ましい。
本発明の通気可変性織物を製造する方法としては、例えば、隣り合ったタテ糸の2本分以上の間隔をあける空羽組織で空羽同士の間隔を1mm以上とする方法や、溶剤で溶解する繊維糸条をタテ糸に用いておいて、かかる溶剤で溶解除去する方法などが挙げられる。その際、ヨコ糸の一部にも、溶剤で溶解する繊維糸条を用いることにより、かかる繊維糸条を、溶剤中で溶解除去して、前記のタテ糸との交絡部分にその総繊度に応じた繊維表面から裏面に貫通した穴を開けることができる。
本発明の通気可変性織物の製造方法は、本発明の通気可変性織物を製造する方法であって、タテ糸の一部及びヨコ糸の一部に用いられた同一の溶剤で溶解する繊維を溶剤で溶解する工程を含むことが好ましい。同一の溶剤で溶解するタテ糸とヨコ糸を、タテ糸とヨコ糸の一部に用いた織物とし、その溶剤中で溶解除去することにより、効率的に交絡部に貫通した穴を空けることができるため好ましい。タテ糸とヨコ糸がともに溶解する溶剤は水であっても良い。水で溶解する繊維(糸条)とは、ポリビニルアルコール系繊維などの水溶性繊維であって、少なくとも1本のタテ糸と少なくとも1本のヨコ糸にその水溶性繊維を用い、水中において溶解除去することにより、前記のタテ糸とヨコ糸の交絡部分に繊維表面から裏面に貫通した穴を形成させるものである。タテ糸に関しては、空羽組織を用いることで上記水溶性繊維を用いずに間隙を形成させてもよい。用いられる水の水温は20℃以上であることが好ましいが、溶解の効率と完全溶解させない繊維の捲縮を十分に発現させるために、50℃以上の温度で溶解除去することが好ましい態様である。さらに、完全溶解させない繊維の捲縮を十分に発現させるために、60℃以上100℃以下の温度の湯浴処理を同浴または別浴で処理することが好ましい。
また、溶剤とは、易アルカリ溶解性繊維であるポリエステル系繊維やポリ乳酸系繊維に対しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムおよび炭酸ナトリウムなどのアルカリ物質溶液のことであり、アルカリ水溶液として用いることが好ましい態様である。本発明の通気可変性織物の製造方法においては、特に、溶剤が水酸化ナトリウムを含むアルカリ水溶液であることが好ましく、アルカリ水溶液の浴中温度は50℃以上で溶解除去することが好ましい。さらに、完全溶解させない繊維の捲縮を十分に発現させるために、60℃以上100℃以下の温度の湯浴処理を同浴または別浴で実施することが好ましい。
また、水溶性繊維を、アルカリ物質を併用しアルカリ水溶液中で溶解除去することもできる。アルカリ物質の使用濃度は、水酸化ナトリウムであれば0.1%以上であることが好ましく、溶解時間を早める観点から、より好ましくは1%以上である。
本発明の通気可変性織物において、ポリアミド繊維がポリアミド膨潤剤を含有することが好ましい。ポリアミド膨潤剤を含有することにより、ポリアミド繊維が膨潤することで繊維長が短くなり、繊維径が大きくなるため、乾燥状態では織物の目が詰まった状態を保ちやすくなる。一方、汗などの水分に触れると繊維長が長くなり、繊維径が小さくなるため、織物の目が開いていくことで通気度が増加しやすくなる。なお、本発明において、ポリアミド膨潤剤とは、ポリアミド繊維又は布帛を、溶媒に浸したときにポリアミド繊維を膨潤させる役割を果たすものをいう。ポリアミド膨潤剤がポリアミド繊維を膨潤させるのは、ポリアミド膨潤剤がポリアミド繊維の非結晶部分に浸入し、結晶部分が架橋の役割を果たすためと推測される。
ポリアミド膨潤剤の具体例としては、特に限定しないが、ベンジルアルコール、フルオロアルコール、フェニレングリコール、塩化カリウムのメタノール溶液、塩化カルシウムのメタノール溶液、フェノール類(フェノール、クレゾール、キシレノール)などが挙げられる。本発明の通気可変性織物において、ポリアミド膨潤剤がベンジルアルコール類又はベンジルアルコール誘導体を含むことが好ましく、ベンジルアルコールを含むことがより好ましい。ここで、ベンジルアルコール誘導体としては、ベンジルアルコールのエチレンオキサイド誘導体、プロピレンオキサイド誘導体などが挙げられる。
ポリアミド繊維にポリアミド膨潤剤を含有させる方法は、特に限定されないが、例えば、液流染色機で加工を行う際の浴中にポリアミド膨潤剤を含有させておく方法が挙げられる。その際の浴中のポリアミド膨潤剤の使用量としては、水に対して5〜80g/Lであることが好ましい。5g/L未満の場合、十分な膨潤効果が得られず、水分に対して十分な可逆性を有することができない。また、80g/Lを越えると、ポリアミドの膨潤が大きく、繊維の収縮が大きくなり風合いを損なう。さらに好ましくは10〜50g/Lである。
本発明の通気可変性織物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、帯電防止剤、吸水剤、吸湿剤、撥水剤、撥油剤、防汚剤、着色剤および増摩剤などで処理することができる。
本発明の通気可変性織物は、衣料品として、スポーツウェア、ホームウェア、コート、ブルゾン、ブラウス、シャツ、スカート、スラックス、室内運動着、パジャマ、寝間着、肌着、オフィスウェア、作業服、食品白衣、看護白衣、患者衣、介護衣、学生服、および厨房衣などに好ましく用いられる。また、雑貨用品として、エプロン、タオル、手袋、マフラー、靴下、帽子、靴、サンダル、かばんなどに好ましく用いられる。また、インテリア用品として、カーテン、こたつカバー、ソファーカバー、クッションカバー、ソファー用側地、テーブルクロスなどに好ましく用いられる。さらに、寝具用品として、布団用側地、シーツ、布団カバー、枕カバーなどに好ましく用いられる。
次に、本発明の通気可変性織物について、実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例中における各種の評価方法は、下記の方法を用いた。
(通気度):
JIS−L1096:2010 通気性A法(フラジール形法)に規定される方法で、フラジール形試験機を用い、試験片を通過する空気量(cc/cm・sec)を求めた。
(吸湿率差(ΔMR)):
組成物ペレットを秤量瓶に1〜2g程度はかり取り、110℃で2時間乾燥させた後の重量(W0)を測定した。次にペレットを20℃、相対湿度65%で24時間保持した後の重量(W65)を測定した。そして、ペレットを30℃、相対湿度90%で24時間保持した後の重量(W90)を測定した。そして、以下の式に従ってΔMRを計算した。
MR65(%)=[(W65−W0)/W0]×100
MR90(%)=[(W90−W0)/W0]×100
ΔMR(%)=MR90−MR65。
(カバーファクター(CF値)):
織物の被覆率の指標として、織物から取り出した糸条の見掛け総繊度と密度を下記式に当てはめて、カバーファクターを算出した。
・CF値 = {タテ糸見掛け繊度(dTex)}^1/2×タテ糸本数(本/2.54cm)+{ヨコ糸見掛け繊度(dTex)}^1/2×ヨコ糸本数(本/2.54cm)
式中、「^1/2」は1/2乗を表す。また、糸本数は、表組織と裏組織の和を用いた。
(実施例1)
タテ糸に、56dTex/48フィラメントのポリアミド繊維糸条(A)と84dTex/24フィラメントの5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合成分として用いた易アルカリ溶解性のポリエステル繊維糸条とを、それぞれ12本:2本の割合で交互に配列した。ヨコ糸に、84dTex/36フィラメントのポリアミド繊維糸条(B)と84dTex/24フィラメントの5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合成分として用いた易アルカリ溶解性のポリエステル繊維糸とを、10本:3本の割合で交互に配列し、タテ密度が220本/2.54cmで、ヨコ密度が150本/2.54cmの織物を製織した。次に、常法に従い精練、乾燥および中間セットした後、濃度3%の水酸化ナトリウム水溶液中で90℃の温度で10分間、浴中処理を実施し易アルカリ溶解性のポリエステル繊維を完全溶解した。
この織物を精練した後に、水にベンジルアルコールの乳化分散液を投入し、150g/lのベンジルアルコールを含む処理液にて、常圧ジッカーを用いて室温から98℃まで40分かけて昇温し、98℃を維持して40分間の処理を行った(拡布状)。その後、引続き、ソーピングとして80℃のお湯にて2回湯洗いをおこなった。
次に、常圧ジッカーを用い酸性染料にて黒色に染色(95℃×60分)し、ソーピング、合成タンニンを用いたフィックス処理をおこなった。その後、引続き、乾燥、すなわち140℃での仕上セットを行なった。
上記実施例1で得た織物の通気度および吸湿率差を評価した。
(実施例2)
タテ糸に、11dTex/5フィラメントのポリアミド繊維糸条(A)と84dTex/24フィラメントの5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合成分として用いた易アルカリ溶解性のポリエステル繊維糸条とを、それぞれ12本:2本の割合で交互に配列した。ヨコ糸に、22dTex/7フィラメントのポリアミド繊維糸条(B)と84dTex/24フィラメントの5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合成分として用いた易アルカリ溶解性のポリエステル繊維糸とを、10本:3本の割合で交互に配列し、タテ密度が223本/2.54cmで、ヨコ密度が127本/2.54cmの織物を製織した。次に、常法に従い精練、乾燥および中間セットした後、濃度3%の水酸化ナトリウム水溶液中で90℃の温度で10分間、浴中処理を実施し易アルカリ溶解性のポリエステル繊維を完全溶解した。
この織物を精練した後に、水にベンジルアルコールの乳化分散液を投入し、150g/lのベンジルアルコールを含む処理液にて、常圧ジッカーを用いて室温から98℃まで40分かけて昇温し、98℃を維持して40分間の処理を行った(拡布状)。その後、引続き、ソーピングとして80℃のお湯にて2回湯洗いをおこなった。
次に、常圧ジッカーを用い酸性染料にて黒色に染色(95℃×60分)し、ソーピング、合成タンニンを用いたフィックス処理をおこなった。その後、引続き、乾燥、すなわち140℃での仕上セットを行なった。
上記実施例2で得た織物の通気度および吸湿率差を評価した。
(比較例1)
実施例1で製織したベンジルアルコール処理をする前の加工布の通気度および吸湿率差を評価した。
Figure 2021098916

Claims (10)

  1. ポリアミド繊維を用いた通気可変性織物であって、JIS−L1096:2010通気性A法(フラジール形法)で測定した100%湿潤時の通気度Aと、絶乾時(90℃×1hr)の通気度Bとの差(A−B)が3.0cc/cm・sec以上である、通気可変性織物。
  2. JIS−L1096:2010通気性A法(フラジール形法)で測定した、100%湿潤させ、20℃×65%RHにて10分放置した後の通気度Cと、絶乾時(90℃×1hr)の通気度Bの差(C−B)が3.0cc/cm・sec以上である、請求項1に記載の通気可変性織物。
  3. 30℃×90%RHにおける吸湿率MR90と20℃×65%RHにおける吸湿率MR65との差(MR90−MR65)である吸湿率差ΔMRが2.5%以上である、請求項1または2に記載の通気可変性織物。
  4. 絶乾時(90℃×1hr)において、表面から裏面に貫通したタテヨコ比(タテ:ヨコ)1:3〜3:1の穴が開いている、請求項1〜3のいずれかに記載の通気可変性織物。
  5. 絶乾時(90℃×1hr)における前記穴の少なくとも1辺の長さが0.2mm以上0.5mm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の通気可変性織物。
  6. カバーファクターが2000〜4000である、請求項1〜5のいずれかに記載の通気可変性織物。
  7. 前記ポリアミド繊維がポリアミド膨潤剤を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の通気可変性織物。
  8. 前記ポリアミド膨潤剤がベンジルアルコールを含む、請求項7に記載の通気可変性織物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の通気可変性織物を製造する方法であって、タテ糸の一部及びヨコ糸の一部に用いられた同一の溶剤で溶解する繊維を溶剤で溶解する工程を含む、通気可変性織物の製造方法。
  10. 該溶剤が水酸化ナトリウムを含むアルカリ水溶液である、請求項9に記載の通気可変性織物の製造方法。
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